JP5460227B2 - ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 Download PDF

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本発明は緩衝包材などに用いられるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、緩衝性、軽量性、断熱性などの特徴をもつ。また、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体と比較すると、耐薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率に優れており、またポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体と比較すると、寸法精度、耐熱性、圧縮強度が優れている。これらの特徴により、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、緩衝包材、通箱、断熱材、自動車部材など様々な用途に用いられている。
このようなポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としては、用途に応じて10〜450g/L程度の種々の成形体密度のものが用いられるが、通常、緩衝包材などに用いられるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、通箱、自動車部材などに用いられるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に比べて低密度のものが用いられ、おおむね15〜45g/L程度の成形体密度のものが多く用いられている。
一方、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としては、高い圧縮応力を求められることが多い。このような要望に対し、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度が45g/Lを超える領域では、コモノマーとしてエチレンのみを共重合したプロピレン/エチレン共重合体組成物を基材樹脂としても十分な圧縮応力が発現するものの、成形体密度が45g/L以下の領域では、コモノマーとしてエチレンのみを共重合し、かつ融点が145℃未満のプロピレン/エチレン共重合体組成物を基材樹脂とするのでは圧縮応力が不足していた。そこで成形体密度が45g/L以下の低密度の領域でも圧縮応力を高める手段として、コモノマーとして1−ブテンを共重合したり、または融点が145℃以上の高融点のポリプロピレン系樹脂組成物を基材樹脂として用いてきた(例えば特許文献1〜3)。
しかし、1−ブテンを共重合したポリプロピレン系樹脂組成物は、1−ブテンを含まない、例えば、プロピレン/エチレン共重合体組成物などに比べて、重合時の操作が煩雑であったり、重合速度が遅くなる傾向にあり生産性が低下するといった問題があるとともに、高価でもある。また、融点が145℃以上の高融点のポリプロピレン系樹脂組成物を型内発泡成形体に適用した場合は、型内発泡成形する際の成形加熱蒸気圧が高くなり、多大なエネルギーを要するとともに、エネルギーコストも高くなるという問題がある。
このようなことから、1−ブテンを含まず、かつ融点145℃未満のポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、成形体密度が低い領域でも、圧縮応力が従来よりも高いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が求められている。
一方、クロス分別法により温度上昇溶離分別を行った際の溶出量が特定の値を示すポリプロピレン系樹脂を、物理型発泡剤や有機系熱分解型発泡剤により発泡させてなる発泡体は知られており、具体的には、発泡剤として炭酸ガスを用いて押出発泡したり、有機系熱分解型発泡剤を添加した樹脂シートを加熱して自由発泡させることで発泡体を製造している(例えば特許文献4)。しかし、発泡剤を含んだ樹脂を発泡させて、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子にしたり、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を更に型内発泡成形したポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は知られていない。
特開平8−59876号公報 特開平10−251437号公報 特開2000−191860号公報 特開平8−245820号公報
本発明の目的は、低い成形加熱蒸気圧で成形しえる、低い成形体密度であっても50%歪における圧縮応力が高いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供することにある。
本発明は、上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、コモノマー成分として1−ブテンを含まないポリプロピレン系樹脂においても、特定の特性を有するポリプロピレン系樹脂を用いることによって、低密度に成形されたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、高い圧縮応力を発現すること見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、次の要件からなる。
〔1〕 1−ブテンからなる構造単位を含まないポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、成形体密度が15g/L以上23g/L以下であり、下記要件(a)および(b)を満たすポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
(a)ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点が、130℃以上145℃未満である。
(b)ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量が、21重量%以下である。
〔2〕 ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における40℃以下の溶出成分量が、7.0重量%以下である〔1〕記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
〔3〕 ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点が、135℃以上144℃以下である〔1〕または〔2〕に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、コモノマー成分として1−ブテンを含まないポリプロピレン系樹脂を用いているにもかかわらず、低成形体密度であっても高い圧縮応力を有している。また、低い成形加熱蒸気圧で成形可能であり、表面性も良好である。
示差走査熱量計を用い、本発明記載のポリプロピレン系樹脂一段予備発泡粒子を測定した際に得られるDSC曲線の一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱量である。低温側のピークと破線で囲まれる部分がQl、高温側のピークと破線で囲まれる部分がQhである。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、成形体密度が14g/L以上45g/L以下である。好ましくは15g/L以上33g/L以下であり、より好ましくは15g/L以上23g/L以下であり、最も好ましくは16g/L以上21g/L以下である。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮応力は、その成形体密度に依存する為、異なる成形体密度のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体同士の圧縮応力を単純には比較できないが、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体密度をD(g/L)とした場合、50%歪における圧縮応力(MPa)として、以下の式(1)がそれぞれの成形体密度における標準的な50%歪における圧縮応力の目安となる。
50%歪における標準圧縮応力(MPa)=0.008×D(g/L)−0.01 …(1)
なお、国際公開WO2008/139822号公報には、50%歪における標準圧縮応力として、以下の式(2)が開示されている。
50%歪における標準圧縮応力(MPa)=(0.0742×D2+3.874×D+24.03)÷1000 …(2)
しかしながら、成形体密度が14g/L以上45g/L以下の領域では、式(1)のほうが高い圧縮応力の値を示すため、本発明においては式(1)によって示される、50%歪における圧縮応力を目安とする。
成形体密度が14g/L未満の場合、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮応力が上記50%歪における標準圧縮応力を超えることが困難となる傾向にある。一方、成形体密度が45g/Lを超えるところでは、従来から1−ブテンを含有しないポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体において50%歪における標準の圧縮応力を達成しており、本発明の技術を特段用いる必要も無い。 本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点が、130℃以上145℃未満である。好ましくは135℃以上144℃以下であり、より好ましくは136℃以上143℃以下である。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点が130℃未満では、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮応力が前述の標準圧縮応力を超えることが困難であり、145℃以上になるとポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を成形する際の成形加熱蒸気圧が高くなる。
なお、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点は、示差走査熱量計法(DSC法)により測定されたものであり、該小片5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する事により融解し、その後10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温したきに得られるDSC曲線において、2回目の昇温時の融解ピーク温度を融点とした。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点を130℃以上145℃未満とするためには、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂の融点がおおむね130℃以上145℃未満であるものを選択すればよい。このようなポリプロピレン系樹脂の融点も上述のようにしてDSC法により測定したものであり、該基材樹脂5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する事により融解し、その後10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線において、2回目の昇温時の融解ピーク温度を融点として求めることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量が、21重量%以下である。好ましくは19重量%以下であり、より好ましくは18重量%以下である。溶出成分量が21重量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮応力が、前記式(1)で示される標準圧縮応力を超えることが出来ない。
クロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量が21重量%以下の場合に、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮応力が前記式(1)の標準圧縮応力を超える要因は定かではないが、圧縮応力を低下させる要因となる低結晶性成分割合が減少するとためと推定している。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における40℃以下の溶出成分量が、7.0重量%以下であることがより好ましい態様である。更に好ましくは、40℃以下の溶出成分量が、6.0重量%以下であり、最も好ましくは4.0重量%以下である。
40℃以下で溶出する成分は、より低結晶性成分が多いと考えられ、このような低結晶性成分は圧縮応力の低下の原因になると推定されることから、40℃以下の溶出成分量が極力少ないほうが、圧縮応力を高めることになるものと考えている。
また、40℃以下の溶出成分量が、7.0重量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面において、しわ、ヒケ、あるいはボイドが目立つといった、表面性が低下する傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量を21重量%以下とする、あるいは40℃以下の溶出成分量を7.0重量%以下とするためには、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂のクロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量をおおむね21重量%以下とする、あるいは40℃以下の溶出成分量をおおむね7.0重量%以下のものを選択すれば良い。
このようなクロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量が21重量%以下、あるいは40℃以下の溶出成分量が7.0重量%以下であるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を重合する際の触媒選択や重合条件を適宜調整することで得られる。
なお、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体、あるいは基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂のクロス分別クロマトグラフ法は、次に記載する条件で測定したものである。なお、クロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量とは、全溶出量に対する80℃以下の溶出量の積分値の割合(%)を言い、クロス分別クロマトグラフ法における40℃以下の溶出成分量とは、全溶出量に対する40℃以下の溶出量の積分値の割合(%)を言う。
装置 :三菱油化社製クロス分別クロマトグラフ CFC T−150A型
検出器 :Miran社製赤外分光光度計1ACVF型
検出波長 :3.42μm
GPCカラム:昭和電工社製Shodex AT−806MS 3本
カラム温度 :135℃
カラム較正 :東ソー社製単分散ポリスチレン
分子量較正法:汎用較正法/ポリエチレン換算
溶離液 :o−ジクロロベンゼン(ODCB)
流速 :1.0mL/min.
試料濃度 :30mg/10mL
注入量 :500μL
降温時間 :135分(135から0℃)、その後60分間保持
溶出区分 :0、20、40、50、60、70、75、80、83、86、89、92、95、98、101、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、130、135℃(29分画)
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、1−ブテンからなる構造単位を含まないポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする。ポリプロピレン系樹脂のプロピレンの量としては、プロピレンからなる構造単位が90モル%以上100モル%以下、であることが好ましく、より好ましくはプロピレンからなる構造単位が92モル%以上100モル%以下、最も好ましくは、プロピレンからなる構造単位が94モル%以上100モル%以下である。プロピレンからなる構造単位が90モル%未満であると、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としたときの圧縮応力が低下する傾向にある。
本発明のポリプロピレン系樹脂は、1−ブテン以外であればプロピレン以外の構造単位を含んでいてもよく、例えば、エチレン、炭素数5以上のα−オレフィン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体が例示できるが、中でもエチレンを構造単位として含むことが好ましい。
エチレンからなる構造単位は0モル%以上10モル%以下が好ましく、より好ましくは0モル%以上8モル%以下であり、最も好ましくは、0モル%以上6モル%以下である。エチレンからなる構造単位が10モル%を超えると、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としたときの圧縮応力が低下する傾向にある。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)に特に制限は無いが、0.5g/10min以上30g/10min以下が好ましく、より好ましくは2g/10min以上20g/10min以下であり、最も好ましくは3g/10min以上18g/10min以下である。本発明に言うMFRの測定は、JIS−K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。MFRが上記範囲にあると比較的大きな発泡倍率のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が得られやすく、それを型内発泡成形して得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面美麗性が優れ、寸法収縮率が小さいものが得られる傾向がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂は無架橋の状態が好ましいが、パーオキサイドや放射線により架橋させても良い。またポリプロピレン系樹脂と混合使用可能な他の熱可塑性樹脂、例えば、本発明以外のポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、アイオノマー等を、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の特性を調整するために混合使用しても良い。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂は、通常、予備発泡に利用されやすいようにあらかじめ押出機、ニーダー、バンバリミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状に成形加工され、ポリプロピレン系樹脂粒子となる。
本発明においてポリプロピレン系樹脂の他に、酸化防止剤、耐光性改良剤、帯電防止剤、顔料、難燃性改良剤、導電性改良剤等の添加剤を必要により加えて、ポリプロピレン系樹脂粒子としてもよく、その場合は、これらは、通常、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造過程において溶融した樹脂中に添加することが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、前述のポリプロピレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂粒子と、水、無機分散剤を含んでなる分散液を耐圧容器中に収容した後、攪拌条件下に分散させるとともに、発泡剤の存在下、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上に昇温し、次いで耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出して、ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させ製造する。
ここで、軟化点温度以上に昇温する際、好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃以上ポリプロピレン系樹脂粒子の融点+10℃以下の範囲の温度に昇温することが発泡性を確保する上で好ましい。
本発明に使用される発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロブタン等の脂肪式環化水素類;空気、窒素、炭酸ガス、水等の無機発泡剤;等が挙げられる。これらの発泡剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上併用してもよい。なかでも、炭酸ガス、水や、より高倍率での発泡を可能とするイソブタンを用いることが好ましい。
また、発泡剤の使用量に限定はなく、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の所望の発泡倍率に応じて適宣使用すれば良く、その使用量はポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して3重量部以上60重量部以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子製造時に使用する耐圧容器には特に制限はなく、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子製造時における容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよく、例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
本発明で使用することが出来る無機分散剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、アルミノ珪酸塩、カオリン、硫酸バリウム等が挙げられる。
本発明においては分散性を高めるために分散助剤を併用することが好ましい。このような分散助剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、無機分散剤と分散助剤の組み合わせとしては、第三リン酸カルシウムとアルキルスルホン酸ナトリウムの組み合わせが好ましい。
無機分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して無機分散剤0.2重量部以上3重量部以下であることが好ましく、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下であることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下で使用するのが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率に特に制限は無いが、好ましくは3倍以上50倍以下であり、さらに好ましくは7倍以上45倍以下である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度に特に制限は無いが、好ましくは10g/L以上180g/L以下、さらに好ましくは12g/L以上78g/L以下である。
前記のようにして得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形に供し、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としてもよいが、ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡剤、水、無機分散剤を含んでなる分散液を耐圧容器に収容した後、攪拌条件下に分散させるとともに、発泡剤の存在下、容器内混合物を、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上、好ましくはポリプロピレン系樹脂の融点−20℃以上ポリプロピレン系樹脂+10℃以下の範囲の温度に昇温し、次いで耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出して、ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させる(この工程を一段発泡と称する場合がある)時に、好ましくは発泡倍率3倍以上35倍以下の予備発泡粒子(以下、一段予備発泡粒子と称す場合がある)を製造し、該一段予備発泡粒子を耐圧密閉容器内に入れて窒素、空気などを0.1MPa以上0.6MPa以下(ゲージ圧)で加圧含浸させる加圧処理により一段予備発泡粒子内の圧力を常圧よりも高くした後、該一段予備発泡粒子をスチーム等で加熱して更に発泡させる(この工程を二段発泡と称する場合がある)ことにより、一段予備発泡粒子の発泡倍率よりも発泡倍率の高いポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子(以下、二段予備発泡粒子を称する場合がある)を得、これを型内発泡成形に供し、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としても良い。
このような二段予備発泡粒子の嵩密度としては、10g/L以上40g/L以下のものを用いることが好ましい。
なお、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm3)を求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂の密度d(=0.9g/cm3)から次式により求めたものである。
発泡倍率=d×v/w
また、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を容器に静かに投入して満たした後、容器中のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量を測定し、これを容器の容量で除し、g/L単位で表した。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の表面に付着した無機分散剤量は2000ppm以下が好ましく、より好ましくは1300ppm以下であり、最も好ましくは800ppm以下である。表面に付着した無機分散剤量が2000ppmを超えると型内発泡成形する際の融着性が低下する傾向にある。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、示差走査熱量計法による熱量測定を行った際に得られるDSC曲線において、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100(%)(以下、DSC比と略す)が10%以上50%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以上40%以下の範囲である。DSC比が当該範囲であると、表面美麗性の高いポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が得られやすい。10%未満ではポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が連泡化しやすくなり、50%を超えると型内発泡成形体を得る際の融着性が低下する傾向にある。
なお、QlおよびQhは、図1に示すように、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線において、2つの融解ピークを有し、DSC曲線の低温側ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線で囲まれる熱量である低温側の融解ピーク熱量Qlと、DSC曲線の高温側ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線で囲まれる熱量である高温側融解ピーク熱量Qhで示される。
また、高温側融解ピーク熱量Qhに制限は無いが、好ましくは4J/g以上28J/g以下、より好ましくは7J/g以上25J/g以下、最も好ましくは10J/g以上22J/g以下である。4J/g未満ではポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が連泡化しやすくなり、28J/gを超えると発泡倍率が大きくなり難い傾向となる。
本発明においてポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とするには、イ)そのまま型内発泡成形を行う方法、ロ)あらかじめポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、内圧(発泡能)を付与した後、型内発泡成形を行う方法、ハ)ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を圧縮状態で金型内に充填し、型内発泡成形を行う方法、など従来既知の方法が使用しうる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いてポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得る方法の具体例としては、例えばあらかじめポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子中に空気を圧入することにより内圧(発泡能)を付与し、これを2つの金型からなる閉鎖しうるが密閉し得ない成形空間内に充填し、水蒸気などを加熱媒体として0.1MPa以上0.4MPa以下(ゲージ圧)程度の加熱水蒸気圧で3秒以上30秒以下程度の加熱時間で成形しポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子同士を融着させ、このあと金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の変形を抑制できる程度まで冷却した後、金型を開き、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得る方法などが挙げられる。
また、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の内圧は、例えば耐圧容器内で、1時間以上48時間以下、室温以上80℃以下の温度条件下、空気、窒素等の無機ガスによって0.1MPa以上1.0MPa(ゲージ圧)以下に加圧することによって調整できる。
このようにして、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度は前述の通りである。
なお、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の成形体密度は、成形体の縦、横、厚みの寸法の積から試験片体積を算出し、成形体重量を体積で除し、g/L単位で表した。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率〕
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)を測定した後、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子をエタノールに浸漬した際の増加体積(水没体積)v(cm3)を求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂の密度d(=0.9g/cm3)から次式により求めた。
発泡倍率=d×v/w(倍)
〔ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度〕
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を容積約5リットルの容器に静かに投入して満たした後、容器中のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量を測定し、これを容器の容量で除し、g/L単位で嵩密度を表した。
〔DSC比の測定〕
セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子5〜6mgを40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温して得られたDSC曲線における、2つの融解ピークについて、DSC曲線の低温側ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線で囲まれる熱量である低温側の融解ピーク熱量Qlと、DSC曲線の高温側ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線で囲まれる熱量である高温側融解ピーク熱量Qhとし、高温側の融解ピークの比率(Qh/(Ql+Qh)×100)(%)を算出した。QlおよびQhを図1に示す。
〔成形体密度〕
後述実施例に従って得た、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の厚み方向のほぼ中央付近から、縦50mm×横50mm×厚み25mmの直方体試験片を切り出し、この切り出した直方体試験片の重量と縦、横、厚みの寸法を測定した。次いで、縦、横、厚みの寸法の積から試験片体積を算出し、重量を体積で除し、成形体密度をg/L単位で表した。
〔融点の測定〕
セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて、基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂(基材樹脂の融点測定の場合)、あるいはポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片(成形体の融点測定の場合)の5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する事により樹脂粒子を融解し、その後10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度を融点とした。
〔クロス分別クロマトグラフ測定(CFC溶出量測定)〕
三菱油化社製クロス分別クロマトグラフ CFC T−150A型を使用し、以下の条件で基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂、あるいはポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の80℃以下、及び40℃以下の溶出成分量を測定した。
検出器 :Miran社製赤外分光光度計1ACVF型
検出波長 :3.42μm
GPCカラム:昭和電工社製Shodex AT−806MS 3本
カラム温度 :135℃
カラム較正 :東ソー社製単分散ポリスチレン
分子量較正法:汎用較正法/ポリエチレン換算
溶離液 :o−ジクロロベンゼン(ODCB)
流速 :1.0mL/min.
試料濃度 :30mg/10mL
注入量 :500μL
降温時間 :135分(135から0℃)、その後60分間保持
溶出区分 :0、20、40、50、60、70、75、80、83、86、89、92、95、98、101、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、130、135℃(29分画)
〔融着率評価〕
後述する実施例に従って得た、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体にカッターナイフで厚み方向に約3mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部からポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を破断し、破断面を観察して、破断面を構成するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子数に対する破壊されたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の割合を求め、融着率とした。
〔50%歪圧縮応力〕
後述する実施例に従って得た、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の厚み方向のほぼ中央付近から、縦50mm×横50mm×厚み25mmの試験片を切り出した。NDS Z 0504に従って、10mm/分で圧縮し、50%歪時の圧縮応力を測定した。
〔標準圧縮応力との比較〕
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体密度をD(g/L)とした時の、50%歪における標準圧縮応力A(MPa)=0.008×D−0.01、を算出し、次のように評価した。
○:50%歪圧縮応力実測値が、標準圧縮応力Aの計算値を超える
×:50%歪圧縮応力実測値が、標準圧縮応力Aの計算値以下
〔表面性〕
後述する実施例に従って得た、おおむね縦300mm×横400mm×厚み50mmのポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体表面を目視観察し、次の基準で評価した。
○:表面にしわ、ヒケやボイドがほとんど見られない
△:表面にしわ、ヒケ、あるいはボイドの少なくともいずれかが少し見られる
×:表面にしわ、ヒケ、あるいはボイド少なくともいずれかが顕著に見られる
次に、本発明の実施例について説明する。
表1に、実施例及び比較例で用いたポリプロピレン系基材樹脂の特性を示す。
Figure 0005460227
(実施例1)
樹脂A100重量部に対し、ポリエチレングリコール(ライオン(株)製PEG#300)0.5重量部、タルク(林化成製PKS)0.1重量部をブレンドした後、50mm単軸押出機(大阪精機工作(株)製20VSE−50−28型)内で溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、一粒の重量が1.2mg/粒のポリプロピレン系樹脂粒子を得た。
得られたポリプロピレン系樹脂粒子100重量部、水200重量部、分散剤として第3リン酸カルシウム1.0重量部、分散助剤としてアルキルスルホン酸ナトリウム0.05重量部を容量10Lの耐圧オートクレーブ中に仕込み、攪拌下、発泡剤として炭酸ガスを6.5重量部添加した。オートクレーブ内容物を昇温し、145℃の発泡温度まで加熱した後、さらに炭酸ガスを追加してオートクレーブ内圧を3.0MPa(ゲージ圧)とした。その後、30分間保持した後、オートクレーブ下部のバルブを開き、4.0mmφの開口オリフィスを通して、オートクレーブ内容物を大気圧下に放出して一段予備発泡粒子を得た。得られた一段予備発泡粒子の発泡倍率は13倍、DSC比は24%であった。得られた一段予備発泡粒子内に空気含浸により内圧を付与した後、蒸気により加熱し、嵩密度15.5g/Lの二段予備発泡粒子を得た。得られた二段予備発泡粒子のDSC比は23%であった。
次に、ダイセン株式会社製ポリオレフィン発泡成形機KD−345を用い、縦300mm×横400mm×厚み50mmの金型に、あらかじめポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子内部の空気圧力が0.19MPa(絶対圧)になるように調整したポリプロピレン系樹脂二段予備発泡粒子を充填し、成形加熱蒸気圧0.25MPaとし、厚み方向に10%圧縮して加熱成形させることにより、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得た。得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は1時間室温で放置した後、75℃の恒温室内で3時間養生乾燥を行い、再び室温に取出してから室温で1時間放置した後、成形体密度の測定、融着率評価、表面性評価を行った。また、成形体の融点、CFC溶出量、および50%歪圧縮応力を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005460227
(実施例2〜7、比較例1および2)
樹脂A〜Fを用い、表2記載の条件とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系樹脂の一段予備発泡粒子および二段予備発泡粒子を得、更に、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得て評価を行った。但し、実施例2は二段発泡せずに、一段予備発泡粒子を型内発泡成形に供した。結果を表2に示す。
実施例から、本発明の1−ブテンからなる構造単位を含まないポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮応力は、低密度であるにもかかわらず標準圧縮応力Aを超えており、それぞれの密度において良好な圧縮応力であることがわかる。
比較例3は、良好な圧縮応力を示すものの、成形加熱蒸気圧が高い。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を構成する基材樹脂として、1−ブテンからなる構造単位を含まないポリプロピレン系樹脂を用いつつ、低い成形体密度であっても高い圧縮応力を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を提供する。得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は緩衝包材などに好適に使用できる。

Claims (3)

  1. 1−ブテンからなる構造単位を含まないポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、成形体密度が15g/L以上23g/L以下であり、下記要件(a)および(b)を満たすポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
    (a)ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点が、130℃以上145℃未満である。
    (b)ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における80℃以下の溶出成分量が、21重量%以下である。
  2. ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片のクロス分別クロマトグラフ法における40℃以下の溶出成分量が、7.0重量%以下である、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  3. ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から切り出した小片の融点が、135℃以上144℃以下である請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
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