JP3907285B2 - ポリスチレン系樹脂押出発泡体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出発泡法によるポリスチレン系樹脂発泡体、及びその製法に関する。更に詳しくは、微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率であり、断熱効果に優れ、そのため施工時の厚みを薄くできるポリスチレン系樹脂押出発泡体を、安定した条件で、且つ、優れた生産性で製法することができるポリスチレン系樹脂発泡体、及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂の板状の押出発泡体は、主に断熱を目的として、一般建築物や冷凍倉庫の床材や壁材、天井材、畳の芯材などのさまざまな分野で使用されている。
ポリスチレン系樹脂押出発泡体の断熱性を向上させるためには、均一でかつ微細な気泡構造が必要である。しかしながら、気泡径を小さくしようとすると、気泡膜の表面張力の影響で発泡密度が増加し、低密度、高発泡倍率で均一な微細気泡構造を有する押出発泡体を得ることは困難である。また、発泡体の生産性を向上するためには、用いる原料ポリマーの流動性を上げ、可塑化の効率を上げる必要があるが、単にポリスチレン系樹脂の分子量を低下させると発泡時の溶融粘度が低下するため発泡性能が低下する問題が発生する。
【0003】
微細な気泡構造を有するポリスチレン系樹脂押出発泡体を得るために、例えば特開昭64−79238号公報には可塑剤を添加して低密度で微細セル構造を有する押出発泡ポリスチレン系樹脂発泡体を得る手法が開示されている。また、特公平2−46607号公報、特公平2−57491号公報には無機物粉末と高級脂肪酸金属塩を添加混合する方法が開示されている。しかし、このような添加物を多量に用いる方法は添加物の分散が均一に行われず、均一な気泡構造が得られなかったり、発泡体表面にフィッシュアイ状の斑点が生じたりして、外観を損なったする問題があった。
【0004】
また、特開昭58−176226号公報には押出機の内の溶融混錬樹脂に水を圧入することにより大小気泡を組み合わせた気泡構造を導入し断熱性を向上させる押出発泡体製造方法が、更に、特開昭61−236839号公報には含水有機植物質、特公平5−49701には表層に水酸基を有する水またはアルコールの吸着率の高い粒子等を用いることにより大小気泡を組み合わせた気泡構造を改良した製造方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は小気泡を形成させるために添加物を微分散させる必要があり、気泡径の制御が難しく、また、大小の気泡を形成させるためにその押出発泡条件は極めて狭く、生産性も良いとは言えない。
【0005】
一方、同じ押出発泡法でも、発泡密度が0.1g/cm3 程度の発泡倍率が小さい食品容器用途中心に用いられる発泡シート(ポリスチレンペーパー、以下「PSP」という。)においては、特開昭62−22834号公報にはMw/Mnが3.0以上である加熱2次発泡成形性に優れたポリスチレン系発泡体が、特開平6−57028号公報には、Mz/Mw=1.7〜2.5、Mw/Mn=2.0〜3.0、Mw=20〜60万であるポリスチレン系樹脂を発泡させてなる発泡体が開示されている。
【0006】
しかし、これらはいずれも発泡密度が0.06〜0.1g/cm3 であり、低発泡倍率の加熱発泡2次成形性の改良を目的としたものであり、断熱を目的とした低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率の板状押出発泡体についてはまったく言及されていない。また、ここで提案されている樹脂を用いたPSP発泡体と本願が目的とする断熱性能に優れた特定の気泡構造を持つ低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率の押出発泡体とはまったく異なる利用分野に関する物であり、またここで提案されているシート状発泡体から本願の目的とする効果を類推することは全く不可能である。
このように従来は、押出発泡法において、微細な気泡と、低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率を有する断熱性能に優れた発泡体を、安定した条件で、優れた生産性で製造することは困難なことであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、押出発泡法において、微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率であり、断熱効果に優れ、そのために施工時の厚みを薄くできるポリスチレン系樹脂押出発泡体、及び、それを安定した条件で製造することのできる、生産性に優れた製法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが2.5〜3.5であり、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが2.0〜3.5であり、重量平均分子量Mwが17万〜35万であるポリスチレン系樹脂を押出発泡して得られる密度が0.01〜0.05g/cm3 、平均気泡径0.01〜0.8mm、独立気泡率が90%以上であるポリスチレン系樹脂板状押出発泡体、及びその製法に関する。
【0009】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレンのほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、ジブロムスチレン、トリブロムスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどの核ハロゲン置換スチレン等の芳香族ビニル化合物の単独重合体又はそれらの共重合体が使用できる。代表的なものはスチレンの単独重合体である。
【0010】
更に、上記の芳香族ビニル単量体と他のビニル単量体を共重合してもよい。芳香族ビニル系化合物と共重合可能な化合物としては、メタクリル酸、アクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル、無水マレイン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸無水物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体などのビニル単量体を挙げることができる。これらは、単独重合体、又は共重合体を混合して用いても構わない。
【0011】
本発明で用いるポリスチレン系樹脂は、従来の低密度、高発泡倍率の押出発泡体にはなかった分子量分布を有し、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが2.5〜3.5の範囲であり、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが2.0〜3.5、好ましくは、Mz/Mwが2.2〜3.5の範囲であり、重量平均分子量Mwが17万〜35万、好ましくは17万〜28万の範囲であることを特徴とする。
【0012】
ここで数平均分子量、重量平均分子量、Z平均分子量は、常法により、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーにより測定される。例えば、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーとして東ソー(株)製(HCL−8020、示差屈折率検出器内蔵)、同社製分離カラム(TSKgel−GMHXLを3本使用)を用いて同社製TSK標準ポリスチレンを標準サンプルとして検量線を作成し、温度=38℃、溶媒=テトラフルオロエチレン、サンプル濃度=0.1wt/v%、サンプリングピッチ=1/0.4(回/秒)の条件で測定し、同社製データ処理キットにて計算する。
【0013】
Mw/Mn及びMz/Mwが小さ過ぎると発泡性能が劣り、均一な気泡構造と充分な発泡密度、発泡倍率、独立気泡率が達成されず、また押出発泡体の安定した製造も難しい。また、低分子成分が多く含まれていてMw/Mnが大き過ぎると、発泡特性、発泡体物性が低下する。Mz/Mwは大きい方が発泡特性に優れるが、Mw、Mnとのバランスから、より好ましい範囲が決定される。また、Mwが17万以下であると、押出発泡体の曲げ強度、圧縮強度などの物性が劣り、35万以上であると押出発泡体の生産性が低下する。
【0014】
本発明のポリスチレン系樹脂の製造は、通常、連続塊状、または、連続溶液重合によって実施される。反応器としては、完全混合型反応器、層流型反応器等が使用できる。本発明の分子量分布を有する重合体は、例えば、並列に配置した2器の反応器に別々にスチレン単量体を主成分とする混合液を供給し、重量平均分子量の異なるスチレン系重合体を重合し、その後二つの重合液を混合して重合する連続溶液重合法等により得られる。各反応器で生成する分子量及び重合率を調整することで本発明の目的を達成することが可能な分子量分布を有するスチレン系樹脂が連続重合によって得られる。各反応器の分子量、及び重合率は、例えばエチルベンゼン、キシレン等の使用量や、温度、重合時間、重合開始剤、連鎖移動剤によって調整できる。
【0015】
重合開始剤としては、スチレン系樹脂の製造に一般的に用いられる2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなど任意の有機過酸化物を単独、あるいは併用して用いることができ、また、各反応器の入口、出口、途中等任意の位置で有機過酸化物単独で、あるいはスチレン単量体、重合溶媒等に溶解して添加することができる。この他にも重合開始剤を用いた低温重合と熱重合の併用、重合末期のゲル効果の利用などによって広い分子量分布を有するポリスチレン系樹脂の製造が可能である。
【0016】
本発明に用いる発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の低級炭化水素、トリクロロモノフルオルメタンや塩化メチル等のハロゲン化炭化水素、炭酸ガス、水等の無機ガスなどの任意の発泡剤を単独または混合して用いることができる。
ポリスチレン系樹脂押出発泡体は、押出機内で溶融されたポリスチレン系樹脂に前述の発泡剤を圧入し混錬した後、発泡最適温度に調整して低圧帯(通常大気中)に押出すことにより、製造することができる。
【0017】
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体は、密度が0.01〜0.05g/cm3 、平均気泡径が0.01〜0.8mm、独立気泡率が90%以上である。発泡体密度が低すぎると押出発泡体の生産性が低下し、高過ぎると断熱性能が充分でない。また、平均気泡径が小さ過ぎると押出発泡体の生産性が低下し、大きすぎると断熱性能が充分でない。独立気泡率が90%未満だと断熱性能、発泡体強度が劣る。平均気泡径は、ASTM・D3576−77に、独立気泡率はASTM・D2856−Aに従って求められる。
【0018】
押出発泡体の生産性の指標の一つにポリスチレン樹脂の流動性、メルトフローレート(以下「MFR」という。)を用いることができる。樹脂の流動性は分子量、分子量分布によって変えることができる。単に分子量を下げて流動性を調整しただけのポリスチレン系樹脂では、発泡性能が劣り、充分な発泡密度、発泡倍率、独立気泡率を得ることができず、本発明の目的とする微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率で断熱効果に優れる押出発泡体を安定した条件で、優れた生産性で製造することは、分子量、分子量分布が同時に調整された、本発明のポリスチレン系樹脂を用いることにより初めて可能となる。
【0019】
また、押出発泡体を製造する際には、発泡核剤としてタルクや炭酸カルシウム等の無機充填剤を必要に応じて用いることができる。発泡体の密度、発泡倍率や平均気泡径は発泡剤量や発泡核剤量を調整することで変化させることができるのは当業者には周知のことであるが、本発明の微細な気泡と、低密度、高発泡倍率で高い独立気泡率を有する断熱性能に優れた発泡体を、安定した条件で、高い生産性で製造するためには、本発明の分子量及び分子量分布のポリスチレン系樹脂を用いることにより初めて可能となる。更に、本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体には、必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、滑剤、染顔料、難燃剤、帯電防止剤などを混合することや塗布することもできる
【0020】
【実施例】
以下に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
[スチレン系樹脂の製造]
スチレン100重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.015重量部を添加した重合液を4.1リットルの完全混合型反応器に0.59Kg/Hrで連続的に仕込み、103℃に調整した。これと並列に接続された、合計2.8リットルの攪拌器を備えた3ゾーンで温度コントロール可能な層流型反応器−1にスチレン70重量%、エチルベンゼン30重量%の混合液100重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.030重量部を添加した重合液を0.48Kg/Hrで連続的に仕込み、層流型反応器−1の温度を145℃/155℃/150℃に順次調節した。
【0021】
二つの重合体溶液は混合され、混合された重合体溶液を引き続き合計5.5リットルの静的攪拌器を備え直列に配列された3基の層流型反応器−2に連続的に仕込んだ。この3基の層流型反応器の温度をそれぞれ140℃/150℃/155℃に調整した。重合反応器より連続して排出される重合体溶液を直列に配置した2基の、予熱器として0.6リットルの静的混合器を内蔵した4リットルの脱揮タンクに導いた。予熱器温度を240℃とし、脱揮タンク内で240℃に保ちながら、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。重合条件を表1に示した。
また、得られたポリスチレン樹脂のゲルパーミエイション・クロマトマトグラフィーによる分子量測定MFR測定を行った。この結果を表2に示した。
【0022】
[スチレン樹脂の発泡押出し]
得られたポリスチレン樹脂を、単軸押出機、ミキサー、ロータリークーラー、及びダイからなる押出発泡機を用いて、発泡核剤を樹脂に対して1重量部、発泡剤を樹脂に対して5重量部添加し、目開きの間隔が1.8mm、幅が40mmのスリットを有すダイより押し出して板状発泡体を製造した。樹脂の溶融ゾーンの温度は180〜200℃、ロータリークーラー温度は150〜160℃、ダイ温度を120〜130℃に調整した。発泡核剤には日本ミストロン製、ミストロンバーパーを用い、発泡剤にはLPG(ノルマルブタン/イソブタン=70/30<体積分率>)を用いた。得られた発泡体の発泡倍率、平均気泡径、独立気泡率測定を行った。この結果を表2に示した。
【0023】
[分子量測定条件]
使用装置:東ソー製HLC8020、分別カラム:東ソー製TSK−gel−GMH−XL、測定溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:スチレン樹脂10mgを10mlの溶媒に溶解。
[MFR]
ISO・R1133に準じたMFR(g/10min)
【0024】
[発泡倍率]
発泡体の体積/発泡体重量、単位(cm3 /g)
[平均気泡径]
ASTM・D3576−77に準じた発泡体押出断面の平均気泡径(mm)
[独立気泡率]
ASTM・D2856−Aに準じた独立気泡率(%)
【0025】
(実施例2)
実施例1の層流型反応器−1の混合液に対し、αメチルスチレンダイマー0.3重量部を添加した以外は実施例1と同様に、表1に示す条件で実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡体の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例1、2)
実施例1と同様に、表1に示す条件でポリスチレン樹脂の製造、及びその樹脂の発泡押出しを実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡体の評価を行った。結果を表2に示した。
【0026】
【表1】
Figure 0003907285
【0027】
【表2】
Figure 0003907285
【0028】
(実施例3)
[スチレン系樹脂の製造]
スチレン95重量%、エチルベンゼン5重量%の混合物100重量部に対し、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.03重量部を添加した重合液を4.1リットルの完全混合型反応器に0.59Kg/Hrで連続的に仕込み、100℃に調整した。これと並列に接続された、合計2.8リットルの攪拌器を備えた3ゾーンで温度コントロール可能な層流型反応器−1にスチレン70重量%、エチルベンゼン30重量%の混合液100重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.015重量部を添加した重合液を0.40Kg/Hrで連続的に仕込み、層流型反応器−1の温度を140℃/150℃/145℃に順次調節した。二つの重合体溶液は混合され、混合された重合体溶液を引き続き合計5.5リットルの静的攪拌器を備え直列に配列された3基の層流型反応器−2に連続的に仕込んだ。この3基の層流型反応器の温度をそれぞれ135℃/145℃/155℃に調整した。それ以外は実施例1と同様に表1に示す条件で実施し、評価を行った。結果を表3に示した。
[スチレン樹脂の発泡押出し]
樹脂の溶融ゾーンの温度は185〜205℃、ロータリークーラー温度は155〜165℃、ダイ温度を125〜135℃に調整した以外は、実施例1と同様に発泡押出しを実施、評価し、この結果を表3に示した。
【0029】
(実施例4)
実施例3と同様に、表1に示す条件でポリスチレン樹脂の製造、及びその樹脂の発泡押出しを実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡体の評価を行い、その結果を表3に示した。
【0030】
(実施例5)
[超高分子量ポリスチレン樹脂の重合]
攪拌器を備えた6リットルの反応器にシクロヘキサン溶液1.54Kgを仕込み、反応器を60℃に設定した後、15%ノルマルブチルリチウム/ノルマルヘキサン溶液を1.20ml、続いて33%スチレン/シクロヘキサン混合溶液を2.50Kg加えて、重合させた。30分後、イソプロピルアルコール/シクロヘキサン溶液中に回収した。これを再沈精製し、超高分子量ポリスチレン樹脂を得た。回収したポリスチレンのMwは180万であった。
[樹脂の押出]得られたMw180万の超高分子量ポリスチレン樹脂10重量部と比較例1のポリスチレン樹脂90重量部を混合し、シリンダー温度220℃に設定した2軸押出機にて溶融混練し、ペレットを得、実施例3と同様に得られたポリスチレン樹脂の評価を行った。結果を表3に示した。
[スチレン樹脂の発泡押出し]
実施例1と同様にスチレン樹脂の発泡押出しを行い、得られた発泡体を評価し、その結果を表3に示した。
【0031】
(比較例3)
実施例3と同様に、表1に示す条件でポリスチレン樹脂の製造、及びその樹脂の発泡押出しを実施し、得られたポリスチレン樹脂、及び発泡体の評価を行い、その結果を表3に示した。
(比較例4)
比較例1で得られたポリスチレン樹脂を用いて、実施例3と同様に押出発泡を行い、評価を行った。結果を表3に示した。
(比較例5)
実施例1と同様に、表1に示す条件で、ポリスチレン樹脂を製造し、実施例3と同様に押出発泡を実施したが、ガス注入圧及び押出機のダイにかかる圧の上昇により、同一条件では発泡体を得ることが出来なかった。
【0032】
【表3】
Figure 0003907285
【0033】
【発明の効果】
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体は、従来のスチレン系樹脂押出発泡体に比較して、微細な気泡を有し、且つ低密度、高発泡倍率、高い独立気泡率であり、断熱効果に優れ、そのために施工時の厚みを薄くでき、且つ、安定した条件で、優れた生産性で製造することができた。

Claims (3)

  1. ゲルパーミエイション・クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが2.5〜3.5であり、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが2.0〜3.5であり、重量平均分子量Mwが17万〜35万であるポリスチレン系樹脂を押出発泡して得られる密度が0.01〜0.05g/cm3 、平均気泡径が0.01〜0.8mm、独立気泡率が90%以上であるポリスチレン系樹脂板状押出発泡体。
  2. Mz/Mwが2.2〜3.5である請求項1記載のポリスチレン系樹脂板状押出発泡体。
  3. Mwが17万〜28万である請求項1又は2記載のポリスチレン系樹脂板状押出発泡体。
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