JP2014189767A - 発泡用ポリスチレン系樹脂組成物、ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化しても機械的強度の低下を抑制可能な発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】2官能ビニル系化合物とスチレン系単量体由来の成分を基材樹脂として含み、前記2官能ビニル系化合物が、100以上、1000未満の分子量を有し、前記基材樹脂が、前記スチレン系単量体中に2官能ビニル系化合物を50〜1500ppm含む単量体混合物を重合させることにより得られ、かつスチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含み、前記基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂であることを特徴とする発泡用ポリスチレン系樹脂組成物により課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】2官能ビニル系化合物とスチレン系単量体由来の成分を基材樹脂として含み、前記2官能ビニル系化合物が、100以上、1000未満の分子量を有し、前記基材樹脂が、前記スチレン系単量体中に2官能ビニル系化合物を50〜1500ppm含む単量体混合物を重合させることにより得られ、かつスチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含み、前記基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂であることを特徴とする発泡用ポリスチレン系樹脂組成物により課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、発泡用ポリスチレン系樹脂組成物、ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡成形品に関する。更に詳しくは、本発明は、軽量化しても機械的強度の低下を抑制可能な発泡用ポリスチレン系樹脂組成物、ポリスチレン系樹脂発泡シート及び発泡成形品に関する。
ポリスチレン系樹脂のポリスチレン系樹脂発泡シートは、軽量でありながら機械的強度や保温断熱性に優れ、成形加工性にも優れていることから、皿状、カップ状、丼状等の形状に成形されて各種食品包装材や簡易容器として広く用いられている。
容器リサイクル法の施行、環境問題への配慮、省資源の推進、コストダウン等の観点から上記容器にはより軽量化を図ることが求められている。軽量化するには、容器の厚みを薄くすることが考えられる。しかし、単に容器の厚みを薄くすると容器の強度が低下することがある。
容器リサイクル法の施行、環境問題への配慮、省資源の推進、コストダウン等の観点から上記容器にはより軽量化を図ることが求められている。軽量化するには、容器の厚みを薄くすることが考えられる。しかし、単に容器の厚みを薄くすると容器の強度が低下することがある。
また、厚みを同じにして発泡倍率を向上することにより、軽量化することも考えられる。しかし、この軽量化では、高倍化に伴って連続気泡率が増大してしまい、容器成形時の成形性が悪くなることがある。
軽量化を目的とする技術として、特開2012−207172号公報に記載された技術が知られている。この技術では、ポリスチレン系樹脂組成物の所定条件での一軸伸長粘度を測定した際に、時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾きと上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾きとの比に着目している。具体的には、この比を1.2〜2.0の範囲とすることで、連続気泡の形成を抑制しつつ容器の軽量化を実現できるとされている。
軽量化を目的とする技術として、特開2012−207172号公報に記載された技術が知られている。この技術では、ポリスチレン系樹脂組成物の所定条件での一軸伸長粘度を測定した際に、時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾きと上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾きとの比に着目している。具体的には、この比を1.2〜2.0の範囲とすることで、連続気泡の形成を抑制しつつ容器の軽量化を実現できるとされている。
上記公報に記載の技術でも、ある程度の軽量化を達成できるが、近年、容器の更なる軽量化が求められるようになってきており、そのような求めに対しては、上記公報の技術では十分ではなかった。
本発明の発明者は、上記求めに応じるべく鋭意検討した結果、発泡用ポリスチレン系樹脂組成物が、特定の分子量の分岐化剤としての2官能ビニル系化合物を特定の含有量でスチレン系単量体中に含む単量体混合物に由来し、かつスチレン系単量体のオリゴマーを特定量含有する基材樹脂を含み、基材樹脂の上記公報に記載の比が2.0より大きく、6.0以下の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物であれば、容器の物性を低下させることなく軽量化を実現可能なポリスチレン系樹脂発泡シートを提供可能であることを見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、2官能ビニル系化合物とスチレン系単量体由来の成分を基材樹脂として含み、
前記2官能ビニル系化合物が、100以上、1000未満の分子量を有し、
前記基材樹脂が、前記スチレン系単量体中に2官能ビニル系化合物を50〜1500ppm含む単量体混合物を重合させることにより得られ、かつスチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含み、
前記基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂であることを特徴とする発泡用ポリスチレン系樹脂組成物が提供される。
前記2官能ビニル系化合物が、100以上、1000未満の分子量を有し、
前記基材樹脂が、前記スチレン系単量体中に2官能ビニル系化合物を50〜1500ppm含む単量体混合物を重合させることにより得られ、かつスチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含み、
前記基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂であることを特徴とする発泡用ポリスチレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を用いて得られたポリスチレン系樹脂発泡シートが提供される。
更に、本発明によれば、上記ポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて得られた発泡成形品が提供される。
更に、本発明によれば、上記ポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて得られた発泡成形品が提供される。
本発明によれば、容器の物性を低下させることなく軽量化を実現可能なポリスチレン系樹脂発泡シートを提供できる。
また、本発明によれば、
(1)2官能ビニル系化合物が、ジビニルベンゼン又は1,3−ブチレンジオールジメタクリレートである
(2)基材樹脂が、基材樹脂を濃度5質量%となるようにトルエン中に23℃、1時間、振とう下で溶解させた時に、5質量%以上のトルエン不溶分量を示す
(3)基材樹脂が、基材樹脂をテトラヒドロフランに0.3g/Lの濃度で23℃、72時間静置しながら溶解させた時に、テトラヒドロフラン不溶分量0%(完全溶解)を示す
(4)基材樹脂が、水性懸濁液中に分散させた、2官能ビニル系脂肪族化合物である分岐化剤と、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを懸濁重合させることによって得られる
(5)基材樹脂が、水性懸濁液中に分散させたポリスチレン系樹脂の種粒子に、2官能ビニル系脂肪族化合物である分岐化剤と、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを断続的又は連続的に供給して重合させることによって得られる
のいずれかを備えることで、より容器の物性を低下させることなくより軽量化を実現可能なポリスチレン系樹脂発泡シートを提供できる。
(1)2官能ビニル系化合物が、ジビニルベンゼン又は1,3−ブチレンジオールジメタクリレートである
(2)基材樹脂が、基材樹脂を濃度5質量%となるようにトルエン中に23℃、1時間、振とう下で溶解させた時に、5質量%以上のトルエン不溶分量を示す
(3)基材樹脂が、基材樹脂をテトラヒドロフランに0.3g/Lの濃度で23℃、72時間静置しながら溶解させた時に、テトラヒドロフラン不溶分量0%(完全溶解)を示す
(4)基材樹脂が、水性懸濁液中に分散させた、2官能ビニル系脂肪族化合物である分岐化剤と、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを懸濁重合させることによって得られる
(5)基材樹脂が、水性懸濁液中に分散させたポリスチレン系樹脂の種粒子に、2官能ビニル系脂肪族化合物である分岐化剤と、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを断続的又は連続的に供給して重合させることによって得られる
のいずれかを備えることで、より容器の物性を低下させることなくより軽量化を実現可能なポリスチレン系樹脂発泡シートを提供できる。
(発泡用ポリスチレン系樹脂組成物)
本発明の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物は、2官能ビニル系化合物とスチレン系単量体由来の成分を基材樹脂として含む。
(1)基材樹脂
(a)比(a1/a2)
基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂である。
本発明の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物は、2官能ビニル系化合物とスチレン系単量体由来の成分を基材樹脂として含む。
(1)基材樹脂
(a)比(a1/a2)
基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂である。
比(a1/a2)が2.0以下の場合、歪硬化性の効果が小さく、押出発泡性、成形性が悪くなることがある。6.0より大きい場合、生産性、押出発泡性が悪くなることがある。好ましい比(a1/a2)は2.0より大きく5.0以下、より好ましい比(a1/a2)は2.0より大きく4.0以下、更に好ましい比(a1/a2)は2.0より大きく3.5以下である。この物性は、ポリスチレン系樹脂の分子鎖同士を多官能ビニル系芳香族化合物で架橋した構造から測定することは困難である。そのため、発明者は、この物性を有する基材樹脂は、ポリスチレン系樹脂の分子鎖を多官能ビニル系芳香族化合物で分岐させた構造を有していると考えている。
上記「非線形領域」とは、変曲点(対数プロットの非線形領域と線形領域を分けるプロットの傾きが変化する点)以降に現れる領域を意図しており、「非線形領域」における一次近似直線の傾き(a1)とは、8.0×100〜2.0×101秒の間であり、変曲点以降且つ最大点以前に観測され、5.0×100秒の間隔を有する任意の2点のデータに基づく回帰直線の傾きを意図している。
また、「線形領域」とは、変曲点以前に現れる比較的データに直線性が得られる領域を意図しており、「線形領域」における一次近似直線の傾き(a2)とは、1.0×100〜2.0×100秒の間、且つ変曲点以前に観測され、5.0×10-1秒の間隔を有する任意の2点のデータに基づく回帰直線の傾きを意図している。
また、「線形領域」とは、変曲点以前に現れる比較的データに直線性が得られる領域を意図しており、「線形領域」における一次近似直線の傾き(a2)とは、1.0×100〜2.0×100秒の間、且つ変曲点以前に観測され、5.0×10-1秒の間隔を有する任意の2点のデータに基づく回帰直線の傾きを意図している。
(b)オリゴマー含有量
基材樹脂は、スチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含んでいる。ここでのオリゴマーは、スチレンのダイマーとトリマーの合計量であり、その含有量はGC−MSにより測定できる。オリゴマー含有量が50ppm未満の場合、ポリスチレン系樹脂発泡シートの容器への成形性に好ましくない影響を与えることがある。また、オリゴマー含有量を1500ppm以下にすることは、食品容器に成形することを考慮すると、安全性向上の観点から望まれている。好ましい含有量は50〜1000ppmであり、より好ましい含有量は50〜500ppmである。
基材樹脂は、スチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含んでいる。ここでのオリゴマーは、スチレンのダイマーとトリマーの合計量であり、その含有量はGC−MSにより測定できる。オリゴマー含有量が50ppm未満の場合、ポリスチレン系樹脂発泡シートの容器への成形性に好ましくない影響を与えることがある。また、オリゴマー含有量を1500ppm以下にすることは、食品容器に成形することを考慮すると、安全性向上の観点から望まれている。好ましい含有量は50〜1000ppmであり、より好ましい含有量は50〜500ppmである。
(c)Mn、Mw及びMz
基材樹脂は6万〜15万の範囲のMn、20万〜50万の範囲のMw、50万〜300万の範囲のMzを有していることが好ましい。これら範囲より小さな平均分子量の場合、成形品強度、成形性が悪くなることがある。大きな平均分子量の場合、樹脂流動性が悪くなるため押出発泡性、生産性が悪くなることがある。より好ましくは7万〜13万の範囲のMn、30万〜50万の範囲のMw、100万〜250万の範囲のMzである。
(d)溶融張力
基材樹脂は10cN以上の溶融張力を有していることが好ましい。溶融張力が10cNより小さい場合、押出発泡性が悪くなることがある。より好ましい溶融張力は13cN以上である。
(e)MFR
基材樹脂は、0.5〜5g/10分の範囲のMFRを有していることが好ましい。MFRが0.5g/10分より小さい場合、流動性が悪く、生産性が悪くなることがある。5g/10分より大きい場合、シートの外観不良等が発生することがある。より好ましいMFRは0.8〜4.0g/10分の範囲である。
基材樹脂は6万〜15万の範囲のMn、20万〜50万の範囲のMw、50万〜300万の範囲のMzを有していることが好ましい。これら範囲より小さな平均分子量の場合、成形品強度、成形性が悪くなることがある。大きな平均分子量の場合、樹脂流動性が悪くなるため押出発泡性、生産性が悪くなることがある。より好ましくは7万〜13万の範囲のMn、30万〜50万の範囲のMw、100万〜250万の範囲のMzである。
(d)溶融張力
基材樹脂は10cN以上の溶融張力を有していることが好ましい。溶融張力が10cNより小さい場合、押出発泡性が悪くなることがある。より好ましい溶融張力は13cN以上である。
(e)MFR
基材樹脂は、0.5〜5g/10分の範囲のMFRを有していることが好ましい。MFRが0.5g/10分より小さい場合、流動性が悪く、生産性が悪くなることがある。5g/10分より大きい場合、シートの外観不良等が発生することがある。より好ましいMFRは0.8〜4.0g/10分の範囲である。
(f)トルエン不溶分量
基材樹脂は、5重量%以上のトルエン不溶分量を有することが好ましい。トルエン不溶分量が5重量%であることは、ポリスチレン系樹脂に高分子量成分が存在していることを意味している。より好ましいトルエン不溶分量は7重量%であり、更に好ましいトルエン不溶分量は8重量%である。
基材樹脂は、5重量%以上のトルエン不溶分量を有することが好ましい。トルエン不溶分量が5重量%であることは、ポリスチレン系樹脂に高分子量成分が存在していることを意味している。より好ましいトルエン不溶分量は7重量%であり、更に好ましいトルエン不溶分量は8重量%である。
(g)テトラヒドロフランへの溶解性
基材樹脂は、1リットルのテトラヒドロフラン中にポリスチレン系樹脂を0.3g添加し、72時間静置した場合、テトラヒドロフランに完全溶解することが好ましい。完全溶解することは、ポリスチレン系樹脂に架橋成分が実質的に存在していないことを意味している。
基材樹脂は、1リットルのテトラヒドロフラン中にポリスチレン系樹脂を0.3g添加し、72時間静置した場合、テトラヒドロフランに完全溶解することが好ましい。完全溶解することは、ポリスチレン系樹脂に架橋成分が実質的に存在していないことを意味している。
(2)スチレン系単量体由来の成分
スチレン系単量体由来の成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体、もしくは、これらの共重合体、又は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート等のアルキルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート等のアルキルフマレート
、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、(メタ)アクリル酸等と、スチレン系単量体との共重合体等が挙げられる。
スチレン系単量体由来の成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体、もしくは、これらの共重合体、又は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート等のアルキルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート等のアルキルフマレート
、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、(メタ)アクリル酸等と、スチレン系単量体との共重合体等が挙げられる。
(3)2官能ビニル系化合物
2官能ビニル系化合物は、分岐化剤としての役割を有する。
なお、通常、上記単量体を単に重合させただけの一般的なポリスチレン系樹脂では、一軸伸長粘度を測定すると3〜7秒付近に変曲点が観測されるものの、変曲点を境に傾きが小さくなる傾向がある。そのため上記の比(a1/a2)を満足させることが難しい。
2官能ビニル系化合物は、分岐化剤としての役割を有する。
なお、通常、上記単量体を単に重合させただけの一般的なポリスチレン系樹脂では、一軸伸長粘度を測定すると3〜7秒付近に変曲点が観測されるものの、変曲点を境に傾きが小さくなる傾向がある。そのため上記の比(a1/a2)を満足させることが難しい。
一方で、分子内に上記分岐化剤由来の分岐構造を複数有するポリスチレン系樹脂(以下「多分岐ポリスチレン系樹脂」ともいう)では、一般的なポリスチレン系樹脂と同様の箇所において変曲点を示す。しかし、変曲点を境にして傾きが増大する傾向を示す。
2官能ビニル系化合物は、100以上、1000未満の分子量を有し、かつ上記の比(a1/a2)を満足する基材樹脂を得られさえすれば特に限定されない。分子量が1000以上の場合、単位質量当たりの官能基数が減り分岐化剤としての効果が小さくなる、又は核重合を行った際に種粒子に吸収されにくくなることがある。
2官能ビニル系化合物において、2官能とは、化合物がビニル基を2つ含むことを意味する。
2官能ビニル系化合物に含まれるビニル基とは、重合可能な炭素−炭素の二重結合からなる基を意味している。また、ビニル基は、それを構成する炭素に結合した水素原子が、他の基(例えば、メチル基)で置換された構造を有していてもよい。なお、ビニル基の結合手が位置する炭素原子の水素原子が、他の基で置換されている場合、ビニル基をビニリデン基とも称する。2官能ビニル系化合物中のビニル基は、その分子末端に位置する(メタ)アクリロイル基中に含まれていてもよい。
2官能ビニル系化合物に含まれるビニル基とは、重合可能な炭素−炭素の二重結合からなる基を意味している。また、ビニル基は、それを構成する炭素に結合した水素原子が、他の基(例えば、メチル基)で置換された構造を有していてもよい。なお、ビニル基の結合手が位置する炭素原子の水素原子が、他の基で置換されている場合、ビニル基をビニリデン基とも称する。2官能ビニル系化合物中のビニル基は、その分子末端に位置する(メタ)アクリロイル基中に含まれていてもよい。
2官能ビニル系化合物としては、例えば、
(i)ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジビニルビフェニル等の2官能のベンゼン環に直接ビニル基が結合した化合物、
(ii)ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート等の2官能のベンゼン環を含む(メタ)アクリレート化合物、
等の芳香族化合物、
(i)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が2〜10)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が2〜10)、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコール(メタ)アクリレート等の2官能アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ii)1,3−ブチレンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート、
(iii)エトキシ化(繰り返し単位数が2〜10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の2官能エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
等の脂肪族化合物が挙げられる。
(i)ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジビニルビフェニル等の2官能のベンゼン環に直接ビニル基が結合した化合物、
(ii)ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート等の2官能のベンゼン環を含む(メタ)アクリレート化合物、
等の芳香族化合物、
(i)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が2〜10)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が2〜10)、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコール(メタ)アクリレート等の2官能アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ii)1,3−ブチレンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート、
(iii)エトキシ化(繰り返し単位数が2〜10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の2官能エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
等の脂肪族化合物が挙げられる。
基材樹脂は、スチレン系単量体中に2官能ビニル系化合物を50〜1500ppm含む単量体混合物を重合させることにより得られる。含有量が50ppmより少ない場合、押出発泡性、成形性が悪くなることがある。1500ppmより多い場合、架橋物が発生し、押出発泡時に外観不良を与えることがある。好ましい含有量は100〜1500ppmであり、より好ましい含有量は100〜1200ppmである。なお、上記化合物の含有量は、基材樹脂中の2官能ビニル系化合物由来の成分の含有と実質的に対応している。
(4)その他の添加剤
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、基材樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、発泡剤、可塑剤、他の樹脂、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
発泡剤としては、炭化水素(例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン)、水、ジメチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の物理発泡剤、アゾジカルボンアミドや、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物のような化学発泡剤が挙げられる。
可塑剤としては、スチレン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソブチル等のフタル酸エステル、流動パラフィン、ホワイトオイル等の高沸点化合物が挙げられる。
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、基材樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、発泡剤、可塑剤、他の樹脂、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
発泡剤としては、炭化水素(例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン)、水、ジメチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の物理発泡剤、アゾジカルボンアミドや、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物のような化学発泡剤が挙げられる。
可塑剤としては、スチレン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソブチル等のフタル酸エステル、流動パラフィン、ホワイトオイル等の高沸点化合物が挙げられる。
他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体等のジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル等、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
難燃剤としては、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等が挙げられる。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。
難燃剤としては、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等が挙げられる。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ポリテトラフルオロエチレン、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸グリセライド等が挙げられる。
滑剤としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸グリセライド、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、ホワイトオイル等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ポリテトラフルオロエチレン、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸グリセライド等が挙げられる。
滑剤としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のビスアミド化合物、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアミド化合物、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸グリセライド、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、ホワイトオイル等が挙げられる。
(5)発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の製造方法
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物は、その原料としてのスチレン系単量体、2官能ビニル系化合物及び他の添加剤を、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得るための押出機に入れ、重合及び混合することで製造できる。この製造法については、ポリスチレン系樹脂発泡シートの欄で改めて説明する。この製造法以外に、スチレン系単量体、2官能ビニル系化合物及び他の添加剤を水性媒体中に入れ、懸濁条件下で、重合及び架橋を行う方法が挙げられる(懸濁重合法)。この方法では、発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を構成する成分を均一に分散できる。懸濁重合法の中でも、別途製造したスチレン系樹脂粒子に、スチレン系単量体、2官能ビニル系化合物及び他の添加剤を含浸させた後、重合及び架橋を行う方法が挙げられる(シード重合法)。この方法では、懸濁重合法に比べて、更に発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を構成する成分を選択的に分散できる。
発泡用ポリスチレン系樹脂組成物は、その原料としてのスチレン系単量体、2官能ビニル系化合物及び他の添加剤を、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得るための押出機に入れ、重合及び混合することで製造できる。この製造法については、ポリスチレン系樹脂発泡シートの欄で改めて説明する。この製造法以外に、スチレン系単量体、2官能ビニル系化合物及び他の添加剤を水性媒体中に入れ、懸濁条件下で、重合及び架橋を行う方法が挙げられる(懸濁重合法)。この方法では、発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を構成する成分を均一に分散できる。懸濁重合法の中でも、別途製造したスチレン系樹脂粒子に、スチレン系単量体、2官能ビニル系化合物及び他の添加剤を含浸させた後、重合及び架橋を行う方法が挙げられる(シード重合法)。この方法では、懸濁重合法に比べて、更に発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を構成する成分を選択的に分散できる。
より具体的には、
(i)懸濁重合法は、スチレン系単量体を連続的又は断続的に水性媒体中に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法であり、
(ii)シード重合法は、水性媒体中にポリスチレン系樹脂種粒子(以下種粒子)を分散させて水性懸濁液とし、これにスチレン系単量体を連続的又は断続的に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法である。
(i)懸濁重合法は、スチレン系単量体を連続的又は断続的に水性媒体中に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法であり、
(ii)シード重合法は、水性媒体中にポリスチレン系樹脂種粒子(以下種粒子)を分散させて水性懸濁液とし、これにスチレン系単量体を連続的又は断続的に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法である。
上記懸濁重合法及びシード重合法において用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
種粒子は、押出機を使用して得る方法、懸濁重合法(シード重合法を含む)等の公知の方法により得ることができる。懸濁重合法により種粒子を得る場合、水性媒体中に種粒子を分散させてなる水性懸濁液は、上記懸濁重合法による重合後の反応液をそのまま水性懸濁液として用いても、あるいは、上記懸濁重合法によって得られた種粒子を反応液から分離し、この種粒子を別途用意した水性媒体に懸濁させた水性懸濁液を用いてもよい。なお、水性媒体としては、特に限定されず、例えば、水、アルコール等が挙げられ、水が好ましい。
また、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、スチレン系単量体の液滴又は種粒子の分散性を安定させるために懸濁安定剤を用いてもよい。このような懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機塩等が挙げられ、難水溶性無機塩を用いる場合には、アニオン界面活性剤が通常、併用される。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩等が挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
また、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、水に溶解したスチレンの重合による微粉末の発生を防ぐ目的で、水溶性の重合禁止剤を添加してもよい。
また、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、水に溶解したスチレンの重合による微粉末の発生を防ぐ目的で、水溶性の重合禁止剤を添加してもよい。
(ポリスチレン系樹脂発泡シート)
懸濁重合法又はシード重合法により得られた発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を押出機内で発泡剤と混練し、押出機の先端に装着させたフラットダイやサーキュラーダイから押出発泡させることによりポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。押出機内で原料を反応及び混練させることにより発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得る場合は、混練時に発泡剤を添加し、ダイから押出発泡させることによりポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、0.035g/cm3〜0.065g/cm3の密度を有することが好ましい。また、厚さは、通常0.8〜3.0mmであり、好ましくは1.0〜2.5mmであり、より好ましくは、1.5〜2.0mmである。
懸濁重合法又はシード重合法により得られた発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を押出機内で発泡剤と混練し、押出機の先端に装着させたフラットダイやサーキュラーダイから押出発泡させることによりポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。押出機内で原料を反応及び混練させることにより発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得る場合は、混練時に発泡剤を添加し、ダイから押出発泡させることによりポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、0.035g/cm3〜0.065g/cm3の密度を有することが好ましい。また、厚さは、通常0.8〜3.0mmであり、好ましくは1.0〜2.5mmであり、より好ましくは、1.5〜2.0mmである。
(発泡成形品)
ポリスチレン系樹脂発泡シートを公知の方法により成形することで発泡成形品を得ることができる。発泡成形品としては、皿、カップ、丼等の食品容器、緩衝材、包装資材等に使用できる。
ポリスチレン系樹脂発泡シートを公知の方法により成形することで発泡成形品を得ることができる。発泡成形品としては、皿、カップ、丼等の食品容器、緩衝材、包装資材等に使用できる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<平均分子量>
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン(PS)換算平均分子量を意味する。
具体的には、試料3mgをテトラヒドロフラン(テトラヒドロフラン)10mLに72時間静置で溶解させ(完全溶解)、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過して分子量を測定する。予め測定し、作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の平均分子量を求める。また、クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
・装置:高速GPC装置
・商品名:東ソー社製 HLC−8320GPC EcoSEC-WorkStation(RI検出器内蔵)
・分析条件
カラム:TSKgel SuperHZM−H×2本(4.6mmI.D×15cmL×2本)
ガードカラム:TSKguardcolumn SuperHZ−H×1本(4.6mmID×2cmL)
流量:試料側 0.175mL/分、リファレンス側 0.175mL/分
検出器:内蔵型RI検出器
濃度:0.3g/L
注入量:50μL
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
<平均分子量>
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン(PS)換算平均分子量を意味する。
具体的には、試料3mgをテトラヒドロフラン(テトラヒドロフラン)10mLに72時間静置で溶解させ(完全溶解)、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過して分子量を測定する。予め測定し、作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の平均分子量を求める。また、クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
・装置:高速GPC装置
・商品名:東ソー社製 HLC−8320GPC EcoSEC-WorkStation(RI検出器内蔵)
・分析条件
カラム:TSKgel SuperHZM−H×2本(4.6mmI.D×15cmL×2本)
ガードカラム:TSKguardcolumn SuperHZ−H×1本(4.6mmID×2cmL)
流量:試料側 0.175mL/分、リファレンス側 0.175mL/分
検出器:内蔵型RI検出器
濃度:0.3g/L
注入量:50μL
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
(検量線の作成)
検量線用標準ポリスチレン試料としては、東ソー社製商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、500、2630、9100、37900、102000、355000、3840000、及び5480000である標準ポリスチレン試料と、昭和電工社製商品名「Shodex STANDARD」の重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を用いる。
検量線用標準ポリスチレン試料としては、東ソー社製商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、500、2630、9100、37900、102000、355000、3840000、及び5480000である標準ポリスチレン試料と、昭和電工社製商品名「Shodex STANDARD」の重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を用いる。
検量線の作成方法は以下の通りである。まず、上記検量線用標準ポリスチレン試料をグループA(重量平均分子量が1030000のもの)、グループB(重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000のもの)及びグループC(重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000のもの)にグループ分けする。グループAに属する重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を5mg秤量した後にテトラヒドロフラン20mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。グループBに属する重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ10mg、5mg、5mg、及び5mg秤量した後にテトラヒドロフラン50mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。グループCに属する重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ5mg、5mg、5mg、及び1mg秤量した後にテトラヒドロフラン40mLに溶解し、得られた溶液50μLを試料側カラムに注入する。これら標準ポリスチレン試料の保持時間から較正曲線(三次式)をHLC−8320GPC専用データ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC−WS)にて作成し、これをポリスチレン換算重量平均分子量測定の検量線として用いる。
また、測定は温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で行う。
また、測定は温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で行う。
<一軸伸長粘度の測定>
一軸伸張粘度測定は粘弾性測定装置PHYSICA MCR301(Anton Paar社製)、温度制御システムCTD450にて測定する。まず、樹脂を熱プレス機にて、温度190℃の条件下で幅10mm、厚さ約0.8mmの短冊状サンプルを作成する。次に短冊状サンプルを長さ20〜25mmに切り出し、測定温度160℃に加熱した粘弾性測定装置の一軸伸張粘度測定用治具(SER2)にセットした後、窒素雰囲気下にて160℃±0.5℃の温度条件で10秒間待機後、歪み速度0.1/秒で一軸伸張粘度を測定する。測定点間隔は「測定点間隔を対数で取得」に設定し、開始を0.01秒、終了を26秒とした。測定点は300とする。
一軸伸張粘度測定は粘弾性測定装置PHYSICA MCR301(Anton Paar社製)、温度制御システムCTD450にて測定する。まず、樹脂を熱プレス機にて、温度190℃の条件下で幅10mm、厚さ約0.8mmの短冊状サンプルを作成する。次に短冊状サンプルを長さ20〜25mmに切り出し、測定温度160℃に加熱した粘弾性測定装置の一軸伸張粘度測定用治具(SER2)にセットした後、窒素雰囲気下にて160℃±0.5℃の温度条件で10秒間待機後、歪み速度0.1/秒で一軸伸張粘度を測定する。測定点間隔は「測定点間隔を対数で取得」に設定し、開始を0.01秒、終了を26秒とした。測定点は300とする。
<オリゴマー含有量>
試料0.2gをメチルエチルケトン10mlに溶解し、メタノール35ml中に滴下して再沈殿させ、約1時間攪拌する。次に、上記再沈殿液をNo.5A濾紙で50mlメスフラスコに濾過し、メタノールで50mlに定溶する。次に、2mlメスフラスコに内部標準液ピレン10μl(1000ppmメタノール液)を入れ、50mlメスフラスコ中のメタノール溶液で2mlに定溶し試料溶液を作製する。次に、この試料溶液を用いて、下記の条件で GC/MS測定を行う。そして得られたクロマトグラムのうちスチレンダイマーのピーク3本、およびスチレントリマーのピーク5本のピーク面積を、内部標準物質であるピレンのピーク面積に対する相対感度として予め作成したスチレンオリゴマーの検量線により定量する。ダイマー、トリマーの検量線作成は関東化学社製の標準物質を用いて行う。
(GC/MS測定条件)
装置:島津製作所社製 ガスクロマトグラフ質量分析計 QP5050A(GC=GC−17A)
カラム:ZB−5MS(Phenomenex社製、0.25μm×0.25mmφ×30m)
GCオーブン昇温条件:初期温度100℃(1分)
第1段階昇温速度10℃/分(190℃まで−2.5分保持)
第2段階昇温速度10℃/分(300℃まで)
最終温度 300℃(2.5分)
注入口温度:240℃
検出器温度:260℃
検出器:1.25kV
キャリアガス:ヘリウム
全流量:15.3mL/分
カラム流量:1.0mL/分
キャリアガス圧力:75kPa
試験液注入量:2μl(オートサンプラー使用)
スプリット比:1/12
試料0.2gをメチルエチルケトン10mlに溶解し、メタノール35ml中に滴下して再沈殿させ、約1時間攪拌する。次に、上記再沈殿液をNo.5A濾紙で50mlメスフラスコに濾過し、メタノールで50mlに定溶する。次に、2mlメスフラスコに内部標準液ピレン10μl(1000ppmメタノール液)を入れ、50mlメスフラスコ中のメタノール溶液で2mlに定溶し試料溶液を作製する。次に、この試料溶液を用いて、下記の条件で GC/MS測定を行う。そして得られたクロマトグラムのうちスチレンダイマーのピーク3本、およびスチレントリマーのピーク5本のピーク面積を、内部標準物質であるピレンのピーク面積に対する相対感度として予め作成したスチレンオリゴマーの検量線により定量する。ダイマー、トリマーの検量線作成は関東化学社製の標準物質を用いて行う。
(GC/MS測定条件)
装置:島津製作所社製 ガスクロマトグラフ質量分析計 QP5050A(GC=GC−17A)
カラム:ZB−5MS(Phenomenex社製、0.25μm×0.25mmφ×30m)
GCオーブン昇温条件:初期温度100℃(1分)
第1段階昇温速度10℃/分(190℃まで−2.5分保持)
第2段階昇温速度10℃/分(300℃まで)
最終温度 300℃(2.5分)
注入口温度:240℃
検出器温度:260℃
検出器:1.25kV
キャリアガス:ヘリウム
全流量:15.3mL/分
カラム流量:1.0mL/分
キャリアガス圧力:75kPa
試験液注入量:2μl(オートサンプラー使用)
スプリット比:1/12
<トルエン不溶分>
重量を測定して30ml三角フラスコ中に10gのトルエンと発泡用ポリスチレン系樹脂組成物0.5gを添加し、振とう機TAIYO ROTARY SHAKER R−II(大洋科学工業社製)のメモリを10にした状態で23℃、1時間振とうさせる。振とう後、トルエンを取り除いた三角フラスコを減圧下60℃、24時間乾燥させた後の重量と添加前の三角フラスコの重量の差分からトルエン不溶分を算出する。
重量を測定して30ml三角フラスコ中に10gのトルエンと発泡用ポリスチレン系樹脂組成物0.5gを添加し、振とう機TAIYO ROTARY SHAKER R−II(大洋科学工業社製)のメモリを10にした状態で23℃、1時間振とうさせる。振とう後、トルエンを取り除いた三角フラスコを減圧下60℃、24時間乾燥させた後の重量と添加前の三角フラスコの重量の差分からトルエン不溶分を算出する。
<テトラヒドロフラン可溶性>
1リットルのテトラヒドロフラン中にポリスチレン系樹脂を0.3g添加し、72時間静置した場合、テトラヒドロフランに完全溶解した場合を○、溶け残りが生じた場合を×とする。
1リットルのテトラヒドロフラン中にポリスチレン系樹脂を0.3g添加し、72時間静置した場合、テトラヒドロフランに完全溶解した場合を○、溶け残りが生じた場合を×とする。
<MFRの測定>
メルトマスフローレイト(MFR)は東洋精機製作所社製のセミオートメルトインデクサー2Aを用い、JIS K 7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法により測定する。測定条件は試料3〜8g、予熱270秒、ロードホールド30秒、試験温度200℃、試験荷重49.03N、ピストン移動距離(インターバル):25mmとする。試料の試験回数は3回とし、その平均をメルトマスフローレイト(g/10分)の値とする。
メルトマスフローレイト(MFR)は東洋精機製作所社製のセミオートメルトインデクサー2Aを用い、JIS K 7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法により測定する。測定条件は試料3〜8g、予熱270秒、ロードホールド30秒、試験温度200℃、試験荷重49.03N、ピストン移動距離(インターバル):25mmとする。試料の試験回数は3回とし、その平均をメルトマスフローレイト(g/10分)の値とする。
<溶融張力>
ツインボアキャピラリ−レオメ−タ−Rheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。すなわち試験温度200℃に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱したのち、上記測定装置のキャピラリーダイ(口径2.095mm、長さ8mm、流入角度90度(コニカル))からピストン降下速度(0.07730mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、この紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速3.94388mm/s、加速度12mm/s2で徐々に増加させつつ巻き取っていき、当紐状物が切断した点の直前の張力の極大値と極小値の平均を試料樹脂の溶融張力(MT)とする。
ツインボアキャピラリ−レオメ−タ−Rheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。すなわち試験温度200℃に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱したのち、上記測定装置のキャピラリーダイ(口径2.095mm、長さ8mm、流入角度90度(コニカル))からピストン降下速度(0.07730mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、この紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速3.94388mm/s、加速度12mm/s2で徐々に増加させつつ巻き取っていき、当紐状物が切断した点の直前の張力の極大値と極小値の平均を試料樹脂の溶融張力(MT)とする。
実施例1
(種粒子の作製)
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)に重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)150g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)20gをスチレン44kgに溶解し、ピロリン酸マグネシウム130g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.5g、蒸留水40kgを投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
(種粒子の作製)
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)に重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)150g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)20gをスチレン44kgに溶解し、ピロリン酸マグネシウム130g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.5g、蒸留水40kgを投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、オートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、120rpmの攪拌下とし、さらにオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温した後、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を60℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.5〜0.8mmで重量平均分子量が30万のスチレン系重合体からなる種粒子を得た。
その後、120rpmの攪拌下とし、さらにオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温した後、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を60℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.5〜0.8mmで重量平均分子量が30万のスチレン系重合体からなる種粒子を得た。
(発泡用ポリスチレン系樹脂組成物の作製)
次いで、内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブに上記種粒子12.2kg、蒸留水37.8kg、ピロリン酸マグネシウム160g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム22gを入れ、150rpmで撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水2.6kg、ピロリン酸マグネシウム16g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.6g、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)1.6g及びスチレン1.5kgをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を75℃に保持した反応器に添加し、15分間ポリスチレン粒子にスチレンを吸収させた。
次いで、反応器にスチレン2.1kgを15分間掛けて添加し、更に15分間放置して種粒子に吸収させた。
次いで、内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブに上記種粒子12.2kg、蒸留水37.8kg、ピロリン酸マグネシウム160g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム22gを入れ、150rpmで撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水2.6kg、ピロリン酸マグネシウム16g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.6g、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)1.6g及びスチレン1.5kgをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を75℃に保持した反応器に添加し、15分間ポリスチレン粒子にスチレンを吸収させた。
次いで、反応器にスチレン2.1kgを15分間掛けて添加し、更に15分間放置して種粒子に吸収させた。
次いで、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)240g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)21gをスチレン2.0kgに溶解し、ピロリン酸マグネシウム16g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.6g、蒸留水1.7gと共にホモミキサーで攪拌して調製した懸濁液を75℃に保持した反応器に15分間掛けて添加した。
重合開始剤を含む懸濁液を反応器に加え始めた時点から60分間、反応器内温度を75℃に保持し、種粒子にスチレンと重合開始剤を吸収させた。この後、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)13.1g、スチレン34.0kgの混合物を反応器内に連続的に2時間30分で供給するとともに、スチレン供給終了時に108℃となるように反応器内温度を連続的に昇温し、さらに20分で112℃となる様に昇温を行った。
引き続き125℃まで昇温して90分保持した後、60℃まで冷却してスチレン系樹脂粒子を取り出し、洗浄、脱水、乾燥することで発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して230ppmである。
引き続き125℃まで昇温して90分保持した後、60℃まで冷却してスチレン系樹脂粒子を取り出し、洗浄、脱水、乾燥することで発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して230ppmである。
実施例2
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)で、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)205g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)20g、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)16.3gをスチレン44kgに溶解した。次いで、ピロリン酸マグネシウム130g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.5g、蒸留水40kgを反応器に投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
内容積106リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)で、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(純度75%、日油社製、商品名ナイパーBW)205g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製、商品名パーブチルE)20g、分岐化剤としてジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)16.3gをスチレン44kgに溶解した。次いで、ピロリン酸マグネシウム130g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.5g、蒸留水40kgを反応器に投入した後、60rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、オートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、120rpmの攪拌下とし、更にオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温した。次いで、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を60℃まで冷却し、オートクレーブからスチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水・乾燥・分級することで粒子径が0.5〜0.8mmの範囲のスチレン系樹脂粒子からなる発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して300ppmである。
その後、120rpmの攪拌下とし、更にオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温した。次いで、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を60℃まで冷却し、オートクレーブからスチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水・乾燥・分級することで粒子径が0.5〜0.8mmの範囲のスチレン系樹脂粒子からなる発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して300ppmである。
実施例3
ジビニルベンゼン16.3gを21.7gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して400ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを21.7gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して400ppmである。
実施例4
ジビニルベンゼン16.3gを27.2gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して500ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを27.2gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して500ppmである。
実施例5
ジビニルベンゼン16.3gを10.8gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して200ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを10.8gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して200ppmである。
実施例6
ジビニルベンゼン16.3gを5.4gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して100ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを5.4gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して100ppmである。
実施例7
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)22gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して500ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)22gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して500ppmである。
実施例8
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)44gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1000ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)44gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1000ppmである。
実施例9
ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製する際に使用するジビニルベンゼン1.6gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)3.7g、スチレン34kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン13.1gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)30.3gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して750ppmである。
ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製する際に使用するジビニルベンゼン1.6gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)3.7g、スチレン34kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン13.1gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)30.3gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して750ppmである。
実施例10
ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製する際に使用するジビニルベンゼン1.6gを1,3−ブチレングリコールメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)3.7g、スチレン34kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン13.1gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)30.3gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1400ppmである。
ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製する際に使用するジビニルベンゼン1.6gを1,3−ブチレングリコールメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)3.7g、スチレン34kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン13.1gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)30.3gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1400ppmである。
比較例1
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレングリコールメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)145gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して3300ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレングリコールメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)145gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して3300ppmである。
比較例2
ジビニルベンゼン16.3gを92.3gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1700ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを92.3gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1700ppmである。
比較例3
ジビニルベンゼン16.3gを1.6gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを1.6gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
比較例4
ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製する際に使用するジビニルベンゼン1.6gを0.2g、スチレン34kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン13.1gを1.7gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製する際に使用するジビニルベンゼン1.6gを0.2g、スチレン34kgを反応器内に連続的に滴下する際に使用するジビニルベンゼン13.1gを1.7gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
比較例5
ジビニルベンゼンを使用しないこと以外は実施例2と同様にしてスチレン系樹脂粒子を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して0ppmである。
ジビニルベンゼンを使用しないこと以外は実施例2と同様にしてスチレン系樹脂粒子を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して0ppmである。
比較例6
ジビニルベンゼン16.3gを1.6gとし、ベンゾイルパーオキサイド205gを120gとし、反応時間を6時間から9時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを1.6gとし、ベンゾイルパーオキサイド205gを120gとし、反応時間を6時間から9時間に変更したこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
比較例7
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)1.3gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gを1,3−ブチレンジオールジメタクリレート(巴化学社製、商品名SR297)1.3gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して30ppmである。
比較例8
ジビニルベンゼン16.3gをポリ(ペンタエリストール)アクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名ビスコート#802)44gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1000ppmである。
ジビニルベンゼン16.3gをポリ(ペンタエリストール)アクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名ビスコート#802)44gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1000ppmである。
比較例9
ジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)16.3gをジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製、商品名A−DPH)57gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1300ppmである。
ジビニルベンゼン(純分81%、新日鐵化学社製、商品名DVB−810)16.3gをジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製、商品名A−DPH)57gとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡用ポリスチレン系樹脂組成物を得た。
使用した分岐化剤量は発泡用ポリスチレン系樹脂組成物に対して1300ppmである。
上記表1〜3から、特定の分子量の2官能ビニル系化合物に由来する成分を特定量含み、特定の比(a1/a2)を示し、かつ特定量のオリゴマーを含む基材樹脂を含む発泡用ポリスチレン系樹脂組成物は、優れた物性を有することが確認できる。
Claims (8)
- 2官能ビニル系化合物とスチレン系単量体由来の成分を基材樹脂として含み、
前記2官能ビニル系化合物が、100以上、1000未満の分子量を有し、
前記基材樹脂が、前記スチレン系単量体中に2官能ビニル系化合物を50〜1500ppm含む単量体混合物を重合させることにより得られ、かつスチレン系単量体に由来するオリゴマーを50〜1500ppm含み、
前記基材樹脂は、温度160℃、一定ひずみ速度0.1/秒の条件で一軸伸長粘度を測定して求められる時間−伸長粘度曲線の対数プロットにおける非線形領域の一次近似直線の傾き(a1)と上記曲線における線形領域の一次近似直線の傾き(a2)との比(a1/a2)が2.0より大きく、6.0以下となる樹脂であることを特徴とする発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。 - 前記2官能ビニル系化合物が、ジビニルベンゼン又は1,3−ブチレンジオールジメタクリレートである請求項1に記載の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
- 前記基材樹脂が、前記基材樹脂を濃度5質量%となるようにトルエン中に23℃、1時間、振とう下で溶解させた時に、5質量%以上のトルエン不溶分量を示す請求項1又は2に記載の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
- 前記基材樹脂が、前記基材樹脂をテトラヒドロフランに0.3g/Lの濃度で23℃、72時間静置しながら溶解させた時に、テトラヒドロフラン不溶分量0%(完全溶解)を示す請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡用ポリスチレン。
- 前記基材樹脂が、水性懸濁液中に分散させた、2官能ビニル系脂肪族化合物である分岐化剤と、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを懸濁重合させることによって得られる請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
- 前記基材樹脂が、水性懸濁液中に分散させたポリスチレン系樹脂の種粒子に、2官能ビニル系脂肪族化合物である分岐化剤と、スチレン系単量体を含む単量体混合物とを断続的又は連続的に供給して重合させることによって得られる請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡用ポリスチレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載のポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡することで得られたポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 請求項7に記載のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて得られた発泡成形品。
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