JPH09124827A - 改質ポリオレフィン系樹脂からなる発泡体およびその製法 - Google Patents

改質ポリオレフィン系樹脂からなる発泡体およびその製法

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JPH09124827A
JPH09124827A JP28516295A JP28516295A JPH09124827A JP H09124827 A JPH09124827 A JP H09124827A JP 28516295 A JP28516295 A JP 28516295A JP 28516295 A JP28516295 A JP 28516295A JP H09124827 A JPH09124827 A JP H09124827A
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JP
Japan
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resin
polyolefin resin
foam
modified polyolefin
ethylene
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Application number
JP28516295A
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English (en)
Inventor
Haruo Tomita
春生 冨田
Osamu Miyama
治 三山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤として炭酸ガスおよび/または水を用
い、発泡倍率が高く、独立気泡率が高く、外観美麗な改
質ポリオレフィン系樹脂からなる発泡体を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、芳香族ビニル単量体およびラジカル重合開始剤を
溶融混練してえられる改質ポリオレフィン系樹脂に、発
泡剤として炭酸ガスおよび/または水を溶解または分散
させたのち発泡させる改質ポリオレフィン系樹脂からな
る発泡体の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改質ポリオレフィ
ン系樹脂からなる発泡体およびその製法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、発泡剤として、安全性が高く、
環境に悪影響をおよぼすことのない炭酸ガスおよび/ま
たは水を用いる改質ポリオレフィン系樹脂からなる発泡
体、およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる発泡体は、一般に
軽量で断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好であるこ
とから、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器などに幅広く
利用されている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂から
なる発泡体は、耐薬品性、耐衝撃性および耐熱性が良好
であるため、とくに緩衝材として好適に利用されてい
る。
【0003】これらポリオレフィン系樹脂からなる発泡
体の製法の例としては、熱分解型発泡剤をこの樹脂に混
練させたのち、これを該熱分解型発泡剤の分解温度以上
の温度に加熱することにより発泡させる化学発泡法があ
げられる。また、ブタンやプロパンなどの低沸点有機溶
剤やフロンなどの蒸発潜熱が高い発泡剤を、溶融状態の
樹脂に高圧下で圧入させ、これを低圧雰囲気下に放出
し、発泡させるガス発泡法も知られている。
【0004】前記化学発泡法によれば、好適な特性を有
する発泡体をうることができるが、高発泡倍率の発泡体
を製造するばあい、大量の熱分解型発泡剤の使用が必要
となり、コストが高くなるという欠点を有するものであ
り、さらに、発泡剤の分解残渣が発泡体中に残り、この
分解残渣により、着色や臭気が発生することがあるとい
う問題点も有するものであった。
【0005】ブタンやプロパンなどの低沸点有機溶剤を
用いるガス発泡法によれば、前述のような発泡剤の分解
残渣が発泡体中に残るという問題はないが、発泡体の製
造時に、これら低沸点有機溶剤に引火して、発火した
り、爆発する危険性があるので、この方法を用いるばあ
いには、防爆設備を設ける必要がある。
【0006】また、フロンを発泡剤として用いる方法に
よれば、発火や爆発の危険性の問題はないが、この発泡
剤がオゾン層を破壊するという問題を有する。
【0007】前述のそれぞれの問題点を解決する方法と
して、発泡剤として炭酸ガスおよび/または水を用いる
方法が提案されている。しかしながら、一般のポリオレ
フィン系樹脂を、この炭酸ガスおよび/または水である
発泡剤を用いて発泡させる方法では、高発泡倍率の発泡
体をうることができない。この理由は、明らかではない
が、炭酸ガスおよび水のポリオレフィン系樹脂への溶解
性が低いことやポリオレフィン系樹脂の溶融時の強度が
極めて低いことなどに起因するものと推測される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発泡
剤として、炭酸ガスおよび/または水を用いる、発泡倍
率が高く、独立気泡率が高く、外観美麗な改質ポリオレ
フィン系樹脂からなる発泡体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行なった結果、驚くべきこと
に、特定の方法で改質したポリオレフィン系樹脂が、発
泡剤として、炭酸ガスおよび/または水を用いるばあい
でも、高発泡倍率であり、独立気泡率が高く、すぐれた
外観を有する発泡体に成形しうることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、芳香族ビニル単量体およびラ
ジカル重合開始剤を溶融混練してえられる改質ポリオレ
フィン系樹脂に、発泡剤として炭酸ガスおよび/または
水を溶解または分散させたのち発泡させる改質ポリオレ
フィン系樹脂からなる発泡体の製法に関する。
【0011】前記芳香族ビニル単量体がスチレン、メチ
ルスチレンおよびジビニルベンゼンよりなる群から選ば
れた1種または2種以上であることが好ましい。
【0012】また、前記ラジカル重合開始剤がパーオキ
シケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパー
オキサイドおよびパーオキシエステルよりなる群から選
ばれた1種または2種以上であることが好ましい。
【0013】また、前記ポリオレフィン系樹脂がポリプ
ロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂もしくはエチレン
とプロピレンとのランダムまたはブロック共重合体樹脂
であることが好ましい。
【0014】また、本発明は、前記の製法によりえられ
る発泡体に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】前記改質ポリオレフィン系樹脂
は、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、芳香
族ビニル単量体およびラジカル重合開始剤を、該ポリオ
レフィン系樹脂が溶融する温度であり、かつ該ラジカル
重合開始剤が分解しうる温度のもとで、混練することに
よりうることができる。
【0016】本発明における、改質ポリオレフィン系樹
脂が、発泡剤として、炭酸ガスおよび/または水を用い
たばあいでも、高発泡倍率に発泡させることができる理
由は明らかではないが、改質ポリオレフィン系樹脂の製
造において、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、芳香族ビニル単量体およびラジカル重合開始剤のう
ち、いずれが欠けたばあいであっても、本発明の目的は
達成されない。
【0017】このようにしてえられる改質ポリオレフィ
ン系樹脂は、発泡時の気泡壁の強度が高いので、発泡さ
せるときに気泡壁が容易に破壊されない。
【0018】このような改質ポリオレフィン系樹脂を、
発泡剤として、炭酸ガスおよび/または水を用いて発泡
させることにより、発泡倍率が高く、独立気泡率が高
く、すぐれた外観を有し、好適な機械特性を有する発泡
体をうることができる。
【0019】本発明において、溶融混練する前のポリオ
レフィン系樹脂(以下、改質前のポリオレフィン系樹脂
ということもある)としては、一般にポリオレフィン系
樹脂と称されるものを用いることができ、その範囲内で
の使用に制限はされないが、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂またはエチレンとプロピレンとのラン
ダムまたはブロック共重合体樹脂が、緩衝性や断熱性な
どの発泡体としての特性のバランスに優れている点か
ら、好適に用いられる。
【0020】前記ポリプロピレン系樹脂としては、プロ
ピレンの単独重合体、プロピレンとほかの単量体とのブ
ロック共重合体またはプロピレンとほかの単量体とのラ
ンダム共重合体などの結晶性の重合体があげられ、剛性
が高く、安価であるという点からは前記プロピレンの単
独重合体が好ましく、剛性および耐衝撃性がともに高い
という点からは前記プロピレンとほかの単量体とのブロ
ック共重合体が好ましい。改質前のポリプロピレン系樹
脂がプロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体ま
たはプロピレンとほかの単量体とのランダム共重合体で
あるばあい、ポリプロピレン系樹脂の特徴である高結晶
性、高い剛性および良好な耐薬品性を保持する点から、
含有されるプロピレン単量体成分が全体の75重量%以
上であることが好ましく、全体の90重量%以上である
ことがさらに好ましい。
【0021】前記ポリプロピレン系樹脂において、プロ
ピレンと共重合しうるほかの単量体としては、α−オレ
フィン、環状オレフィン、ジエン系単量体およびビニル
単量体よりなる単量体の群から選ばれた1種または2種
以上の単量体があげられる。また、この単量体としては
プロピレンと共重合しやすく、安価である点から、α−
オレフィンまたはジエン系単量体が好ましい。
【0022】前記のプロピレンと共重合しうるα−オレ
フィンの例としては、ブテン−1、イソブテン、ペンテ
ン−1、3−メチル−ブテン−1、ヘキセン−1、3−
メチル−ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、
3,4−ジメチル−ブテン−1、ヘプテン−1、3−メ
チル−ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1などの
炭素数が4〜12のα−オレフィンなどがあげられる。
また、前記のプロピレンと共重合しうる環状オレフィン
の例としては、シクロペンテン、ノルボルネン、1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,8,8
a−6−オクタヒドロナフタレンなどがあげられる。ま
た、前記のプロピレンと共重合しうるジエン系単量体の
例としては、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、
メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−
オクタジエンなどがあげられる。また、前記のプロピレ
ンと共重合しうるビニル単量体の例としては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マ
レイン酸などがあげられる。
【0023】これらの単量体のうち、ブテン−1が安価
である点からさらに好ましい。
【0024】前記ポリエチレン系樹脂としては、エチレ
ンの単独重合体、エチレンとほかの単量体とのブロック
共重合体またはエチレンとほかの単量体とのランダム共
重合体などの結晶性の重合体があげられ、剛性が高く、
安価であるという点からは前記エチレンの単独重合体が
好ましく、剛性および耐衝撃性がともに高いという点か
らは前記エチレンとほかの単量体とのブロック共重合体
が好ましい。改質前のポリエチレン系樹脂がエチレンと
ほかの単量体とのブロック共重合体またはエチレンとほ
かの単量体とのランダム共重合体であるばあい、ポリエ
チレン系樹脂の特徴である高結晶性、高い剛性および良
好な耐薬品性を保持する点から、含有されるエチレン単
量体成分が全体の75重量%以上であることが好まし
く、全体の90重量%以上であることがさらに好まし
い。
【0025】前記ポリエチレン系樹脂において、エチレ
ンと共重合しうるほかの単量体としては、炭素数4以上
のα−オレフィン、環状オレフィン、ジエン系単量体お
よびビニル単量体よりなる単量体の群から選ばれた1種
または2種以上の単量体があげられる。また、この単量
体としてはプロピレンと共重合しやすく、安価である点
から、炭素数4以上のα−オレフィンまたはジエン系単
量体が好ましい。
【0026】前記のエチレンと共重合しうる炭素数4以
上のα−オレフィンの例としては、ブテン−1、イソブ
テン、ペンテン−1、3−メチル−ブテン−1、ヘキセ
ン−1、3−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ペン
テン−1、3,4−ジメチル−ブテン−1、ヘプテン−
1、3−メチル−ヘキセン−1、オクテン−1、デセン
−1などの炭素数が4〜12のα−オレフィンなどがあ
げられる。また、前記のエチレンと共重合しうる環状オ
レフィンの例としては、シクロペンテン、ノルボルネ
ン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,8,8a−6−オクタヒドロナフタレンなどがあげ
られる。また、前記のエチレンと共重合しうるジエン系
単量体の例としては、5−メチレン−2−ノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキ
サジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル
−1,6−オクタジエンなどがあげられる。また、前記
のエチレンと共重合しうるビニル単量体の例としては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸
ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチ
ル、無水マレイン酸などがあげられる。
【0027】これらの単量体のうち、ブテン−1が安価
である点からさらに好ましい。
【0028】また、前記エチレンとプロピレンとのラン
ダムまたはブロック共重合体においては、その共重合比
は制限されない。
【0029】また、前記ポリオレフィン系樹脂として
は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混
合物であってもよい。
【0030】前記の改質前のポリオレフィン系樹脂のポ
リマーの分子量(重量平均分子量)は入手しやすいとい
う点から、5万〜200万の範囲内にあることが好まし
く、安価であるという点から、10万〜100万の範囲
内にあることがさらに好ましい。
【0031】本発明に用いうる前記芳香族ビニル単量体
としては、たとえばスチレン;o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリ
メチルスチレンなどのメチルスチレン;α−クロロスチ
レン、β−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−
クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブ
ロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロ
モスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチ
レン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、ト
リフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニト
ロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレ
ン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニト
ロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシ
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチ
レン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノー
ル;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p
−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイ
ソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼ
ン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペ
ニルベンゼンなどの1種または2種以上があげられる。
これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼンま
たはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという
点で好ましい。
【0032】本発明における改質ポリオレフィン系樹脂
は、前述のように、芳香族ビニル単量体、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびラジカル重合開始
剤をともに溶融混練することにより製造される。このよ
うにして製造されることにより、ポリオレフィン系樹脂
成分とポリスチレン系樹脂成分との相溶性がよくなり、
ポリオレフィン系樹脂成分をマトリックスとし、このマ
トリックスに極めて小さい粒子径のポリスチレン系樹脂
成分が分散している構造を有するものである。
【0033】前記芳香族ビニル単量体の添加量として
は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.
1〜50重量部、さらには0.1〜30重量部であるこ
とが、改質ポリオレフィン系樹脂において、ポリオレフ
ィン系樹脂成分とポリスチレン系樹脂成分との相溶性が
好適に改良される点で好ましい。
【0034】芳香族ビニル単量体の添加量が、前記の範
囲より少ないばあい、前記発泡性の改良効果が不充分と
なる傾向があり、一方前記の範囲より多いばあい、多量
のラジカル重合開始剤が必要になるため、コスト的に不
利になる傾向がある。
【0035】前記芳香族ビニル単量体には、芳香族ビニ
ル単量体とこの芳香族ビニル単量体に共重合可能なほか
のビニル単量体とが併用されてもよい。
【0036】前記芳香族ビニル単量体に共重合可能なほ
かのビニル単量体としては、たとえば塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸グリシルなどのアクリル酸エステル;メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸グリシルなどのメタクリル酸エス
テルなどがあげられる。
【0037】前記芳香族ビニル単量体と、この芳香族ビ
ニル単量体に共重合可能なほかのビニル単量体とが併用
されるばあい、芳香族ビニル単量体100重量部に対し
て、芳香族ビニル単量体に共重合可能なほかのビニル単
量体が100重量部未満で併用されることが好ましく、
75重量部未満で併用されることがさらに好ましい。芳
香族ビニル単量体に共重合可能なほかのビニル単量体の
量が前記の範囲を超えると、好適な形状や外観を有する
発泡体をうることができない傾向がある。
【0038】前記ポリスチレン系樹脂としては、ポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、ABS樹脂などがあげられる。これらのうち、
安価であるという点から、ポリスチレンが好ましい。
【0039】前記ポリスチレン系樹脂のポリマーの分子
量(重量平均分子量)は、入手しやすいという点から、
1万〜100万の範囲内にあることが好ましい。
【0040】前記ポリスチレン系樹脂の添加量は、発泡
性を改良し、かつポリオレフィン系樹脂本来の性質を損
わないの点から、改質前のポリオレフィン系樹脂100
重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ま
しく、1〜30重量部であることがさらに好ましい。
【0041】前記ラジカル重合開始剤としては、一般に
過酸化物またはアゾ化合物などがあげられるが、本発明
においては、ポリオレフィン系樹脂のポリマー分子に対
し、水素引き抜き能を有するラジカル重合開始剤などの
化合物の存在が必要である。
【0042】このラジカル重合開始剤としては、一般に
過酸化物、アゾ化合物などがあげられ、具体的には、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテ
ートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタ
ール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイ
ド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−
ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベン
ゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパ
ーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチ
ル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチ
ルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボ
ネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウ
レート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエス
テルなどの有機過酸化物があげられる。これらのうち、
とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、たとえば
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタ
ール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α
´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)
ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキ
ルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジ
アシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチル
パーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートな
どのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があ
げられる。
【0043】前記ラジカル重合開始剤の添加量は、改質
ポリオレフィン系樹脂の溶融粘度が過度に低下せず、か
つ経済的であるという点から、改質前のポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の
範囲内にあることが好ましく、0.1〜5重量部の範囲
内にあることがさらに好ましい。
【0044】前記ラジカル重合開始剤の添加量が、前記
の範囲より少ないばあい、改質効果を充分にえられない
傾向があり、一方前記の範囲より多いばあい、好適な形
状や外観を有する発泡体をえられない傾向がある。
【0045】改質前のポリオレフィン系樹脂には、必要
に応じて、ポリスチレン系樹脂のほかの樹脂またはゴム
を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
前記ポリスチレン系樹脂のほかの樹脂またはゴムとして
は、たとえばポリブテン−1、ポリイソブテン、ポリペ
ンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オ
レフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレ
ン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/
ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィ
ン/α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75
重量%未満のエチレン/プロピレン/5−エチリデン−
2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オ
レフィン/α−オレフィン/ジエン系単量体共重合体;
エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニリ
デン共重合体、エチレン/アクリロニトリル共重合体、
エチレン/メタクリロニトリル共重合体、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、エチレン/アクリルアミド共重合
体、エチレン/メタクリルアミド共重合体、エチレン/
アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合
体、エチレン/マレイン酸共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重
合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸金
属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体
などのエチレンまたはα−オレフィン/ビニル単量体共
重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジ
エン系共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル
酸メチルなどのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニ
トリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体など
のビニル系共重合体などがあげられる。
【0046】改質前のポリオレフィン系樹脂に対するこ
れらほかの樹脂またはゴムの添加量は、これらほかの樹
脂の種類またはゴムの種類により異なり、前記のように
本発明の効果を損なわない範囲であればよいが、通常、
25重量%程度以下であることが好ましい。
【0047】さらに、前記の改質前のポリオレフィン系
樹脂には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐
系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白
剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤または架橋剤、
連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔
料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の
効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0048】これら改質前のポリオレフィン系樹脂(各
種の添加材料を含むばあいもある)は粒子状のものであ
ってもペレット状のものであってもよく、その大きさや
形はとくに制限されるものではない。
【0049】前記の添加材料(ほかの樹脂、ゴム、安定
剤および/または添加剤)を用いるばあいは、この添加
材料は予め改質前のポリオレフィン系樹脂に添加されて
いるものであっても、この改質前のポリオレフィン系樹
脂を溶融混練するときに添加されるものであってもよ
く、また溶融混練ののちに適宜の方法により添加される
ものであってもよい。
【0050】また、改質前のポリオレフィン系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、芳香族ビニル単量体、ラジカル重合
開始剤および必要に応じて添加されるそのほかの添加材
料の混合方法および溶融混練方法はとくに制限されるも
のではなく、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、芳香族ビニル単量体、ラジカル重合開始
剤および必要に応じて添加されるそのほかの添加材料を
混合したのち溶融混練してもよいし、ポリオレフィン系
樹脂およびポリスチレン系樹脂を溶融混練したのち、こ
れに芳香族ビニル単量体、ラジカル重合開始剤および必
要に応じて添加されるそのほかの添加材料を、同時にあ
るいは別々に、一括してあるいは分割して混合し、溶融
混練してもよい。
【0051】また、溶融混練時の加熱温度が、樹脂の種
類などにより異なるが、通常、130〜400℃である
ことが、ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱
分解しにくいという点で好ましい。また溶融混練の時間
(ラジカル重合開始剤および芳香族ビニル単量体を混合
してからの時間)は、通常、1〜60分間である。
【0052】前記の溶融混練の装置としては、ロール、
コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸
押出機または二軸押出機などの混練機、二軸表面更新機
または二軸多円板装置などの横型攪拌機、ダブルヘリカ
ルリボン攪拌機などの縦型攪拌機など高分子材料を適宜
の温度に加熱しえ、適宜の剪断応力を与えながら混練し
うる装置があげられる。これらのうち、とくに単軸また
は二軸押出機が生産性の点から好ましい。また、各々の
材料を充分に均一に混合するために前記溶融混練を複数
回繰返してもよい。
【0053】前述のようにして、本発明における改質ポ
リオレフィン系樹脂を製造することができる。
【0054】このような改質ポリオレフィン系樹脂に、
発泡剤として、炭酸ガスおよび/または水を溶解または
分散させたのち発泡させることにより、本発明の改質ポ
リオレフィン系樹脂からなる発泡体がえられる。
【0055】本発明の改質ポリオレフィン系樹脂からな
る発泡体の製法の例として、(1)溶融させた状態の改
質ポリオレフィン系樹脂に前記発泡剤を圧入して、溶解
させたのち、溶融押出機で押し出すことにより発泡体を
うる方法、(2)前記改質ポリオレフィン系樹脂を粒子
状に成形して、圧力容器内または水性懸濁液中で、この
改質ポリオレフィン系樹脂粒子中に発泡剤を分散させ、
つぎにこれを除圧発泡、すなわち発泡剤が分散している
改質ポリオレフィン系樹脂粒子を加圧下に保ったのち、
これ低圧雰囲気下に放出することにより発泡させて、予
備発泡粒子を製造し、この予備発泡粒子を型内成形など
の方法により発泡成形体にする方法などがあげられる。
【0056】本発明においては、発泡剤として、炭酸ガ
スおよび/または水を用いる。
【0057】前記方法(1)のばあい、前記発泡剤の圧
入量は発泡剤の種類および目標発泡倍率により選択すれ
ばよいが、改質ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、通常0.5〜100重量部の範囲内にあることが
好ましい。
【0058】また、発泡体の気泡径を適宜の大きさにコ
ントロールするために、必要に応じて、重炭酸ソーダ−
クエン酸またはタルクなどの発泡核剤を併用してもよ
い。必要に応じて用いられるこの発泡核剤の添加量は、
改質ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.
01〜1重量部であることが通常である。
【0059】また、前記方法(1)のばあい、押出機内
で前記改質ポリオレフィン系樹脂を溶融させ、この押出
機内に前記発泡剤を圧入し、高圧に保持しつつ溶融状態
の該改質ポリオレフィン系樹脂と混練し、充分に混練さ
れた改質ポリオレフィン系樹脂と前記発泡剤との混練体
をダイより吐出することにより発泡体に成形しうる。こ
の方法における溶融混練温度および溶融混練時間は、用
いられる発泡剤および混練条件により適宜選択すればよ
く、樹脂の種類などにより異なるが、溶融混練温度が1
30〜300℃、溶融混練時間が1〜120分間である
ことが通常である。
【0060】前記方法(2)のばあい、前記発泡剤の圧
入量は発泡剤の種類および目標発泡倍率により選択すれ
ばよいが、改質ポリオレフィン系樹脂(粒子)100重
量部に対して、通常、1〜20重量部の範囲内にあるこ
とが好ましい。
【0061】また、この方法においても、発泡体の気泡
径を適宜の大きさにコントロールするために、必要に応
じて、重炭酸ソーダ−クエン酸またはタルクなどの発泡
核剤を併用してもよい。必要に応じて用いられるこの発
泡核剤の添加量は、改質ポリオレフィン系樹脂(粒子)
100重量部に対して、0.01〜2重量部であること
が通常である。
【0062】また、前記方法(2)において、圧力容器
中で改質ポリオレフィン系樹脂粒子中に発泡剤を分散さ
せる方法のばあい、通常、この改質ポリオレフィン系樹
脂粒子をこの樹脂が部分的に溶融する温度に高めたの
ち、発泡剤を分散させる。
【0063】また、前記方法(2)において、水性懸濁
液中で改質ポリオレフィン系樹脂粒子中に発泡剤を分散
させる方法のばあい、通常、この改質ポリオレフィン系
樹脂粒子を含む水性懸濁液をこの樹脂が部分的に溶融す
る温度に高めたのち、発泡剤を分散させる。
【0064】本発明における発泡体は、軽量性、断熱
性、外部からの応力の緩衝性または圧縮強度が好適であ
るという点から、その密度が0.01〜0.5g/cm
3であることが好ましく、0.015〜0.2g/cm3
であることがさらに好ましい。また、その発泡倍率が3
〜90倍であることが好ましく、4.5〜60倍である
ことがさらに好ましい。
【0065】また、本発明の発泡体は、好適な耐熱性を
有し、外力の緩衝性がよく、そして好適な圧縮強度を有
するという点から、その独立気泡率が50%以上である
ことが好ましく、70%以上であることがさらに好まし
い。
【0066】また、本発明における発泡体の製法におい
て、製造しうる形状としてはシート状やボード状などの
板状、チューブ状や袋状などの中空状、円柱状やだ円柱
状や角柱状やストランド状などの柱状など様々な形状が
あげられ、板状であるものが幅広い使用用途を有する。
前記の板状の発泡体としては、たとえば真空成形などに
用いうる二次成形可能なシート状の発泡体として、独立
気泡率が高い点、または二次成形時のドローダウンが小
さい点などから好適に用いられ、また、緩衝材や芯材と
して用いられるような比較的厚いボード状の発泡体とし
て、独立気泡率が高い点、または発泡倍率を高くしうる
点などから好適に用いられる。
【0067】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0068】実施例1 プロピレン単独重合体(住友化学工業(株)製、ノーブ
レンD501、230℃でのメルトフローインデックス
0.4g/10分)80重量部とポリスチレン(旭化成
工業(株)製、スタイロン685、200℃でのメルト
フローインデックス2.1g/10分)15重量部とス
チレン(和光純薬工業(株)製、特級)5重量部とラジ
カル重合開始剤としてα,α´−ビス(t−ブチルパー
オキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)
製、パーブチルP)1重量部とを、(株)日本製鋼所
製、二軸押出機(LABOTEX)を用いて溶融混練
し、溶融押し出しすることにより、直径4mmのロッド
状の改質ポリオレフィン系樹脂成形物をえた。このロッ
ド状の改質ポリオレフィン系樹脂成形物を3mmの長さ
に切断することにより改質ポリオレフィン系樹脂ペレッ
トをえた。
【0069】前記二軸押出機は、同方向二軸タイプであ
り、シリンダーの孔径が32mmφであり、最大スクリ
ュー有効長(L/D)が25.5であった。この二軸押
出機のシリンダー部の設定温度を200℃とし、フィー
ド部の設定温度を160℃にして加熱し、スクリューの
回転速度は各軸とも100rpmに設定した。
【0070】この改質ポリオレフィン系樹脂ペレットを
用いて、つぎの方法により丸棒状の発泡体を作製した。
【0071】改質ポリオレフィン系樹脂のペレット10
0重量部、ブレンドオイル(越谷化学工業(株)製、ス
ーパーイーズ)0.05重量部、および発泡核剤として
重炭酸ナトリウム−クエン酸(永和化成(株)製、セル
ボンSG/IC)0.1重量部をリボンブレンダーを用
いて15分間混合した。この混合物をタンデム型押出機
(第1段押出機シリンダー径が40mmφ、第2段押出
機シリンダー径が50mmφ)に供給し、第1段押出機
内にて、230℃で溶融したのち、第1段押出機のシリ
ンダーの後半部分に設けられている圧入口より、発泡剤
である炭酸ガスを、8MPaの圧力で圧入して混練し、
これを第2段押出機内で樹脂温度が150℃になるよう
に冷却し、オリフィスが3mmφ×25mmの円形ダイ
より押し出して、丸棒状の発泡体にした。
【0072】えられた丸棒状発泡体の発泡倍率および独
立気泡率をつぎの方法により測定し、外観を目視でつぎ
の評価基準により評価した。
【0073】発泡倍率:改質ポリオレフィン系樹脂のお
およその密度を0.91(g/cm3)として、つぎの
式: 発泡倍率(倍)=0.91(g/cm3)/発泡体の密度(g/
cm3) により求める。なお、発泡体の密度は、その発泡体の重
量と水没法により求めた体積とから算出する。
【0074】独立気泡率:マルチピクノメータ(製品
名、湯浅アイオニクス(株)製)を用い、ASTM D
−2 856に準じて測定する。
【0075】外観の評価基準: ○:未発泡部位やケバ、シワが見られない。 △:未発泡部位やケバ、シワが見られ、ややでこぼこし
ている。 ×:未発泡部位やケバ、シワが見られ、でこぼこしてい
る。
【0076】その結果、発泡倍率が30.5倍であり、
独立気泡率が85%であり、外観の評価が○であった。
【0077】実施例2〜5 二軸押出機へ供給するポリオレフィン系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、芳香族ビニル単量体、およびラジカル重合
開始剤の種類と量とを表1に示すとおりに代えたほかは
実施例1と同様の方法で改質ポリオレフィン系樹脂ペレ
ットをえた。
【0078】この改質ポリオレフィン系樹脂ペレットを
用い、第1段目の押出機内での樹脂の溶融温度、発泡剤
の種類、発泡剤の圧入時の圧力および第2段目の押出機
内での樹脂の冷却温度を表2に示すとおりに代えたほか
は実施例1と同様の方法で丸棒状発泡体をえた。
【0079】この丸棒状発泡体の発泡倍率、独立気泡率
および外観を実施例1と同様の方法で評価した。その結
果を表3に示す。
【0080】比較例1 プロピレン単独重合体(住友化学工業(株)製、ノーブ
レンD501)を改質させず、改質ポリオレフィン系樹
脂ペレットを用いる代りに、このプロピレン単独重合体
を用い、表2に記載の発泡剤の圧入時の圧力に代えたほ
かは実施例1と同様にして、丸棒状発泡体を作製した。
【0081】この丸棒状発泡体の発泡倍率、独立気泡率
および外観を実施例1と同様の方法で評価した。その結
果を表3に示す。
【0082】比較例2 ポリスチレン系樹脂であるポリスチレンを用いず、表1
に記載のポリオレフィン系樹脂、芳香族ビニル単量体お
よびラジカル重合開始剤の表1に記載の量を用いたほか
は、実施例1と同様の方法で改質ポリオレフィン系樹脂
ペレットを作製した。この改質ポリオレフィン系樹脂ペ
レットを用い、表2に記載の発泡剤の圧入時の圧力に代
えたほかは、実施例1と同様の方法で丸棒状の発泡体を
作製した。
【0083】この丸棒状発泡体の発泡倍率、独立気泡率
および外観を実施例1と同様の方法で評価した。その結
果を表3に示す。
【0084】比較例3 芳香族ビニル単量体であるスチレンを用いず、表1に記
載のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂および
ラジカル重合開始剤の表1に記載の量を用いたほかは実
施例1と同様の方法で改質ポリオレフィン系樹脂ペレッ
トを作製した。この改質ポリオレフィン系樹脂ペレット
を用い、実施例1と同様の方法で丸棒状発泡体を作製し
た。
【0085】この丸棒状発泡体の発泡倍率、独立気泡率
および外観を実施例1と同様の方法で評価した。その結
果を表3に示す。
【0086】比較例4 ラジカル重合開始剤であるα,α′−ビス(ジ−t−ブ
チルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンを用い
ず、表1に記載のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
系樹脂および芳香族ビニル単量体の表1に記載の量を用
いたほかは実施例1と同様の方法で改質ポリオレフィン
系樹脂ペレットを作製した。この改質ポリオレフィン系
樹脂ペレットを用い、実施例1と同様の方法で丸棒状発
泡体を作製した。
【0087】この丸棒状発泡体の発泡倍率、独立気泡率
および外観を実施例1と同様の方法で評価した。その結
果を表3に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】実施例6 実施例1と同様の方法で作製した改質ポリオレフィン系
樹脂ペレット100重量部、第3リン酸カルシウム1重
量部、水250重量部を加熱ジャケットを有する圧力容
器に仕込み、これを160℃に加熱することにより、こ
の改質ポリオレフィン系樹脂ペレットが一部溶融する状
態に保持した。つづいて、この圧力容器内に炭酸ガスを
8MPaの圧力で圧入し、この状態で2時間撹拌して炭
酸ガスを改質ポリオレフィン系樹脂ペレットに含浸させ
た。
【0094】そののち、前記圧力容器の下部に設けたオ
リフィスを通して、前記改質ポリオレフィン系樹脂ペレ
ットを常温常圧の大気中に放出することにより、ビーズ
状の発泡体をえた。
【0095】このビーズ状の発泡体の発泡倍率および独
立気泡率を実施例1と同様の方法で評価し、気泡径をつ
ぎの方法により評価した。
【0096】なお、ビーズ状の発泡体の気泡径は、この
発泡体をカッターで切断し、その断面を走査型電子顕微
鏡(SEM)により観察し、100個の気泡の直径を測
定し、その平均値を算出することにより求める。
【0097】その結果、えられたビーズ状の発泡体の発
泡倍率が40倍であり、独立気泡率が95%であり、ビ
ーズ状の発泡体の気泡径が0.4mmであった。
【0098】実施例6により、本発明によれば、ビーズ
状の発泡体においても、発泡倍率が高く、独立気泡率が
高く、気泡径が微細なものを製造しうることが判る。
【0099】
【発明の効果】ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、芳香族ビニル単量体およびラジカル重合開始剤を
溶融混練してえられる改質ポリプロピレン系樹脂に、発
泡剤として炭酸ガスおよび/または水を溶解または分散
させたのち、発泡させることにより、発泡倍率が高く、
独立気泡率が高く、外観美麗な改質ポリオレフィン系樹
脂からなる発泡体がえられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
    樹脂、芳香族ビニル単量体およびラジカル重合開始剤を
    溶融混練してえられる改質ポリオレフィン系樹脂に、発
    泡剤として炭酸ガスおよび/または水を溶解または分散
    させたのち発泡させる改質ポリオレフィン系樹脂からな
    る発泡体の製法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族ビニル単量体がスチレン、メ
    チルスチレンおよびジビニルベンゼンよりなる群から選
    ばれた1種または2種以上である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 前記ラジカル重合開始剤がパーオキシケ
    タール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキ
    サイドおよびパーオキシエステルよりなる群から選ばれ
    た1種または2種以上である請求項1または2記載の製
    法。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピ
    レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂もしくはエチレンとプ
    ロピレンとのランダムまたはブロック共重合体樹脂であ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の製法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    法によりえられる発泡体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6787580B2 (en) 2000-10-24 2004-09-07 Dow Global Technologies Inc. Water-free preparation process for multimodal thermoplastic polymer foam and foam therefrom
JP2008013661A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Kaneka Corp ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法
JP2011231259A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Kaneka Corp スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法

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