JPH1180410A - ポリスチレン系樹脂押出発泡体 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂押出発泡体

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JPH1180410A
JPH1180410A JP9261092A JP26109297A JPH1180410A JP H1180410 A JPH1180410 A JP H1180410A JP 9261092 A JP9261092 A JP 9261092A JP 26109297 A JP26109297 A JP 26109297A JP H1180410 A JPH1180410 A JP H1180410A
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foaming
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Junko Kakegawa
純子 掛川
Atsushi Shichizawa
淳 七澤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
の比Mw/Mnが2.5〜3.5、Z平均分子量Mzと
Mwの比Mz/Mwが1.8以上、Mwが17万〜35
万であるポリスチレン系樹脂を押出発泡して得られる密
度が0.01〜0.05g/cm3 、平均気泡径が0.
01〜0.8mm、独立気泡率が90%以上であるポリ
スチレン系樹脂押出発泡体。 【効果】 従来のスチレン系樹脂押出発泡体に比較し
て、微細な気泡を有し、低密度、高発泡倍率、高独立気
泡率であり、断熱効果に優れ、そのため施工時の厚みを
薄くでき、且つ安定した条件で優れた生産性で製造する
ことができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出発泡法による
ポリスチレン系樹脂発泡体、及びその製法に関する。更
に詳しくは、微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍
率、高い独立気泡率であり、断熱効果に優れ、そのため
施工時の厚みを薄くできるポリスチレン系樹脂押出発泡
体を、安定した条件で、且つ、優れた生産性で製法する
ことができるポリスチレン系樹脂発泡体、及びその製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂の板状の押出発泡体
は、主に断熱を目的として、一般建築物や冷凍倉庫の床
材や壁材、天井材、畳の芯材などのさまざまな分野で使
用されている。ポリスチレン系樹脂押出発泡体の断熱性
を向上させるためには、均一でかつ微細な気泡構造が必
要である。しかしながら、気泡径を小さくしようとする
と、気泡膜の表面張力の影響で発泡密度が増加し、低密
度、高発泡倍率で均一な微細気泡構造を有する押出発泡
体を得ることは困難である。また、発泡体の生産性を向
上するためには、用いる原料ポリマーの流動性を上げ、
可塑化の効率を上げる必要があるが、単にポリスチレン
系樹脂の分子量を低下させると発泡時の溶融粘度が低下
するため発泡性能が低下する問題が発生する。
【0003】微細な気泡構造を有するポリスチレン系樹
脂押出発泡体を得るために、例えば特開昭64−792
38号公報には可塑剤を添加して低密度で微細セル構造
を有する押出発泡ポリスチレン系樹脂発泡体を得る手法
が開示されている。また、特公平2−46607号公
報、特公平2−57491号公報には無機物粉末と高級
脂肪酸金属塩を添加混合する方法が開示されている。し
かし、このような添加物を多量に用いる方法は添加物の
分散が均一に行われず、均一な気泡構造が得られなかっ
たり、発泡体表面にフィッシュアイ状の斑点が生じたり
して、外観を損なったする問題があった。
【0004】また、特開昭58−176226号公報に
は押出機の内の溶融混錬樹脂に水を圧入することにより
大小気泡を組み合わせた気泡構造を導入し断熱性を向上
させる押出発泡体製造方法が、更に、特開昭61−23
6839号公報には含水有機植物質、特公平5−497
01には表層に水酸基を有する水またはアルコールの吸
着率の高い粒子等を用いることにより大小気泡を組み合
わせた気泡構造を改良した製造方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は小気泡を形成させるため
に添加物を微分散させる必要があり、気泡径の制御が難
しく、また、大小の気泡を形成させるためにその押出発
泡条件は極めて狭く、生産性も良いとは言えない。
【0005】一方、同じ押出発泡法でも、発泡密度が
0.1g/cm3 程度の発泡倍率が小さい食品容器用途
中心に用いられる発泡シート(ポリスチレンペーパー、
以下「PSP」という。)においては、特開昭62−2
2834号公報にはMw/Mnが3.0以上である加熱
2次発泡成形性に優れたポリスチレン系発泡体が、特開
平6−57028号公報には、Mz/Mw=1.7〜
2.5、Mw/Mn=2.0〜3.0、Mw=20〜6
0万であるポリスチレン系樹脂を発泡させてなる発泡体
が開示されている。
【0006】しかし、これらはいずれも発泡密度が0.
06〜0.1g/cm3 であり、低発泡倍率の加熱発泡
2次成形性の改良を目的としたものであり、断熱を目的
とした低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率の板状押出
発泡体についてはまったく言及されていない。また、こ
こで提案されている樹脂を用いたPSP発泡体と本願が
目的とする断熱性能に優れた特定の気泡構造を持つ低密
度、高発泡倍率、高い独立気泡率の押出発泡体とはまっ
たく異なる利用分野に関する物であり、またここで提案
されているシート状発泡体から本願の目的とする効果を
類推することは全く不可能である。このように従来は、
押出発泡法において、微細な気泡と、低密度、高発泡倍
率、高い独立気泡率を有する断熱性能に優れた発泡体
を、安定した条件で、優れた生産性で製造することは困
難なことであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、押出発泡法
において、微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍
率、高い独立気泡率であり、断熱効果に優れ、そのため
に施工時の厚みを薄くできるポリスチレン系樹脂押出発
泡体、及び、それを安定した条件で製造することのでき
る、生産性に優れた製法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ゲル
パーミエイション・クロマトグラフィーで測定した重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
2.5〜3.5であり、Z平均分子量Mzと重量平均分
子量Mwの比Mz/Mwが1.8以上であり、重量平均
分子量Mwが17万〜35万であるポリスチレン系樹脂
を押出発泡して得られる密度が0.01〜0.05g/
cm3 、平均気泡径0.01〜0.8mm、独立気泡率
が90%以上であるポリスチレン系樹脂押出発泡体、及
びその製法に関する。
【0009】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明のポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン
のほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキ
ル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p
−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、ジ
ブロムスチレン、トリブロムスチレン、モノクロロスチ
レン、ジクロロスチレンなどの核ハロゲン置換スチレン
等の芳香族ビニル化合物の単独重合体又はそれらの共重
合体が使用できる。代表的なものはスチレンの単独重合
体である。
【0010】更に、上記の芳香族ビニル単量体と他のビ
ニル単量体を共重合してもよい。芳香族ビニル系化合物
と共重合可能な化合物としては、メタクリル酸、アクリ
ル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、メチルメタクリ
レート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレートなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル、無
水マレイン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸無水
物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体
などのビニル単量体を挙げることができる。これらは、
単独重合体、又は共重合体を混合して用いても構わな
い。
【0011】本発明で用いるポリスチレン系樹脂は、従
来の低密度、高発泡倍率の押出発泡体にはなかった分子
量分布を有し、ゲルパーミエイション・クロマトグラフ
ィーで測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
の比Mw/Mnが2.5〜3.5の範囲であり、Z平均
分子量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが1.
8以上、好ましくは、Mz/Mwが2.0〜3.5、更
に好ましくは、Mz/Mwが2.2〜3.5の範囲であ
り、重量平均分子量Mwが17万〜35万、好ましくは
17万〜28万の範囲であることを特徴とする。
【0012】ここで数平均分子量、重量平均分子量、Z
平均分子量は、常法により、ゲルパーミエイション・ク
ロマトグラフィーにより測定される。例えば、ゲルパー
ミエイション・クロマトグラフィーとして東ソー(株)
製(HCL−8020、示差屈折率検出器内蔵)、同社
製分離カラム(TSKgel−GMHXLを3本使用)
を用いて同社製TSK標準ポリスチレンを標準サンプル
として検量線を作成し、温度=38℃、溶媒=テトラフ
ルオロエチレン、サンプル濃度=0.1wt/v%、サ
ンプリングピッチ=1/0.4(回/秒)の条件で測定
し、同社製データ処理キットにて計算する。
【0013】Mw/Mn及びMz/Mwが小さ過ぎると
発泡性能が劣り、均一な気泡構造と充分な発泡密度、発
泡倍率、独立気泡率が達成されず、また押出発泡体の安
定した製造も難しい。また、低分子成分が多く含まれて
いてMw/Mnが大き過ぎると、発泡特性、発泡体物性
が低下する。Mz/Mwは大きい方が発泡特性に優れる
が、Mw、Mnとのバランスから、より好ましい範囲が
決定される。また、Mwが17万以下であると、押出発
泡体の曲げ強度、圧縮強度などの物性が劣り、35万以
上であると押出発泡体の生産性が低下する。
【0014】本発明のポリスチレン系樹脂の製造は、通
常、連続塊状、または、連続溶液重合によって実施され
る。反応器としては、完全混合型反応器、層流型反応器
等が使用できる。本発明の分子量分布を有する重合体
は、例えば、並列に配置した2器の反応器に別々にスチ
レン単量体を主成分とする混合液を供給し、重量平均分
子量の異なるスチレン系重合体を重合し、その後二つの
重合液を混合して重合する連続溶液重合法等により得ら
れる。各反応器で生成する分子量及び重合率を調整する
ことで本発明の目的を達成することが可能な分子量分布
を有するスチレン系樹脂が連続重合によって得られる。
各反応器の分子量、及び重合率は、例えばエチルベンゼ
ン、キシレン等の使用量や、温度、重合時間、重合開始
剤、連鎖移動剤によって調整できる。
【0015】重合開始剤としては、スチレン系樹脂の製
造に一般的に用いられる2,2−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ブタン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)オ
クタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4
−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
など任意の有機過酸化物を単独、あるいは併用して用い
ることができ、また、各反応器の入口、出口、途中等任
意の位置で有機過酸化物単独で、あるいはスチレン単量
体、重合溶媒等に溶解して添加することができる。この
他にも重合開始剤を用いた低温重合と熱重合の併用、重
合末期のゲル効果の利用などによって広い分子量分布を
有するポリスチレン系樹脂の製造が可能である。
【0016】本発明に用いる発泡剤としては、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の低級炭化水素、ト
リクロロモノフルオルメタンや塩化メチル等のハロゲン
化炭化水素、炭酸ガス、水等の無機ガスなどの任意の発
泡剤を単独または混合して用いることができる。ポリス
チレン系樹脂押出発泡体は、押出機内で溶融されたポリ
スチレン系樹脂に前述の発泡剤を圧入し混錬した後、発
泡最適温度に調整して低圧帯(通常大気中)に押出すこ
とにより、製造することができる。
【0017】本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体
は、密度が0.01〜0.05g/cm3 、平均気泡径
が0.01〜0.8mm、独立気泡率が90%以上であ
る。発泡体密度が低すぎると押出発泡体の生産性が低下
し、高過ぎると断熱性能が充分でない。また、平均気泡
径が小さ過ぎると押出発泡体の生産性が低下し、大きす
ぎると断熱性能が充分でない。独立気泡率が90%未満
だと断熱性能、発泡体強度が劣る。平均気泡径は、AS
TM・D3576−77に、独立気泡率はASTM・D
2856−Aに従って求められる。
【0018】押出発泡体の生産性の指標の一つにポリス
チレン樹脂の流動性、メルトフローレート(以下「MF
R」という。)を用いることができる。樹脂の流動性は
分子量、分子量分布によって変えることができる。単に
分子量を下げて流動性を調整しただけのポリスチレン系
樹脂では、発泡性能が劣り、充分な発泡密度、発泡倍
率、独立気泡率を得ることができず、本発明の目的とす
る微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍率、高い独
立気泡率で断熱効果に優れる押出発泡体を安定した条件
で、優れた生産性で製造することは、分子量、分子量分
布が同時に調整された、本発明のポリスチレン系樹脂を
用いることにより初めて可能となる。
【0019】また、押出発泡体を製造する際には、発泡
核剤としてタルクや炭酸カルシウム等の無機充填剤を必
要に応じて用いることができる。発泡体の密度、発泡倍
率や平均気泡径は発泡剤量や発泡核剤量を調整すること
で変化させることができるのは当業者には周知のことで
あるが、本発明の微細な気泡と、低密度、高発泡倍率で
高い独立気泡率を有する断熱性能に優れた発泡体を、安
定した条件で、高い生産性で製造するためには、本発明
の分子量及び分子量分布のポリスチレン系樹脂を用いる
ことにより初めて可能となる。更に、本発明のポリスチ
レン系樹脂押出発泡体には、必要に応じて酸化防止剤、
可塑剤、滑剤、染顔料、難燃剤、帯電防止剤などを混合
することや塗布することもできる
【0020】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を具体的に説
明する。 (実施例1) [スチレン系樹脂の製造]スチレン100重量部に対
し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン0.015重量部を添加した
重合液を4.1リットルの完全混合型反応器に0.59
Kg/Hrで連続的に仕込み、103℃に調整した。こ
れと並列に接続された、合計2.8リットルの攪拌器を
備えた3ゾーンで温度コントロール可能な層流型反応器
−1にスチレン70重量%、エチルベンゼン30重量%
の混合液100重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチル
パーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
0.030重量部を添加した重合液を0.48Kg/H
rで連続的に仕込み、層流型反応器−1の温度を145
℃/155℃/150℃に順次調節した。
【0021】二つの重合体溶液は混合され、混合された
重合体溶液を引き続き合計5.5リットルの静的攪拌器
を備え直列に配列された3基の層流型反応器−2に連続
的に仕込んだ。この3基の層流型反応器の温度をそれぞ
れ140℃/150℃/155℃に調整した。重合反応
器より連続して排出される重合体溶液を直列に配置した
2基の、予熱器として0.6リットルの静的混合器を内
蔵した4リットルの脱揮タンクに導いた。予熱器温度を
240℃とし、脱揮タンク内で240℃に保ちながら、
10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。重合条
件を表1に示した。また、得られたポリスチレン樹脂の
ゲルパーミエイション・クロマトマトグラフィーによる
分子量測定MFR測定を行った。この結果を表2に示し
た。
【0022】[スチレン樹脂の発泡押出し]得られたポ
リスチレン樹脂を、単軸押出機、ミキサー、ロータリー
クーラー、及びダイからなる押出発泡機を用いて、発泡
核剤を樹脂に対して1重量部、発泡剤を樹脂に対して5
重量部添加し、目開きの間隔が1.8mm、幅が40m
mのスリットを有すダイより押し出して板状発泡体を製
造した。樹脂の溶融ゾーンの温度は180〜200℃、
ロータリークーラー温度は150〜160℃、ダイ温度
を120〜130℃に調整した。発泡核剤には日本ミス
トロン製、ミストロンバーパーを用い、発泡剤にはLP
G(ノルマルブタン/イソブタン=70/30<体積分
率>)を用いた。得られた発泡体の発泡倍率、平均気泡
径、独立気泡率測定を行った。この結果を表2に示し
た。
【0023】[分子量測定条件] 使用装置:東ソー製HLC8020、分別カラム:東ソ
ー製TSK−gel−GMH−XL、測定溶媒:テトラ
ヒドロフラン、試料濃度:スチレン樹脂10mgを10
mlの溶媒に溶解。 [MFR]ISO・R1133に準じたMFR(g/1
0min)
【0024】[発泡倍率]発泡体の体積/発泡体重量、
単位(cm3 /g) [平均気泡径]ASTM・D3576−77に準じた発
泡体押出断面の平均気泡径(mm) [独立気泡率]ASTM・D2856−Aに準じた独立
気泡率(%)
【0025】(実施例2)実施例1の層流型反応器−1
の混合液に対し、αメチルスチレンダイマー0.3重量
部を添加した以外は実施例1と同様に、表1に示す条件
で実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡体の評
価を行った。結果を表2に示した。 (比較例1、2)実施例1と同様に、表1に示す条件で
ポリスチレン樹脂の製造、及びその樹脂の発泡押出しを
実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡体の評価
を行った。結果を表2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】(実施例3) [スチレン系樹脂の製造]スチレン95重量%、エチル
ベンゼン5重量%の混合物100重量部に対し、2,2
−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン0.03重量部を添加した重合液を4.
1リットルの完全混合型反応器に0.59Kg/Hrで
連続的に仕込み、100℃に調整した。これと並列に接
続された、合計2.8リットルの攪拌器を備えた3ゾー
ンで温度コントロール可能な層流型反応器−1にスチレ
ン70重量%、エチルベンゼン30重量%の混合液10
0重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.015重量
部を添加した重合液を0.40Kg/Hrで連続的に仕
込み、層流型反応器−1の温度を140℃/150℃/
145℃に順次調節した。二つの重合体溶液は混合さ
れ、混合された重合体溶液を引き続き合計5.5リット
ルの静的攪拌器を備え直列に配列された3基の層流型反
応器−2に連続的に仕込んだ。この3基の層流型反応器
の温度をそれぞれ135℃/145℃/155℃に調整
した。それ以外は実施例1と同様に表1に示す条件で実
施し、評価を行った。結果を表3に示した。 [スチレン樹脂の発泡押出し]樹脂の溶融ゾーンの温度
は185〜205℃、ロータリークーラー温度は155
〜165℃、ダイ温度を125〜135℃に調整した以
外は、実施例1と同様に発泡押出しを実施、評価し、こ
の結果を表3に示した。
【0029】(実施例4)実施例3と同様に、表1に示
す条件でポリスチレン樹脂の製造、及びその樹脂の発泡
押出しを実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡
体の評価を行い、その結果を表3に示した。
【0030】(実施例5) [超高分子量ポリスチレン樹脂の重合]攪拌器を備えた
6リットルの反応器にシクロヘキサン溶液1.54Kg
を仕込み、反応器を60℃に設定した後、15%ノルマ
ルブチルリチウム/ノルマルヘキサン溶液を1.20m
l、続いて33%スチレン/シクロヘキサン混合溶液を
2.50Kg加えて、重合させた。30分後、イソプロ
ピルアルコール/シクロヘキサン溶液中に回収した。こ
れを再沈精製し、超高分子量ポリスチレン樹脂を得た。
回収したポリスチレンのMwは180万であった。 [樹脂の押出]得られたMw180万の超高分子量ポリ
スチレン樹脂10重量部と比較例1のポリスチレン樹脂
90重量部を混合し、シリンダー温度220℃に設定し
た2軸押出機にて溶融混練し、ペレットを得、実施例3
と同様に得られたポリスチレン樹脂の評価を行った。結
果を表3に示した。 [スチレン樹脂の発泡押出し]実施例1と同様にスチレ
ン樹脂の発泡押出しを行い、得られた発泡体を評価し、
その結果を表3に示した。
【0031】(比較例3)実施例3と同様に、表1に示
す条件でポリスチレン樹脂の製造、及びその樹脂の発泡
押出しを実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡
体の評価を行い、その結果を表3に示した。 (比較例4)比較例1で得られたポリスチレン樹脂を用
いて、実施例3と同様に押出発泡を行い、評価を行っ
た。結果を表3に示した。 (比較例5)実施例1と同様に、表1に示す条件で、ポ
リスチレン樹脂を製造し、実施例3と同様に押出発泡を
実施したが、ガス注入圧及び押出機のダイにかかる圧の
上昇により、同一条件では発泡体を得ることが出来なか
った。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体
は、従来のスチレン系樹脂押出発泡体に比較して、微細
な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍率、高い独立気泡
率であり、断熱効果に優れ、そのために施工時の厚みを
薄くでき、且つ、安定した条件で、優れた生産性で製造
することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 C08L 25:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲルパーミエイション・クロマトグラフ
    ィーで測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
    の比Mw/Mnが2.5〜3.5であり、Z平均分子量
    Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが1.8以上
    であり、重量平均分子量Mwが17万〜35万であるポ
    リスチレン系樹脂を押出発泡して得られる密度が0.0
    1〜0.05g/cm3 、平均気泡径が0.01〜0.
    8mm、独立気泡率が90%以上であるポリスチレン系
    樹脂押出発泡体。
  2. 【請求項2】 Mz/Mwが2.0〜3.5である請求
    項1記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体。
  3. 【請求項3】 Mz/Mwが2.2〜3.5である請求
    項1記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体。
  4. 【請求項4】 Mwが17万〜28万である請求項1、
    2又は3記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体。
JP26109297A 1997-09-10 1997-09-10 ポリスチレン系樹脂押出発泡体 Expired - Lifetime JP3907285B2 (ja)

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