JP2004131722A - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子及びスチレン系樹脂発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、短時間でスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる発泡性スチレン系樹脂粒子を提供する。
【解決手段】 本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、Z平均分子量Mzが160万〜300万で且つZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)が4.0〜5.0であると共に、温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレート測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)が1.5〜3.0であるスチレン系樹脂からなり、物理型発泡剤2.5〜5.0重量%及び発泡助剤1.0〜2.5重量%を含有することを特徴とする。
【選択図】  なし

Description

 本発明は、食品容器、梱包材、緩衝材等に好適なスチレン系樹脂成形体を得ることができる発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを用いたスチレン系樹脂発泡成形体に関する。
 従来からスチレン系樹脂発泡成形体は、易揮発性有機化合物等の物理型発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気等の加熱媒体によって加熱してスチレン系樹脂予備発泡粒子とし、このスチレン系樹脂予備発泡粒子を金型内に充填した上で水蒸気等で加熱、発泡させてスチレン系樹脂予備発泡粒子間の隙間を埋めながら発泡圧によって互いに融着一体化させた後、得られたスチレン系樹脂発泡成形体を金型内にて冷却する冷却工程を経て製造されている。
 そして、上記スチレン系樹脂発泡成形体の製造工程において最も時間を要する工程が冷却工程であって、スチレン系樹脂発泡成形体の製造時間の短縮には上記冷却工程の短縮が最も効果的である。
 そこで、上記スチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程を短縮することを目的として、特許文献1には、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に脂肪酸トリグリセライドを被覆する方法が記載され、特許文献2には、融点が40℃〜70℃のパラフィンワックスのエマルジョンと発泡性スチレン系樹脂粒子とを攪拌、混合して発泡性スチレン系樹脂粒子の表面にパラフィンワックスを被覆する方法が記載され、特許文献3には、物理型発泡剤の含有量を少なくしたスチレン系樹脂発泡粒子が記載されている。
 しかしながら、特許文献1、2のように、脂肪酸トリグリセライドやパラフィンワックスを発泡性スチレン系樹脂粒子を被覆すると、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面がおかされて物理型発泡剤の逸散量が多くなって、発泡性スチレン系樹脂粒子同士の融着一体化が不十分となって得られるスチレン系樹脂発泡成形体の機械的強度や外観が低下するといった問題があり、又、特許文献3では、発泡性が低いために発泡性スチレン系樹脂粒子を目標の発泡倍率まで発泡するためには2回以上の予備発泡工程が必要であって製造効率が低いといった問題点があった。
特公昭54−19022号公報 特開昭60−195135号公報 特開平6−25456号公報
 本発明は、汎用の発泡成形機を用いたスチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間を短縮することができると共に機械的強度及び外観性に優れたスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる発泡性スチレン系樹脂粒子及びこの発泡性スチレン系樹脂粒子を用いて得られた機械的強度及び外観に優れたスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。
 本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、Z平均分子量Mzが160万〜300万で且つZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)が4.0〜5.0であると共に、温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレート測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)が1.5〜3.0であるスチレン系樹脂からなり、物理型発泡剤2.5〜5.0重量%及び発泡助剤1.0〜2.5重量%を含有することを特徴とする。
 上記スチレン系樹脂は、Z平均分子量Mz、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)及び膨張割合SR(A/B)が上記範囲内にあれば、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられる。
 又、上記スチレン系樹脂としては、上記スチレン系モノマー成分を主成分とする、上記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン等のジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、下記式1で示したポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマー;α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、多官能性モノマーが好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、nが4〜16のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンがより好ましく、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、上記スチレンと共重合可能なモノマーは単独で用いられても併用されてもよい。
Figure 2004131722
 更に、スチレン系モノマーと共重合可能なモノマーとして多官能性モノマーを用いた場合には、スチレン系樹脂中における多官能性モノマー成分の含有量は、少ないと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体に収縮が生じ易くなり外観性が低下することがあり、又、多くても、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、低密度のスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができないことがあるので、0.01〜0.025mol%が好ましい。なお、多官能性モノマー成分は、発泡性スチレン系樹脂粒子中に均一に存在している必要はなく不均一に存在していてもよい。
 なお、スチレン系樹脂中における多官能性モノマー成分の含有量は、スチレン系樹脂粒子の製造に用いられた多官能性モノマーのモル数を、スチレン系樹脂粒子の製造に用いられた全モノマーのモル数で除したものに100を乗じたものをいう。
 そして、スチレン系モノマーと共重合可能なモノマーとして多官能性モノマーを用いた場合におけるスチレン系樹脂の重量平均分子量は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体の機械的強度が低下し、又、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、低密度のスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができないので、35万〜70万が好ましい。
 又、スチレン系モノマーと共重合可能なモノマーとして多官能性モノマーを用いた場合におけるスチレン系樹脂のメルトフローレートは、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体に収縮が生じ易く外観性が低下することがあり、又、大きくても、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、低密度のスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができないので、1〜10g/10分が好ましい。なお、スチレン系樹脂のメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
 即ち、スチレン系モノマーと共重合可能なモノマーとして多官能性モノマーを用いると共にスチレン系樹脂中における多官能性モノマー成分の含有量を0.01〜0.025mol%とすることによって、スチレン系樹脂に多官能性モノマーにより分岐構造を付与しており、よって、スチレン系樹脂は、Z平均分子量Mzが160万以上であるにもかかわらず、メルトフローレートは1〜10g/10分であり(例えば、スチレン系樹脂のZ平均分子量が180万の時、スチレン系樹脂のメルトフローレートは3g/10分程度である)、溶融時における優れた流動性を保持して、発泡性スチレン系樹脂粒子に優れた発泡成形性を付与することができる。なお、従来のスチレン系樹脂(線状構造)では、Z平均分子量Mzが160万以上となると、メルトフローレートが0.5g/10分未満に過ぎないために発泡成形性に劣る。
 そして、上記スチレン系樹脂のZ平均分子量は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体の機械的強度が低下し、又、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、低密度のスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができないので、160万〜300万に限定される。
 更に、上記スチレン系樹脂におけるZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡成形性が低下して発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体の外観性が低下し、又、大きいと、スチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなって製造効率が低下するので、4.0〜5.0に限定される。
 なお、本発明においては、以下のGPC法によってZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwを測定した。
 測定装置:Waters HPLC(Detector484 、Pump510)
 カラム:昭和電工社製 Shodex GPC K-806L(φ8.0 ×300mm)2本
 測定条件:カラム温度(40℃)、移動相(クロロホルム)
      移動相流量(1.2ミリリットル/min)、注入・ポンプ温度(室温)
      測定時間(25分)、検出(UV254nm)、注入量:50マイクロリット      ル
 検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製 商品名「Shodex」
               分子量:1,030,000
              東ソー社製
               分子量:5,480,000 、3,840,000 、355,000 、102,000
                   379,000 、9,100 、2,630 、495
 測定方法:試料約30mgをクロロホルム10ミリリットルで溶解し、0.45μmク      ロマトディスクで濾過してから測定する。
 ここで、上記GPC法によって測定される重量平均分子量Mw及びZ平均分子量Mzは、Miなる分子量をもつ高分子がNi個存在する場合、下記の通り定義される。
 重量平均分子量Mwは、下記式によって定義され、測定される物性値が高分子の重量に直接関係する時に求められる平均分子量であって、分子量の2乗平均であり、数平均分子量Mnより高重合度分子に依存する。
Figure 2004131722
 Z平均分子量Mzは、下記式によって定義され、最も高次の平均分子量で分子量の3乗平均である。重量平均分子量Mwよりも更に高重合度分子に依存する。
Figure 2004131722
 又、上記スチレン系樹脂における温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレート測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体に収縮が生じて外観性が低下し、又、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下して低密度のスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができないので、1.5〜3.0に限定され、1.6〜2.8が好ましい。
 ここで、上記スチレン系樹脂の膨張割合SR(A/B)は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、スチレン系樹脂粒子1〜3gを予め200℃に加熱した上でメルトフローレート測定器内に供給して3分間放置した後、スチレン系樹脂に49Nの荷重を加えて内径B(mm)のオリフィスからスチレン系樹脂を押出す。そして、最初に押出されたスチレン系樹脂ストランドの先端から押出方向とは逆方向に5mmだけ存した部分における任意五箇所の外径を測定し、それら外径の平均値をスチレン系樹脂の外径A(mm)として下記式によりスチレン系樹脂の膨張割合SR(A/B)を算出する。
  スチレン系樹脂の膨張割合SR=A/B
 なお、上記スチレン系樹脂の膨張割合SR(A/B)は、東洋精機製作所から商品名「メルトインデクサー」で市販されているメルトフローレート測定器を用いて測定することができる。
 又、上記発泡性スチレン系樹脂粒子中に含有されている物理型発泡剤は、従来からスチレン系樹脂の発泡に用いられているものであれば、特に限定されず、例えばイソブタン、n−ブタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭素数5以下の脂肪族炭化水素が挙げられ、イソブタンとn−ブタンが好ましく、イソブタンとn−ブタンとを併用するのが好ましい。
 そして、イソブタンとn−ブタンとの重量比(イソブタン/n−ブタン)は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られるスチレン系樹脂予備発泡粒子の二次発泡力が低下して得られるスチレン系樹脂発泡成形体の外観性が低下することがあり、又、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子を用いたスチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなることがあるので、0.4〜2.0が好ましい。
 更に、上記物理型発泡剤の発泡性スチレン系樹脂粒子中における含有量は、少ないと、発泡性スチレン系樹脂粒子から低密度のスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができないと共に成形時の二次発泡力を高める効果が得られないためにスチレン系樹脂発泡成形体の外観性が低下し、又、多いと、発泡性スチレン系樹脂粒子を用いたスチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなって生産性が低下するので、2.5〜5.0重量%に限定され、2.7〜4.8重量%が好ましい。
 なお、上記発泡性スチレン系樹脂粒子中における物理型発泡剤の含有量は、発泡性スチレン系樹脂粒子を150℃の熱分解炉に入れ、この熱分解炉で発生した炭化水素量をクロマトグラフにて測定することができる。
 又、上記発泡性スチレン系樹脂粒子には発泡助剤も含有されているが、この発泡助剤としては、従来から発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、スチレン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族有機化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の一気圧下における沸点が200℃以下の溶剤が挙げられる。
 そして、上記発泡助剤の発泡性スチレン系樹脂粒子中における含有量は、少ないと、スチレン系樹脂の可塑化効果が発現せず、又、多いと、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体に収縮や溶けが発生して外観性が低下したり或いは発泡性スチレン系樹脂粒子を用いたスチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなるので、1.0〜2.5重量%に限定され、1.2〜2.2重量%が好ましい。
 なお、上記発泡性スチレン系樹脂粒子中における発泡助剤の含有量は、発泡性スチレン系樹脂粒子をジメチルホルムアミドに溶解させると共に内部標準液としてシクロペンタノールを加えてガスクロマトグラフにて測定することができる。
 更に、発泡性スチレン系樹脂粒子には、加熱発泡時に用いられる水蒸気の圧力が低くても良好な発泡成形性を維持させるために、一気圧下における沸点が200℃を超える可塑剤、例えば、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、グリセリンジアセトモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペート等のアジピン酸エステル、ヤシ油等の可塑剤が2.0重量%未満含有されていてもよい。
 なお、上記発泡性スチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、結合防止剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等の添加剤を添加してもよく、又、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を上記発泡性スチレン樹脂粒子の表面に塗布しておけば、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡工程においてスチレン系樹脂予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。
 次に、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法について説明する。この発泡性スチレン系樹脂粒子は、スチレン系モノマー或いはスチレン系モノマーとこのスチレンと共重合可能なモノマー(以下、総称して「原料モノマー」という)との重合中或いは重合後に、得られたスチレン系樹脂粒子中に物理型発泡剤及び発泡助剤を含浸させることによって製造することができる。
 上記スチレン系樹脂粒子の製造方法としては、従来から汎用の重合方法が用いられ、例えば、1)原料モノマーを水中に懸濁させ重合開始剤の存在下で重合させる懸濁重合方法、2)水性媒体中に種粒子として微細なスチレン系樹脂粒子を分散させた上でこの水性媒体中に原料モノマーを連続的又は断続的に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合するシード重合方法、3)上記重合方法1)2)で得られたスチレン系樹脂を押出機にて所望の粒度に調整する方法等が挙げられ、懸濁重合方法及びシード重合方法が好ましい。
 そして、上記シード重合方法を用いる場合における種粒子の使用量は、少ないと、原料モノマーの重合を適正範囲に制御することができずに、スチレン系樹脂が高分子量化したり或いは微粉末状のスチレン系樹脂が多量に発生してしまってスチレン系樹脂粒子の製造効率が低下することがあり、又、多いと、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡成形性が低下することがあるので、発泡性スチレン系樹脂粒子中、10〜90重量%が好ましく、15〜50重量%がより好ましい。
 又、上記重合開始剤としては、従来からスチレン系モノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3、3、5−トリメチルヘキサノエート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、得られるスチレン系樹脂のZ平均分子量Mzや重量平均分子量Mwを調整して残存モノマーを低減させるために、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃にある異なった二種以上の重合開始剤を併用することが好ましい。なお、上記重合開始剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
 更に、上記シード重合において、スチレン系単量体の小滴及び種粒子を水性媒体中に分散させる為に用いられる懸濁安定剤としては、従来からスチレン系モノマーの懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。
 そして、上記懸濁安定剤として難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤を併用するのが好ましく、このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩等のスルフォン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
 上記スチレン系樹脂粒子は球状であるのが好ましく、スチレン系樹脂粒子の粒径は、金型内への充填性等を考慮すると、0.3〜2.0mmが好ましく、0.3〜1.4mmがより好ましい。
 そして、上記の如くして得られたスチレン系樹脂粒子への物理型発泡剤及び発泡助剤の含浸方法は、従来から汎用の方法が用いられ、例えば、スチレン系樹脂粒子に物理型発泡剤及び発泡助剤を高圧下にて含浸させる方法、スチレン系樹脂粒子を押出機にて造粒する場合には押出機内に物理型発泡剤及び発泡助剤を供給する方法が挙げられる。
 なお、上記スチレン系樹脂粒子に物理型発泡剤及び発泡助剤を含浸させる際の温度は、低いと、スチレン系樹脂粒子に物理型発泡剤及び発泡助剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがあり、又、高いと、スチレン系樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがあるので、60〜120℃が好ましく、70〜100℃がより好ましい。
 そして、上記の如くして得られた発泡性スチレン系樹脂粒子は、公知の予備発泡装置を用いて所望の嵩密度、好ましくは嵩密度0.01〜0.025g/cm3 に予備発泡させてスチレン系樹脂予備発泡粒子とされた後、このスチレン系樹脂予備発泡粒子を金型のキャビティ内に充填した上で加熱、発泡させ、スチレン系樹脂予備発泡粒子同士を発泡圧により隙間なく融着一体化させた後に、金型のキャビティ内で所定時間だけ冷却させる(冷却工程)ことによってスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる。
 ここで、上記スチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度は、小さいと、スチレン系樹脂予備発泡粒子を二次発泡させて得られるスチレン系樹脂発泡成形体に収縮が起こり易く外観性が低下したり或いは満足のいく機械的強度が得られないことがあり、又、大きいと、スチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなって製造効率が低下することがあるので、0.01〜0.025g/cm3 が好ましい。
 本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、少ない発泡剤で高度に発泡すると共に外観が美麗で且つ低嵩密度にして高強度なスチレン系樹脂発泡成形体を短時間で製造することができる。
 即ち、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、特定のZ平均分子量Mz及びZ平均分子量と重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)を有し且つ特定の樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)を有するスチレン系樹脂を用い、物理型発泡剤の含有量を2.5〜5.0重量%と低く抑えていることから、発泡性スチレン系樹脂粒子(発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させてなるスチレン系樹脂予備発泡粒子)を金型内にて加熱、発泡させて得られる発泡成形体において、その内部にて揮発した物理型発泡剤の発泡ガス圧を低くすることができると共に、物理型発泡剤がスチレン系樹脂に含浸して可塑化するのを最小限に抑えて、溶融時におけるスチレン系樹脂の溶融粘度を高く保持することができる。
 従って、得られるスチレン系樹脂発泡成形体を金型のキャビティ内から取り出す際のスチレン系樹脂発泡成形体の温度を高くしても、スチレン系樹脂発泡成形体の発泡壁の高い溶融粘度と低い発泡ガス圧との相乗効果によって、スチレン系樹脂発泡成形体が破泡して発泡ガスが散逸し、スチレン系樹脂発泡成形体が収縮したりすることはなく、よって、スチレン系樹脂発泡成形体をより高い温度にて金型内から取り出すことができる。
 つまり、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を用いれば、スチレン系樹脂発泡成形体の製造工程において最も長時間を要するスチレン系樹脂発泡成形体の冷却工程の短縮化を図ることができると共に、金型の冷却を最小限にして、スチレン系樹脂成形体を取り出した後、次に金型内に充填される発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡のための金型の加熱時間の短縮化を図ることができ、よって、発泡性スチレン系樹脂粒子を用いたスチレン系樹脂発泡成形体の製造時間の短縮化を図ることができる。
(実施例1)
 内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000重量部、懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム100重量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム2.0重量部を供給し攪拌しながらスチレンモノマー40000重量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0重量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してスチレン系樹脂粒子(A)を得た。
 上記スチレン系樹脂粒子(A)を篩分けし、種粒子として粒子径0.5〜0.71mmのスチレン系樹脂粒子(B)を得た。次に、内容量5リットルの攪拌機付き重合容器内に、水2000重量部、上記スチレン系樹脂粒子(B)500重量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0重量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.3重量部を供給して攪拌しながら70℃に昇温した。
 次に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド4.5重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.1重量部をスチレンモノマー200重量部に溶解させたものを上記5リットルの重合容器に供給してから30分経過後に100℃に昇温し、更に、多官能性モノマーとしてジビニルベンゼン0.45重量部を溶解させたスチレンモノマー1300重量部を2時間かけてポンプで一定量づつ上記5リットルの重合容器内に供給した上で120℃に昇温して2時間経過後に冷却しスチレン系樹脂粒子(C)を得た。
 続いて、別の内容量5リットルの攪拌機付き重合容器に、水2200重量部、スチレン系樹脂粒子(C)1800重量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0重量部及びドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.4重量部を供給して攪拌しながら70℃に昇温した。次に、発泡助剤としてシクロヘキサン27.0重量部及び可塑剤としてジイソブチルアジペート12.6重量部を重合容器内に入れて密閉し100℃に昇温した。
 次に、発泡剤としてイソブタンを45重量部及びn−ブタン45重量部をスチレン系樹脂粒子(C)が入った重合容器内に圧入して3時間保持した後、30℃以下まで冷却した上で重合容器内から取り出し乾燥させた上で13℃の恒温室内に5日間放置して発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
 続いて、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に表面処理剤としてジンクステアレート及びヒドロキシステアリン酸トリグリセリドを被覆処理した上で予備発泡装置にて嵩密度0.0167g/cm3 に予備発泡した後に20℃で24時間熟成してスチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
 そして、内寸300mm×400mm×30mmの直方体形状のキャビティを有する金型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所社製 商品名「エース3型」)のキャビティ内に上記スチレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、ゲージ圧0.07MPaの水蒸気で20秒間加熱成形を行った。次に、上記金型のキャビティ内の発泡体を5秒間水冷した後、減圧下にて放冷(冷却工程)してスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例2)
 シード重合によりスチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加するジビニルベンゼンを0.45重量部の代わりに0.26重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例3)
 シード重合によりスチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加するジビニルベンゼンを0.45重量部の代わりに0.6重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例4)
 シード重合によりスチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加する多官能性モノマーをジビニルベンゼンの代わりにエチレングリコールジメタクリレート0.76重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例5)
 シード重量によりスチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加するベンゾイルパーオキサイドを4.5重量部の代わりに6.0重量部とした以外は実施例1と同様してスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例6)
 シード重量によりスチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加するベンゾイルパーオキサイドを4.5重量部の代わりに2.0重量部とした以外は実施例1と同様してスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例7)
 イソブタンを45重量部の代わりに36重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに36重量部、重合容器内に供給したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例8)
 イソブタンを45重量部の代わりに63重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに63重量部、重合容器内に供給したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例9)
 シクロヘキサンを27.0重量部の代わりに10.0重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例10)
 シクロヘキサンを27.0重量部の代わりに36.0重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例11)
 イソブタンを45重量部の代わりに26重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに64重量部、重合容器内に供給したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例12)
 イソブタンを45重量部の代わりに60重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに30重量部、重合容器内に供給したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例13)
 ベンゾイルパーオキサイドを96.0重量部の代わりに120重量部とし、ジビニルベンゼン8.0重量部を添加したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂粒子(A)を得た。
 上記スチレン系樹脂粒子(A)を篩分けし、粒子径0.60〜1.35mmのスチレン系樹脂粒子(D)を得た。シード重合を行なわずに、スチレン系樹脂粒子(C)の代わりにスチレン系樹脂粒子(D)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(実施例14)
 シード重量によりスチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に、ペンゾイルパーオキサイド4.5重量部の代わりにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3.0重量部としたこと、ジビニルベンゼンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(比較例1)
 発泡助剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。なお、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低く、又、スチレン系樹脂発泡成形体も収縮し易いものであった。
(比較例2)
 イソブタンを45重量部の代わりに80重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに80重量部、重合容器内に供給したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(比較例3)
 シード重合によりスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加するジビニルベンゼンを0.45重量部の代わりに0.15重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
 なお、発泡性スチレン系樹脂粒子から得られたスチレン系樹脂発泡成形体の最低発泡嵩密度は0.025g/cm3 程度であり、目標の発泡嵩密度(0.0167g/cm3 )にするためには、加圧発泡あるいは多段階発泡が必要となるために生産効率が低くなってしまい、更に、スチレン系樹脂発泡成形体は成形時に収縮し易かった。
(比較例4)
 シード重合によりスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加するジビニルベンゼンを0.45重量部の代わりに0.90重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
 なお、スチレン系樹脂粒子(C)を構成するスチレン系樹脂はゲル化しており、Z平均分子量Mz及びZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比は測定不可能であった。そして、スチレン系樹脂発泡成形体の最低発泡嵩密度は0.028g/cm3 と非常に高いものであった。
(比較例5)
 シクロヘキサンを27.0重量部の代わりに54.0重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。なお、発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡助剤を3.0重量%と多量に含有していたために発泡性スチレン系樹脂粒子同士の結合が多く、スチレン系樹脂発泡成形体の製造効率が低かった。又、スチレン系樹脂発泡成形体は収縮や溶けが発生した。
(比較例6)
 イソブタンを45重量部の代わりに30重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに30重量部、重合容器内に供給したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。なお、発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡剤含有量が2.0重量%と低いために発泡性が低く、外観性及び物性ともに満足のいくものではなかった。
(比較例7)
 イソブタンを45重量部の代わりに90重量部、n−ブタンを45重量部の代わりに90重量部、重合容器内に圧入したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
(比較例8)
 シード重合によりスチレン系樹脂粒子(C)を製造する際に添加する多官能性モノマーをジビニルベンゼンの代わりにエチレングリコールジメタクリレート0.26重量部とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡成形体を得た。なお、発泡性スチレン系樹脂粒子同士の結合が多く、スチレン系樹脂発泡成形体の製造効率が低かった。更に、スチレン系樹脂発泡成形体は、成形時に収縮や溶けを発生して外観性及び物性は満足のいくものではなかった。
 上記の如くして得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を構成しているスチレン系樹脂のZ平均分子量Mz、Z平均分子量Mz/重量平均分子量Mw、膨張割合SR(A/B)及び多官能性モノマー成分の含有量、発泡性スチレン系樹脂粒子中における物理型発泡剤及び発泡助剤の含有量、並びに、スチレン系樹脂発泡成形体の外観性、冷却工程所要時間、曲げ強度及び5%圧縮強度を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
(多官能性モノマー成分の含有量)
 スチレン系樹脂粒子(B)からスチレン系樹脂粒子(C)を作製する際に重合容器内に供給された多官能性モノマー及びスチレンモノマーは全て重合反応に用いられたものとした。
(物理型発泡剤の含有量)
 発泡性スチレン樹脂粒子を150℃の熱分解炉(島津製作所社製 商品名「GC−14B熱分解炉」)に供給して揮発した炭化水素をガスクロマトグラフ(島津製作所社製)を用いて下記条件下にて測定した。
 PYR−1Aカラム:ポラパックQ 80/100(3mmφ×1.5m)
 カラム温度:100℃
 検出器(FID)温度:120℃
(発泡助剤の含有量)
 発泡性スチレン樹脂粒子をジメチルホルムアミドに溶解して内部標準液(シクロペンタノール)を加えてガスクロマトグラフ(島津製作所社製 商品名「GC−14A」)を用いて測定した。但し、特定できないピークについてはトルエンの検出量に換算して定量した。
 カラム:PEG−20M PT25% 60/80(2.5m)
 カラム温度:105℃
 検出器(FID)温度:220℃
(外観性)
 スチレン系樹脂発泡成形体の表面を目視観察して下記基準によって評価した。
  ○:発泡粒子間の間隙が無く、表面が溶融した発泡粒子もなく、表面が平滑で見栄え    が良い。
  ×:発泡粒子間の間隙が多く或いは表面に溶融した発泡粒子が多数存在し、表面に凹    凸が発生しており見栄えが非常に悪い。
(冷却工程所要時間)
 金型に取り付けられた面圧計によって金型内の発泡体の面圧を測定し、水冷の開始から面圧計が0.02MPaになるまでに要した時間を測定した。
(曲げ強度)
 スチレン系樹脂発泡成形体から縦300mm×横75mm×厚さ30mmの試験片を切り出し、この試験片の曲げ試験をJIS−A9511に準拠して行い、曲げ強度とした。
(5%圧縮強度)
 スチレン系樹脂発泡成形体から縦50mm×横50mm×厚さ30mmの試験片を切り出し、この試験片の圧縮試験をJIS−A9511に準拠して行い、曲げ強度とした。
Figure 2004131722

Claims (4)

  1. Z平均分子量Mzが160万〜300万で且つZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)が4.0〜5.0であると共に、温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレート測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)が1.5〜3.0であるスチレン系樹脂からなり、物理型発泡剤2.5〜5.0重量%及び発泡助剤1.0〜2.5重量%を含有することを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. スチレン系樹脂は、多官能性モノマー成分0.01〜0.025mol%を含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 物理型発泡剤が、イソブタン及びn−ブタンからなり且つイソブタンとn−ブタンとの重量比(イソブタン/n−ブタン)が0.4〜2.0であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  4. Z平均分子量Mzが160万〜300万で且つZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)が4.0〜5.0であると共に、温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレート測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)が1.5〜3.0であるスチレン系樹脂からなり、物理型発泡剤2.5〜5.0重量%及び発泡助剤1.0〜2.5重量%を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて嵩密度0.01〜0.025g/cm3 のスチレン系樹脂予備発泡粒子とし、このスチレン系樹脂予備発泡粒子を金型内に充填して加熱、発泡させてなるスチレン系樹脂発泡成形体。
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