JP2011052167A - スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子、発泡成形体および製造方法 - Google Patents

スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子、発泡成形体および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体表面の、ピンホール(肥大セル)に起因する膨れた箇所が低減され、外観が美麗なスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体が得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を提供すること。
【解決手段】 平均セル径が50μm以上300μm以下であり、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたりのピンホールの数が10個以下であることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
スチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡成形体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体の弾性が高く、耐割れ性が高いという特徴とスチレン系樹脂発泡体の成形加工が容易で、圧縮強度が高いという特徴を併せ持った発泡成形体であり、包装資材として広く利用されている。
包装資材として使用されるとき、緩衝性能は勿論のことながら、発泡成形体の外観の美麗さも要求される場合も少なくない。表面美麗な発泡成形体を得るためには、型内発泡成形条件も去ることながら、予備発泡粒子のセルの状態も重要な要因であり、予備発泡粒子のセル構造の制御は重要な技術である。
セル構造を制御する方法として、発泡剤の選定、気泡調整剤の使用などの方法がこれまで提案されている。
例えば、特許文献1では、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル微細化を抑制するために、所定量の含水二酸化ケイ素を含有するスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させ、蒸気発泡にて予備発泡させることが記載されている。蒸気発泡法によるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の発泡では一般的にスチレン系樹脂発泡粒子(EPS)よりも大きなセル径となりやすい。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡体に関する技術であるが、特許文献2では、樹脂構造を制御することでポリオレフィン樹脂のセル構造を均一化する方法、特許文献3では発泡剤組成を工夫することでセル構造を均一化する方法が記載されている。しかしながら、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は樹脂組成が異なるため、同様の方法ではセル構造の制御が難しい。
特許文献4、5では、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の耐衝撃性、成形性を両立させる方法について記載してあり、除圧発泡による発泡を実施している。しかしながら、発泡成形体の表面状態については粒子間の隙間について記載されているのみである。
特開平4−130143号公報 特開2003−327740号公報 特開2007−308577号公報 特開2006−298956号公報 特開2008−260928号公報
ところが、特許文献4、5に記載のような粒子間の間隙が低減されたようなスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体においても、その表面を観察すると、予備発泡粒子中のピンホール(肥大セル)に起因すると思われるプクッと膨れた部位が発泡成形体表面に現れ、表面美麗性を低減させる一因となっている場合があることがわかった。
本発明は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体表面の、ピンホール(肥大セル)に起因する膨れた箇所が低減され、外観が美麗なスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体が得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、平均セル径が比較的小さく、かつピンホール(肥大セル)の少ないスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を見出したものである。
すなわち、本発明は、以下の構成よりなる。
〔1〕 平均セル径が50μm以上300μm以下であり、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたりのピンホールの数が10個以下であることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
〔2〕 タルクを0.01重量%以上0.5重量%以下含有する〔1〕記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
〔3〕 平均セル径が50μm以上300μm以下であり、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体断面のピンホールの数が、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたり10個以下であることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体。
〔4〕 色差計で測定した、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体表面のL*の値が85以上である〔3〕記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体。
〔5〕 耐圧容器中に、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、前記耐圧容器内に発泡剤を入れてスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱して、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、該耐圧容器の一端を開放してスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水系分散媒を含んでなる混合物を耐圧容器内よりも低圧域に放出することを特徴とする〔1〕記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
〔6〕 スチレン改質ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、水系分散媒として100重量部以上400重量部以下の水を使用し、難水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤を難水溶性無機塩/アニオン性界面活性剤(重量比)で80以上150以下使用することを特徴とする〔5〕記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
〔7〕 難水溶性無機塩がリン酸カルシウム、アニオン性界面活性剤がn−パラフィンスルホン酸ソーダである〔6〕記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、型内発泡成形を行い、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体とした時に、発泡成形体表面の、ピンホール(肥大セル)に起因する膨れた箇所が低減されている。
また、意想外にも、平均セル径が所定範囲にあり、ピンホールの低減された本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体は、発泡スチロールと同等の白さであることがわかった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体は、古くからある発泡スチロールの代替、或いは改良品として市場に受け入れられることが多く、そのため、色目、とりわけ白さも発泡スチロールと同等であることが求められる場合があるため、発泡スチロールの代替或いは改良品として通用しうる表面美麗性を有する。
また、本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法によれば、従来品と比して平均セル径が比較的小さく、ピンホール(肥大セル)の少ないスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を提供することが出来る。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、平均セル径が50μm以上300μm以下であり、好ましくは70μm以上200μm以下である。平均セル径が当該範囲内であると、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体の表面は、発泡スチロールと同等レベルで白くなる。具体的には、色差計で測定したスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体表面のL*の値が85以上であることが好ましく、より好ましくは90以上である。
なお、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の平均セル径は、予備発泡粒子の切断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真から、切断面の一直線上(2mm)にかかる気泡数から平均弦長を測定し、平均セル径とした。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたりのピンホールの数は、10個以下である。好ましくは5個以下であり、より好ましくは2個以下である。ピンホールの数が、上記範囲以内であると、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体の表面が美麗となる。本発明にいうピンホールとは、直径が1mm以上のセルのことを言う。
スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のピンホールの数は、200個のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の略中心を通る断面を観察してその数を数えることにより求める。ただし、簡易的には、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体とし、スライスしたその断面において、予備発泡粒子を200個選択し、ピンホールの数を数えることでスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のピンホール数としても良い。
ピンホールの数を上記範囲内にするには、例えば、気泡調整剤の種類や量を調整する、発泡方法(除圧発泡法によって発泡させる等)や発泡条件(温度や分散条件等)、或いはこれらの組合せ等によって達成することが出来る傾向がある。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、スチレン系単量体を150重量部以上300重量部以下使用することが好ましく、180重量部以上250重量部以下使用することがより好ましい。当該範囲内であれば得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子が成形加工性と耐割れ性が両立出来る傾向がある。具体的には、ポリエチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合させる。
スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を重合させる方法としては、例えば、攪拌機を具備した容器内に仕込んだ粒子形状のポリエチレン系樹脂を含む水性懸濁液に、スチレン系単量体を添加することにより、ポリエチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸させ、重合させる方法が挙げられる。含浸重合において、添加するスチレン系単量体の添加速度を任意に選択することで、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の重量平均分子量を調整することが可能である。
本発明において好ましい態様としては、ポリエチレン系樹脂粒子100重量部に対し、スチレン系単量体25重量部以上100重量部以下を本質的に重合が進まない温度下で添加して含浸させ、残りのスチレン系単量体を加熱下で添加することである。「本質的に重合が進まない温度下」とは、使用する主たる重合開始剤の10時間半減期温度以下の温度であることを言う。重合に際し、添加するスチレン系単量体の一部を本質的に重合が進まない温度下で添加、含浸させることにより、重合場であるポリエチレン系樹脂粒子の粘度を変化させることができるため、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のゲル成分量及び重量平均分子量を調整し易い。
本発明で使用するポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレンの単独重合体、ポリエチレンと、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンや酢酸ビニル、アクリル酸エステル、塩化ビニル等との共重合体が挙げられる。これらの中でもエチレンと酢酸ビニルの共重合体が好ましい。更に好ましくは、メルトフローレート(以下、MFRと表記する場合がある)が1.5g/10分以下で酢酸ビニル含有量が10重量%以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体である。MFRが1.5g/10分を超えては耐割れ性の発現が難しくなる傾向がある。酢酸ビニルが10重量%を超えては融点が低いため、重合時に樹脂変形を起こしやすい傾向がある。なお、MFRはJIS K 6924に準拠して測定した値である。
前記ポリエチレン系樹脂は、あらかじめ、例えば押出し機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融することによりポリエチレン系樹脂粒子となす。形状はパウダー、ペレット状等であることが好ましい。これら粒子の平均粒重量は0.1mg/粒以上3mg/粒以下が好適な範囲である。0.1mg/粒より小さい場合は発泡剤の逸散が激しく高倍率化させにくくなる場合があり、3mg/粒より大きい場合は、型内発泡成形時の充填性が悪くなる恐れがある。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、タルクを好ましくは0.01重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上0.4重量%以下含有する。タルクが0.01重量%より少ないと安定的に気泡を生成することが困難となる傾向があり、0.5重量%より多く使用した場合は、型内発泡成形時の融着が悪化する傾向がある。タルクはあらかじめポリエチレン系樹脂粒子に混ぜ込むことが好ましい。タルクは一般的にも気泡調整剤として機能することが知られているが、本発明において、後述するように、除圧発泡法にて予備発泡粒子とすることで、平均セル径が50μm以上300μm以下としやすい傾向がある。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂には、各種添加剤を使用することができる。各種添加剤としては、可塑剤、難燃剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸グリセライド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート等の脂肪族エステル、流動パラフィン、シクロヘキサン等の有機炭化水素、トルエン、エチルベンゼン等の有機芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは併用しても何ら差し支えない。
本発明に使用するスチレン系単量体としては、スチレン、およびα−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系誘導体を主成分として使用することができる。また、スチレン系誘導体と共重合が可能な成分、例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート等が挙げられ、これら各種単量体を1種または2種以上併用してもよい。更に、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を使用することもできる。
本発明において使用する重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができ、代表的なものとしては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。重量平均分子量は重合開始剤の量と反応温度、単量体の添加速度により調整できる。
これら重合開始剤の使用量は、スチレン系単量体100重量部に対して0.05重量部以上1.0重量部以下であることが好ましく、さらには0.1重量部以上0.5重量部以下であることが好ましい。
重合温度は70℃以上90℃以下であると所望の重量平均分子量であるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子が得られるため、好ましい。
本発明における前記重合においては、更に、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等メルカプタン系の連鎖移動剤やアクリロニトリル−スチレン系樹脂の重合に一般的に用いられるα−メチルスチレンダイマー等を併用しても良い。
本発明においては、ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液中にて重合を行うが、その際、樹脂粒子同士の融着を防止するために分散剤を使用することが好ましい。使用できる分散剤としては、一般的に懸濁重合に用いられる分散剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の高分子分散剤、例えば、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、カオリン等の難水溶性無機塩が挙げられる。
また、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、アルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を併用すると分散安定性が増すので効果的であるため好ましい。また、これらの分散剤は重合中に追加しても良い。分散剤の使用量は種類によるが基本的に水100重量部に対して0.2重量部以上10重量部以下が好ましい。
本発明の「水性懸濁液」とは樹脂と単量体液滴を攪拌等により水または水溶液に分散させた状態を指し、水または水溶液中には水溶性の界面活性剤や単量体が溶解していても良く、また水に不溶の分散剤、開始剤、架橋剤、気泡調整剤、難燃剤、可塑剤等がともに分散していても良い。樹脂と水の重量比は、得られるスチレン改質ポリスチレン樹脂/水で1.0/0.6〜1.0/4.0が好ましい。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、熱キシレン不溶のゲル分が10重量%以上35重量%であることがこのましく、そのため架橋剤を使用することが好ましい。架橋剤としてはラジカル種発生型架橋剤が使用でき、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ−ト、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン等が挙げられる。これらは、スチレン系単量体の添加前あるいはスチレン系単量体と共に重合系に添加することができる。後述する除圧発泡による発泡を行う場合には、除圧発泡の仕込み時に架橋剤を仕込み、除圧発泡の際の発泡剤存在下に架橋反応を行っても良い。
本発明において使用することが出来る発泡剤としては、公知のものが挙げられ、例えば、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素類、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン等のオゾン破壊係数がゼロであるハイドロフルオロカーボン類等の揮発性発泡剤、空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、水等が挙げられる。これらの発泡剤は併用しても何ら差し支えない。発泡剤は、一般的には前記ラジカル種発生型架橋剤による架橋反応の後に追加されるが、架橋反応が完了する前に追加しても良い。
また、発泡剤量としては、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部に対して10重量部以上30重量部以下であることが好ましく、より好ましくは15重量部以上25重量部以下である。10重量部未満では十分な発泡倍率を得ることができない場合があり、成形加工性の良好なスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得ることが難しい場合がある。30重量部を超えると発泡剤含浸時の樹脂の分散状態が不安定となり、樹脂粒子同士が凝集を起こしやすくなる傾向がある。
ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸、予備発泡する方法としては、(1)耐圧容器中でスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、耐圧容器内に発泡剤を入れてスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱して、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、耐圧容器内の一端を開放してスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水系分散媒を含んでなる混合物を耐圧容器内よりも低圧域に放出する、いわゆる「除圧発泡」と呼ばれる方法、(2)ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させた後、発泡剤を含浸させ発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と成し、攪拌機を具備した容器内に発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を入れ水蒸気等の熱源により加熱する方法、(3)ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させてスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と成し、攪拌機を具備した容器内にて発泡剤を含浸させ、水蒸気等の熱源により加熱する方法、等が挙げられるが、特に(1)の方法を選択することが、得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の平均セル径を平均セル径が50μm以上300μm以下としやすい傾向があり、発泡剤の含浸と予備発泡を一連の操作で行うために過剰量の発泡剤を必要としないため、好ましい。
(1)の方法において、具体的には、重合反応を行うことによって得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を、一度耐圧容器より取り出して洗浄・乾燥を行った後に、水系分散媒とともに除圧発泡用の耐圧容器に仕込んで、分散させ、耐圧容器内に発泡剤を入れ、その後、加熱昇温し、発泡剤の蒸気圧以上の加圧下で該樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、前記耐圧容器内の温度および圧力を一定に保ちながら容器の一端を開放し、例えば開孔径が1mm〜10mmのオリフィス等を通して該耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中、例えば大気中等の雰囲気中にスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水系分散媒を含んでなる混合物を放出し発泡させることにより、均一微細な気泡構造を有するスチレン改質ポリエチレン樹脂予備発泡粒子を製造することができる。
この除圧発泡でいう水系分散媒は、水であることが好ましい。水系分散媒には、分散剤を含むことが好ましく、分散剤は重合時と同様の種類の分散剤を使用することができるが、難水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤を組み合わせて使用することが好ましい。
難水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤は、難水溶性無機塩/アニオン性界面活性剤(重量比)で、80以上150以下で使用することが好ましい。難水溶性無機塩/アニオン性界面活性剤の比が上記範囲外であると、除圧発泡を行った際、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子中に特大のピンホールが発生しやすく、均一なセルが得られにくい傾向がある。
さらには、難水溶性無機塩がリン酸カルシウム、アニオン性界面活性剤がn−パラフィンスルホン酸ソーダであることが、ピンホール低減の効果が顕著であるためより好ましい。
さらに、除圧発泡においては、スチレン改質ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、水系分散媒として100重量部以上400重量部以下の水が使用されることが好ましい。水が100重量部より少ないと、樹脂粒子の分散が不安定となる場合がある。水が400重量部を超えては生産性に問題がある場合がある。
この除圧発泡の段階で各種添加剤を含浸させても良い。この方法では発泡剤の含浸と予備発泡を同時に行うことができ、また発泡剤は吸引設備により回収することができるため、効率的である。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、一般的な型内発泡成形方法によって型内発泡成形され、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体にすることができる。具体的には、閉鎖し得るが密閉しえない金型内にスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、加熱融着せしめてスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体とされる。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体は、平均セル径が50μm以上300μm以下であり、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体断面のピンホールの数が、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたり10個以下である。好ましくは5個以下であり、より好ましくは2個以下である。
発泡成形体の平均セル径の測定方法は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体の切断面の一直線上(60mm)にかかる気泡数から平均弦長を測定し、平均セル径とする。
スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体のピンホールの数は、発泡成形体の切断面において200個のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の略中心を通る断面を観察してその数を数えることにより求める。
以上のようにして得られる本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体は、外観美麗で、緩衝性能に優れているため、包装資材として好適に使用することが出来る。
以下に実施例及び比較例をあげるが、これによって本発明は制限されるものではない。尚、測定評価については以下の通り実施した。
<予備発泡粒子の平均セル径>
予備発泡粒子の平均セル径は、予備発泡粒子の略中心を通る切断面をマイクロスコープで観察し、切断面の一直線上(2mm)にかかる気泡数から平均弦長を測定した。予備発泡粒子10個について平均弦長の測定を行い、その平均値を予備発泡粒子の平均セル径とした。
<発泡成形体の平均セル径>
発泡成形体の平均セル径は、発泡成形体の切断面をマイクロスコープで観察し、切断面の一直線上(60mm)にかかる気泡数から平均弦長を測定し、平均セル径とした。
<予備発泡粒子のピンホール数の測定>
予備発泡粒子200個について略中心を通るようにスライサーで切断し、断面中の直径1mm以上のセルの個数をピンホールとして数えた。
<発泡成形体のピンホール数の測定>
発泡成形体をスライサーで切断し、断面の予備発泡粒子200個の中の直径1mm以上のセルの個数をピンホールとして数えた。
<L*の測定>
測定は日本電色製のSpectro Color Meter SE 2000を用いて、反射測定で測定した。測定は10mmスリット、及び10mmスリット用レンズを用いて実施し、測定部に発泡成形体をのせ、測定部位の上面を装置付属の試料押さえで抑えて測定した。測定位置を変えて3点測定し、平均値を計算した。
標準合わせは日本電色製 標準白板SE−11015(X93.06、Y94.91、Z112.52)を使用して行った。
(実施例1)
ポリエチレン系樹脂として、住友化学株式会社製「エバテートF1103−1」を使用し、ポリエチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.2重量部を混合し押出機内で溶融混合して造粒し水中に押出した直後にカッティングすることで粒重量約1mg/粒の球状としたポリエチレン系樹脂粒子を作製した。
続いて6Lオートクレーブに水150重量部に、第3リン酸カルシウム1重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.024重量部、ポリエチレン系樹脂粒子30重量部を懸濁させ、スチレン30重量部に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.77重量部(10時間半減期温度:74℃)、架橋剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度:104℃)0.45重量部を溶解させた溶液を添加した。その後、この水性懸濁液を70℃まで昇温し、30分間維持することでポリエチレン系樹脂粒子にスチレン単量体溶液を含浸させた。更に80℃まで昇温し、1.5時間保持した。その後、70℃に冷却してスチレン単量体40重量部に過酸化ベンゾイル0.06重量部溶解させた溶液を1.5時間かけて反応系中に滴下し、滴下終了後70℃で3時間保持し、更に85℃に昇温して0.5時間保持することで重合反応を進行させた。その後、125℃昇温して3時間保持して架橋反応を行い、冷却後、洗浄・脱水・乾燥することによりスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を得た。
その後、10Lオートクレーブに水330重量部、第3リン酸カルシウム2重量部、n−パラフィンスルホン酸ソーダ0.022重量部、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部を仕込んだ。発泡剤としてノルマルリッチブタン(ノルマルブタン/イソブタン=75/25)24重量部をオートクレーブに添加した後、140℃に昇温し50分保持することで発泡剤を含浸させた。その後、オートクレーブより開口径5mmのオリフィスを通して水系分散媒と共にスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を大気圧下に放出し、発泡嵩倍率30倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。大気圧下に放出している間、高圧窒素を導入することでオートクレーブ内の圧力が一定に保持されるように調整した。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は91μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたりのピンホールの数は2個であった。
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を洗浄・脱水・乾燥した後に、室温で2日間養生させ、ダイセンKR−57成形機を用いて300×450×25(t)mmサイズの金型にて型内発泡成形を行い、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体を得た。発泡成形体の平均セル径は118μmで、L*は90.09であった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体断面において、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は1個であった。
(実施例2)
実施例1と同様にポリエチレン系樹脂粒子を作製した。続いて6Lオートクレーブに水150重量部に、第3リン酸カルシウム1重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.024重量部、ポリエチレン系樹脂粒子35重量部を懸濁させ、スチレン17.5重量部に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.24重量部、架橋剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート0.56重量部を溶解させた溶液を添加した。その後、この水性懸濁液を70℃まで昇温し、30分間維持することでポリエチレン系樹脂粒子にスチレン単量体溶液を含浸させた。更に50分かけて85℃まで昇温し、昇温開始10分後から2時間40分かけてスチレン単量体47.5重量部を一定速度で連続的に反応系中に滴下した。続いて滴下終了後更85℃で1時間保持した。その後、120℃に昇温して50分保持し、スチレン系単量体の重合を完結させた。常温まで冷却し、洗浄・脱水・乾燥することによりスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を得た。
10Lオートクレーブにおいて、可塑剤としてジブチルセバケート0.5重量部を樹脂とともに仕込み、使用するブタンの量を22重量部とした以外は実施例1と同様にして発泡嵩倍率31倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を作製した。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は98μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は2個であった。
得られた予備発泡粒子は実施例1と同様に型内発泡成形して評価した。発泡成形体のセル径は120μmで、L*は92.29であった。発泡成形体断面中のピンホール数は、予備発泡粒子200個あたり2個であった。
(実施例3)
実施例2と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。10Lオートクレーブにおいて、使用するn−パラフィンスルホン酸ソーダを0.020重量部とした以外は実施例2と同様にして発泡嵩倍率33倍のスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子を作製した。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は110μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は0個であった。
得られた予備発泡粒子は実施例1と同様に型内発泡成形して評価した。発泡成形体のセル径は147μmで、L*は93.00であった。発泡成形体断面中のピンホールの数は、予備発泡粒子200個あたり0個であった。
(実施例4)
実施例2と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。10Lオートクレーブにおいて、使用するn−パラフィンスルホン酸ソーダを0.018重量部とした以外は実施例2と同様にして発泡嵩倍率30倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を作製した。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は96μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は1個であった。
得られた予備発泡粒子は実施例1と同様に型内発泡成形して評価した。発泡成形体のセル径は134μmで、L*は91.84であった。発泡成形体断面中のピンホール数は、予備発泡粒子200個あたり1個であった。
(実施例5)
ポリエチレン系樹脂粒子を作製する際に使用するタルクの量をポリエチレン系樹脂粒子に対して0.1重量部とした以外は実施例2と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。使用するブタンの量を23.5重量部とした以外は実施例2と同様にして発泡嵩倍率30倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を作製した。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は90μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は1個であった。
得られた予備発泡粒子は実施例1と同様に型内発泡成形して評価した。発泡成形体のセル径は128μmで、L*は93.10であった。発泡成形体断面中のピンホールの数は、予備発泡粒子200個あたり1個であった。
(比較例1)
実施例1と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。さらに、6Lオートクレーブに水100重量部、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部、第3リン酸カルシウム1重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.024重量部を仕込み、70℃に昇温した。発泡剤としてノルマルリッチブタン(ノルマルブタン/イソブタン=75/25)30重量部を30分かけてオートクレーブに添加した後、70℃で3時間保持した。室温まで冷却後、発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を取り出し、ただちにブロアーで乾燥させた。
1.0kg/cmの圧力の水蒸気で50秒加熱して予備発泡を行い、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は450μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は5個であった。
得られた予備発泡粒子は実施例1と同様に成形して評価した。発泡成形体のセル径は498μmで、L*は81.82であった。発泡成形体断面中のピンホールの数は、予備発泡粒子200個あたり5個であった。
(比較例2)
実施例2と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。比較例1と同様に発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製し、0.8kg/cmの圧力の水蒸気で60秒加熱して予備発泡を行い、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセルは1mm以上の粗大なセルが多く、いわゆるセル荒れ状態であり、平均セル径を測定することが出来なかった。
(比較例3)
実施例2と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。10Lオートクレーブにおいて、第3リン酸カルシウム2重量部、n−パラフィンスルホン酸ソーダ0.01重量部とした以外は実施例2と同様にしてスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を作製しようとしたが、除圧発泡時の分散が不安定であり、オートクレーブ内に樹脂が大量に残存した。
(比較例4)
実施例2と同様にポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を作製した。10Lオートクレーブにおいて、第3リン酸カルシウム1重量部、n−パラフィンスルホン酸ソーダ0.0175重量部とした以外は実施例2と同様にして発泡嵩倍率32倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を作製した。得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は94μmであった。スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個について、ピンホールを観察したところ、ピンホールの数は21個であった。
得られた予備発泡粒子は実施例1と同様に成形して評価した。発泡成形体のセル径は120μmで、L*は90.34であった。発泡成形体断面中のピンホールの数は、予備発泡粒子200個あたり21個であった。
(参考例)
特開2003−64212号公報の実施例1の方法に従って、ポリスチレン系予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。ポリスチレン系樹脂発泡成形体のセル径は98μmで、L*は94.03であった。
Figure 2011052167

Claims (7)

  1. 平均セル径が50μm以上300μm以下であり、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたりのピンホールの数が10個以下であることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
  2. タルクを0.01重量%以上0.5重量%以下含有する請求項1記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子。
  3. 平均セル径が50μm以上300μm以下であり、該スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体断面のピンホールの数が、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子200個あたり10個以下であることを特徴とするスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体。
  4. 色差計で測定した、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体表面のL*の値が85以上である請求項3記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体。
  5. 耐圧容器中に、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、前記耐圧容器内に発泡剤を入れてスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱して、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、該耐圧容器の一端を開放してスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水系分散媒を含んでなる混合物を耐圧容器内よりも低圧域に放出することを特徴とする請求項1に記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  6. スチレン改質ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、水系分散媒として100重量部以上400重量部以下の水を使用し、難水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤を難水溶性無機塩/アニオン性界面活性剤(重量比)で80以上150以下使用することを特徴とする請求項5記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  7. 難水溶性無機塩がリン酸カルシウム、アニオン性界面活性剤がn−パラフィンスルホン酸ソーダである請求項6記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
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