JPH1129651A - 新規なポリプロピレン系樹脂発泡体からなる緩衝材 - Google Patents

新規なポリプロピレン系樹脂発泡体からなる緩衝材

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JPH1129651A
JPH1129651A JP18468697A JP18468697A JPH1129651A JP H1129651 A JPH1129651 A JP H1129651A JP 18468697 A JP18468697 A JP 18468697A JP 18468697 A JP18468697 A JP 18468697A JP H1129651 A JPH1129651 A JP H1129651A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であり、低コストで、低密度でも
高い緩衝性を発揮できる新規な緩衝材を見いだす。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体、
およびラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質ポリ
プロピレン系樹脂の発泡体からなる緩衝材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,耐熱性にすぐれ、
低密度でも高い緩衝特性を有する新規な緩衝材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気製品や電子部品のような外部
からの衝撃に対し弱い製品を運搬する際には、該衝撃を
緩和させ該製品を破損から守る為にさまざまないわゆる
緩衝材が用いられている。なかでも発泡プラスチック
は、衝撃を吸収し製品にかかる衝撃を緩和する特性(い
わゆる緩衝性)に優れており最も多く用いられている緩
衝材である。発泡プラスチックの緩衝性のレベルは、該
発泡体を構成するプラスチックの種類により異なる。最
も多く用いられているポリスチレンからなる発泡体は、
ポリスチレンが柔軟性に欠ける為に、繰り返して衝撃が
加わると発泡体の破壊がおこり緩衝性が急速に低下する
という欠点がある。一方、発泡ポリエチレン系樹脂から
なる緩衝材は、ポリエチレン系樹脂が柔軟性に富む為に
上記のような繰り返しの衝撃に対する緩衝性の低下はな
いが、ポリエチレン系樹脂の弾性率が低い為に、発泡倍
率を高めると発泡体としての圧縮強度が低くなり緩衝性
が低下する。従って低密度の緩衝材で十分な緩衝性のレ
ベルを付与することができない。
【0003】他方、ポリプロピレン系樹脂からなる発泡
体は、ポリエチレン系樹脂に比べて弾性率が高いためポ
リエチレン系樹脂より低密度でも緩衝性に優れることが
期待される。しかしながら、通常のポリプロピレン系樹
脂は、発泡体とすることが極めて困難である。すなわ
ち、ポリエチレン系樹脂では、押出機中で樹脂を溶融さ
せ、発泡剤を高圧下で圧入して溶解せしめ、これを低圧
領域に押し出して、厚みが30mm〜100mmといった厚
物の板状の発泡体を得これを切り出して緩衝材として使
用することが容易であるのに対し、ポリプロピレン系樹
脂では、このような方法で発泡体を得ることは全くでき
ないため、緩衝材として使用できる板状の発泡体は得ら
れていないのが現状である。
【0004】ポリプロピレン系樹脂を用いて、緩衝材と
して使用されているのは、ポリプロピレン系樹脂の粒子
に、水のような分散媒体中で高圧下発泡剤を含浸せし
め、オリフィスから低圧領域に急激に噴出せしめ、発泡
粒子をえて、これを型に充填しスチーム等で加熱して成
形するという方法で得られた成型品(すなわち予備発泡
粒子の型内成型品)のみである。かかる緩衝材は、低密
度でも優れた緩衝性を示すが、その製法上の特殊性に由
来して製造コストが高い点に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,製造
が容易であり、低コストで、低密度でも高い緩衝性を発
揮できる新規な緩衝材を見いだすことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の方法で改質
したポリプロピレン系樹脂の発泡体が、前記目的を満足
させることを見いだし、本発明に到達した。すなわち,
本発明は,ポリプロピレン系樹脂,イソプレン単量体、
およびラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質ポリ
プロピレン系樹脂の発泡体からなる緩衝材に関する。
【0007】また、前記ポリプロピレン系樹脂が、ホモ
ポリプロピレン、プロピレン成分を80重量%以上含有
するプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィ
ンの共重合体からなる群から選ばれる樹脂であることが
好ましい。また、本発明は、ポリプロピレン系樹脂,イ
ソプレン単量体、およびラジカル発生剤を溶融混練して
得られる改質ポリプロピレン系樹脂からなり、密度が9
〜30Kg/m3で最小の厚みが30mm以上の発泡体
からなる緩衝材に関する。
【0008】更に、本発明は、押出発泡法により得られ
る前記発泡体からなる緩衝材に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、特定の条件の
下で変性したPPを用いることが重要なポイントであ
る。すなわち、ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量
体およびラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質ポ
リプロピレンを用いることが必須である。かかる改質ポ
リプロピレンを用いることにより、前述した課題すなわ
ち、低コストで、低密度でも高い緩衝性を発揮できる新
規な緩衝材を得ることができるということは全く知られ
ておらず,また予想もされなかった事である。
【0010】このような特定の改質ポリプロピレンを用
いた緩衝材の製法は任意であり、前述した、予備発泡粒
子となし、型内成形品とすることもできるし、押出発泡
法により厚みの大きな板状の発泡体とすることもでき
る。コスト面では、後者が有利である。本発明の必須要
件であるポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体およ
びラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質ポリプロ
ピレンの製造方法について述べる。
【0011】本発明において、溶融混練する前のポリプ
ロピレン系樹脂としては,一般的にポリプロピレン系樹
脂と称されるものを用いることができ、その範囲内での
使用に制限はないが,ホモポリプロピレン,プロピレン
とエチレンとのランダムあるいはブロック共重合体、プ
ロピレンとエチレン以外のα−オレフィンとのランダム
あるいはブロック共重合体が好ましい。
【0012】改質前のポリプロピレン系樹脂が、プロピ
レンとエチレンまたはその他のα−オレフィンとの共重
合体である場合、低密度で高い緩衝性を発現する観点か
ら、含有されるプロピレン単量体成分が全体の80重量
%以上であることが好ましく、全体の90重量%以上で
あることがさらに好ましい。改質前のポリプロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、0.1〜10の範囲が好
ましい。イソプレン単量体の添加量としては、ポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量
部であることが好ましい。より好ましくは、前記単量体
の合計量は0.5〜5重量部である。添加量が前記範囲
より少ない場合、発泡性の改良効果が不十分となる傾向
があり、一方前記範囲より多い場合、未反応単量体が多
く残存したり、ク゛ラフトしない重合体が多く存在するため
に発泡体の特性が低下したりする傾向がある。
【0013】本発明では、イソプレンの他に少量の芳香
族ビニル単量体を併用して用いても良い。この芳香族ビ
ニル単量体としては、例えば、スチレン;o-メチルスチ
レン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α−メチ
ルスチレン,β-メチルスチレン、ジメチルスチレン、
トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;α-クロロ
スチレン、β-クロロスチレン、o-クロロスチレン、m-
クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブ
ロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロ
モスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチ
レン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、ト
リフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニト
ロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレ
ン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニト
ロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシ
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチ
レン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノー
ル;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p
−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイ
ソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼ
ン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのイソプロペニ
ルスチレンなどの1種または2種以上があげられる。
【0014】芳香族ビニル単量体を併用する場合の添加
量は、本発明の目的である高い緩衝特性を維持するとい
う観点から、イソプレン単量体100部に対して、10
0部未満であることが望ましい。前記ラジカル発生剤と
しては、一般に過酸化物またはアゾ化合物などがあげら
れる。
【0015】このラジカル発生剤としては、具体的に
は、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセト
アセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイ
ド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4
−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシ
ケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキ
サイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α
´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)
ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキ
ルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジ
アシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシ
ブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシ
ブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカ
ーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ
ラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリ
メチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−
t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシ
エステルなどの有機過酸化物があげられる。
【0016】前記ラジカル発生剤の添加量は、改質ポリ
プロピレン系樹脂の溶融粘度が過度に低下せず、かつ経
済的であるという点から、改質前のポリプロピレン系樹
脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲内
にあることが好ましく、0.1〜1重量部の範囲内にあ
ることがさらに好ましい。前記ラジカル発生剤の添加量
が、前記の範囲より少ないばあい、改質効果を充分にえ
られない傾向があり、一方前記の範囲より多いばあい、
好適な形状や外観を有する発泡体をえられない傾向があ
る。
【0017】改質前のポリプロピレン系樹脂には、必要
に応じて、ポリプロピレン系樹脂のほかの樹脂またはゴ
ムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよ
い。前記ポリプロピレン系樹脂のほかの樹脂またはゴム
としては、たとえばポリエチレン;ポリブテン−1、ポ
リイソブテン、ポリペンテン−1、ポリメチルペンテン
−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が7
5重量%未満のエチレン/プロピレン共重合体、エチレ
ン/ブテン−1共重合体、プロピレン含有量が75重量
%未満のプロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレ
ンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体;プ
ロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレ
ン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などの
エチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエ
ン系単量体共重合体;エチレン/塩化ビニル共重合体、
エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エチレン/アクリ
ロニトリル共重合体、エチレン/メタクリロニトリル共
重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ア
クリルアミド共重合体、エチレン/メタクリルアミド共
重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メ
タクリル酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アク
リル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル
共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン/アクリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル
酸金属塩共重合体、エチレン/スチレン共重合体、エチ
レン/メチルスチレン共重合体、エチレン/ジビニルベ
ンゼン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/
ビニル単量体共重合体;ポリイソブテン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレンなどのポリジエン系共重合体;スチ
レン/ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体
/ジエン系単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジ
エン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/
ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素
化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)などの水
素化(ビニル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合
体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロッ
ク共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単
量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニト
リル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリル酸メ
チル/ブタジエン/スチレン共重合体などのビニル単量
体/ジエン系単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニ
トリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリ
アクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチルなどのビニ
ル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/ス
チレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合
体などのビニル系共重合体などがあげられる。
【0018】改質前のポリプロピレン系樹脂に対するこ
れらほかの樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類
またはゴムの種類により異なり、前記のように本発明の
効果を損なわない範囲であればよいが、通常25重量%
程度以下であることが好ましい。さらに、前記改質前の
ポリプロピレン系樹脂には必要に応じて、酸化防止剤、
金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線
安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定
剤または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充
填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの
添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加しても
よい。
【0019】ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体
およびラジカル発生剤を溶融混練する際の温度条件は、
該ポリプロピレン系樹脂が溶融する温度であり、かつ該
ラジカル発生剤が分解しうる温度の範囲で任意に選択で
きる。好ましくは、130℃から250℃の範囲であ
る。また、溶融混練の時間は、一般に1〜60分間であ
る。
【0020】前記の溶融混練の装置としては、ロール、
コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸
押出機または2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機
または2軸多円板装置などの横型撹拌機もしくはダブル
ヘリカルリボン撹拌機などの縦型撹拌機など高分子材料
を適宜の温度に加熱しえ、適宜の剪断応力を与えながら
混練しうる装置があげられる。これらのうち、とくに押
出機が生産性の点から好ましい。また、各々の材料を充
分に均一に混合するために前記溶融混練を複数回繰返し
てもよい。リプロピレン系樹脂を用いて、緩衝材に適し
た発泡体を製造する方法について述べる。
【0021】本発明の改質ポリプロピレン系樹脂からな
る発泡体の製法の例として、(1)溶融させた状態の改
質ポリプロピレン系樹脂に前記発泡剤を圧入して、溶解
させたのち、溶融押出機で押し出すことにより発泡体を
うる方法、(2)前記改質ポリプロピレン系樹脂を粒子
状に成形して、圧力容器内又は水性懸濁液中で、この改
質ポリプロピレン系樹脂粒子中に発泡剤を溶解または分
散させ、次にこれを除圧発泡、すなわち発泡剤が溶解な
いし分散している改質ポリプロピレン系樹脂粒子を加圧
下に保ったのち、これを低圧雰囲気下に放出することに
より発泡させて、予備発泡粒子を製造し、この予備発泡
粒子を型内成形などの方法により発泡成形体にする方法
などがあげられる。
【0022】本発明においては、前述したように、製造
コストが安価であるという点から、(1)の溶融させた
状態の改質ポリプロピレン系樹脂に前記発泡剤を圧入し
て、溶解させたのち、溶融押出機で押し出すことにより
発泡体をうる方法が好ましく、この方法について詳しく
述べる。本方法における発泡剤としては、通常押出発泡
法において使用されている発泡剤を用いることができる
が、なかでも、プロパン、ブタン、ペンタンのような炭
化水素系の発泡剤が好適である。
【0023】前記発泡剤の圧入量は発泡剤の種類および
目標発泡倍率により選択すればよいが、改質ポリプロピ
レン系樹脂100重量部に対して、通常2〜30量部の
範囲内にあることが好ましい。また、発泡体の気泡径を
適宜の大きさにコントロールするために、必要に応じ
て、重炭酸ソーダ−クエン酸またはタルクなどの発泡核
剤を併用してもよい。必要に応じて用いられる該発泡核
剤の添加量は、通常、改質ポリプロピレン系樹脂100
重量部に対して、0.001〜2重量部であることが好
ましい。
【0024】押出機内で前記改質ポリプロピレン系樹脂
を溶融させ、この押出機内に前記発泡剤を圧入し、高圧
に保持しつつ溶融状態の該改質ポリプロピレン系樹脂と
混練し、充分に混練された改質ポリプロピレン系樹脂と
揮発型発泡剤との混練体をダイより吐出することによ
り、発泡体に成形しうる。この方法における溶融混練温
度および溶融混練時間は、用いられる発泡剤および混練
条件により適宜選択すればよく、樹脂の種類により異な
るが、溶融混練温度が130〜300℃、溶融混練時間
が1〜120分間であることが通常である。
【0025】本発明における発泡体は、軽量で緩衝性に
優れるという特長を発揮する為には、その密度が9〜3
0Kg/m3であることが好ましい。本発明の発泡体の
幅は、任意であるが、一般に、300mm〜1000mm
の範囲である。本発明によると、厚みが30mm以上の
板状発泡体が容易に得られ、緩衝材として要求される繰
り返し緩衝特性に優れている。
【0026】また、本発明の発泡体は、緩衝性が高いと
いう点から、その独立気泡率が50%以上であることが
好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。本
発明の緩衝材は、前記板状の発泡体をそのまま用いるこ
ともできるし、また、必要な形状に切り抜いたり、張り
合わせたりして用いることもできる。
【0027】
【実施例】つぎに本発明を実施例および比較例に基づい
て説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。なお、発泡体の密度、独立気泡率、外観
は以下の方法により評価した。 (発泡体密度)重量と水没法により求められる体積から
算出した。 (独立気泡率)マルチピクノメータ(湯浅アイオニクス
(株)製)を用い、ASTM D−2856のA法に準
じて測定した。 (外観)発泡体表面の目視により、○:未発泡部位やケ
バ、シワが観察されない、×:未発泡部位やケバ、シワ
が観察される、に分類した。
【0028】
【実施例1】エチレンプロピレンランダム共重合体(グ
ランドポリマー(株)製、ハイポールB230、エチレ
ン成分含有量3重量%、230℃でのメルトフローイン
デックス0.5g/10分)100重量部とイソプレン
モノマー2.5重量部、及び1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
(日本油脂(株)製、パーヘキサ3M、1分間半減期温
度147℃)0.5重量部を、200℃に設定(ただし
ホッパー口下のみ160℃)した44mm二軸押出機
(L/D=32)に供給し、スクリュウ回転数200r
pmで樹脂を溶融すると共に混練し、反応させることに
より、改質ポリプロピレン系重合体を得た。
【0029】得られた改質ポリプロピレン系重合体10
0重量部に、ブレンドオイル0.02部、及び発泡核剤
として重曹−クエン酸0.02重量部をリボンブレンダ
ーを用いて混合した。この混合物を115mm−150
mmタンデム型押出機に供給し、第1段押出機(115
mm)中にて230℃で可塑化した後、発泡剤としてイ
ソブタンを、改質ポリプロピレン系重合体100重量部
に対して14重量部圧入し、第2段押出機(150m
m)中にて樹脂温度が135℃になる様冷却し、スリッ
トダイ(幅120mm×厚み6mm)より押出し、幅が
600mmであり厚みが50mmの板状の発泡体を得
た。得られた発泡体の密度は、23Kg/m 3であり、
独立気泡率は90%であった。このものの緩衝性は、密
度が30Kg/m3であるポリエチレン系の発泡体より
優れていた。また、繰り返して衝撃をくわえても緩衝性
の低下がほとんど見られなかった。
【0030】
【実施例2〜5】二軸押出機へ供給する際の原料の配合
割合を表1に示したように変更した以外は、実施例1と
同様にポリプロピレンの改質、押出発泡を行った。得ら
れた発泡体の性状を表2に示す。これらの緩衝性は、密
度が30Kg/m3であるポリエチレン系の発泡体より
優れていた。また、繰り返して衝撃をくわえても緩衝性
の低下がほとんど見られなかった。
【0031】
【比較例1〜3】ポリエチレンおよびポリスチレンの板
状発泡体を作成し、緩衝性および繰り返して衝撃を加え
た後の緩衝性を評価した結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂,イソプレン単量
    体、およびラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質
    ポリプロピレン系樹脂の発泡体からなる緩衝材。
  2. 【請求項2】 前記ポリプロピレン系樹脂が、ホモポリ
    プロピレン、プロピレン成分を80重量%以上含有する
    プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの
    共重合体からなる群から選ばれる請求項1記載の緩衝
    材。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂,イソプレン単量
    体、およびラジカル発生剤を溶融混練して得られる改質
    ポリプロピレン系樹脂からなり、密度が9〜30Kg/
    3で最小の厚みが30mm以上の発泡体からなる緩衝
    材。
  4. 【請求項4】 発泡体が、押出発泡法により得られる発
    泡体である請求項1から3項記載の緩衝材。
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JP2008274024A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Kaneka Corp ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び型内発泡成形体

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