JP2002127317A - 熱収縮性多層フィルム - Google Patents

熱収縮性多層フィルム

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JP2002127317A
JP2002127317A JP2000326413A JP2000326413A JP2002127317A JP 2002127317 A JP2002127317 A JP 2002127317A JP 2000326413 A JP2000326413 A JP 2000326413A JP 2000326413 A JP2000326413 A JP 2000326413A JP 2002127317 A JP2002127317 A JP 2002127317A
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heat
styrene
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copolymer
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JP2000326413A
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Eiji Sato
英次 佐藤
Hideki Totani
英樹 戸谷
Masahiko Aoki
賢彦 青木
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮性、ミシン目切れ性、剛性、衝撃強
度、耐自然収縮性、及び透明性に優れた熱収縮性多層フ
ィルムを提供すること。 【解決手段】(a)スチレン系単量体と共役ジエンのブ
ロック共重合体、(b)スチレン系単量体と(メタ)ア
クリル酸エステルの共重合体、及び(c)ゴム状弾性体
とからなる成分で、その質量比が(a)/(b)/
(c)=70〜25/30〜75/0〜15(合計10
0質量部とする)であり、かつ動的粘弾性にて周波数1
Hzで測定される0℃以上で観察される(b)のtan
δのピーク位置の温度が(a)のtanδのピーク位置
の温度より低くて、その差が10℃〜30℃であるA成
分で形成された少なくとも1層と、同一ないしは異なっ
た(a)のブロック共重合体を主体としたB成分で形成さ
れた少なくとも1層を有する熱収縮性多層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性、ミシン
目切れ性、剛性、衝撃強度、耐自然収縮性、透明性に優
れた熱収縮性多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、容器の収縮包装や収縮ラベルとし
て用いられる熱収縮性フィルムには、熱収縮性や収縮後
の仕上がりがよく、廃棄の際にもポリ塩化ビニルのよう
な環境汚染問題がない点から、透明性に優れたスチレン
−ブタジエン系ブロック共重合体フィルムが用いられて
いる。しかし、このフィルムは用途に応じては柔らかく
腰がない、自然収縮が大きいといった問題点があり、こ
れらの欠点を改良すべく各種多層フィルムが提案されて
いる(特開平9−114380号公報、特開平11−7
7916号公報)。一方、熱収縮性フィルムはPETボ
トルなどへ被覆させる際、加熱による内容物の変質を抑
えたり、被覆加工時の消費エネルギーを下げるうえでよ
り低温で収縮出来るために熱収縮性に優れることが望ま
れている。また、近年、リサイクルの向上を目的とし
て、ミシン目を入れたラベルがPETボトルに装着され
ているが、このミシン目に沿って容易に切れる、即ちミ
シン目切れ性に優れたラベルが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況を踏まえ、熱収縮性、ミシン目切れ性、剛性、衝
撃強度、耐自然収縮性、および透明性に優れ、さらにバ
ージン材にリターン材を混入して得たフイルムでも熱収
縮性、ミシン目切れ性、剛性、衝撃強度、耐自然収縮
性、透明性に優れた熱収縮性多層フィルムを提供するこ
とをも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を果たすべく鋭意研究を重ねた結果、特定の単量体比
のスチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重
合体と、動的粘弾性で求められる特定の範囲のtanδ
を持つスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル
からなる共重合体と、ゴム状弾性体とを特定の割合で構
成させた成分を少なくとも1層とした熱可塑性多層フィ
ルムである。さらに、該成分のフィルムを多層フィルム
の少なくとも1層とし、特定の単量体比のスチレン系単
量体と共役ジエンからなるブロック共重合体を主体とし
た成分から形成された少なくとも1層を他層として形成
させることにより、熱収縮性、ミシン目切れ性、剛性、
衝撃強度、耐自然収縮性、透明性に優れ、さらにリター
ン材が混入したフイルムでも熱収縮性、ミシン目切れ
性、剛性、衝撃強度、耐自然収縮性、透明性に優れた多
層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち本発明は、(a)スチレン系単量
体と共役ジエンの質量比が90/10〜60/40であ
るブロック共重合体(以下、スチレン系単量体−共役ジ
エンブロック共重合体という)、(b)スチレン系単量
体と(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体(以
下、スチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体という)、および(c)ゴム状弾性体とからなる
成分で、その質量比が(a)/(b)/(c)=70〜
25/30〜75/0〜15(合計100質量部とす
る)であり、かつ動的粘弾性にて周波数1Hzで測定さ
れる0℃以上で観察される(b)のtanδのピーク位
置の温度が(a)のtanδのピーク位置の温度より低
くて、その差が10℃〜30℃であるA成分で形成され
た少なくとも1層からなる熱収縮性フィルムである。さ
らには、A成分で形成された少なくとも1層と、スチレ
ン系単量体と共役ジエンの質量比が90/10〜60/
40であるブロック共重合体を主体としたB成分で形成
された少なくとも1層を有する熱収縮性多層フィルムで
ある。
【0006】特に、中間層がA成分で形成され、表裏層
がB成分で形成された熱収縮性多層フィルムが好まし
い。
【0007】さらに、A成分の(a)を構成するスチレ
ン系単量体−共役ジエンブロック共重合体において、ス
チレン系単量体がスチレンで、共役ジエンがブタジエン
であるブロック重合体を用いること、また、(b)を構
成するスチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エステル
共重合体として、スチレン系単量体がスチレンおよび
(メタ)アクリル酸エステル単量体がメチルメタクリレ
ートとn−ブチルアクリレートからなる共重合体、また
はスチレン系単量体がスチレンおよび(メタ)アクリル
酸エステル単量体がn−ブチルアクリレートからなる共
重合体を用いることが好ましい。またB成分としスチレ
ンとブタジエンからなるブロック共重合体を用いること
も特に好ましい熱収縮性多層フィルムである。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
A成分として用られる(a)スチレン系単量体−共役ジ
エンブロック共重合体は、有機溶剤中で有機リチウム化
合物を開始剤としてスチレン系単量体と共役ジエンを特
定の条件下で重合することによって得られる。有機溶剤
としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、
ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水
素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン
などの脂環式炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、エ
チルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素など公知
の有機溶剤が使用できる。また、有機リチウム化合物は
分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であ
り、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イ
ソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウムなどが使用できる。
【0009】使用されるスチレン系単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなど
を挙げることができるが、好ましくはスチレンである。
これらスチレン系単量体は、単独で用いても良いが二種
以上を併用してもよい。また、使用される共役ジエンと
しては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エンなどがあげられるが、特に一般的なものとしては、
1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0010】使用されるブロック共重合体の構造には特
に制限はない。全体の構造としては線状の共重合体、星
形の共重合体があげられる。線状の共重合体の分子量を
上げたり、星形にするために公知のカップリング剤を使
用することができる。また、ブロック共重合体を構成す
る各ブロック部分の構造もスチレン系単量体、あるいは
共役ジエン単量体の単独ブロック、両者のテーパードブ
ロック、ランダムブロックのどれでも良い。テーパード
ブロックやランダムブロック部分を形成するために、公
知のランダム化剤を用いたり、両者を重合缶に連続フィ
ードしたり、交互に少量ずつ添加しても良い。
【0011】スチレン系単量体と共役ジエンの質量比
は、90/10〜60/40である。スチレン系単量体
が90質量%を超えると衝撃強度が劣り、60%未満で
は剛性が劣り、実用に供せない。
【0012】本発明に用いる(b)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体に使用されるスチ
レン系単量体および(メタ)アクリル酸エステルは下記
のとおりである。スチレン系単量体とは、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチ
ルスチレンなどをあげることができるが、好ましくはス
チレンである。これらスチレン系単量体は、単独で用い
てもよいが二種以上を併用してもよい。一方(メタ)ア
クリル酸エステル単量体とは、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレートなどがあげられるが、好ましくは
メチルメタクリレートおよび/またはn−ブチルアクリ
レートである。これらの(メタ)アクリル酸エステル単
量体は単独で用いてもよいが二種以上を併用してもよ
い。メチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートの
併用は好適な例である。また、必要に応じて、本発明の
目的を損なわない範囲で他の単量体を用いることもでき
る。例えば共重合可能な単量体としてアクリル酸、メタ
アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸
などが用いられる。
【0013】本発明に用いる(b)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造法には、ス
チレン系重合体の製法で常用されている塊状重合法、溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが用いられる。
また、回分式重合法、連続式重合法のいずれの方法も用
いることができる。
【0014】これらの重合法は、重合開始剤としてアゾ
ビスブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニ
トリルなどのアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−
3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレートなど
の有機過酸化物を用いることができる。また、分子量調
整剤としてt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン
−1を、可塑剤としてはブチルベンジルフタレートやジ
イソブチルアジペートなどを必要に応じて添加してもよ
い。
【0015】本発明に用いる(b)スチレン系単量体−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の動的粘弾性測定
で周波数1Hzにおけるtanδの0℃以上で観察され
るピーク位置の温度は、前述した(a)スチレン系単量
体−共役ジエンブロック共重合体より低く、かつその差
が10℃〜30℃である。10℃未満では良好な熱収縮
性が得られず、30℃を超えると熱収縮性フィルムの耐
自然収縮性に影響を及ぼし、実用に供せない。なお、動
的粘弾性でのtanδ(損失正接)測定は、ペレットま
たは粉末を加熱プレスにより圧縮成形してシートを得た
後、さらに該シートを温度23℃、相対湿度50%RH
に調整された室内にて24時間以上保管することにより
養生処理を施した後、その被検体サンプルに周波数1H
zの引張方向の応力、および歪みを加え、4℃/分の割
合で昇温しながら測定する。
【0016】また、(b)の共重合体においては、JI
S K6871で規定される温度200℃、49.03
N荷重におけるメルトフローレートが5.0を超えて1
5以下であることが好ましく、特に5.5〜10が好ま
しい。
【0017】本発明に用いる(c)ゴム状弾性体として
は、MBS樹脂、MBAS樹脂があげられる。これらの
ゴム状弾性体は単独でも、混合しても用いることができ
る。
【0018】MBS樹脂、MBAS樹脂は、まずポリブ
タジエンまたはブタジエンを主成分とするスチレンとの
共重合体ゴムラテックスを公知の乳化重合法で製造す
る。この際に、架橋剤や連鎖移動剤を使用しても良い。
次に、MBS樹脂は、このゴムラテックスにスチレンお
よびメチルメタクリレートを、MBAS樹脂はスチレ
ン、メチルメタクリレート、アルキルアクリレートおよ
び/またはアクリロニトリルを添加し、グラフト重合を
行うことによって得られる。MBS樹脂およびMBAS
樹脂に使用されるアルキルアクリレートは、前記の
(a)スチレン系単量体−(メタ)アクリル酸エステル
共重合体で述べたと同様のものがあげられる。
【0019】本発明に用いる(c)ゴム状弾性体におけ
るゴム成分の質量%は45〜65%が好ましい。45%
未満では熱収縮性フィルムとしての補強効果に劣る傾向
が現われ、65%を超えるとA成分中での分散性が劣る
ため成形品の品位を損ないやすくなるので好ましくな
い。
【0020】本発明のA成分を構成する(a)スチレン
系単量体−共役ジエンブロック共重合体と、(b)スチ
レン系単量体−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
と、(c)ゴム状弾性体との質量比は、(a)/(b)
/(c)=70〜25/30〜75/0〜15(合計1
00質量部とする)であり、好ましくは70〜30/3
0〜70/0〜10、さらに好ましくは30〜50/5
0〜70/3〜10である。(a)の割合が25質量部
未満ではミシン目特性が劣り、70質量部を超えると剛
性が劣る。(b)の割合が30質量部未満では熱収縮性
に劣り、75質量部を超えると衝撃強度が劣る。(c)
の割合が15質量部を超えると剛性に劣り、実用に供せ
ない。
【0021】(a)と(b)と(c)の混合方法は特に
規定はないが、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレ
ンダー、Vブレンダーなどでドライブレンドしてもよ
く、さらに押出機で溶融化してペレット化しても良い。
【0022】つぎに、本発明のB成分について説明す
る。B成分はスチレン系単量体と共役ジエンの質量比が
90/10〜60/40であるブロック共重合体を主体
とし、さらに必要に応じてスチレン系重合体を配合する
ことができる。本発明のB成分のスチレン系単量体−共
役ジエンブロック共重合体は、スチレン系単量体と共役
ジエンを、前記の(a)のスチレン系単量体−共役ジエ
ンのブロック共重合体で述べたと同様の有機溶媒、開始
剤を用いて重合することによって得られる。
【0023】使用されるスチレン系単量体および共役ジ
エンとしては、前記の(a)スチレン系単量体−共役ジ
エンブロック共重合体で述べたと同様のものがあげられ
る。スチレン系単量体と共役ジエンの質量比は90/1
0〜60/40であり、スチレン系単量体が90質量%
を超えると延伸フィルムを作成する際の延伸性が劣り、
60質量%未満では剛性が劣ってしまい好ましくない。
なお、B成分として用いられるスチレン系単量体−共役
ジエンブロック共重合体は、単量体比はA成分をなす
(a)と同一の範囲内であるが、同一の共重合体であっ
ても異なるものであってもよい。
【0024】つぎに、本発明に必要に応じて用いられる
スチレン系重合体としては、前記の(a)スチレン系単
量体−共役ジエンブロック共重合体で述べたと同様のス
チレン系単量体を用い、これらのスチレン系単量体の単
独重合体または二種以上の共重合体、さらには耐衝撃性
ポリスチレン(HIPS)などがあげられる。
【0025】本発明において、スチレン系単量体−共役
ジエンブロック共重合体は、単独で多層フィルムの層を
形成しても良いし、必要に応じてスチレン系重合体を混
合物として多層フィルムの層を形成しても良い。混合す
る際は、前記したA成分の場合と同様の方法を用いるこ
とができる。
【0026】また、本発明に用いる各(共)重合体に
は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑
剤、粘着付与剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃化
剤、フィラーなどの添加剤を本発明の効果を阻害しない
範囲で配合しても良い。添加剤を配合する方法について
は、特に規定はないが、たとえばヘンシェルミキサー、
リボンブレンダー、Vブレンダーなどでドライブレンド
しても良く、さらに押出機で溶融してペレット化しても
良い。あるいは、各重合体の製造時、重合開始前、重合
反応途中、重合体の後処理などの段階で、添加しても良
い。
【0027】なお、本発明で用いる可塑剤としては、オ
レイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸など脂肪族
−塩基酸エステル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ
イソブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル、サバシン酸ジブチル、サバシ
ン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族−二塩基酸エ
ステル、あるいはフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フ
タル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸エステル
が好ましい。好ましい添加量としては、A成分の100
質量部に対して0〜3質量部添加することが好ましい。
【0028】本発明の熱収縮性多層フィルムは、表裏層
用、中間層用に上記の重合体および樹脂を各々押出機で
溶融し、それをダイ内またはフイードブロックなどで多
層化後、一軸、二軸あるいは多軸に延伸することによっ
て得られる。ダイは、Tダイ、環状ダイなど公知のもの
が使用できる。一軸延伸の例としては、押し出されたシ
ートをテンターで押し出し方向と直交する方向に延伸す
る方法、押し出されたチューブ状フィルムを円周方向に
延伸する方法などがあげられる。二軸延伸の例として
は、押し出されたシートをロールで押し出し方向に延伸
した後、テンターなどで押し出し方向と直交する方向に
延伸する方法、押し出されたチューブ状フィルムを押し
出し方向および円周方向に同時または別々に延伸する方
法などがあげられる。
【0029】本発明において、延伸温度は60〜120
℃が好ましい。60℃未満では延伸時にシートやフィル
ムが破断してしまい、また、120℃を越える場合は良
好な収縮特性が得られないため好ましくない。延伸倍率
は、特に制限はないが、1.5〜8倍が好ましい。1.
5倍では熱収縮性が不足してしまい、また、8倍を越え
る場合は延伸が難しいため好ましくない。これらのフィ
ルムを熱収縮性ラベルや包装材料として使用する場合、
熱収縮率は温度80℃において20%以上必要である。
20%未満では収縮時に高温が必要となるため、被覆さ
れる物品に悪影響を与えてしまい好ましくない。フィル
ムの厚さは10〜300μmが好適である。
【0030】また、本発明は、本発明の熱収縮性多層フ
ィルムのリターン材を、A成分のバージン材に混入して
得た熱収縮性多層フィルムは、熱収縮性、ミシン目切れ
性、剛性、衝撃強度、耐自然収縮性、透明性にも優れた
熱収縮性多層フィルムを形成するものである。この混合
割合は、特に限定されるものではないが、好ましくはA
成分のバージン材に50質量%以下(但し、0質量%は
含まず)混合することが熱収縮性、剛性から望まれる。
また、必要に応じて物性を損なわない範囲で本発明の熱
収縮性多層フィルムのリターン材をB成分のバージン材
に添加することもできる。
【0031】また、本発明では、得られたフィルムの表
面特性を良好にするために帯電防止剤や滑剤などを表面
に塗布してもよい。
【0032】本発明の熱収縮性フィルムの用途として
は、熱収縮性ラベル、熱収縮性キャップシールなどが特
に好適であるが、その他、包装フィルムなどにも適宜利
用することができる。
【0033】
【実施例】次に実施例をもって本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0034】実施例1〜7および比較例1〜9 (イ)原料重合体について A成分:(a)スチレン系単量体−共役ジエンブロック
共重合体 表1に示すとおりのスチレン系単量体−共役ジエンブロ
ック共重合体を用いた。
【0035】
【表1】
【0036】A成分:(b)スチレン系単量体−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体 表2に示すとおりのスチレン系単量体−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体を用いた。
【0037】
【表2】
【0038】A成分:(c)ゴム状弾性体 表3に示すとおりのゴム状弾性体を用いた。
【0039】
【表3】
【0040】B成分:表4に示すとおりのスチレン系単
量体−共役ジエンブロック共重合体、およびスチレン系
重合体を用いた。
【0041】
【表4】
【0042】tanδのピーク位置の温度は、各成分を
加熱プレスにより圧縮成形でシート(厚さ0.2mm)
を作成し、さらに該シートを温度23℃、相対湿度50
%RHに調整された室内にて24時間以上保管すること
により養生処理を施した後、レオメトリクス社製RSA
−IIにて1Hzの引張り方向の応力、および歪みを加
え、4℃/分の割合で昇温しながら測定した。
【0043】メルトフローレート(MFR)は、JIS
K6871の測定方法に準拠し、温度200℃、4
9.03N荷重の条件にて測定した。
【0044】(ロ)フイルムの製造 A成分として表1に示した(a)スチレン系単量体−共
役ジエンブロック共重合体、表2に示した(b)スチレ
ン系単量体−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、表
3に示した(c)ゴム状弾性体、並びにB成分として表
4に示した重合体を用いて、表5〜表8に示した各層の
原料重合体の配合量(質量部)、層比(%)で熱収縮性
多層フィルムを作成した。フィルムは、まず各層に対応
する重合体または重合体組成物を別々の押出機で溶融
し、Tダイ内で多層化し、厚さ0.3mmのシートを成
形した。また、得られた多層シートの一部をペレット化
し(このペレットをリターン材という)、中間層を構成
する成分に30質量%混合し、上記と同様の方法でシー
トを作成した。その後、東洋精機(株)製の二軸延伸装
置を用い、温度90℃で5倍に横一軸延伸することによ
って延伸フイルムを作成した。
【0045】表5〜表8に各層の原料重合体の配合量
(質量部)、層比(%)とともに物性を示した。なお、
比較例1は、シート成形はできたが延伸フイルムは得ら
れなかった。
【0046】なお、フィルムの各物性は下記の方法によ
った。 (1)熱収縮率:80℃の温水中に30秒間浸漬し、次
式より算出した。 熱収縮率(%)={(L1−L2)/L1}×100 但し、L1:浸漬前の長さ(延伸方向)、L2:80℃
の温水中に30秒間浸漬した収縮後の長さ(延伸方向) (2)ミシン目切れ性:得られたフィルムに、カット
0.7mm、ブリッジ1.4mmでミシン目を入れ、手
で引き裂き、下記の基準で評価した。 ○:ミシン目に沿って切れる △:途中でミシン目からずれる ×:ミシン目通りに切れない (3)引張弾性率:JIS K6871に準拠し、エー
・アンド・デイ製テンシロン万能試験機(RTC−12
10A)を用いて測定した。 (4)フィルムインパクト:延伸フイルムを用いてテス
ター産業製フィルムインパクトテスターを用いて測定し
た。 (5)自然収縮性:延伸フィルムを40℃の環境試験機
中に7日間放置し、次式より算出した。 自然収縮率(%)={(L1−L2)/L1}×100 但し、L1:延伸直後の長さ(延伸方向)、L2:40
℃の環境試験機中に4日間放置後の長さ(延伸方向) (6)曇度:ASTM D1003に準拠し、日本電色
工業製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を
用いて測定した。
【0047】表5〜表8に示した物性より、本発明のフ
ィルムは、バージン材で得たフイルムでも、バージン材
にリターン材を混入して得たフイルムでも熱収縮性、ミ
シン目切れ性、剛性、衝撃強度、耐自然収縮性、透明性
に優れることがわかる。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【発明の効果】本発明で得たフイルムは、熱収縮性、ミ
シン目切れ性、剛性、衝撃強度、耐自然収縮性、および
透明性に優れる。さらにバージン材にリターン材を混入
して得たフイルムでも熱収縮性、ミシン目切れ性、剛
性、衝撃強度、耐自然収縮性、および透明性にも優れた
熱収縮性多層フィルムを提供することができる。従って
本フイルムは、各種物品の包装に用いたり、印刷を施し
てラベルとして用いることが出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/04 C08L 33/04 51/04 51/04 53/02 53/02 // B29K 9:06 B29K 9:06 25:00 25:00 33:04 33:04 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 C08L 25:10 C08L 25:10 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA22 AA22X AA33 AA33X AA75 AA77 AA83 AA88 AF14 AF23 AF30 AF43 AH04 BA01 BB06 BB08 BC01 BC02 4F100 AK12A AK12B AK12J AK25A AK25B AK25H AK25J AK28A AK28J AK73A AL01A AL01B AL02A AL05A AL09A BA02 GB16 JA03 JK01 JK07A JK10 JL01 JN01 YY00A 4F210 AA13E AA21E AA45 AA47F AE01 AG01 AG03 RA03 RC02 RG02 RG04 RG09 RG43 4J002 BC07W BG04W BG05W BN163 BP01X FD020 GG02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)スチレン系単量体と共役ジエンの
    質量比が90/10〜60/40であるブロック共重合
    体、(b)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エス
    テルからなる共重合体、および(c)ゴム状弾性体とか
    らなる成分で、その質量比が(a)/(b)/(c)=
    70〜25/30〜75/0〜15(合計100質量部
    とする)であり、かつ動的粘弾性にて周波数1Hzで測
    定される0℃以上での(b)のtanδのピーク位置の
    温度が(a)のtanδのピーク位置の温度より低く
    て、その差が10℃〜30℃であるA成分で形成された
    少なくとも1層からなる熱収縮性フィルム。
  2. 【請求項2】 (a)スチレン系単量体と共役ジエンの
    質量比が90/10〜60/40であるブロック共重合
    体、(b)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エス
    テルからなる共重合体、および(c)ゴム状弾性体とか
    らなる成分で、その質量比が(a)/(b)/(c)=
    70〜25/30〜75/0〜15(合計100質量部
    とする)であり、かつ動的粘弾性にて周波数1Hzで測
    定される0℃以上での(b)のtanδのピーク位置の
    温度が(a)のtanδのピーク位置の温度より低く
    て、その差が10℃〜30℃であるA成分で形成された
    少なくとも1層と、スチレン系単量体と共役ジエンの質
    量比が90/10〜60/40であるブロック共重合体
    を主体としたB成分で形成された少なくとも1層を有す
    ることを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  3. 【請求項3】 A成分の(a)のブロック共重合体にお
    いて、スチレン系単量体がスチレンで、共役ジエンがブ
    タジエンであることを特徴とする請求項1または2記載
    の熱収縮性多層フィルム。
  4. 【請求項4】 A成分の(b)の共重合体において、ス
    チレン系単量体がスチレンで、(メタ)アクリル酸エス
    テル単量体がメチルメタクリレートとn−ブチルアクリ
    レートからなる共重合体、またはスチレン系単量体がス
    チレンで、(メタ)アクリル酸エステル単量体がn−ブ
    チルアクリレートからなる共重合体であることを特徴と
    する請求項1記載の熱収縮性多層フィルム。
  5. 【請求項5】 A成分の(b)の共重合体において、J
    IS K6871で規定される温度200℃、49.0
    3N荷重におけるメルトフローレートが5.0を超えて
    15以下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の
    熱収縮性多層フィルム。
  6. 【請求項6】 B成分がスチレンとブタジエンからなる
    ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1乃至
    5記載の熱収縮性多層フィルム。
  7. 【請求項7】 中間層が請求項1、または請求項3乃至
    5のいずれか1項記載のA成分で形成され、表裏層が、
    請求項2または6記載のB成分で形成されたことを特徴
    とする熱収縮性多層フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7記載の熱収縮性多層フィ
    ルムのリターン材をA成分のバージン材に50質量%以
    下(但し0質量%は含まず)混合してなることを特徴と
    する熱収縮性多層フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328162A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Gunze Ltd フイルム
EP1737912B1 (en) * 2004-02-20 2016-09-28 Chevron Phillips Chemical Company Lp Binary and ternary blends comprising monovinylarene/conjugated diene block copolymers and monovinylarene/alkyl (meth)acrylate copolymers

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EP1737912B1 (en) * 2004-02-20 2016-09-28 Chevron Phillips Chemical Company Lp Binary and ternary blends comprising monovinylarene/conjugated diene block copolymers and monovinylarene/alkyl (meth)acrylate copolymers
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