JP2003049033A - スチレン系樹脂組成物とその発泡シートおよび容器 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物とその発泡シートおよび容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化した場合においても機械的強度が高
く、しかも外観に優れた発泡シートの成形材料に適した
スチレン系樹脂組成物と、それを用いた発泡シートおよ
びそのシートを素材とする容器を提供すること。 【解決手段】GPC−MALLS法により求められる絶
対分子量73.4万における1分子当たりの分岐数が
0.05〜0.5個であり、GPC法により求められる
重量平均分子量が20万〜40万であり、重量平均分子
量と数平均分子量との比が2.5〜3.5であり、かつ
重量平均分子量とピーク分子量との比が1.3〜1.8
であるスチレン系樹脂99.0〜99.9質量%と、可
塑剤0.1〜1.0質量%からなるスチレン系樹脂組成
物と、それを発泡成形してなる発泡樹脂シートおよびそ
のシートを素材とする容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系樹脂組
成物と、その発泡シートおよび容器に関する。さらに詳
しくは、機械的強度が高くしかも外観に優れた発泡シー
トの成形素材に適したスチレン系樹脂組成物と、それを
用いた発泡シートおよびそのシートを素材とする容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン樹脂は、剛性や衝撃強度な
どの機械的性質に優れるとともに成形加工性が良好であ
ることから、食品や日用雑貨の包装材料の分野などに広
く使用されている。これら包装材料の中でも、食品の包
装容器には発泡ポリスチレン樹脂シートから成形された
発泡樹脂トレーが多用されている。ところで、これら包
装容器は軽量化の要請が強く、単に軽量化した食品包装
容器では、その強度が不足し、この発泡樹脂トレーに食
料品を収納した後のラップがけに際して、発泡樹脂トレ
ーの変形や破損を招くようになる。また、この発泡樹脂
トレーは、その内部に形成された発泡セルに起因して、
ざらついた表面を有していることから、このような表面
状態を改良して、外観に優れた商品価値の高い発泡樹脂
トレーを製造する技術の開発が要望されている。
【0003】そこで、このような要請に応えるため、例
えば、特開平6−279612号公報や特開平11−2
46624号公報においては、重合開始剤として特定の
化学構造を有する有機過酸化物を用いてスチレン系単量
体を重合したポリスチレン樹脂を成形材料に使用する方
法が提案されている。しかしながら、この特定の化学構
造を有する有機過酸化物を用いることによって、機械的
強度に優れたポリスチレン樹脂を得ることはできるが、
そのポリスチレン樹脂の発泡シートを成形して得られる
製品の表面状態を改良することはできない。また、特開
平6−256420号公報や特開平7−109315号
公報においては、ポリスチレン樹脂として特定の分子量
分布を有するものを用いる方法が提案されているが、こ
の場合、ポリスチレン樹脂の製造工程において重合開始
剤を数回に分割して添加する必要があり、製造工程での
操作が煩雑であるという難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量化した
際にも機械的強度が高く、しかも外観に優れた発泡シー
トの成形材料に適したスチレン系樹脂組成物と、それを
用いた発泡シートおよびそのシートを素材とする容器を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、特定の分岐構造
を有する高分子成分と、比較的多量の低分子成分からな
り、かつ重量平均分子量とピーク分子量の比で表わす特
定の分子量分布形状を持たせたスチレン系樹脂と少量の
可塑剤からなるスチレン系樹脂組成物によれば、前記目
的が達成できることを見出し、これら知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 〔1〕(1)GPC−MALLS法により求められる絶
対分子量73.4万における1分子当たりの分岐数が
0.05〜0.5個であり、(2)GPC法により求め
られる重量平均分子量(MW L)が20万〜40万であ
り、(3)重量平均分子量(MW L)と数平均分子量
(Mn L)との比〔(MW L)/(Mn L)〕が2.5
〜3.5であり、かつ(4)重量平均分子量(MW L)
とピーク分子量(Mp L)との比〔(MW L)/(Mp
L)〕が1.3〜1.8であるスチレン系樹脂99.0
〜99.9質量%と、可塑剤0.1〜1.0質量%から
なるスチレン系樹脂組成物。 〔2〕可塑剤が流動パラフィンである、前記〔1〕に記
載のスチレン系樹脂組成物。 〔3〕重合反応器を2基以上直列に配置してスチレン系
単量体を連続塊状重合するにあたり、下記一般式〔1〕
【0007】
【化2】
【0008】〔式中のR1 、R2 は、水素原子または、
炭素数1または2のアルキル基を示し、R3 は炭素数1
〜8のアルキル基を示す。〕で表される4官能性開始剤
を、スチレン系単量体に対して200〜800ppm添
加し、かつ全反応器中、最も低い反応温度を115℃以
下とし、最も高い反応温度を155℃よりも高くすると
ともに、可塑剤をスチレン系樹脂組成物全量に対して
0.1〜1.0質量%の含有割合となるように添加する
ことを特徴とする、前記〔1〕または〔2〕に記載のス
チレン系樹脂組成物の製造法。 〔4〕前記〔1〕または〔2〕に記載のスチレン系樹脂
組成物を発泡成形してなる発泡シート。 〔5〕前記〔4〕に記載の発泡シートを熱成形してなる
容器。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のスチレン系樹脂組成物
は、(1)GPC−MALLS法により求められる絶対
分子量73.4万における1分子当たりの分岐数が0.
05〜0.5個であり、(2)GPC法により求められ
る重量平均分子量(MW L)が20万〜40万であり、
(3)重量平均分子量(MW L)と数平均分子量(Mn
L)との比〔(MW L)/(Mn L)〕が2.5〜3.
5であり、かつ(4)重量平均分子量(MW L)とピー
ク分子量(Mp L)との比〔(MW L)/(Mp L)〕
が1.3〜1.8であるスチレン系樹脂99.0〜9
9.9質量%と、可塑剤0.1〜1.0質量%からなる
スチレン系樹脂組成物である。
【0010】ここで、本発明のスチレン系樹脂組成物に
おけるスチレン系樹脂成分の特性として、第1に、GP
C(ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー)−M
ALLS法により求められる絶対分子量73.4万にお
ける1分子当たりの分岐数が、0.05〜0.5個であ
ることが必要である。このGPC−MALLS法により
求められる絶対分子量73.4万における1分子当たり
の分岐数は、例えば、光散乱光度計としてWyatt
Technology社製:DAWN−Eを用い、RI
検出器としてWaters社製:410を用い、カラム
には東ソー社製:TSK・GEL・GMHHR−H(3
0)3本を用い、溶媒にはテトラヒドロフランを用い
て、流量1.0ミリリットル/分、温度40℃、注入量
100マイクロリットル、濃度0.1g/100ミリリ
ットルの条件において、絶対分子量(MB )を測定す
る。また、Wyatt Technology社製:A
STRAを用いて、スチレン系樹脂の慣性半径を測定す
る。さらに、絶対分子量73.4万における1分子当た
りの分岐数については、J.Chem.Phys.Vo
l.17,p1301(1949年)に記載の方法、す
なわち、絶対分子量(MB)が73.4万のリニアスチ
レン系樹脂の慣性半径(RgL )と、分岐スチレン系樹
脂の慣性半径(RgB )より、次式〔1〕
【0011】
【数1】
【0012】を求め、ついで次式〔2〕
【0013】
【数2】
【0014】により、絶対分子量73.4万における1
分子当たりの分岐数(n734,000 )を算出すればよい。
そして、本発明のスチレン系樹脂組成物におけるスチレ
ン系樹脂成分として、この絶対分子量73.4万におけ
る1分子当たりの分岐数が0.05〜0.5個であるス
チレン系樹脂を用いるのは、この分岐数が0.05個未
満であると、そのスチレン系樹脂を主成分とする樹脂組
成物を成形素材とする発泡樹脂シートやそれを熱成形し
てなる容器の外観および機械的強度の低下を招くからで
ある。また、この分岐数が0.5個を超えるものでは、
そのスチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を成形素
材とする製品にゲルが発生して、その外観が損なわれる
ようになるからである。この絶対分子量73.4万にお
ける1分子当たりの分岐数については、0.1〜0.4
個であるものがより好ましく、0.1〜0.3個である
ものがさらに好ましい。
【0015】また、本発明のスチレン系樹脂組成物にお
けるスチレン系樹脂成分の特性として、第2に、GPC
法により求められる重量平均分子量(MW L)が20万
〜40万であることが必要である。この重量平均分子量
(MW L)は、GPC(ゲルパーミエーション・クロマ
トグラフィー)法によるリニア換算重量平均分子量であ
り、その測定方法は、例えば、UV検出器としてWat
ers社製:484を用い、カラムには、東ソー社製T
SK・GEL・GMH6を用い、溶媒にはテトラヒドロ
フランを用いて、流量1.0ミリリットル/分、温度4
0℃、注入量200マイクロリットル、濃度0.2g/
100ミリリットルの条件において測定し、東ソー社
製:標準ポリスチレンを用いて作成した標準校正曲線を
用いて、次式〔3〕
【0016】
【数3】
【0017】および、次式〔4〕
【0018】
【数4】
【0019】〔上記式〔3〕および〔4〕中、Wiは、
溶出体積(Vi)における重量分率を示し、Miは、溶
出体積(Vi)における分子量を示す。〕により、重量
平均分子量(MW L)および数平均分子量(Mn L)を
算出すればよい。そして、このスチレン系樹脂成分とし
て、そのGPC法により求められる重量平均分子量(M
W L)が20万〜40万であるものを用いるのは、重量
平均分子量(MW L)が20万未満であるものを用いる
と、それをスチレン系樹脂成分とするスチレン系樹脂組
成物を成形して得られる製品の機械的強度が不十分とな
り、また、重量平均分子量(MW L)が40万を超える
ものを用いると、そのスチレン系樹脂組成物を成形する
際の押出成形性の低下を招くようになるからである。さ
らに、このスチレン系樹脂成分としては、その重量平均
分子量(MW L)が25万〜35万のものであるのがよ
り好ましい。
【0020】つぎに、本発明のスチレン系樹脂組成物に
おけるスチレン系樹脂成分の特性として、第3に、重量
平均分子量(MW L)と数平均分子量(Mn L)との比
〔(MW L)/(Mn L)〕が、2.5〜3.5である
ことが必要である。このスチレン系樹脂の重量平均分子
量(MW L)と数平均分子量(Mn L)との比が、2.
5未満であると、それをスチレン系樹脂成分とするスチ
レン系樹脂組成物を成形して得られる製品の外観が悪化
し、また、この比が3.5を超えると、それをスチレン
系樹脂成分とするスチレン系樹脂組成物を成形して得ら
れる製品の機械的強度が低下するようになるからであ
る。そして、このスチレン系樹脂成分としては、その重
量平均分子量(MW L)と数平均分子量(Mn L)との
比が、2.6〜3.0であるものがより好ましい。
【0021】さらに、本発明のスチレン系樹脂組成物に
おけるスチレン系樹脂成分の特性として、第4に、重量
平均分子量(MW L)とピーク分子量(Mp L)との比
〔(MW L)/(Mp L)〕が1.3〜1.8であるこ
とが必要である。このピーク分子量(Mp L)は、前述
のGPC法において得られる溶出曲線のピークに相当す
るリニア換算分子量として求められる。このスチレン系
樹脂の重量平均分子量(MW L)とピーク分子量(Mp
L)との比が、1.3未満であると、それをスチレン系
樹脂成分とするスチレン系樹脂組成物からなる製品の外
観が悪化し、また、この比が1.8を超えると、それを
スチレン系樹脂成分とするスチレン系樹脂組成物からな
る製品の機械的強度が低下するようになるからである。
そして、このスチレン系樹脂成分としては、その重量平
均分子量(MW L)とピーク分子量(Mp L)とが、
1.4〜1.7であるものがより好ましい。
【0022】つぎに、上記の特性を有するスチレン系樹
脂を製造する方法については、スチレン系単量体を、前
記一般式〔1〕で表される4官能性開始剤の存在下に、
重合反応器を2基以上直列に配置して連続塊状重合する
方法によることができる。そして、この場合、4官能性
開始剤の添加割合を、スチレン系単量体に対して200
〜800ppmとし、かつ、全反応器中の最も低い反応
温度を115℃以下とし、最も高い反応温度を155℃
よりも高くする。そして、このようにしてスチレン系樹
脂を得た後に、可塑剤をスチレン系樹脂組成物全量に対
して0.1〜1.0質量%の含有割合となるように添加
し混練してスチレン系樹脂組成物としてもよいし、スチ
レン系単量体の重合工程において可塑剤を添加して混練
することなくスチレン系樹脂組成物を得るようにしても
よい。
【0023】ここで用いるスチレン系単量体としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのα−置換
アルキルスチレンや、p−メチルスチレン、p−ter
t−ブチルスチレンなどの核置換アルキルスチレン、p
−クロロスチレンなどの核置換ハロゲン化スチレンなど
が用いられる。これらスチレン系単量体の中では、スチ
レンが好ましい。また、これらスチレン系単量体には、
少量のスチレン系単量体と共重合の可能な共単量体、例
えば、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチル
ヘキシルなどのビニル系化合物や、マレイミド、核置換
フェニルマレイミドなどを併用してもよい。
【0024】また、前記一般式〔1〕で表される4官能
性開始剤については、この一般式〔1〕において、R1
およびR2 が表わすアルキル基がメチル基、エチル基で
あるものが挙げられ、R3 が表わすアルキル基がメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘ
キシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n
−オクチル基、tert−オクチル基などであるものが
挙げられる。このような化合物の具体例としては、例え
ば、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパー
オキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,
4−ジターシャリーヘキシルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリー
オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙
げられるが、これら化合物の中でも、2,2−ビス
(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパンが特に好適なものとして挙げられる。
【0025】そして、この4官能性開始剤の添加割合に
ついては、スチレン系単量体に対して200〜800p
pmとするが、これは、この4官能性開始剤の添加割合
がスチレン系単量体に対して200ppm未満である
と、得られるスチレン系樹脂における絶対分子量73.
4万における1分子当たりの分岐数が0.05個未満と
なることがあり、また、この4官能性開始剤の添加割合
がスチレン系単量体に対して800ppmを超えると、
得られるスチレン系樹脂における絶対分子量73.4万
における1分子当たりの分岐数が0.5個を超えるよう
になることがあるからである。そして、この4官能性開
始剤の添加割合は、より好ましくはスチレン系単量体に
対して250〜700ppmであり、さらに好ましくは
スチレン系単量体に対して300〜500ppmであ
る。
【0026】また、このスチレン系樹脂の製造装置につ
いては、重合反応器を2基以上直列に配置してなる連続
塊状重合反応装置が好適に用いられる。この場合、重合
反応器としては、様々な形態の重合槽を用いることがで
きるが、それらの中でも完全混合型攪拌重合槽、プラグ
フロー型重合槽、静的混合型重合槽あるいはこれらをル
ープ状に配したものを含む形態でこれらを2基以上直列
に配置してなる重合反応装置が特に好ましい。この重合
反応装置における各重合槽での反応温度は、通常の開始
剤重合における温度領域の範囲内に制御するが、全重合
槽中の最も低い反応温度を115℃以下とし、最も高い
反応温度を155℃よりも高くすることによって、GP
C法により求められる重量平均分子量(MW L)が20
万〜40万であり、重量平均分子量(MW L)と数平均
分子量(Mn L)との比〔(MWL)/(Mn L)〕が
2.5〜3.5であり、かつ、重量平均分子量(M
W L)とピーク分子量(Mp L)との比〔(MW L)/
(Mp L)〕が1.3〜1.8のスチレン系樹脂を得る
ようにする。そして、この全重合槽中の最も低い反応温
度は、さらに105℃以下とするのが好ましく、最も高
い反応温度は、さらに160℃よりも高くするのがより
好ましい。また、このスチレン系単量体の重合に際して
用いる4官能性開始剤は、原料のスチレン系単量体に添
加しておいてもよいし、重合の途上、例えば重合転化率
が20〜40%に達した部位に添加してもよい。さら
に、この4官能性開始剤は、1度に全量を添加してもよ
いし、分割添加してもよいが、全量を重合前に添加する
のが好ましい。
【0027】また、このスチレン系樹脂を製造する方法
として、スチレン系単量体を前記一般式〔1〕で表され
る4官能性開始剤の存在下に重合する方法に代えて、ス
チレン系単量体に複数の共重合性二重結合を有する不飽
和化合物を共重合させる方法を採用することもできる。
このような不飽和化合物としては、ジビニルベンゼンな
どの非共役ジビニル化合物や、エチレングリコールジメ
タクリレートや、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートな
どの多価アクリレート、これらの混合物が挙げられる。
そして、これら不飽和化合物の添加割合は、スチレン系
単量体に対して50〜250ppmとすることができ
る。それは、この不飽和化合物の添加割合が50ppm
未満であると、得られるスチレン系樹脂における絶対分
子量73.4万における1分子当たりの分岐数が0.0
5個未満となることがあり、また、この不飽和化合物の
添加割合が250ppmを超えると、得られるスチレン
系樹脂における絶対分子量73.4万における1分子当
たりの分岐数が0.5個を超えるようになることがある
からである。
【0028】つぎに、このようにしてスチレン系単量体
の重合反応を行って得られた生成物は、フラッシュドラ
ムなどの脱気装置に導入して、未反応のスチレン系単量
体や共単量体のほか、二量体や三量体などのオリゴマー
を除去することによりスチレン系樹脂を得る。このスチ
レン系樹脂中に含まれるスチレンオリゴマーの含有割合
は、0.2〜0.7質量%の範囲内であることが望まし
く、また、スチレン系樹脂中の残留揮発分は500pp
m以下であることが望ましい。
【0029】また、本発明のスチレン系樹脂組成物にお
ける可塑剤としては、流動パラフィン、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類など
が好適なものとして挙げられる。これらの中でも流動パ
ラフィンが好ましい。そして、この可塑剤のスチレン系
樹脂への配合割合は、スチレン系樹脂組成物の0.1〜
1.0質量%となるようにする。この可塑剤の配合割合
が0.1質量%未満であると、そのスチレン系樹脂組成
物の熱成形性が低下して、熱成形条件が制約されるよう
になり、また、この可塑剤の配合割合が1.0質量%を
超えると、そのスチレン系樹脂組成物を用いて成形され
た製品の機械的強度の低下を招くようになるからであ
る。そして、この可塑剤のスチレン系樹脂への配合割合
としては、0.1〜0.5質量%とするのがより好まし
い。さらに、このスチレン系樹脂組成物には、必要に応
じて、通常用いられる滑剤や帯電防止剤、酸化防止剤、
熱安定剤、顔料、染料、紫外線吸収剤などを適量配合す
ることができる。
【0030】つぎに、このようにして得られたスチレン
系樹脂組成物は、通常の押出機により溶融混練して押出
した後、ペレット化して発泡樹脂シート成形に用いられ
る。このペレットの粒度は、50〜70個/gであるも
のが、押出発泡成形時の吐出量が安定することから好ま
しい。さらに、このペレットには、エチレンビスステア
リルアミドなどの外部潤滑剤を20〜200ppm程度
となるようにまぶした後に押出成形に用いるようにする
のが好ましい。そして、このペレットを用いて発泡樹脂
シートを成形するに際しては、一般にスチレン樹脂の押
出発泡成形に用いられている発泡剤、例えば、プロパン
やブタン、ペンタンなどの炭化水素ガス、フロン、二酸
化炭素、窒素、水などを用いることができる。
【0031】このようにして成形された発泡樹脂シート
は、真空成形や圧空成形などの熱成形により、食品や日
用雑貨の包装容器に成形される。これら包装容器は、そ
の成形素材であるスチレン系樹脂が特定の分子量分布を
有することに起因して、軽量化された形態においても高
い機械的強度を維持し、さらに容器の表面状態が良好で
外観に優れたものとなる。特に生鮮食料品用のトレーに
用いた場合、食料品の収納後のラップがけに際して、ト
レーの変形や破損を招くおそれのない高品質のものを得
ることができる。
【0032】
〔実施例1〕
(1)スチレン系樹脂の製造 多官能性開始剤として2,2−ビス(4,4−ジter
t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン〔化薬
アクゾ社製;パーカドックス12〕をスチレンに対して
純品換算で350ppm、溶剤としてエチルベンゼンを
スチレンに対して8質量%を、スチレンに添加して原料
溶液を調製した。
【0033】ついで、この原料溶液を、毎時20リット
ルの供給速度において、槽内温度を112℃に保持して
ある内容積20リットルの完全混合型第1重合槽に連続
的に供給し、第1重合槽からの重合物を、120℃に保
持してある内容積20リットルの完全混合型第2重合槽
に導入し、さらに、140℃に保持してある内容積30
リットルのプラグフロー型第3重合槽、最後に、165
℃に保持してある内容積30リットルのプラグフロー型
第4重合槽に順次導入し、最終転化率が85%となるよ
うにして重合反応を行った。重合反応の終了後、得られ
た反応生成物を240℃〜250℃に加熱された真空脱
気槽に導入し、未反応モノマーや溶剤などの揮発性成分
を除去して、スチレン系樹脂を得た。
【0034】ここで得られたスチレン系樹脂について、
明細書中に記載の方法により測定した絶対分子量73.
4万における1分子当たりの分岐数は0.14であっ
た。そして、絶対分子量73.4万の直鎖ポリスチレン
の慣性半径RgL は、39.1nmであった。また、こ
のスチレン系樹脂のリニア換算重量平均分子量(M
W L)は、300,000であり、このスチレン系樹脂
の重量平均分子量(MW L)と数平均分子量(Mn L)
との比〔(MW L)/(Mn L)〕は2.8、重量平均
分子量(MW L)とピーク分子量(Mp L)との比
〔(MW L)/(Mp L)〕は1.53であった。
【0035】(2)スチレン系樹脂組成物の製造 つぎに、上記(1)で得られたスチレン系樹脂99.7
質量%と、可塑剤として流動パラフィン〔出光興産社
製;CP50S〕0.3質量%を、押出機に供給して混
練し、スチレン系樹脂組成物をストランドとして押出し
た後、冷却して切断することにより、粒度60個/gの
ペレットとした。このペレットには、その表面に、外部
潤滑剤のエチレンビスステアリルアミドを100ppm
となるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン系樹脂
組成物ペレットを得た。このスチレン系樹脂組成物につ
いて、JIS K 7210の準拠し、温度200℃、
荷重49Nの条件下に測定したメルトフローレートは、
2.6g/10分であった。また、このスチレン系樹脂
組成物についても、上記と同様にその分岐数、リニア換
算重量平均分子量(MW L)、重量平均分子量(M
W L)と数平均分子量(Mn L)との比、および重量平
均分子量(MW L)とピーク分子量(Mp L)との比を
測定した結果、上記(1)におけるスチレン系樹脂と同
等の値であった。
【0036】(3)発泡樹脂シートの製造 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
押出発泡成形機に供給し、発泡剤としてブタンガスを用
いて、厚さ2.5mmの発泡樹脂シートに成形をした。
ここで得られた発泡樹脂シートの発泡倍率は、5倍であ
った。 (4)食品用トレー容器の製造 上記(3)で得られたスチレン系樹脂組成物の発泡樹脂
シートを成形素材として、真空成形機により、たて12
cm、よこ20cm、深さ2cmの食品用トレー容器に
加工した。
【0037】(5)食品用トレー容器の評価 上記(4)で得られた食品用トレー容器、よこ方向の両
側面より圧縮して、トレー容器の座屈試験を行い、その
極大応力を容器強度とした。また、この食品用トレー容
器について、目視により、その外観を下記の4段階で評
価した。 ○ : 外観良好 △ : 外観やや不良 × : 外観不良 ××: ゲル発生あり これら結果を第1表に示す。
【0038】〔実施例2〕 (1)スチレン系樹脂の製造 2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルペルオキシ
シクロヘキシル)プロパンの添加量をスチレンに対して
純品換算で400ppmとし、かつ、各重合槽での反応
温度を、第1重合槽=105℃、第2重合槽=110
℃、第3重合槽=140℃、第4重合槽=160℃とし
た他は、実施例1の(1)と同様にしてスチレン系樹脂
を製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用い、流動パラ
フィンの配合割合を0.5質量%とした他は、実施例1
の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製造し
た。また、ペレット化に際して、その粒度を70個/g
とし、かつエチレンビスステアリルアミドを50ppm
となるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン系樹脂
組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0039】〔実施例3〕 (1)スチレン系樹脂の製造 実施例1の(1)と同様にしてスチレン系樹脂を製造し
た。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 流動パラフィンの配合割合を1.0質量%とした他は、
実施例1の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を
製造した。また、ペレット化に際して、その粒度を50
個/gとし、かつエチレンビスステアリルアミドを10
0ppmとなるようにまぶして、押出発泡成形用スチレ
ン系樹脂組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0040】〔実施例4〕 (1)スチレン系樹脂の製造 2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルペルオキシ
シクロヘキシル)プロパンの添加量をスチレンに対して
純品換算で700ppmとし、原料溶液の供給速度を毎
時23リットルとした。また、各重合槽での反応温度
を、第1重合槽=95℃、第2重合槽=100℃、第3
重合槽=125℃、第4重合槽=160℃とした他は、
実施例1の(1)と同様にしてスチレン系樹脂を製造し
た。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用いた他は、実
施例1の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物およ
びそのペレットを製造した。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0041】〔比較例1〕 (1)スチレン系樹脂の製造 2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルペルオキシ
シクロヘキシル)プロパンの当初の添加量をスチレンに
対して純品換算で300ppmとし、原料溶液の供給速
度を毎時23リットルとし、かつ、各重合槽での反応温
度を、第1重合槽=120℃、第2重合槽=125℃、
第3重合槽=130℃、第4重合槽=140℃とすると
共に、第3重合槽に供給する反応液に2,2−ビス
(4,4−ジtert−ブチルペルオキシシクロヘキシ
ル)プロパン130ppmを追加添加した他は、実施例
1の(1)と同様にしてスチレン系樹脂を製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用い、流動パラ
フィンの配合割合を0.3質量%とした他は、実施例1
の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製造し
た。また、ペレット化に際して、その粒度を60個/g
とし、かつエチレンビスステアリルアミドを100pp
mとなるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン系樹
脂組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0042】〔比較例2〕 (1)スチレン系樹脂の製造 各重合槽での反応温度を、第1重合槽=120℃、第2
重合槽=125℃、第3重合槽=140℃、第4重合槽
=160℃とした他は、実施例1の(1)と同様にして
スチレン系樹脂を製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用いた他は、実
施例1の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物およ
びそのペレットを製造した。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0043】〔比較例3〕 (1)スチレン系樹脂の製造 重合開始剤として1,1−ビス(tert−ブチルペル
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〔日
本油脂社製:パーヘキサ3M〕をスチレンに対して純品
換算で350ppm添加して原料溶液を調製した。この
原料溶液を毎時16リットルの供給速度で、かつ、各重
合槽での反応温度を、第1重合槽=120℃、第2重合
槽=130℃、第3重合槽=140℃、第4重合槽=1
50℃とし、最終転化率が80%となるまで反応させた
他は、実施例1の(1)と同様にしてスチレン系樹脂を
製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用い、流動パラ
フィンの配合割合を0.3質量%とした他は、実施例1
の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製造し
た。また、ペレット化に際して、その粒度を60個/g
とし、かつエチレンビスステアリルアミドを100pp
mとなるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン系樹
脂組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0044】〔比較例4〕 (1)スチレン系樹脂の製造 重合開始剤を添加することなく、原料溶液を毎時14リ
ットルの供給速度とし、かつ、第1重合槽の温度を13
0℃として反応させた他は、比較例3の(1)と同様に
してスチレン系樹脂を製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用い、流動パラ
フィンの配合割合を0.3質量%とした他は、実施例1
の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製造し
た。また、ペレット化に際して、その粒度を60個/g
とし、かつエチレンビスステアリルアミドを100pp
mとなるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン系樹
脂組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0045】〔比較例5〕 (1)スチレン系樹脂の製造 実施例1の(1)と同様にしてスチレン系樹脂を製造し
た。 (2)スチレン系樹脂ペレットの製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂に、流動パラフィ
ンを配合することなくペレット化した。実施例1の
(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製造した。
そして、粒度が60個/gで、かつエチレンビスステア
リルアミドを100ppmとなるようにまぶしたスチレ
ン系樹脂ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂ペレットを用いた
他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にして、発
泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評価をし
た。これら結果を第1表に示す。
【0046】〔比較例6〕 (1)スチレン系樹脂の製造 重合開始剤として、2,2−ビス(4,4−ジtert
−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンをスチレ
ンに対して純品換算で100ppm添加して原料溶液を
調製した。この原料溶液を毎時23リットルの供給速度
で、かつ、各重合槽での反応温度を、第1重合槽=11
9℃、第2重合槽=117℃、第3重合槽=117℃、
第4重合槽=151℃とした他は、実施例1の(1)と
同様にしてスチレン系樹脂を製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用い、流動パラ
フィンの配合割合を2.4質量%とした他は、実施例1
の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製造し
た。また、ペレット化に際して、その粒度を60個/g
とし、かつエチレンビスステアリルアミドを100pp
mとなるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン系樹
脂組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0047】〔比較例7〕 (1)スチレン系樹脂の製造 原料溶液に、スチレンに対して300ppmのジビニル
ベンゼンを添加した他は、実施例1の(1)と同様にし
てスチレン系樹脂を製造した。 (2)スチレン系樹脂ペレットの製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用いた他は、実
施例1の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製
造した。そして、粒度が60個/gで、かつエチレンビ
スステアリルアミドを100ppmとなるようにまぶし
たスチレン系樹脂ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂ペレットを用いた
他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にして、発
泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評価をし
た。この発泡樹脂シートには、ゲルの発生が認められ
た。これら結果を第1表に示す。
【0048】〔比較例8〕 (1)スチレン系樹脂の製造 各重合槽での反応温度を、第1重合槽=120℃、第2
重合槽=135℃、第3重合槽=160℃、第4重合槽
=200℃とした他は、実施例1の(1)と同様にして
スチレン系樹脂を製造した。 (2)スチレン系樹脂組成物の製造 上記(1)で得られたスチレン系樹脂を用いた他は、実
施例1の(2)と同様にしてスチレン系樹脂組成物を製
造した。また、ペレット化に際して、その粒度を60個
/gとし、かつエチレンビスステアリルアミドを100
ppmとなるようにまぶして、押出発泡成形用スチレン
系樹脂組成物ペレットを得た。 (3)発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と
評価 上記(2)で得られたスチレン系樹脂組成物ペレットを
用いた他は、実施例1の(3)(4)(5)と同様にし
て、発泡樹脂シートおよび食品用トレー容器の製造と評
価をした。これら結果を第1表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、軽量化した際にも機械
的強度が高く、しかも外観に優れた発泡樹脂シートの成
形材料に適したスチレン系樹脂組成物と、それを用いた
発泡樹脂シートおよびそのシートを素材とする容器を提
供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/12 CET C08K 5/01 4J015 C08K 5/01 B29K 25:00 // B29K 25:00 B65D 1/00 A Fターム(参考) 3E033 BA22 CA08 FA04 GA03 4F074 AA32 AB01 AD01 AG02 BA31 BA37 CA22 DA02 DA23 DA34 4F208 AA13A AB07 AG20 AH52 AH55 AH58 MA01 MA05 MB01 MG13 MG22 4J002 BC031 BC041 BC061 BC071 BC081 BC091 BC111 BH011 EA016 FD026 GG01 4J011 FA02 FA03 FA04 FB05 FB20 4J015 BA03 BA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)GPC−MALLS法により求めら
    れる絶対分子量73.4万における1分子当たりの分岐
    数が0.05〜0.5個であり、(2)GPC法により
    求められる重量平均分子量(MW L)が20万〜40万
    であり、(3)重量平均分子量(MW L)と数平均分子
    量(Mn L)との比〔(MW L)/(Mn L)〕が2.
    5〜3.5であり、かつ(4)重量平均分子量(M
    W L)とピーク分子量(Mp L)との比〔(MW L)/
    (Mp L)〕が1.3〜1.8であるスチレン系樹脂9
    9.0〜99.9質量%と、可塑剤0.1〜1.0質量
    %からなるスチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】可塑剤が流動パラフィンである請求項1に
    記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】重合反応器を2基以上直列に配置してスチ
    レン系単量体を連続塊状重合するにあたり、下記一般式
    〔1〕 【化1】 〔式中のR1 、R2 は、水素原子または、炭素数1また
    は2のアルキル基を示し、R3 は炭素数1〜8のアルキ
    ル基を示す。〕で表される四官能性開始剤を、スチレン
    系単量体に対して200〜800ppm添加し、かつ全
    反応器中、最も低い反応温度を115℃以下とし、最も
    高い反応温度を155℃よりも高くするとともに、可塑
    剤をスチレン系樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0
    質量%の含有割合となるように添加することを特徴とす
    る請求項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物の製
    造法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のスチレン系樹脂
    組成物を発泡成形してなる発泡シート。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の発泡シートを熱成形して
    なる容器。
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