JP5913917B2 - 高分岐型発泡用スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
上記したように不飽和結合を分子内に有する化合物にて末端変性したものは、式(a1)で表わされる構造単位の他に、末端の不飽和結合含有構造単位(a2)もビニル基を有するので、両者の合計のモル分率(a3)が、0.10〜0.50であることがよい。
多官能ビニル共重合体は分子量に分布を持つ重合体であり、当然、その慣性半径も分布を有しているため、重量平均分子量における慣性半径を全体の慣性半径の平均値として採用するものである。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
上記分子量の測定は単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex DS−4
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:室温
検出器:示差屈折計
MALS機種:Wyatt Technology社製 DAWN DSP−F
波長:633nm(He−Ne)
上記分岐比gMは標準直鎖多分散ポリスチレン(昭和電工製:NBS706)の分岐比gMを1とした場合に対する数値を算出したものである。
ガスクロマトグラフ:HP−5890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−WAX、0.25mm×30m、膜厚0.5μm
インジェクション温度:220℃
カラム温度:60℃〜150℃、10℃/min
ディテクター温度:220℃
スプリット比:30/1
残存スチレンモノマー及び重合溶媒は、脱揮工程の構成及び脱揮工程の運転条件により、低減することができ、二段脱揮或いは二段注水脱揮などの構成とすることで好ましい範囲に調整することができる。
メタノール可溶分(質量%)=(P−N)/P×100
ジビニルベンゼン3.1モル(399.4g)、エチルビニルベンゼン0.7モル(95.1g)、スチレン0.3モル(31.6g)、2−フェノキシエチルメタクリレート2.3モル(463.5g)、トルエン974.3gを3.0Lの反応器内に投入し、50℃で42.6gの三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を添加し、6.5時間反応させた。重合反応を炭酸水素ナトリウム溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、多官能ビニル共重合体(架橋剤A)372.5gを得た。この架橋剤Aはトルエンに可溶で、そのMwは8000で、ジビニル化合物由来のビニル基を含有する構造単位(a1)のモル分率は0.44、末端の2−フェノキシエチルメタクリレート由来の二重結合(a2)は0.03、両者を合わせた合計のモル分率(a3)は0.47であった。また重量平均分子量8000における共重合体の慣性半径は6.4nmであった。本共重合体の二重結合のモル分率と慣性半径の比は13.6であり、かつ、直鎖型の分子量8000における慣性半径が15nmであることと比較すると架橋剤Aは分岐構造をとっていることがわかる。
発泡用スチレン系樹脂組成物PS−1〜PS−13を製造するため、完全混合型撹拌槽である第1反応器と第2反応器及び静的混合器付プラグフロー型反応器である第3反応器を直列に接続して重合工程を構成した。各反応器の容量は、第1反応器を39L、第2反応器を39L、第3反応器を16Lとした。表1に記載の原料組成にて、原料溶液を作成し、第1反応器に原料溶液を表1に記載の流量にて連続的に供給した。重合開始剤、連鎖移動剤、架橋剤は、第1反応器の入口で表1に記載の添加濃度(原料スチレンに対する質量基準の濃度)となるように原料溶液に添加し、均一混合した。表1中、t−ドデシルメルカプタンは連鎖移動剤であり、重合開始剤−1は、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油株式会社製パーヘキサC)であり、重合開始剤−2は、2,2−ジ(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(日油株式会社製パーテトラA)である。また架橋剤Aは、前述の合成例に記載した多官能ビニル共重合体、DVBはジビニルベンゼンである。なお、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分、出口部分で表1の温度となるよう調整した。
続いて、第3反応器より連続的に取り出した重合体を含む溶液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、表1に記載の樹脂温度となるよう予熱器の温度を調整し、表1に記載の圧力に調整することで、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、多孔ダイよりストランド状に押し出しして、コールドカット方式にて、ストランドを冷却および切断しペレット化した。得られたペレットは、発泡用スチレン系樹脂組成物のペレットである。なお、PS−1〜4は実施例であり、PS−5〜13は比較例である。
スチレン系樹脂組成物PS−1と発泡核剤としてタルクをスチレン系樹脂組成物に対して2重量部を1段目の単軸押出機(シリンダー温度210℃)に供給し、溶融混合した後、発泡剤としてイソブタンとノルマルブタンからなる60/40(質量比)の混合ブタンを押出機に供給される樹脂組成物に対して約4質量%圧入した。その後、2段目の単軸押出機に移送して、押出機出口の樹脂温度を140℃まで冷却後、サーキュラー・ダイスより押出して発泡させ、発泡剤の添加量を徐々に増やして発泡倍率を上げていったところ、最も密度の低い状態で、密度70kg/m3の発泡シートに調製することができた。なお、気泡セル径が0.2〜0.3mmになるようタルクの添加量を調整した。シートの厚みについては2.0mmに調整した。得られた発泡シートの特性を表2に示す。
表2に示した発泡用スチレン系樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして発泡シートを得て、発泡シートを使用して容器を真空成形して、評価した。ここで、発泡剤の添加量により発泡倍率を調整し、最も密度の低い状態で評価を行った。
Claims (3)
- スチレンを必須とするモノビニル化合物に、ジビニル芳香族化合物とこれと共重合可能なモノビニル芳香族化合物とを重合して得られ、下記式(a1)で表されるジビニル化合物由来のペンダントビニル基含有単位を構造単位中にモル分率として0.10〜0.50の範囲で含有し、
その重量平均分子量における慣性半径(nm)と上記モル分率の比が10〜80の範囲内にあり、平均して1分子中にビニル基を2以上有し、分岐構造を有する溶剤可溶性多官能ビニル共重合体を、重量基準で100ppm〜3000ppm添加した原料溶液を、1個以上連続して配置された重合反応器に、連続的に供給して重合反応を進行させて、該溶剤可溶性多官能ビニル共重合体と該モノビニル化合物が共重合して生じる高分岐型超高分子量共重合体と該モノビニル化合物が重合して生じる線状重合体とを含むスチレン系樹脂組成物であって、重量平均分子量(Mw)が20万〜50万で、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.2〜5.0、分子量100万〜150万における分岐比gMが0.85〜0.40であるスチレン系樹脂組成物を得ることを特徴とする0.5〜4.0mm厚みの押出発泡シートを成形後に二次成形して発泡容器とするための高分岐型発泡用スチレン系樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1に記載の高分岐型発泡用スチレン系樹脂組成物の製造方法で高分岐型発泡用スチレン系樹脂組成物を得て、これを発泡剤、発泡核剤とともに0.5〜4.0mm厚みのシート状に発泡押出し成形することを特徴とする発泡容器とするためのスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
- 請求項2に記載のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法でスチレン系樹脂発泡シートを得て、これを容器状に成形することを特徴とする食品包装用容器の製造方法。
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