JP2009102632A - スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子、および該予備発泡粒子からなる発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 重合中にポリエチレン系樹脂粒子同士が付着しにくいスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を提供すること。
【解決手段】 ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液にスチレン系単量体を添加することによりポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を発泡させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、ポリエチレン系樹脂粒子が、酢酸ビニル含有量3〜7重量%、メルトフローレート0.3〜1.0g/10分、融点95〜104℃であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液にスチレン系単量体を添加することによりポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を発泡させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、ポリエチレン系樹脂粒子が、酢酸ビニル含有量3〜7重量%、メルトフローレート0.3〜1.0g/10分、融点95〜104℃であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
【選択図】 なし
Description
本発明はスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子に関する。さらには耐割れ性に優れたスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体に関する。
ポリオレフィン系樹脂の発泡体は一般に弾性が高く、繰り返しの応力に対しても歪の回復力が大きいという特徴の他に、耐油性、耐割れ性に優れることから、包装資材として広く利用されている。しかし、剛性が低く、型内成形後の発泡成形体の収縮がおこりやすく、圧縮強度が低いという短所を有している。
このような欠点を改良する方法として、ポリエチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸させて重合させたスチレン改質ポリエチレン樹脂が知られており、特許文献1にはポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量が2〜10重量%、密度が0.915〜0.935g/cm3、メルトフローレートが0.1〜5g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用する方法、特許文献2ではペレット状のポリエチレン粒子に有機過酸化物を含有したビニル芳香族モノマーを吸収させた後高温領域を通過させる方法、特許文献3には、融点95〜115℃のポリエチレン粒子にスチレン系単量体を含浸させて後第一の重合を行い、引き続いてスチレン系単量体の含浸と第二の重合を行う方法、さらに特許文献4にはポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させる際に特定の重合開始剤を使用する方法が開示されている。
上記文献に開示されているスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体は確かにポリオレフィン系樹脂発泡体よりも剛性が高く、型内成形後の発泡成形体の収縮は起こりにくくなっている。
しかしながら、従来よりポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させる場合には、分散媒中にポリエチレン系樹脂粒子を分散させながら含浸重合を行うが、ポリエチレン系樹脂粒子が二つ以上付着した状態で重合されたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子が発生するという問題があった。付着した樹脂粒子を発泡させて予備発泡粒子とした場合に、該予備発泡粒子を型内成形する場合には型内への予備発泡粒子の充填性が著しく低下することから、このような二つ以上の樹脂粒子が付着したことに起因する異形予備発泡粒子は取り除く必要があり、大きく生産性を落とす結果となっていた。
特開平8−59754号公報
特開昭62−280237号公報
特開2006−70202号公報
特開2006−298956号公報
このような課題に鑑み、本発明は、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させる際にポリエチレン系樹脂粒子同士が付着しにくいスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討の結果、スチレン改質ポリエチレン樹脂粒子を構成するポリエチレン系樹脂に着目したところ、特定量の酢酸ビニルを含んでなり、特定のメルトフローレート、特定の融点を有するポリエチレン系樹脂を使用することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の第1は、ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液にスチレン系単量体を添加することによりポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を発泡させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、ポリエチレン系樹脂粒子が、酢酸ビニル含有量3〜7重量%、メルトフローレート0.3〜1.0g/10分、融点95〜104℃であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
好ましい態様としては、
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体の融点が100〜103℃である、
(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量が4.5〜5.5重量%である、
(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートが0.4〜0.6g/10分である、
(4)エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度が0.915〜0.925g/cm3である、
(5)スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中にて水性媒体に分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れ、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱した後、耐圧容器の一端を開放し、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水性媒体とを容器内より低圧の雰囲気下に放出することによって発泡させて得られる、
前記記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体の融点が100〜103℃である、
(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量が4.5〜5.5重量%である、
(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートが0.4〜0.6g/10分である、
(4)エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度が0.915〜0.925g/cm3である、
(5)スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中にて水性媒体に分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れ、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱した後、耐圧容器の一端を開放し、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水性媒体とを容器内より低圧の雰囲気下に放出することによって発泡させて得られる、
前記記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第2は、前記記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形してなるスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体に関する。
本発明によればポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させる場合に発生するポリエチレン系樹脂粒子が二つ以上付着した状態で重合されたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の発生を抑制することが出来、生産性を向上できる。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子から得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体は、耐割れ性に優れているため、プラスチック軽量化部材、建築用断熱部材、繰り返し落下の多い緩衝包装材料等に適している。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液にスチレン系単量体を添加することによりポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させてスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子とし、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるものである。
(ポリエチレン系樹脂粒子)
本発明で使用するポリエチレン系樹脂粒子を構成するポリエチレン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂粒子を構成するポリエチレン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は3〜7重量%であり、好ましくは4.5〜5.5重量%である。酢酸ビニル含有量が当該範囲内であれば、重合中の付着粒子を低減することが出来る。
また本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体の融点は95〜104℃であり、好ましくは100〜103℃である。融点が104℃を超えるとポリエチレン系樹脂粒子中へのスチレン系単量体の含浸速度が遅くなり、相対的にスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の表面のスチレン系単量体量が増加して重合中の付着粒子が増加する。融点が95℃よりも低いとポリエチレン系樹脂粒子中へのスチレン系単量体の含浸速度が速くなり重合中の付着粒子が増加する。このようにエチレン−酢酸ビニル共重合体の融点と重合中の付着粒子には最適点が存在する。
さらに本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートは0.3〜1.0g/10分であり、好ましくは0.4〜0.6g/10分である。メルトフローレートが0.3g/10分よりも小さいとスチレン系単量体の樹脂中の含浸速度が遅くなり、相対的に粒子表面のスチレン系単量体量が増加して重合中の付着粒子が増加する。メルトフローレートが1.0g/10分を超えるとスチレン系単量体の含浸速度が速くなり重合中の付着粒子が増加する。このようにエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートと重合中の付着粒子には最適点が存在する。なお、メルトフローレートはJIS K 6924−2に従って測定した値である。
そして本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体は密度0.915〜0.925g/cm3が好ましい。0.915g/cm3より小さいと重合中にポリエチレン系樹脂粒子が水性懸濁液中で浮きやすくなり異常重合になりやすい傾向がある。0.925g/cm3を超えるとスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を除圧発泡させる場合にスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子が沈みやすくなるために懸濁状態が不安定になりやすい。
前記ポリエチレン系樹脂は、あらかじめ、例えば押出し機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融することによりポリエチレン系樹脂粒子となす。形状はパウダー、ペレット状等の粒子形状であることが好ましい。これら粒子の平均粒重量は0.1mg/粒以上3mg/粒以下が好適な範囲である。0.1mg/粒より小さい場合は発泡剤の逸散が激しく高倍率化させにくくなる場合があり、3mg/粒より大きい場合は成形時の充填性が悪くなる恐れがある。
目的に応じて可塑剤、気泡調整剤等の各種添加剤を使用することができる。可塑剤としては、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸グリセライド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート等の脂肪族エステル、流動パラフィン、シクロヘキサン等の有機炭化水素、トルエン、エチルベンゼン等の有機芳香族炭化水素等があげられ、これらは併用しても何ら差し支えない。
気泡調整剤としては、例えば、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の脂肪族ビスアマイドやステアリン酸アミド等の有機系気泡調整剤、タルク、シリカ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機系気泡調整剤等があげられる。また、これらの各種添加剤は重合時、発泡剤含浸時のみならず、あらかじめ前記ポリエチレン系樹脂粒子に混ぜ込むことで使用することもできる。
特に除圧発泡を行う場合、無機系気泡調整剤を使用することが好ましく、好ましい使用量としてはポリエチレン系樹脂100重量部に対し、0.01重量部以上0.5重量部以下である。無機系気泡調整剤が0.01重量部より少ないと安定的に気泡を生成することが困難となり、0.5重量部より多く使用した場合は成形時の融着が悪化する傾向がある。
本発明においては、ポリエチレン系樹脂粒子100重量部に対して、スチレン系単量体を好ましくは150重量部以上400重量部以下、更に好ましくは180重量部以上300重量部重合させる。当該範囲内であれば成形加工性と耐割れ性が両立出来るスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子となる傾向がある。
本発明においてスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を重合させる方法としては、攪拌機を具備した容器内に仕込んだポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液に、スチレン系単量体を連続的にまたは断続的に添加することにより、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸させ、重合させる方法が挙げられる。重合において、添加するスチレン系単量体の添加速度を任意に選択することで、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の重量平均分子量に調整することが可能である。
本発明において重合に際し、好ましい態様としては、ポリエチレン樹脂粒子100重量部に対し、スチレン系単量体25重量部以上100重量部以下を本質的に重合が進まない温度下で添加して含浸させ、残りのスチレン系単量体を加熱下で添加することである。「本質的に重合が進まない温度下」とは、使用する主たる重合開始剤の10時間半減期温度以下の温度であることを言う。重合に際し、添加するスチレン系単量体の一部を本質的に重合が進まない温度下で添加、含浸させることにより、重合場であるポリエチレン系樹脂粒子の粘度を変化させることができるため、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のゲル成分量及び重量平均分子量を調整し易い。
(スチレン系単量体)
本発明に使用するスチレン系単量体としては、スチレン、およびα−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系誘導体を主成分として使用することができる。また、スチレン系誘導体と共重合が可能な成分、例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート等が挙げられ、これら各種単量体を2種以上併用してもよい。更に、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を使用することもできる。
本発明に使用するスチレン系単量体としては、スチレン、およびα−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系誘導体を主成分として使用することができる。また、スチレン系誘導体と共重合が可能な成分、例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート等が挙げられ、これら各種単量体を2種以上併用してもよい。更に、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を使用することもできる。
(重合開始剤)
本発明において使用する重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができ、代表的なものとしては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。スチレン改質ポリエチレン樹脂粒子の重量平均分子量は重合開始剤の量と反応温度により調整できる。
本発明において使用する重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができ、代表的なものとしては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。スチレン改質ポリエチレン樹脂粒子の重量平均分子量は重合開始剤の量と反応温度により調整できる。
これら重合開始剤の使用量は、スチレン系単量体100重量部に対して0.05重量部以上1.0重量部以下であることが好ましく、さらには0.1重量部以上0.5重量部以下であることが好ましい。
(重合)
重合温度は70℃以上90℃以下であると所望の重量平均分子量であるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子が得られるため、好ましい。
重合温度は70℃以上90℃以下であると所望の重量平均分子量であるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子が得られるため、好ましい。
本発明における前記重合においては、更に、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等メルカプタン系の連鎖移動剤やアクリロニトリル−スチレン系樹脂の重合に一般的に用いられるα−メチルスチレンダイマー等を併用しても良い。
(架橋剤)
本発明においては、発泡体の耐割れ性を向上させるためにスチレン改質ポリエチレン系樹脂を架橋させることが好ましい。架橋を行うためにはラジカル種発生型架橋剤を使用する。具体的には、10時間半減期温度が100℃以上125℃以下のラジカル種発生型架橋剤が好ましい。このようなラジカル種発生型架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド(10時間半減期温度:123℃)、ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:116℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエ−ト(10時間半減期温度:104℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(10時間半減期温度:102℃)、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン(10時間半減期温度:103℃)等があげられる。これらは、スチレン系単量体の添加前あるいはスチレン系単量体と共に重合系に添加しても良いし、除圧発泡の仕込の時に追加しても良い。
本発明においては、発泡体の耐割れ性を向上させるためにスチレン改質ポリエチレン系樹脂を架橋させることが好ましい。架橋を行うためにはラジカル種発生型架橋剤を使用する。具体的には、10時間半減期温度が100℃以上125℃以下のラジカル種発生型架橋剤が好ましい。このようなラジカル種発生型架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド(10時間半減期温度:123℃)、ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:116℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエ−ト(10時間半減期温度:104℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(10時間半減期温度:102℃)、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン(10時間半減期温度:103℃)等があげられる。これらは、スチレン系単量体の添加前あるいはスチレン系単量体と共に重合系に添加しても良いし、除圧発泡の仕込の時に追加しても良い。
(架橋)
架橋温度に特に限定はないが115〜145℃の範囲が好ましい。115℃未満では所望のゲル成分量を得るために架橋時間が長くなる傾向にある。145℃を超える装置は設備負担が大きくなる傾向がある。
架橋温度に特に限定はないが115〜145℃の範囲が好ましい。115℃未満では所望のゲル成分量を得るために架橋時間が長くなる傾向にある。145℃を超える装置は設備負担が大きくなる傾向がある。
スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の熱キシレンに不溶なゲル成分量が好ましくは10重量%以上50重量%以下、更に好ましくは15重量%以上40重量%以下である。当該範囲内であると、型内成形を行う場合、高圧あるいは長時間の蒸気加熱を必要とせず、高倍率化しやすく、耐割れ性が良好な成形体が得られる傾向にある。
本発明における熱キシレンに不溶なゲル成分量は以下のようにして測定する。200メッシュの金網袋中に0.4gの予備発泡樹脂粒子を入れ、大気圧下で沸騰させたキシレン450ml中に2時間浸漬して冷却後に一旦、取り出し、更に新たな沸騰させたキシレン中に樹脂を1時間浸漬して冷却後にキシレンから取り出す。その後、同様に2時間、1時間の浸漬、溶出を繰り返し、その後、常温下で1晩液切りした後に150℃のオーブン中で1時間乾燥させ、常温まで自然冷却させ、冷却後の残留分をゲル成分とし、初期の予備発泡粒子量に対するゲル成分の量の重量比率をゲル成分量としている。
(水性懸濁液)
本発明においては、ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液中にて重合を行うが、その際樹脂粒子同士の融着を防止するために分散剤を使用することが好ましい。使用できる分散剤としては、一般的に懸濁重合に用いられる分散剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の高分子分散剤、例えば、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、カオリン等の難水溶性無機塩があげられる。
本発明においては、ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液中にて重合を行うが、その際樹脂粒子同士の融着を防止するために分散剤を使用することが好ましい。使用できる分散剤としては、一般的に懸濁重合に用いられる分散剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の高分子分散剤、例えば、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、カオリン等の難水溶性無機塩があげられる。
また、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を併用すると分散安定性が増すので効果的であるため好ましい。また、これらの分散剤は重合中に追加しても良い。分散剤の使用量は種類によるが基本的に、水100重量部に対して0.2重量部以上10重量部以下が好ましい。
本発明の水性懸濁液は、ポリエチレン系樹脂粒子が攪拌等により水または水溶液に分散しているものであり、さらに、スチレン系単量体や水中には水溶性の界面活性剤やスチレン系単量体が溶解していても良く、また水に不溶の分散剤、開始剤、架橋剤、気泡調整剤、難燃剤、可塑剤等がともに分散していても良い。水性懸濁液中、得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂と水の重量比は、得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂/水が、1.0/0.6から1.0/3.0が好ましい。
(発泡剤)
本発明において使用することが出来る発泡剤としては、公知のものが挙げられ、例えば、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素類、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン等のオゾン破壊係数がゼロであるハイドロフルオロカーボン類等の揮発性発泡剤、空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、水等があげられる。これらの発泡剤は併用しても何ら差し支えない。
本発明において使用することが出来る発泡剤としては、公知のものが挙げられ、例えば、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素類、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン等のオゾン破壊係数がゼロであるハイドロフルオロカーボン類等の揮発性発泡剤、空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、水等があげられる。これらの発泡剤は併用しても何ら差し支えない。
また、発泡剤量としてはスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部に対して10重量部以上30重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは15重量部以上25重量部以下である。10重量部未満以下では十分な発泡倍率を得ることができない上に、成形加工性の良好な予備発泡粒子を得ることが難しい場合がある。30重量部を超えると発泡剤含浸時の樹脂の分散状態が不安定となり、樹脂同士が凝集を起こしやすくなる傾向がある。
(発泡方法)
スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を予備発泡する方法としては、(1)スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中に水性媒体にて分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れ、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱した後、耐圧容器の一端を開放し、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水性媒体とを耐圧容器内より低圧の雰囲気下に放出することによって発泡させる、いわゆる「除圧発泡」と呼ばれる方法、(2)スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中に水性媒体に分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れて該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱して発泡剤を含浸させた後に冷却して発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子とし、攪拌機を具備した容器内に発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を入れ水蒸気等の熱源により加熱することによって発泡させる方法(発泡性スチレン樹脂粒子の予備発泡と同様の方法)が挙げられる。特に(1)の方法を選択することが、発泡剤の含浸と予備発泡を一連の操作で行うために過剰量の発泡剤を必要とせず、好ましい。
スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を予備発泡する方法としては、(1)スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中に水性媒体にて分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れ、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱した後、耐圧容器の一端を開放し、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水性媒体とを耐圧容器内より低圧の雰囲気下に放出することによって発泡させる、いわゆる「除圧発泡」と呼ばれる方法、(2)スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中に水性媒体に分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れて該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱して発泡剤を含浸させた後に冷却して発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子とし、攪拌機を具備した容器内に発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を入れ水蒸気等の熱源により加熱することによって発泡させる方法(発泡性スチレン樹脂粒子の予備発泡と同様の方法)が挙げられる。特に(1)の方法を選択することが、発泡剤の含浸と予備発泡を一連の操作で行うために過剰量の発泡剤を必要とせず、好ましい。
(1)の方法において、具体的には、重合して得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を、一度容器より取り出して洗浄・乾燥を行った後に、除圧発泡用の耐圧容器に仕込み、発泡剤を追加した後に加熱昇温し、前記耐圧容器内を所定の温度および圧力に保ちながら耐圧容器の一端を開放し、例えば、開孔径が1mmから10mmのオリフィス等を通して該耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中、例えば、大気中等の雰囲気中に内容物を放出し発泡させることにより、均一微細な気泡構造を有する予備発泡粒子を製造することができる。
この除圧発泡でいう水性媒体は、水に分散剤が溶解または分散したものを示し、分散剤は重合時と同様の種類の分散剤を使用することができる。この除圧発泡時点で可塑剤、気泡調整剤等の各種添加剤を含浸させても良い。この方法では発泡剤の含浸と予備発泡を同時に行うことができ、また発泡剤は吸引設備により回収することができるため、効率的である。
このようにして得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、一般的な型内発泡成形方法によって成形し、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体となす。具体的には、閉鎖し得るが密閉しえない金型内に充填し、加熱融着せしめて発泡体とされる。得られた発泡体は、剛性が高く、優れた耐割れ性を示す。
以下に実施例及び比較例をあげるが、これによって本発明は制限されるものではない。尚、測定評価については以下の通り実施した。
<付着粒子量の計測>
スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子1gから2個以上のポリエチレン系樹脂粒子が付着して重合した付着粒子を取り出して付着粒子の重量を計測し、1g中の重量%を求める。
スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子1gから2個以上のポリエチレン系樹脂粒子が付着して重合した付着粒子を取り出して付着粒子の重量を計測し、1g中の重量%を求める。
<耐割れ性(半数破壊高さの測定)>
発泡体の耐割れ性の強さを示す落球衝撃試験は、JIS K 7211−1967に準拠して行う。発泡体から200mm×40mm×20mmの試験片をバーチカルスライサーで切出す。この試験片は200mm×40mmの面が2ヶ所存在するが、このうち片方は発泡体の表面スキンそのままとし、もう片方はバーチカルスライサーで切出した面とする。ここで、発泡体の表面スキンとは、発泡体を成形した時の発泡体の表面に露出している部分であり、バーチカルスライサーで切出された発泡体内部とは異なる。また、200mm×20mmの面2ヶ所と40mm×20mmの面2ヶ所はバーチカルスライサーで切出した面とする。試験片を20個用意する。
発泡体の耐割れ性の強さを示す落球衝撃試験は、JIS K 7211−1967に準拠して行う。発泡体から200mm×40mm×20mmの試験片をバーチカルスライサーで切出す。この試験片は200mm×40mmの面が2ヶ所存在するが、このうち片方は発泡体の表面スキンそのままとし、もう片方はバーチカルスライサーで切出した面とする。ここで、発泡体の表面スキンとは、発泡体を成形した時の発泡体の表面に露出している部分であり、バーチカルスライサーで切出された発泡体内部とは異なる。また、200mm×20mmの面2ヶ所と40mm×20mmの面2ヶ所はバーチカルスライサーで切出した面とする。試験片を20個用意する。
試験片の表面スキンがある面を落球が衝突する面として321gの剛球を落とす。下記の計算式で半数破壊高さB(cm)を求める。数値が大きいほど耐割れ性が大きいことを示す。
Hi:高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)であり、試験片が破壊することが予測される高さ。
d:試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i:H1のときを0とし、1つずつ増減する高さ水準(i=…−3、−2、−1、0、1、2、3、…)
ni:各水準において破壊した(または破壊しなかった)試験片の数
N:破壊した(または破壊しなかった)試験片の総数(N=Σni)。いずれか多いほうのデータを使用する。なお、同数の場合はどちらを使用してもよい。
±0.5:破壊したデータを使用するときは負を、破壊しなかったデータを使用するときは正とする。
半数破壊高さを測定する場合、実際には、20個の試験片とは別途必要数の試験片を用意する。別途用意した試験片を用いて前述した321gの剛球を試験片上に落とす。この時、試験高さ(剛球を落とす高さ)をd(cm)間隔で変えて試験を実施して試験片が割れた最低の高さをHiとして予め最初の試験高さHiを決めておく。次に測定対象となる20個の試験片を用い、落球衝撃試験は高さHiからはじめて、n番目の試験片の落球衝撃試験において、n−1番目の前の試験片が割れた場合には試験高さをd(cm)だけ減らして試験し、またn−1番目の前の試験片が割れなかった場合には試験高さをd(cm)だけ増して、同様に試験をする。試験高さを上下させるときの高さ間隔d(cm)は不都合がない限り5cmとする。
落球衝撃試験用発泡体の「密度」はJIS K 6767に準拠して以下の式により発泡体の密度C(kg/m3)を求めた。
C=G/V
(ただし、G:発泡体の重量(kg)、V:発泡体の体積(m3))
GおよびVは落球衝撃試験の試験片の重量およびタテ、ヨコ、高さ寸法を測定し、20個の試験片の平均値を採用した。測定用具、および精度はJIS K 6767による。
C=G/V
(ただし、G:発泡体の重量(kg)、V:発泡体の体積(m3))
GおよびVは落球衝撃試験の試験片の重量およびタテ、ヨコ、高さ寸法を測定し、20個の試験片の平均値を採用した。測定用具、および精度はJIS K 6767による。
<予備発泡粒子の嵩倍率の測定>
6177mlの容器に予備発泡粒子をすり切り一杯まで投入し、その予備発泡粒子の重量を測定した。予備発泡粒子の「嵩倍率」は以下の式により予備発泡粒子の嵩倍率D(ml/g)求めた。
D=E/F
(ただし、E:6177(ml)、F:予備発泡粒子の重量(g))
6177mlの容器に予備発泡粒子をすり切り一杯まで投入し、その予備発泡粒子の重量を測定した。予備発泡粒子の「嵩倍率」は以下の式により予備発泡粒子の嵩倍率D(ml/g)求めた。
D=E/F
(ただし、E:6177(ml)、F:予備発泡粒子の重量(g))
(実施例1)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート0.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点102℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.922g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用し、ポリエチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.2重量部を混合し押出機内で溶融混練し円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、カッターで切断し粒重量約1mg/粒の円柱状としたポリエチレン系樹脂粒子を作製した。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート0.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点102℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.922g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用し、ポリエチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.2重量部を混合し押出機内で溶融混練し円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、カッターで切断し粒重量約1mg/粒の円柱状としたポリエチレン系樹脂粒子を作製した。
続いて6Lオートクレーブに水150重量部に、第3リン酸カルシウム1重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.024重量部、ポリエチレン系樹脂粒子30重量部を懸濁させ、スチレン15重量部に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.26重量部(10時間半減期温度:74℃)、ラジカル種発生型架橋剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度:104℃)0.60重量部を溶解させた溶液を添加した。その後、この水性懸濁液を70℃まで昇温し、30分間維持することでポリエチレン系樹脂粒子にスチレン単量体溶液を含浸させた。更に85℃まで昇温し、スチレン単量体55重量部を3時間40分かけて反応系中に滴下し重合を行い、更に125℃昇温して30分保持し、冷却後、洗浄・脱水・乾燥することによりスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を得た。付着粒子量を計測したところ7%であった。
4.5Lオートクレーブに水150重量部、第3リン酸カルシウム2重量部、n−パラフィンスルホン酸ソーダ0.01重量部、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部を仕込んだ。発泡剤としてノルマルリッチブタン(ノルマルブタン/イソブタン=75/25)25重量部をオートクレーブに添加した後、140℃に昇温し30分保持することで発泡剤の含浸と架橋反応を進行させた。その後、オートクレーブより開口径4mmのオリフィスを通して水性分散媒と共にスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を大気圧下に放出し、発泡嵩倍率30倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。大気圧下に放出している間、高圧窒素を導入することでオートクレーブ内の圧力が一定に保持されるように調整した。
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を洗浄・脱水・乾燥した後に、室温で2日間養生させた予備発泡粒子をダイセンKR−57成形機を用いて300×450×25(t)mmサイズの金型にて成形を行い、発泡成形体を得た。落球衝撃試験用発泡体の密度は33(kg/m3)であり、半数破壊高さは40cmであった。
(実施例2)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート0.8g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点103℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ10%であった。落球衝撃試験用発泡体の密度は33(kg/m3)であり、半数破壊高さは40cmであった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート0.8g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点103℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ10%であった。落球衝撃試験用発泡体の密度は33(kg/m3)であり、半数破壊高さは40cmであった。
(比較例1)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート0.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点107℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ29%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート0.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点107℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ29%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
(比較例2)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート1.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点105℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ37%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量5.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート1.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点105℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ37%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
(比較例3)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量8.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート2.3g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点102℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ29%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量8.0重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート2.3g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点102℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ29%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
(比較例4)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量10重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート1.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点94℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ41%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量10重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート1.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点94℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ41%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
(比較例5)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量6重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート5.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点103℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ48%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量6重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート5.5g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点103℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ48%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
(比較例6)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量6重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート17g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点103℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.920g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ51%であった。落球衝撃試験用発泡体の密度は33(kg/m3)であり、半数破壊高さは39cmであった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量6重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート17g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点103℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.920g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ51%であった。落球衝撃試験用発泡体の密度は33(kg/m3)であり、半数破壊高さは39cmであった。
(比較例7)
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量7.5重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート2.3g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点101℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ32%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
ポリエチレン系樹脂として酢酸ビニル含有量7.5重量%(測定方法JIS K6924−2)、メルトフローレート2.3g/10分(測定方法JIS K 6924−2)、融点101℃(測定方法JIS K 7121)、密度0.930g/cm3(測定方法JIS K 7112)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は実施例1と同様に実施した。付着粒子量を計測したところ32%であった。予備発泡時の分散が不安定となり発泡できなかった。
表1に示すように実施例の付着粒子発生量は大幅に削減されている。また、特開平8−59754号公報に開示されている、酢酸ビニル含量、メルトフローレートを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体であっても、付着粒子の発生が見られ(比較例3、4、7)、特定量の酢酸ビニルを含んでなり、特定のメルトフローレート、特定の融点のポリエチレン系樹脂を使用することが付着粒子の発生を抑制できることがわかる。
Claims (7)
- ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液にスチレン系単量体を添加することによりポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を発泡させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、ポリエチレン系樹脂粒子が、酢酸ビニル含有量3〜7重量%、メルトフローレート0.3〜1.0g/10分、融点95〜104℃であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体の融点が100〜103℃である請求項1記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量が4.5〜5.5重量%である請求項1または2に記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートが0.4〜0.6g/10分である請求項1〜3いずれか一項に記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度が0.915〜0.925g/cm3である請求項1〜4いずれか一項に記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
- スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中にて水性媒体に分散させ、該耐圧容器内に発泡剤を入れ、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱した後、耐圧容器の一端を開放し、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水性媒体とを容器内より低圧の雰囲気下に放出することによって発泡させて得られる請求項1〜5いずれか一項に記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項1〜6いずれか一項に記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形してなるスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体。
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-
2008
- 2008-10-02 JP JP2008257579A patent/JP2009102632A/ja active Pending
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