JPH0524155A - 熱可塑性樹脂積層延伸シート - Google Patents

熱可塑性樹脂積層延伸シート

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JPH0524155A
JPH0524155A JP17969291A JP17969291A JPH0524155A JP H0524155 A JPH0524155 A JP H0524155A JP 17969291 A JP17969291 A JP 17969291A JP 17969291 A JP17969291 A JP 17969291A JP H0524155 A JPH0524155 A JP H0524155A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、2次成形性、リワーク性(含む耐熱
グレード間)を改良した、透明性、剛性、タフネス、コ
ストパフォーマンスに優れる耐熱性積層延伸シートを提
供する。 【構成】 表層がスチレン系樹脂(10〜95重量%)
とポリフェニレンエーテル系樹脂(5〜90重量%)と
の混合組成物より形成され、該表層厚みがシート全体厚
みの5〜80%であり、内層がスチレン系樹脂を主体と
する樹脂よりなる積層延伸シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン系樹脂延伸シ
ートの改良に関する。更に詳しくは、透明性、剛性、タ
フネス、耐熱性、リワーク性、なかでも耐熱性の異なる
グレード間リワーク性、2次成形性等に優れた、主とし
て真空成形、圧空成形などはその他の手段で2次成形さ
れ、特に電子レンジ加熱、レトルト食品の再加熱などが
可能な軽量食品包装容器や、その他耐熱性を必要とする
物品の包装容器、ラミネート基材などに好適に用いられ
る熱可塑性樹脂延伸シートに関するものである。又、包
装以外の産業用シート、フィルムとして利用されても良
い。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂よりなる延伸シー
ト、特に汎用ポリスチレン(GPPS)を主原料とした
2軸延伸シートは、その透明性、剛性(シートの腰強
さ)に優れていることから主として、真空成形、圧空成
形などの熱成形法により2次成形され、軽量包装用容器
素材として食品包装用を始め種々の容器として広く使用
されている。しかしながら、これら容器は、耐熱性に劣
るため、電子レンジでの加熱調理用途や、レトルト食品
の再加熱のように高温の油及び、直接沸騰水に接する用
途には使用できない。
【0003】このため、スチレン系樹脂延伸シートの透
明性と剛性を保ちながら耐熱性を付与する方法として、
例えば、特開昭55−71530号公報には、GPPS
とスチレン−無水マレイン酸共重合体との組成物よりな
る2軸延伸シートが、また、特開昭62−25031号
公報には、スチレンとメタクリル酸、アクリル酸または
無水マレイン酸との共重合体よりなる2軸延伸シートが
提案されている。
【0004】しかしながら、これら延伸シートは、その
原料樹脂自身の強度が比較的弱く、またGPPSシート
ほど延伸改質効果(特にタフネス改良)が得られにくい
ため、延伸配向によるタフネスの向上が、十分なレベル
には達し難く、仮に、延伸シートでは、十分なタフネス
が得られたとしても、2次成形における加熱時に配向が
緩和しやすいため、延伸効果が薄れ、得られる成形品の
タフネスは満足し難いものになり易く、更に、延伸加
工、2次成形加工の条件範囲が狭いため、均一な物性の
シートや、良好な成形品が得難いなどの欠点がある。更
にこれらシートは、原料樹脂の吸水性が大きいため、加
圧蒸気中での耐熱性に特に劣り、また、乾燥オーブン中
の耐熱性の限界温度も110〜120℃程度しかなく、
115℃、好ましくは120℃以上より好ましくは13
0℃以上の耐熱性が要求される電子レンジ加熱用途には
十分なレベルとは言い難いものである。また、これらシ
ートの耐熱性を向上させるため、シート原料樹脂中の共
重合成分であるメタクリル酸、アクリル酸または無水マ
レイン酸等の割合を増加させた場合、重合プロセス、押
出加工中などで反応によるゲルが発生しやすくなり、ま
たは(及び)、延伸加工性、2次成形性が更に悪化する
傾向にあるなどの欠点がある為、この方法には限界があ
る。
【0005】また、これら耐熱性シートのタフネス、2
次成形性を改良する方法として、例えば、特開平2−2
39933号公報には、両表層にスチレンとメタクリル
酸、アクリル酸または無水マレイン酸などとの共重合体
を、内層にスチレン系重合体を配した2軸延伸耐熱性積
層シートが提案されている。しかし、この積層シートに
おいても、耐熱レベルの改良はさほどなされていない。
また、厄介なことに、これらの共重合体での各種耐熱レ
ベルのグレードを作ってもそれぞれのシート製造時及び
成形時のリワーク回収品は、場合によっては白化してし
まい透明品には利用できない重要な問題があった。また
コストも高く、表層への安価な材料(GPPS等)の混
入は、白化のため同様に、リワークはもとより、使用さ
えできないものであった。
【0006】更に、例えば、特開平2−55122号公
報には、スチレン系延伸シートの耐熱性を改良する方法
として、GPPSとポリフェニレンエーテル(以下PP
Eと記す)との混合組成物よりなる2軸延伸シートが記
載されている。この方法のシートは、上述の要求される
耐熱レベルは、一応クリアしているものの、押出、延伸
加工性に問題があり、また、2次成形性が満足なレベル
とは言い難く、例えば、2次成形に比較的高温で長時間
の加熱を要する傾向にある為、成形品の生産性が悪く、
また、配向が緩和し強度低下しやすく、更に、金型の形
状によっては、2次成形品の偏肉が大きくなり、商品価
値を無くす、あるいは、割れ、白化等により成形不可能
となるなどの問題を生じることがある。また、耐熱レベ
ルと高価なPPEの使用量は比例関係にあり耐熱性の高
いシートは高価なものになる。また着色度合い(褐色)
も大きく、全く透明とはなり難い。このように、透明
性、剛性、タフネス、2次成形、リワーク性、コストパ
フォーマンス等を充分満足する電子レンジ加熱等が可能
な耐熱シートは、未だ完成されていないのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況の中で、上述の問題点を解決した新規な延伸シー
ト、すなわち、透明で、十分な剛性とタフネスを保ち、
良好な2次成形性と電子レンジ加熱等が可能な耐熱性を
有した延伸シートを供給することを目的としてなされた
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、少なくとも
1表層がスチレン系樹脂10〜95重量%とポリフェニ
レンエーテル系樹脂90〜5重量%との組成物を主体と
する組成物より形成され、該組成物よりなる表層厚み
(両表層が該混合組成物層で形成されたシートの場合は
その合計)が、シート全体厚みの5〜80%であり、か
つ少なくとも他の1層が該表層の耐熱性混合組成物のビ
カット軟化点より低いスチレン系樹脂を主体とする樹脂
層よりなる、少なくとも1方向に延伸配向された熱可塑
性樹脂積層延伸シートである。
【0009】本発明において、少なくとも1表層(以
下、便宜的に表層と記す)を形成する組成物に用いるス
チレン系樹脂とは、スチレン、α−メチルスチレン等の
α−アルキル置換スチレン、核アルキル置換スチレン、
核ハロゲン置換スチレン等より選ばれる少なくとも1種
のスチレン系単量体よりなる重合体、該スチレン系単量
体のうち少なくとも1種を含むこれら単量体と共重合可
能な他の単量体との2元、3元または4元以上の共重合
体、又はこれら自由な組合せのものに少量(15重量%
以下)のゴム成分で変性した耐衝撃性ポリスチレン(H
IPS:含透明性のもの)等である。これら重合体は目
的に応じて1種用いても良いし2種以上を組み合わせて
も良い。
【0010】具体的には、該スチレン系単量体と共重合
可能な単量体としては、アクリル酸およびそのエステル
類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペン
チル、……などアルコール成分のアルキル基炭素数がC
1 〜C12のもの)、メタクリル酸およびそのエステル類
(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ペンチル、……など上記と同様のアルコール成分の
もの)、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β
−不飽和ジカルボン酸およびこれらのモノエステル、ジ
エステル類、無水物及びこのイミド化物(例えば、無水
マレイン酸、マレイミドなど)、アクリロニトリルまた
は、分子内で隣接するアクリル酸、メタクリル酸(また
はこれらのエステル類)等の単量体単位の、分子内脱水
(または脱アルコール)反応により2次的に誘導される
六員環水物及びこのイミド化物、などがあげられる。こ
れら単量体成分は、1種用いても良いし、2種以上組み
合わせても良い。また、共重合体中、第3成分または、
それ以上の成分として共役ジエン類を共重合しても良
く、また公知のゴム類を重合前、または後に添加するこ
とによりグラフト化または均一化、マトリックス取り込
み化等の処法を取り入れることによる、または、層状に
重合、または共重合したマーブル状の多層粒状物でも良
く、これらハイインパクト処方を加えると、より好まし
い場合もあり、これらも包括した共重合体またはその組
成物とする。
【0011】これら共重合可能な他の単量体の含量は、
共重合体中、通常40重量%以下、好ましくは、30重
量%以下、より好ましくは、20重量%以下、更に好ま
しくは10重量%以下である。この上限を越えると後述
するポリフェニレンエーテル成分との相溶性が低下し透
明性に劣り好ましくない。又極性基の影響で均一延伸性
が低下し好ましくなくなる傾向にある。
【0012】これらの内、好ましくは、スチレン単量体
よりなる汎用ポリスチレン(GPPS)、HIPS、、
共重合可能な単量体10重量%以下の共重合体などであ
る。更に好ましくはGPPSである。また、これら樹脂
に、場合により、上記のスチレン系単量体とアクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどか
ら選ばれる単量体とよりなる、ビカット軟化点が105
℃以下、好ましくは90℃以下の共重合体を任意の割合
で、好ましくは、該スチレン系重合体に対して5〜30
重量%加えた場合、これらが内部可塑剤的効果を示し、
シートの延伸性、2次成形性を改良し好ましい場合もあ
る。ビカット軟化点が105℃以上の場合、可塑化効果
が薄れる領域である。
【0013】また、シートのタフネス、を向上させるた
め、上記スチレン系重合体に、スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体(SBBC)、または、水添・スチレン
−共役ジエンブロック共重合体(水添SBBC)、また
は、これら樹脂をカルボキシル基含有単量体でモディフ
ァイした共重合体などより選ばれる少なくとも1種を該
スチレン系重合体に対して30重量%以下、好ましく
は、20重量%以下、より好ましくは15重量%以下添
加しても良い。この上限は、シートの透明性を著しく悪
化させる領域である。該スチレン−共役ジエンブロック
共重合体とは、少なくとも1種のスチレン系単量体から
なる1つ以上のブロックユニットと、ブタジエン、イソ
プレンなどから選ばれる少なくとも1種の共役ジエンか
らなる1つ以上のブロックユニットから構成されるブロ
ック共重合体であって、スチレン系単量体成分が40〜
90重量%、好ましくは、50〜80重量%のものが挙
げられる。また、水添・スチレン−共役ジエンブロック
共重合体とは、上記と同様のユニットよりなり、スチレ
ン系単量体成分が20〜70重量%、好ましくは、30
〜60重量%のもので、ブロック共重合体中の共役ジエ
ン由来の二重結合が水素添加し、80%以上飽和されて
いるものが挙げられる。またこれらをアクリル酸無水マ
レイン酸などのカルボキシル基含有単量体でモディファ
イした公知の共重合体でも良い。
【0014】これらスチレン系重合体の分子量は、特に
制限はないが、好ましくは、ゲルパーミッションクロマ
トグラフィーによるスチレン換算の重量平均分子量で、
100,000〜600,000、より好ましくは、1
00,000〜450,000、更に好ましくは、15
0,000〜400,000の範囲にあるのが良い。上
記下限未満の樹脂では、得られるシートの強度が不足
し、脆いシートとなり、2次成形品のタフネス、剛性等
も不足する領域である。また、上限を越えるとシートの
強度は向上するものの、延伸加工性、2次成形性が低下
する領域である。ただし改質のため少量加える樹脂はこ
の限りでない。
【0015】次に、本発明において、表層を形成する組
成物に用いるポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)
とは、下記一般式(1)
【0016】
【化1】
【0017】で示されるものである。この一般式(1)
で示されるものの具体例としては、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−nプロピル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2,6−ジnプロピル−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−nブチル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−イ
ソブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
メチル−4−クロル−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−
1,4−フェニレン)エーテル等のホモ重合体が挙げら
れる。これらの内、特に好ましくは、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレン)エーテルである。
【0018】また上記一般式(1)で表される化学構造
を主体としてなるPPE共重合体も使用可能である。そ
の例として、上記PPE繰り返し単位中にアルキル3置
換フェノール例えば、2,3,6−トリメチルフェノー
ルを一部に含有する共重合体が挙げられる。また、公知
の他のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含
んでもかまわない。これには、例えば、2−(ジアルキ
ルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニ
ットや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチ
ル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットなどが挙
げられる。また、上記PPEにスチレン系化合物とし
て、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、
ビニルトルエンなどがグラフト化されたグラフト共重合
体でも良い。
【0019】更に、本発明に用いられるPPEとして、
着色、臭い、熱安定性(含むリワーク)等を改良する目
的で提案されている末端、または活性点の安定化処理を
ほどこした変性PPEを用いた方が食品包装用には好ま
しい。これらには、例えば、特開平1−172451、
特開平2−276823号公報に記載されている平均重
合度10以下の低分子量スチレン系重合体(低分子量ポ
リスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)が0.1
〜5重量%結合しているPPEや、下記一般式(2)で
示される環化末端基を有するPPEなどが挙げられる。
【0020】
【化2】
【0021】これら熱安定化させた変性PPEを用いた
場合、押出安定性、シート成膜加工性等が良くまた、シ
ートの着色も少なく好ましい場合が多い。また、該層に
用いるPPEとして、上述した一般公知のPPEの他
に、他の公知の変性PPEを用いてもかまわない。本発
明のPPEとは、これらすべての樹脂を包括したもので
ある。
【0022】上記PPEの分子量は、特に制限されるも
のではないが、シートの強度、成形性の観点から、ゲル
パーミッションクロマトグラフィーによるポリスチレン
換算の数平均分子量で1,000〜100,000が好
ましく、より好ましくは、6,000〜60,000、
更に好ましくは、10,000〜40,000である。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シートにお
いて、少なくとも1表層を形成するスチレン系樹脂とP
PEとの混合割合は、スチレン系樹脂が、10〜95重
量%である。スチレン系重合体が10重量%未満の場
合、押出時の樹脂の流動性が低下し、安定性が悪くな
る。また、延伸性も悪化し、得られるシートの2次成形
性も悪化する領域である。また、スチレン系重合体が9
5重量%を越えると、得られるシート及び2次成形品の
耐熱性が本発明の目的とするレベルに達しない領域であ
る。樹脂の押出安定性、2次成形性を高度に改良する観
点からは、上記の熱安定性を改良したPPEがより好ま
しい。更に、押出安定性、延伸成膜性、2次成形性、耐
熱性をバランスさせるには、スチレン系樹脂を好ましく
は、30〜95重量%、より好ましくは、40〜80重
量%、更に好ましくは50〜70重量%にするのが良
い。ただし、これらは製品の耐熱性の目的に合わせて耐
熱性を合理的に決められる。
【0024】同様の理由で、PPEの混合割合は、5〜
90重量%である。又これ等の混合は一般の混合でも良
いし、高度のハイミキサー等による1部反応のともなう
反応混合でも良い。更に本発明の特性を損なわない範囲
で、第3成分またはそれ以上の成分として、透明ハイイ
ンパクトのゴム成分、例えば、前述のSBBC、及びそ
れらの水添物または、同モディファイ樹脂、または前述
の改質材等、石油樹脂類、MBS樹脂、ポリエステル系
樹脂(特に好ましくは、非晶性、低結晶性の共重合
体)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン
系樹脂、シリコーン樹脂、架橋粒状シリコーン樹脂など
の樹脂や、公知の滑り剤、帯電防止剤、熱安定剤、防曇
剤、可塑剤、ミネラルオイル類、ポリブテン類、必要に
よっては着色剤等、一般の改質剤、添加剤を加えても良
い。これらの添加量は、全表層樹脂に対して好ましく
は、上記樹脂組成物に対して50重量%未満、より好ま
しくは30重量%以下、更に好ましくは10重量%以下
である。
【0025】これらの内、特に、透明ハイインパクトの
ゴム成分樹脂を、前述の変性PPE及び、該スチレン系
樹脂との組成物と組み合わせた場合、より熱安定性が改
良され好ましい。本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シート
において、少なくとも1表層を形成するスチレン系樹脂
とPPE及び必要によって加えるその他成分とのブレン
ドは、特に制限はなく、通常実施されている公知の方法
で行なえば良い、好ましくは、押出機で溶融し、十分混
練した後造粒し使用するのが良い。
【0026】次に、本発明において、上記、表層以外の
少なくとも他の1層(以下、スチレン系樹脂層と記す)
を形成する主体成分となるスチレン系樹脂とは、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレ
ン、核アルキル置換スチレン、核ハロゲン置換スチレン
等より選ばれる少なくとも1種のスチレン系単量体より
なる重合体、該スチレン系単量体のうちの少なくとも1
種を含むこれらスチレン系単量体と共重合可能な単量体
との共重合体、上述した表層と同様のHIPS、SBB
Cまたは、水添SBBC、及びこれらの樹脂をカルボニ
ル基含有単量体でモディファイした共重合体である。こ
れら重合体は目的に応じて1種用いても良いし2種以上
を組み合わせても良い。
【0027】該スチレン系単量体と共重合可能な単量体
としては、前述と同様に、例えばアクリル酸およびその
エステル類(例えば、アルコール成分のアルキル基炭素
数がC1 〜C12のもの)、メタクリル酸およびそのエス
テル類(例えば、アルコール成分のアルキル基炭素数が
1 〜C12のもの)、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸およびこれらのモノ
エステル、ジエステル類、無水物及びこのイミド化物
(例えば、無水マレイン酸、マレイミドなど)、アクリ
ロニトリル、または、分子内で隣接するアクリル酸、メ
タクリル酸(またはこれらのエステル類)等の単量体単
位の、分子内脱水(または脱アルコール)反応により2
次的に誘導される六員環無水物及びこのイミド化物、な
どがあげられる。これら単量体成分は、1種用いても良
いし、2種以上組み合わせても良い。また、共重合体
中、第3成分または、それ以上の成分として公知のゴム
類を重合前、後に添加することによりグラフト化または
均一化、マトリックス取り込み化等の処法を取り入れる
ことによるハイインパクト処方を加えると、より好まし
い場合もあり、これらも包括した共重合体またはその組
成物とする。
【0028】これら共重合可能な単量体の含量は、共重
合体中、通常50重量%以下、好ましくは、40重量%
以下、より好ましくは、30重量%以下、更に好ましく
は25重量%以下である。この上限を越えると成膜時の
押出安定性の低下や、延伸性、2次成形性が悪化する領
域である。これらのうち好ましくは、GPPS、スチレ
ンとアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等との
共重合体(スチレン単量体が80重量%以上のものがよ
り好ましい)、スチレンとアクリロニトリルとの共重合
体、及びこれら重合体とSBBC、水添SBBC(含む
カルボニル基変性物)とのブレンド物等である。更に好
ましくは、GPPSまたは、GPPSとSBBC、水添
SBBCとのブレンド物である。特にSBBC、水添S
BBC等をブレンドした場合、シートのタフネスが向上
し好ましい場合がある。これら樹脂のブレンド量は、特
に制限がなく、必要とするタフネスによって決定するこ
とができるが、特にシートの剛性、透明性とシートのタ
フネスを高レベルでバランスさせるには、SBBCまた
は水添SBBCを該層中50重量%以下にすることが好
ましく、より好ましくは30重量%以下である。
【0029】また、これらスチレン系樹脂と前記表層と
は異なる比率で前述のPPE(シートのリワークも含
む)をブレンドし用いても良い。また、シート全層のリ
ワークを該スチレン系樹脂層に加えるのが現実的であ
り、本発明の特長(透明性が良い)、目的ともなる。こ
の場合、本発明の特性である優れた成形性を発揮させる
ためには、表層のビカット軟化点(VSP:ASTM
D−1525に準拠、荷重1Kg、昇温速度2℃/mi
n.)より低くするか、またはPPEのブレンド量を表
層より少なくするのが望ましい。前者の場合、表層とス
チレン系樹脂層とのVSPをそれぞれVSP(S)、V
SP(E)、とするとVSP(S)/VSP(E)=
1.05〜2.5、好ましくは1.1〜2.0である。
後者の場合、PPEの混合比は、表層の混合量に対し8
5%以下、好ましくは、70%以下、である。下限は特
にないが、好ましくは5%以上である。これらは、どち
らか一方を満足すれば良いが同時に満足する場合もあ
る。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シートは、
上述の範囲内で該スチレン系樹脂層にPPE(リワーク
を含む)をブレンドすることが可能である。この場合、
該層を形成する樹脂中のスチレン系単量体成分が50重
量%未満になることもありうる。上記の場合、本発明の
スチレン系樹脂層中のスチレン系単量体相当成分が、5
0重量%以上の場合は当然本発明に含まれ、更に、該単
量体相当成分が10〜50重量%のものも含まれるもの
とする。
【0031】これらスチレン系樹脂の分子量は、PPE
とのブレンドに用いたスチレン系樹脂と同様、特に制限
はないが、好ましくは、スチレン換算のゲルパーミッシ
ョンクロマトグラフィーによる重量平均分子量で、10
0,000〜600,000、より好ましくは、10
0,000〜450,000、更に好ましくは、15
0,000〜400,000の範囲にあるのが良い。
【0032】更に本発明の特性を損なわない範囲で、第
2成分またはそれ以上の成分として、スチレン系樹脂層
に石油樹脂類、MBS樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン系樹脂、な
どの樹脂や、滑り剤、帯電防止剤、熱安定剤、防曇剤、
可塑剤、ミネラルオイル類等又必要によっては着色剤
等、一般の改質剤、添加剤を加えても良い。これらの添
加量は、好ましくは、上記樹脂組成物に対して50重量
%未満、より好ましくは30重量%以下、更に好ましく
は10重量%以下である。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シートは、
2層以上の積層延伸シートであって、少なくとも1表層
が上述したスチレン系樹脂とPPEとを主体とする組成
物よりなり、少なくとも他の1層(スチレン系樹脂層)
が、上述のスチレン系樹脂を主体とする層よりなるもの
で、且つ、スチレン系樹脂とPPEを主体とする耐熱性
混合組成物よりなる表層厚みが、シート全体厚み(両表
層が該混合組成物層で形成されたシートの場合はその合
計)の5〜80%のものである。該表層厚みが、5%未
満では、シートの耐熱性を改良する効果が薄れる領域で
ある。また、該表層厚みが80%を越えても、耐熱性の
改良効果は向上せず、更に、シートの延伸性が悪化し、
均一厚みのシートが得られにくい領域である。また、た
とえ均一なシートが得られたとしても2次成形性が悪
く、成形品の型決り性、偏肉などに問題が生じる領域で
ある。これら特性を高度にバランスさせる観点からは、
該表層厚みを10〜70%にするのが好ましく、より好
ましくは10〜60%、更に好ましくは、15〜50%
である。
【0034】また必要によっては、本発明の特性が損な
われない範囲内で、接着材層、100%または自由な混
合比率での回収樹脂層、その他樹脂(石油樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオ
レフィンなど)よりなる付加層を加えても良い。本発明
の熱可塑性樹脂耐熱積層延伸シートにおける各層の配置
様式としては、例えば、該スチレン系樹脂とPPEとを
主体とする表層をP、スチレン系樹脂を主体とするその
他のスチレン系樹脂層をS、必要によって加える付加層
をAとすると、P/S、P/A/S、P/S/P、P/
A/S/P、P/S/A/S、P/A/S/A/P、P
/S/P/S/P、P/S/A/S/P、……などがあ
る。また、P層、S層、A層が2層以上ある場合、各層
は、本発明の範囲内であれば、同一樹脂でも良いし、異
なる樹脂でも良い。また回収樹脂を自由に加えても良
く、表層、スチレン系樹脂層に加えることができるが、
好ましくはスチレン系樹脂層に加えるのが良い。
【0035】ただし本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シー
トは、上記例示に限定されないものとする。これらの
内、シート表裏での配向のアンバランスによるカール
や、2次成形不良を防ぐ観点より特に好ましくは、両表
層が、スチレン系樹脂とPPEとを主体とする樹脂層
で、層構成が対象になったものである。また、本発明の
シートは、発泡ポリスチレンシートや、HIPSシー
ト、バリヤー性レジン(PVDC、5VOH、ナイロン
系、ポリエステル系等のレジンシート等)その他自由な
シートなどと公知の方法でラミネートして、これらシー
トの耐熱性を向上させるのに使用することもできる。こ
の場合は、1表層が、スチレン系樹脂を主体とする層で
ある方がラミネートするシートとの接着性が良く好まし
い場合もある。
【0036】また、本発明においては、本発明のシート
はもちろん、他のスチレン系樹脂シートのシート成膜時
のトリムや、シートの2次成形後の打ち抜き屑、その他
スチレン系樹脂製品、または他素材樹脂製品のリサイク
ル樹脂等を用い、その他の層として用いる、またはスチ
レン系樹脂層にブレンドすることも可能であり、本発明
は、資源の有効利用としても好ましいものである。特に
表層、スチレン系樹脂層に用いるスチレン系樹脂を同一
のものとした場合、透明性、その他物性、成形性の低下
なく本発明のシートのリサイクルポリマーをスチレン系
樹脂層に、任意の量をブレンドすることが可能であり、
好ましい例である。また、本発明の異なるグレードのリ
サイクルポリマーをブレンドした場合も同様に物性、成
形性の低下がないことが本発明の特長である。
【0037】本発明の熱可塑性樹脂耐熱積層延伸シート
は、樹脂の選定条件により脆くならなければ一軸延伸シ
ートでも良いが、特に好ましくは2軸延伸シートであ
る。ここではその1つの実施態様として2軸延伸シート
の例の場合について記述する。本発明の熱可塑性樹脂積
層延伸シートの製造方法については特に制限が無く、従
来の延伸積層シートの製造方法において慣用されている
方法、例えば共押出によって多層シートを作成し、これ
を逐次または、同時に2軸延伸する方法や、シートを溶
融押出して、高温状態にあるうちに他のシートと張り合
わせ多層シートを作成し、これを同様に二軸延伸する方
法、または延伸シートを熱または、接着層を介してラミ
ネートする方法などを採用することができる。延伸方法
は、一般に知られているテンター法、インフレーション
法などを採用することができる。また、無延伸シートを
張り合わせた後、パッチ延伸機で延伸しても良い。
【0038】延伸温度、延伸倍率には特に制限は無く、
シートの加熱収縮応力が後述する範囲になるように温
度、倍率を選定すれば良い。この内、好ましい延伸倍率
は、面積倍率で2〜60倍、より好ましくは、3〜30
倍、更に好ましくは4〜20倍にするのが良い、また好
ましい延伸温度は、上述したスチレン系樹脂とPPEを
主体とする組成物の見掛けのビカット軟化点(VSP)
〜+50℃、より好ましくは、該樹脂組成物のVSP+
5〜40℃、更に好ましくは該樹脂組成物のVSP+1
0〜35℃にするのが良い。
【0039】また、本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シー
ト(薄肉状のフィルムも含めるものとする)の全体の厚
みには特に制限は無いが、食品包装容器等の成形用に
は、一般に0.05〜1.0mmが好ましく、より好ま
しくは、0.09〜0.75mm、更に好ましくは、
0.1〜0.6mmの範囲である。また、低発泡ポリス
チレンシートや、HIPSシートなどに公知の方法でラ
ミネートして用いる場合は、一般に0.01〜0.25
mmが好ましく、より好ましくは、0.03〜0.18
mm、更に好ましくは、0.04〜0.15mmの範囲
である。又、例えばコンデンサー用フィルム、転写テー
プ用等としては0.01〜0.0005mm、好ましく
は0.005〜0.001mmのものがある。
【0040】本発明の熱可塑性樹脂耐熱積層延伸シート
の配向レベルは、その延伸方向においてASTM D−
1504に準じて測定した加熱収縮応力(ORS:13
0〜200℃のシリコン油中で、測定開始30秒までに
発現したピーク応力値を測定(10℃毎)その最高値と
する)が通常2〜18Kg/cm2、好ましくは2.5
〜15Kg/cm2 、より好ましくは3〜13Kg/c
2 、更に好ましくは3.5〜10Kg/cm2 の範囲
にあるのが適当である。PRSが、この上限以上では通
常の成形機で成形した際に成形品の型再現性が悪化する
領域であり、更に過剰配向の影響で製品の割れ、白化が
生じ好ましくない。また下限未満では、配向レベルが低
いため、シートでは十分なタフネスが仮にあっても2次
成形後の成形品の抜き打ち時や、使用中に割れが生じる
恐れがある領域である。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シートにお
ける耐熱性とは、シートからの2次成形容器に調理済み
または半調理済み食品を入れ、電子レンジ等の高周波レ
ンジで加熱調理または再加熱を行なった場合や、レトル
ト加熱を行なった場合に成形容器が変形しないことであ
り、言い換えれば、シートを115℃の乾燥オーブン中
で10分間、または、同温のシリコン油中に10分間放
置しても収縮率が3%以下である耐熱性を言う。この耐
熱性は、用途による各グレードのコストパフォーマンス
によるが、好ましくは120℃、より好ましくは130
℃、更に好ましくは140℃の同様の処理によっても収
縮率が3%以下のものが良い。
【0042】また本発明の延伸シートを公知の方法でス
チレン系樹脂シート(例えば、2軸延伸ポリスチレンシ
ート、低発泡ポリスチレンシート、ハイインパクトポリ
スチレンシート等)や、他素材よりなるシート(例え
ば、ポリオレフィンシート、塩化ビニルシート、非晶性
ポリエステルシート等)に公知の方法(例えば、熱ラ
ミ、接着層を介してのラミネート等)で片面または両面
にラミネートし、上記の耐熱性を付与することも可能で
ある。本発明にはこれらラミネートされたシートも包括
するものである。また、エラストマー成分、ゴム成分で
強化した場合は、無延伸のシートでも良く、その場合に
は、容器に成形される際に与えられる少なくとも1部分
の位置における延伸配向度が、上述の配向レベルと同一
範囲に入っていれば、それら容器の配向部分も含めるも
のとする。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、これらに限定されるものではない。評価方法は以下
の通りである。 透明性 ASTM D−1003に準拠してHAZEを測定し
(n=5)、以下の基準で評価した。
【0044】 ◎:HAZE≦3% ○:3%<HAZE≦5%……合格レベル ×:HAZE>5% 剛性 ASTM D−882に準拠して引張弾性率を測定し
(n=5、縦横の平均値)、以下の基準で評価した。
【0045】 ◎:引張弾性率≧250Kg/mm2 ○:250Kg/mm2 >引張弾性率≧220Kg/m
2合格レベル ×:引張弾性率<220Kg/mm2 タフネス ASTM D−2176に準拠して耐折強度を測定し
(n=10、縦横の平均値、0.25mmのシートを基
準)、以下の基準で評価した。
【0046】 ◎:耐折強度≧30回 ○:30回>耐折強度≧15回 △:15回>耐折強度≧10回 ×:耐折強度<10回 耐熱性 シートを110℃の加圧蒸気下に5分放置後のシートの
収縮率(n=3、縦横の平均値)を測定し、以下の基準
で評価した。
【0047】 ◎:収縮率≦1% ○:1%<収縮率≦3%……合格レベル △:3%<収縮率≦10% ×:10%<収縮率 耐熱温度 ASTM D−1204に準拠して、110〜150℃
にセットした乾燥オーブン中にシートを10分間放置し
た時の収縮率(n=3)が3%を越える温度を耐熱温度
として測定した。
【0048】色調 成膜したシートの変色(PPEによる黄褐色)の程度を
官能検査により、以下の基準で評価した。 ◎:変色が全く気にならない ○:多少変色しているが問題無し(実用に耐えるレベ
ル) ×:変色のため用途が限定される 成形温度範囲 テストシートを熱板加熱式圧空成形機を用い、開口径9
0%mm、深さ15mmの円柱カップを成形した(熱板
温度:124〜224℃、加熱時間:3秒、成形圧力:
2.5Kg/cm2 )。20ショット分の成形品を検品
し、不良品の発生が5%以下である温度範囲を成形温度
範囲とし測定した(成形温度の低温側での不良は、型再
現性不良、白化等、また高温側での不良は、脱配向によ
る割れやすさ、レインドロップの発生である)。
【0049】成形品の偏肉 テストシートを熱板加熱式圧空成形機を用い、開口径9
0φmm、深さ35mmの円柱カップを成形した(熱板
温度:各シート毎にレインドロップが発生しない上限温
度、加熱時間:5秒、成形圧力:2.5Kg/c
2 )。各成形品の厚み分布を測定し、成形品の最も薄
い部分と元シート厚みとの厚み比より、以下の基準で評
価した。
【0050】 ◎:厚み比≧0.2 ○:0.2>厚み比≧0.15 △:0.15>厚み比≧0.1、または型不良 ×:0.1>厚み比、または白化、破れ等 ビカット軟化点(VSP) ASTM D−1525に準拠して測定した(荷重:1
Kg、昇温速度:2℃/min.)。
【0051】また、樹脂は、以下のものを用いた。 ・PPE:ポリ−(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、平均分子量:3×104 、VSP:2
16℃) ・変性PPE:特開平2−276823に示された変性
PPE、すなわち、ポリ−(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレン)エーテル、100重量部に対し、スチレ
ン、10重量部を均一にブレンドした後、二軸押出機で
溶融混練することにより得た、末端基の1部を上述の
(2)式(R1 =CH3 ,R2 8 =,R9 フェニル基)
で変性したPPE(上述の(1)式で現わされる繰り返
し単位100個につき、0.26個が変性されている。
プロトンNMR分析による)。(数平均分子量:2.5
×104、VSP:216℃) ・GPPS:汎用ポリスチレン(重量平均分子量:25
×104 、VSP:106℃) ・HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(グラフトゴム成
分:6重量%、重量平均分子量:23×104 、VS
P:104℃) ・SMAA:スチレン−メタクリル酸共重合体(メタク
リル酸=8重量%、重量平均分子量:23×104 、V
SP:126℃) ・BAS:スチレン−ブチルアクリレート共重合体(ブ
チルアクリレート=11%、重量平均分子量:36×1
4 、VSP:88℃) ・SBBC:スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(ブタジエン:25重量%、SBSB型共重合体、VS
P:82℃) ・水添SBBC−1:水素添加・スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体(ブタジエン:60重量%、SBSB
型共重合体のブタジエン由来の2重結合を水素添加した
もの) ・水添SBBC−2:無水マレイン酸でモディファイし
た水素添加・スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(ブタジエン:40重量%、SBSB型共重合体のブタ
ジエン由来の2重結合を水素添加したものに無水マレイ
ン酸を1.5%モディファイしたもの) ・A−PET:酸成分が、テレフタル酸、アルコール成
分が、エチレングリコール(70モル%)と1,4−シ
クロヘキサンジメタノール(30モル%)よりなる共重
合非晶性ポリエステル(VSP:82℃)
【0052】
【実施例1〜3】スクリュウ径が、50φmm(内
層)、及び30φmm(表層)の共押出機に3層T−ダ
イを取り付け、30φmm押出機に、表層組成物とし
て、PPEとGPPSとを表1に示す割合でドライブレ
ンド後、スクリュウ径が、30φmmのベント式2軸押
出機により溶融混練し得たペレット(VSPは実施例1
より順にそれぞれ141、125、174℃)を供給し
た、また50φmm押出機に内層樹脂(スチレン系樹脂
層)として、GPPSを供給し、溶融押出し、表1に示
す温度に加熱されたロール群の速度差により2.5倍延
伸した後、表1に示す温度のオーブン温度のテンターで
3.2倍に延伸を行ない、シート厚み=0.25mm、
ORS=4〜6Kg/cm2 のシートを得た。このシー
トの透明性、剛性、タフネス、耐熱性、成形温度範囲、
成形品の偏肉を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【実施例4〜9】変性PPEと表2に示すスチレン系樹
脂を実施例1と同様の方法でブレンドした。該ブレンド
組成物と、内層(スチレン系樹脂層)樹脂として表2に
示すスチレン系樹脂より実施例1と同様の方法でシート
を得た(表層樹脂のVSPは順に、133、162、1
30、139、133、148℃また、実施例6、7、
8の内層樹脂のVSPは順に110、116、108℃
だった)。このシートの透明性、剛性、タフネス、耐熱
性、成形温度範囲、成形品の偏肉を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【比較例1】表層をSMAA、内層をGPPSとした他
は、実施例1と同様の方法でシートを得た。このシート
の透明性、剛性、タフネス、耐熱性、成形温度範囲、成
形品の偏肉を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【比較例2〜3】スクリュウ径が65φmmの押出機に
T−ダイを取り付け、SMAA(比較例2)、実施例1
で用いたPPE・GPPSブレンド組成物(比較例3)
を用いた他は実施例1と同様の方法でシートを得た。こ
のシートの透明性、剛性、タフネス、耐熱性、成形温度
範囲、成形品の偏肉を表3に示す。
【0059】実施例1〜9の結果、本発明の熱可塑性樹
脂積層延伸シートの層構成を持つ3層シートは、透明
性、剛性、タフネスのバランスに優れ、耐熱性、成形性
も良好なことが判る。特に、実施例6、8のごとく、内
層に本発明のシートの回収物をブレンドした場合も特性
が全く変わらないのは本発明の大きな特長である。ま
た、実施例8は、表層に第3成分として小量のゴム成分
を加えている。この場合、特に熱安定性に優れ、他のシ
ートより圧力変動、モーター負荷の変動が少なく安定し
た成膜が可能なものであった。また、実施例9のごとく
内層にゴム補強樹脂をブレンドした場合、他の特性を損
なうこと無くタフネスの改良が可能である。また、回収
樹脂は、自由に表層、内層に使用可能(透明性を保つ)
であった。一方、比較例1は、表層がSMAAの3層シ
ートである。これは、物性、成形性のバランスは優れて
いるものの、耐熱性が十分なレベルではない。比較例2
は、SMAA単層シートで、タフネス、耐熱性、成形性
いずれも満足できるレベルではない。また、リワーク樹
脂組成物は白化し、同一目的(透明シート)には使用不
可であった。また比較例3は、本発明の表層のみからな
る単層シートであり、耐熱性は十分なレベルであるが、
タフネス、成形性に劣る。また、この単層シートは、本
発明のシートに比べ、同一の配向度にするには高温延伸
が必要であるため、延伸中に偏肉が発生しやすく、非常
に成膜が困難なものであった。
【0060】
【実施例10〜14、比較例4、5】スクリュウ径が、
50φmm(内層)、及び30φmm(表層)の共押出
機に3層T−ダイを取り付け、30φmm押出機に、表
層組成物として、変性PPEとGPPSを50:50
(重量%)の割合で実施例1と同様の方法で調整したペ
レット(VSPは148℃だった)を、また50φmm
押出機にGPPSと水添SBBC−2を97:3(重量
%)の割合で上記と同様に調整した樹脂を供給した他は
実施例1と同様の方法で表4に示す層構成のシートを成
膜した。また、実施例14では、実施例12のシート全
層の回収樹脂(シートを粉砕後ペレタイズしたもの)を
30重量%上記の内層組成物にドライブレンドして同様
に成膜した。尚、延伸倍率は、縦2.8倍、横3.6倍
とした。また比較例として、表層樹脂組成物(比較例
4)、内層樹脂組成物(比較例5)それぞれから比較例
2と同様の方法で単層シートを成膜した。尚、延伸倍率
は、縦2.8倍、横3.6倍とした。このシートの透明
性、色調、剛性、タフネス、耐熱温度、成形温度範囲、
成形品の偏肉を表5に示す。
【0061】表4から明らかなように、実施例10〜1
4の結果、本発明の延伸シートは、比較例4、5の単層
シートより成形温度範囲が広いことが判る、これは、表
層と内層の相乗効果によるところが大きく、本発明の大
きな効果である。特に比較例4の単層シートと比べた場
合、内層の効果により、低温側での成形温度の広がりが
大きい、また高温側も僅かではあるが広がる傾向にあ
る。また、比較的深い絞り比に成形した場合の成形品の
偏肉も、GPPSをベースにした比較例5のシートと同
等以上であり、本発明のシートは、深絞り成形も可能な
ことが判る。また、実施例14のごとく、回収樹脂を混
合した場合も、物性、成形性等に全く問題がなく、本発
明は、リワーク性に優れるためコストパフォーマンスも
有利なことが判る。
【0062】また、実用テストとして、実施例14のシ
ートをコロナ処理した後、両面に防曇剤、スリップ剤と
してシュガーエステル1.3重量%、ポリビニルアルコ
ール2.5重量%、液状シリコーン1.5重量%の水溶
液を1m2当り40mgコーティングし、乾燥した後、
シートを蓋付嵌合容器に成形した。成形容器にスパゲテ
ィーとミートソースを一部が蓋部に接触するように入
れ、電子レンジで2分30秒調理した。調理後、容器の
変形、穴開き等はなく、また水滴の付着はなく、内容物
が良く見える状態であった。また比較のため、比較例
5、比較例2のシートを同様にしたところ比較例5のシ
ートは、著しい変形及び穴開き、また、比較例2のシー
トは、変形は無いが、穴が開いた状態であった。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【実施例15〜17】スクリュウ径が、50φmm(中
心層)、30φmm(表層)及び30φmm(中間層)
の共押出機に5層T−ダイを取り付け、表層の30φm
m押出機に実施例4で用いた変性PPE、30重量%
と、GPPS、70重量%を用い、実施例1と同様の方
法でブレンドした樹脂を供給した(該ブレンド樹脂のV
SPは133℃)。また、中間層、中心層には表5に示
す樹脂を供給した他は、実施例1と同様の方法でシート
を得た(延伸ロール温度:155℃、テンター延伸ゾー
ン温度:160℃)。このシートの透明性、剛性、タフ
ネス、耐熱温度、成形温度範囲、成型品の偏肉を表5に
示す。
【0066】このように、本発明の熱可塑性樹脂積層延
伸シートにおいては、他の製品のスクラップや、他の樹
脂層を挿入しても特性が変わらないことが判る。
【0067】
【実施例18、19】スクリュウ径が、50φmm、及
び30φmmの共押出機に2層T−ダイを取り付け、3
0φmm押出機に、表層組成物として実施例4で用いた
変性PPE、30重量%と、GPPS、70重量%を用
い、実施例1と同様の方法でブレンドした樹脂を供給
し、50φmm押出機にGPPSを供給し、実施例1と
同様の方法でシートを得た。(層構成:表層20%、ス
チレン系樹脂層80%の2層シート、延伸ロール温度:
150℃、テンター延伸ゾーン温度:155℃)このシ
ートは、透明性、剛性、タフネスにおいて、いずれも評
価基準○以上のレベルであった。また、シートの耐熱性
は、122℃あるものの、100℃以上ではカールする
ものであった。しかし、成形品では、カールの問題は無
く、成形品を120℃の乾燥オーブン中で10分熱処理
にした場合も変形は生じなかった。成形温度範囲は、表
層を成形機の熱板に当てた場合、12℃、成形品の偏肉
は評価基準○のレベルであった(尚、内層を熱板に当て
た場合は成形温度範囲が0℃であった:実施例18)。
【0068】また、同様の方法(ただし、押出量とライ
ン速度をコントロールし、延伸倍率を3.2×4.6倍
とした)で、78μmのフィルム(ORS=9.5/1
0Kg/cm2 )を得た、該フィルムのGPPS側と、
2mmの発泡ポリスチレンシートを、180℃の加熱ロ
ールを通し熱ラミした。該シートを120×120mm
角、深さ40mmの容器に真空成形機で成形した。該容
器は、120℃の乾燥オーブン中で10分熱処理した場
合も変形が生じないものであった(実施例19)。
【0069】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂耐熱積層延伸シー
トは、透明性、剛性、タフネスのバランスに優れ、更
に、耐熱性、2次成形性に優れるため、電子レンジでの
加熱用包装容器をはじめ、広く包装用とに用いることが
できる。更に、シート成形時や、押出時等に発生するス
クラップを任意の割合で回収層またはブレンドの形で再
利用が可能で、かつ本発明の特性を全く悪化させないた
め、廃棄物も少ないものであり、その工業的意義は大き
い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】具体的には、該スチレン系単量体と共重合
可能な単量体としては、アクリル酸およびそのエステル
類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペン
チル、……などアルコール成分のアルキル基炭素数がC
1 〜C12のもの)、メタクリル酸およびそのエステル類
(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ペンチル、……など上記と同様のアルコール成分の
もの)、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β
−不飽和ジカルボン酸およびこれらのモノエステル、ジ
エステル類、無水物及びこのイミド化物(例えば、無水
マレイン酸、マレイミドなど)、アクリロニトリルまた
は、分子内で隣接するアクリル酸、メタクリル酸(また
はこれらのエステル類)等の単量体単位の、分子内脱水
(または脱アルコール)反応により2次的に誘導される
六員環水物及びこのイミド化物、などがあげられる。
これら単量体成分は、1種用いても良いし、2種以上組
み合わせても良い。また、共重合体中、第3成分また
は、それ以上の成分として共役ジエン類を共重合しても
良く、また公知のゴム類を重合前、または後に添加する
ことによりグラフト化または均一化、マトリックス取り
込み化等の処法を取り入れることによる、また、層状に
重合、または共重合したマーブル状の多層粒状物でも良
く、これらハイインパクト処方を加えると、より好まし
い場合もあり、該スチレン系重合体は、これらも包括し
た共重合体またはその組成物から選ばれる少なくとも1
種の重合体からなるものとする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正内容】
【0012】これらの内、好ましくは、スチレン単量体
よりなる汎用ポリスチレン(GPPS)、HIPS、共
重合可能な単量体10重量%以下の共重合体などであ
る。更に好ましくはGPPSである。また、これら樹脂
に、場合により、上記のスチレン系単量体とアクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどか
ら選ばれる単量体とよりなる、ビカット軟化点が105
℃以下、好ましくは90℃以下の共重合体を任意の割合
で、好ましくは、該スチレン系重合体に対して5〜30
重量%加えた場合、これらが内部可塑剤的効果を示し、
シートの延伸性、2次成形性を改良し好ましい場合もあ
る。ビカット軟化点が105℃以上の場合、可塑化効果
が薄れる領域である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、シートのタフネス、を向上させるた
め、上記スチレン系重合体に、スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体(SBBC)、または、水添・スチレン
−共役ジエンブロック共重合体(水添SBBC)、また
は、これら樹脂をカルボキシル基含有単量体でモディフ
ァイした共重合体などより選ばれる少なくとも1種を該
スチレン系重合体に対して30重量%以下、好ましく
は、20重量%以下、より好ましくは15重量%以下添
加しても良い。この上限は、シートの透明性を著しく悪
化させる領域である。該スチレン−共役ジエンブロック
共重合体とは、少なくとも1種のスチレン系単量体から
なる1つ以上のブロックユニットと、ブタジエン、イソ
プレンなどから選ばれる少なくとも1種の共役ジエンか
らなる1つ以上のブロックユニットから構成されるブロ
ック共重合体であって、スチレン系単量体成分が40〜
90重量%、好ましくは、50〜80重量%のものが挙
げられる。また、水添・スチレン−共役ジエンブロック
共重合体とは、上記と同様のユニットよりなり、スチレ
ン系単量体成分が20〜70重量%、好ましくは、30
〜60重量%のもので、ブロック共重合体中の共役ジエ
ン由来の二重結合が水素添加し、80%以上飽和されて
いるものが挙げられる。またこれらをアクリル酸無水
マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体でモディフ
ァイした公知の共重合体でも良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】で示されてるものである。この一般式
(1)で示されるものの具体例としては、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−nプロピル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジnプロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−nブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−メチル−6−イソブチル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−メチル−4−クロル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル
等のホモ重合体が挙げられる。これらの内、特に好まし
くは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテルである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】これら熱安定化させた変性PPEを用いた
場合、押出安定性、シート成膜加工性等が良くまた、シ
ートの着色も少なく好ましい場合が多い。また、該層に
用いるPPEとして、上述した一般公知のPPEの他
に、他の公知の変性PPEを用いてもかまわない。本発
明のPPEとは、これらすべての樹脂を包括したもの
、これらかに選ばれる少なくとも1種の重合体で
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】該スチレン系単量体と共重合可能な単量体
としては、前述と同様に、例えばアクリル酸およびその
エステル類(例えば、アルコール成分のアルキル基炭素
数がC1 〜C12のもの)、メタクリル酸およびそのエス
テル類(例えば、アルコール成分のアルキル基炭素数が
1 〜C12のもの)、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸およびこれらのモノ
エステル、ジエステル類、無水物及びこのイミド化物
(例えば、無水マレイン酸、マレイミドなど)、アクリ
ロニトリル、または、分子内で隣接するアクリル酸、メ
タクリル酸(またはこれらのエステル類)等の単量体単
位の、分子内脱水(または脱アルコール)反応により2
次的に誘導される六員環無水物及びこのイミド化物、な
どがあげられる。これら単量体成分は、1種用いても良
いし、2種以上組み合わせても良い。また、共重合体
中、第3成分または、それ以上の成分として公知のゴム
類を重合前、後に添加することによりグラフト化または
均一化、マトリックス取り込み化等の処法を取り入れる
ことによる、または他に表層に用いた前述のスチレン系
共重合体のごとく処方等を加えたもの等のハイインパク
ト処方を加えると、より好ましい場合もあり、これらも
包括した共重合体またはその組成物とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】また、これらスチレン系樹脂と前記表層と
は異なる比率で前述のPPE(シートのリワークも含
む)をブレンドし用いても良い。また、シート全層のリ
ワークを該スチレン系樹脂層に加えるのが現実的であ
り、本発明の特長(透明性が良い)、目的ともなる。こ
の場合、本発明の特性である優れた成形性を発揮させる
ためには、表層のビカット軟化点(VSP:ASTM
D−1525に準拠、荷重1Kg、昇温速度2℃/mi
n.)より低くするか、またはPPEのブレンド量を表
層より少なくするのが望ましい。前者の場合、各層のV
SPの比率は表層とスチレン系樹脂層とのVSPをそれ
ぞれVSP(S)、VSP(E)、とするとVSP
(S)/VSP(E)=1.05〜2.5、好ましくは
1.1〜2.0である。後者の場合、PPEの混合比
は、表層の混合量に対し85%以下、好ましくは、70
%以下、である。下限は特にないが、好ましくは5%以
上である。これらは、どちらか一方を満足すれば良いが
同時に満足する場合もある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】ただし本発明の熱可塑性樹脂積層延伸シー
トは、上記例示に限定されないものとする。これらの
内、シート表裏での配向のアンバランスによるカール
や、2次成形不良を防ぐ観点より特に好ましくは、両表
層が、スチレン系樹脂とPPEとを主体とする樹脂層
で、層構成が対象になったものである。また、本発明の
シートは、発泡ポリスチレンシートや、HIPSシー
ト、バリヤー性レジン(PVDC、VOH、ナイロン
系、ポリエステル系等のレジンシート等)その他自由な
シートなどと公知の方法でラミネートして、これらシー
トの耐熱性を向上させるのに使用することもできる。こ
の場合は、1表層が、スチレン系樹脂を主体とする層で
ある方がラミネートするシートとの接着性が良く好まし
い場合もある。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】本発明の熱可塑性樹脂耐熱積層延伸シート
の配向レベルは、その延伸方向においてASTM D−
1504に準じて測定した加熱収縮応力(ORS:13
0〜200℃のシリコン油中で、測定開始30秒までに
発現したピーク応力値を測定(10℃毎)その最高値と
する)が通常2〜18Kg/cm2、好ましくは2.5
〜15Kg/cm2 、より好ましくは3〜13Kg/c
2 、更に好ましくは3.5〜10Kg/cm2 の範囲
にあるのが適当である。RSが、この上限以上では通
常の成形機で成形した際に成形品の型再現性が悪化する
領域であり、更に過剰配向の影響で製品の割れ、白化が
生じ好ましくない。また下限未満では、配向レベルが低
いため、シートでは十分なタフネスが仮にあっても2次
成形後の成形品の抜き打ち時や、使用中に割れが生じる
恐れがある領域である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】また本発明の延伸シートを公知の方法でス
チレン系樹脂シート(例えば、2軸延伸ポリスチレンシ
ート、低発泡ポリスチレンシート、耐衝撃性ポリスチレ
ンシート等)や、他素材よりなるシート(例えば、ポリ
オレフィンシート、塩化ビニルシート、非晶性ポリエス
テルシート等)に公知の方法(例えば、熱ラミ、接着層
を介してのラミネート等)で片面または両面にラミネー
トし、上記の耐熱性を付与することも可能である。本発
明にはこれらラミネートされたシートも包括するもので
ある。また、エラストマー成分、ゴム成分で強化した場
合は、無延伸のシートでも良く、その場合には、容器に
成形される際に与えられる少なくとも1部分の位置にお
ける延伸配向度が、上述の配向レベルと同一範囲に入っ
ていれば、それら容器の配向部分も含めるものとする。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】 ◎:引張弾性率≧250Kg/mm2 ○:250Kg/mm2 >引張弾性率≧220Kg/m
2合格レベル ×:引張弾性率<220Kg/mm2 タフネス ASTM D−2176に準拠して耐折強度を測定し
(n=10、縦横の平均値、厚さ0.25mmのシート
を基準)、以下の基準で評価した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 71:00 4F B29L 7:00 4F

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも1表層がスチレン系樹脂10
    〜95重量%とポリフェニレンエーテル系樹脂90〜5
    重量%との組成物を主体とする組成物より形成され、該
    組成物よりなる表層厚み(両表層が該組成物層で形成さ
    れたシートの場合はその合計)が、シート全体厚みの5
    〜80%であり、かつ少なくとも他の1層が該表層の組
    成物のビカット軟化点より低いスチレン系樹脂を主体と
    する樹脂層よりなる少なくとも1方向に延伸配向された
    熱可塑性樹脂積層延伸シート
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH06238831A (ja) * 1993-02-18 1994-08-30 Toyobo Co Ltd スジ入れ加工性の優れた積層フィルム
JP2012140549A (ja) * 2011-01-04 2012-07-26 Toyo Styrene Co Ltd 耐熱樹脂組成物および発泡成形体
JP2012158065A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Jsp Corp ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び該発泡シートからなる容器
JP6203973B1 (ja) * 2016-08-09 2017-09-27 東洋スチレン株式会社 耐熱スチレン系樹脂組成物、発泡シート、及び食品容器

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