JP6203973B1 - 耐熱スチレン系樹脂組成物、発泡シート、及び食品容器 - Google Patents

耐熱スチレン系樹脂組成物、発泡シート、及び食品容器 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、強度、深絞り成形性に優れる耐熱スチレン系樹脂組成物に関するものであり、発泡シートを軽量化した場合でも、レンジアップ時の加熱変形が少なく、腰強度の良好な深絞り成形品が得られるため、容器の薄肉軽量化が可能で、食品包装容器として好適に使用できる耐熱スチレン系樹脂組成物を提供する。【解決手段】スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)を含む耐熱スチレン系樹脂組成物であって、スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の配合割合が、スチレン系樹脂(a)65〜95質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)5〜35質量%であり、迅速ソックスレー溶媒抽出法で測定したメタノール抽出分が0.15〜1.5質量%であり、220℃で測定した溶融張力値(MT)が12〜25gfである耐熱スチレン系樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、強度、深絞り成形性に優れる耐熱スチレン系樹脂組成物、及び該耐熱スチレン系樹脂組成物を成形してなる発泡シート及び食品容器に関する。
ポリスチレン系樹脂の発泡シートは軽量性、断熱性、剛性に優れ外観も美麗な事から、食品トレーや弁当容器、即席めんカップ容器等に加工され、食品包装用途で幅広く使用されている。
一方、近年、惣菜容器や弁当容器は、冷蔵状態のものを電子レンジで加熱して使用されることが多く、特に、コンビニエンスストア等では、加熱時間の短縮による業務の効率化のため、高出力の電子レンジが使用されることが多いため、こうした容器には、高い耐熱性が要求される。また、省資源化のため、発泡シートの軽量化が求められており、更には、内容物の増量に伴う容器の大型化や意匠性の観点から、深絞り成形性の向上が望まれている。
ポリスチレン系樹脂の耐熱性を改善する方法として、特許文献1にはポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂を混合して使用する方法が開示されている。また、特許文献2には、発泡シートの耐熱性と2次加工性を両立させるために、分岐構造を有する特定のポリスチレン系樹脂をポリフェニレンエーテル系樹脂とブレンドする方法が開示されている。
特開2008−94919号公報 特開2011−246588号公報
しかしながら、上記文献記載の従来技術では、耐熱性を維持したまま、発泡シートの軽量化をおこなった場合、発泡シートを構成する樹脂量の減少に伴い、深絞り成形時の亀裂や破れが生じ易くなり、更には、発泡シートの脆性悪化による割れや、容器の腰強度が低下する問題があった。したがって、発泡シートの軽量化による強度低下が少なく、耐熱性、深絞り成形性に優れた樹脂組成物が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、上記に記載したスチレン系樹脂発泡シートの耐熱性、強度、深絞り成形性のバランスに優れるという課題を達成することを目的とする。
本発明者らは、上記に記載したスチレン系樹脂発泡シートの耐熱性、強度、深絞り成形性のバランスに優れるという課題を達成するため、鋭意研究を進めたところ、スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂を特定の比率で混合し、該樹脂組成物のメタノール抽出分、溶融張力値を特定の範囲とする事で、前記目的が達成されることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、下記(1)〜(6)に示すところである。
(1)スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)を含む耐熱スチレン系樹脂組成物であって、スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の配合割合が、スチレン系樹脂(a)65〜95質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)5〜35質量%であり、迅速ソックスレー溶媒抽出法で測定したメタノール抽出分が0.15〜1.5質量%であり、220℃で測定した溶融張力値(MT)が12〜25gfである耐熱スチレン系樹脂組成物。
(2)ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の、30℃のクロロホルム中で測定した極限粘度が、0.3〜0.6dl/gである、前記(1)に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
(3)スチレン系樹脂(a)に含まれる、分子量100万以上の成分の割合が6〜20質量%である、前記(1)又は(2)に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
(4)スチレン系樹脂(a)に含まれる、分子量5万以下の成分の割合が5〜15質量%である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
(5)ビカット軟化温度が110〜130℃である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の耐熱スチレン系樹脂組成物を発泡押出してなる、発泡シート。
(7)前記(6)に記載の発泡シートを成形してなる食品容器。
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物は、耐熱性、強度、深絞り成形性のバランスに優れる発泡シートを得ることができ、発泡シートを軽量化した場合でも、耐熱性、腰強度の良好な深絞り成形品が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<耐熱スチレン系樹脂組成物>
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)を含む耐熱スチレン系樹脂組成物であって、スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の配合割合が、スチレン系樹脂(a)65〜95質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)5〜35質量%である。スチレン系樹脂(a)が65質量%未満の場合、発泡シートの強度と深絞り成形性、及びシート外観が低下する。また、スチレン系樹脂(a)が95質量%を超える場合、耐レンジアップ性が不十分となる。
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物は、迅速ソックスレー溶媒抽出法で測定したメタノール抽出分が0.15〜1.5質量%である。メタノール抽出分が0.15質量%未満の場合、発泡シートの深絞り成形性、容器圧縮強度が低下する。また、メタノール抽出分が1.5質量%を超える場合、発泡シートの脆性が悪化する場合がある。メタノール抽出分は樹脂組成物に含まれるメタノールに可溶な成分を指し、樹脂の重合工程で生成するオリゴマー成分や重合溶媒等の低分子量成分、流動パラフィン、シリコーンオイル等の各種添加剤成分等が含まれる。メタノール抽出分は、スチレン系樹脂(a)の重合工程、脱揮工程で副生成するスチレンオリゴマー(スチレンダイマー、スチレントリマー)の発生量、流動パラフィン等の各種添加剤の添加量、残存スチレンモノマー及び重合溶媒の量により調整することができる。
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物は、220℃で測定した溶融張力値(MT)が12〜25gfであり、好ましくは13〜24gfである。溶融張力値(MT)が12gf未満の場合、発泡シートの深絞り成形性、容器圧縮強度が低下する。溶融張力値(MT)が25gfを超える場合、2次成形時にナキが発生し易くなるため、好ましくない。
<スチレン系樹脂(a)>
本発明のスチレン系樹脂(a)の200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレート(MFR)は、0.1〜3.0g/10分が好ましく、0.2〜2.0g/10分であることが更に好ましく、0.5〜1.5g/10分であることが特に好ましい。メルトマスフローレート(MFR)が0.1g/10分未満では、発泡シートの深絞り成形性が低下し、3.0g/10分を超えると発泡シートの強度が低下するため好ましくない。
本発明のスチレン系樹脂(a)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が34万〜60万であることが好ましく、35万〜50万であることが更に好ましい。Mwが34万未満では発泡シートの強度と深絞り成形性が低下し、Mwが60万を超える場合には流動性が低下するため好ましくない。スチレン系樹脂(a)のMwは、重合工程の反応温度、滞留時間、重合開始剤の種類及び添加量、連鎖移動剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量によって調整することができる。
本発明のスチレン系樹脂(a)は、分子量100万以上の成分の割合が6〜20質量%であることが好ましく、分子量100万以上の成分の割合が7〜15質量%であることが更に好ましい。分子量100万以上の成分の割合が6質量%未満、もしくは20質量%を超える場合、深絞り成形性が低下する。スチレン系樹脂(a)の分子量割合は、重合工程の反応温度、滞留時間、重合開始剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量、連鎖移動剤の種類及び量によって調整することができるが、これらの条件に加えて複数のビニル基を有する化合物を重合工程のいずれかで添加することで、分子量100万以上の成分を効率よく生成することができる。
本発明のスチレン系樹脂(a)は、分子量5万以下の成分の割合が5〜15質量%であることが好ましく、分子量5万以下の成分の割合が6〜14質量%であることが更に好ましく、分子量5万以下の成分の割合が8〜13質量%であることが特に好ましい。分子量5万以下の割合が5質量%未満の場合、発泡シートの深絞り成形性が低下し、分子量5万以下の割合が15質量%を超える場合、発泡シートの強度が低下するため好ましくない。スチレン系樹脂(a)の分子量割合は、重合工程の反応温度、滞留時間、重合開始剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量、連鎖移動剤の種類及び量によって調整することができる。
本発明のスチレン系樹脂(a)は原料としてスチレンモノマーを必須成分(必須の含有成分)とするが、スチレンの単独重合体の他に、スチレンと共重合可能なビニル系モノマーを50質量%以下の割合で含んでいても良い。ビニル系モノマーの例としてはαメチルスチレンやp−メチルスチレン等の置換スチレンやアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系モノマー、無水マレイン酸等が挙げられる。
本発明のスチレン系樹脂(a)の重合方法としては塊状重合法、溶液重合、懸濁重合法等の公知のスチレン重合法が挙げられる。また、溶媒として例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレン等のアルキルベンゼン類やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等が使用できる。反応器の様式としては、完全混合型反応器、プラグフロー反応器、ループ型反応器等を組み合わせた連続重合方式が好適に用いられる。
本発明のスチレン系樹脂(a)を製造する際には、重合反応の制御の観点から、必要に応じて重合溶媒、有機過酸化物等の重合開始剤や脂肪族メルカプタン等の連鎖移動剤を使用することができる。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、公知慣用の例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ジ(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシイソノナノエート等のアルキルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ポリエーテルテトラキス(t-ブチルパーオキシカーボネート)等のパーオキシカーボネート類、N,N'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、N,N'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、N,N'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、N,N'−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、脂肪族メルカプタン、芳香族メルカプタン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー及びテルピノーレン等の単官能連鎖移動剤や、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール水酸基をチオグリコール酸、またはメルカプトプロピオン酸でエステル化した多官能メルカプタン類等の多官能連鎖移動剤が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のスチレン系樹脂(a)の重合方法では、複数のビニル基を有する化合物を、質量基準で10ppm〜1000ppm添加することが好ましい。複数のビニル基を有する化合物としては、例えば、ジビニルベンゼンなどのジビニル芳香族化合物類、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物類、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物類、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物類、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物類、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等のテトラメタクリレート化合物類、多官能ビニル共重合体等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
多官能ビニル共重合体は、特開2004−123873号公報、特開2005−213443号公報、WO2009/110453等に開示されている方法に準じて得ることができる。具体的には、ジビニル化合物と少なくとも1種以上のモノビニル化合物を使用し、共重合させて、式(a1)で示される反応性のペンダントビニル基を有する共重合体を得るものである。さらに、上記特許文献に記載されるように末端にビニル基以外の他の末端基が導入されたものを使用することもでき、特にフェノキシメタクリレート類のような不飽和結合を分子内に有する化合物にて末端変性されたものは(a1)以外にも架橋点として作用することが可能となるため好ましい。この場合は、末端の不飽和結合含有構造単位(a2)もビニル基を有するので、式(a1)の構造単位との合計のモル分率(a3)は、全体のビニル基の存在量を示すことになる。

(式中、R1はジビニル芳香族化合物に由来する芳香族炭化水素基を示す。)
多官能ビニル共重合体を得るために使用するジビニル化合物としては、ジビニルベンゼンに代表されるジビニル芳香族化合物類やエチレングリコールジ(メタ)アクリレートに代表される脂肪族、脂環式(メタ)アクリレート類等が例示される。
また、ここで使用するモノビニル化合物としては、スチレン等のモノビニル芳香族化合物を含むビニル系モノマー類が挙げられる。
多官能ビニル共重合体の製造方法としては、例えば、ジビニル芳香族化合物、モノビニル芳香族化合物及び他のモノビニル化合物から選ばれる2種以上の化合物を、ルイス酸触媒、エステル化合物から選ばれる助触媒の存在下、カチオン共重合させることにより得ることができる。また(メタ)アクリレート系のジビニル、モノビニル化合物を使用する場合は、カチオン重合では反応が進行しないため過酸化物等のラジカル触媒の存在下でラジカル重合することにより得ることができる。
ジビニル化合物とモノビニル化合物の使用量は、本発明で使用される多官能ビニル共重合体の組成を与えるように決められるが、ジビニル化合物を、好ましくは全単量体の10〜50モル%、より好ましくは30〜50モル%使用する。モノビニル化合物を好ましくは全単量体の90〜50モル%、より好ましくは70〜50モル%使用する。ここで、2−フェノキシエチルメタクリレートのようなカチオン重合においては末端変性剤として作用するものは単量体としては計算しない。
多官能ビニル共重合体の製造で用いられるルイス酸触媒としては、金属イオン(酸)と配位子(塩基)からなる化合物であって、電子対を受け取ることのできるものであれば特に制限なく使用できる。分子量及び分子量分布の制御及び重合活性の観点から、三フッ化ホウ素のエーテル(ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等)錯体が最も好ましく使用される。ルイス酸触媒は単量体化合物1モルに対して、0.001〜10モルの範囲内で用いるが、より好ましくは0.001〜0.01モルである。ルイス酸触媒の使用量が過大であると、重合速度が大きくなりすぎるため、分子量分布の制御が困難となるので好ましくない。
助触媒としてはエステル化合物から選ばれる1種以上が挙げられる。その中で、重合速度及び共重合体の分子量分布制御の観点から炭素数4〜30のエステル化合物が好適に使用される。入手の容易さの観点から、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチルが好適に使用される。助触媒は単量体化合物1モルに対して0.001〜10モルの範囲内で使用するが、より好ましくは0.01〜1モルである。助触媒の使用量が過大であると、重合速度が減少し、共重合体の収率が低下する。一方、助触媒の使用量が過少であると、重合反応の選択性が低下し、分子量分布の増大、ゲルの生成等が生じる他、重合反応の制御が困難となる。
また、ラジカル重合で多官能ビニル共重合体を製造する際に用いられる触媒としては、アゾビスイソブチロニトリルに代表されるアゾ系化合物、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の単官能性の過酸化物や1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンのような2官能性以上の多官能性の過酸化物が例示され、単独または2種以上を併用して使用することができる。
本発明で使用する多官能ビニル共重合体は上記のような製造方法で得ることができるが、単量体として使用するジビニル化合物のビニル基の一部は重合させずに残すことが必要である。そして、少なくとも平均して1分子中に2以上、好ましくは3以上のビニル基が存在するようにする。このビニル基は主として上記式(a1)で表わされる構造単位として存在する。そして、ビニル基の一部は重合させずに残すことにより架橋反応を抑制し、溶剤可溶性を与えることができる。ここで、溶剤可溶性とは、トルエン、キシレン、THF(テトラヒドロフラン)、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であることをいい、具体的にはこれらの溶媒100gに、25℃において5g以上が溶解し、ゲルが発生しないことをいう。一方、ジビニル化合物の一部は2つビニル基が反応して架橋又は分岐することが必要であり、これにより分岐構造を有する共重合体とすることができる。このように、ジビニル化合物の一部については2つのビニル基の一つは反応させ、一つは重合させずに残し、他の一部については2つのビニル基を共に反応させることにより本発明で使用する多官能ビニル共重合体を得ることができる。このような多官能ビニル共重合体を得る重合方法は、上記のように公知であり、上記のようにして製造することができる。
<ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)>
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂は、フェノール化合物の少なくとも1種類を酸化カップリング触媒によって、酸素または、酸素含有ガスで酸化重合して得られ、式(2)の繰り返し単位で表される単独重合体、或いは共重合体である。また、これらは、1種類であっても2種類以上の樹脂の混合物であっても良い。

(式中、R、R、R、Rは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、置換炭化水素基であり、そのうち1個は必ず水素原子である。また、nは繰り返し単位である)
フェノール化合物の具体例としては、フェノール、o−,m−,p−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−または3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,3,6−、または2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられ、中でも、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、3−メチル−t−ブチルフェノールおよび2,3,6−トリメチルフェノールが好ましい。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の重合に用いられる酸化カップリング触媒としては、特に制限はないが、銅、マンガン、コバルト等の重金属化合物の少なくとも1種を用いる(米国特許第4,042,056号、同第3,306,874号、同第3,306,875号公報等参照)。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂(b)は、30℃のクロロホルム中で測定した極限粘度が、0.3〜0.6dl/gであることが好ましく、0.3〜0.5dl/gであることが更に好ましく、0.3〜0.45dl/gであることが特に好ましい。極限粘度が0.3dl/g未満では機械的強度が劣り、0.6dl/gを超える場合、スチレン系樹脂(a)中への、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の分散性が悪化するため、シート外観や強度が低下し、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の分散性を向上させるために、加工温度を上げ過ぎると、強度や溶融張力が低下する。
極限粘度は以下のようにして測定することができる。まず、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)0.5gをクロロホルム1dlに溶解してポリマー濃度0.5g/dlの試料溶液を作製する。この試料溶液、及び純クロロホルムを30℃に恒温した後、ウベローデ型粘度計により溶液流下秒数を測定し、下式にて、還元粘度(ηred)を算出する。
ηred=(t1/t0−1)/C
t0:純クロロホルム流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C:ポリマー濃度
次に、上記で作成したポリマー濃度0.5g/dlの試料溶液を2倍、4倍に希釈し、ポリマー濃度0.25g/dl、ポリマー濃度0.125g/dlの試料溶液を作成し、同様の測定を行う。得られたデータについて、横軸に試料濃度、縦軸に還元粘度(ηred)を3水準プロットし、直線で近似した後、その直線をポリマー濃度ゼロまで外挿した値を極限粘度とする。
<耐熱性スチレン系樹脂組成物の製造方法>
本発明の耐熱性スチレン系樹脂組成物は、前記スチレン系樹脂(a)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)をブレンドして得られる。これら樹脂は比較的良好な相溶性を有するが、スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移温度差が大きいため分散が不十分となり易く、その場合、本発明の効果が得られない場合がある。よって、発泡押出機に導入する前に溶融コンパウンドしておくことが望ましい。溶融コンパウンドの方法としては、スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂を全てコンパウンドする方法と、スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の一部を溶融コンパウンドし、発泡押出機に導入する前にスチレン系樹脂とペレット状態でドライブレンドする方法等が挙げられる。なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、変性PPEと称されるポリフェニレンエーテル系樹脂と他の樹脂をアロイ化したものも用いることができる。
本発明の耐熱性スチレン系樹脂組成物は、前述したスチレン系樹脂(a)65〜95質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)5〜35質量%から成るが、必要に応じてゴム質を含有する成分としてHI−PS樹脂、MBS樹脂等のゴム強化芳香族ビニル系樹脂やSBS等の芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーが数%程度含有されていても良い。また、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸及びその塩やエチレンビスステアリルアミド等の滑剤、流動パラフィン、シリコーンオイル等の可塑剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の酸化防止剤、ゼオライト、活性炭、リン酸ジルコニウム等の消臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、顔料等が含まれていても良い。
また、本発明の耐熱性スチレン系樹脂組成物には、発泡シートを二次成形した際に発生するスケルトンと呼ばれる打抜き屑やそのリサイクルペレットを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の耐熱性スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度は110〜130℃が好ましく、更に好ましくは112〜127℃である。ビカット軟化温度が110℃未満の場合、耐熱性樹脂発泡シートを熱成形して得られる容器の耐レンジアップ変形が不十分となる。ビカット軟化温度が130℃を超える場合、発泡シートの深絞り成形性が低下する。
<発泡シートおよびその製造方法>
本発明の耐熱性スチレン系樹脂組成物は、発泡剤とともに溶融押出する事で、発泡シートに加工できる。発泡シートの製造方法としては、公知の方法を用いる事が出来き、具体的には、単軸押出機や二軸押出機を2基直列に配置し、1基目の押出機で発泡剤を発泡核剤とともに溶融混錬し、2基目の押出機で冷却により樹脂温度を120℃〜180℃に調整した後、サーキュラーダイスにより大気に放出し減圧発泡する方法が挙げられる。
発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−クロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等の物理発泡剤を用いることができる。また、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム、クエン酸等の分解型発泡剤、二酸化炭素、窒素等の無機ガスや水を使用することもできる。これら発泡剤を適宜混合して使用できるが、工業的にはブタンが使用されることが多く、発泡押出性や発泡シートの二次成形性、発泡剤の観点から、イソブタンとノルマルブタンからなる混合ブタンを使用することが好ましい。ブタンはポリスチレン系樹脂に対する透過速度が遅いため、発泡押出直後は発泡シート中に通常1〜3質量%程度残存する。この残存量は二次成形における二次発泡厚や熱成形性に影響するため、一定の熟成期間を設けることで適宜調整する。
発泡核剤としては、タルク、炭酸カルシウム、クレー等の無機物粉末が挙げられ、これらを単独あるいは混合物としても用いることができる。中でも、気泡径を小さくする効果が大きく、安価という点でタルクが最も好ましい。発泡核剤の添加方法は特に制限が無く、直接押出機の供給孔に添加しても良いし、樹脂組成物と共に添加することもできる。また、スチレンの単独重合体やスチレン−メタクリル酸メチル共重合体等を基材としたマスターバッチを作成し、そのマスターバッチを用いて供給することもできる。発泡核剤の添加量は通常、0.1〜5質量%である。また、該マスターバッチには高級脂肪酸や高級脂肪酸の金属塩をあらかじめ配合しておいても良い。また、エチレンビスステアリルアミド等の滑材、流動パラフィンやシリコーンオイル等の展着剤、その他の界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、耐候剤、顔料等が含まれていても良い。
本発明の発泡シートの厚さは0.5〜4.0mmが好ましく、1.0〜3.0mmがより好ましい。発泡シートの厚さが0.5mm未満では、2次成形後の容器の強度や断熱性が低下する。発泡シートの厚さが4.0mmを超える場合、2次成形時にシートの温度ムラが発生しやすく、成形性が悪化する。
本発明の発泡シートの密度は50〜150kg/m3が好ましく、60〜130kg/m3であることがより好ましい。発泡シートの密度が50kg/m3未満であると、2次成形後の容器の強度が低下する。発泡シートの密度が150kg/m3を超える場合、容器重量が重くなり軽量化の観点から望ましくない。密度D(kg/m3)は、発泡シートの坪量S(g/m2)とシート厚さT(mm)より、D=S/Tで算出することができる。
本発明の発泡シートにおいて、シートの厚み方向の平均気泡径Xは0.10〜0.40mmであることが好ましい。シートの厚み方向の平均気泡径Xが0.10mm未満であると2次成形における成形性が低下する。シートの厚み方向の平均気泡径Xが0.40mmを超える場合、発泡シートの外観が悪化し、強度も低下する。
また、押出方向の平均気泡径Yと厚み方向の平均気泡径Xの比(Y/X)、及び幅方向の平均気泡径Zと厚み方向の平均気泡径Xの比(Z/X)は各々1.0〜2.5であることが好ましい。Y/X、Z/Xが1.0未満であると2次成形時のドローダウンが大きくなるため望ましくない。また、Y/X、Z/Xが2.5を超える場合、気泡の扁平度が大きく発泡シートの強度が低下する場合がある。
シートの厚み方向の平均気泡径X、押出方向の平均気泡径Y、幅方向の平均気泡径Zは発泡シートの押出方向の垂直断面、幅方向の垂直断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、ASTM D2842−06に記載の平均弦長に基づいて下記式を用いて算出することができる。
平均弦長=直線の長さ/気泡数
平均気泡径=平均弦長/0.616
また、本発明の発泡シートには、厚み方向の中央部に比べて密度が低い、いわゆるスキン層と呼ばれる表面層をシートの表裏面に設けることができる。スキン層を設けることで、シートの強度を上げることができ、外観も美麗に仕上がる。スキン層はサーキュラーダイスを出た直後の発泡シート表面を風冷することによって調整できる。
本発明の発泡シートは、その片面もしくは両面に熱可塑性樹脂シート又はフィルムを積層することにより、成形性、強度、剛性、耐油性を改良することができる。上記、シートやフィルムを構成する熱可塑性樹脂としてはポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
前記で積層される熱可塑性樹脂シート又はフィルムの厚みに特に制限はないが、0.01mm〜0.3mmが好ましい。シート又はフィルムの厚みが薄いと物性の改良効果が小さく、厚すぎると軽量化の観点から望ましくない。
本発明の発泡シートは、真空成形や圧空成形、マッチドモールド成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、リッジ成形、プラグアンドリッジ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等、公知の熱成形方法を用いて、トレー、弁当容器、丼容器、カップ、蓋付箱型等の各種形状や大きさの容器に加工することができる。
本発明の発泡シートを成形して得られる容器は、食品を入れた状態で電子レンジ加熱調理を行っても、容器の変形や火脹れが発生しないので、電子レンジ用食品容器として好適に使用でき、特に深絞り容器に適している。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<多官能ビニル共重合体Aの製造>
ジビニルベンゼン3.1モル(399.4g)、エチルビニルベンゼン0.7モル(95.1g)、スチレン0.3モル(31.6g)、2−フェノキシエチルメタクリレート2.3モル(463.5g)、トルエン974.3gを3.0Lの反応器内に投入し、50℃で42.6gの三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を添加し、6.5時間反応させた。重合反応を炭酸水素ナトリウム溶液で停止させた後、純水で3回油層を洗浄し、室温で反応混合液を大量のメタノールに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をメタノールで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、多官能ビニル芳香族共重合体A 372.5gを得た。この多官能ビニル共重合体Aの重量平均分子量Mwは8000で、ジビニル化合物由来のビニル基を含有する構造単位(a1)のモル分率は0.44、末端の2−フェノキシエチルメタクリレート由来の二重結合(a2)は0.03、両者を合わせた合計のモル分率(a3)は0.47であった。
<スチレン系樹脂PS−1〜PS−6の製造>
(1)スチレン系樹脂PS−1の製造
下記第1〜第3反応器を直列に接続して重合工程を構成した。
第1反応器:容積39Lの攪拌翼付完全混合型反応器
第2反応器:容積39Lの攪拌翼付完全混合型反応器
第3反応器:容積16Lのスタティックミキサー付プラグフロー反応器
各反応器の条件は以下の通りとした。
第1反応器:[反応温度] 105℃
第2反応器:[反応温度] 125℃
第3反応器:[反応温度] 流れ方向に125〜135℃の温度勾配がつくように調整
原料液としては、以下のものを用いた。
スチレン90質量部、エチルベンゼン10質量部に対して、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.01質量部、2,2ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.025質量部を混合した原料液
原料液を13.5kg/hrの供給速度で105℃に設定した第1反応器に連続的に供給し重合した後、次いで125℃に設定した第2反応器に連続的に装入し重合した。第2反応器出口での重合転化率は55%であった。更に125〜135℃の温度勾配がつくように調整した第3反応器にて重合転化率が70%になるまで重合を進行させた。
この重合液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、ストランド状に押し出して冷却した後切断してペレット化した。なお、1段目の予熱器の温度は200℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は66.7kPaとし、2段目の予熱器の温度は240℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は0.9kPaとした。得られたスチレン系樹脂PS−1の特性を表1に示す。
(2)スチレン系樹脂PS−2の製造
以下の原料液を用いた以外はPS−1の製造と同様にした。その特性を表1に示す。
<原料液>
スチレン90質量部、エチルベンゼン10質量部に対して、前記の多官能ビニル共重合体A0.01質量部、ジビニルベンゼン0.002質量部、2,2ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.025質量部を混合した原料液
(3)スチレン系樹脂PS−3の製造
以下の原料液を用い第1〜3反応器の温度条件を以下のように変更した以外はPS−1の製造と同様にした。その特性を表1に示す。
<原料液>
スチレン90質量部、エチルベンゼン10質量部に対して、前記の多官能ビニル共重合体A0.025質量部、2,2ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.025質量部を混合した原料液
<条件>
第1反応器:[反応温度] 112℃
第2反応器:[反応温度] 125℃
第3反応器:[反応温度] 流れ方向に125〜130℃の温度勾配がつくように調整
(4)スチレン系樹脂PS−4の製造
以下の原料液を用い第1〜3反応器の温度条件を以下のように変更した以外はPS−1の製造と同様にした。その特性を表1に示す。
<原料液>
スチレン85質量部、エチルベンゼン15質量部に対して、ジビニルベンゼン0.01質量部、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.025質量部を混合した原料液
<条件>
第1反応器:[反応温度] 120℃
第2反応器:[反応温度] 127℃
第3反応器:[反応温度] 流れ方向に140〜155℃の温度勾配がつくように調整
(5)スチレン系樹脂PS−5の製造
以下の原料液を用い第1〜3反応器の温度条件を以下のように変更した以外はPS−1の製造と同様にした。その特性を表1に示す。
<原料液>
スチレン90質量部、エチルベンゼン10質量部に対して、前記の多官能ビニル共重合体A0.05質量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.03質量部を混合した原料液
<条件>
第1反応器:[反応温度] 120℃
第2反応器:[反応温度] 120℃
第3反応器:[反応温度] 流れ方向に130〜150℃の温度勾配がつくように調整
(6)スチレン系樹脂PS−6の製造
以下の原料液を用い第1〜3反応器の温度条件を以下のように変更した以外はPS−1の製造と同様にした。その特性を表1に示す。
<原料液>
スチレン90質量部、エチルベンゼン10質量部に対して、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.02質量部を混合した原料液
<条件>
第1反応器:[反応温度] 120℃
第2反応器:[反応温度] 125℃
第3反応器:[反応温度] 流れ方向に130〜140℃の温度勾配がつくように調整
<実施例1〜9、比較例1〜5>
上記の方法で製造したスチレン系樹脂(PS−1〜PS−6)とポリフェニレンエーテル系樹脂を表2に示す質量%比率にてヘンシェルミキサーで混合し、230〜260℃に設定した二軸押出機(神戸製鋼所製、KTX30α)にて溶融コンパウンドした。ソリッド物性を表2に示す。
なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂は以下のものを用いた。
<ポリフェニレンエーテル系樹脂>
PPE−1:極限粘度が0.41dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニルエーテル)
PPE−2:極限粘度が0.32dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニルエーテル)
PPE−3:極限粘度が0.53dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニルエーテル)
樹脂組成物−A:商品名:「ノリルEFN4230」 サビックイノベーティブプラスチックス社製(ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン=70/30)
次にスクリュー径40mmφと50mmφのタンデム式押出機にて発泡シートを製造した。まず、前記の溶融コンパウンドした樹脂100質量部に対しポリスチレン60質量%とタルク40質量%からなるタルクマスターバッチ2.3質量部を均一に混合したものをスクリュー径40mmφの押出機に供給した。更に、発泡剤としてブタンを押出機先端より樹脂100質量部に対して2.7質量部の割合で圧入し溶融混合した。このときのシリンダー温度230〜270℃、樹脂温度235〜250℃、圧力12〜20MPaであった。
その後、230℃に設定した連結管を介してスクリュー径50mmφの押出機に移送し、シリンダー温度170〜200℃、樹脂温度155〜165℃、15〜17MPaに調整し、リップ開度0.6mm、口径40mmのサーキュラーダイスより吐出量10kg/hrで押出し直径152mmの冷却された円筒に添わせて引取り、円周の下部1点でカッターにより切開して発泡シートを得た。得られた発泡シートの厚みは1.7mm、密度は75kg/m3であった。その特性を表2に示す。
なお、各種物性、性能評価は以下の方法で行った。
(1)メルトマスフローレイト
射出成型機を用いて試験片を作成し、JIS K7210に基づき200℃、49N荷重の条件により求めた。
(2)ビカット軟化温度
射出成型機を用いて試験片を作成し、JIS K7206に基づき50N荷重の条件により求めた。
(3)分子量
重量平均分子量(Mw)、分子量5万以下の成分割合、分子量100万以上の成分割合は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
本発明の分子量の測定は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出した。
(4)メタノール抽出分
メタノール抽出分は、エクスファット(日本ゼネラル社製)を使用し、迅速ソックスレー溶媒抽出法にて、測定した。まず、凍結粉砕した樹脂組成物1.25gを円筒ろ紙に精秤(質量P)し、60mLのメタノール中に浸漬した。これをメタノールの沸点以上の温度で加熱還流させ、1.5h溶媒抽出を行った。円筒ろ紙を溶媒から取り出し、還流液で20分間リンスした後、抽出液をビーカーに移し、ウォーターバス上で濃縮乾固した。更に、65℃の乾燥機で4時間乾燥した後、デシケータ内で25分間放冷し、乾燥後の質量Nを測定することで、次式によって求めた。
メタノール抽出分(質量%)=N/P×100
(5)溶融張力値(MT)、溶融延伸倍率(MDR)
溶融張力値(MT)は、キャピログラフ1D型(東洋精機社製)を使用し、バレル温度220℃、バレル径9.55mm、キャピラリー長さ:L=10mm、キャピラリー径:D=1mm(L/D=10)、ピストン降下速度10mm/分、室温環境下(25±2℃)にて樹脂を押出し、荷重測定部をダイから60cm下方にセットし、キャピラリーより流出してきたストランド状の樹脂を巻き取り器にセットし、巻き取り線速度を4m/分から徐々に速度を上昇していき、ストランドが破断するまでの荷重を測定する。荷重は巻き取り線速度を上げていくと、一定値に安定するので、荷重が安定した範囲を平均化して溶融張力値(MT)とした。また、溶融延伸倍率(MDR)はストランド破断時の巻き取り線速度とキャピラリー内流速から、次式により求めた。
溶融延伸倍率(MDR)=ストランド破断時の巻き取り線速度(mm/min)/キャピラリー内流速(0.9120mm/min)
発泡シートの特性は以下の方法により評価した。
(6)シートインパクト強度
フィルムインパクトテスター(東洋精機社製)を用いて衝撃球面10Rにて測定を行った。測定は発泡シートの表面、裏面、各々20回ずつ行い、全ての平均値をシートインパクト強度とした。
(7)シート外観
発泡シートから200mm×320mmのシートを8枚切り出し、シート8枚の表面における、フィッシュアイ、ディンプル(窪み)等の異物の個数を数え、異物が全くないものを◎、異物の合計が1〜2個のものを○、異物の合計3〜5個のものを△、異物の合計が6個以上のものを×として、シート外観を評価した。
(8)深絞り成形性
発泡シートを単発成形機を用いて口径φ100mm、深さ100mmのカップ形状容器を熱成形した。ヒーター温度280℃一定にし、加熱時間を0.5秒刻みに変化させ、容器の穴あきやナキの発生しない加熱時間幅を確認し、成形可能な時間幅が10秒以上の場合を◎、8〜10秒の場合を○、5〜8秒の場合を△、5秒以下の場合を×として深絞り成形性を評価した。
(9)耐レンジアップ変形
上記の成形可能な条件にて得られた容器について、出力1500Wの電子レンジで70秒加熱し、表面状態を観察し、容器の変形や隆起が全く無いものを◎、容器の一部にわずかに変形や隆起が見られるものを○、容器に大きな変形や隆起が見られるものを×、容器の形状が崩れるか穴あきが発生するものを×とし耐熱性を評価した。
(10)容器圧縮強度
上記の成形可能な条件にて得られた容器について、小型卓上試験機Ez−test(島津製作所社製、型式:Ez−SX)を用い、容器の口元TD方向の両端部を2枚の板で挟んだ状態で、一方の端を100m/mmの速度で圧縮し、10mm変位時の荷重を測定した。測定は成形容器30個について行い、その平均値を容器圧縮強度とした。
実施例の発泡シートは、比較例に比べて深絞り成形性、容器の圧縮強度が大幅に改善されており、且つ耐レンジアップ性が良好である。
比較例1では、ポリフェニレンエーテル系樹脂の量が少なく、溶融張力値(MT)が低すぎたために、耐レンジアップ性や容器圧縮強度が悪化した。
比較例2では、ポリフェニレンエーテル系樹脂の量が多く、溶融張力値(MT)が高すぎたために、深絞り成形性や容器圧縮強度が悪化した。
比較例3では、溶融張力値(MT)が低すぎたために、深絞り成形性や容器圧縮強度が悪化した。
比較例4ではメタノール抽出分が低すぎたために、深絞り成形性や容器圧縮強度が悪化した。
比較例5ではメタノール抽出分が低く、溶融張力値(MT)が低すぎたために、深絞り成形性や容器圧縮強度が悪化した。
以上の結果から、スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の割合、メタノール抽出分、溶融張力値(MT)を特定の範囲とした場合においてのみ、深絞り成形性と容器圧縮強度に優れ、耐レンジアップ性の良好な発泡シート、及び容器が得られることが分かった。
本発明の耐熱スチレン系樹脂組成物を用いる事で、耐熱性、強度、深絞り成形性のバランスに優れる発泡シートを得ることができ、発泡シートを軽量化した場合でも、耐熱性、腰強度の良好な深絞り成形品が得られる。

Claims (7)

  1. スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)を含む耐熱スチレン系樹脂組成物であって、スチレン系樹脂(a)とポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の配合割合が、スチレン系樹脂(a)65〜95質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)5〜35質量%であり、前記スチレン系樹脂(a)を構成する共重合成分として複数のビニル基を有する化合物を含み、迅速ソックスレー溶媒抽出法で測定したメタノール抽出分が0.15〜1.5質量%であり、220℃で測定した溶融張力値(MT)が12〜25gfである耐熱スチレン系樹脂組成物。
  2. ポリフェニレンエーテル系樹脂(b)の、30℃のクロロホルム中で測定した極限粘度が、0.3〜0.6dl/gである、請求項1に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  3. スチレン系樹脂(a)に含まれる、分子量100万以上の成分の割合が6〜20質量%である、請求項1又は2に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  4. スチレン系樹脂(a)に含まれる、分子量5万以下の成分の割合が5〜15質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  5. ビカット軟化温度が110〜130℃である、請求項1〜のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の耐熱スチレン系樹脂組成物の発泡成形体である発泡シート。
  7. 請求項に記載の発泡シートの成形体である食品容器。
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