JP3303589B2 - スチレン系樹脂二軸延伸積層シート - Google Patents

スチレン系樹脂二軸延伸積層シート

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JP3303589B2
JP3303589B2 JP7386195A JP7386195A JP3303589B2 JP 3303589 B2 JP3303589 B2 JP 3303589B2 JP 7386195 A JP7386195 A JP 7386195A JP 7386195 A JP7386195 A JP 7386195A JP 3303589 B2 JP3303589 B2 JP 3303589B2
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昭彦 坂井
弘喜 午菴
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン系樹脂二軸延
伸積層シートに関する。さらに詳しくは、透明性、剛
性、成形性などのスチレン系樹脂延伸シートの本来有す
る諸特性を保ち、かつ、耐油性、耐可塑剤性およびラッ
プフィルムとの滑り性に優れ、油分を含有する食品を収
納してラップ包装に供される容器の成形材料として好適
なスチレン系樹脂二軸延伸積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂延伸シート、特に、一般
用ポリスチレンを主成分とするスチレン系樹脂よりなる
二軸延伸シートは、良好な透明性を示し、腰が強く、ま
た成形性にも優れ、真空成形法や圧空成形法等の熱成形
法により容易に容器等が成形できるため、主として食品
包装用の軽量容器の製造に大量に使用されている。
【0003】また、これまで、電子レンジでの加熱調理
用途や、直接沸騰水に接する用途等に応じるため耐熱性
等の改良が行われてきた。しかしながら、現在、多種多
様な食品を包装するため、未だ改良すべき課題が残され
ている。
【0004】その1つには、耐油性による問題がある。
包装される多くの食品は艶を出すため等の理由で食品用
油、例えばMCT(ミディアム・チェーン・トリグリサ
ライド)を含有している。通常のスチレン系樹脂延伸シ
ートであると、このような食品油により短時間の内に侵
され、容器にクラックが発生して割れるという欠点があ
った。また、包装方式による耐可塑剤性及びラップフィ
ルムとの滑り性の問題もある。
【0005】スチレン系樹脂延伸シートを熱成形して得
られた容器には、所謂オーバーラップ包装方式が多用さ
れているが、このオーバーラップ包装方式とは、食品を
収納した容器全体を軟質フィルムで被覆(オーバーラッ
プ)して最終商品の形態とする包装方式である。この包
装方式においては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂等より製造
された軟質フィルム(「ストレッチフィルム」とも呼ば
れる。)を、食品を収納した容器の上側開口部の周縁全
体に展張させ、さらに下方へと曲げて展張させ、容器側
面から容器底面まで緊張させた状態で引っ張り、容器の
底部においてフィルム同士の自己粘着力、または熱溶融
させて固定することによって容器全体を被覆するもので
ある。この場合、容器を変形させず、容器の上側開口部
の周縁(フランジ部)ではストレッチフィルムの皺を発
生させず、かつ、緊張した状態で仕上げることが、商品
価値を高める意味から極めて重要である。
【0006】しかしながら、従来のスチレン系樹脂延伸
シートを熱成形して得られた容器は、ストレッチフィル
ム中の可塑剤成分によって短時間の内に侵され、容器に
クラックが発生して割れるという欠点があった。また、
用いるスチレン系樹脂延伸シートとストレッチフィルム
との滑り性が悪いため、容器のフランジ部でストレッチ
フィルムに皺が発生し、商品価値を低下させるという欠
点もあった。
【0007】このように、従来のスチレン系樹脂延伸シ
ートは、耐油性、耐可塑剤性およびラップフィルムとの
滑り性が不十分であるため、油分を含有する食品を収納
する容器、特にオーバーラップ包装方式で最終商品に仕
上げる容器の成形材料としては満足できるものとはいえ
なかった。
【0008】スチレン系樹脂二軸延伸シートの耐油性、
耐可塑剤性を改良するために、これまで、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリエステル
類の薄いフィルムを、押出ラミネート法、ドライラミネ
ート法、共押出法、又は加熱密着法等により積層して複
合シート化する技術が提案されている。しかし、上記の
ような耐油性フィルムを積層した複合シートは耐油性、
耐可塑剤性は改良されても、積層したシートから成形品
を製造した際に生ずるスケルトン(骨)を利用できない
欠点があった。例えば、スチレン系樹脂二軸延伸シート
を原料とし、圧空成形法、真空成形法等によって容器を
成形し、この容器をトリミング装置によって原料シート
から打ち抜いた後に残るスケルトンは、原料シートの全
面積に対して20〜50%に及ぶ。このためスケルトン
を再利用できるか否かは、重要なことである。上記ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリエステ
ル類等は、スチレン系樹脂との相溶性が悪く、上記複合
シートは再使用できない。
【0009】また、本発明にて用いられるポリフェニレ
ンエーテルは、ポリスチレンとの組成物を製造する場
合、幅広い組成範囲および温度範囲で混ざり合って完全
相溶系を形成することが知られている。しかしながら、
ポリフェニレンエーテルは、高い軟化点と低い流動性を
有するため、ポリスチレンにポリフェニレンエーテルを
完全溶解させることは、実際には困難である。原料組成
物中の未溶融のポリフェニレンエーテルは、射出成形品
の場合には、特に目立つことがなく大きな問題とはなら
ないが、二軸延伸シートの場合には、重要な問題とな
る。すなわち、二軸延伸シートの場合、延伸により、未
溶融のポリフェニレンエーテルが表面に浮き出るため、
ポリスチレンとの屈折率の差によりハードスポットとし
て現れ表面外観を著しく悪化させる。混練温度を高め、
混錬機中の滞留時間も長くすることにより、原料組成物
中の相溶不十分の未溶融のポリフェニレンエーテルを低
減することは可能であるが、それでは、高温酸化劣化に
よる色調悪化が著しく、また、加工コストが高くなる。
一方、ポリフェニレンエーテルの存在下にスチレン系単
量体を重合させる方法も提案されている(例えば、特開
昭55ー137130号、特開昭58ー117213号
公報)。しかしながら、上記の方法は、射出成形品の加
工性、耐薬品性の改良のためのものであり、二軸延伸シ
ートへの利用については言及されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来か
らの課題を解決しようとするものであり、透明性、剛
性、成形性などのスチレン系樹脂延伸シートの本来有す
る諸特性を保ち、かつ食品中の油分やストレッチフィル
ム中の可塑剤成分によって侵されず、ストレッチフィル
ムとの滑り性にも優れ、さらに、成形品を打ち抜いた後
のスケルトンの再利用が可能である、スチレン系樹脂二
軸延伸積層シートを提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明におい
ては、上記課題を解決するため次のような手段を講じて
いる。すなわち、本発明は、スチレン系樹脂(a)より
なる基材層(A)の少なくとも一方の面に耐油性樹脂層
(B)が形成されてなるスチレン系樹脂二軸延伸積層シ
ートにおいて、基材層(A)はその厚みが80〜700
μmであり、耐油性樹脂層(B)は、ポリフェニレンエ
ーテル(b1)8〜50重量%の存在下にスチレン系単
量体(b2)92〜50重量%を重合して得られる重合
体100重量部に対し、重量平均粒子径が1〜10μm
のゴム粒子を含有するゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂
(b3)が0.1〜5重量部配合された樹脂組成物から
構成され、その厚みが10〜100μmであり、積層シ
ートの配向緩和応力が、流れ方向およびこれと直角方向
ともに3〜10kg/cm2となるように二軸延伸され
てなることを特徴とするスチレン系樹脂二軸延伸積層シ
ートに関する。
【0012】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
のスチレン系樹脂二軸延伸積層シートは、スチレン系樹
脂(a)よりなる基材層(A)を有する。スチレン系樹
脂(a)は、特に限定されるものではなく、従来公知の
各種のスチレン系樹脂を適宜選択して使用することがで
きる。代表例としては、スチレン、oーメチルスチレ
ン、mーメチルスチレン、pーメチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、αーメチルスチレン、pークロロスチレ
ン、2,4ージクロロスチレン等のスチレンおよびその
誘導体よりなる単独重合体、又は共重合体、スチレンも
しくは上記スチレン誘導体のうち少なくとも1種とこれ
ら重合体と共重合可能な他の単量体との2元系、3元系
もしくは4元系以上の共重合体が挙げられる。また、こ
れら重合体を2種以上混合した混合組成物が挙げられ
る。
【0013】共重合可能な他の単量体としては、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル
類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和
ニトリル化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸等
の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
【0014】更には、上記の単独重合体、共重合体、ま
たは混合樹脂組成物に少量のゴム成分を含有させて変性
した耐衝撃性スチレン系樹脂等を挙げることができる。
これらの中では、ポリスチレン、スチレンーアクリロニ
トリル共重合体、スチレンとメタクリル酸メチルとの共
重合体、スチレンとαーメチルスチレンとの共重合体、
スチレンと無水マレイン酸との共重合体、スチレンとア
クリル酸との共重合体、およびこれらのゴム変性物が好
ましく、特に、スチレンの単独重合体(一般用ポリスチ
レン)は透明性に優れ、かつ入手が容易で安価なことか
ら最も好ましい。
【0015】基材層(A)の厚みは80〜700μmで
あり、好ましくは100〜500μmである。80μm
未満であると成形した際の積層シート全体の剛性が低下
し、その結果、耐油性樹脂層(B)への負荷が大きくな
り、望ましい耐油性及び耐可塑剤性が得られない。
【0016】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シー
トは、基体層(A)の少なくとも一方の面に耐油性樹脂
層(B)が形成されてなり、耐油性樹脂層(B)は、ス
チレン系樹脂二軸延伸積層シートに耐油性、耐可塑剤性
を付与すると共に、ラップフィルムとの滑り性を向上さ
せる。
【0017】この耐油性樹脂層(B)は、ポリフェニレ
ンエーテル(b1)およびスチレン系単量体(b2)と
の重合体および重量平均粒子径1〜10μmのゴム粒子
を含有するゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b3)が
特定の割合で混合されてなる樹脂より構成されている。
ポリフェニレンエーテル(b1)としては、下記一般式
(I)で表されるものが挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】[式中、R1〜R4は独立にそれぞれ、ア
ルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水素原子、
アリール基または、置換アリール基などから選ばれる、
nは重合度を表す整数、X1、X2は、フェニレンエー
テル系重合体における自由な末端基である。]
【0020】上記一般式(I)で表されるポリフェニレ
ンエーテルの具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル
フェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−
ジプロピルー1,4ーフェニレン)エーテル、ポリ(2
−メチル−6−エチル−1,4ーフェニレン)エーテ
ル)、ポリ(2−メチルー6ープロピル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−エチルー6ープロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチルー6
ーブロム−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
メチルー6ークロル−1,4−フェニレン)エーテル、
等が挙げられる。
【0021】本発明では、ポリフェニレンエーテルとし
て、前記一般式(I)で表される化学構造を主体とする
ものであれば共重合可能な他の単量体も使用可能であ
る。このような共重合体の具体例としては、2,6−ジ
置換フェノ−ルと2,4−ジ置換フェノ−ルとの共重合
体、2,6−ジ置換フェノ−ルと2,3、6−トリ置換
フェノ−ルとの共重合体、2,6−ジメチルフェノ−ル
と2−置換フェノ−ル、3−置換フェノ−ルまたは4−
置換フェノ−ルとの共重合体等が挙げられる。
【0022】上記ポリフェニレンエーテルの中では、ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル
が好ましい。さらに、その重合体の固有粘度(クロロホ
ルム、25℃測定)が0.2〜1dl/gの範囲、好ま
しくは0.3〜0.7dl/gの範囲のものを使用したと
きには、機械的強度および成形性の優れたスチレン系樹
脂二軸延伸積層シートが得られ、特に好ましい。
【0023】スチレン系単量体(b2)としては、スチ
レン、oーメチルスチレン、mーメチルスチレン、pー
メチルスチレン、ジメチルスチレン、αーメチルスチレ
ン、pークロロスチレン、2,4ージクロロスチレン等
のスチレンおよびその誘導体が用いられる。
【0024】この他に、上記ポリフェニレンエーテル及
びスチレン系単量体と共重合可能な単量体を含有しても
よく、共重合可能な単量体としては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合
物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボ
ン酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カル
ボン酸等が挙げられる。
【0025】ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b3)
は、スチレン系樹脂をゴムで変性させたものであり、塊
状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の方法で製造
できる。例えば、塊状重合法で製造する場合、具体的に
は、スチレン系単量体にゴム状重合体を混合した重合原
料に、重合開始剤を添加し、又は添加せず、回分式反応
器又はプラグフロー性反応器で塊状予備重合し、次いで
連続槽型反応器で塊状重合する方法が挙げられる。
【0026】ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b3)
の原料のスチレン系単量体としては、前記スチレン系単
量体(b)と同様のものが挙げられる。ゴム変性耐衝撃
性スチレン系樹脂(b3)の原料のゴム状重合体として
は、例えば1種または2種以上の共役1,3−ジエン
(例えばブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3
−ブタジエン、1−クロロ−1,3ーブタジエン、ピペ
リレンなど)の(共)重合体、ブタジエン−スチレン共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブチ
ルゴムおよびエチレン−プロピレン−ターポリマー(E
PDM)などが使用できる。
【0027】本発明に使用されるゴム変性耐衝撃性スチ
レン系樹脂中のゴム粒子の粒径は、重量平均粒子径で1
〜10μmが好ましい。さらに好ましくは、1〜5μm
である。粒径が小さすぎるとラップフィルムとの滑り性
が向上せず、大きすぎると得られる積層シートの透明性
を低下させるので好ましくない。尚、ゴム粒子の重量平
均粒子径の測定はコールターカウンター(米国、コール
ターエレクトロニックス社製)により行った。
【0028】本発明に使用されるゴム変性耐衝撃性スチ
レン系樹脂のゴム含量は、好ましくは3〜15重量%で
ある。さらに好ましくは6〜10重量%である。ゴム含
量があまり少なすぎると、ラップフィルムとの滑り性が
向上せず、あまり多すぎるとシートの透明性が低下し、
コストも高くなるので好ましくない。
【0029】耐油性樹脂層(B)に用いる重合体のポリ
フェニレンエーテル(b1)とスチレン系単量体(b
2)の割合は、ポリフェニレンエーテル(b1)8〜5
0重量%、スチレン系単量体(b2)92〜50重量%
である。また、ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b
3)は重合体100重量部に対して、0.1〜5重量部
である。
【0030】本発明では、耐油性樹脂層(B)のポリフ
ェニレンエーテル(b1)とスチレン系単量体(b2)
との重合体は、ポリフェニレンエーテル(b1)8〜5
0重量%の存在下にスチレン系単量体(b2)92〜5
0重量%を重合して得られる。そして、特に好ましい態
様として、重合に先立ち、スチレン系単量体にポリフェ
ニレンエーテルを十分に溶解させる。ポリフェニレンエ
ーテル(b1)が8重量%未満で、スチレン系単量体
(b2)が92重量%より多いと、得られるスチレン系
樹脂二軸延伸積層シートの耐油性、耐可塑剤性を十分に
向上させることができない。他方、ポリフェニレンエー
テル系単量体が50重量%より多く、スチレン系単量体
(b2)が50重量%未満であると、耐油性の向上効果
も飽和し、コストも高くなり生産性が悪くなる。更に、
押出安定性、2次加工性、耐油性をバランスさせるには
ポリフェニレンエーテル(b1)の割合が15〜35重
量%、スチレン系単量体(b2)が85〜65重量%で
あることが好ましい。これらは、製品の耐油性、耐可塑
剤性の目的に合わせて合理的に決められる。
【0031】ポリフェニレンエーテルのスチレン系単量
体への溶解は、適宜の溶解槽を利用し、60〜100
℃、好ましくは70〜90℃の温度で1〜2時間攪拌を
続けることにより行われる。溶解温度が60℃未満の場
合は、ポリフェニレンエーテルが十分に溶解せずにスラ
リー状となり、また、100℃を越える場合はスチレン
の熱重合が促進される。
【0032】また、重合の形式は、懸濁重合、溶液重
合、塊状重合のいずれによってもよいが、懸濁重合が有
利である。懸濁重合は、水性媒体中ラジカル重合開始剤
によって行われる。ラジカル重合開始剤としては、例え
ば、t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシ
ド、ベンゾイルペルオキシド、1,1-ビス(t-ブチル
ペルオキシド)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチ
ルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルペルオキシシクロヘキ
シル)プロパノンなどの有機過酸化物、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス
イソ酪酸メチル、アゾビスシアノ吉草酸、1-t-ブチル
アゾ-1-シアノシクロヘキサン、1,1'-アゾビス-1-
カルボニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。重合開
始剤は、スチレン系単量体を重合させるために適当な量
で使用することができるが、スチレン系単量体100重
量部に対し0.1〜10重量%が好ましい。
【0033】水性媒体の水の量は、反応系の懸濁状態を
良好ならしめる限り如何なる量でもよいが、一般には、
スチレン系単量体およびポリフェニレンエーテルの合計
100重量部に対して70重量部以上、好ましくは10
0〜300重量部の範囲とされる。
【0034】水性媒体には分散安定剤を添加するのが好
ましい。分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、
ゼラチン、寒天、澱粉、グリセリン、ポリアクリル酸、
あるいはそのナトリウム塩、ポリエチレングリコール、
エチレングリコール、ポリアクリルアミド、スチレン−
無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。分散安定剤
の量は、特に制限されないが、一般には、水に対して
0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜1.5重
量%である。
【0035】また、水性媒体に界面活性剤を添加するな
らば、反応系の懸濁状態を安定化でき且つ生成重合体の
ビーズ表面を滑らかにする効果が得られる。界面活性剤
としては、カチオン、アニオン、またはノニオン系の何
れの界面活性剤でもよく、具体的には、ヒドロキシメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセ
ルロース、ロジン石鹸、グリコール酸ソーダ、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ、ステアリン酸ソーダ、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
ジステアレート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
リド等が挙げられる。界面活性剤は、分散安定剤を使用
する場合は、必ずしも必要としないが、使用する際に
は、水に対し0.0005〜0.5重量%の範囲で使用
するのがよい。
【0036】また、水性媒体にいわゆる粘着防止剤とし
て水不溶性の無機化合物を添加するならば、生成重合体
のビーズの安定化を図ることができる。かかる無機化合
物としては、具体的には、カルシウム、マグネシウム、
鉛もしくはバリウム等の炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩また
はリン酸塩、アルミナ、ベントナイト、滑石、白土、酸
化チタン、酸化鉛等のような酸化物あるいはシリケート
等が挙げられる。上記の無機化合物の量は特に制限され
ないが、水に対して0.01〜5重量%の範囲が好まし
い。更にまた、水溶性の無機塩、例えば、硫酸ナトリウ
ムなども重合を円滑に進めるために用いることができ
る。上記の各添加剤は、単独または2種以上の混合物と
して使用することができ、また、可塑剤、滑剤、着色原
料、安定剤などは、特にスチレン化合物の重合に悪影響
を与えない限り、重合時に予め加えておくこともでき
る。
【0037】ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b3)
の混合割合は、(b1)と(b2)の重合体100重量
部に対して、0.1重量部未満であるとラップフィルム
との滑り性が充分でなく、5重量部より多いとシートの
透明性を著しく低下させる。更に、透明性を向上させる
には、0.1〜3重量部が好ましい。
【0038】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シー
トは、配向緩和応力が、流れ方向およびこれと直角方向
ともに3〜10kg/cm2となるように延伸されてな
り、強度と成形性とを兼ね備えている。配向緩和応力が
3kg/cm2未満であると実用強度を有する成形品が
得られず、また10kg/cm2を超えると型決まりの
悪い成形品しか得られない。
【0039】なお、配向緩和応力は、ASTM D−1
504に準拠して測定した。また、耐油性樹脂層(B)
の厚みは10〜100μmのものが好ましい。耐油性樹
脂層(B)の厚みが10μm未満であると、そのポリフ
ェニレンエーテル系樹脂層の割合を高めても実用的な耐
油性を示さない。100μmを超えると透明性に劣り、
食品容器として使用する際見栄えが悪くなる。
【0040】耐油性樹脂層(B)の厚みは、基材層
(A)の厚みとの関係で、成形する容器の用途、要求さ
れる耐油性、ラップフィルムとの滑り性に応じて適宜選
択することが好ましい。例えば基材層(A)の厚みが1
80〜250μmであるときには、耐油性樹脂層(B)
は通常10〜30μm、特に15〜30μmとするのが
好ましい。
【0041】本発明のシートにおいて、ASTM D−
1003に準拠して測定したシートの透明度は好ましく
は70%以上である。更に好ましくは、透明度が80%
以上である。透明度が70%未満であると、食品用容器
として使用する際、見栄えが悪くなる。
【0042】本発明のシートにおいて、未溶融のポリフ
ェニレンエーテルが表面に浮き出るために現れるハード
スポットの個数は、0.1〓2以下のものは30個以
内、0.2〓2以上のものは15個以内であることが好
ましい。ハードスポットの個数がそれ以上であると、シ
ートの外観は悪くなり、食品用容器として適当でない。
【0043】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シー
トの層構成としては、容器成形に供する際に容器の食品
収納側が耐油性樹脂層(B)となるようにすれば制限は
ないが、シートの製造、成形性とのバランス等を考える
と特に2層構造、3層構造のものが好ましい。具体的に
は、耐油性樹脂層(B)/基体層(A)の2層構造、ま
たは耐油性樹脂層(B)/基体層(A)/耐油性樹脂層
(B)の3層構造が挙げられる。このように使用するこ
とにより、2層構造のものは容器の内面とフランジ部と
で耐油性、耐可塑剤性及び滑り性を発揮し、また3層構
造ものは容器の内面とフランジ部での耐油性、耐可塑剤
性及び滑り性に加え、容器の外壁部や底部でも同様に良
好な耐油性、耐可塑剤性及び滑り性を発揮する。
【0044】また、必要によっては、本発明の特性が損
なわれない範囲内で、接着剤層、リサイクル品を100
%または自由な混合比率で使用した回収樹脂層、その他
の樹脂よりなる付加層を加えてもよい。
【0045】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸積層シー
トは、基体層(A)用のスチレン系樹脂(a)、および
耐油性樹脂層(B)用の樹脂組成物(b)をそれぞれ準
備し、従来より知られている二軸延伸積層シートの製造
方法に従って容易に製造することができる。具体的に
は、(イ)2台の押出機を用い、それぞれよりスチレン
系樹脂(a)および樹脂組成物(b)を溶融押出しし、
2層または3層構成の多層Tダイにより前記2層構造ま
たは3層構造の未延伸積層シートを得、次いで従来公知
の方法により二軸方向に延伸する方法、(ロ)2台の押
出機を用い、それぞれよりスチレン系樹脂(a)および
樹脂組成物(b)を溶融押出しし、2個または3個の単
層Tダイにより基体層(A)用の溶融状シート1枚と耐
油性樹脂層(B)用の溶融状シート1枚または2枚とを
別々に得、これらが未だ溶融状態にあるうちに圧着積層
して前記2層構造または3層構造の未延伸積層シートを
得、次いで従来公知の方法により二軸方向に延伸する方
法、(ハ)基体層(A)用のスチレン系樹脂(a)より
なる二軸延伸シート、および耐油性樹脂層(B)用の樹
脂組成物(b)よりなる二軸延伸シートの2種の二軸延
伸シートを別々に製造し、これらの二軸延伸シートを接
着剤を用いて接着する方法、等が挙げられる。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこ
れらの実施例の記載に限定されるものではない。なお、
以下の記載において、特に記載のない限り「%」および
「部」は重量基準を意味する。
【0047】使用した樹脂は、以下の通りである。 ・スチレン系樹脂(a):三菱化学(株)製、商品名ダ
イヤレックスHHー102(以下、GPPSという) ・ポリフェニレンエーテル(b1):三菱ガス化学
(株)製、商品名HPXー100L、主成分;ポリ
(2,6ージメチルー1,4ーフェニレン)エーテル
(以下、PPEという) ・スチレン系単量体(b2):SM ・ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b3):(1)三菱
化学(株)製、商品名ダイヤレックスHTー516(ゴ
ム粒子の重量平均粒子径 4μm、ゴム含量 7.5重
量%)(以下、HIPS(1)という)(2)三菱化学(株)
製、商品名ダイヤレックスHTー644(ゴム粒子の重
量平均粒子径 1.8μm、ゴム含量 8.8重量%)
(以下、HIPS(2)という)(3)三菱化学(株)製、商
品名ダイヤレックスHTー945(ゴム粒子の重量平均
粒子径 0.55μm、ゴム含量5.0重量%)(以
下、HIPS(3)という)
【0048】実施例1 基体層(A)用のスチレン系樹脂(a)として、GPP
Sを使用した。また、耐油性樹脂層(B)におけるPP
E(b1)とSM(b2)の重合体は、次のようにして
得た。
【0049】[重合工程]いかり型の攪拌翼を備えた5
0Lの溶解層にPPE(重量平均分子量5×104)5.
0kg、SM15.0kgを入れ80℃に昇温した。PPE
をSMに十分溶解させるため60分間攪拌を続けた。そ
の後、熱脱イオン水20kg、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム1.0kg、ポリアクリレート系懸濁剤の2
%水溶液450g、硫酸ナトリウム100gを加えて12
0℃に昇温した。120℃に達した後、ジクミルペルオ
キシド30gを加え5時間かけて150℃に昇温し、更
に、1時間保ち反応を終了した。
【0050】[混錬工程]上記重合法で得られたビード
を乾燥した後、単軸40mmφ押出機により260℃設定
で1パス溶融混錬させてペレットを得た。上記の重合体
100部に対し、ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b
3)として、HIPS(1)を1重量部ドライブレンド
し、耐油性樹脂層(B)用のペレット(b)として調整
した。
【0051】次に、2台の押出機を用い、これに2種2
層用フィードブロックおよびTダイを取り付け、各押出
機に仕込んだGPPS(a)と前記ペレット(b)を共
押出しして厚み1.3mmの未延伸2層シートを得、引
き続き、未延伸2層シートをロール方式縦延伸機、次い
でテンター横延伸機により、縦方向に約2.5倍、横方
向に約2.5倍それぞれ延伸することにより、基体層
(A)の厚み200μm、耐油性樹脂層(B)の厚み1
0μmで、総厚み210μmの二軸延伸シートを得た。
得られた二軸延伸シートについて、ASTM D-150
4に準拠して配向緩和応力を測定した。その結果、6.
0kg/cm2であった。
【0052】次に、得られた二軸延伸シートについて、
シート外観、ハードスポット、耐油性、耐可塑剤性、ラ
ップフィルムとの滑り性(以下、単に「滑り性」とい
う。)、および透明性を評価した。 (1)シート外観 得られた二軸延伸シートの外観を目視評価した。評価の
基準は次の通りとした。 ○ : 良好 ○’: 良好よりやや劣る △ : やや悪い × : 不良
【0053】(2)ハードスポット 得られた二軸延伸シートを10cm×10cmの大きさ
に切り出し、ハードスポットを0.2mm2以上のもの
と0.1mm2以下のものの個数をそれぞれ肉眼により
カウントした。 (3)耐油性 得られた二軸延伸シートの耐油性樹脂層(B)の面を外
側として、曲げ半径30mmで曲げ、耐油性樹脂層
(B)の面に油分(花王(株)製、商品名ココナードM
T、主成分;ミディアム・チェーン・トリグリサライ
ド、の原液)を一様に塗布した。これを23℃の室内に
放置し、耐油性樹脂層(B)の面にクラックが発生する
までの時間を測定して評価した。評価の基準は次の通り
とした。
【0054】××:10分以内でクラック発生 × :6時間以内でクラック発生 △ :24時間以内にクラック発生 ○ :48時間以内でクラック発生 ◎ :48時間経過後もクラック発生せず
【0055】(4)耐可塑剤性 得られた二軸延伸シートを、耐油性樹脂層(B)の面を
外側として、直径50mmの円筒に巻き付け、次いで耐
油性樹脂層(B)の面に市販のポリ塩化ビニル製ストレ
ッチフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名ダイヤラッ
プ)を巻き付けた。これを、40℃に温度調節されたオ
ーブン中に放置し、耐油性樹脂層にクラックが発生する
までの時間を測定して評価した。評価の基準は次の通り
とした。
【0056】× :6時間以内でクラック発生 △ :24時間以内にクラック発生 ○ :48時間以内でクラック発生 ◎ :48時間経過後もクラック発生せず
【0057】(5)滑り性 得られた二軸延伸シートより、圧空成形法によって皿状
容器(長さ150mm、幅100mm、深さ20mm
で、開口部にフランジを備えたもの)を製造した。この
容器の開口部を、耐可塑剤性評価に用いたと同種のスト
レッチフィルムを使用し、ストレッチ自動包装機(フジ
パックシステム(株)製、Aー12型)によってラップ
包装し、容器フランジ部とストレッチフィルムとの接触
面における滑り性を評価した。評価は「容器の変形」お
よび「皺の発生」に着目し、次の評価基準で表した。
【0058】× :不良 ○’:やや良 ○ :良 ◎ :極めて良
【0059】(6)透明性 得られた二軸延伸シートの透明度(%)をASTM D
ー1003に準拠して測定し、次の評価基準で表した。
【0060】× :70%未満 △ :70%以上、80%未満 ○ :80%以上、90%未満 ◎ :90%以上
【0061】得られた結果を基体層(A)の樹脂種類;
耐油性樹脂層(B)の樹脂種類、配合割合、ゴムの含
有量、平均粒径;各層の厚み構成;シートの配向緩和応
力と共に、表1に示す。
【0062】実施例2 実施例1において、耐油性樹脂層(B)のHIPS(1)
(b3)の配合量を3.5部に変えた他は、同様にして
2層の二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に
示す。
【0063】実施例3 実施例1において、耐油性樹脂層(B)のゴム変性耐衝
撃性スチレン系樹脂(b3)の種類を、HIPS(2)に
変えた他は同様にして、2層の二軸延伸シートを得た。
評価結果を同じく表1に示す。
【0064】実施例4 実施例1において、重合するPPEを10.0kg、SM
を10.0kgに変更した他は、実施例1と同様に行っ
た。
【0065】実施例5 実施例1において、重合するPPEを2.0kg、SMを
18.0kg使用し、ジクミルペルオキシドの使用量を2
0gに変更した他は、実施例1と同様に行った。
【0066】実施例6 実施例1において、2台の押出機の押出量比を変更して
未延伸シートを作成し、引き続き縦横に延伸することに
より、基体層(A)の厚み185μm、耐油性樹脂層
(B)の厚み25μmで、総厚み210μmの2層の二
軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に示す。
【0067】実施例7 実施例4において、2台の押出機の押出量比を変更して
未延伸シートを作成し、引き続き縦横に延伸することに
より、基体層(A)の厚み185μm、耐油性樹脂層
(B)の厚み25μmで、総厚み210μmの2層の二
軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に示す。
【0068】実施例8 実施例7において、耐油性樹脂層(B)のHIPS(1)
(b3)の配合量を3.5部に変えた他は、同様にして
2層の二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に
示す。
【0069】実施例9 実施例7において、耐油性樹脂層(B)のHIPS(2)
(b3)の配合量を3.5部に変えた他は、同様にして
2層の二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に
示す。
【0070】実施例10 実施例5において、2台の押出機の押出量および押出量
比を変更して厚み約2.8mmの未延伸シートを作成し
た。その未延伸シートを、同様にして縦横に延伸するこ
とにより、基体層(A)の厚み380μm、耐油性樹脂
層(B)の厚み70μmで、総厚み450μmの2層の
二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に示す。
【0071】実施例11 実施例1において、2台の押出機の押出量および押出量
比を変更して厚み約2.8mmの未延伸シートを作成し
た。その未延伸シートを、同様にして縦横に延伸するこ
とにより、基体層(A)の厚み380μm、耐油性樹脂
層(B)の厚み70μmで、総厚み450μmの2層の
二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に示す。
【0072】実施例12 実施例4において、2台の押出機の押出量および押出量
比を変更して厚み約2.8mmの未延伸シートを作成し
た。その未延伸シートを、同様にして縦横に延伸するこ
とにより、基体層(A)の厚み380μm、耐油性樹脂
層(B)の厚み70μmで、総厚み450μmの2層の
二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表1に示す。
【0073】実施例13 実施例1において、2種3層用フィードブロックに変更
し、同様にして厚み1.3mmの未延伸2種3層シート
を作成した。その未延伸シートを同様にして縦横にそれ
ぞれ延伸することにより、基体層(A)の厚みが160
μm、その両面に形成される耐油性樹脂層(B)の厚み
がそれぞれ25μmで、総厚みが210μmの3層の二
軸延伸積層シートを得た。評価結果を同じく表1に示
す。
【0074】実施例14 実施例13において、耐油性樹脂層(B)を実施例4で
用いた樹脂に変え、基体層(A)の厚みを190μm、
その両面に形成される耐油性樹脂層(B)の厚みがそれ
ぞれ10μmで、総厚みが210μmと変えた他は、同
様にして3層の二軸延伸シートを得た。評価結果を同じ
く表1に示す。
【0075】実施例15 実施例13において、耐油性樹脂層(B)を実施例5で
用いた樹脂に変え、ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂
(b3)の種類をHIPS(2)に変え、基体層(A)の
厚みを110μm、その両面に形成される耐油性樹脂層
(B)の厚みがそれぞれ50μmで、総厚みが210μ
mと変えた他は、同様にして3層の二軸延伸シートを得
た。評価結果を同じく表1に示す。
【0076】比較例1 実施例1において、PPE(b1)、ゴム変性耐衝撃性
スチレン系樹脂(b3)を配合しなかった他は同様の方
法で二軸延伸シートを得た。評価結果を表2に示す。
【0077】比較例2 実施例1において、耐油性樹脂層(B)として、PPE
(重量平均分子量5×104)25重量部とポリスチレ
ンペレット(重量平均分子量2.8×105)75重量部
とをタンブラーでドライブレンドし、同方向二軸押出機
(30mmφ)により310℃設定で2パス溶融混錬させ
て得られたペレットを用いた他は、同様の方法で2層の
二軸延伸シートを得た。評価結果を表2に示す。
【0078】比較例3 実施例1において、PPEを12.0kg、SMを8.0kg
に変更した他は、実施例1と同様に行った。
【0079】比較例4 実施例1において、PPEを1.0kg、SMを19.0kg
使用し、ジクミルペルオキシドの使用量を20gに変更
した他は、実施例1と同様に行った。
【0080】比較例5 実施例5において、2台の押出機の押出量比を変更して
未延伸シートを作成し、引き続き縦横に延伸することに
より、基体層(A)の厚み205μm、耐油性樹脂層
(B)の厚み5μmで、総厚み210μmの2層の二軸
延伸シートを得た。評価結果を同じく表2に示す。
【0081】比較例6 実施例4において、基体層(A)の厚みを200μm、
その両面に形成される耐油性樹脂層(B)の厚みを5μ
mに変えた他は、同様の方法で二軸延伸シートを得た。
評価結果を同じく表2に示す。
【0082】比較例7 実施例5において、耐油性樹脂層(B)のHIPS(1)
(b3)の配合量を7部に変えた他は同様にして2層の
二軸延伸シートを得た。評価結果を同じく表2に示す。
【0083】比較例8 実施例5において、ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂
(b3)の種類をHIPS(3)に変えた他は、同様にし
て2層の二軸延伸シートを得た。評価結果を表2に示
す。
【0084】比較例9 実施例5において、基体層(A)の厚みを70μm、耐
油性樹脂層(B)の厚みを10μm、総厚みを80μm
に変えた他は、同様の方法で2層の二軸延伸シートを得
た。評価結果を同じく表2に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂二軸延伸シート
は、透明性、二次成形性に優れ、且つ耐油性、耐可塑剤
性、ラップフィルムとの滑り性に優れるため、広く食品
包装用に用いることができ、特に食品油が使用される食
品の包装に最適である。また、シート表面に現れるハー
ドスポットが少なく、シート外観が非常に優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 51/08 (C08L 51/08 51:04) 51:04) B29K 25:00 B29K 25:00 B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 銅崎 慎二 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱化 学株式会社筑波事業所内 (56)参考文献 特開 平5−24155(JP,A) 特開 昭59−182732(JP,A) 特開 平5−138729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 55/12 C08J 5/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系樹脂(a)よりなる基材層
    (A)の少なくとも一方の面に耐油性樹脂層(B)が形
    成されてなるスチレン系樹脂二軸延伸積層シートにおい
    て、基材層(A)はその厚みが80〜700μmであ
    り、耐油性樹脂層(B)は、ポリフェニレンエーテル
    (b1)8〜50重量%の存在下にスチレン系単量体
    (b2)92〜50重量%を重合して得られる重合体1
    00重量部に対し、重量平均粒子径が1〜10μmのゴ
    ム粒子を含有するゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b
    3)が0.1〜5重量部配合された樹脂組成物から構成
    され、その厚みが10〜100μmであり、積層シート
    の配向緩和応力が、流れ方向およびこれと直角方向とも
    に3〜10kg/cm2となるように二軸延伸されてな
    ることを特徴とするスチレン系樹脂二軸延伸積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂(a)がスチレンの単独
    重合体であり、積層シートの透明度が70%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂二軸延
    伸積層シート。
  3. 【請求項3】 ゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(b
    3)中のゴム粒子の含有量が3〜15重量%であること
    を特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に
    記載のスチレン系樹脂二軸延伸積層シート。
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