JP5587605B2 - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および該予備発泡粒子から得られる型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および該予備発泡粒子から得られる型内発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関し、更に詳しくは、良好な表面性や寸法性を有する型内発泡成形体を幅広い成形加工条件で得ることが可能となるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂型内発泡成形体と比較して、耐薬品性能、耐熱性能、緩衝性能、圧縮歪み回復性能に優れ、ポリエチレン系樹脂型内発泡成形体と比較しても、耐熱性能、圧縮強度に優れることから、緩衝包装資材や通い箱、自動車用部材として広く用いられている。
特に、様々な形状の緩衝包装資材として、内包する商品や部材の形状に合わせて柔軟に、かつ切削加工無しで成形できることから、電子機械から産業資材など幅広く利用されている。
しかし、様々な形状に成形できるとはいえ、発泡粒子同士の融着を満足させつつ型内発泡成形体形状を所望の形状とするための加熱蒸気圧力の範囲等の成形条件幅がポリスチレンなどと比べて狭いため、成形時の加熱蒸気圧力の調整や加熱時間の調整、さらには冷却時間の調整などのユーザーの成形技術の熟練を要する。また、複雑な形状の型内発泡成形体を得ようとする場合、所謂“薄肉”形状と呼ばれる、予備発泡粒子が厚み方向に数個程度しか入らないような厚さが薄く狭い形状や、予備発泡粒子の充填が不十分となりやすいような複雑形状がある型内発泡成形体を得ようとする場合、満足な形状を得ることが困難な場合もある。さらに、当該箇所においては緩衝性能や強度が十分得られなかったり、予備発泡粒子同士の粒間が開き、美麗性を損ねるために、形状設計に大きな制約となっていた。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いた型内発泡成形では、一般的に、樹脂融点温度が低い原料を使用することで、蒸気加熱した際の二次発泡性(二次発泡倍率)が高くなりやすくなる為、薄肉形状を成形する場合、融点の低いポリプロピレン系樹脂を使用することは、前記課題を解決するための一手段となりうるが、成形後の型内発泡成形体の収縮からの回復が十分でない場合が多く、箱形の型内発泡成形体を目的とした成形では、いわゆる“内倒れ”と呼ばれる現象が発生しやすい。内倒れとは、例えば、図1や図4における端部寸法(c)と中央部寸法(b)の差が生じることをいい、この差は、個々の製品サイズによって絶対的な数値は変わるが、内倒れが大きい場合、製品として使用できない不良品となる。そのため収縮からの回復時間を長くするなどして内倒れを小さくすることが行われるが、回復時間を長くすると生産性が低下する。
以上のような課題に鑑み、例えば、型内発泡成形用ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子で二次発泡性や融着性の良好な予備発泡粒子を得るために、基材樹脂として環状オレフィン系樹脂を用いる方法が開示されている(特許文献1)が、経済性の点や、緩衝用途などで使用する高発泡倍率にする場合の予備発泡粒子の発泡倍率バラツキが大きいなど、多くの課題が残っている。
従来のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を蒸気加熱により成形する場合、加熱蒸気圧力を高くすると前記の内倒れや、収縮が大きくなりやすいと共に蒸気使用量の増加など経済性も損ねるが、薄肉部や複雑形状部位の表面美麗性を得るためには加熱蒸気圧力が高い方が良好となりやすくなる。つまり、これまでは、良品の型内発泡成形体を得るための加熱蒸気圧力条件を厳密に管理することが要求され、そのために労力が必要であり、幅広い加熱蒸気圧力幅、すなわち成形加工条件幅を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が望まれていた。また、薄肉部や複雑形状部位の表面美麗性を有する型内発泡成形体を得るために低融点樹脂を原料として使用して従来の製造方法で予備発泡粒子を製造した場合、内倒れや収縮が大きくなりやすく、内倒れや収縮の少ない型内発泡成形体を得るために高融点樹脂を原料として使用して従来の製造方法で予備発泡粒子を製造した場合、薄肉部や複雑形状部位の表面美麗性や予備発泡粒子同士の融着性が損なわれたりする場合が多かった。つまり、基材樹脂の選択のみでは充分な成形加工条件幅を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得られていなかった。
二次加工性改良のため、ポリプロピレン系樹脂と特定のビカット軟化点を有するプロピレン−αオレフィン系樹脂を混合して使用する方法が開示されている(特許文献2)が、内倒れ改善、成形加工条件幅改善には効果が見られない。
特許文献3には、一般的に、示差走査熱量計法により測定される2つの融点の内、低温側融点は基材樹脂融点±5℃付近に現れ、高温側融点は基材樹脂融点+6℃〜+14℃に現れるとしている。これらの特性は、発泡剤種、発泡剤量、樹脂粒子を含む分散媒体を保持する温度や時間、圧力解放時の冷却状況のすべてにおいて限定された条件での特性であり、発泡剤種や発泡剤量、樹脂粒子を含む分散媒体を保持する温度や時間を変更することで調整・制御が可能である。緩衝包材などで一般に選択される比較的低融点を有する樹脂に対する上記低温側融点および高温側融点では、成形加工条件幅改善、内倒れ改善の効果は不十分であることが多い。
一方、特許文献4には、特定以上の樹脂融点差を有する2種類以上のポリプロピレン系樹脂を混合し、メルトインデックスを調整したポリプロピレン系樹脂を用いることにより良好な表面性と成形性、寸法性を達成できる技術が開示されているが、基材となるポリプロピレン系樹脂の樹脂融点と融解終了温度との差が型内発泡成形に及ぼす影響については開示されていない。
特許文献5では、メルトインデックスが6〜10g/10minのポリプロピレン系樹脂と0.5〜3g/10minのポリプロピレン系樹脂を混合し、良好な表面美麗性、寸法性を有する予備発泡粒子を製造する方法が開示されているが、成形加工条件幅改善には効果が見られない。
以上の様に従来技術の範疇では、幅広い成形加工条件で、融着性が確保され、内倒れのない表面美麗な型内発泡成形体を得ることのできるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造する方法は見いだされていなかった。
特開平08−333471号公報 特開平10−251437号公報 特開2004−300179号公報 特開2006−96805号公報 特開2000−327825号公報
本発明の目的は、複雑な形状を含む様々な形状のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を幅広い成形加工条件で、良好な表面性および融着性を有し、かつ寸法性に優れた型内発泡成形体を容易に製造できるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記実情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、次のような知見が得られた。即ち、一般的に、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を示差走査熱量測定した際に、2つの融点を示すが、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内成形では、通常、低温側融点近傍温度範囲内の温度の加熱蒸気により成形を行う。その際、低温側融点をピークとする結晶樹脂が溶融し、成形時の予備発泡粒子同士の融着に寄与し、高温側融点をピークとする結晶樹脂は、形状を保持し、寸法安定性を発現するための役割を果たすと考えることができる。高温側融点がより高ければ、成形時の加熱蒸気の影響が形状保持に寄与する結晶樹脂の溶融を防ぎ、幅広い成形加熱条件で、良好な製品を得ることが可能となる。また低温側結晶融点がより低温であれば、解けやすい結晶樹脂であることを表し、低圧加熱成形でも薄肉部や構造上予備発泡粒子が充填されにくい複雑形状部位でも粒間が少なく金型形状の転写性が良好な型内発泡成形体を得やすくなる、つまり、複雑形状を有する型内発泡成形体を幅広い成形加工条件で、容易に得られることを見出した。
具体的には、ポリプロピレン系樹脂を、発泡剤とともに耐圧容器内で水中に分散させ、所定温度にてアニーリングする手法を見出した。
また、別の手法としては、樹脂融点と融解終了温度の差が大きいポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として用いれば、樹脂融点が大きく異ならない2種以上のポリプロピレン系樹脂をブレンドしても、複雑形状を有する型内発泡成形体を幅広い成形加工条件で、容易に得られることを見出した。
また、他の手法としては、樹脂融点の大きく異なる2種以上のポリプロピレン系樹脂をブレンドすることで、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の2つの融点を特定の温度に制御しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の構成よりなる。
(1) メルトインデックスが3g/10min以上20g/10min以下、示差走査熱量計法による樹脂融点が145℃以下かつ、該樹脂融点と融解終了温度の差が14℃以上であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする、
発泡倍率が10倍以上40倍以下であり、かつ、示差走査熱量計法による測定において、2つの融点を有し、高温側融点が150℃以上かつ低温側融点が137℃未満であるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法であって、
ポリプロピレン系樹脂粒子を水系分散媒中で128℃以上、20〜500分間アニーリングした後、発泡させることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
(2) 前記ポリプロピレン系樹脂が、140℃以下の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(A)60重量%以上90重量%以下と140℃超の樹脂融点を有するポリプロピレン樹脂(B)10重量%以上40重量%以下からなり、
該ポリプロピレン系樹脂を押出機により混練して、粒重量0.5mg以上5.0mg以下としたポリプロピレン系樹脂粒子を発泡して得られることを特徴とする、()に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
(3) ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の樹脂融点の差が、15℃未満であることを特徴とする、()に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
(4) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が、示差走査熱量計法による測定において、2つの融解ピークのうち高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が、10%以上50%以下となることを特徴とする、(1)〜(何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
(5) (1)〜(何れか一項に記載の製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて成形してなることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法
本発明によれば、良好な型内発泡成形体を得ることが可能な成形加工条件幅が広く、良好な二次発泡性のために美麗な表面性を有すると共に寸法性に優れた、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することが出来る。
そのため、ポリプロピレン系樹脂が本来有する耐熱性、耐溶剤性、断熱性、緩衝性を全く阻害することなく、複雑な形状を含む様々な形状の型内発泡成形体を容易に得ることができ、従い、緩衝材や断熱材、自動車用部材などの用途で幅広く好適に利用可能な型内発泡成形体を提供することができる。
さらに、樹脂融点の大きく異なる2種以上のポリプロピレン系樹脂をブレンドすることにより提供されるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、発泡温度の変動に対して示差走査熱量測定(DSC)における2つの融解ピーク熱量の比率の変化が緩やかであり、そのため品質安定化の観点において収率が向上する。
実施例1〜6、比較例1〜6の成形評価に用いた箱型成形体の形状を示す斜視図である。 示差走査熱量計を用い、本発明記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を測定した際に得られるDSC曲線の一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱量である。低温側の網掛け部分がQl、高温側の網掛け部分がQhである。 ポリプロピレン系樹脂粒子の示差走査熱量測定(DSC)において、試料4〜10mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温し、1分間温度を保持し、10℃/分の速度で40℃まで冷却し、再度200℃まで10℃/分の速度で昇温した際の2回目昇温時のDSCスペクトルの一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱量である。ピーク温度であるTm2が樹脂融点、吸収熱量を算出しうる低温から高温までの接線を引いた際の接線とスペクトルの高温側の交点Tm2が融解終了温度である。 実施例7〜13、比較例7〜11の成形評価に用いた箱型型内発泡成形体の形状を示す斜視図である。 実施例7〜13、比較例7〜11の成形評価に用いた箱型型内発泡成形体の形状を示す側面図である。
符号の説明
a 薄肉形状部位
b 中央部寸法を測定した箇所(型内発泡成形体外形x方向)
c 端部寸法を測定した箇所(型内発泡成形体外形x方向)
d 型内発泡成形体外形y方向
e 型内発泡成形体外形z方向
f 型内発泡成形体yz平面における中央部高さ
g 型内発泡成形体yz平面における上部凹み部の長辺
h 型内発泡成形体yz平面における上部凹み部の短辺
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂としては、単量体として、プロピレンを80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むものであれば、その組成、合成法に特に制限はなく、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などが挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂は、融点が120℃以上160℃以下であることが好ましく、130℃以上150℃以下であることがより好ましく、130℃以上145℃以下であることが特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の融点が当該範囲内であると、良好な二次発泡性と寸法性を両立しやすく、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子としたときに、高温側融点が150℃以上の特性を達成しやすい。融点が120℃未満である場合、高温側融点が150℃以上の特性を達成するために、高温での保持時間、すなわちアニーリング時間を長くする場合がある。本発明におけるアニーリングとは、ポリプロピレン−ラメラ結晶を成長(厚化)させるプロセスを指し、温度変動を±0.05℃以下に抑えて、温度を保持するプロセスである。また、融点が160℃よりも高くなると、基材樹脂特有の融点に強く依存し、適正成形加熱圧の目安となる低温側融点が137℃以上となりやすく、成形時の蒸気加熱圧を高くしなければ融着性や表面転写性、型決まりが悪くなりやすい。
ここでいう寸法性とは、得られた型内発泡成形体が、たとえば図1や図4のような箱形状である場合、端部寸法(c)と中央部寸法(b)の差が小さい、いわゆる“内倒れ”の小さいことを指す。ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の低温側融点は本来ポリプロピレン系樹脂が有する樹脂融点に近く、冷却時の結晶化履歴により、そのピーク温度や結晶熱量は影響を受ける傾向がある。また、高温側融点は樹脂の組成はもとより、アニーリングする際の温度や時間、さらには可塑化性能を有する発泡剤の量に関連して制御できる傾向がある。高いアニーリング温度や長時間のアニーリング、可塑化性能を有する発泡剤の量が多ければ、高温側融点ピーク温度は高温となりやすくなる。
本発明のポリプロピレン系樹脂の樹脂融点は示差走査熱量測定(DSC)において、試料4〜10mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温し、1分間温度を保持し、10℃/分の速度で40℃まで冷却し、再度200℃まで10℃/分の速度で昇温した際の2回目の昇温時のスペクトル(以下、DSCスペクトルと称する場合がある)に現れるピーク温度により示される値である。
本発明の第1の態様は、メルトインデックスが3g/10min以上20g/10min以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする、発泡倍率が5倍以上45倍以下であるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であって、示差走査熱量計法による測定において、2つの融点を有し、高温側融点が150℃以上かつ低温側融点が137℃未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である。
本発明の第1の態様におけるポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(MIと表記する場合がある)は3g/10min以上20g/10min以下であり、3g/10min以上15g/10min以下であることがより好ましい。メルトインデックスが当該範囲である場合、高い二次発泡性と良好な寸法性の両立が容易となる。メルトインデックスが3g/10min未満である場合、二次発泡性が悪化し、20g/10minより大きい場合、寸法性が悪化する。該メルトインデックスの測定は、JIS−K7210記載のMFR測定装置を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。
メルトインデックスは、例えば、有機過酸化物の使用などにより調整してもよい。使用できる有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどがあげられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、示差走査熱量測定(DSC)において、試料4〜10mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線において、2つの融解ピークを示し、この融解ピークが示す2つの融点がある。基材樹脂が本来有していた結晶状態に基づく融点(以下、低温側融点:Tと称す)と、低温側融点より高温側に現れる融点(以下、高温側融点:Tと称す)の2つの融点である。
本発明においては、高温側融点(T)が150℃以上であり、好ましくは、Tが153℃以上である。Tが150℃未満である場合、成形加熱時の形状保持や寸法安定性を発現するための役割を果たす結晶が成形時に融解されやすく大きく内倒れしたり、収縮が大きくなるなど、成形体品質が低下する。
また、低温側融点(T)は、137℃未満であり、好ましくは135℃未満であり、より好ましくは、130℃以下である。Tが137℃以上である場合、発泡倍率20倍以上の比較的高発泡での成形時の融解結晶量が少なくなりやすく、予備発泡粒子同士の融着能や複雑形状や鋭角なエッジ部分の“型決まり”が悪くなりやすい。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂のDSCスペクトルにおいて、吸収熱量測定ベースラインとなる低温から高温までの接線とDSCスペクトルの高温側の交点を融解終了温度とする。本発明の第1の態様において、ポリプロピレン系樹脂は、樹脂融点と融解終了温度の差が14℃以上であることが好ましい。樹脂融点と融解終了温度の差が14℃未満である場合、成形後の良好な寸法性を得るために必要なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の高温側融点を150℃以上とするのが困難となる場合がある。
ポリプロピレン系樹脂の樹脂融点と融解終了温度の差を14℃以上とするためには、次の手法が例示できる。一つは、例えば、スラリー法など分子中のプロピレン以外のコポリマー成分の不均一性が高い、つまり組成分布が広いポリプロピレン系樹脂のうち、上記特性を有する単独ポリプロピレン系樹脂を選択する手法である。
また、別の手法としては、2種類以上のポリプロピレン系樹脂を混合して樹脂融点と融解終了温度の差を14℃以上のポリプロピレン系樹脂とする手法である。2種類以上のポリプロピレン系樹脂を混合して樹脂融点と融解終了温度の差を14℃以上とする場合、選ばれるポリプロピレン系樹脂は140℃未満の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(A)60〜90重量%と140℃以上の樹脂融点を有するポリプロピレン樹脂(B)10〜40重量%の少なくとも2種類を混合し、好ましくは押出機、より好ましくは二軸押出機にて溶融混練して本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂として用いることが好ましい。前記比率でポリプロピレン系樹脂を混合することで、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂の樹脂融点と融解終了温度の差を14℃以上としやすい。この場合、アニーリング時間を長くせずともポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の高温側融点を150℃以上とできるため、製造効率を高めることが可能となりうる。
ポリプロピレン系樹脂の樹脂融点と融解終了温度の差を14℃以上とするために2種類以上のポリプロピレン系樹脂を混合する場合には、さらには、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の樹脂融点の差が、15℃未満であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の樹脂融点差が大きい場合、これらを混合したポリプロピレン系樹脂の樹脂融点が高くなりやすい。
本発明の第2の態様としては、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂が、少なくとも、140℃以下の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(A)を70重量%以上99重量%以下と160℃以上の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(B’)を1重量%以上30重量%以下含んでなることである。
この場合、ポリプロピレン系樹脂(A)は樹脂融点が140℃以下であり、好ましくは139℃以下である。ポリプロピレン系樹脂(A)はポリプロピレン系樹脂中、70重量%以上99重量%以下であり、80重量%以上99重量%以下であることが好ましい。70重量%未満である場合、融着性が悪化したり、また、十分な二次発泡力を得にくく、薄肉部の成形性が悪化する。99重量%を越えると、収縮などによる寸法性悪化や内倒れ現象が発生する。ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を形成するポリプロピレン系樹脂中において、ポリプロピレン系樹脂(A)は、蒸気加熱による融解・粒子同士の融着および二次発泡に大きく寄与する低温側融解ピークに強く影響する。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂(B’)は、樹脂融点が160℃以上であり、好ましくは161℃以上である。ポリプロピレン系樹脂(B’)はポリプロピレン系樹脂中、1重量%以上30重量%以下であり、1重量%以上20重量%以下が好ましい。1重量%未満である場合、内倒れ現象が発生しやすく、30重量%を越えると融着性や薄肉部の成形性が悪化する。ポリプロピレン系樹脂(B’)は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を形成するポリプロピレン系樹脂中において、蒸気加熱中で形状保持・寸法性に大きく寄与する高温側融解ピークに強く影響する。
ポリプロピレン系樹脂(B’)は、ポリプロピレン単独重合体であることが、樹脂融点160℃以上を達成しやすいため好ましい。
本発明の第2の態様における好ましい態様は、前記140℃以下の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(A)70重量%以上99重量%以下と160℃以上の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(B’)1重量%以上30重量%以下を含んでなるポリプロピレン系樹脂の樹脂融点が130℃以上160℃以下である。
メルトインデックスが3g/10min以上20g/10min以下であることが好ましい。
また前記ポリプロピレン系樹脂から得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量測定で、40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線において、2つの融解ピークを有し、高温側融解ピーク温度が150℃以上、かつ、低温側融解ピーク温度が140℃未満であることが好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)、或いはポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B’)を混合する場合、それぞれのポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、3g/10min以上20g/10min以下であることが好ましく、3g/10min以上15g/10min以下であることがより好ましい。混合後のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスを本発明の範囲としやすく、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の破泡などに繋がる樹脂の不均一混合を発生しにくい。メルトインデックスの測定は、JIS−K7210記載のMFR測定装置を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。
本発明の第1の態様、第2の態様ともにおいて、ポリプロピレン系樹脂は、180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)が1000Pa以下であることが好ましい。溶融時の低剪断での弾性を表す貯蔵弾性率が1000Pa以下である場合、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の加熱成形時の二次発泡性が高くなりやすく、融着性や表面転写性、型決まりが良好になりやすい。貯蔵弾性率を1000Pa以下とする方法としては、特に制限はないが、メルトインデックスの低い高平均分子量樹脂に対して前記有機過酸化物を用いて高分子量分子を切断し、適正なメルトインデックスとなるよう調整することで貯蔵弾性率を1000Pa以下とすることができる。
ここで、貯蔵弾性率(G’)測定方法について説明する。ポリプロピレン系樹脂を1.5mm厚のスペーサーを用いて190℃にて5分間熱プレスして1.5mm厚のプレス板を作製し、ここからφ25mmのポンチを用いて打ち抜き、試験片を得る。測定装置としては、TAインスツルメンツ社製粘弾性測定装置、ARESを用い、φ25mmのパラレルプレート型冶具を装着する。冶具を囲うように恒温槽を設置し180℃に保温、冶具が予熱された後に恒温槽を開け、パラレルプレート間にφ25mmとした試験片を挿入して恒温槽を閉じ、5分間予熱した後にパラレルプレート間隔を1mmまで圧縮する。圧縮後、再度恒温槽を開き、パラレルプレートからはみ出した樹脂を真鍮のヘラで掻き取り、恒温槽を閉じて再度5分間保温した後に、動的粘弾性測定を開始する。測定は、角振動数0.1rad/sから100rad/sまでの範囲で行い、各角振動数での貯蔵弾性率と損失弾性率および計算値として損失正接tanδを得る。これらの結果のうち、角周波数1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)の値を採用する。なお、歪み量は5%で、窒素雰囲気下での測定である。
また、前記ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲で添加して、基材樹脂としても良い。ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、或いはポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂等が例示される。
また、必要に応じて、例えば、タルク等の造核剤をはじめ酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸などの安定剤または架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤等を本発明の効果を損なわない範囲で基材樹脂に添加してポリプロピレン系樹脂としてもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂は、必要に応じて添加される前記添加剤と共に、あらかじめ押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状で、その粒重量が好ましくは0.2〜10mg、更に好ましくは0.5〜6mgであるようなポリプロピレン系樹脂粒子に成形加工される。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、例えば、発泡剤と共に耐圧容器内で水中に分散させ、ポリプロピレン系樹脂分散物とし、該ポリプロピレン系樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、該発泡剤の示す蒸気圧以上で、所望の発泡倍率を得るための適宜な圧力で耐圧容器内を一定に保持しながら、ポリプロピレン系樹脂分散物を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することにより発泡させてポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が得られるが、この方法に限定されるものではない。
本発明では前記ポリプロピレン系樹脂粒子を、例えば、発泡剤と共に耐圧容器内で水中に分散させ、プロピレン系樹脂分散物とし、該分散物を好ましくは128℃以上、より好ましくは、129℃以上、さらに好ましくは130℃以上の温度で、好ましくは20〜500分間、より好ましくは30〜400分間アニーリングさせる。
使用するポリプロピレン系樹脂の融点や発泡剤の選択等、他の条件とのバランスもあり、一義的には決められないが、通常、アニーリングを120℃以上樹脂融点以下といった比較的低温で行う場合は、アニーリング時間は60〜500分といった比較的長い時間であることが好ましく、アニーリングを樹脂融点より高い、比較的高温で行う場合には、アニーリング時間は20〜60分間といった比較的短時間で行うことが好ましい。
なお、従来より、耐圧容器内でポリプロピレン系樹脂粒子と水との分散物を加圧加熱し、耐圧容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することによりポリプロピレン系予備発泡粒子を得る方法(除圧発泡法)は行われているが、たとえばブタンを発泡剤として使用した場合、ブタンの可塑化効果があるため、耐圧容器内を融点より5℃から12℃低い温度に加熱した後、発泡させられる。しかしながら、生産性の観点から、保持時間は短く、本発明のように十分に結晶を成長させるための保持時間の調整は行われていない。
前記分散物の調製に際しては、分散剤として、例えば、第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン等の無機系分散剤と、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等の分散助剤を使用することが好ましい。これらの中でも第三リン酸カルシウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの併用が更に好ましい。
分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して分散剤0.2重量部以上3重量部以下、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下を配合することが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下使用するのが好ましい。
前記発泡剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン等脂肪族炭化水素、モノクロルメタン、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、空気などの無機ガス、水等が挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を併用して用いることが出来る。発泡剤の添加量は予備発泡粒子の発泡倍率、発泡剤の種類、ポリプロピレン系樹脂の種類、樹脂粒子と水系分散媒の比率、含浸または発泡温度などによって異なるが、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対し、5重量部以上50重量部以下の範囲であることが好ましい。
以上のようにして得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、5倍以上45倍以下であり、好ましくは10倍以上40倍以下であり、より好ましくは15倍以上35倍以下である。発泡倍率が当該範囲内であると、型内発泡成形加工した発泡体の利点である軽量性と満足な圧縮強度が得られる。ここでいう発泡倍率は、予備発泡粒子の重量と予備発泡粒子をメスフラスコ中のエタノールに水没させてえられる容積から予備発泡粒子密度を算出し、基材樹脂密度を除したものである。
また、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のセル径は50μm以上1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以上750μm以下であり、さらに好ましくは、100μm以上500μmである。当該範囲内のセル径であると、成形性や寸法安定性が高い為好ましい。セル径とは予備発泡粒子の中から任意に30個の予備発泡粒子を取り出し、JIS K6402に準拠してセル径を測定し、算出される平均セル径である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による測定において、2つの融解ピークのうち低温側融点に基づく融解ピーク熱量Ql(J/g)と高温側融点に基づく融解ピーク熱量Qh(J/g)としたときに、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率(Qh/(Ql+Qh))(以下、DSCピーク比と称す場合がある)が、10%以上50%以下であることが好ましく、15%以上45%以下であることがより好ましい。DSCピーク比が当該範囲内にある場合、本発明の効果である幅広い成形加工条件幅を得やすくなる。
ここで、低温側融点に基づく融解ピーク熱量Qlは、低温側融点に基づく融解ピークと、低温側融点に基づく融解ピークと高温側融点に基づく融解ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線で囲まれる熱量であり、高温側融点に基づく融解ピーク熱量Qhは、DSC曲線の高温側融点に基づく融解ピークと、低温側融点に基づく融解ピークと高温側融点に基づく融解ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線で囲まれる熱量を言う。
一般的には、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の高温側融点が150℃以上である予備発泡粒子を短時間で効率よくアニーリングして得るためには、基材樹脂として高融点樹脂を用いればよいが、その場合、型内成形の際の必要加熱蒸気圧の上昇や美麗な表面性を得にくくなる傾向がある。アニーリング時間の調整は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による測定において、2つの融解ピークのうち低温側融点に基づく融解ピーク熱量Ql(J/g)と高温側融点に基づく融解ピーク熱量Qh(J/g)としたときに、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率(Qh/(Ql+Qh))(以下、DSCピーク比と称す場合がある)が、10%以上50%以下となるように調整することが好ましく、さらに15%以上45%以下となるように調整することがより好ましい。
また、DSCピーク比はポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率、成形性(融着性・寸法性)に相関がある。すなわち、DSC比が高くなるほど発泡倍率は小さくなり、融着性は低下し、寸法性は良化する傾向にある。DSC比が低くなれば、発泡倍率、融着性、寸法性は上述の逆の傾向となる。そのため、DSC比のばらつきが大きいと発泡倍率、成形性もまたばらつきが大きくなる。DSCピーク比のばらつきを低減するには、発泡温度の変動を小さくする必要があるが、本発明の第2の態様におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は発泡温度に対するDSC比のばらつきが良化するため、発泡温度の温度管理工程が平易となる。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて型内発泡成形法により得られる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体にするには、例えば、イ)発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させ所定の粒子内圧を付与した後、金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法(特公昭51−22951号公報)、ロ)発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し粒子の回復力を利用して、蒸気等で加熱融着させる方法(特公昭53−33996号公報)等の方法が利用しうる。
本発明における型内発泡成形体の密度は、0.012〜0.075g/cmの範囲であることが好ましい。当該範囲の密度である型内発泡成形体は、型内発泡成形体の特徴である軽量性を有し、かつ、成形時に収縮、変形が起こりにくく、不良品の割合が低いため生産性が良好である傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率と型内発泡成形時の2次発泡倍率を適宜調整することで所望とする密度のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得ることが出来る。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〈発泡倍率測定〉
試料となるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量を測定後、該試料をメスシリンダー中でエタノールに浸漬し、次式より算出した。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の倍率=0.9(樹脂密度(g/mL))/(予備発泡粒子重量(g)/予備発泡粒子容積(mL)
〈ポリプロピレン系樹脂の樹脂融点、融解終了温度の測定〉
示差走査熱量測定(DSC)において、試料4〜10mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温し、1分間温度を保持し、10℃/分の速度で、40℃まで冷却し、再度200℃まで10℃/分の速度で昇温した際のスペクトルに現れるピーク温度により示される値を樹脂融点とした。
該DSCスペクトルに対し、吸収熱量測定ベースラインとなる低温から高温までの接線とスペクトルの高温側の交点を融解終了温度とした。
〈ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の低温側融点、高温側融点、DSCピーク比の測定〉
示差走査熱量測定(DSC)において、予備発泡粒子4〜10mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温し、得られる2つの融解ピークのうち、基材樹脂が本来有していた結晶状態に基づく融点である低温側融点:Tと、該低温側融点より高温側に現れる高温側融点:Tを得た。該2つの融解ピークのうち低温側融点に基づく融解ピーク熱量Ql(J/g)と高温側融点に基づく融解ピーク熱量Qh(J/g)としたときに、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率(Qh/(Ql+Qh)×100)をDSCピーク比とした。
(DSCピーク比の温度依存性)
以下に示す実施例7〜13・比較例7〜11より得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSCピーク比と、保持温度を実施例・比較例に示す保持温度+0.5℃とした以外は前記実施例・比較例と同じ条件で試作して得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSCピーク比をもとに、次式より発泡温度に対するDSCピーク比の温度依存性を求めた。すなわち、得られた値が小さいほど発泡温度の変動に対して、DSCピーク比のばらつきが小さいポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子となる。
DSCピーク比の温度依存性=(実施例・比較例に示す保持温度+0.5℃の条件で得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSC比(%)−実施例・比較例で得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSC比(%))/0.5(℃)
〈貯蔵弾性率(G’)の測定〉
ポリプロピレン系樹脂を1.5mm厚のスペーサーを用いて190℃にて5分間熱プレスして1.5mm厚のプレス板を作製し、ここからφ25mmのポンチを用いて打ち抜き、試験片を得る。測定装置としては、TAインスツルメンツ社製粘弾性測定装置、ARESを用い、φ25mmのパラレルプレート型冶具を装着する。冶具を囲うように恒温槽を設置し180℃に保温、冶具が予熱された後に恒温槽を開け、パラレルプレート間にφ25mmとした試験片を挿入して恒温槽を閉じ、5分間予熱した後にパラレルプレート間隔を1mmまで圧縮する。圧縮後、再度恒温槽を開き、パラレルプレートからはみ出した樹脂を真鍮のヘラで掻き取り、恒温槽を閉じて再度5分間保温した後に、動的粘弾性測定を開始する。測定は、角振動数0.1rad/sから100rad/sまでの範囲で行い、各角振動数での貯蔵弾性率と損失弾性率および計算値として損失正接tanδを得る。これらの結果のうち、角周波数1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)の値を採用する。なお、歪み量は5%で、窒素雰囲気下での測定である。
〈成形評価〉
成形評価では、発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させ所定の粒子内圧(約0.2MPa)を付与した後、実施例1〜6、比較例1〜6については、図1に示す形状の金型(成形体設計外形寸法 327mm×353mm×256mm、薄肉部寸法 103mm×153mm×5mm)を用いて、加熱水蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形を実施し、薄肉部表面aおよび寸法c(長手方向中央部)を評価した。
実施例7〜13、比較例7〜11については、図4および図5に示す形状の金型(成形体設計外形寸法 c×d×e=353mm×327mm×180mm、f=135mm、g=122mm、h=70mm、薄肉部寸法 103mm×153mm×5mm)を用いて、加熱水蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形を実施し、薄肉部表面aおよび変形量(c−b)(長手方向端部と長手方向中央部との寸法差)、融着性を評価した。
(1)表面性
0.20もしくは0.31MPa(G)の水蒸気加熱により成形した型内発泡成形体表面について、目視により下記基準によって評価した。
○:型内発泡成形体表面に現れるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の輪郭全てが隣り合った粒子と融着し、表面aのエッジ部分の型決まりが良好であり、型内発泡成形体の表面全体に皺が少ない
×:ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子間に隙間が見られるなど、エッジ部分の型決まりが不良であり、型内発泡成形体の表面全体に皺が多い
(2)寸法性
実施例1〜6、比較例1〜6については、0.20および0.31MPa(G)の水蒸気加熱により成形した後、25℃で2時間静置し、次いで65℃に温調した恒温室内に5時間静置した後、取り出し、次いで25℃に温調した恒温室内に10時間静置した後で放冷した型内発泡成形体 3試験体の寸法(b)と(c)を測定・平均値化し、変形量(c−b)が−3.0〜+3.0mmであることを、寸法性が良好な型内発泡成形体とした。
実施例7〜13、比較例7〜11については、0.20もしくは0.31MPa(G)の水蒸気加熱により成形した後、室温で3時間静置し、次いで75℃に温調した恒温室内に4時間静置した後、取り出し、25℃に温調した恒温室内で放冷した型内発泡成形体2試験体の寸法(b)と(c)を測定・平均化し、変形量(c−b)を求めた。変形量(c−b)の値が、0.31MPa(G)の際に11.0mm以下、0.20MPa(G)の際に7.0mm以下となる型内発泡成形体を寸法性が良好と判断した。
(3)融着性
型内発泡成形体を破断させて断面を観察し、下記基準によって評価した。
○:予備発泡粒子が破断している割合が60%以上
×:予備発泡粒子が破断している割合が60%未満
(実施例1)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、融点138.0℃、MI6.5g/10min)からなる樹脂に対し、該樹脂100重量部にパウダー状タルク0.05重量部をブレンドし、該ブレンド物を50mm単軸押出機にて押し出し、1.3mg/粒の樹脂粒子とした。得られた樹脂粒子100重量部(1.8kg)を、攪拌機を有する10L容の耐圧容器の中に入れ、第3リン酸カルシウム(大平化学産業社製)2.0重量部及びノルマルパラフィンスルホン酸ナトリウム0.03重量部の存在下で、水300重量部中に分散させた。該分散液を攪拌しながら、イソブタン18重量部を加え、加熱し、該分散液を130.0℃に調整した状態で、230分間保持した。この時、ガス状のイソブタンを追加して、該耐圧容器の内圧を表1に示す圧力になるように調整した。次に、該耐圧容器内の圧力をガス状のイソブタンで維持しながら、内径25mmの放出バルブの後方端に取り付けた直径4mmの円形オリフィスを通して、ペレット及び水の分散液を大気中に放出して、発泡倍率23倍、高温側融点154.3℃、低温側融点131.8℃、DSCピーク比28%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、表面性、寸法性ともに良好な型内発泡成形体を得ることができた。
Figure 0005587605
(実施例2)
実施例1と同様の樹脂を用いて、分散液を130.0℃に加熱し、110分保持し、該耐圧容器の内圧を表1に示す圧力になるように調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率22倍、高温側融点152.9℃、低温側融点131.5℃、DSCピーク比28%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、表面性、寸法性ともに良好な型内発泡成形体を得ることができた。
(実施例3)
実施例1で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、融点138.0℃、MI5.2g/10min)を用い、該樹脂100重量部にパウダー状タルク0.05重量部、パウダー状メラミン0.3部をブレンドし、該ブレンド物を50mm単軸押出機にて押し出し、1.3mg/粒の樹脂粒子とした。得られた樹脂粒子100重量部(1.8kg)を、攪拌機を有する10L容の耐圧容器の中に入れ、第3リン酸カルシウム(大平化学産業社製)2.0重量部及びノルマルパラフィンスルホン酸ナトリウム0.03重量部の存在下で、水300重量部中に分散させた。該分散液を攪拌しながら、二酸化炭素14重量部を加え、加熱し、該分散液を142.0℃に調整した状態で該耐圧容器の内圧を、二酸化炭素ガスを用いて表1に示す圧力に調整し、20分間保持した。実施例1と同様に大気放出して得られた発泡粒子を乾燥し、空気含浸した後、蒸気で加熱するいわゆる二段発泡を行うことで、発泡倍率23倍、高温側融点156.6℃、低温側融点131.8℃、DSCピーク比25%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、表面性、寸法性ともに良好な型内発泡成形体を得ることができた。
(比較例1)
実施例1と同様の樹脂を用いて、分散液を125.2℃に加熱、20分間保持し、該耐圧容器の内圧を表1に示す圧力になるように調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率23倍、高温側融点148.4℃、低温側融点131.0℃、DSCピーク比36%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、共に表面性は良好であったが、寸法性は共に変形が大きい型内発泡成形体となった。
(比較例2)
実施例1で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、融点138.0℃、MI2.0g/10min)を用いて、分散液を124.7℃に加熱、20分間保持し、該耐圧容器の内圧を表1に示す圧力になるように調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率23倍、高温側融点149.4℃、低温側融点133.6℃、DSCピーク比26%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20MPa(G)の型内発泡成形体は表面に粒子間の隙間が目立つため不良であり、寸法性は変形が大きい型内発泡成形体であった。0.31MPa(G)での型内発泡成形体は、表面性、寸法性の共に不良な型内発泡成形体となった。
(比較例3)
実施例1で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、結晶融点142.6℃、MI6.5g/10min)を用いて、分散液を138.1℃に加熱、20分間保持し、該耐圧容器の内圧を表1に示す圧力になるように調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率24倍、高温側融点157.6℃、低温側融点138.1℃、DSCピーク比26%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、共に表面に粒子間の隙間が目立ち、変形が少ない型内発泡成形体を得た。
(比較例4)
実施例1で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、結晶融点136.0℃、MI6.1g/10min)を用いて、分散液を126.7℃に加熱、20分間保持し、該耐圧容器の内圧を表1に示す圧力になるように調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率23倍、高温側融点149.0℃、低温側融点128.7℃、DSCピーク比30%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20MPa(G)の型内発泡成形体は表面に粒子間の隙間が目立つため不良であり、寸法性は変形が大きい型内発泡成形体であった。0.31MPa(G)での型内発泡成形体は、表面性、寸法性共、不良な型内発泡成形体となった。
(実施例4)
エチレン−プロピレンランダム共重合体A(樹脂密度0.90g/cm、融点138.0℃、MI6.5g/10min)60重量部とエチレン−プロピレンランダム共重合体B(樹脂密度0.90g/cm、融点142.1℃、MI6.7g/10min)40重量部からなる100重量部の混合樹脂にパウダー状タルク0.05重量部をブレンドし、該ブレンド物(樹脂融点141.3℃、MI6.5g/10min、高温側融解終了温度156.1℃、貯蔵弾性率(G’)891sec−1)を50mm単軸押出機にて押し出し、1.3mg/粒の樹脂粒子とした。得られた樹脂粒子100重量部(1.8kg)を、攪拌機を有する10Lの耐圧容器の中に入れ、第3リン酸カルシウム(大平化学産業社製)2.0重量部及びノルマルパラフィンスルホン酸ナトリウム0.03重量部の存在下で、水300重量部中に分散させた。該分散液を攪拌しながら、イソブタン18重量部を加え、加熱し、該分散液を133.5℃に調整した状態で、20分間保持した。この時、ガス状のイソブタンを追加して、該耐圧容器の内圧を1.75MPaになるように調整した。次に、該耐圧容器内の圧力をガス状のイソブタンで維持しながら、内径25mmの放出バルブの後方端に取り付けた直径4mmの円形オリフィスを通して、ペレット及び水の分散液を大気中に放出して、発泡倍率22倍、高温側融点155.1℃、低温側融点135.2℃、DSCピーク比28%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、表面性、寸法性ともに良好な型内発泡成形体を得ることができた。
Figure 0005587605
なお、特開2006−96805号公報の比較例2には、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、結晶融点141.0℃)80重量部とエチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、結晶融点145.0℃)20重量部を混合してなる樹脂を用いて、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、MI5.8g/10分、結晶融点142.2℃)の樹脂粒子を得、発泡倍率28.0倍、DSCピーク比24%の予備発泡粒子を得たことが記載されており、当該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、いずれの成形条件においても、ともに成形体表面に皺が発生し、寸法収縮が大きい型内発泡成形体を得たことが開示されている。特開2006−96805号公報の比較例2は、本発明のポリプロピレン系樹脂の樹脂融点と融解終了温度の差について記載も示唆もされていない他は、概ね同等の製造条件にて製造されているが、良好な型内発泡成型体は得られていない。一方、本発明のように、樹脂融点温度と融解終了温度の差が14℃以上であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることで、表面性や寸法性の良好な型内発泡成形体が得られることがわかる。
(実施例5)
実施例4で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体A(樹脂密度0.90g/cm、融点138.0℃、MI6.5g/10min)80重量部とエチレン−プロピレンランダム共重合体B(樹脂密度0.90g/cm、融点142.1℃、MI6.7g/10min)20重量部からなる100重量部の混合樹脂にパウダー状タルク0.05重量部をブレンドし、該ブレンド物(樹脂融点139.8℃、MI6.5g/10min、高温側融解終了温度154.2℃、貯蔵弾性率(G’)858sec−1)を用いて、分散液を131.0℃に加熱した以外は実施例4と同様な方法により、発泡倍率22倍、高温側融点152.4℃、低温側融点132.9℃、DSCピーク比28%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、表面性、寸法性ともに良好な型内発泡成形体を得ることができた。
(実施例6)
実施例4と同様の樹脂を用い、該樹脂100重量部にパウダー状タルク0.05重量部、パウダー状メラミン0.3部をブレンドし、該ブレンド物を50mm単軸押出機にて押し出し、1.3mg/粒の樹脂粒子とした。得られた樹脂粒子100重量部(1.8kg)を、攪拌機を有する10L容の耐圧容器の中に入れ、第3リン酸カルシウム(大平化学産業社製)2.0重量部及びノルマルパラフィンスルホン酸ナトリウム0.03重量部の存在下で、水300重量部中に分散させた。該分散液を攪拌しながら、二酸化炭素14重量部を加え、加熱し、該分散液を146.0℃に調整した状態で該耐圧容器の内圧を二酸化炭素ガスを用いて3.00MPaに調整し、20分間保持した。実施例4と同様に大気放出して得られた発泡粒子を乾燥し、空気含浸した後、蒸気で加熱するいわゆる二段発泡を行うことで、発泡倍率23倍、高温側融点157.5℃、低温側融点133.8℃、DSCピーク比28%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、表面性、寸法性ともに良好な型内発泡成形体を得ることができた。
(比較例5)
実施例4で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体A(樹脂密度0.90g/cm、融点138.0℃、MI6.5g/10min、高温側融解終了温度150.9℃、貯蔵弾性率(G’)877sec−1)100重量部の樹脂用いて、分散液を127.8℃に加熱し、該耐圧容器の内圧を1.80MPaになるように調整した以外は実施例4と同様な方法により、発泡倍率21倍、高温側融点148.4℃、低温側融点131.0℃、DSCピーク比31%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、共に表面性は良好であったが、寸法性は共に変形が大きい型内発泡成形体となった。
(比較例6)
実施例4で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体B(樹脂密度0.90g/cm、融点142.1℃、MI6.7g/10min、高温側融解終了温度152.0℃、貯蔵弾性率(G’)755sec−1)100重量部の樹脂用いて、分散液を138.9℃に加熱し、該耐圧容器の内圧を18.0MPaになるように調整した以外は実施例4と同様な方法により、発泡倍率22倍、高温側融点158.4℃、低温側融点138.4℃、DSCピーク比25%の予備発泡粒子を得た。該予備発泡粒子を用いて加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形したところ、共に寸法性は良好であったが、表面性は0.31MPa(G)では良好であったが、0.20MPa(G)では不良な型内発泡成形体となった。
(実施例7〜11)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.9g/cm、MI2.0g/10min、樹脂融点139.0℃)100重量部に有機過酸化物(日本油脂株式会社製 製品名パーブチルI)0.07重量部を用いて、エチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.9g/cm、MI7.0g/10min、樹脂融点139.0℃)のポリプロピレン系樹脂(A)を得、該樹脂(A)にプロピレン単独重合体(B)(密度0.9g/cm、MI6.5g/10min、樹脂融点164.2℃)を表3に示す割合でもって二軸押出機で混合してなる樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgのポリプロピレン系樹脂粒子とした。耐圧容器に該樹脂粒子100重量部、水300重量部、分散剤として第3リン酸カルシウム3.0重量部およびノルマルパラフィンスルホン酸ソーダ0.075重量部を仕込んだ後、該水系分散物を攪拌しながら発泡剤としてイソブタン15重量部を添加し、表4の温度にまで昇温した。このとき、ガス状のイソブタンを追加して容器内圧を表4に示す圧力になるように調整し、30分間温度を保持した後、耐圧容器下部に設けた小孔ノズルに取り付けた直径4mmの円形オリフィスを通して、該水系分散物を大気圧下に放出し、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
次に得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を1m耐圧容器に仕込み空気で加圧処理し、空気を含浸させポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の内圧を0.2MPaに高めた後、加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、表面性、寸法性、融着性ともに良好なポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得ることができた。結果を表5に示す。
Figure 0005587605
Figure 0005587605
Figure 0005587605
(実施例12)
実施例7〜11で用いたプロピレン単独重合体(B)を用いる代わりに、プロピレン単独重合体(密度0.9g/cm、MI28.5g/10min、樹脂融点162.7℃)5重量部と、実施例1〜5で用いたポリプロピレン系樹脂(A)95重量部とを二軸押出機で混合してなる樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表4に示す温度および圧力に調整した以外は実施例7〜11と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて実施例7〜11と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、表面性、寸法性、融着性ともに良好なポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得ることができた。
(実施例13)
実施例7〜11で用いたプロピレン単独重合体(B)を用いる代わりに、プロピレン単独重合体(密度0.9g/cm、MI41.8g/10min、樹脂融点166.1℃)5重量部と、実施例7〜11で用いたポリプロピレン系樹脂(A)95重量部とを二軸押出機で混合してなる樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表4に示す温度および圧力に調整した以外は実施例7〜11と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて実施例7〜11と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、表面性、寸法性、融着性ともに良好なポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得ることができた。
(比較例7)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.9g/cm、MI2.0g/10min、樹脂融点136.6℃)100重量部に有機過酸化物(日本油脂株式会社製 製品名パーブチルI)0.07重量部を用いて、エチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.9g/cm、MI7.0g/10min、樹脂融点136.6℃)のポリプロピレン系樹脂を得、該樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表3に示す温度および圧力に調整した以外は実施例7〜11と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて実施例7〜11と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、表面性および融着性は良好であったが、変形が大きな寸法性の悪いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体となった。さらに、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSCピーク比温度依存性は実施例7〜13と比較して大きな値となっており、保持温度の変動に対してDSCピーク比のぶれが大きなポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子となった。
(比較例8)
実施例7〜11で用いたポリプロピレン系樹脂(A)50重量部と実施例7〜11で用いたポリプロピレン系樹脂(B)50重量部とを二軸押出機で混合してなる樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表4に示す温度および圧力に調整した以外は実施例7〜11と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて実施例7〜11と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、寸法性は良好であったが、0.20MPa(G)での成形では融着性が悪く、また、表面性はどちらの加熱蒸気圧力の成形においても、表面aに粒子間の隙間が目立ち、成形体表面全体に皺が多いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体となった。
(比較例9)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)(密度0.9g/cm、MI5.9g/10min、樹脂融点144.8℃)97重量部とプロピレン単独重合体(B)(密度0.9g/cm、MI6.5g/10min、樹脂融点164.2℃)3重量部とを二軸押出機で混合してなる樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表4に示す温度および圧力に調整した以外は実施例7〜11と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
該予備発泡粒子を用いて実施例1〜5と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、寸法性は良好であったが、0.20MPa(G)での成形では融着性が悪く、また、表面性はどちらの加熱蒸気圧力の成形においても、表面aに粒子間の隙間が目立ち、成形体表面全体に皺が多いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体となった。さらに、該予備発泡粒子のDSCピーク比温度依存性は実施例7〜13と比較して大きな値となっており、保持温度の変動に対してDSCピーク比のぶれが大きなポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子となった。
(比較例10)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.9g/cm、MI2.0g/10min、樹脂融点138.0℃)100重量部に有機過酸化物(日本油脂株式会社製 製品名パーブチルI)0.06重量部を用いて、エチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.9g/cm、MI6.5g/10min、樹脂融点138.0℃)のポリプロピレン系樹脂(A)を得、該ポリプロピレン系樹脂(A)97重量部とエチレン−プロピレンランダム共重合体(B)(密度0.9g/cm、MI40.0g/10min、樹脂融点153.0℃)3重量部とを、二軸押出機で混合してなる樹脂100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表4に示す温度および圧力に調整した以外は実施例7〜11と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて実施例7〜11と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、表面性および融着性は良好であったが、変形については比較例1よりは良化しているものの実施例7〜13よりも寸法性の悪いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体となった。さらに、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のDSCピーク比温度依存性は実施例7〜13と比較して大きな値となっており、保持温度の変動に対してDSCピーク比のぶれが大きなポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子となった。
(比較例11)
比較例10で用いたポリプロピレン系樹脂(A)100重量部にパウダー状タルク0.005重量部をブレンドし、該ブレンド物を単軸押出機にて押し出し、1.3mgの樹脂粒子を得、分散液の温度および耐圧容器の内圧を表1に示す温度および圧力に調整し、保持時間を240分間とした以外は実施例1〜5と同様な方法により、表4に示す発泡倍率およびDSCピーク比を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
該予備発泡粒子を用いて実施例7〜11と同様な方法により加熱蒸気圧力0.20および0.31MPa(G)で成形し、75℃の乾燥室で4時間乾燥後、25℃の恒温室で12時間養生したところ、表面性、寸法性、融着性ともに良好なポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得ることができたが、実施例と比較して保持時間が8倍も長くなり、生産性の点で不利な結果となった。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、複雑な形状を含む様々な形状のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を幅広い成形加工条件で、良好な表面性および融着性を有し、かつ寸法性に優れた型内発泡成形体を容易に製造できる。そのため、とりわけ、様々な形状の緩衝包装資材に用いられるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の原料として利用することが可能である。

Claims (5)

  1. メルトインデックスが3g/10min以上20g/10min以下、示差走査熱量計法による樹脂融点が145℃以下かつ、該樹脂融点と融解終了温度の差が14℃以上であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする、
    発泡倍率が10倍以上40倍以下であり、かつ、示差走査熱量計法による測定において、2つの融点を有し、高温側融点が150℃以上かつ低温側融点が137℃未満であるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法であって、
    ポリプロピレン系樹脂粒子を水系分散媒中で128℃以上、20〜500分間アニーリングした後、発泡させることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂が、140℃以下の樹脂融点を有するポリプロピレン系樹脂(A)60重量%以上90重量%以下と140℃超の樹脂融点を有するポリプロピレン樹脂(B)10重量%以上40重量%以下からなり、
    該ポリプロピレン系樹脂を押出機により混練して、粒重量0.5mg以上5.0mg以下としたポリプロピレン系樹脂粒子を発泡して得られることを特徴とする、請求項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
  3. ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の樹脂融点の差が、15℃未満であることを特徴とする、請求項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
  4. ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が、示差走査熱量計法による測定において、2つの融解ピークのうち高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が、10%以上50%以下となることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて成形してなることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法
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