JP5464631B2 - スチレン系樹脂、押出発泡シートおよび容器、および板状押出発泡体 - Google Patents

スチレン系樹脂、押出発泡シートおよび容器、および板状押出発泡体 Download PDF

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本発明は、発泡トレー等の発泡容器において製品強度を維持したまま軽量化が可能なスチレン系樹脂およびその材料を用いて押出発泡成形した押出発泡シート、さらに押出発泡シートを真空成型して得られる軽量化容器に関するものである。
また本発明は断熱材等に用いられる板状押出発泡体の断熱性能を維持したまま軽量化が可能なスチレン系樹脂およびその材料を用いた板状押出発泡体に関するものである。
ポリスチレン系樹脂押出発泡シートから熱成形により成形した食品用の簡易容器は、例えば、肉、魚、惣菜等々のトレー、カップめん容器、納豆容器等種々の食品用の簡易容器として汎用的に使われている。このような発泡シートの熱成形による簡易容器においてはコストダウンのために容器の軽量化が計られているが、容器を軽量化すると製品強度が低下してトレーのラッピングの際に容器が割れる等の問題がある。
これに対して押出発泡成形時における発泡セル形態をコントロールしたり、真空成型容器の厚み、特に割れやすい部分の厚みを厚くしたりして軽量化しても容器強度を保つ工夫がされている(非特許文献1)。
また材料としては特定の分岐数を有するスチレン系樹脂を用いる方法(特許文献1)が開示されているが、さらなる軽量化に適した材料が求められている。
さらに断熱材や畳の芯材等に用いられている板状押出発泡体についても軽量化が望まれているが、発泡倍率を上げて軽量化しようとすると発泡セルがうまく形成されず、発泡セルがつながったいわゆる連泡ができて断熱効率が低下したり、また外観が荒れたものになってしまうといった問題があった。
この問題を解決するために特定のZ平均分子量および重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが特定の範囲であるスチレン系樹脂を用いる方法(特許文献2)、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが特定の値以上であるスチレン系樹脂を用いる方法(特許文献3)等が提案されているが、軽量化は十分でなかった。
特開2003−49033 特開平10−182870号公報 特開2005−335373号公報 日経エコロジー/2005年10月号、38−39頁
発泡トレー等の発泡容器において発泡セル形態や容器形状で容器の軽量化を図るには限界があり、さらなる軽量化のために適した材料の登場が望まれていた。また板状押出発泡体の断熱性能を落とすことなく軽量化できる材料が望まれていた。
本発明は、少ない材料で製品強度及び熱強度を維持することができるスチレン系樹脂を提供することを目的とする。また、本発明は当該スチレン系樹脂を押出発泡成形してなる押出発泡シートおよび当該押出発泡シートを真空成形して得られる軽量化容器を提供すること並びに断熱性能を損なうことなく軽量化が可能な板状押出発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らはかかる現状を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定のメルトマスフローレイトと特定の貯蔵弾性率の角速度依存性を有するスチレン系樹脂を用いることにより、少ない材料で製品強度を維持した発泡容器、あるいは断熱性能を維持した板状押出発泡体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下に記載する通りのスチレン系樹脂を提供するものである。
(1)200℃、49N荷重で測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.2〜4.0グラム/10分であって、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが6.5以上8.3以下であり、かつコーン&プレート型溶融粘弾性測定装置によって240℃、角速度0.1ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率G’(0.1)と角速度100ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率G’(100)の比G’(0.1)/G’(100)が0.0033〜0.0052であることを特徴とする押出発泡成形用スチレン系樹脂。
(2)重量平均分子量Mwが20万〜40万である請求項1記載のスチレン系樹脂。
(3)重量平均分子量Mwが27.3万〜36.7万である請求項1記載のスチレン系樹脂。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスチレン系樹脂を押出発泡成形してなる押出発泡シート。
(5)上記(4)に記載の押出発泡シートを真空成型して得られる容器。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスチレン系樹脂を押出発泡成形してなる板状押出発泡体。
本発明のスチレン系樹脂を用いた押出発泡シートを用いることにより、少量の材料で製品強度に優れた発泡容器を得ることができ、製品のコストダウンに寄与することができる。板状押出発泡体においても同様に少量の材料で断熱性能に優れた製品を得ることができ、製品のコストダウンに寄与することができる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明のスチレン系樹脂に使用される単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等を用いることができる。スチレンが好ましい。本発明に使用されるスチレン系樹脂の目的を損なわない範囲において、スチレンと共重合可能なコモノマーをスチレンと共重合させてもかまわない。スチレンと共重合可能なコモノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、α−メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン等のスチレン以外の芳香族ビニル単量体類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸類、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジ脂肪酸無水物類,N−フェニルマレイミド等の不飽和ジ脂肪酸イミド類等が挙げられる。これらの単量体は1種類または2種類以上併用してもかまわない。
本発明においては、スチレン系樹脂はスチレン系単量体を熱重合するかまたは有機過酸化物群を重合開始剤として重合することによって得ることができる。有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジミリスチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシエステル類、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、p−メンタハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーアミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどの多官能開始剤類を挙げることができる。特に2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンが好ましい。
これらの有機過酸化物はスチレン単量体重合のいずれかの工程にて重合系(重合原料溶液または重合途中の溶液)に添加される。これらの有機過酸化物は重合原料溶液に加えても良いし、重合途中の溶液に必要に応じて複数回に分割して添加しても良い。上記有機過酸化物の添加量は重合原料溶液100重量部に対して0.0005〜0.2重量部であり、より好ましい添加量は、0.01〜0.1重量部である。上記有機過酸化物の添加量が0.0005重量部未満の場合は開始剤添加の目的の効果を得られない。又、0.2重量部を超える場合は重合時に大量の反応熱が発生するため重合の制御が困難となる場合がある。
本発明において、その重合方法には特に制約はなく、通常の塊状重合、溶液重合、懸濁重合等が用いられる。また、本発明においては分子量調整のために、溶媒や連鎖移動剤を使用することも可能である。溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等が使用できる。溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、0重量%〜50重量%の範囲の使用が好ましい。連鎖移動剤としてはn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等が用いられ、n−ドデシルメルカプタンが好ましい。連鎖移動剤の使用量は0重量%〜1重量%の範囲が好ましい。反応温度は、80〜200℃、より好ましくは90〜180℃の範囲である。反応温度が80℃より低いと生産性が低下し、工業的に不適当である。200℃を超えると低分子量重合体が多量に生成して好ましくない。目標分子量が重合温度のみで調整できない場合は、開始剤量、溶媒量、連鎖移動剤量等で制御すればよい。反応時間は一般に0.5〜20時間、より好ましくは2〜10時間である。反応時間が0.5時間より短いと反応が充分に進行しない。20時間より長い場合は生産性が低く、工業的に不適当である。
スチレン系単量体の重合転化率については、特に限定されるものではないが、工業的な見地から、40%以上であることが望ましい。このようにして得られた重合溶液は、未反応単量体や溶媒を除去することにより、目的とするスチレン系樹脂を分離することができる。懸濁重合の場合はそのまま次の工程に供される。
また、スチレン系樹脂に慣用されている添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、着色剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。具体的には流動パラフィン、白色鉱油等の可塑剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤、ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤等があげられる。またペレットの外部潤滑剤として、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等をペレットにまぶしても良い。
本発明のスチレン系樹脂の200℃、49N荷重で測定したメルトマスフローレイト(MFR)は1.0〜6.0グラム/10分である。MFRが1.0グラム/10分より小さいと外観が荒れたものになる。またMFRが6.0グラム/10分より大きいと樹脂の粘度が低いため押出発泡成形の際に発泡セルが大きく成長してしまい、製品の強度が低下したり、連泡ができたりする原因となる。好ましいMFRの範囲は1.2〜5.0グラム/10分である。
また本発明のスチレン系樹脂はコーン&プレート型溶融粘弾性測定装置によって240℃、角速度0.1ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率G’(0.1)と角速度100ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率G’(100)の比G’(0.1)/G’(100)が0.003以上である。貯蔵弾性率は高分子の緩和時間分布に関係づけられている。G’(0.1)/G’(100)が大きいことは発泡セルが成長する際に相当する低剪断領域での非ニュートン性が大きいことを意味し、0.003未満であると発泡セルの壁厚みに不均一性を生じて製品強度や断熱性能が低下する。比G’(0.1)/G’(100)の好ましい範囲は0.003〜0.006である。なおコーン&プレート型溶融粘弾性測定装置とは例えばレオメトリックス社のRMS−800等として広く知られている。
本発明の樹脂の平均分子量は、重量平均分子量Mwで20万〜40万、より好ましくは25万〜40万とする。Mwが40万を超える場合は、溶融体の粘度が高くなり、成形、加工性等が極端に低下し、生産性が悪化する。また20万未満の場合は、成形体の強度が低下する。またMwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnは6.5以上8.3以下であることが好ましい。またZ平均分子量MzとMwの比Mz/Mwは2.5以上であることが好ましい。ここでいうMw、Mn、Mzは、40℃、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。
本発明のスチレン系樹脂による押出発泡シートの製造方法は、通常知られている方法を用いることができる。押出発泡時の発泡剤や発泡核剤については通常用いられる物質を使用できる。発泡剤としてはブタン、ペンタン、フロン、水等を使用することができ、ブタンが好適である。また発泡核剤としてはタルク等を使用できる。ポリスチレン系樹脂押出発泡シートは、厚み0.5mm〜5.0mm、見かけ密度50g/L〜300g/L、坪量80g/m2〜300g/m2であることが好ましい。
また、押出発泡シートにフィルムをラミネートしても良い。使用するフィルムの種類として、一般のポリスチレンに使用されるもので差し支えない。
この押出発泡シートを真空成型してトレー等の容器を作る。
また本発明のスチレン系樹脂による板状押出発泡体の製造方法についても、通常知られている方法を用いることができる。押出発泡時の発泡剤や発泡核剤については通常用いられる物質を使用できる。発泡剤としてはブタン、ペンタン、フロン、水等を使用することができ、ブタンが好適である。また発泡核剤としてはタルク等を使用できる。ポリスチレン系樹脂板状押出発泡体は、厚み10mm〜50mm、見かけ密度20g/L〜100g/L、発泡セル径は0.005〜0.5mmであることが好ましい。
次に、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
以下に分析法と発泡体特性の測定法を記す。
(1)メルトマスフローレイト(MFR)
JIS K 7210にしたがって200℃、49N荷重でメルトマスフローレイト(グラム/10分)を測定した。
(2)貯蔵弾性率
レオメトリックス社製溶融粘弾性測定装置RMS−800を用いて貯蔵弾性率(Pa)を測定した。
測定は測定温度240℃、窒素気流中で行う。コーン&プレート治具は直径25mm、コーンの角度0.1ラジアンのものを用いた。歪みは20%、角速度100ラジアン/秒から0.01ラジアン/秒まで測定を行った。
(3)容器の腰強度
押出発泡シートを図1に示すトレーに真空成型して腰強度(N)を測定した。トレー容器の大きさは縦12cm、横20cm、深さ2cmである。トレーの横側面より圧縮して極大荷重を腰強度とした。
(4)分子量
分子量の測定に用いた装置及び条件は次の通りである。
使用装置:東ソー製HLC8020
分別カラム:東ソー製TSK−gel−GMH−XL
測定溶媒:テトラヒドロフラン
試料濃度:スチレン樹脂5mgを10mlの溶媒に溶解
測定温度:40℃
流速:0.35ml/分。
(5)板状押出発泡体の発泡体密度
発泡体の重量/発泡体の体積から発泡体密度(kg/m3)を計算した。
(6)板状押出発泡体の平均気泡径
ASTM・D3576−77に準じて発泡体押出断面の平均気泡径(mm)を測定した。
(7)板状押出発泡体の独立気泡率
ASTM・D2856−Aに準じて独立気泡率(%)を測定した。
(8)熱伝導率
下記の装置、条件で熱伝導率(W/(m・K))を測定した。
使用装置:京都電子工業株式会社製 熱伝導率計 Kemtherm QTM−D3
測定温度:室温
[実施例1]
[スチレン系樹脂の製造]
スチレン90重量%、エチルベンゼン10重量%の混合液100重量部に対し、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを0.035重量部添加した重合液を4.6リットルの完全混合型反応器に0.78リットル/Hrで連続的に仕込み、101℃に調整した。重合体溶液を引き続き、攪拌器を備え3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器−1に連続的に仕込んだ。層流型反応器−1の温度を105℃/108℃/110℃に調整した。
完全混合型反応器および層流型反応器−1と並列に接続された、攪拌器を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器−2にスチレン80重量%、エチルベンゼン20重量%の混合液100重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン0.07重量部およびn−ドデシルメルカプタン0.35重量部を添加した重合液を0.42リットル/Hrで連続的に仕込み、層流型反応器−2の温度を140℃/150℃/160℃に順次調節した。
層流型反応器−1と層流型反応器−2の重合体溶液は混合され、混合された重合体溶液を引き続き、静的攪拌器を備え3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器−3に連続的に仕込んだ。層流型反応器−3の温度を120℃/130℃/145℃に調整した。
重合反応器より連続して排出される重合体溶液を直列に配置した2基の、予熱器として0.6リットルの静的混合器を内蔵した4リットルの脱揮タンクに導いた。予熱器温度を240℃とし、脱揮タンク内で240℃に保ちながら、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。重合条件を表1−1に示した。また、得られたポリスチレン樹脂のゲルパーミエイション・クロマトマトグラフィーによる分子量測定、メルトマスフローレイト測定、溶融粘弾性側定を行った。この結果を表2に示した。
メルトマスフローレイトは1.8グラム/10分であった。240℃、角速度0.1および100ラジアン/秒で測定した、コーン&プレート型溶融粘弾性測定装置による貯蔵弾性率の比G’(0.1)/G’(100)は0.0044であった。重量平均分子量は33.9万であった。
[ポリスチレン樹脂の発泡押出し]
直径150mmのサーキュラーダイを備えた押出発泡機を用いて、上記のポリスチレン樹脂100重量部に対して、発泡核剤としてタルク(平均粒径1.3μm)を0.15重量部、発泡剤として液化ブタンを4重量部添加して押出発泡シートを製造した。樹脂溶融ゾーンの温度は200〜230℃、ロータリークーラー温度は130〜170℃、ダイス温度を150℃に調整した。押出発泡された発泡体を冷却マンドレルで冷却し、円周上の1点でカッターにより切断後、幅1000mm、シート厚み:1.9mm、見かけ密度:100g/L(発泡倍率:10.5倍)、坪量:180g/m2のポリスチレン樹脂発泡シートを得た。
[ポリスチレン樹脂発泡シートの熱成形]
上記発泡シートを真空成形して図1に示す形状の発泡トレー容器を得た。この容器について腰強度の測定を行った結果を表2に示す。
[実施例2]
液化ブタン量を5重量部にして発泡倍率を高くした以外は実施例1と同様に実施した。
結果を表2に示す。
[実施例3、4]
重合条件を表1−1のとおり変更した以外は実施例2と同様に実施して、表2に示す性状のポリスチレン樹脂を製造した。結果を表2に示す。
[比較例1]
[スチレン系樹脂の製造]
スチレン90重量%、エチルベンゼン10重量%の混合液100重量部に対し、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを0.027重量部添加した重合液を4.6リットルの完全混合型反応器に0.72リットル/Hrで連続的に仕込み、102℃に調整した。完全混合型反応器と並列に接続された、攪拌器を備え3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器−1にスチレン70重量%、エチルベンゼン30重量%の混合液100重量部に対し、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン0.026重量部およびα−メチルスチレンダイマー0.3重量部を添加した重合液を0.25リットル/Hrで連続的に仕込み、層流型反応器−2の温度を125℃/130℃/112℃に順次調節した。
完全混合型反応器と層流型反応器−1の重合体溶液は混合され、混合された重合体溶液を引き続き、静的攪拌器を備え3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器−2およびそれと直列に配された、攪拌器を備え3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器−3に連続的に仕込んだ。層流型反応器−2および層流型反応器−3の温度を110℃/120℃/130℃および140℃/150℃/160℃に調整した。
重合反応器より連続して排出される重合体溶液を直列に配置した2基の、予熱器として0.6リットルの静的混合器を内蔵した4リットルの脱揮タンクに導いた。予熱器温度を240℃とし、脱揮タンク内で240℃に保ちながら、10torrの減圧下、脱揮後ペレタイズした。
以下実施例1と同様に実施した。重合条件を表1−2に示す。また結果を表2に示す。
[比較例2、3]
重合条件を表2のとおり変更した以外は比較例1と同様に実施して、表3に示す性状のポリスチレン樹脂を製造した。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1〜4で得たポリスチレン樹脂を用いて板状押出発泡体を製造した。
[ポリスチレン樹脂の板状発泡押出]
ポリスチレン樹脂を、単軸押出機、ミキサー、ロータリークーラー、及びダイからなる押出発泡機を用いて、発泡核剤を樹脂に対して1重量部、発泡剤を樹脂に対して5重量部添加し、厚さ30mmの板状押出発泡体を製造した。樹脂の溶融ゾーンの温度は180〜200℃、ロータリークーラー温度は150〜160℃、ダイ温度を120〜130℃に調整した。発泡核剤には日本ミストロン製、ミストロンベーパーを用い、発泡剤にはLPG(ノルマルブタン/イソブタン=70/30<体積分率>)を用いた。得られた発泡体の発泡体密度、平均気泡径、独立気泡率、熱伝導率測定を行った。この結果を表3に示した。
[実施例6〜8]
発泡剤を6重量部にして発泡倍率を高くした以外は実施例5と同様に実施した。結果を表3に示す。
[比較例4〜6]
比較例1〜3のポリスチレン樹脂を用いた以外は比較例1と同様に実施して、板状押出発泡体を製造した。結果を表3に示す。
Figure 0005464631

Figure 0005464631

Figure 0005464631

本発明は、トレー等の発泡容器および断熱材等の板状押出発泡体向けのスチレン系樹脂として好適である。
本発明のスチレン系樹脂の押出発泡シートを真空成型して得られた発泡トレー及びその腰強度試験の概要を示す図である。

Claims (6)

  1. 200℃、49N荷重で測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.2〜4.0グラム/10分であって、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが6.5以上8.3以下であり、かつコーン&プレート型溶融粘弾性測定装置によって240℃、角速度0.1ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率G’(0.1)と角速度100ラジアン/秒で測定した貯蔵弾性率G’(100)の比G’(0.1)/G’(100)が0.0033〜0.0052であることを特徴とする押出発泡成形用スチレン系樹脂。
  2. 重量平均分子量Mwが20万〜40万である請求項1記載のスチレン系樹脂。
  3. 重量平均分子量Mwが27.3万〜36.7万である請求項1記載のスチレン系樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂を押出発泡成形してなる押出発泡シート。
  5. 請求項4記載の押出発泡シートを真空成型して得られる容器。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂を押出発泡成形してなる板状押出発泡体。
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