JP2008274024A - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び型内発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内成形において、低加熱成形にて成形可能であり、短時間の乾燥で内倒れを解消し得、なおかつ良好な表面美麗性が優れるため、ポリプロピレン系樹脂が本来有する耐熱性、耐溶剤性、断熱性、緩衝性を全く阻害することなく、低コストで型内成形体を容易に得ることができるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供すること。
【解決手段】 180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでのtanδが1.0以上3.0以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として、示差走査熱量計法による測定で2つの融解ピークを有し、該2つの融解ピークのうち、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が10〜70%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
【選択図】 図1

Description

本発明は緩衝包材、通い箱、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材、断熱材などに用いられるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び該予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、軽量性、断熱性などの特徴をもつ。また同様の型内発泡成形体と比較しても、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体と比較すると、耐薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率に優れており、またポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体と比較すると、寸法精度、耐熱性、圧縮強度が優れている。これらの特徴により、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材をはじめ、断熱材、緩衝包装材など様々な用途に用いられている。
一般的に、型内発泡成形体においては、特に緩衝包装材を成形体として得る場合、蒸気などによる加熱成形後に“内倒れ”と呼ばれる現象が見られる。“内倒れ”とは、箱型の成形体における端部寸法に対し、中央部寸法が小さくなり、差が生じることをいい、この差は個々の設計製品サイズによって絶対値は変わるが、内倒れが大きい場合、製品として使用できない不良品となる。内倒れのほとんどは60℃以上80℃以下の高温乾燥することで概ね回復する場合があるが、高温乾燥に要する時間が長い場合、著しく生産性を悪化させる。
加熱成形後の成形体の収縮による内倒れ現象に対し、樹脂剛性の高いポリプロピレン系樹脂を使用し、反力として働く成形体剛性を付与し、変形を抑制することができる。
しかし、内倒れ現象を抑制できるような高い剛性を持つポリプロピレン系樹脂とは、一般にコモノマー含量の少ない、融点の高い樹脂となるが、樹脂の融点が高くなるにつれて良好な成形体を得るために必要となる成形加熱蒸気の圧力は高くなる傾向にある。このため、より高い剛性を求める場合、加熱蒸気の多量消費のため、ユーティリティコストが高くなるため成形加工コストが高くなる。さらに高剛性の樹脂を用いた場合、加熱成形圧が高くなることから、耐圧仕様の高い成形機や金型を用いる必要が生じ、ユーティリティコストに加え、設備コストが高くなる。現在ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内発泡成形用の成形機は、耐圧0.4MPaの仕様であるものが大半を占めており、該成形機を用いて通常生産される成形加熱蒸気圧力はおおむね0.36MPa程度までである。型内発泡成形に用いられるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、これに対応できるような特性の樹脂を用いており、一般には融点が140〜150℃程度のエチレン−ランダムポリプロピレンが用いられている。
これまで、型内発泡成形体の剛性を向上するための技術に関して、様々な技術が検討されている。ポリプロピレン系樹脂で高い剛性を得るためには単純にホモポリプロピレンを用いることが考えられるが、例えば特許文献1には引張弾性率が15000〜25000kg/cmで示差走査型熱量計にて得られるDSC曲線の高温側ピークの熱量が30〜60J/gであるホモポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関しての技術が開示されている。また特許文献1にはMFRが20〜100g/10分の範囲にあるホモプロピレン系樹脂を用いて、比較的低い成形温度で型内発泡成形体を得ることのできる予備発泡粒子が作製しうるという技術が開示されている。
しかし、特許文献1記載の技術では、良好な発泡成形体を得るために必要な成形時の加熱蒸気の圧力が0.4〜0.6MPaであると記載されており、前述のように0.4MPa耐圧仕様の成形機では成形できない。またホモポリプロピレン系樹脂を用いることで、緩衝包材としての重要な性能のである“柔軟性”が低下する。
ホモポリプロピレンほど高い剛性は得られないものの、成形性を重視してポリプロピレン系ランダム共重合体を用いた技術も検討されている。例えば特許文献3には、基材樹脂として融点が149〜157℃、MFRが1〜20g/10分、かつ半結晶時間が一定の値以下のプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂として用いる技術が開示されている。
また、特許文献4には、型内発泡成形に用いるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の結晶状態について、示差走査型熱量分析(以下DSCと略す)を用いて得られる融解結晶カーブの高温側結晶量と低温側結晶量の関係を一定の範囲に設定することにより、得られる型内発泡成形体の圧縮強度を向上する技術が開示されている。
しかし、これらの技術に関しては、型内発泡成形に必要となる加熱蒸気の圧力は0.4〜0.5MPaと高く、前記特許文献2〜3に記載の技術と同様、特に耐圧性能の高い成形機を用いることによって可能となっている技術である。
さらに特許文献4には、1−ブテンをコモノマーとして含むポリプロピレン系樹脂を用いると樹脂融点に対して高い引っ張り弾性率、すなわち剛性を持つ樹脂が得られ、これを用いることにより、高い剛性をもつ型内発泡成形体を得ることができるという技術が開示されている。
しかし該技術に関しても、型内発泡成形に必要となる加熱蒸気の圧力は0.4MPa前後であり、他の技術と比較すると比較的低い成形加熱蒸気圧力であるものの、実施されている例の中で最も低いもので0.36MPaであり、現状よく用いられている0.4MPa耐圧仕様の成形機性能の下限レベルである。
さらに特許文献5には1−ブテン成分量を3〜12重量%含むプロピレン・1−ブテンランダム共重合体を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いることにより、高い剛性を持つポリプロピレン系樹脂発泡成形体が得られる技術が開示されている。該技術を用いた場合、成形加熱蒸気の圧力が0.3MPa前後と現状よく用いられる0.4MPa耐圧仕様の成形機でも成形可能であると記載されている。しかし、該公報記載のエチレン成分を含まない1−ブテン単独系のポリプロピレン系樹脂ランダム共重合体は、エチレン成分を含むポリプロピレン系樹脂ランダム共重合体に比べ硬くもろい性質があり、この性質が発泡体の基材樹脂として用いた場合に、特に、緩衝包材用途の場合には、繰り返し緩衝性能に悪影響を及ぼし、自動車部材用途の場合、緩衝特性、圧縮後の寸法回復性や、低温領域での衝撃特性が劣ると言う性質となる。ポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、同じ型内発泡成形体であるポリスチレン系樹脂発泡成形体と比べ、剛性面では劣るものの、繰り返し衝撃への耐性や柔軟性に優位性があり、これをもって緩衝包装材などに用いられている面もある。このため、該技術記載の技術では、剛性のみを目的とする用途以外の一般的な緩衝包材用途には向いていないという欠点もある。
以上のように、“内倒れ”現象を抑制する方法として、高い剛性を有するポリプロピレン系樹脂を基材とする予備発泡粒子を適用するには、一般に高い成形加熱蒸気圧力に耐えうる特殊な成形機・特殊な成形金型を使用したり、高圧での成形が必要となり、コストアップの原因となる。
特開平8−277340号公報 特開平10−316791号公報 特開平11−156879号公報 特開平7−258455号公報 特開平1−242638号公報
本発明の目的は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内成形において、低加熱条件かつ短時間の乾燥で内倒れを解消し得、良好な表面美麗性に優れ、緩衝包材に適した柔軟な成形体を得ることができるため、低コストで容易に型内成形体を得ることができるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することにある。
本発明は、上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、樹脂融点が低い、すなわち剛性が低いポリプロピレン系樹脂であっても、溶融時の動的粘弾性測定において、角振動数の低い領域での貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接であるtanδが特定の領域にあり、示差走査熱量計法で特定の融解挙動を有する場合、加熱成形・乾燥後の内倒れが少なくなることをようやく見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の第1は、180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(tanδ)が、1.0以上3.0以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として、示差走査熱量計法による測定で2つの融解ピークを有し、該2つの融解ピークのうち、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が10%以上70%以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
好ましい態様としては、
(1)前記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、3g/10分以上30g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂であること、
(2)前記ポリプロピレン系樹脂が、原料ポリプロピレン系樹脂をイソプレン単量体およびラジカル重合開始剤との反応により改質された改質ポリプロピレン系樹脂であること、
を特徴とする前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第2は、前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる、密度が10kg/m以上300kg/m以下の型内発泡成形体に関する。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、型内成形を行った際に、加熱成形後の変形が少ない。従って、緩衝包材として十分な柔軟性を有し、かつ内倒れの少ないポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を、低い成形加工温度で得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂は、モノマーとしてプロピレンを主体とした樹脂であり、単量体として、プロピレンを80重量%以上が好ましく、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むものである。プロピレンを上記範囲含んでいれば、他の共重合可能な単量体成分を含んでいてもよく、共重合可能な単量体成分としては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられる。これらのうち、エチレン、1−ブテンを使用することが、耐寒脆性向上、安価等という点で好ましい。
そして本発明における予備発泡粒子の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接tanδ(以下、単にtanδと称す場合がある)は、1.0以上3.0以下である。予備発泡前のポリプロピレン系樹脂でのtanδは上記範囲であるが、予備発泡粒子およびその型内成形体を樹脂化した場合、tanδは3.0以上となる場合がある。
本発明において180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでのtanδが1.0以上3.0以下の範囲が好ましい理由は明確ではないが、以下のように考えられる。tanδが1.0未満の場合は樹脂の粘性効果の低下とともに、弾性効果が非常に高く、加熱成形後の変形を抑制する効果もあるが、加熱成形時の伸びが悪くなり、加熱成形時の予備発泡粒子同士の融着性を悪化させることや、加熱成形体の表面伸びを悪化させる場合がある。また、tanδが3.0より大きい場合、弾性効果が低下し、加熱成形後の変形抑制効果が発現しない。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂の融点の好ましい範囲は、130℃以上155℃以下であり、より好ましくは135℃以上150℃以下である。融点が当該範囲内であると、現状よく用いられている0.4MPa耐圧仕様の成形機でも良好な型内発泡成形体が得られる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(以下、MFRと称す場合がある)は、3g/10分以上30g/10分以下が好ましく、5g/10分以上20g/10分以下がより好ましい。MFRとtanδに一次的な相関はないものの、MFRが3g/10分未満の場合、前記tanδが1.0未満となりやすい傾向にあり、表面伸びを著しく低下させる場合がある。MFRが30g/10分を超えては、前記tanδが3.0を超えやすい傾向にあり、加熱成形後の変形抑制効果が発現しない場合がある。
MFRの測定は、JIS−K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、示差走査熱量計法による測定において2つの融解ピークを有し、該融解ピークのうち低温側の融解ピーク熱量Qlと、高温側の融解ピーク熱量Qhから算出した、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100(以下、DSC比と略す場合がある)が10%以上70%以下である。より好ましくは15%以上50%以下の範囲である。DSCピーク比が10%を下回ると成形体表面に収縮による皺が発生したり、加熱成形後の変形が大きくなる。70%より大きくなると、通常の成形機で成形可能な加熱圧力上限をもってしても、融着性が損なわれたり、粒間が多く見られるなど、表面美麗性が劣る型内発泡成形体となる。
DSC比の測定はセイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて行い、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られる融解曲線(図1に例示)において、2つのピークを有し、該融解ピークのうち低温側の融解ピーク熱量Qlと、高温側の融解ピーク熱量Qhから算出した、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100で表されるパラメータをDSC比とした。
180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでのtanδが1.0以上3.0以下であるポリプロピレン系樹脂は、例えば、原料ポリプロピレン系樹脂を架橋型および分解型のラジカル重合開始剤との反応により得る方法(たとえば、特開2002−80610号公報記載の方法など)、もしくは原料ポリプロピレン系樹脂をラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤との反応により得るなどの方法を用いることができる。これらの内、原料ポリプロピレン系樹脂をラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤との反応により得る方法が、より容易に180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでのtanδが1.0以上3.0以下であるポリプロピレン系樹脂を得ることができることから好ましい。こうして得られるポリプロピレン系樹脂を以下、改質ポリプロピレン系樹脂と称する。
前記ラジカル重合性単量体としては、原料ポリプロピレン系樹脂にグラフト共重合可能であって、溶融混練の際に原料ポリプロピレン系樹脂の主鎖切断に伴い大幅な溶融粘度低下を起こさないものが好ましい。
好ましいラジカル重合性単量体の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物;ジイソプロペニルベンゼン;イソプレン、1,3−ブタジエン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物;ジエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの、多価アルコールと2以上のアクリル酸からなるエステル化合物が挙げられ、単独或いは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらのなかでは安価かつ取り扱いしやすく、また反応が均一に進みやすいという点でイソプレンが最も好ましい。
ラジカル重合性単量体の添加量は、原料ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.2重量部以上10重量部以下がより好ましい。ラジカル重合性単量体の量が0.01重量部未満の場合、十分な変形抑制効果が得られない場合があり、20重量部を超える場合、加熱成形時の表面美麗性を損なう場合がある。
本発明に用いられるラジカル重合開始剤としては、いわゆる水素引き抜き能を有する有機過酸化物などがあげられ、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどが挙げられる。
更に具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどがあげられる。
これらのうち、特に水素引き抜き能が高いラジカル重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどがあげられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ラジカル重合開始剤の添加量は、ラジカル重合開始剤の水素引き抜き能およびラジカル重合性単量体の添加量により適正量範囲は異なるが、原料ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下が好ましく、0.03重量部以上3重量部以下がさらに好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量が0.01重量部未満の場合、tanδが3.0以下に成り難い、すなわち、加熱成形後の変形抑制効果を得にくく、5重量部を超えては、tanδが1.0以上とならない場合があり、良好な表面美麗性を得にくい。
前記改質ポリプロピレンを製造する際、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加される添加剤等の他の材料の混合および溶融混練に関しては、その順序および方法は、特に制限されるものではない。例えば、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合性単量体、ラジカル重合開始剤および他の材料を混合した後、溶融混練してもよいし、あるいは、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤および他の材料を混合した後、それらを溶融混練する際にポンプ等を用いラジカル重合性単量体を添加してもよい。
また、前記改質ポリプロピレン系樹脂を得た後に、添加剤や他の樹脂を加える目的で溶融混練を繰り返しても良いし、さらに、原料ポリプロピレンの一部と添加剤や他の樹脂をあらかじめ溶融混練してマスターバッチとした後に、これと残余の原料ポリプロピレン系樹脂の混合物を用いて改質ポリプロピレン系樹脂としてもよい。
また、前記溶融混練に用いる装置としては、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型攪拌機またはダブルヘリカルリボン攪拌機などの縦型攪拌機など高分子材料を適宜の温度に加熱しえ、適宜の剪断応力を与えながら混練しうる装置があげられる。
中でも、前記改質ポリプロピレン系樹脂を製造する方法としては、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加される他の材料の混合物を、ホッパーから2軸押出機に供給し、ポンプ等を用いラジカル重合性単量体を2軸押出機に供給して、該押出機中でそれらを溶融混練する方法が特に好ましい。
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は、通常、予備発泡に利用されやすいように、ストランド状に押出してペレット化するか、ダイから吐出直後に切断することなどにより、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状で、その粒子の一粒当たりの重量は、0.3mg以上3.5mg以下が好ましく、より好ましくは0.5mg以上1.8mg以下になるように成形加工される。
ポリプロピレン系樹脂に、必要に応じて使用される、界面活性剤型もしくは高分子型の帯電防止剤、顔料、難燃性改良剤、導電性改良剤等は、通常、樹脂粒子の製造過程において溶融した樹脂中に添加することが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂粒子を、発泡させ、予備発泡粒子を得る方法としては、例えば、発泡剤と共に耐圧容器内で水中に分散させ、プロピレン系樹脂分散物とし、該分散物を好ましくは該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃から+10℃、更に好ましくは−20℃から+5℃の範囲の温度に加熱して該ポリプロピレン系樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、該発泡剤の示す蒸気圧以上の加圧下で容器内の温度、圧力を一定に保持しながら、該ポリプロピレン系樹脂粒子と水との分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することによりポリプロピレン系予備発泡粒子を得る方法などが挙げられる。
前記分散物の調製に際しては、分散剤として、例えば、第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸マグネシウム、二酸化チタン等の無機系分散剤と、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダの分散助剤を使用されることが好ましい。これらの中でも第三リン酸カルシウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの併用が更に好ましい。分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して分散剤0.2重量部以上3重量部以下を配合することが好ましく、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下を配合することが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下使用するのが好ましい。
前記発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素や空気、窒素、炭酸ガス等の無機ガスがあげられ、これらは単独または2種以上組み合わせて使用することが出来る。これらの発泡剤の使用量に制限はなく、発泡剤の種類、容器内の樹脂量と容器内空間容積との比率、さらには所望する発泡倍率を考慮して設定すれば良く、その使用量はポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して好ましくは5重量部以上50重量部以下である。
前記発泡剤を利用する以外にも、経済的にポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造する方法として、ポリプロピレン系樹脂中に、例えば親水性化合物を含有させることにより、分散媒に使用する水を発泡剤として利用する方法(例えば、特開平10−306179号公報、特開平11−106576号公報など)も利用可能である。
更には、前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が所望の発泡倍率に至らなかった場合、予備発泡粒子内を不活性ガスで加圧し、加熱して発泡倍率を高める方法(例えば、特開平10−237212号公報)も利用可能である。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から型内発泡成形体を成形する方法としては、たとえば、あらかじめポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子中に空気を圧入することにより発泡能を付与し、これを閉鎖しうるが密閉し得ない成形型内に充填し、水蒸気などを加熱媒体として0.20〜0.4MPa程度の加熱水蒸気圧で3〜30秒程度の加熱時間で加熱することでポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子同士を融着させ、このあと成形金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後の型内発泡成形体の後膨れを抑制できる程度まで冷却した後、金型を開き、型内発泡成形体を得る方法などが挙げられる。
以上のようにして得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体の密度は10kg/m以上300kg/m以下であることが好ましく、より好ましくは15kg/m以上250kg/m以下である。
つぎに、本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、「部」「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
また実施例及び比較例における評価は下記の方法で行った。
〔貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接tanδの測定〕
ポリプロピレン系樹脂を1.5mm厚のスペーサーを用いて190℃にて5分間熱プレスして1.5mm厚のプレス板を作製し、ここからφ25mmのポンチを用いて打ち抜き、試験片を得た。測定装置としては、TAインスツルメンツ社製粘弾性測定装置、ARESを用い、φ25mmのパラレルプレート型冶具を装着した。冶具を囲うように恒温槽を設置し180℃に保温、冶具が予熱された後に恒温槽を開け、パラレルプレート間にφ25mmとした試験片を挿入して恒温槽を閉じ、5分間予熱した後にパラレルプレート間隔を1mmまで圧縮した。圧縮後、再度恒温槽を開き、パラレルプレートからはみ出した樹脂を真鍮のヘラで掻き取り、恒温槽を閉じて再度5分間保温した後に、動的粘弾性測定を開始した。測定は、角振動数0.1rad/sから100rad/sまでの範囲で行い、各角振動数での貯蔵弾性率と損失弾性率および計算値として損失正接tanδを得た。これらの結果のうち、角周波数1rad/sでの損失正接tanδの値を採用した。なお、歪み量は5%で、窒素雰囲気下で測定を行った。
〔示差走査熱量計法による融解ピークの測定〕
DSC比の測定はセイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られる融解曲線(図1に例示)において、2つのピークを有し、該融解ピークのうち低温側の融解ピーク熱量Qlと、高温側の融解ピーク熱量Qhから算出した、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100で表されるパラメータである。
〔融点の測定〕
セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温して、3分間温度をホールドした後、−10℃/minの降温速度で40℃まで冷却して、3分間温度をホールドした後、再度10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られる融解曲線において、得られるピーク温度を融点とした。
〔予備発泡粒子の発泡倍率〕
嵩体積約50cmのポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm)を求め、発泡前の樹脂粒子の密度d(g/cm)から次式により求める。
発泡倍率=d×v/w
〔成形体密度〕
成形体の乾燥の後、成形体重量w(g)および水没体積v(L)を求め、下記式より成形体密度(g/L)を算出した。
成形体密度=w/v
〔最低成形加熱蒸気圧力〕
東洋機械金属株式会社製ポリオレフィン発泡成形機パールスターP−150Nを用い、縦270mm×横290mm×厚み40mmのブロック金型に、あらかじめ粒子内部の空気圧力が2.0atmになるように調整したポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、まず0.1MPaの水蒸気で金型内の空気を追い出し、その後任意の圧力の加熱蒸気を用いて10秒間加熱成形させることにより、ポリプロピレン系樹脂発泡成形体を得る。この発泡成形体を手で割り、内部発泡粒子の融着状態を確認した。発泡粒子同士の融着が目視にて60%以上の発泡粒子が材料破壊している状態の最低の成形加熱蒸気圧力を調べた。一般に用いられる0.4MPa耐圧仕様の成形機を用いる場合の連続生産可能圧力である0.34MPa以下を基準とした。
〔箱型成形体における成形評価〕
東洋機械金属株式会社製ポリオレフィン発泡成形機パールスターP−150Nを用い、0.28MPaの水蒸気加熱により成形した後、25℃で2時間静置し、次いで65℃に温調した恒温室内に5時間静置した後、取り出し、25℃で放冷し、図2に示す形状の成形体を得た。
内倒れ量は、成形体2試験体の長手方向の端部分の寸法c1とc2の平均値から、中央部分の寸法bを差し引いた値を測定・平均値化したものとし、製品要求品質である−10〜10mmであることを合格(○)とした。
また、薄肉部表面性の評価では、粒間や皺がほとんどないことを合格(○)、粒間や皺が見られる場合(×)とした。
(樹脂1の製造)
原料ポリプロピレン(樹脂融点142℃、MFR6.5g/10分)100重量部と、ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシ−イソプロピルモノカーボネート(日本油脂社製、パーブチルI)を表1の割合でリボンブレンダーで撹拌混合した配合物を、計量フィーダーを用いて2軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44XCT−38)に供給し、液体添加ポンプを用いて押出機途中からイソプレンを、原料ポリプロピレン100重量部に対して表1の割合で供給し、溶融混練することにより、各種のペレットを得た。
なお、前記2軸押出機は、同方向2軸タイプであり、スクリュー径が44mmφであり、最大スクリュー有効長(L/D)が38であった。2軸押出機のシリンダー部の設定温度は、イソプレン単量体圧入までは180℃、イソプレン圧入以降は200℃とし、スクリュー回転速度は120rpmに設定した。
(樹脂2〜7の製造)
表1に示した原料ポリプロピレンの種類、ラジカル開始剤の量、イソプレンの量をそれぞれ変更した以外は、樹脂1と同様の操作により、樹脂2〜樹脂7のペレットを得た。
Figure 2008274024
表1に示すポリプロピレン系樹脂を用い、ポリプロピレン系樹脂100部に対し、造核剤としてタルクを0.03部添加・混合し、50mmφ単軸押出機で混練したのち造粒し、ポリプロピレン系樹脂粒子(1.3mg/粒)を製造した。
該ポリプロピレン系樹脂粒子100部、分散剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2部および分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05部、水300部を、内容量10Lの耐圧容器に仕込み、攪拌しながら、イソブタン15重量部を加え、表2記載の温度まで昇温し、さらにイソブタンを圧入して表2記載の圧力に調整し、30分間保持した。その後、窒素を圧入しながら容器内温、圧力を表2記載の圧力に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径4.0mmφのオリフィス板を通して大気圧下に放出することによってポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をえた。
Figure 2008274024
次に得られた発泡粒子を用いて最低成形加熱蒸気圧力、および箱型成形体における成形評価(内倒れ量、薄肉部表面性)を行った。
実施例1〜4で示す樹脂を用いたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子と、比較例1〜5で示すポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のそれぞれの評価結果を比べると、本発明記載の技術を用いた実施例では、最低成形蒸気過熱圧力、内倒れ量および薄肉部表面性のすべてで優れた結果が得られたのに対し、比較例では、最低成形蒸気過熱圧力、内倒れ量、薄肉部表面性のいずれか、もしくは複数の点で劣るものであった。
以上のように、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子において、本発明記載の技術を用いると、内倒れが少なく、現状よく用いられている0.4MPa耐圧仕様の成形機を用いて、表面美麗でかつ乾燥時間が短い成形体を得られることから効率的に成形体の製造が可能である。
示差走査熱量計を用い、本発明記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を測定した際に得られるDSC曲線の一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱量である。低温側の網掛け部分がQl、高温側の網掛け部分がQhである。 成形評価に用いた箱型成形体の形状を示す斜視図である。
符号の説明
a 薄肉形状部位
b 中央部寸法を測定した箇所
c 端部寸法を測定した箇所

Claims (4)

  1. 180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接tanδが、1.0以上3.0以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として、示差走査熱量計法による測定で2つの融解ピークを有し、該2つの融解ピークのうち、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が10%以上70%以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、3g/10分以上30g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂が、原料ポリプロピレン系樹脂をイソプレン単量体およびラジカル重合開始剤との反応により改質された改質ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  4. 請求項1〜3何れか一項記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる、密度が10kg/m以上300kg/m以下の型内発泡成形体。
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