JP2009029871A - スチレン系樹脂組成物及び発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
従来に比べ軽量化され、二次成形性が良好で外観にも優れるスチレン系樹脂発泡シートを製造することが可能なスチレン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
特定範囲の流動性(メルトフローレート)及び溶融張力値を有し、かつ特定範囲の分子量及び分子量分布を有したスチレン系樹脂組成物を用いることにより、従来に比べ軽量化され、外観に優れたスチレン系樹脂発泡シートを製造することができる。また、二次成形性にも優れているため、二次成形時の生産性も従来と同等以上で、深絞り成形性も良好である。
【選択図】なし
Description
1.200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトフローレート(MFR)が3.0g/10分以下で、200℃で測定した溶融張力値が17gf以上で、重量平均分子量(Mw)が35万以上で、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.20以上であることを特徴とする発泡用スチレン系樹脂組成物。
2.上記1項に記載のスチレン系樹脂組成物を発泡押出し、厚さが0.5〜4.0mmであり、密度が70kg/m3以下であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
3.スチレン系樹脂発泡シートの重量平均分子量(Mw)が30万以上であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.20以上であることを特徴とする上記2項に記載のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
4.上記2又は3項に記載の製造方法によって得られるスチレン系樹脂発泡シート。
5.上記4項に記載のスチレン系樹脂発泡シートを成形してなる食品包装用容器。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
本発明の分子量はポ、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
完全混合型撹拌槽である第1反応器と第2反応器及び静的混合器付プラグフロー型反応器である第3反応器を直列に接続して重合工程を構成した。スチレン96.5質量%、エチルベンゼン3.5質量%の混合溶液を作成し、スチレンに対して2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを質量基準で250ppm混合し、原料溶液とした。2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。この原料溶液を毎時15.7kgの割合で第1反応器へ連続的に供給した。各反応器の容量は、第1反応器を39リットル、第2反応器を39リットル、第3反応器を16リットルとした。各反応器の反応温度は、第1反応器で109℃、第2反応器で112℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で158℃、出口部分で158℃となるよう調整した。続いて、第3反応器より連続的に取り出した重合体を含む溶液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、ストランド状に押し出しして冷却した後、切断してペレットとした。なお、1段目の脱揮槽内の樹脂温度は160℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は67kPaとし、2段目の脱揮層内の樹脂温度は240℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は0.7kPaとした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液を毎時14.0kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で107℃、第2反応器で109℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で165℃、出口部分で165℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液を毎時14.7kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で107℃、第2反応器で111℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で167℃、出口部分で167℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS―1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液を毎時17.3kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で111℃、第2反応器で115℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で160℃、出口部分で160℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液を毎時16.3kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で109℃、第2反応器で112℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で167℃、出口部分で167℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液として、スチレン84.0質量%、エチルベンゼン16.0質量%の混合溶液を作成し、スチレンに対して2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを質量基準で380ppm混合し、原料溶液を毎時13.1kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で116℃、第2反応器で126℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で145℃、出口部分で160℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液として、スチレン84.0質量%、エチルベンゼン16.0質量%の混合溶液を作成し、スチレンに対して2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを質量基準で380ppm混合し、原料溶液を毎時11.5kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で116℃、第2反応器で122℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で135℃、出口部分で145℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液として、スチレン84.0質量%、エチルベンゼン16.0質量%の混合溶液を作成し、スチレンに対して2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを質量基準で380ppm混合し、原料溶液を毎時15.0kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で120℃、第2反応器で130℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で150℃、出口部分で165℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
原料溶液として、スチレン95.0質量%、エチルベンゼン5.0質量%の混合溶液を作成し、スチレンに対して2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを質量基準で200ppm混合し、原料溶液を毎時16.3kgの割合で第1反応器へ連続的に供給し、反応温度を第1反応器で112℃、第2反応器で116℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で170℃、出口部分で178℃となるよう調整した以外は、スチレン系樹脂組成物PS−1と同様とした。得られたスチレン系樹脂組成物の特性を表1に示す。
GPPSとタルク、ステアリン酸マグネシウム、流動パラフィンを50/45/3(質量比)でタンブラーにて5分間混合した。長田製作所製押出機OCM100を用いて、混合した組成物をニーダー回転数250rpm、ニーダーシリンダー温度150〜180℃、ルーダー回転数60rpm、ルーダーシリンダー温度180℃、吐出量約400kg/hrの条件にて、溶融混錬して、ペレット化した。GP−PSは、東洋スチレン株式会社製 トーヨースチロールG320Cを使用した(メルトフローレート 4.0g/10分、ビカット軟化温度101℃、数平均分子量(Mn)9.1万、重量平均分子量(Mw)27.1万、Z平均分子量(Mz)53.0万)。タルクはキハラ化成株式会社製SP−GPSSを使用した。得られた組成物の名称をタルク MBとする。
スチレン系樹脂組成物PS−1:98.0質量%とタルク MB:2.0質量%からなる組成物を115mm径単軸押出機(シリンダー温度230℃)に150kg/時間で供給し、溶融混合した後、発泡剤としてイソブタンとノルマルブタンからなる60/40(質量比)の混合ブタンを押出機に供給される樹脂組成物に対して約5質量%圧入した。その後、180mm径単軸押出機に移送して、押出機出口の樹脂温度を150℃まで冷却後、サーキュラー・ダイスより押出して発泡させ、発泡剤の添加量を徐々に増やして発泡倍率を上げていったところ、最も密度の低い状態で、密度64kg/m3の発泡シートに調整することができた。シートの厚みについては2.0mmに調整した。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−2:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度62kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−3:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度65kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−4:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度70kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−5:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度68kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−6:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度71kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−7:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度68kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−8:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度77kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
スチレン系樹脂組成物PS−9:98質量%とタルク MB:2.0質量%とした以外は実施例1と同様としたところ、最も密度の低い状態で、密度80kg/m3となった。得られた発泡シートの特性を表1に示す。
Claims (5)
- 200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトフローレート(MFR)が3.0g/10分以下で、200℃で測定した溶融張力値が17gf以上で、重量平均分子量(Mw)が35万以上で、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.20以上であることを特徴とする発泡用スチレン系樹脂組成物。
- 請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物を発泡押出し、厚さが0.5〜4.0mmであり、密度が70kg/m3以下であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
- スチレン系樹脂発泡シートの重量平均分子量(Mw)が30万以上で、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.20以上であることを特徴とする請求項2記載のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
- 請求項2又は3に記載の製造方法によって得られるスチレン系樹脂発泡シート。
- 請求項4記載のスチレン系樹脂発泡シートを成形してなる食品包装用容器。
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