JPH1135636A - 長鎖分岐構造を有するスチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents
長鎖分岐構造を有するスチレン系重合体及びその製造方法Info
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- JPH1135636A JPH1135636A JP9198209A JP19820997A JPH1135636A JP H1135636 A JPH1135636 A JP H1135636A JP 9198209 A JP9198209 A JP 9198209A JP 19820997 A JP19820997 A JP 19820997A JP H1135636 A JPH1135636 A JP H1135636A
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 強度及び流動性に優れ、建材用板材などとし
て有用なシートや食品容器などとして有用な発泡シート
の基材樹脂などとして好適に用いられるスチレン系重合
体及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ラジカル重合開始剤の存在下、スチレン
系モノマーと、これに対して40〜800モルppmの
多官能性ビニル系モノマーとを重合させることにより得
られ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法により求めたリニア換算重量平均分子量とGPC
/多角レーザー光散乱(MALLS)法により求めた重
量平均分子量より算出される重量平均分岐数(nw)が
0.1〜10のスチレン系重合体である。
て有用なシートや食品容器などとして有用な発泡シート
の基材樹脂などとして好適に用いられるスチレン系重合
体及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ラジカル重合開始剤の存在下、スチレン
系モノマーと、これに対して40〜800モルppmの
多官能性ビニル系モノマーとを重合させることにより得
られ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法により求めたリニア換算重量平均分子量とGPC
/多角レーザー光散乱(MALLS)法により求めた重
量平均分子量より算出される重量平均分岐数(nw)が
0.1〜10のスチレン系重合体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系重合
体、その製造方法並びに該スチレン系重合体からなるシ
ート及び発泡シートに関する。さらに詳しくは、本発明
は、強度及び流動性などに優れた長鎖分岐構造を有する
スチレン系重合体、このスチレン系重合体を効率よく製
造する方法並びに、上記スチレン系重合体を基材とする
建材用板材などとして有用なシート及び食品容器などと
して有用な発泡シートに関するものである。
体、その製造方法並びに該スチレン系重合体からなるシ
ート及び発泡シートに関する。さらに詳しくは、本発明
は、強度及び流動性などに優れた長鎖分岐構造を有する
スチレン系重合体、このスチレン系重合体を効率よく製
造する方法並びに、上記スチレン系重合体を基材とする
建材用板材などとして有用なシート及び食品容器などと
して有用な発泡シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン系重合体は、非晶性高分
子で溶融流動しやすく、熱安定性及び成形性が良好であ
り、かつ安価であることから、汎用プラスチックとして
多くの分野において、幅広く用いられている。このスチ
レン系重合体の中で、発泡ポリスチレンは、例えばビ
ーズ発泡成形品として家電用包装材や水産用魚箱など
に、押出法ボードとして断熱材などに、押出法シー
ト〔ポリスチレンぺーパー(PSP)〕として食品用の
包装材などに、あるいはバラ状緩衝材として包装用緩
衝材などに用いられている。これらの発泡ポリスチレン
の中で、特に押出法発泡ポリスチレンシートは、近年食
品トレーやカップラーメン容器向けを中心に、その需要
が伸びてきている。このような発泡ポリスチレンシート
の基材樹脂として用いられるスチレン系重合体として
は、強度及び耐熱性を損なうことなく、特に成形性を向
上させたものが要求される。また、近年、高強度のポリ
スチレン製断熱材や、高成形性及び高強度を有するポリ
スチレン製建材用板材などが強く求められている。スチ
レン系重合体の改質としては、分子量や分子量分布を制
御する方法が考えられるが、この方法は、分子量を増加
させると生産性の低下をもたらし、また分子量を小さく
すると強度や耐熱性が低下するのを抑制できないという
問題が生じ、充分に満足しうる方法とはいえない。ま
た、添加剤による改質も考えられるが、この方法は食品
用途向けには限界があった。
子で溶融流動しやすく、熱安定性及び成形性が良好であ
り、かつ安価であることから、汎用プラスチックとして
多くの分野において、幅広く用いられている。このスチ
レン系重合体の中で、発泡ポリスチレンは、例えばビ
ーズ発泡成形品として家電用包装材や水産用魚箱など
に、押出法ボードとして断熱材などに、押出法シー
ト〔ポリスチレンぺーパー(PSP)〕として食品用の
包装材などに、あるいはバラ状緩衝材として包装用緩
衝材などに用いられている。これらの発泡ポリスチレン
の中で、特に押出法発泡ポリスチレンシートは、近年食
品トレーやカップラーメン容器向けを中心に、その需要
が伸びてきている。このような発泡ポリスチレンシート
の基材樹脂として用いられるスチレン系重合体として
は、強度及び耐熱性を損なうことなく、特に成形性を向
上させたものが要求される。また、近年、高強度のポリ
スチレン製断熱材や、高成形性及び高強度を有するポリ
スチレン製建材用板材などが強く求められている。スチ
レン系重合体の改質としては、分子量や分子量分布を制
御する方法が考えられるが、この方法は、分子量を増加
させると生産性の低下をもたらし、また分子量を小さく
すると強度や耐熱性が低下するのを抑制できないという
問題が生じ、充分に満足しうる方法とはいえない。ま
た、添加剤による改質も考えられるが、この方法は食品
用途向けには限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、建材用板材などとして有用なシートや、食品
容器などに有用な発泡シート等の基材樹脂として好適に
用いられる強度及び流動性などに優れたスチレン系重合
体を提供するとともに、このものの製造方法、該スチレ
ン系重合体を基材樹脂とするシート及び発泡シートを提
供することを目的とするものである。
状況下で、建材用板材などとして有用なシートや、食品
容器などに有用な発泡シート等の基材樹脂として好適に
用いられる強度及び流動性などに優れたスチレン系重合
体を提供するとともに、このものの製造方法、該スチレ
ン系重合体を基材樹脂とするシート及び発泡シートを提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を
有する長鎖分岐構造をもつスチレン系重合体がその目的
に適合しうること、そして、このスチレン系重合体は、
スチレン系モノマーと所定の割合の多官能性ビニル系モ
ノマーとを、ラジカル重合開始剤の存在下に重合させる
ことにより、効率よく得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、スチレン系モノマーと、これに対して4
0〜800モルppmの多官能性ビニル系モノマーとの
重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)法により求めたリニア換算重量平均分子
量とGPC/多角レーザー光散乱(MALLS)法によ
り求めた重量平均分子量より算出される重量平均分岐数
(nw) が0.1〜10であることを特徴とする長鎖分岐
構造を有するスチレン系重合体を提供するとともに、こ
のスチレン系重合体からなるシート及び発泡シートをも
提供するものである。また、上記長鎖分岐構造を有する
スチレン系重合体は、ラジカル重合開始剤の存在下、ス
チレン系モノマーと、これに対して40〜800モルp
pmの多官能性ビニル系モノマーとを重合させることに
より製造することができる。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を
有する長鎖分岐構造をもつスチレン系重合体がその目的
に適合しうること、そして、このスチレン系重合体は、
スチレン系モノマーと所定の割合の多官能性ビニル系モ
ノマーとを、ラジカル重合開始剤の存在下に重合させる
ことにより、効率よく得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、スチレン系モノマーと、これに対して4
0〜800モルppmの多官能性ビニル系モノマーとの
重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)法により求めたリニア換算重量平均分子
量とGPC/多角レーザー光散乱(MALLS)法によ
り求めた重量平均分子量より算出される重量平均分岐数
(nw) が0.1〜10であることを特徴とする長鎖分岐
構造を有するスチレン系重合体を提供するとともに、こ
のスチレン系重合体からなるシート及び発泡シートをも
提供するものである。また、上記長鎖分岐構造を有する
スチレン系重合体は、ラジカル重合開始剤の存在下、ス
チレン系モノマーと、これに対して40〜800モルp
pmの多官能性ビニル系モノマーとを重合させることに
より製造することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるスチレ
ン系モノマーとしては、例えばスチレンを始め、α−メ
チルスチレンン,α−エチルスチレンなどのα−置換ア
ルキルスチレン、p−メチルスチレン,m−メチルスチ
レンのようなビニルトルエンや2,5−ジメチルスチレ
ンなどの核置換アルキルスチレン、p−クロロスチレ
ン,p−ブロモスチレンなどの核置換ハロゲン化スチレ
ンなどが挙げられる。これらのスチレン系モノマーは一
種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。一方、多官能性ビニル系モノマーとしては、ラジカ
ル重合可能な多官能性ビニル系化合物であればよく特に
制限されず、例えばジビニルベンゼン;1,2,4−ト
リビニルベンゼン;1,3,5−トリビニルベンゼン;
エチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリ
コールジメタクリレート;トリエチレングリコールジメ
タクリレート;ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト;1,3−プロピレングリコールジメタクリレート;
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート;1,6
−ヘキシレングリコールジメタクリレート;ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート,ジプロピレングリコー
ルジメタクリレート;ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート;2,2−ビス(4−メタクリロキシジエト
キシフェニル)プロパンなどのジメタクリル酸エステル
類,トリメチロールプロパントリメタクリレート;トリ
エチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタク
リル酸エステル類、エチレングリコールジアクリレー
ト;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレ
ングリコールジアクリレート;ポリエチレングリコール
ジアクリレート;1,3−プロピレングリコールジアク
リレート;1,4−ブチレングリコールジアクリレー
ト;1,6−ヘキシレングリコールジアクリレート;ネ
オペンチルグリコールジアクリレート;ジプロピレング
リコールジアクリレート;ポリプロピレングリコールジ
アクリレート;2,2−ビス(4−アクリロキシプロポ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)プロパンなどのジアクリル酸
エステル類、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト;トリエチロールエタントリアクリレートなどのトリ
アクリル酸エステル類、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレートなどのテトラアクリル酸エステル類などが
挙げられる。これらの中で、特にジメタクリル酸エステ
ル及びトリメタクリル酸エステルが好適である。これら
の多官能性ビニル系モノマーは一種用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、
上記多官能性ビニル系モノマーは、スチレン系モノマー
に対して40〜800モルppmの割合で用いられる。
この使用量が40モルppm未満では、所望の性状を有
する長鎖分岐構造のスチレン系重合体が得られず、ま
た、800モルppmを超えると重合体中にゲルが含ま
れ、強度及び耐熱性が低下し、さらに架橋構造が生じて
通常の方法では成形できない場合があり、いずれも本発
明の目的が達せられない。本発明の目的を充分に達成す
るには、この多官能性ビニル系モノマーの好ましい使用
量は、スチレン系モノマーに対して60〜600モルp
pmの範囲であり、特に80〜400モルppmの範囲
が好適である。
ン系モノマーとしては、例えばスチレンを始め、α−メ
チルスチレンン,α−エチルスチレンなどのα−置換ア
ルキルスチレン、p−メチルスチレン,m−メチルスチ
レンのようなビニルトルエンや2,5−ジメチルスチレ
ンなどの核置換アルキルスチレン、p−クロロスチレ
ン,p−ブロモスチレンなどの核置換ハロゲン化スチレ
ンなどが挙げられる。これらのスチレン系モノマーは一
種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。一方、多官能性ビニル系モノマーとしては、ラジカ
ル重合可能な多官能性ビニル系化合物であればよく特に
制限されず、例えばジビニルベンゼン;1,2,4−ト
リビニルベンゼン;1,3,5−トリビニルベンゼン;
エチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリ
コールジメタクリレート;トリエチレングリコールジメ
タクリレート;ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト;1,3−プロピレングリコールジメタクリレート;
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート;1,6
−ヘキシレングリコールジメタクリレート;ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート,ジプロピレングリコー
ルジメタクリレート;ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート;2,2−ビス(4−メタクリロキシジエト
キシフェニル)プロパンなどのジメタクリル酸エステル
類,トリメチロールプロパントリメタクリレート;トリ
エチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタク
リル酸エステル類、エチレングリコールジアクリレー
ト;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレ
ングリコールジアクリレート;ポリエチレングリコール
ジアクリレート;1,3−プロピレングリコールジアク
リレート;1,4−ブチレングリコールジアクリレー
ト;1,6−ヘキシレングリコールジアクリレート;ネ
オペンチルグリコールジアクリレート;ジプロピレング
リコールジアクリレート;ポリプロピレングリコールジ
アクリレート;2,2−ビス(4−アクリロキシプロポ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)プロパンなどのジアクリル酸
エステル類、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト;トリエチロールエタントリアクリレートなどのトリ
アクリル酸エステル類、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレートなどのテトラアクリル酸エステル類などが
挙げられる。これらの中で、特にジメタクリル酸エステ
ル及びトリメタクリル酸エステルが好適である。これら
の多官能性ビニル系モノマーは一種用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、
上記多官能性ビニル系モノマーは、スチレン系モノマー
に対して40〜800モルppmの割合で用いられる。
この使用量が40モルppm未満では、所望の性状を有
する長鎖分岐構造のスチレン系重合体が得られず、ま
た、800モルppmを超えると重合体中にゲルが含ま
れ、強度及び耐熱性が低下し、さらに架橋構造が生じて
通常の方法では成形できない場合があり、いずれも本発
明の目的が達せられない。本発明の目的を充分に達成す
るには、この多官能性ビニル系モノマーの好ましい使用
量は、スチレン系モノマーに対して60〜600モルp
pmの範囲であり、特に80〜400モルppmの範囲
が好適である。
【0006】本発明のスチレン系重合体は、前記スチレ
ン系モノマーと多官能性ビニル系モノマーとを上記の割
合で重合させて得られた長鎖分岐構造を有するものであ
って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法により求めたリニア換算重量平均分子量とGPC
/MALLS法により求めた重量平均分子量より算出さ
れる重量平均分岐数(nw) が0.1〜10の範囲にある
ことが必要である。このnwが0.1未満ではスチレン系
重合体は強度及び流動性などに劣り、本発明の目的が達
せられず、また10を超えるとゲルが発生しやすくな
り、強度及び耐熱性が低下し、本発明の目的が達せられ
ない。強度,耐熱性及び流動性のバランスなどの面か
ら、このnwの好ましい範囲は0.15〜5であり、特に
0.2〜2の範囲が好適である。なお、上記重量平均分岐
数(nw)は、以下に示すようにGPC法により求めた
リニア換算重量平均分子量(MwL)とGPC/MAL
LS法により求めた重量平均分子量(MwB)より算出
した値である。
ン系モノマーと多官能性ビニル系モノマーとを上記の割
合で重合させて得られた長鎖分岐構造を有するものであ
って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)法により求めたリニア換算重量平均分子量とGPC
/MALLS法により求めた重量平均分子量より算出さ
れる重量平均分岐数(nw) が0.1〜10の範囲にある
ことが必要である。このnwが0.1未満ではスチレン系
重合体は強度及び流動性などに劣り、本発明の目的が達
せられず、また10を超えるとゲルが発生しやすくな
り、強度及び耐熱性が低下し、本発明の目的が達せられ
ない。強度,耐熱性及び流動性のバランスなどの面か
ら、このnwの好ましい範囲は0.15〜5であり、特に
0.2〜2の範囲が好適である。なお、上記重量平均分岐
数(nw)は、以下に示すようにGPC法により求めた
リニア換算重量平均分子量(MwL)とGPC/MAL
LS法により求めた重量平均分子量(MwB)より算出
した値である。
【0007】<重量平均分子数(nw)>nwは「J.C
hem.Phys.」第17巻,第1301ページ(1
949年)及び「J.Appl.Polym.Sc
i.」第33巻,第1909ページ(1987年)に記
載された方法により求めることができる。 (1)GPC法によるリニア換算重量平均分子量(Mw
L)の測定 RI検出器:Waters社製M410,カラム:東ソ
ー社製TSK GELGMH6を用い、溶媒:テトラヒ
ドロフラン,流量:1.0ミリリットル/分,温度:40
℃,注入量:200マイクロリットル,濃度:0.2g/
100ミリリットルの条件にて、MwLを測定した。な
お、分子量の計算は、東ソー社製標準ポリスチレンを用
いて作製した標準較正曲線を用いて行った。
hem.Phys.」第17巻,第1301ページ(1
949年)及び「J.Appl.Polym.Sc
i.」第33巻,第1909ページ(1987年)に記
載された方法により求めることができる。 (1)GPC法によるリニア換算重量平均分子量(Mw
L)の測定 RI検出器:Waters社製M410,カラム:東ソ
ー社製TSK GELGMH6を用い、溶媒:テトラヒ
ドロフラン,流量:1.0ミリリットル/分,温度:40
℃,注入量:200マイクロリットル,濃度:0.2g/
100ミリリットルの条件にて、MwLを測定した。な
お、分子量の計算は、東ソー社製標準ポリスチレンを用
いて作製した標準較正曲線を用いて行った。
【0008】(2)リニア換算重量平均分子量(M
wL)及びリニア換算z+1平均分子量(Mz+1L) は、
以下の式により求めた。 MwL=Σ(wiMi n) /Σ(wiMi n-1) n=1のとき Mz+1L=Σ(wiMi n) /Σ(wiMi n-1) n=3のとき なお、wiは溶出体積(vi)における重量分率を示し、
Miは溶出体積(vi)における分子量を示す。
wL)及びリニア換算z+1平均分子量(Mz+1L) は、
以下の式により求めた。 MwL=Σ(wiMi n) /Σ(wiMi n-1) n=1のとき Mz+1L=Σ(wiMi n) /Σ(wiMi n-1) n=3のとき なお、wiは溶出体積(vi)における重量分率を示し、
Miは溶出体積(vi)における分子量を示す。
【0009】(3)GPC/MALLS法による重量平
均分子量(MwB)の測定 光散乱光度計:Wyatt社製Dawn F phot
ometer,IR検出器:Foxboro社製Mir
an−1A IR spectrometer,カラ
ム:Shodex(UT 806L)を用い、溶媒:
1,2,4−トリクロロベンゼン(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.033w/v%
含有),流量:1.0ミリリットル/分,温度:135
℃,注入量:200マイクロリットル,濃度:0.7g/
100ミリリットルの条件にて、MwBを測定した。
均分子量(MwB)の測定 光散乱光度計:Wyatt社製Dawn F phot
ometer,IR検出器:Foxboro社製Mir
an−1A IR spectrometer,カラ
ム:Shodex(UT 806L)を用い、溶媒:
1,2,4−トリクロロベンゼン(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.033w/v%
含有),流量:1.0ミリリットル/分,温度:135
℃,注入量:200マイクロリットル,濃度:0.7g/
100ミリリットルの条件にて、MwBを測定した。
【0010】(4)重量平均分岐数(nw)の算出 重量平均分岐数(nw)の算出は、B.H.Zimmと
W.H.Stockmayerの論文J.Appl.p
olym.Sci.,1909(1987)に記載され
ている方法により求めることができる。つまり、上記
(1)の方法で求めたMwLと(3)の方法で求めたMw
Bより、 g=(MwL/MwB)1.138 を求め、 g=1/nw×ln(1+nw) より、nwを算出した。
W.H.Stockmayerの論文J.Appl.p
olym.Sci.,1909(1987)に記載され
ている方法により求めることができる。つまり、上記
(1)の方法で求めたMwLと(3)の方法で求めたMw
Bより、 g=(MwL/MwB)1.138 を求め、 g=1/nw×ln(1+nw) より、nwを算出した。
【0011】また、このスチレン系重合体は、前記GP
C法で求めたリニア換算重量平均分子量(MwL)が1
0万〜80万の範囲にあるものが性能の点から好まし
く、さらにGPC法により求めたリニア換算z+1平均
分子量(Mz+1L)とリニア換算重量平均分子量(M
wL)との比Mz+1L/MwL(分子量分布)が3.3〜1
0の範囲にあるものが性能の点から好ましい。本発明の
スチレン系重合体の製造方法としては、前記性状を有す
るものが得られる方法であればよく、特に制限はない
が、以下に示す本発明の方法によれば、所望のスチレン
系重合体を効率よく製造することができる。本発明の方
法においては、ラジカル重合開始剤の存在下、スチレン
系モノマーと、これに対して40〜800モルppm、
好ましくは60〜600モルppm、さらに好ましくは
80〜400モルppmの多官能性ビニル系モノマー、
好ましくはジメタクリル酸エステルやトリメタクリル酸
エステルを重合させることにより、所望の性状を有する
スチレン系重合体を製造する。
C法で求めたリニア換算重量平均分子量(MwL)が1
0万〜80万の範囲にあるものが性能の点から好まし
く、さらにGPC法により求めたリニア換算z+1平均
分子量(Mz+1L)とリニア換算重量平均分子量(M
wL)との比Mz+1L/MwL(分子量分布)が3.3〜1
0の範囲にあるものが性能の点から好ましい。本発明の
スチレン系重合体の製造方法としては、前記性状を有す
るものが得られる方法であればよく、特に制限はない
が、以下に示す本発明の方法によれば、所望のスチレン
系重合体を効率よく製造することができる。本発明の方
法においては、ラジカル重合開始剤の存在下、スチレン
系モノマーと、これに対して40〜800モルppm、
好ましくは60〜600モルppm、さらに好ましくは
80〜400モルppmの多官能性ビニル系モノマー、
好ましくはジメタクリル酸エステルやトリメタクリル酸
エステルを重合させることにより、所望の性状を有する
スチレン系重合体を製造する。
【0012】ここで、ラジカル重合開始剤としては、従
来公知のもの、例えばベンゾイルパーオキサイド;アゾ
ビスイソブチロニトリル;2,2−ビス(4,4−ジ−
tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン;ジ−tert−ブチルパーオキサイド;1,1−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン;m−トルオイルパーオキサイド;ジミリスチルパー
オキシジカーボネート;tert−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート;シクロヘキサノンパーオキサ
イド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;ポリメリ
ックジアシルパーオキサイド類;ポリメリックパーオキ
シエステル類などが挙げられる。これらは一種用いても
よく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。重合形式
については特に制限はなく、従来スチレン系重合体の製
造において慣用されている方法、例えば乳化重合,塊状
重合,溶液重合,懸濁重合などによるラジカル重合法を
用いることができるが、塊状ラジカル重合法又は懸濁ラ
ジカル重合法が一般的である。
来公知のもの、例えばベンゾイルパーオキサイド;アゾ
ビスイソブチロニトリル;2,2−ビス(4,4−ジ−
tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン;ジ−tert−ブチルパーオキサイド;1,1−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン;m−トルオイルパーオキサイド;ジミリスチルパー
オキシジカーボネート;tert−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート;シクロヘキサノンパーオキサ
イド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;ポリメリ
ックジアシルパーオキサイド類;ポリメリックパーオキ
シエステル類などが挙げられる。これらは一種用いても
よく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。重合形式
については特に制限はなく、従来スチレン系重合体の製
造において慣用されている方法、例えば乳化重合,塊状
重合,溶液重合,懸濁重合などによるラジカル重合法を
用いることができるが、塊状ラジカル重合法又は懸濁ラ
ジカル重合法が一般的である。
【0013】この重合において、前記多官能性ビニル系
モノマー及びラジカル重合開始剤の添加方法としては、
例えばスチレン系モノマーとともに反応系に一度又は
数度に分けてバッチ的に添加する方法、スチレン系モ
ノマーとともに反応系に一度以上バッチ的に添加するこ
とと連続的に添加することを併用して添加する方法、
スチレン系モノマーとともに反応系に連続的に添加する
方法、スチレン系モノマーが重合転化率50〜90%
に達した時点で添加する方法などが挙げられる。このよ
うにして得られた本発明のスチレン系重合体は、前記の
性状を有する長鎖分岐構造のものであって、通常の線状
スチレン系重合体に比べて、強度及び流動性に優れてお
り、例えば建材用板材などとして有用なシートや、食品
容器などとして有用な発泡シートなどの基材樹脂として
好適である。また、成形性に優れた高分子量体が得られ
ることから、カセットケースや食品容器などの射出成形
品用途にも好適に用いられる。本発明は、また前記スチ
レン系重合体からなるシート及び発泡シートをも提供す
るものである。
モノマー及びラジカル重合開始剤の添加方法としては、
例えばスチレン系モノマーとともに反応系に一度又は
数度に分けてバッチ的に添加する方法、スチレン系モ
ノマーとともに反応系に一度以上バッチ的に添加するこ
とと連続的に添加することを併用して添加する方法、
スチレン系モノマーとともに反応系に連続的に添加する
方法、スチレン系モノマーが重合転化率50〜90%
に達した時点で添加する方法などが挙げられる。このよ
うにして得られた本発明のスチレン系重合体は、前記の
性状を有する長鎖分岐構造のものであって、通常の線状
スチレン系重合体に比べて、強度及び流動性に優れてお
り、例えば建材用板材などとして有用なシートや、食品
容器などとして有用な発泡シートなどの基材樹脂として
好適である。また、成形性に優れた高分子量体が得られ
ることから、カセットケースや食品容器などの射出成形
品用途にも好適に用いられる。本発明は、また前記スチ
レン系重合体からなるシート及び発泡シートをも提供す
るものである。
【0014】上記シートや発泡シートを作製するには、
まず、本発明のスチレン系重合体と、本発明の目的が損
なわれない範囲で、所望により用いられる他の熱可塑性
樹脂や熱可塑性エラストマー及び各種添加剤、例えば相
溶化剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤,滑剤,
無機充填剤,難燃剤,帯電防止剤,可塑剤,着色剤など
の添加剤とを、それぞれ所定の割合で混合し、通常用い
られている方法、例えばリボンブレンダー,ヘンシェル
ミキサー,バンバリーミキサー,ドラムタンブラー,単
軸スクリュー押出機,二軸スクリュー押出機,コニー
ダ,多軸スクリュー押出機などを用いて溶融混練するこ
とにより、成形材料を調製する。次に、シートを作製す
る場合は、前記成形材料を用い、従来ポリスチレンシー
トの作製において慣用されている方法、例えばTダイ法
やインフレーション法などの溶融押出法,カレンダー法
などを用いてシートを作製する。このようにして得られ
たシートの厚さは、通常50μm〜15mmの範囲であ
る。
まず、本発明のスチレン系重合体と、本発明の目的が損
なわれない範囲で、所望により用いられる他の熱可塑性
樹脂や熱可塑性エラストマー及び各種添加剤、例えば相
溶化剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤,滑剤,
無機充填剤,難燃剤,帯電防止剤,可塑剤,着色剤など
の添加剤とを、それぞれ所定の割合で混合し、通常用い
られている方法、例えばリボンブレンダー,ヘンシェル
ミキサー,バンバリーミキサー,ドラムタンブラー,単
軸スクリュー押出機,二軸スクリュー押出機,コニー
ダ,多軸スクリュー押出機などを用いて溶融混練するこ
とにより、成形材料を調製する。次に、シートを作製す
る場合は、前記成形材料を用い、従来ポリスチレンシー
トの作製において慣用されている方法、例えばTダイ法
やインフレーション法などの溶融押出法,カレンダー法
などを用いてシートを作製する。このようにして得られ
たシートの厚さは、通常50μm〜15mmの範囲であ
る。
【0015】また、発泡シートを作製する場合は、前記
成形材料を用い、従来ポリスチレン発泡シートの作製に
おいて慣用されている方法、例えば溶融押出法、好まし
くはインフレーション法を用いて発泡シートを作製す
る。この際、発泡剤としては、物理発泡剤及び化学発泡
剤のいずれも用いることができる。物理発泡剤として
は、例えばジクロロジフルオロメタン,トリクロロトリ
フルオロエタン,トリクロロモノフルオロメタン,ジク
ロロテトラフルオロエタン,ブタン,ペンタン,ヘキサ
ンなどが挙げられ、これら一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。さらに、窒素,二酸化炭
素,アルゴン及びこれらの混合ガスなどの不活性気体も
用いることができる。一方、化学発泡剤としては、例え
ばアゾジカルボンアミド,ジアゾアミノベンゼン,N,
N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン,p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド),アゾ
ビスイソブチロニトリル,重炭酸ナトリウムなどが挙げ
られる。これらの化学発泡剤は一種用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。さらに必要に応じ発
泡助剤と組み合わせて用いてもよい。このようにして得
られた発泡シートの発泡倍率は、通常1.05〜40倍の
範囲であり、また厚さは、通常1mm〜20mmの範囲
である。
成形材料を用い、従来ポリスチレン発泡シートの作製に
おいて慣用されている方法、例えば溶融押出法、好まし
くはインフレーション法を用いて発泡シートを作製す
る。この際、発泡剤としては、物理発泡剤及び化学発泡
剤のいずれも用いることができる。物理発泡剤として
は、例えばジクロロジフルオロメタン,トリクロロトリ
フルオロエタン,トリクロロモノフルオロメタン,ジク
ロロテトラフルオロエタン,ブタン,ペンタン,ヘキサ
ンなどが挙げられ、これら一種用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。さらに、窒素,二酸化炭
素,アルゴン及びこれらの混合ガスなどの不活性気体も
用いることができる。一方、化学発泡剤としては、例え
ばアゾジカルボンアミド,ジアゾアミノベンゼン,N,
N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン,p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド),アゾ
ビスイソブチロニトリル,重炭酸ナトリウムなどが挙げ
られる。これらの化学発泡剤は一種用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。さらに必要に応じ発
泡助剤と組み合わせて用いてもよい。このようにして得
られた発泡シートの発泡倍率は、通常1.05〜40倍の
範囲であり、また厚さは、通常1mm〜20mmの範囲
である。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお、実施例及び比較例で得られたポリ
スチレンの物性は、下記の方法に従って測定した。 (1)メルトインデクッス(MI) JIS K−7210に準拠し、荷重5000g及び温
度200℃の条件で測定した。 (2)溶融張力(MT) 東洋精機社製メルトテンションテスターを用い、温度1
90℃,オリフィス半径1.0475mm,せん断速度2.
646sec-1,引取速度3140mm/分の条件にて
溶融張力(MT)を測定した。また、GPC法によるリ
ニア換算重量平均分子量(MwL)及び分子量分布(Mw
L/MwL),GPC/MALLS法による重量平均分
子量(MwB),重量平均分岐数(nw)は、明細書本文
記載の方法に従って求めた。
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお、実施例及び比較例で得られたポリ
スチレンの物性は、下記の方法に従って測定した。 (1)メルトインデクッス(MI) JIS K−7210に準拠し、荷重5000g及び温
度200℃の条件で測定した。 (2)溶融張力(MT) 東洋精機社製メルトテンションテスターを用い、温度1
90℃,オリフィス半径1.0475mm,せん断速度2.
646sec-1,引取速度3140mm/分の条件にて
溶融張力(MT)を測定した。また、GPC法によるリ
ニア換算重量平均分子量(MwL)及び分子量分布(Mw
L/MwL),GPC/MALLS法による重量平均分
子量(MwB),重量平均分岐数(nw)は、明細書本文
記載の方法に従って求めた。
【0017】実施例1 スチレンモノマーに対し、重合開始剤としてベンゾイル
パーオキサイドを2000重量ppmの割合で、多官能
性ビニル系モノマーとして1,6−ヘキシレングリコー
ルジメタクリレートを123モルppmの割合で添加し
てスチレン溶液を調製した。このスチレン溶液を毎時4
リットルの供給速度で、温度108℃に維持した容量2
0リットルの第一重合槽に連続的に供給して重合を行
い、次いでこの重合物を容量12リットルの第二重合
槽、続いて容量10リットルの第三重合槽に送液し、温
度110〜180℃で重合を続行したのち、ベント付押
出機にて揮発成分を除去し、ペレット状のポリスチレン
を得た。このポリスチレンの物性を第1表に示す。
パーオキサイドを2000重量ppmの割合で、多官能
性ビニル系モノマーとして1,6−ヘキシレングリコー
ルジメタクリレートを123モルppmの割合で添加し
てスチレン溶液を調製した。このスチレン溶液を毎時4
リットルの供給速度で、温度108℃に維持した容量2
0リットルの第一重合槽に連続的に供給して重合を行
い、次いでこの重合物を容量12リットルの第二重合
槽、続いて容量10リットルの第三重合槽に送液し、温
度110〜180℃で重合を続行したのち、ベント付押
出機にて揮発成分を除去し、ペレット状のポリスチレン
を得た。このポリスチレンの物性を第1表に示す。
【0018】実施例2 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートを、スチレンモノマーに対して246モル
ppmの割合で添加した以外は、実施例1と同様に実施
してポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性
を第1表に示す。 実施例3 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートの代わりに、トリエチレングリコールジメ
タクリレートをスチレンモノマーに対し、109モルp
pmの割合で用いた以外は、実施例1と同様に実施して
ポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性を第
1表に示す。 実施例4 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートの代わりに、トリエチレングリコールジメ
タクリレートをスチレンモノマーに対し、218モルp
pmの割合で用いた以外は、実施例1と同様に実施して
ポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性を第
1表に示す。
タクリレートを、スチレンモノマーに対して246モル
ppmの割合で添加した以外は、実施例1と同様に実施
してポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性
を第1表に示す。 実施例3 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートの代わりに、トリエチレングリコールジメ
タクリレートをスチレンモノマーに対し、109モルp
pmの割合で用いた以外は、実施例1と同様に実施して
ポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性を第
1表に示す。 実施例4 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートの代わりに、トリエチレングリコールジメ
タクリレートをスチレンモノマーに対し、218モルp
pmの割合で用いた以外は、実施例1と同様に実施して
ポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性を第
1表に示す。
【0019】実施例5 実施例1において、スチレンモノマーに対し、重合開始
剤として2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパンを2000重量p
pmの割合で、多官能性ビニル系モノマーとしてトリメ
チロールプロパントリメタクリレートを92モルppm
の割合で添加した以外は、実施例1と同様に実施してポ
リスチレンを得た。このポリスチレンの物性を第1表に
示す。 実施例6 実施例5において、トリメチロールプロパントリメタク
リレートを、スチレンモノマーに対して185モルpp
mの割合で添加した以外は、実施例5と同様に実施して
ポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性を第
1表に示す。 比較例1 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートを添加しなかったこと以外は、実施例1と
同様にして実施し、ポリスチレンを製造した。このポリ
スチレンの物性を第1表に示す。 比較例2 スチレンモノマーに対し、重合開始剤として2,2−ビ
ス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパンを500重量ppmの割合で、多官能
性ビニル系モノマーとしてジビニルベンゼンを880モ
ルppmの割合で添加してスチレン溶液を調製した。次
に、このスチレン溶液5リットルを、内容積10リット
ルのオートクレーブに仕込み、180℃で5時間反応さ
せた。得られたポリスチレンをテトラヒドロフランに溶
解させたところ、不溶のゲル成分が認められた。
剤として2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパンを2000重量p
pmの割合で、多官能性ビニル系モノマーとしてトリメ
チロールプロパントリメタクリレートを92モルppm
の割合で添加した以外は、実施例1と同様に実施してポ
リスチレンを得た。このポリスチレンの物性を第1表に
示す。 実施例6 実施例5において、トリメチロールプロパントリメタク
リレートを、スチレンモノマーに対して185モルpp
mの割合で添加した以外は、実施例5と同様に実施して
ポリスチレンを製造した。このポリスチレンの物性を第
1表に示す。 比較例1 実施例1において、1,6−ヘキシレングリコールジメ
タクリレートを添加しなかったこと以外は、実施例1と
同様にして実施し、ポリスチレンを製造した。このポリ
スチレンの物性を第1表に示す。 比較例2 スチレンモノマーに対し、重合開始剤として2,2−ビ
ス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパンを500重量ppmの割合で、多官能
性ビニル系モノマーとしてジビニルベンゼンを880モ
ルppmの割合で添加してスチレン溶液を調製した。次
に、このスチレン溶液5リットルを、内容積10リット
ルのオートクレーブに仕込み、180℃で5時間反応さ
せた。得られたポリスチレンをテトラヒドロフランに溶
解させたところ、不溶のゲル成分が認められた。
【0020】
【表1】
【0021】(注) HDDM: 1,6−ヘキシレングリコールジメタク
リレート TGDM: トリエチレングリコールジメタクリレー
ト TPTM: トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート DVB: ジビニルベンゼン BPO: ベンゾイルパーオキサイド BPOCP: 2,2−ビス(4,4−ジ−tert
−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
リレート TGDM: トリエチレングリコールジメタクリレー
ト TPTM: トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート DVB: ジビニルベンゼン BPO: ベンゾイルパーオキサイド BPOCP: 2,2−ビス(4,4−ジ−tert
−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明のスチレン系重合体は、長鎖分岐
構造を有する重合体であって、通常の線状スチレン系重
合体に比べて強度及び流動性などに優れており、例えば
建材用板材などとして有用なシートや食品容器などとし
て有用な発泡シートの基材樹脂などとして好適に用いら
れる。
構造を有する重合体であって、通常の線状スチレン系重
合体に比べて強度及び流動性などに優れており、例えば
建材用板材などとして有用なシートや食品容器などとし
て有用な発泡シートの基材樹脂などとして好適に用いら
れる。
Claims (10)
- 【請求項1】 スチレン系モノマーと、これに対して4
0〜800モルppmの多官能性ビニル系モノマーとの
重合体であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)法により求めたリニア換算重量平均分子
量とGPC/多角レーザー光散乱(MALLS)法によ
り求めた重量平均分子量より算出される重量平均分岐数
(nw) が0.1〜10であることを特徴とする長鎖分岐
構造を有するスチレン系重合体。 - 【請求項2】 GPC法により求めたリニア換算重量平
均分子量(MwL)が10万から80万である請求項1
記載のスチレン系重合体。 - 【請求項3】 GPC法により求めたリニア換算z+1
平均分子量(Mz+1L) とリニア換算重量平均分子量
(MwL)との比Mz+1L/MwLが3.3〜10である請
求項2記載のスチレン系重合体。 - 【請求項4】 多官能性ビニル系モノマーがジメタクリ
ル酸エステル又はトリメタクリル酸エステルである請求
項1記載のスチレン系重合体。 - 【請求項5】 GPC法により求めたリニア換算重量平
均分子量(MwL)が10万〜80万である請求項4記
載のスチレン系重合体。 - 【請求項6】 GPC法により求めたリニア換算z+1
平均分子量(Mz+1L) とリニア換算重量平均分子量
(MwL)との比Mz+1L/MwLが3.3〜10である請
求項5記載のスチレン系重合体。 - 【請求項7】 ラジカル重合開始剤の存在下、スチレン
系モノマーと、これに対して40〜800モルppmの
多官能性ビニル系モノマーとを重合させることを特徴と
する請求項1〜6のいずれかに記載の長鎖分岐構造を有
するスチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のスチレ
ン系重合体からなるシート。 - 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のスチレ
ン系重合体からなる発泡シート。 - 【請求項10】 食品容器に用いられる請求項9記載の
発泡シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9198209A JPH1135636A (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 長鎖分岐構造を有するスチレン系重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9198209A JPH1135636A (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 長鎖分岐構造を有するスチレン系重合体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1135636A true JPH1135636A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16387309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9198209A Pending JPH1135636A (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 長鎖分岐構造を有するスチレン系重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1135636A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002079622A (ja) * | 2000-09-05 | 2002-03-19 | Toyo Styrene Co Ltd | 多層シート及び容器 |
JP2002079623A (ja) * | 2000-09-05 | 2002-03-19 | Toyo Styrene Co Ltd | 多層シート及び容器 |
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-
1997
- 1997-07-24 JP JP9198209A patent/JPH1135636A/ja active Pending
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