JP2016037522A - 発泡成形体用スチレン系共重合体 - Google Patents

発泡成形体用スチレン系共重合体 Download PDF

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Yuichi Shimokoba
裕一 下木場
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哲央 野口
真典 松本
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Abstract

【課題】
本発明は、新規な耐熱性に優れた発泡成形体用スチレン系共重合体及び各種発泡成形体を提供することを課題とする。
【解決手段】
芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなるスチレン系共重合体とする事で、耐熱性と強度のバランスに優れることから、耐熱性の要求される発泡成形体として有用である。共重合体の重量平均分子量(Mw)を10万〜30万とする事、共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度が110〜150℃である事が更に好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡成形体用スチレン系共重合体及び各種発泡成形体に関するものである。
ポリスチレンに代表されるスチレン系樹脂を発泡成形して得られる発泡成形体は、射出成形や押出成形によって得られる成形体に比べて軽量で、断熱性や緩衝性に優れる。これらの利点を活かしてスチレン系樹脂の発泡成形体は、農水産物容器や家電・OA機器の緩衝材(EPS:ビーズ法発泡スチロール)、食品トレーやどんぶり容器(PSP:発泡スチレンシート)、建築用断熱材や土木工法用(XPS:押出発泡ボード)等に用いられている。スチレン系樹脂として、一般のポリスチレンを使用する場合、ガラス転移温度が約100℃であることから、耐熱性が必要な用途では制限がある。耐熱性の改良技術としては下記がある。
特開平1−188537号公報 特開平10−45937号公報 特開平10−130417号公報 特開2005−247888号公報 特開2010−229205号公報
本発明は、新規な耐熱性に優れた発泡成形体用スチレン系共重合体及び各種発泡成形体を提供することを課題とする。発泡成形体の中でも自動車や家電の部材、建築用断熱材、土木工法、食品包装容器等に有用である。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなる発泡成形体用スチレン系共重合体。
(2)共重合体の重量平均分子量(Mw)が10万〜30万である(1)に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
(3)共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度が110〜150℃である(1)又は(2)に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の共重合体から得られる発泡成形体。
本発明のスチレン系共重合体は発泡成形用に有用である。耐熱性と強度のバランスに優れることから、耐熱性の要求される発泡成形体に有用である。
<用語の説明>
本願明細書の数値範囲記載において、例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
スチレン系共重合体は、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体とに由来する単位構造を有する共重合体である。
スチレン系共重合体は、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体とを共重合して得ることができる。
芳香族ビニル単量体とは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等である。これらの中でもスチレンが好ましい。芳香族ビニル単量体は、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル単量体、およびメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどの各アクリル酸エステル単量体である。これらの中でもはメチルメタクリレート単位が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体は、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アコニット酸無水物などである。これらの中でもマレイン酸無水物が好ましい。不飽和ジカルボン酸無水物単量体は、1種でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
スチレン系共重合体の構成単位は、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%であり、好ましくは芳香族ビニル単量体単位50〜73質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位15〜35質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位12〜25質量%である。
芳香族ビニル単量体単位が85質量%以下であれば、発泡成形体の耐熱性が向上する。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が45質量%以下であれば、発泡性に優れ、吸水性の低い発泡成形体が得られる。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が30質量%以下であれば、各種発泡成形が可能な流動性を有したスチレン系共重合体が得られる。一方、芳香族ビニル単量体単位が45質量%以上であれば、発泡性に優れ、発泡成形体の吸水性を抑制することができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が5質量%以上であれば、強度に優れた発泡成形体が得られる。また、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が10質量%以上であれば、耐熱性に優れた発泡成形体を得ることができる。
スチレン系共重合体として、更に、芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、および不飽和ジカルボン酸無水物単量体と共重合可能なビニル系単量体に由来する単位構造を有するものも用いることができる。共重合可能なビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド単量体などが挙げられる。共重合可能なビニル単量体は、2種類以上の併用であってもよい。
スチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10万〜30万であることが好ましく、14万〜25万であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が10万〜30万の範囲であれば、発泡成形体の強度、スチレン系共重合体の発泡性及び押出性のバランスに優れることから好ましい。また、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)は、1.6〜3.0であることが好ましい。スチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)は重合工程での重合温度、重合開始剤の種類及び添加量、連鎖移動剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量等によって制御することができる。なお、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、下記記載の測定条件における測定値である。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製した。
スチレン系共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度は、110〜150であることが好ましく、120〜145℃であることがより好ましい。ビカット軟化温度が110〜150℃の範囲であれば、耐熱性に優れる発泡成形体を得られることから好ましい。ビカット軟化温度は、JIS K7206:1999に基づき、50法(荷重50N、昇温速度50℃/時間)で試験片は10mm×10mm、厚さ4mmのものを用いた測定値である。
スチレン系共重合体の220℃、49Nで測定したメルトマスフローレート(MFR)は、0.5〜20g/分であることが好ましい。メルトマスフローレート(MFR)は、JIS K7210:1999に基づき、220℃、98N荷重にて測定した値である。
スチレン系共重合体の製造方法について説明する。重合様式においては特に限定はなく、溶液重合、塊状重合等公知の方法で製造できるが、溶液重合がより好ましい。溶液重合で用いる溶剤は、副生成物が出来難く、悪影響が少ないという観点から非重合性であることが好ましい。溶剤の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン等のエーテル類、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられるが、単量体や共重合体の溶解度、溶剤回収のし易さの観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。溶剤の添加量は、得られる共重合体量100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量部である。10質量部以上であれば、反応速度および重合液粘度を制御する上で好適であり、100質量部以下であれば、所望の重量平均分子量(Mw)を得る上で好適である。
重合プロセスは回分式重合法、半回分式重合法、連続重合法のいずれの方式であっても差し支えないが、所望の分子量範囲と透明性を得る上で回分式重合法が好適である。
重合方法は特に限定されないが、簡潔プロセスによって生産性良く製造することが可能であるという観点から、好ましくはラジカル重合法である。重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロピオニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等の公知のアゾ化合物を用いることができる。これらの重合開始剤は2種以上を併用することも出来る。これらの中でも10時間半減期温度が、70〜110℃である有機過酸化物を用いるのが好ましい。
スチレン系共重合体の重合の際、共重合組成分布が小さくなるように重合することが好ましい。芳香族ビニル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体とが強い交互共重合性を有することから、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合速度に対応するように不飽和ジカルボン酸無水物単量体を連続的に分添する方法が好適である。重合速度のコントロールについては、重合温度、重合時間、および重合開始剤添加量とで調整することが出来る。重合開始剤を連続分添すると、より重合速度をコントロールし易くなるので好ましい。共重合体組成分布を小さくすることで、耐熱性と強度のバランスに優れた共重合体及び発泡成形体を得ることができることから好ましい。共重合体組成分布は、スチレン系共重合体の透明性によって評価することができる。共重合組成分布の目安として、ASTM D1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上であることが好ましい。
さらに、好ましい重量平均分子量(Mw)の範囲である10万〜30万である共重合体を得る方法については、重合温度、重合時間、および重合開始剤添加量の調整に加えて、溶剤添加量および連鎖移動剤添加量を調整することで得ることが出来る。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンや2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。
重合液から本発明の共重合体を回収する方法については、特に限定はなく、公知の脱揮技術を用いることが出来る。例えば、重合液を二軸脱揮押出機にギヤーポンプを用いて連続的にフィードし、重合溶剤や未反応モノマー等を脱揮処理する方法が挙げられる。なお、重合溶剤や未反応モノマー等を含む脱揮成分は、コンデンサー等を用いて凝縮させて回収し、凝縮液を蒸留塔にて精製することで、重合溶剤は再利用することが可能である。
スチレン系共重合体には、必要に応じて、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物などの耐熱安定剤、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の耐光安定剤、滑剤や可塑剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油等の添加剤を加えても構わない。その添加量はスチレン系共重合体100質量部に対して1質量部未満であることが好ましい。これらの添加剤は単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。これらの添加剤は、共重合体の製造時や共重合体の成形加工時に添加することができる。
本発明のスチレン系共重合体は、発泡成形体用である。発泡成形体とは、樹脂のマトリックスの中に気泡(セル)が多数分散したものである。発泡成形体には、気泡が独立した独立気泡体と気泡が連続した連続気泡体がある。剛性、断熱性が必要な用途には独立気泡体が用いられ、フィルターのように液体や気体を通す必要があるときや、柔軟性、防音性が要求される用途には連続気泡体が用いられる。樹脂中に気泡構造を持たせる方法はいくつかあり、樹脂中に溶解したガス(物理発泡剤)から気泡を発生させる方法や樹脂中に分散させた化学発泡剤の熱分解によって気泡を発生させる方法が挙げられる。
発泡成形体を得る方法は、押出発泡法、ビーズ発泡法、射出発泡法、バッチ発泡法等である。押出発泡法は、押出機を用いて発泡成形体を得る方法であり、押出機内で溶融した樹脂に発泡剤を溶解或いは分散させて、所定の温度に樹脂温度を調整した後、ダイスより連続的に発泡成形体を得る方法である。押出発泡法によって得られるスチレン系樹脂発泡成形体としては、食品トレーやどんぶり容器等に用いられる発泡スチレンシート(PSP)や建築用断熱材や土木工法に用いられる押出発泡ボード(XPS)がある。
ビーズ発泡法は、樹脂に発泡剤を含浸した原料ビーズを予備発泡させた後、金型に予備発泡粒子を充填し、蒸気加熱によって発泡成形体を得る方法である。ビーズ発泡法では、金型形状を変えることで様々な形状の製品を作ることができる。原料ビーズの作製方法は、懸濁重合によって得られた樹脂ビーズに発泡剤を含浸する方法、直径1mm程度の樹脂ミニペレットに発泡剤を含浸する方法、押出機或いはスタティックミキサーを用いて溶融樹脂に発泡剤を含浸し、ダイスから押出した発泡剤を含有する樹脂を発泡しないように急冷する方法がある。ビーズ発泡法によって得られる発泡成形体は、自動車や家電の部材、農産品物容器、家電・OA機器の緩衝材等に使用されており、ポリスチレンの場合は、ビーズ法発泡スチロール(EPS)と呼ばれている。
物理発泡剤は、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコールなどのアルコール類、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素等の無機ガスや水等である。化学発泡剤は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム、クエン酸等である。物理発泡剤或いは化学発泡剤は、1種でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
発泡成形体を作製する際、スチレン系共重合体にMBS樹脂やABS樹脂等のゴム強化スチレン系樹脂やSBS等のスチレン系熱可塑性エラストマーを含有してもよい。また、スチレン系共重合体と相溶するポリメチルメタクリレート(PMMA樹脂)やAS樹脂を含有してもよい。
発泡成形の際、気泡(セル)のサイズや数を制御するため、発泡核剤を用いることができる。発泡核剤は、タルク、炭酸カルシウム、クレー等の無機物粉末があり、単独あるいは混合物を用いることができる。気泡径を小さくする効果が大きく、安価という点でタルクが最も好ましい。発泡核剤の添加方法は特に制限は無く、直接押出機の供給孔に添加しても良いし、スチレン系共重合体と共に添加することもできる。また、スチレン系共重合体或いはスチレン系共重合体と相溶する樹脂(PMMA樹脂やAS樹脂など)を基材とした発泡核剤のマスターバッチを作成して、添加することができる。また、高級脂肪酸金属塩やエチレンビスステアリルアミド等の滑剤を添加することで、スチレン系共重合体中への発泡核剤の分散性を向上させることができる。
以下、詳細な内容について実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<共重合体(A−1)の製造例>
マレイン酸無水物が20質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.4kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート11.2kg、t−ドデシルメルカプタン30g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて87℃まで昇温した。昇温後87℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.8kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを30g添加した。20%マレイン酸無水物溶液は、そのまま1.8kg/時の分添速度を維持しながら、8.25℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体(A−1)をC−13NMR法により組成分析を行った。さらにGPC装置にて分子量測定を行った。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、射出成形機にて2mm厚みの鏡面プレートを成形し、ヘーズメーターにて全光線透過率を測定結果、91.2%であった。
<共重合体(A−2)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン40gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−2)を得た。得られた共重合体(A−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は91.8%であった。
<共重合体(A−3〉の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液3.4kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート9.2kg、t−ドデシルメルカプタン60gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.55kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.55kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で30.6kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−3)を得た。得られた共重合体(A−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は91.1%であった。
<共重合体(A−4)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液3.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート8.4kg、t−ドデシルメルカプタン32gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.85kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.85kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で34.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−4)を得た。得られた共重合体(A−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は90.2%であった。
<共重合体(A−5)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液5kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート6kg、t−ドデシルメルカプタン50gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を3.75kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま3.75kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で45kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−5)を得た。得られた共重合体(A−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は90.0%であった。
<共重合体(A−6)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン30.4kg、メチルメタクレリレート3kg、t−ドデシルメルカプタン36gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.4kg/時、メチルメタクリレート56g/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に10時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを60g添加した。20%マレイン酸無水物溶液およびメチルメタクリレートは、各々そのまま1.4kg/時、56g/時の分添速度を維持しながら、4℃/時の昇温速度で9時間かけて124℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は積算で25.2kgになった時点で、メチルメタクリレートの分添は積算で1kgになった時点で、各々の分添を停止した。昇温後、1時間124℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−6)を得た。得られた共重合体(A−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は89.8%であった。
<共重合体(A−7)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン13.8kg、メチルメタクレリレート16kg、t−ドデシルメルカプタン48gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.8kg/時、スチレン0.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを20g添加した。20%マレイン酸無水物溶液およびスチレンは、各々そのまま2.8kg/時、0.5kg/時の分添速度を維持しながら、10℃/時の昇温速度で3時間かけて118℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は積算で25.2kgになった時点で、スチレンの分添は積算で4.5kgになった時点で、各々の分添を停止した。昇温後、1時間118℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−7)を得た。得られた共重合体(A−7)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は89.5%であった。
<共重合体(B−1)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液8kg、スチレン0.8kg、メチルメタクレリレート17.6kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを10g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.5kg/時の分添速度を維持しながら、16℃/時の昇温速度で2時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で20kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−1)を得た。得られた共重合体(B−1)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は88.8%であった。
<共重合体(B−2)の製造例>
マレイン酸無水物が10質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた10%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、10%マレイン酸無水物溶液2kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート14kg、t−ドデシルメルカプタン48g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて90℃まで昇温した。昇温後90℃を保持しながら、10%マレイン酸無水物溶液を1.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。10%マレイン酸無水物溶液はそのまま1.5kg/時の分添速度を維持しながら、7.5℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。10%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−2)を得た。得られた共重合体(B−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は90.1%であった。
<共重合体(B−3)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液4.9kg、スチレン29kg、メチルメタクレリレート4.3kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水物溶液を4.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。25%マレイン酸無水物溶液はそのまま3.75kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。25%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で44kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−3)を得た。得られた共重合体(B−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は88.6%であった。
<共重合体(B−4)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.2kg、スチレン35.2kg、t−ドデシルメルカプタン30g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を0.76kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に15時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを60g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま0.76kg/時の分添速度を維持しながら、4℃/時の昇温速度で9時間かけて128℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18.24kgになった時点で停止した。昇温後、1時間128℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−4)を得た。得られた共重合体(B−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は88.0%であった。
<実施例・比較例>
前記製造例で記した共重合体(A−1)〜(A−7)、共重合体(B−1)〜(B−4)について、以下の評価を行った。評価結果を表1と表2に示す。
(ビカット軟化点)
ビカット軟化点は、JIS K 7206:1999に基づき、50法(荷重50N、昇温速度50℃/時間)で試験片は10mm×10mm、厚さ4mmのものを用いて測定した。なお、測定機は東洋精機製作所社製HDT&VSPT試験装置を使用した。
(吸水率)
吸水率は、JIS K 7209−2:2000に基づき、60mm×60mm、厚さ1mmの試験片を用いて、23℃水中にて飽和吸水率を測定した。
(メルトマスフローレイト)
メルトマスフローレイトは、JIS K 7210:1999に基づき、220℃、98N荷重にて測定した。
(発泡成形体の作製)
スチレン系共重合体100質量部に対して、発泡核剤としてタルクを0.2質量部添加した後ドライブレンドした。得られた混合物を65mm径の二軸押出機(シリンダー温度240℃)に50kg/hrで供給し、溶融混合した後、発泡剤としてブタンガス5質量部を圧入した。その後、90mm径の単軸押出機に移送し、出口の樹脂温度がビカット軟化温度+30℃となるよう冷却し、押出機の先端に厚さ2mm、幅方向50mmの長方形断面のスリットを有するダイより押出して、厚さ約30mmの板状の発泡成形体を製造した。なお、発泡成形体の密度が32kg/m、気泡径が0.4mmとなるよう発泡剤と発泡核剤の量を調整した。共重合体(B−3)については、流動性が著しく低く、押出不可であった。
(発泡成形体の気泡径と発泡性)
気泡径は、得られた発泡成形体の断面を顕微鏡により観察し、計測した。また、同時に次の基準に従い発泡性の判定を行った。
○:気泡のサイズが均一で独立している。
△:気泡のサイズがやや不均一で、一部連続した気泡が存在する。
×:気泡のサイズが不均一で、一部連続した気泡がやや多く存在する。
(発泡成形体の耐熱性)
製造後30日経過した発泡成形体を厚さ25mm、100mm角に切り出し、100℃の温風乾燥機にて24時間加熱した。加熱前の体積を100%とし、加熱前と加熱後の体積変化率を示した。収縮の場合をマイナス、膨張の場合をプラスとした。
(発泡成形体の圧縮強さ)
発泡体の圧縮強さは、製造後30日経過した発泡成形体を用い、JIS K 7220:2006に準じた方法で測定した。
Figure 2016037522
Figure 2016037522

実施例は、発泡性に優れ、耐熱性と圧縮強度に優れた発泡成形体を得ることができる。一方、比較例では、発泡性、耐熱性、圧縮強度のうち、いずれかの物性が劣るものであった。
本発明のスチレン系共重合体は、耐熱性の要求される発泡成形体用途に好適であり、自動車や家電の部材、建築用断熱材、土木工法、食品包装容器等に有用である。


Claims (4)

  1. 芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなる発泡成形体用スチレン系共重合体。
  2. 共重合体の重量平均分子量(Mw)が10万〜30万である請求項1に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
  3. 共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度が110〜150℃である請求項1又は2に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体から得られる発泡成形体。


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