JP2000198927A - 高分子固体電解質用硬化性組成物 - Google Patents

高分子固体電解質用硬化性組成物

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JP2000198927A
JP2000198927A JP11279492A JP27949299A JP2000198927A JP 2000198927 A JP2000198927 A JP 2000198927A JP 11279492 A JP11279492 A JP 11279492A JP 27949299 A JP27949299 A JP 27949299A JP 2000198927 A JP2000198927 A JP 2000198927A
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Japan
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curable composition
polymer electrolyte
ion
group
solid polymer
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JP11279492A
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English (en)
Inventor
Kenji Okada
賢治 岡田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の固体電解質に比べてイオン伝導性に優
れ、しかも加工性、成形性、機械的強度や柔軟性にも優
れるという特徴を有する高分子固体電解質用硬化性組成
物を提供する。 【解決手段】 (A)〜(D)を必須成分とする高分子
固体電解質用硬化性組成物。(A)SiH基を有するポ
リシロキサン、(B)ベンゼン環、シロキシ結合、カル
ボニル基、アミド結合、及びアミノ基からなる群より選
ばれる構造を有する2個以上のアルケニル基を有する化
合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)電解質塩化合

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子固体電解質
用硬化性組成物に関するものである。本発明の高分子固
体電解質用硬化性組成物は加工性に優れ、また、本発明
の硬化性組成物より得られる高分子固体電解質は、イオ
ン伝導度が高く、その温度依存性が小さく、さらに十分
な機械強度を有するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質をリチウムイオン電池や電
気化学的デバイスに使用していくためには、低温から高
温の広い温度範囲で高いイオン伝導度を有し、結晶性を
示さないことなどが必要不可欠である。しかしながら、
このような必要性能を総合的に満足するような高分子電
解質はこれまで開発されていない。
【0003】ポリマー電池などに使用する高分子電解質
には、例えば、従来はプロピレンカーボネート、エチル
メチルカーボネートなどの有機溶剤が幅広く使用されて
いるが、これらは沸点と蒸気圧の関係で一般に70〜9
0℃が高温域での使用限界となっている。最近はこのよ
うな有機溶媒の安全性を改良する方法として、ポリエチ
レンオキシド(以下、PEOと記載する)を中心とした
高分子電解質の研究が行われている。PEOは周期表1
族又は2族に属する金属塩、例えばLiCF3SO3、L
iClO4、NaCF3SO3、LiIなどと錯体を形成
し、室温以上の温度領域では比較的良好なイオン伝導性
を示し、さらに保存安定性も良好である。しかしなが
ら、PEOのイオン伝導性は温度依存性が大きく、60
℃以上では良好なイオン伝導度を示すものの20℃以下
の温度ではイオン伝導度は著しく低下する。従って低温
で使用するような汎用性のある商品に組み込むことは困
難であった。低分子量PEOを用いてイオン伝導度を向
上させる方法としてビニル系ポリマーの側鎖に低分子量
PEOを導入する方法が、D.J.Banistarら
によって、Polymer,25,1600(198
4)に報告されている。しかしながら、この高分子材料
はLi塩と錯体を形成するものの、低温でのイオン伝導
度が不十分であった。さらにポリシロキサンの側鎖に低
分子量PEOを導入した材料が、Journal of
Power Sourse,20,327(198
7)や特開昭63−136409号、特開平2−265
927に記載されているが、イオン伝導度が不十分ある
いは非晶質でない、合成処方が容易ではない、液状で加
工性・成形性に劣る、機械的強度は不十分などの理由で
実用化はされていない。PEO側鎖とSiH基を有する
ポリシロキサンとポリエチレンオキサイドを主鎖に有す
るオレフィンとのヒドロシリル化架橋体化合物に関して
特開平3−115359号に記載されているが、イオン
伝導度が4.9×10-6S・cm-1程度とかなり低いも
のであり満足のいくものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高いイオン
伝導度を示し、機械的強度にも優れた高分子固体電解質
を与える硬化性組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)〜
(D)を必須成分とする高分子固体電解質用硬化性組成
物に関するものである。 (A)SiH基を有するポリシロキサン (B)ベンゼン環、シロキシ結合、カルボニル基、アミ
ド結合、及びアミノ基からなる群より選ばれる構造を有
する2個以上のアルケニル基を有する化合物 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)電解質塩化合物
【0006】
【発明の実施の形態】〔A成分について〕本発明の
(A)成分としては、SiH基を有するポリシロキサン
であれば、従来公知のものを制限無く使用することが出
来る。
【0007】(A)成分であるポリシロキサンは、ケイ
素原子上の置換基として、ポリエチレンオキサイド及び
/又は、環状カーボネート構造及び/又は環状エーテル
構造を有し、なおかつSiH基を2個以上有するもので
あることが好ましい。
【0008】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
素原子上の置換基としてポリエチレンオキサイドを有す
るものである場合には、(A)成分であるポリシロキサ
ン中のケイ素原子の10%〜95%が、オキシエチレン
単位の重合度が1〜12であるポリエチレンオキサイド
を置換基として有することが好ましく、ポリシロキサン
中のケイ素原子の40%〜90%が、オキシエチレン単
位の重合度が1〜12であるポリエチレンオキサイドを
置換基として有することがさらに好ましい。
【0009】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
素原子上の置換基としてポリエチレンオキサイドを有す
る場合、(A)成分は以下の構造で表されるものである
ことが好ましい。
【0010】
【化1】 (式中、m、nはそれぞれ1以上の整数で、pは1〜1
2の整数である。Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭
化水素基を表し、nが2以上の場合、Rはそれぞれ同じ
でも異なっていてもよい。ただしRのうち少なくとも1
つは水素原子である。なお、m個ある繰り返し単位とn
個ある繰り返し単位の並び方は順不同である。) なお、本発明の(A)成分は分子中にSiH基を1個以
上有するものであるが、SiH基を2個以上有するもの
であること(すなわち上式中のRのうち少なくとも2つ
が水素原子であること)がより好ましい。
【0011】また(A)成分が上式で表される場合に
は、以下に示すポリエチレンオキサイドの導入率(%、
以下Gで表す)が10%〜95%であることが好まし
く、40%〜90%であることがさらに好ましい。 G=〔m/(m+n+2)〕×100 (A)成分であるポリシロキサンが、ケイ素原子上の置
換基としてポリエチレンオキサイドを有する場合、ポリ
シロキサンの側鎖にポリエチレンオキサイドを有してい
ることから(A)成分の誘電率が高くなり、支持電解質
を溶解、解離する能力に優れている。また主鎖にシロキ
サンを有していることからガラス転移温度が低く、イオ
ンの移動を容易にしている。またこのような高分子化合
物は高温における安定性も高い。従って従来の高分子電
解質では達成できなかった高温での劣化防止、低温にお
ける高イオン伝導性の発現が本発明によって達成され
た。
【0012】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
素原子上の置換基中に環状カーボネート構造を有する場
合、(A)成分は以下の構造で表されるものであること
が好ましい。
【0013】
【化2】 (式中、m、nはそれぞれ1以上の整数である。Rは水
素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、nが2
以上の場合、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよ
い。ただしRのうち少なくとも1つは水素原子である。
なお、m個ある繰り返し単位とn個ある繰り返し単位の
並び方は順不同である。) なお、本発明の(A)成分は分子中にSiH基を1個以
上有するものであるが、SiH基を2個以上有するもの
であること(すなわち上式中のRのうち少なくとも2つ
が水素原子であること)がより好ましい。
【0014】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
素原子上の置換基中に環状エーテル構造を有する場合、
(A)成分は以下の構造で表されるものであることが好
ましい。
【0015】
【化3】 (式中、m、nはそれぞれ1以上の整数である。Rは水
素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、nが2
以上の場合、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよ
い。ただしRのうち少なくとも1つは水素原子である。
なお、m個ある繰り返し単位とn個ある繰り返し単位の
並び方は順不同である。) なお、本発明の(A)成分は分子中にSiH基を1個以
上有するものであるが、SiH基を2個以上有するもの
であること(すなわち上式中のRのうち少なくとも2つ
が水素原子であること)がより好ましい。
【0016】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
素原子上の置換基中に環状カーボネート構造又は環状エ
ーテル構造を有する場合も、(A)成分の誘電率が高く
なり、支持電解質を溶解、解離する能力に優れている。
また主鎖にシロキサンを有していることからガラス転移
温度が低く、イオンの移動を容易にしている。またこの
ような高分子化合物は高温における安定性も高い。従っ
て従来の高分子電解質では達成できなかった高温での劣
化防止、低温における高イオン伝導性の発現が本発明に
よって達成された。
【0017】本発明の(A)成分であるポリシロキサン
の重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)は600〜
100000であることが好ましく、2000〜100
000であることがさらに好ましい。 〔B成分について〕本発明の(B)成分としては、ベン
ゼン環、シロキシ結合、カルボニル基、アミド結合、及
びアミノ基からなる群より選ばれる構造を有する2個以
上のアルケニル基を有する化合物であれば、従来公知の
ものを制限無く使用することが出来る。
【0018】(B)成分としてこのましい分子量は80
〜1000の範囲である。
【0019】(B)成分の具体例としては、ビスフェノ
ールAジアリルエーテル、2,2’−ジアリルビスフェ
ノールA、ジアリルアミン、ジビニルベンゼン、ジアリ
ルマレート、1,3−ジアリルウレア、ジアリルスクシ
ネート、ジアリルカーボネート、ジアリルジカーボネー
ト、ジアリルフタレート、1,3−ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、アリル末
端アクリルポリマーなどが挙げられる。 〔C成分について〕本発明の(C)成分としては、ヒド
ロシリル化触媒であれば従来公知のものを制限無く使用
することが出来る。
【0020】(C)成分としては、白金化合物あるいは
ルテニウム化合物あるいはロジウム化合物から選ばれる
ものが好ましく、白金化合物であることがさらに好まし
い。
【0021】(C)成分として好ましいものとして、例
えば、白金ビニルシロキサン、塩化白金酸、Pt(CO
D)2などが挙げられる。 〔D成分について〕本発明の(D)成分としては、電解
質塩化合物であれば従来公知のものを制限無く使用する
ことが出来る。
【0022】(D)成分としては、金属陽イオン、アン
モニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウ
ムイオンからなる群より選ばれる陽イオンと、塩素イオ
ン、臭素イオン、沃素イオン、過塩素酸イオン、チオシ
アン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イ
オン、AsF6 -、PF6―、ステアリルスルホン酸イオ
ン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスル
ホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシル
ナフタレンスルホン酸イオン、R1SO3 -、(R1
2)(R2SO2)N-、及び(R1SO2)(R2SO2
(R3SO2)C-〔R1、R2、R3は電子吸引性基を示
す。〕からなる群より選ばれる陰イオンとからなる化合
物であることが好ましい。
【0023】また、R1SO3 -、(R1SO2)(R2SO
2)N-、及び(R1SO2)(R2SO2)(R3SO2)C
-、中のR1、R2、R3は各々独立して炭素数が1から6
までのパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリー
ル基であることが好ましい。
【0024】(D)成分の金属陽イオンは、周期表1族
又は2族に属する金属、遷移金属、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Zn及びAg金属から選ばれた金属の陽イ
オンであることが好ましく、Liのイオンであることが
特に好ましい。
【0025】(D)成分としては、具体的には、LiC
lO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li
N(CF3SO22、又はLi(C25SO22が特に
好ましい。本発明の高分子固体電解質用硬化性組成物に
おいて、(A)成分と(B)成分のモル比は0.01〜
5.0であることが好ましく、さらに好ましくは0.0
5〜3.0である。(C)成分であるヒドロシリル化触
媒は(B)成分の二重結合1モルに対して、0.000
001〜0.1モルであることが好ましく、さらに好ま
しくは0.00001〜0.01モルである。(D)成
分である電解質塩化合物は、高分子固体電解質用硬化性
組成物1g中に0.01ミリモル〜10ミリモル含有さ
れることが好ましく、さらに好ましくは0.10ミリモ
ル〜5.0ミリモルの範囲である。
【0026】本発明の高分子固体電解質用硬化性組成物
は、十分なイオン伝導度を有するが、さらに高いイオン
伝導度が必要な場合などには、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの
可塑剤を添加させても良い。また更に高分子化合物、他
の両親媒性化合物などを添加しても良い。
【0027】本発明の高分子固体電解質用硬化性組成物
は、ヒドロシリル化反応により架橋して、3次元網目構
造を有するものである。従って従来の高分子電解質で問
題であった流動性の防止、機械的強度の向上、加工性・
成形性の向上を達成することが可能である。 〔製造法等〕本発明の(A)成分であるSiH基を有す
るポリシロキサンは、例えば以下に示す方法で合成され
るが、この方法に限定されるものではない。
【0028】ポリオルガノハイドロジェンシロキサンに
対し、溶媒中、ヒドロシリル化触媒、末端オレフィンを
有するポリエチレンオキサイドを滴下してヒドロシリル
化させ、十分攪拌した後に、溶媒を減圧除去することに
より、ポリエチレンオキサイドを置換基に有するポリシ
ロキサンを得る。ここで使用するポリシロキサンの重量
平均分子量Mw(ポリスチレン換算)は、2000〜1
00000であることが好ましい。ここで使用する溶媒
は特に限定されるものではないが、好ましいものとして
は、例えばトルエンなどが挙げられる。反応温度は特に
限定されるものではないが、室温〜100℃で実施され
るのが好ましい。また添加する末端オレフィンを有する
ポリエチレンオキサイドとポリシロキサン中のSiH基
の比率(オレフィン基/SiH基のモル比)は0.10
〜0.95の範囲にあるのが好ましい。さらには0.4
0〜0.90の範囲にあるのが好ましい。特に好ましい
のは0.50〜0.85の範囲である。ヒドロシリル化
触媒は特に限定されるものではないが、白金化合物、ロ
ジウム化合物、ルテニウム化合物が好ましい。例として
は、白金ビニルシロキサン、塩化白金酸などが挙げられ
る。
【0029】本発明の方法は、バッチ法、セミバッチ法
又は連続式で実施しうる。この反応容器は、例えば連続
的攪拌タンク反応容器でありうる。この方法はバッチ式
あるいは連続式でおこなうのが好ましい。
【0030】このようにして得られた(A)SiH基を
有するポリシロキサンに対して、(B)ベンゼン環、シ
ロキシ結合、カルボニル基、アミド結合、及びアミノ基
からなる群より選ばれる構造を有する2個以上のアルケ
ニル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、
(D)電解質塩化合物を混合してから、加熱することに
より高分子固体電解質用のフィルムを得ることができ
る。硬化反応の温度は特に限定されるものではないが、
室温〜150℃の範囲が好ましく、室温〜120℃の範
囲がさらに好ましい。特に好ましくは70℃から100
℃の範囲が好ましい。
【0031】本発明における高分子固体電解質用硬化性
組成物の製造方法には特に制約はない。また反応容器の
種類は重要でない。しかしながら副反応を防ぐため、非
反応性材料で形成された反応容器中でおこなうのが好ま
しい。
【0032】本発明で示された高分子固体電解質用硬化
性組成物を用いると、高分子の利点である可とう性を有
して大面積薄膜形状の固体電解質が容易に得られる。例
えば本発明で示された高分子電解質を用いた電池の作製
が可能である。この場合、正極材料として好ましいもの
としては、例えばリチウム−マンガン複合酸化物、コバ
ルト酸リチウム、五酸化バナジウム、ポリアセン、ポリ
ピレン、ポリアニリン、ポリフェニレン、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリピロ
ール、ポリフラン、ポリアズレン、その他硫黄化合物な
どが挙げられる。負極材料として好ましいものとして
は、例えばリチウム金属、リチウムがグラファイトある
いはカーボンの層間に吸蔵された層間化合物、リチウム
−鉛合金などが挙げられる。また、本発明の高分子電解
質の高い電気伝導性を利用して、アルカリ金属イオン、
Cuイオン、Caイオン、及びMgイオンなどの陽イオ
ンのイオン電極の隔膜として利用することも考えられ
る。
【0033】
【実施例】次に本発明の実施例について具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)反応容器に、ポリメチルハイドロジェンシ
ロキサン4g、トルエン約10g及び白金ビニルシロキ
サン1.2×10-3mmolを加え、反応温度80℃で
攪拌した。この混合物中に末端にアリル基を有する平均
分子量約400のポリエチレンオキサイド24g(58
mmol)を滴下した。滴下終了から3時間後反応を終
了させトルエンを減圧除去した。その結果、ポリエチレ
ンオキサイドの導入率(ポリシロキサンの全ケイ素原子
中での、ポリエチレンオキサイドを置換基として有する
ケイ素原子の割合)が74%のポリシロキサンが得られ
た。得られたポリエチレンオキサイド変性のポリシロキ
サン3.0gに、ビスフェノールAジアリルエーテル7
3mg(0.24mmol)、白金ビニルシロキサン
7.2×10-4mmol及びLiClO4108mg
(1.0mmol)をTHF約1mlに溶解させたもの
を混合し、プレス機を使用して80℃で4時間加熱し
た。その結果無色透明の薄膜状物質を得た。この得られ
た薄膜状物質のイオン伝導度を、白金を電極とし、電圧
0.5V、周波数範囲42Hz〜5MHzの交流法を用
い、複素インピーダンス法により算出した。その結果、
25℃におけるイオン伝導度は1.5×10-4S/cm
であった。 (実施例2)反応容器に、ポリメチルハイドロジェンシ
ロキサン4g、トルエン約10g及び白金ビニルシロキ
サン1.2×10-3mmolを加え、反応温度80℃で
攪拌した。この混合物中に末端にアリル基を有する平均
分子量約400のポリエチレンオキサイドを滴下した。
滴下終了から3時間後反応を終了させトルエンを減圧除
去した。その結果、ポリエチレンオキサイドの導入率が
74%のポリシロキサンが得られた。得られたポリエチ
レンオキサイド変性のポリシロキサン3.0gに、1,
3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン43mg(0.23mmol)、白金ビニルシロキ
サン1.2×10-3mmol及びLiClO4147m
g(1.4mmol)をTHF約1mlに溶解させたも
のを混合し、プレス機を使用して80℃で5時間加熱し
た。その結果無色透明の薄膜状物質を得た。この得られ
た薄膜状物質のイオン伝導度を、白金を電極とし、電圧
0.5V、周波数範囲42Hz〜5MHzの交流法を用
い、複素インピーダンス法により算出した。その結果、
25℃におけるイオン伝導度は2.4×10-4S/cm
であった。 (実施例3)反応容器に、ポリメチルハイドロジェンシ
ロキサン4g、トルエン約10g及び白金ビニルシロキ
サン9.0×10-4mmolを加え、反応温度80℃で
攪拌した。この混合物中に片末端にアリル基を有する平
均分子量約400のポリエチレンオキサイド18g(4
5mmol)を滴下した。滴下終了から5時間後反応を
終了させトルエンを減圧除去した。その結果、ポリエチ
レンオキサイドの導入率が55%のポリシロキサンが得
られた。得られたポリエチレンオキサイド変性のポリシ
ロキサン3.0gに、ビスフェノールAジアリルエーテ
ル91mg(0.30mmol)、白金ビニルシロキサ
ン9.0×10-4mmol及びLiCF 3SO3540m
g(3.4mmol)をTHF約2mlに溶解させたも
のを混合し、プレス機を使用して85℃で8時間加熱し
た。その結果無色透明の薄膜状物質を得た。この得られ
た薄膜状物質のイオン伝導度を、白金を電極とし、電圧
0.5V、周波数範囲42Hz〜5MHzの交流法を用
い、複素インピーダンス法により算出した。その結果、
25℃におけるイオン伝導度は5.3×10-4S/cm
であった。 (比較例1)上記実施例3で得られたポリエチレンオキ
サイドの導入率が55%のポリシロキサン3.0gに、
トリエチレングリコールジビニルエーテル61mg
(0.30mmol)、白金ビニルシロキサン9.0×
10-4mmol及びLiCF3SO3540mg(3.4
mmol)をTHF約2mlに溶解させたものを混合
し、プレス機を使用して85℃で10時間加熱した。そ
の結果、硬化は全く進行しなかった。 (比較例2)上記実施例3で得られたポリエチレンオキ
サイドの導入率が55%のポリシロキサン3.0gに、
トリエチレングリコールジビニルエーテル61mg
(0.30mmol)、白金ビニルシロキサン9.0×
10-4mmol及びLiCF3SO3170mg(1.1
mmol)をTHF約1mlに溶解させたものを混合
し、プレス機を使用して85℃で8時間加熱した。その
結果無色透明の薄膜状物質を得た。この得られた薄膜状
物質のイオン伝導度を、白金を電極とし、電圧0.5
V、周波数範囲42Hz〜5MHzの交流法を用い、複
素インピーダンス法により算出した。その結果、25℃
におけるイオン伝導度は3.2×10-5S/cmであっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明の高分子固体電解質用硬化性組成
物は加工性に優れ、また、本発明の高分子固体電解質用
硬化性組成物より得られる高分子固体電解質は、イオン
伝導度が高く、その温度依存性が小さく、さらに十分な
機械強度を有するものである。従って従来の高分子電解
質で問題であった流動性の防止、機械的強度の向上、加
工性・成形性の向上を達成することが可能である。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)〜(D)を必須成分とする高分子固
    体電解質用硬化性組成物。 (A)SiH基を有するポリシロキサン (B)ベンゼン環、シロキシ結合、カルボニル基、アミ
    ド結合、及びアミノ基からなる群より選ばれる構造を有
    する2個以上のアルケニル基を有する化合物 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)電解質塩化合物
  2. 【請求項2】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
    素原子上の置換基としてポリエチレンオキサイドを有す
    るとともに、SiH基を2個以上有することを特徴とす
    る請求項1記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
    素原子上の置換基中に環状カーボネート構造を有すると
    ともに、SiH基を2個以上有することを特徴とする請
    求項1記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分であるポリシロキサンが、ケイ
    素原子上の置換基中に環状エーテル構造を有するととも
    に、SiH基を2個以上有することを特徴とする請求項
    1記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分であるポリシロキサン中のケイ
    素原子の10%〜95%が、オキシエチレン単位の重合
    度が1〜12であるポリエチレンオキサイドを置換基と
    して有することを特徴とする請求項2に記載の高分子固
    体電解質用硬化性組成物。
  6. 【請求項6】(A)成分であるポリシロキサン中のケイ
    素原子の40%〜90%が、オキシエチレン単位の重合
    度が1〜12であるポリエチレンオキサイドを置換基と
    して有することを特徴とする請求項2に記載の高分子固
    体電解質用硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(B)成分が、ビスフェノールAジアリル
    エーテル、2,2’−ジアリルビスフェノールA、ジア
    リルアミン、ジビニルベンゼン、ジアリルマレート、
    1,3−ジアリルウレア、ジアリルスクシネート、ジア
    リルカーボネート、ジアリルジカーボネート、ジアリル
    フタレート、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テト
    ラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,
    3,3−テトラメチルジシラザン、及びアリル末端アク
    リルポリマーからなる群より選択されるものである請求
    項1〜6のいずれかに記載の高分子固体電解質用硬化性
    組成物。
  8. 【請求項8】(C)成分であるヒドロシリル化触媒が、
    白金化合物、ルテニウム化合物、ロジウム化合物からな
    る群より選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  9. 【請求項9】(D)成分である電解質塩化合物が、金属
    陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、
    及びグアニジウムイオンからなる群より選ばれる陽イオ
    ンと、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、過塩素酸
    イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸
    イオン、硝酸イオン、AsF6 -、PF6―、ステアリル
    スルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシ
    ルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イ
    オン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、R1SO3
    -、(R1SO2)(R2SO2)N-、及び(R1SO2
    (R2SO2)(R 3SO2)C-〔R1、R2、R3は電子吸
    引性基を示す。〕からなる群より選ばれる陰イオンとか
    らなる化合物であることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  10. 【請求項10】R1、R2、R3が、炭素数が1から6ま
    でのパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール
    基であることを特徴とする請求項9記載の高分子固体電
    解質用硬化性組成物。
  11. 【請求項11】金属陽イオンが周期表1族又は2族に属
    する金属から選ばれる金属の陽イオンであることを特徴
    とする請求項9又は10記載の高分子固体電解質用硬化
    性組成物。
  12. 【請求項12】金属陽イオンがLi+である請求項9又
    は10記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  13. 【請求項13】(D)成分である電解質化合物塩が、L
    iClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3
    LiN(CF3SO22、又はLi(C25SO22
    らなる群より選ばれるものであることを特徴とする請求
    項9記載の高分子固体電解質用硬化性組成物。
  14. 【請求項14】金属陽イオンが遷移金属の陽イオンであ
    ることを特徴とする請求項9又は10記載の高分子固体
    電解質用硬化性組成物。
  15. 【請求項15】金属陽イオンがMn、Fe、Co、N
    i、Cu、Zn及びAg金属からなる群より選ばれる金
    属の陽イオンである請求項9又は10記載の高分子固体
    電解質用硬化性組成物。
  16. 【請求項16】(D)成分である電解質塩化合物が、高
    分子固体電解質用硬化性組成物1g中に0.10ミリモ
    ル〜5.0ミリモル含有されることを特徴とする請求項
    1〜15のいずれかに記載の高分子固体電解質用硬化性
    組成物。
  17. 【請求項17】請求項1〜16のいずれかに記載の高分
    子固体電解質用硬化性組成物より得られる高分子固体電
    解質。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれかに記載の高分
    子固体電解質用硬化性組成物より得られる電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000198928A (ja) * 1998-10-28 2000-07-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 高分子固体電解質用硬化性組成物
JP2003049033A (ja) * 2001-05-30 2003-02-21 Idemitsu Petrochem Co Ltd スチレン系樹脂組成物とその発泡シートおよび容器
JP2003073548A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 硬化性組成物および硬化物
JP2006269414A (ja) * 2005-02-28 2006-10-05 Shin Etsu Chem Co Ltd 電解質膜用硬化性樹脂組成物、電解質膜の製造方法及び電解質膜・電極接合体の製造方法

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