JP6029500B2 - スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子およびその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、炭酸ガス発泡における発泡性、燃焼性に優れたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、およびその成形体に関する。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、一般に弾性が高く、繰り返しの応力に対しても歪の回復力が大きいという特徴の他に、耐油性、耐割れ性に優れることから、包装資材や自動車部材として広く利用されている。しかし、ポリオレフィン系樹脂発泡体は剛性が低く、型内成形後の発泡成形体の収縮がおこりやすく、圧縮強度が低いという短所を有している。
このような欠点を改良する方法として、ポリエチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸させて重合を行って得られるスチレン改質ポリエチレン樹脂を基材樹脂として用いることが知られている。
例えば、特許文献1、2では、ポリエチレン系樹脂としてエチレン/酢酸ビニル共重合体を用い、テトラヒドロフラン可溶部の分子量と熱キシレン不溶のゲル分の量を調整することにより、耐割れ性と成形加工性に優れた予備発泡粒子が得られている。
特許文献3、4では、ポリエチレン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンを用い、グラフト成分からなるゲル量を調整することにより、耐割れ性に優れた予備発泡粒子が得られている。
一方、安全性の観点、環境への配慮から、発泡剤として、現在主流である炭化水素系発泡剤の代わりに、炭酸ガス等の無機系発泡剤を使用する方法がある。
特許文献5では、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂を除圧発泡する方法が記載されており、発泡剤として炭酸ガスも挙げられている。しかしながら、実施例には炭酸ガス法での除圧発泡は記載されていない。
特許文献6では、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂を炭酸ガス法で発泡させる製造方法が記載されている。しかしながら、架橋により強度は高いものの、発泡性と燃焼性に関しては十分な性能とは言えなかった。
WO2009/157374 特開2006−298956号公報 特開2008−81746号公報 特許第4072554号公報 特開2009−161749号公報 特開2011−084593号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、炭酸ガスによる発泡を行った場合においても、十分な発泡力を有し、自動車内装材として好適な燃焼性を有する成形体を得ることができるスチレン改質エチレン系予備発泡粒子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリエチレン系樹脂100重量部に対してスチレン系単量体120重量部以上500重量部以下を含浸させて重合してなるスチレン改質ポリエチレン系樹脂を発泡して得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、ポリエチレン系樹脂が分岐状低密度ポリエチレンであり、
スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量が15万以上35万以下であり、
スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子が、揮発性成分を1%以下(←燃焼性に影響するため、残します)、熱キシレン不溶分を5重量%以上20重量%以下、メチルエチルケトン可溶成分を50重量%以下含有することを特徴とする、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子とすることにより、炭酸ガスによる発泡において優れた発泡体を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1は、
ポリエチレン系樹脂100重量部に対してスチレン系単量体120重量部以上500重量部以下を含浸させて重合してなるスチレン改質ポリエチレン系樹脂を発泡して得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、
ポリエチレン系樹脂が分岐状低密度ポリエチレンであり、
スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子のテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量が15万以上35万以下であり、
スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子が、揮発性成分が1%以下
熱キシレン不溶分を5重量%以上20重量%以下、メチルエチルケトン可溶成分を50重量%以下含有することを特徴とする、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子に関する。
好ましい実施態様としては、ATR−IRにおける吸光度比D0698/D2850が5.0以上20.0以下であるスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子である。
本発明の第2は、前記記載のスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子の製造方法に関し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸させて重合を行って得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中に水系分散媒に分散させて加熱し、前記耐圧容器に発泡剤として無機ガスを導入して耐圧容器内を加圧した後、耐圧容器の一端を開放して、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子および水系分散媒を含んでなる混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気下に放出することを特徴とする。
本発明の第3は、前記記載のスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子を成形してなる発泡成形体に関する。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、炭酸ガスを発泡剤とした発泡に適しており、自動車内装材に好適な燃焼速度を有する。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子は、ポリエチレン系樹脂粒子100重量部に対して、スチレン系単量体を好ましくは120重量部以上500重量部以下、更に好ましくは150重量部以上400重量部以下重合を添加して、含浸させ、重合させることにより得られるものである。
スチレン系単量体の総添加量が120重量部未満では、炭酸ガス発泡による発泡力を得ることが難しい傾向があり、500重量部超では、成形加工性に劣る傾向がある。
本発明において、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を得る方法としては、例えば、攪拌機を具備した容器内に仕込んだポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液に、スチレン系単量体を連続的または断続的に添加することにより、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸させ、重合させる方法、等があげられる。
本方法において、スチレン系単量体の添加速度を任意に選択することにより、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の重量平均分子量を調整することが可能である。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の重合に際して、好ましい態様としては、添加されるスチレン系単量体の一部を、すなわち、ポリエチレン樹脂粒子100重量部に対してスチレン系単量体30重量部以上150重量部以下を、本質的に重合が進まない温度下で添加して含浸させ、残りのスチレン系単量体を重合が進む温度下で連続添加することである。
ここで、「本質的に重合が進まない温度」とは、使用する主たる重合開始剤の10時間半減期温度以下の温度であることを言う。
重合に際して、添加するスチレン系単量体の一部を本質的に重合が進まない温度下で添加、含浸させることにより、重合場であるポリエチレン系樹脂粒子の粘度を変化させることができるため、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の重量平均分子量を調整し易い。
残りのスチレン系単量体を連続追加する際の重合温度は、80℃以上100℃以下が好ましい。連続追加する温度が80℃未満であると、ポリエチレン系樹脂へのスチレンの含浸が遅く、ポリエチレン系樹脂内での重合が進行しにくい傾向がある。連続追加する温度が100℃超であると、樹脂同士の合着がおこりやすくなる傾向がある。
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂は、スチレンの含浸重合性および重合時の合着性の観点から、一般的なスチレン単量体の重合温度に軟化点が近い分岐状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(以降、「MFR」と略す。)は、1.5g/10分以下であることが好ましく、1.0g/10分以下であることがより好ましい。ポリエチレン系樹脂のMFRが1.5g/10分以下を超えると、重合時に樹脂同士が合着しやすい傾向がある。
なお、MFRは、JIS K 6924に準拠して測定した値である。
前記ポリエチレン系樹脂は、予め、例えば押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融混練することにより、ポリエチレン系樹脂粒子となす。ポリエチレン系樹脂粒子の形状はパウダー、ペレット状等の粒子状態であることが好ましい。
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂粒子の平均粒重量は、0.1mg/粒以上3mg/粒以下が好適な範囲である。ポリエチレン系樹脂粒子の平均粒重量が0.1mg/粒より小さいと、発泡剤の逸散が激しく高倍率化させにくくなる場合があり、3mg/粒より大きいと、成形時の充填性が悪くなる恐れがある。
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂粒子には、各種添加剤として、目的に応じて、可塑剤、気泡調整剤等を配合することができる。
可塑剤としては、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸グリセライド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート等の脂肪族エステル、流動パラフィン、シクロヘキサン等の有機炭化水素、トルエン、エチルベンゼン等の有機芳香族炭化水素等があげられ、これらは燃焼性に影響を与えない範囲で併用しても何ら差し支えない。
気泡調整剤としては、例えば、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の脂肪族ビスアマイドやステアリン酸アミド等の有機系気泡調整剤、タルク、シリカ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、等の無機系気泡調整剤等があげられる。
特に、後述する除圧発泡を行う場合、無機系気泡調整剤を使用することが好ましく、好ましい使用量としては、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、0.01重量部以上0.5重量部以下である。
無機系気泡調整剤が0.01重量部より少ないと、安定的に気泡を生成することが困難となる傾向があり、0.5重量部より多く使用した場合は成形時の融着が悪化する傾向がある。
これらの各種添加剤は、重合時、発泡剤含浸時に添加するのみならず、予めポリエチレン系樹脂粒子に混ぜ込むことで使用することもできる。
本発明で用いられるスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系誘導体を主成分として使用することができる。
本発明で用いられるスチレン系単量体には、スチレン系誘導体と共重合が可能な単量体を、本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の効果を阻害しない範囲において併用することができる。
スチレン系誘導体と共重合が可能な単量体としては、例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
更に、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を使用することもできる。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の重合に用いられる重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができ、代表的なものとしては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
これらの中でも、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度:72℃)と過酸化ベンゾイル(10時間半減期温度:74℃)の併用が、テトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量、熱キシレン不溶分、熱キシレン可溶メチルエチルケトン不溶成分の量を所定の量としやすい点から、好ましい。
重合開始剤の使用量は、ポリスチレン系単量体100重量部に対して0.05重量部以上1.0重量部以下であることが好ましく、0.2重量部以上、0.7重量部以下であることがより好ましい。
重合開始剤の使用量が0.05部未満では、重合が十分に進行せず、残存モノマーが多くなる傾向があり、1.0重量部超では、重合反応が急速に起こる為、発熱によって重合温度の調整が困難となる傾向がある。
特に、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートに関しては、0.3重量部以上0.6重量部以下で使用することが好ましく、0.2重量部以上0.4重量部以下で使用することがより好ましい。過酸化ベンゾイルに関しては、0.05重量部以上0.3重量部以下使用することが好ましく、0.2重量部以上0.4重量部以下で使用することがより好ましい。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の重合においては、更に、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等メルカプタン系の連鎖移動剤や、アクリロニトリル−スチレン系樹脂の重合に一般的に用いられるα−メチルスチレンダイマー等を併用しても良い。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製は、ポリエチレン系樹脂粒子を含む水性懸濁液中にて重合を行うが、その際樹脂粒子同士の合着を防止するために、分散剤を使用することが好ましい。
本発明で用いられる分散剤としては、一般的に懸濁重合に用いられる分散剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の高分子分散剤、例えば、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、カオリン等の難水溶性無機塩があげられる。
また、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を併用すると、分散安定性が増すため、好ましい。
これらの分散剤は、重合中に追加しても良い。
本発明における分散剤の使用量は、種類によるが、基本的に水100重量部に対して0.2重量部以上10重量部以下が好ましい。
本発明においては、樹脂粒子同士の合着防止のために、水溶性の重合禁止剤を併用することもできる。水溶性の重合禁止剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)等があげられる。
これら水溶性の重合禁止剤を使用する場合、水中濃度として150ppm以下となるように使用することが好ましい。重合禁止剤の水中濃度が150ppm超では、重合阻害を起こす可能性がある。
本発明における「水性懸濁液」とは、攪拌等を用いて、樹脂粒子および単量体液滴を、水または水溶液に分散させた状態を指し、水中には水溶性の界面活性剤や単量体が溶解していても良く、また、水に不溶の分散剤、開始剤、架橋剤、気泡調整剤、難燃剤、可塑剤等が共に分散していても良い。
樹脂と水の重量比は、得られるスチレン改質ポリスチレン樹脂/水の比として、1.0/0.6〜1.0/3.0が好ましい。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製においては、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子中の熱キシレン不溶分を生成させるため、ラジカル種発生型架橋剤を使用することが好ましい。
架橋反応に用いられるラジカル種発生型架橋剤としては、10時間半減期温度が100℃以上125℃以下の架橋剤を使用するのが好ましい。10時間半減期温度が100℃より低いラジカル種発生型架橋剤を使用すると、重合時に架橋反応が進行しすぎてしまい、120℃以上における架橋が困難となる傾向がある。半減期温度が125℃を超えると、120℃以上の温度で架橋反応を進行させるのに時間がかかる。
10時間半減期温度が100℃以上125℃以下であるラジカル種発生型架橋剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド(10時間半減期温度:123℃)、ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:116℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエ−ト(10時間半減期温度:104℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(10時間半減期温度:102℃)、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン(10時間半減期温度:103℃)等が挙げられる。
これらの架橋剤は、スチレン系単量体の添加前、あるいは、スチレン系単量体と共に、重合系に添加することができる。後述する除圧発泡による発泡を行う場合には、除圧発泡の仕込み時に架橋剤を仕込み、除圧発泡の際の発泡剤含浸時に架橋反応を行っても良い。
10時間半減期温度が100℃以上125℃以下の架橋剤を用いた架橋反応としては120℃以上で行われるのが好ましい。架橋反応が120℃未満であると、架橋反応の進行に時間がかかり生産性が悪い。
架橋剤の使用量は、架橋剤の種類によって異なるが、基本的にポリエチレン系樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上2.0重量部以下とすることにより、所望の範囲の熱キシレン不溶成分の含有量を得ることができるため、好ましい。
本発明において用いられる発泡剤としては、公知のものを使用することができるが、安全性、環境負荷の観点から、空気、窒素、炭酸ガス等の無機ガス、水等があげられる。これらの発泡剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
これら発泡剤の中でも、炭酸ガスが、発泡性とセルの安定性が良いため、特に好ましい。
発泡剤は、一般的には前記ラジカル種発生型架橋剤による架橋反応の後に追加されるが、架橋反応が完了する前に追加しても良い。
本発明における発泡剤の使用量としては、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部に対して10重量部以上30重量部以下であり、好ましくは15重量部以上25重量部以下である。発泡剤の使用量が10重量部未満では十分な発泡倍率を得られにくい傾向がある。発泡剤の使用量が30重量部を超えると発泡剤含浸時の樹脂の分散状態が不安定となり、樹脂同士が凝集を起こしやすくなる傾向がある。
本発明において、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸、重合させたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸、予備発泡する方法としては、耐圧容器中でスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を水性分散媒に分散させ、耐圧容器内に発泡剤を入れて該スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に加熱し、発泡剤の蒸気圧以上の加圧下で該樹脂粒子に該発泡剤を含浸させた後、耐圧容器内の温度および圧力を一定に保ちながらスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子と水性分散媒との混合物を耐圧容器内よりも低圧域に放出する、いわゆる「除圧発泡」と呼ばれる方法が好ましい。
具体的には、例えば、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を、一度耐圧容器より取り出して洗浄・乾燥を行った後に、除圧発泡用の耐圧容器に仕込み、発泡剤を追加した後に過熱昇温し、前記耐圧容器内の温度および圧力を一定に保ちながら容器の一端を開放し、例えば開孔径が1〜10mmのオリフィス等を通して、該耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中、例えば大気中等の雰囲気中に内容物を放出し発泡させることにより、均一微細な気泡構造を有する予備発泡粒子を製造することができる。
「除圧発泡」における水性分散媒は、水に分散剤が溶解または分散したものを示し、分散剤としては、重合時と同様の種類の分散剤を使用することができる。除圧発泡時点で、可塑剤、気泡調整剤等の各種添加剤を含浸させても良い。
「除圧発泡」方法にて所望の発泡倍率まで到達しなかった場合、得られた一段予備発泡粒子を密閉容器内で空気により加圧しすることにより、一段予備発泡粒子に内圧を付加し、その後に水蒸気等により過熱することにより、二段発泡を行うことで所望の発泡倍率に到達させることができる。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が15万以上35万以下であり、かつ、熱キシレン不溶分の含有量が5重量%以上20重量%以下であることが必要である。
本発明においては、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量および熱キシレン不溶分の含有量が当該範囲内であると、炭酸ガス発泡における発泡性と燃焼速度のバランスに優れたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得ることができる。
さらに好ましい範囲としては、テトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量が18万以上30万以下であり、かつ、熱キシレン不溶分量の含有量が8重量%以上15重量%以下である。
ここで、テトラヒドロフラン可溶分とは、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子0.02gをテトラヒドロフラン20mmlに常温で24時間浸漬させた後、孔径0.2μmのフィルターでろ過した際のろ液である。
テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量は、該ろ液をゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン試料を基準として求めた値である。
テトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量は、重合時における追加するスチレン系単量体の追加速度、重合開始剤の量を調整することにより、制御することができる。
ここで、熱キシレン不溶分とは、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子1.0gをキシレン50mlに添加し、30分間煮沸させた後に、デカンテーション法および200メッシュの金網を用いて回収して得られる不溶残渣である。
熱キシレン不溶分の含有量は、架橋剤の量、架橋時間を調整することにより、制御することができる。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、メチルエチルケトン可溶分が50重量%以下であることが、ポリエチレン成分とスチレン成分のグラフト生成物が多く樹脂中に存在しており、燃焼速度の観点から好ましい。メチルエチルケトン可溶分としては、35〜45重量%であることがより好ましい。
ここで、メチルエチルケトン可溶分の含有量とは、以下の操作により得られるメチルエチルケトン不溶分を、元のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の重量から差し引いた値である。
メチルエチルケトン不溶分とは、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子1.0gをメチルエチルケトン20mmlに常温で24時間浸漬させた後、遠心分離法にて回収して得られる不溶残渣である。
メチルエチルケトン可溶分の含有量は、重合時における追加するスチレン系単量体の追加速度、重合開始剤の量を調整することにより、制御することができる。
本発明におけるスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子は、ATR−IRスペクトルにおいて、芳香族ベンゼン環面外変角の吸収スペクトルであるD698と、メチレン基のC−H間伸縮振動のうち対称伸縮による吸収スペクトルD2850との比であるD698/D2850が5.0以上20.0以下であると、成形時の融着性が良いため、好ましい。より好ましくは5.0以上15.0以下である。
吸光度比D698/D2850は、重合初期のスチレン系単量体の仕込み量や追加するスチレン系単量体の添加速度を制御することにより、制御することができる。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子は、炭化水素系発泡剤を使用しない為、揮発性成分が1重量%以下であることが好ましい。揮発性成分が1重量%以下であれば、スチレン系成分の含有量が多くても、得られる成形体の燃焼速度を低く抑えることができる。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、一般的な型内発泡成形方法によって成形される。具体的には、閉鎖し得るが密閉し得ない金型内に、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、加熱融着せしめて発泡成形体とされる。
本発明のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子は、炭酸ガス発泡による発泡性がよく、生産工程上安全性が高い。スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子は燃焼速度に優れるため、自動車部材、緩衝材に好適に使用できる。
以下に実施例及び比較例をあげるが、これによって本発明は制限されるものではない。尚、測定評価については以下の通り実施した。
<テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量の測定>
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子0.02gを、テトラヒドロフラン20mml中に常温で24時間浸漬させた後、孔径0.2μmのフィルターでろ過して、ろ液(テトラヒドロフラン可溶分)を得た。
得られたろ液を、ゲルパーミエーションコロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン試料を基準として、重量平均分子量に求めた。
GPC法の測定条件は、以下のとおりである。
測定装置: 東ソー(株)社製、高速GPC装置、HLC−8220
使用カラム:東ソー(株)製、SuperHZM−H×2本、SuperH−RC×2本
カラム温度:40℃、
移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流量:0.35ml/分、注入量:10μl
検出器:RI
<熱キシレン不溶分の量>
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子1.0gに、キシレン50mlを加えて加熱する。30分煮沸させた後に、可溶分をデカンテーション法により、ビーカーに分別する。この際、不溶分の混入を防ぐために、200メッシュの金網を可溶分のビーカーの上に置く。
得られた不溶分に対して、キシレンの添加・煮沸、デカンテーションの操作を2回実施して、熱キシレン不溶分を回収した。回収物を70℃で8時間真空乾燥させた後、重量を測定した。
<メチルエチルケトン可溶分の量>
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子1.0gを、メチルエチルケトン50ml中に常温で24時間浸漬させた後、遠心分離機[国産遠心機株式会社製 H−200型]を用いて、12,000rpm×30分の条件にて遠心分離して、メチルエチルケトン不溶分を分別する。
得られた不溶分に対して、メチルエチルケトンへの浸漬、遠心分離の操作を2回実施して、メチルエチルケトン不溶分を回収した。回収したメチルエチルケトン不溶分を、70℃で12時間乾燥させた後、室温に戻して、重量を測定した。
メチルエチルケトン可溶分の量は、1.0gからメチルエチルケトン不溶分を差し引いた値である。
<吸光度比(D698/D2850)の測定方法>
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子に対するATR−FTIR測定は、PerkinElmer社製SpectrumOneに、ユニバーサルATRアクセサリーを接続して測定した。高屈折率結晶はダイアモンドとし、測定領域は4000〜400cm−1、検出器TGS、分解能4cm−1、積算回数4回、入射角45°±1°で実施した。
得られたスペクトルチャートにおいて、800cm−1と660cm−1結ぶ直線をベースラインとして、800〜660cm−1間の最大吸光度をF、
2990cm−1と2780cm−1結ぶ直線をベースラインとして2990〜2780cm−1間の最大吸光度をGとし、
以下の式により発泡成形体表面の吸光度比(D698/D2850)とした。
698/D2850=F/G
なお、測定箇所としては、得られた予備発泡粒子の比較的平滑な場所を選択して10箇所測定し、10点の平均値を発泡成形体表面の吸光度比(D698/D2850)とした。測定の際には、発泡粒子がプリズムに押し付けられて十分に潰れた状態で測定した。
<発泡力>
炭酸ガスを用いた、保持温度155℃、容器内圧3.0MPaの除圧発泡において得られた一段発泡粒子の、水没倍率により、以下の基準にて判断した。
○:一段発泡粒子の水没倍率が5倍以上。
×:一段発泡粒子の水没倍率が5倍未満。
なお、水没倍率は、一段発泡粒子約5gを50ccのエタノールに水没させ、水没前後のエタノールの体積変化量と一段発泡粒子の重量から以下の式により求めた。
水没倍率=水没前後のエタノール体積変化量(cc)/一段発泡粒子の重量(g)
<揮発性成分>
得られたスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子を約2g計量し、150℃の乾燥機の中で30分加熱し、揮発性成分を逸散させた。冷却後、揮発性成分逸散後のスチレン改質ポリエチレン予備発泡粒子の重量を測定し、その重量変化から揮発性成分の含有量を求めた。
<燃焼速度>
得られた型内発泡成形体から、熱線スライサーを用いて、長さ360mm×幅101.6mm×厚み12mmのサンプルに切断して、燃焼試験用試験片を得た。
燃焼速度は、得られた試験片を用いて、米国自動車安全基準FMVSS302に準拠した方法で測定した。
<成形時の融着性>
得られた発泡成形体に、カッターナイフで約3mmの切り込みを入れた後、この切り込み部から発泡成形体を破断して、破断面を観察した。
破断面を構成するスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡粒子数に対する、破壊された(粒子表面でなく粒子内部で破断している)スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡粒子数の割合を融着率(%)として求めた。
(実施例1)
[ポリエチレン樹脂粒子の作製]
ポリエチレン系樹脂として分岐性低密度ポリエチレン(LDPE)[日本ダウケミカル社製、NUCポリエチレンDFDJ−6775]を使用し、ポリエチレン系樹脂100重量部に対してタルク0.2重量部を混合した後、50mm単軸押出機内で、吐出量25kg/時間、樹脂温度240℃で溶融混合して、押出機先端に設置されたダイスを通して押し出した後、カッティングすることにより、粒重量約1mg/粒のポリエチレン系樹脂粒子を作製した。
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]
6Lオートクレーブに、水150重量部、第3リン酸カルシウム2.0重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.048重量部、亜硝酸ナトリウム0.009重量部、得られたポリエチレン系樹脂粒子40重量部を懸濁させた。
スチレン単量体20重量部に、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度:72℃)0.52重量部、過酸化ベンゾイル(10時間半減期温度:74℃)0.20重量部、架橋剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度:104℃)0.24重量部を溶解させた溶液を、上記水性懸濁液に添加した。
その後、水性懸濁液の温度を92℃まで昇温し、スチレン単量体40重量部を2時間20分かけて反応系中に滴下した。スチレン単量体の滴下終了後、92℃で1時間保持することにより、重合反応を進行させた。
その後、水性懸濁液の温度を120℃に昇温して1時間保持して架橋反応を行い、冷却後、洗浄・脱水・乾燥することによりスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を得た。
[スチレン改質ポリエチレ系樹脂予備発泡粒子の作製]
10Lオートクレーブに、水300重量部、第3リン酸カルシウム0.5重量部、n−パラフィンスルホン酸ソーダ0.028重量部、得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子100重量部、セバシン酸ジブチル0.5重量部、4級アンモニウム塩[ライオン・アクゾ(株)製、製品名:アーカード2HP]0.5重量部を仕込み、炭酸ガスにて1.0MPaまで加圧した。
上記水系分散物を155℃まで加温した後、炭酸ガスを導入して、容器内圧を3.0MPaに加圧し、30分間保持した。温度、圧力を保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて水分散物を開孔径3.6mmφのオリフィス板を通して、94℃の飽和水蒸気で満たされた筒中に放出することによって、一段発泡粒子を得た。
得られた一段発泡粒子内に、空気含浸により0.30MPaの内圧を付与した後、攪拌機を取り付けた密閉容器内で水蒸気により加熱し、発泡倍率約30倍のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
得られたスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子について、熱キシレン不溶分量、メチルエチルケトン可溶分量、テトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量測定を実施した。結果は表1に示した。
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂型内発泡体の作製]
耐圧容器内で空気加圧して約0.20MPaの内圧を付与したスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を、長さ400mm×幅300mm×厚み12mmの金型に充填し、予備発泡粒子同士を圧力0.10MPa(ゲージ圧)の水蒸気で加熱、融着させ、スチレン改質ポリエチレン系樹脂型内発泡成形体を得た。
得られた型内発泡成形体について、燃焼速度を測定した。結果は表1に示した。
(実施例2)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、ポリエチレン樹脂量を25重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート量を0.16重量部に変更し、さらに、92℃でのスチレン単量体連続滴下においてスチレン単量体55重量部を3時間10分かけて滴下した以外は、実施例1と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表1に示した。
(実施例3)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、ポリエチレン樹脂量を30重量部、重合開始剤としての過酸化ベンゾイルを0.10重量部に変更し、さらに、92℃でのスチレン単量体滴下においてスチレン単量体50重量部を2時間50分かけて滴下した以外は、実施例1と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は表1に示した。
(実施例4)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、重合開始剤として過酸化ベンソイルの量を0.10重量部、さらに、架橋剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエートの量を0.60重量部に変更した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。
結果は、表1に示した。
(実施例5)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.40重量部のみを使用し、さらに、架橋剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエートの量を0.30重量部に変更した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。
結果は、表1に示した。
Figure 0006029500
(比較例1)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.26重量部のみを使用した以外は、実施例3と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。
結果は、表2に示した。
(比較例2)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.52重量部のみを使用した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。
結果は、表2に示した。
(比較例3)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、架橋剤としてのt-ブチルパーオキシベンゾエートを0重量部に変更した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例4)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、架橋剤としてのt-ブチルパーオキシベンゾエートを0.60重量部に変更した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は表21に示した。
(比較例5)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、初期のスチレンを0重量部とし、92℃でのスチレン単量体滴下においてスチレン単量体75重量部を4時間50分かけて滴下した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例6)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、初期のスチレンを10重量部とし、92℃でのスチレン単量体滴下においてスチレン単量体65重量部を4時間かけて滴下した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例7)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、ポリエチレン系樹脂として分岐型低密度ポリエチレン(LDPE)「日本ダウケミカル社製 NUCポリエチレン DFDJ−6775」を50重量部とし、92℃でのスチレン単量体滴下においてスチレン単量体30重量部を1時間30分かけて滴下した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例8)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、ポリエチレン系樹脂として分岐型低密度ポリエチレン(LDPE)「日本ダウケミカル社製 NUCポリエチレン DFDJ−6775」を15重量部とし、92℃でのスチレン単量体滴下においてスチレン単量体65重量部を4時間かけて滴下した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例9)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、ポリエチレン系樹脂として直差型低密度ポリエチレン(LLDPE)「プライムポリマー製 ウルトゼックス 3023H」とした以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例10)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]において、ポリエチレン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA) 「住友化学製 エバテート F1103−1」とした、スチレンの滴下を85℃で実施した以外は実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子および型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。結果は、表2に示した。
(比較例11)
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の作製]においては、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を得た。
[スチレン改質ポリエチレ系樹脂予備発泡粒子の作製]において、4級アンモニウム塩を使用せず、炭酸ガスに代えてブタン(ノルマルブタン75%とイソブタン25%の混合品)25重量部を加え、140℃に昇温して更に2.5MPaとなるまでブタンを追加して加圧した以外は、実施例2と同様の方法により、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子を得た。
[スチレン改質ポリエチレン系樹脂型内発泡体の作製]においては、空気による内圧付与を行わなかった以外は、実施例2と同様の方法により、型内発泡成形体を作製し、同様の評価を行った。
結果は、表2に示した。
Figure 0006029500
実施例は、本件特許の要件を満たしている為、炭酸ガスを使用した発泡性が良く、良好な燃焼速度を有する。比較例は、熱キシレンテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量、熱キシレン不要分量、メチルエチルケトン可溶部量、ATR−IRにおける吸光度比のいずれかを満たしておらず、発泡力または燃焼速度に劣る。

Claims (5)

  1. ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、スチレン系単量体が120重量部以上500重量部以下を含浸させて重合を行って得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子であって、
    ポリエチレン系樹脂が分岐状低密度ポリエチレンであり、
    スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子のテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量が15万以上35万以下であり、
    スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子が、揮発性成分が1%以下、熱キシレン不溶分を5重量%以上20重量%以下、メチルエチルケトン可溶分を50重量%以下含有することを特徴とする、スチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子。
  2. ATR−IR測定における吸光度比D698/D2850が5.0以上20以下であることを特徴とする、請求項1記載のスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子。
  3. ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸させて重合を行って得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子を耐圧容器中に水系分散媒に分散させて加熱し、前記耐圧容器に発泡剤として無機ガスを導入して耐圧容器内を加圧した後、耐圧容器の一端を開放して、スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子および水系分散媒を含んでなる混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気下に放出することを特徴とする、請求項1または2記載のスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のスチレン改質ポリエチレン系予備発泡粒子を成形してなることを特徴とする、発泡成形体。
  5. 発泡倍率30倍において、FMVSS302燃焼試験における燃焼速度が100mm/分以下であることを特徴とする、請求項4記載の発泡成形体。
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