JP6424037B2 - 発泡性熱可塑性樹脂粒子、その予備発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂粒子、その予備発泡粒子及び発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子に関するものである。
発泡性熱可塑性樹脂粒子は、比較的安価で、特殊な方法を用いずに蒸気等で発泡成形ができ、高い緩衝・断熱の効果が得られる為、社会的に有用な材料である。
発泡性熱可塑性樹脂粒子は、例えば、ポリスチレン樹脂粒子に発泡剤(すなわち該粒子を僅かに膨潤せしめるにとどまる易揮発性の脂肪族炭化水素、例えばブタン、ペンタン等)を水性懸濁液中で含浸せしめる方法により製造される。このようにして製造された発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡スチレン系樹脂成形体を製造するための原料として用いられる。
発泡スチレン系樹脂成形体を工業的及び経済的に製造する方法としては、発泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気等により予備発泡粒子とし、該予備発泡粒子を所望の形状を有する壁面に多数の小孔が穿設された閉鎖型の金型内に充填し、金型小孔より水蒸気等の加熱媒体を噴出せしめて予備発泡粒子の軟化点以上の温度に加熱し、互いに融着せしめた後に、金型内より取り出して所望の形状の発泡スチレン系樹脂成形体を製造する方法がある。
従って、発泡性熱可塑性樹脂粒子を成形体にする為には、多くの蒸気を必要とするが、近年の環境問題への関心の高まりから、より省エネルギーへの要望が高まっており、予備発泡および型内成形時の温度を低温にすることにより、少ない蒸気使用量で発泡可能な樹脂が求められている。また、同時に生産性を高めるために、成形時間の約5割を占める冷却時間を短縮することが求められている。
しかしながら、発泡時の温度を低温にすると、所望の嵩密度まで予備発泡できないばかりか、加熱時に発生した蒸気のドレンの溜りにより発泡が抑制され、得られた成形体は粒子同士が充分に融着せず、成形直後に多量の水分を有するものとなる。更には、金型壁面付近の予備発泡粒子の充填状態が悪い為に空隙率が高く、この部分のドレンの発生も多くなり、成形体の表面には粒子間隙が発生するなどの問題がある。
また、得られた成形体は、例えば電気製品の包装材として用いる場合には乾燥を充分に行う必要があるが、充分乾燥しても粒子間隙を発生点とする強度低下を生じ、また、例えば断熱材並びに容器等に用いる場合には充分乾燥しても使用時に水分が浸透し、断熱性の低下ならびに水洩れが生じる等の欠点がある。更には、成形体の発泡が充分でない為、製品の外観が悪く、包装材としてのイメージを損なう等の欠点がある。
これまで、低温で発泡・成形するためには、一般的に可塑剤や発泡剤を増量する試みがなされてきた。しかしながら、可塑剤を増やすことで成形体の強度が低下する問題があった。また、発泡剤を増やした場合には冷却時に成形体内部の発泡力が高く、冷却時間が延長し生産性を損なうという問題があり、低温成形による省蒸気と成形体品質あるいは生産性とのバランスをとることが困難であった。
一方、生産性を向上するためには、発泡剤を減量し、成形時の冷却時間を短縮する手法が一般的である。しかし、ブタン、ペンタン等の物理発泡剤を用いる場合、発泡剤は樹脂保管中に緩やかに樹脂中より逸散することがわかっている。このため、ある保管期間で発泡剤量を最適化したとしても、その保管期間より短ければ発泡力過多により冷却時間を短縮できず、長ければ発泡力が不足して加熱条件を上げなければ良好な成形体を得ることが出来ず省蒸気とならないため、同じくバランスを取ることが困難である。
このように、低温で成形し省エネルギーを達成し、かつ、成形時の冷却時間を短縮して生産性を向上し、更に在庫期間の長短に関わらず安定して省エネルギーと生産性を向上することは困難とされてきた。
かかる問題に対して、特許文献1では、アクリル酸エステルとスチレン系単量体との共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子で、赤外スペクトル吸光度比(D1730/D1600)において表面部が中心部より大とすることで低発泡(高密度)の成形体を製造する場合、粒子間の結合が強く、強度、成形品外観に優れた発泡成形体を得るための発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が提案されている。
また、特許文献2では、単量体組成が、スチレン95重量%以上99重量%以下、アクリル酸エステル1重量%以上5重量%未満である熱可塑性樹脂を含んでなる発泡性熱可塑性樹脂粒において、ATR−FTIRにより測定された熱可塑性樹脂予備発泡粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる696cm−1及び1730cm−1での吸光度比α(A1730/A696)が、熱可塑性樹脂予備発泡粒子中心部の赤外線吸収スペクトルから得られる吸光度比β(A1730/A696)の1.0倍以上10倍以下とすることにより、少ない蒸気量で成形することができる発泡性熱可塑性樹脂粒子が提案されている。
また、特許文献3では、スチレン系単量体95〜99重量%、アクリル酸エステル系単量体1〜5重量%の組成である熱可塑性樹脂であり、樹脂粒子中の単量体成分が0.3重量%未満を含む発泡性熱可塑性樹脂粒子が提案されている。
また、特許文献4では、スチレン系単量体95〜99重量%、アクリル酸エステル系単量体1〜5重量%の組成である熱可塑性樹脂を含む発泡性熱可塑性樹脂粒子であり、熱可塑性樹脂100重量部に対し易揮発性発泡剤を4〜10重量部含有し、樹脂粒子中単量体成分が0.3重量%未満である発泡性熱可塑性樹脂粒子が提案されている。しかしながら、これらの手法においては、樹脂への可塑効果と発泡力向上のためにシクロヘキサンを使用しているため、少ない蒸気量で成形すると共に、在庫期間を長く保つことができるが、保管期間が短い場合には冷却時間を短縮するには至っていなかった。
特許文献5では、メタクリル酸エステル成分3〜30重量部とスチレン系成分100重量部を含有する樹脂と発泡剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子で、赤外スペクトル吸光度比(D1730/D1600)において表層部が中心部より大とすることで、耐熱性に優れた発泡体を得るための発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が提案されている。
また、特許文献6では、メタクリル酸メチル単量体30〜80重量%、スチレン単量体70〜20重量%を含む単量体を重合し、重合体中の残存単量体が0.05重量%以下であり、発泡剤が3〜6重量%である発泡性樹脂粒子が提案されている。
しかしながら、この手法においては、樹脂成分としてメタクリル酸エステル成分を使用しているため、少ない蒸気量で成形するには至っていなかった。
また、特許文献7では、スチレンとアクリル酸ブチルを含浸しつつ重合して得られる共重合樹脂粒子であって重量平均分子量が15万〜50万、イソブタンまたはイソペンタンを主成分とする発泡剤3〜10重量%を含有することで、低温で優れた発泡性を有する発泡性スチレン系樹脂粒子が提案されている。
しかしながら、この手法においては、アクリル酸ブチルの使用量が多すぎるために現在主流となっている蒸気を使用した発泡成形では、成形体表面が溶融し著しく見栄えを損なうことが課題である。
特開2011−26509号公報 特開2012−197405号公報 特開2013−14713号公報 特開2012−184393号公報 特開2011−219711号公報 特開平07−330943号公報 特許第4587499号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、予備発泡及び成形を従来よりも低温で実施することで蒸気の使用量を削減すると共に、成形時の冷却時間を短縮することで生産性を向上することが出来、使用期間(ビーズライフ)を維持することに適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の欠点を改善することを目的とし、低温での予備発泡および型内成形に適し、成形時の冷却時間が少なくなるような発泡性熱可塑性樹脂粒子を得る為に鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、単量体組成が、スチレン系単量体90重量%以上99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下(スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体の合計量が100重量%である)である熱可塑性樹脂を基材樹脂とする発泡性熱可塑性樹脂粒子であって、
溶剤及び可塑剤の合計が上記基材樹脂100重量部に対して0.1重量部未満であり、
未反応の単量体成分が0.3重量%未満であり、
発泡剤として、イソブタンの比率が35重量%以上70重量%以下であるブタンが、3.0重量%以上8.0重量%以下、であることを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第2は、ATR−FTIRにより測定された熱可塑性樹脂予備発泡粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる1600cm−1及び1730cm−1での吸光度比α(A1730/A1600)が0.09〜1.62の範囲内であり、熱可塑性樹脂予備発泡粒子中心部の赤外線吸収スペクトルから得られる吸光度比β(A1730/A1600)が0.09〜1.62の範囲内であり、αがβの1.0倍以上10倍以下であることを特徴とする、第1の発明に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第3は、アクリル酸エステル系単量体がアクリル酸ブチルであることを特徴とする、第1または第2の発明に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第4は、発泡性熱可塑性樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィー測定から得られる重量平均分子量(Mw)が22万以上31万以下であることを特徴とする第1〜第3の発明のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明の第5は、第1〜第4の発明のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を、発泡させてなることを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第6は、予備発泡時の発泡温度(缶内温度)が、97〜100℃であることを特徴とする、第5の発明記載の熱可塑性樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第7は、第5または第6の発明に記載の熱可塑性予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体に関する。
本発明の第8は、発泡成形体の切断面の気泡の平均弦長が70μm以上120μm以下であることを特徴とする、第7の発明に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
本発明の第9は、型内成形時の金型温度が、105〜115℃であることを特徴とする、第7または第8の発明に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
本発明により、低温での予備発泡および型内成形に適し、成形時の冷却時間が従来よりも短縮することが出来、使用期間(ビーズライフ)を維持することに適した発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成する基材樹脂は、スチレン系単量体およびアクリル酸エステル系単量体を共重合して得られるものである。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成するスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられる。これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成するアクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、などのアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらアクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうちでも、スチレン系単量体と共重合し易く、成形性が良い点から、アクリル酸ブチルが好ましい。
本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子を構成する基材樹脂における単量体組成は、スチレン系単量体90重量%以上99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下(スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体の合計量が100重量%)であり、より好ましくは、スチレン系単量体94重量%以上96重量%以下、アクリル酸エステル4重量%以上6重量%以下である。
基材樹脂における単量体組成において、アクリル酸エステル系単量体が10重量%超となると、特に高発泡化させた際に、成形体の収縮が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えが悪化する傾向がある。また、アクリル酸エステル系単量体が1重量%未満となると、低温での発泡が困難となる(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得る為に必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。
なお、基材樹脂における単量体組成に関しては、重合法としてシード懸濁重合法を実施する場合には、シードとなる樹脂粒子中の単量体組成も単量体組成に反映させる。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される溶剤及び可塑剤の合計は、基材樹脂を100重量部とした場合に含有される溶剤及び可塑剤の合計が0.1重量部未満である。なお、本発明でいう溶剤は発泡剤と区別するため、沸点50℃以上のものをいう。
本発明において溶剤とは、例えば、へキサン、ヘプタン等のC6以上の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロオクタン等のC6以上の脂環族炭化水素、などが挙げられる。本発明において可塑剤とは、例えば、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、グリセリントリステアレート、グリセリントリカプリレート、ヤシ油、パーム油、菜種油、などが挙げられる。
これら溶剤及び可塑剤は、型内成形の加熱工程では可塑効果により樹脂を軟化させ、更に気化膨張することで発泡成形に必要な内圧を保持する役目となる。しかしながら、分子が大きく加熱工程終了後にも発泡体内に残留していることから、冷却工程でも内圧を保持し、長い冷却時間を余儀なくされる。仮に、内圧が保持した状態で冷却を終了し発泡体を金型から離型すると、内圧により成形体が所望の形状を維持できず不良品となってしまう。従って、これら溶剤及び可塑剤は冷却時間の短縮を阻害しているため、使用量を0.1重量%以下とすることが生産性を高めていくためには、好ましい。
また、予備発泡工程及び型内成形の加熱工程で気化しない可塑剤についても、成形体の強度を低下させるか若しくは、樹脂を軟化させ収縮の原因となるため、使用量を0.1重量%以下とすることが、好ましい。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子中に含有される未反応の単量体成分は、0.3重量%未満である。含有される未反応の単量体成分は、発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡して得られる発泡成形体から揮発する傾向があり、特に含有される単量体成分が0.3重量%以上では、医療分野あるいは直接食品に接触する包装材料分野、もしくは自動車や建築の部材向けには好ましくないばかりか、冷却工程において冷却時間の短縮を阻害する傾向がある。
含有される未反応の単量体成分量は、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量と重合温度の組み合わせにより、制御することができる。例えば、開始剤の使用量を多くする、重合温度を高くすることにより、未反応の単量体成分を下げることができる。
本発明にて用いられる発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素、メチルクロライド、ジクロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これら発泡剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これら発泡剤のうちでも、ブタンが、発泡力が良好である点から、必須である。
本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子に含有されるブタン総量を100重量%とした場合に、イソブタンの比率は、35重量%以上70重量%以下が好ましく、より好ましくは、40重量%以上60重量%以下である。イソブタンの比率が35重量%未満では、保管期間中にブタンが逸散しブタン総量が減少することで使用期間が短くなる傾向がある。イソブタンの比率が70重量%超では、成形体の粒子の間隙が埋まり辛く表面美麗性を損なう傾向がある。
本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子に含有されるブタンの総量は、発泡性熱可塑性樹脂粒子を100重量%とした場合、3.0重量%以上8.0重量%以下が好ましく、4.0重量%以上6.0重量%以下がより好ましい。発泡剤の含有量が3重量%未満では、予備発泡時間が長くなると共に、成形時の融着率が低下する傾向があり、製造コストが高くなり、経済的に不利である。発泡剤の含有量が7重量%超では、成形体が収縮し、成形体の外観を損なう傾向がある。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、ATR−FTIRにより測定された熱可塑性樹脂予備発泡粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる1600cm−1及び1730cm−1での吸光度比α(A1730/A1600)が0.09〜1.62の範囲内であり、熱可塑性樹脂予備発泡粒子中心部の赤外線吸収スペクトルから得られる吸光度比β(A1730/A1600)が0.09〜1.62の範囲内であり、αがβの1.0倍以上10倍以下であり、好ましくは1.0倍以上5.0倍以下である。
表面の吸光度比αが0.09未満では、低温での発泡が困難となる(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得る為に必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。 表面の吸光度比αが1.62超では、特に高発泡化させた際に、成形体の収縮が起こりやすくなるか、成形体表面が溶融しやすくなり、成形体の外観の見栄えが悪化する傾向がある。
中心部の吸光度比αが0.09未満では、低温での発泡が困難となる(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得る為に必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる)傾向がある。中心部の吸光度比αが1.62超では、特に高発泡化させた際に、成形体の収縮が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えが悪化する傾向がある。
表面と中心部での吸光度比の割合α/βが10より高いと、粒子内部に比べて粒子表面のアクリル酸エステルの比率が高くなり、特に高い蒸気圧(高い金型温度)で成形する際に表面溶融を起こしやすくなり、表面外観を損なう傾向にある。吸光度比の割合α/βが1.0未満であると、粒子表面のアクリル酸エステルの比率が低くなり、低い蒸気圧(低い金型温度)での成形が困難になり、表面外観が悪化する傾向にある、また、予備発泡時の加熱温度も高温となる傾向がある。
なお、赤外線吸収スペクトルから得られる1730cm−1の吸光度とは、カルボニル基のC=O間伸縮振動よる吸収スペクトルであり、吸光度(A1730)とした。赤外線吸収スペクトルから得られる1600cm−1の吸光度とは、芳香族ベンゼン環面内振動の吸収スペクトルであり、吸光度(A1600)とした。
熱可塑性樹脂予備発泡粒子における表面と中心部での吸光度比の割合α/βは、熱可塑性樹脂粒子の重合時にアクリル酸エステルを添加するタイミングを変えることにより、調整することができる。
ここで、中心部とは、熱可塑性樹脂予備発泡粒子の中心を通るように二分割した際の断面の中心部及び中心部から200μm以内の領域を含む。
本発明におけるATR−FTIRとは、ATR(Attenuated Total Reflection)法を利用したFTIRである。ATR法とは、屈折率の高い結晶を試料表面に圧着し、全反射条件を用いて試料表面を高感度に測定でき、透過法と類似のスペクトルを簡便に得ることができる手法であり、光を透過しない、高分子厚膜、樹脂、塗膜、紙、糸など一般的な工業材料の分析に広く用いられている。
一般に、光は、試料と高屈折率結晶の界面で反射するのではなく、ある深さだけ試料側に入り込んでから全反射する。このとき、試料に吸収のない波数領域においては、光は全反射するが、吸収のある領域においては100%全反射するのではなく、吸収の強さに応じて全反射光の強度が落ちる。この反射エネルギーを測定することにより、全反射スペクトルが得られる。
ただし、光のもぐりこみ深さ(測定深度)は、使用する高屈折率結晶の屈折率、試料の屈折率、測定光の入射角、測定光の波数によって大きく変化するため、これらのパラメーターを特定しないと、測定結果は比較できない。ATR法における測定深度には波数依存性があり、低波数ほど測定深度が深く、吸収強度が大きくなる。したがって、透過スペクトルとの比較の場合には補正が必要となる。
本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子の重量平均分子量Mwとしては、22万以上31万以下が好ましく、22万以上28万以下がより好ましい。発泡性スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量Mwが22万未満では、発泡成形体とした際の強度が低くなるばかりか、成形体表面が溶融しやすく、外観を損なう傾向があり、また、31万超では、発泡性が低くなり、成形性が悪化する(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得る為に必要な加熱温度、融着性に優れる成形体を得る為に必要な成形温度が高くなる)傾向がある。
重量平均分子量Mwは、熱可塑性樹脂粒子を重合する際の開始剤の使用量と重合温度の組み合わせにより、制御することができる。例えば、開始剤の使用量を多くする、および/または、重合温度を高くすることにより、Mwを低くすることができる。
ここで、本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミェーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と略す場合がある)を用いて、後述する条件にて測定した値である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、該発泡性熱可塑性樹脂粒子から得られる発泡成形体の切断面の気泡の平均弦長が70μm以上120μm以下である。好ましくは80μm以上110μm以下である。
平均弦長が70μm未満では、発泡体を構成するセルの膜厚みが薄くなり、内部融着及び表面性が低下する傾向がある。平均弦長が120μm超では、破壊強度(例えば、JIS A9511の曲げ強度や箱状成形体底割強度など)の破断点変位が短くなり、脆い成形体となる傾向がある。
発泡体の切断面の気泡の平均弦長は、造核剤量によって制御することができる。例えば、造核剤を多くすると平均弦長は小さくなり、造核剤を少なくすると平均弦長は大きくなる。
本発明において用いられる造核剤としては、例えば、メタクリル酸メチル系共重合体、ポリエチレンワックス、タルク、脂肪酸ビスアマイド、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、等が挙げられる。脂肪酸ビスアマイドの具体的例としては、メチレンビスステアリルアマイド、エチレンビスステアリルアマイド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法としては、水性媒体中にて懸濁重合法により得られる粒子に発泡剤を含浸する方法、水性媒体中にて塊状重合等により製造されたペレットに発泡剤を含浸する方法、のいずれの方法によっても得ることができる。
これらの中でも、真球状の樹脂粒子を得ることができ、さらに、重合工程と発泡剤含浸工程を一貫して行って発泡性熱可塑性樹脂粒子が得られる点から、工業生産性も良い懸濁重合法により製造することが好ましい。より好ましくは、種粒子に単量体混合物を吸収させ、吸収させた後または吸収させつつ単量体混合物の重合を行うことにより樹脂粒子を得るシード重合法ではなく、単量体混合物を重合開始剤の存在下にて懸濁重合させて樹脂粒子を得る懸濁重合法である。 すなわち、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法としては、スチレン系単量体およびアクリル酸エステル系単量体を懸濁剤、重合開始剤および、必要に応じて、その他の添加剤の存在下で重合反応を開始し、懸濁重合中に発泡剤を添加する、または、重合後に発泡剤を含浸させる方法が好ましい。
本発明における懸濁重合法において用いられる懸濁剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や第三燐酸カルシウム、ビロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質、等が挙げられる。難溶性無機物質を用いる場合は、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のア二オン界面活性剤を併用することにより、懸濁安定効果は増大させることができる。また、水溶性高分子と難溶性無機物質の併用も効果的である。
本発明における懸濁重合法において用いられる重合開始剤としては、一般に熱可塑性重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の代表的なものとしては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウロイルパーオーキサイド−t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキシルカーボネートなどの過酸化物があげられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の懸濁重合法における重合開始剤の使用量は、単量体全重量100重量部に対して、0.01重量部以上3重量部未満が好ましい。重合開始剤の使用量が0.01重量部未満では重合速度が遅くなる傾向があり、逆に、3重量部を超えると、重合反応が早く制御が困難になる傾向がある。
本発明の懸濁重合時に添加可能な添加物として外添剤、難燃剤、難燃助剤、等を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用してもよい。
本発明において用いられる難燃剤および難燃助剤としては、公知慣用のものが使用できる。
難燃剤の具体例としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系化合物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノール等の臭素化フェノール類、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、2,2−ビス[4'(2”,3”−ジブロモアルコキシ)−3',5'−ジブロモフェニル]−プロパン等の臭素化フェノール誘導体、臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、臭素化ランダムスチレン・ブタジエン共重合体、臭素化スチレン・ブタジエングラフと共重合体などの臭素化ブタジエン・ビニル芳香族炭化水素共重合体(例えば、Chemtura社製EMERALD3000、及び、特表2009−516019号公報に開示されている)などが挙げられる。これら難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
難燃助剤の具体例としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン等の開始剤を使用してもよい。
本発明において用いられる外添剤及び添付剤としては、公知慣用のものが使用できる。
外添剤及び添付剤の具体例としては、例えば、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、リノール酸トリグリセライドなどの脂肪酸トリグリセライド、ラウリン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、リノール酸ジグリセライドなどの脂肪酸ジグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、リノール酸モノグリセライドなどの脂肪酸モノグリセライド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンパルミテート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレエート等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。これら外添剤及び添付剤は単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。また、これら外添剤及び添付剤は発泡剤含浸時に水系に添加してもよいし、脱水後に若しくは乾燥後に添加し被覆してもよく、被覆方法によらない。好ましい被覆方法は、乾燥後に添付し、混合撹拌することにより被覆する方法である。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、これを予備発泡させ、その後、それを加熱発泡させ、発泡成形体とする。
予備発泡方法としては、例えば、円筒形の予備発泡装置を用いて、蒸気等で加熱して発泡させる等の、通常の方法を採用することができる。
予備発泡時の発泡温度(缶内温度)は、吹き込み蒸気圧及びエアー量により適宜調整されるものであるが、通常101〜105℃程度であるが、本発明においては、97〜100℃程度の低温においても予備発泡が可能となる。
予備発泡粒子を発泡成形させる方法としては、例えば、金型内に予備発泡粒子を充填し、蒸気等を吹き込んで加熱する方法により発泡成形体を得る、いわゆる型内発泡成形法、等の通常の方法を採用することができる。
型内成形時の吹き込み蒸気圧としては、通常0.7〜0.9kgf/cm程度であるが、本発明においては、0.3〜0.8kgf/cm程度においても成形が可能となる。
型内成形時の金型温度としては、吹き込み蒸気圧により適宜調整されるものであるが、通常113〜117℃程度であるが、本発明においては、105〜115℃程度とより低温においても成形が可能となる。
以上のように、本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、予備発泡時および型内発泡成形時のどちらにおいても、従来よりも低温で実施することが可能であり、より省エネルギーに適した樹脂である。
以下に、実施例および比較例を挙げるが、本発明は、これらによって制限されるものではない。
なお、測定評価法は、以下の通りに実施した。
<吸光度比(A1730/A1600)の測定>
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子の吸光度比は、予備発泡粒子を任意に10個採取し、それぞれ予備発泡粒子の表面と中心部に対して、以下の条件にて、ATR法赤外分光分析を行って、赤外吸収スペクトルを得た。
装置 :FTIR[(株)島津製作所製、FTIR−8400S]に、1回反射型全反射(ATR)測定装置[PIKE社製、MIRacle]を接続
ATRプリズム(高屈折率結晶種):セレン化亜鉛(ZnSe)
入射角 :45°
測定領域 :4000cm−1〜600cm−1
検出器 :DLATGS
もぐり込み深さ:1.66
反射回数 :1回
分解能 :4cm−1
積算回数 :20回
その他 :試料と接触させずに測定した赤外線吸収スペクトルをバックグラウンドとして、測定スペクトルに関与しない処理を実施した。
なお、ATR法では、試料と高屈折率結晶の密着度合いによって測定で得られる赤外線吸収スペクトルの強度が変化するため、696cm−1の吸光度(A696)が0.08〜0.12となるように、試料と高屈折率結晶の密着度合いを調節して測定する。
ここで、予備発泡粒子の表面を測定する場合は、粒子表面をそのままATRプリズムに密着させて測定した。予備発泡粒子の中心部を測定する場合は、剃刀を用いて、予備発泡粒子の中心を通るように二分割し、二分割した切片の断面をATRプリズムに密着させて測定した。
ここで、中心部とは、熱可塑性樹脂予備発泡粒子の中心を通るように二分割した際の断面の中心部及び中心部から200μm以内の領域を意味する。
以上のようにして得られた赤外線吸収スペクトルから、1600cm−1の吸光度(A1600)と1730cm−1の吸光度(A1730)との吸光度比(A1730/A1600)を求める。本発明では、任意の10個の予備発泡粒子の表面および中心部において、ATR−FTIR測定を行い、最小の吸光度比と最大の吸光度比を除外する。そして、残余8個の吸光度比の相加平均を、吸光度比((A1730/A1600)とした。得られた表面の吸光度比α(A1730/A1600)と中心部の吸光度比β(A1730/A1600)から、以下の式にて表面と中心部との吸光度比を算出した。
表面と中心部との吸光度比の割合=α(表面)/β(中心部)。
<発泡剤含有量および単量体成分の測定>
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子中の発泡剤含有量および単量体成分は、 発泡性熱可塑性樹脂粒子1.0gをジクロロメタン20mlに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)0.005gを加えた後、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定した。
GC:島津製作所社製 GC−14B
カラム:PEG−20M 25%
Chromosorb W 60/80(3.0m×3.0mmI.D.)
カラム温度:110℃
検出器(FID)温度:170℃。
<GPC測定>
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子に対して、発泡性熱可塑性樹脂粒子0.02gをテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略す場合がある)20mlに溶解させた後、ゲルパーミェーションクロマトグラフ(GPC)を用いて、以下の条件にてGPC測定を行い、GPC測定チャートおよび、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を得た。尚、得られた値はポリスチレン換算の相対値である。
測定装置:東ソー社製、高速GPC装置 HLC−8220
使用カラム:東ソー社製、SuperHZM−H×2本、SuperH−RC×2本
カラム温度:40℃、移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流量:0.35ml/分、注入量:10μl
検出器:RI。
<予備発泡及び成形評価>
乾燥・脱水後に得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子を篩分けして、粒子径0.6mm〜1.2mmの発泡性熱可塑性樹脂粒子を分取し、ポリエチレン袋に入れ袋を閉じた状態で蓋付のステンレス缶に入れた状態で20℃以下で3日間保管した後、予備発泡を実施した。また、予備発泡後は常温で1日放置して養生乾燥した後、成形評価を実施した。
ビーズライフを評価する場合は、粒子径0.6mm〜1.2mmで篩った発泡性熱可塑性樹脂粒子を袋に入れ、袋の口を開けた状態で35℃に設定した乾燥機に1週間保管した後、予備発泡を実施し、常温で1日放置して養生乾燥した後、成形評価を実施した。
<予備発泡時の缶内温度測定>
円筒形の予備発泡機[大開工業製、BHP]の側面から温度計を挿入し、予備発泡時の缶内温度を測定した。
<成形性評価>
成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、底面厚み30mm、側面厚み25mmで長さ550mm×幅350mm×高さ120mmサイズの箱形形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.3〜0.8kgf/cmの範囲内で変化させた成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡成形品を得た。
得られた熱可塑性樹脂発泡体は、室温で24時間乾燥させた後、下記の発泡粒子間の表面性および融着性がどちらも合格になる、最低の吹き込み水蒸気圧吹き込み水蒸気圧を求めて、成形可能な蒸気圧範囲とした。また、最低の吹き込み水蒸気圧および最高の吹き込み水蒸気圧での金型温度を求めた。放冷時間は成形可能な蒸気圧範囲で最も低い蒸気圧での放冷時間を測定し、49秒以下を生産性の観点から合格とした。 尚、表1には吹き込み蒸気圧0.4kgf/cmでの融着性と表面性の評価結果を示す。
(1)融着性評価
得られた熱可塑性樹脂発泡体を破断し、破断面を観察して、粒子界面ではなく、粒子が破断している割合を求めて、以下の基準にて、融着性を判定した。
◎:粒子破断の割合が90%以上。
○:粒子破断の割合が80%以上、90%未満。
△:粒子破断の割合が70%以上、80%未満。
×:粒子破断の割合が70%未満。
(2)表面性評価
得られた熱可塑性樹脂発泡体の表面状態を目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
◎:表面の溶融、粒間が無く、非常に美麗。
○:表面の溶融、粒間が少なく、美麗。
△:表面の溶融、粒間があり、外観やや不良。
×:表面の溶融、粒間が多く、外観不良。
<強度測定>
上記成形性評価の通り成形を行い、吹き込み蒸気圧0.4kgf/cmでの強度を測定した。
測定装置:Minebea製 TECHNO GRAPH TG−50kN
測定条件:棲側(把手方向)を破壊するまで引張り、最高強度と破断までの変位を求める。
試験スピード=500mm/min、引張冶具の接触部=50×30mm
得られたデータを以下の基準にて評価した。
◎:最高強度が16kgf以上、かつ、破断変位が55mm以上
○:最高強度が16kgf以上、または、破断変位が55mm以上
×:最高強度が16kgf未満、かつ、破断変位が55mm未満。
<ビーズライフの評価>
粒子径0.6mm〜1.2mmで篩った発泡性熱可塑性樹脂粒子を袋に入れ、袋の口を開けた状態で35℃に設定した乾燥機に1週間保管した。該粒子を加圧式予備発泡機[大開工業製、BHP]を用いて、吹き込み蒸気圧0.8kgf/cm2の条件にて嵩倍率70倍に予備発泡を実施し、以下の基準にて評価した。
◎:嵩倍率70倍に予備発泡可能であり、良好な(融着性、表面性、強度の3つの評価が全て○以上となる)
成形体を得ることができ、かつ、そのときの吹き込み蒸気圧が0.4kgf/cm以下である。
○:嵩倍率70倍に予備発泡可能であるが、良好な成形体を得ることができるが、
良好な成形体を得ることが出来る吹き込み蒸気圧が0.4kgf/cm超である。
△:嵩倍率70倍に予備発泡可能であるが、良好な成形体を得ることができない。
×:嵩倍率70倍まで予備発泡できない。
<発泡成形体の切断面の平均弦長測定>
発泡成形体の平均セル径は、発泡成形体の切断面をマイクロスコープで観察し、切断面の一直線上(60mm)にかかる気泡数から平均弦長を測定し、平均セル径とした。
平均弦長t=線長/(気泡数×写真の倍率)。
(実施例1) <発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造>
撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水100重量部、リン酸三カルシウム0.2重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.01重量部および、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.25重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.17重量部及び、造核剤としてポリエチレンワックス0.07重量部を仕込んだ。続いて、250回転/分で撹拌しながら、スチレン単量体95重量部、アクリル酸ブチル単量体5重量部を仕込んだ後、98℃まで昇温させた。引き続き、98℃にて4時間保持して、熱可塑性樹脂粒子を得た。
次いで、発泡剤としてイソブタン比率50重量%のブタンを合計7重量部をオートクレーブ中に圧入し、再び120℃まで昇温させた。その後、120℃にて2時間保温した後、室温まで冷却して、オートクレーブから重合スラリーを取り出した。取り出した重合スラリーを洗浄、脱水・乾燥することにより、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。
<予備発泡粒子の製造>
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子を篩分けして、粒子径0.6mm〜1.2mmの発泡性熱可塑性樹脂粒子を分取した。
分取した発泡性熱可塑性樹脂粒子を、加圧式予備発泡機[大開工業製、BHP]を用いて、吹き込み蒸気圧0.8kgf/cmの条件にて嵩倍率65倍に予備発泡を実施した。この際、吹き込み蒸気にはエアーを切り込ませて、吹き込み蒸気温度を調節した。その後、常温下で1日放置して、養生乾燥を行った。
<型内発泡成形体の製造>
得られた熱可塑性樹脂予備発泡粒子を、成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、底面厚み30mm、側面厚み25mmで長さ530mm×幅330mm×高さ120mmサイズの箱形形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.3〜0.8kgf/cmの成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡成形体を得た。
得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子および発泡成形体を用いて評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例2)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体98重量部およびアクリル酸ブチル単量体2重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例3)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体91重量部およびアクリル酸ブチル単量体9重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例4)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体97重量部及びアクリル酸ブチルを0重量部に変更し98℃で4時間重合した後、アクリル酸ブチル3重量部を添加し、更に1時間98℃で維持し重合を完結させた以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例5)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ブタンの添加量を4.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例6)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ブタンの添加量を10重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例7)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ベンゾイルパーオキサイド0.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例8)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ベンゾイルパーオキサイドを0.15重量部及び1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを0.25重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例9)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ポリエチレンワックスを0.05重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例10)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ポリエチレンワックスを0.09重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例11)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、脱水後にポリオキシエチレンセシルエーテル0.03重量部を水溶液の状態で添付し乾燥した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例12)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、添加したブタンのイソブタン比率を35重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例13)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、添加したブタンのイソブタン比率を70重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例1)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、重合開始時の単量体組成を、アクリル酸ブチル単量体を使用しないでスチレン単量体100重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例2)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体89重量部およびアクリル酸ブチル単量体11重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例3)
<ポリスチレン系樹脂種粒子の製造>
攪拌機を具備した反応器に、純水100重量部、第3リン酸カルシウム0.4重量部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.01重量部、塩化ナトリウム0.5重量部及び造核剤としてポリエチレンワックス0.07重量部を入れて攪拌して水懸濁液とした後、スチレン単量体100重量部に重合開始剤として,ベンゾイルパーオキサイド0.2重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.2重量部を溶解し、反応器に加え、98℃に昇温してから4.5時間かけて重合した。次いで、110℃に昇温して1時間保持した後冷却して、その内容物を取り出し脱水・乾燥し、篩い分けして粒子径0.425〜0.500mmのポリスチレン系樹脂種粒子を得た。
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造>
6Lオートクレーブ中にて、水87重量部に、第3リン酸カルシウム0.6重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.01重量部、ポリスチレン系樹脂種粒子の製造で得られたポリスチレン系樹脂種粒子10重量部を懸濁させ、スチレン単量体8重量部およびアクリル酸ブチル単量体2重量部に重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.1重量部を溶解させた溶液を添加した。その後、得られた水性懸濁液を90℃まで昇温し、30分間維持することでポリスチレン系樹脂粒子にスチレン溶液を含浸させた。
更に90℃を維持して撹拌しながら、スチレン単量体80重量部およびベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を7時間かけて反応系中に滴下して重合を行った後、90℃で1時間保持して熱可塑性樹脂粒子を得た。
以降の予備発泡粒子の製造、型内発泡成形体の製造に関しては、実施例1と同様の操作により、被覆粒子、予備発泡粒子および発泡成形体を得た。それぞれの評価結果を、表1に示す。
(比較例4)
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
熱可塑性樹脂粒子の重合において、6Lオートクレーブ中に水87重量部に、第3リン酸カルシウム0.6重量部、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ0.01重量部、得られたポリスチレン系樹脂種粒子10重量部を懸濁させ、スチレン単量体10重量部に重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.1重量部を溶解させた溶液を添加した。その後、水性懸濁液を90℃まで昇温し、30分間維持することでポリスチレン系樹脂粒子にスチレン溶液を含浸させた。
更に90℃を維持し撹拌しながら、スチレン単量体60重量部とベンゾイルパーオキサイド0.3重量部を5時間かけて反応系中に滴下して重合を行った後、スチレン単量体12重量部およびアクリル酸ブチル8重量部を2時間かけて反応系中に滴下して重合を行った後、90℃で1時間保持して熱可塑性樹脂粒子を得た。
以降の予備発泡粒子の製造、型内発泡成形体の製造に関しては、実施例1と同様の操作により、被覆粒子、予備発泡粒子および発泡成形体を得た。それぞれの評価結果を、表1に示す。
(比較例5)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体99.6重量部およびアクリル酸ブチル単量体0.4重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例6)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において熱可塑性樹脂粒子を得た後、シクロヘキサン0.5重量部を追加した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例7)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において熱可塑性樹脂粒子を得た後、シクロヘキサン1.0重量部を追加した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例8)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において重合開始時にヤシ油0.5重量部を追加した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例9)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において重合開始時にヤシ油1.0重量部を追加した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例10)
泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ブタンの添加量を3.4重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例11)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ブタンの添加量を11重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例12)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、ベンゾイルパーオキサイドの添加量を0.27重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの添加量を0.17重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例13)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、添加したブタンのイソブタン比率を30重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例14)
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において、添加したブタンのイソブタン比率を80重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
Figure 0006424037

Claims (9)

  1. 単量体組成が、スチレン系単量体90重量%以上99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下(スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体の合計量が100重量%である)である熱可塑性樹脂を基材樹脂とする発泡性熱可塑性樹脂粒子であって、
    溶剤及び可塑剤の合計が上記基材樹脂100重量部に対して0.1重量部未満であり、
    未反応の単量体成分が0.3重量%未満であり、
    発泡剤として、イソブタンの比率が35重量%以上70重量%以下であるブタンが、3.0重量%以上8.0重量%以下、であることを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  2. ATR−FTIRにより測定された熱可塑性樹脂予備発泡粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる1600cm−1及び1730cm−1での吸光度比α(A1730/A1600)が0.09〜1.62の範囲内であり、熱可塑性樹脂予備発泡粒子中心部の赤外線吸収スペクトルから得られる吸光度比β(A1730/A1600)が0.09〜1.62の範囲内であり、αがβの1.0倍以上10倍以下であることを特徴とする、請求項1記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  3. アクリル酸エステル系単量体がアクリル酸ブチルであることを特徴とする、請求項1または2記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  4. 発泡性熱可塑性樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィー測定から得られる重量平均分子量(Mw)が22万以上31万以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を、発泡させてなることを特徴とする、熱可塑性樹脂予備発泡粒子。
  6. 予備発泡時の発泡温度(缶内温度)が、97〜100℃であることを特徴とする、請求項5記載の熱可塑性樹脂予備発泡粒子。
  7. 請求項5または6に記載の熱可塑性予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする、熱可塑性樹脂発泡体。
  8. 発泡成形体の切断面の気泡の平均弦長が70μm以上120μm以下であることを特徴とする、請求項7に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  9. 型内成形時の金型温度が、105〜115℃であることを特徴とする、請求項7または8記載の熱可塑性樹脂発泡体。
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