JP6600541B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレンを使用した発泡性ポリスチレン樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体の製造方法に関する。
発泡性樹脂粒子として発泡性ポリスチレン樹脂粒子が良く知られている。発泡性ポリスチレン樹脂粒子は型内発泡成形により容易に成形体を得ることができ、安価であることから一般的に広く利用されている。
特に、近年の環境問題への関心の高まりから、より省エネルギーへの要望が高まっており、予備発泡および型内成形時の温度を低温にすることにより、少ない蒸気使用量で予備発泡粒子が得られ、成形時間を短縮できる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が求められている。又、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造においても、生産性を高めるためにも、生産サイクルを短縮することが求められている。
これまで、低温での予備発泡や、成形時の成形時間短縮した省エネルギーの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、可塑剤、共重合などの手法がとられてきたが、いずれも揮発性の溶剤(シクロヘキサンなど)を使用しているため成形時の冷却時間を同時に短縮することができなかった。
予備発泡、成形時の省エネの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、特許文献1、特許文献2では、スチレン系単量体とアクリル酸エステルとの共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提案しているが、これらの手法においては、樹脂への可塑効果と発泡力向上のためにシクロヘキサンを使用しているため、少ない蒸気量で成形することができるが、冷却時間を短縮するには至っていなかった。
一方で、発泡性ポリスチレン樹脂粒子の主原料であるスチレンの製造過程で副産物として生成するフェニルアセチレンは、スチレンの重合において、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレンが多いと、最終製品中の残存スチレン量が多くなる。
現状では、最終製品の残存スチレン量を低減させるために、低濃度フェニルアセチレン量である高コストのスチレンを使用したりしているが、フェニルアセチレンが50ppm以上含有するスチレンを用いた場合は、重合時間を延長させたりして、残存スチレン量を低減させており、生産サイクルが長くなっているのが実情である。
このような中で、残存スチレン量を低減する方法が種々開示されている。例えば、特許文献3では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造において、10時間半減期温度が100℃以上110℃以下である開始剤として、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ジ−(t−アミルパーオキシ)ブタンを用いて、残存スチレン量を低減しているが、フェニルアセチレンが50ppm以上含有するスチレンを用いた場合は、残存スチレン量を低減するには、長時間の反応時間が必要となり、生産サイクルが長くなる。
又、特許文献4、特許文献5では、スチレンとアクリル酸エステルの共重合体の樹脂粒子の製造では、重合開始剤として、過酸化ベンゾイルに加え、カーボネート構造を有するt−ブチルパーオキシ−2−エチルへキシルカーボネートなどを併用して残存スチレン量を低減しているが、カーボネート構造を有する開始剤を多く使用を用いた場合は、重合反応中に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の分子量を低下させてしまい、所望の分子量が得がたいといったことがある。
特許文献6では、フェニルアセチレン含有量が200ppm以下のスチレンを用いて、塊状重合により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する方法が開示されているが、水系懸濁重合で製造する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とは使用分野が異なっている。
特開2011−26509号公報 特開2012−197405号公報 特開2006−206830号公報 特開2015−140370号公報 特開2015−108040号公報 特開平5−222125号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレンを使用しても、短い重合サイクルで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が製造され、更に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡及び成形を従来よりも低温で実施することで蒸気の使用量を削減することに適した省エネの発泡性ポリスチレン系粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン単量体90重量%以上99重量%以下と、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下とからなる単量体100重量部に対して、過酸化ベンゾイル0.1重量部以上0.4重量部以下、一般式(1)に示される化合物0.01重量部以上0.2重量部以下、一般式(2)に示される化合物0.1重量部以上0.3重量部以下を、重合開始剤として重合させてなり、重合転化率が80%以上95%以下に達した時点で、発泡剤を含浸させることにより得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、単量体100重量部に対して、沸点50℃以上の溶剤及び可塑剤の合計が0.1重量部未満であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量%に対して、含有される単量体成分が0.3重量%未満であり、含有される発泡剤量が3.0重量%以上8.0重量%未満であることを特徴とする、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
Figure 0006600541
(式中のRは、アルキル基、Rは分岐鎖又は直鎖のアルキル基を表す。)
Figure 0006600541
(式中のRは、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
[2]一般式(1)のR構造がメチル基あるいはエチル基であり、R構造が2−エチルヘキシル基、イソプロピル基であり、10時間半減期温度が96℃以上110℃以下であることを特徴とする[1]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[3]一般式(2)のR構造が水素基又はメチル基であり、R構造がメチル基あるいはエチル基であることを特徴とする[1]または[2]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[4]発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィー測定から得られる重量平均分子量(Mw)が22万以上31万未満であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[5]アクリル酸エステル系単量体がアクリル酸ブチルであることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、発泡させてなることを特徴とする、予備発泡粒子の製造方法。
[7]予備発泡粒子100重量%に対して、発泡剤量が2.5重量%以上4.5重量%以下であることを特徴とする、[6]に記載の予備発泡粒子の製造方法。
[8][6]または[7]に記載の予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
本発明により、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレンを使用しても、短い重合サイクルで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が製造され、更に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡及び成形を、従来よりも低温で実施することで蒸気の使用量を削減することに適した省エネの発泡性ポリスチレン系粒子を製造することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を構成する基材樹脂は、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン単量体90重量%以上99重量%以下と、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下とからなる単量体を重合したものである。
本発明に用いるスチレン系単量体としては、フェニルアセチレンを50ppm以上含有するスチレン、及び、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられる。
スチレン系単量体中に含有するフェニルアセチレンは、スチレン単量体の製造過程で副生産物として生成し、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレン量が増加すると、最終製品の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が高くなる。一方、フェニルアセチレン量が50ppm未満では、最終製品の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量が少ないが、フェニルアセチレンを除去する工程が必要となり、スチレン単量体自体のコストが高くなる。汎用スチレンと呼ばれるスチレン系単量体のフェニルアセチレン量は、50〜400ppmである。
本発明に用いるアクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、などのアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらアクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうちでも、スチレン系単量体と共重合し易く、成形性が良い点から、アクリル酸ブチルが好ましい。
本発明における発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を構成する基材樹脂の単量体組成は、スチレン系単量体90重量%以上99重量%以下、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下(スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体の合計量が100重量部)であり、より好ましくは、スチレン系単量体94重量%以上96重量%以下、アクリル酸エステル4重量%以上6重量%以下である。
基材樹脂における単量体組成において、アクリル酸エステル系単量体が10重量%以上となると、特に高発泡化させた際に、成形体の収縮が起こりやすくなり、成形体の外観の見栄えが悪化する傾向がある。また、アクリル酸エステル系単量体が1重量%未満となると、低温での発泡が困難となり、目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得る為に必要な加熱温度や融着性に優れる成形体を得るのに必要な成形温度が高くなる傾向がある。
本発明で使用される重合開始剤は、スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体の合計量が100重量部に対して、過酸化ベンゾイル0.1重量部以上0.4重量部以下、一般式(1)に示される化合物0.01重量部以上0.2重量部以下、一般式(2)に示される化合物0.1重量部以上0.3重量部以下である。
Figure 0006600541
(式中のRは、アルキル基、Rは分岐鎖又は直鎖のアルキル基を表す。)
Figure 0006600541
(式中のRは、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)。
本発明で使用される重合開始剤は、一般的には、主に樹脂を形成するための開始剤として、過酸化ベンゾイルが作用し、残存スチレン量を低下させるための開始剤として、一般式(1)、一般式(2)に示される化合物が作用し、これらの開始剤の仕込量、重合温度、重合時間、および必要とする樹脂の分子量を勘案して適宜決められる。
本発明で使用する一般式(1)で示される化合物は、Rはアルキル基、Rは分岐鎖又は直鎖のアルキル基構造をもつものであり、特に好ましくは、一般式(1)の化合物の中で、R構造がメチル基あるいはエチル基であり、R構造が2−エチルヘキシル基、イソプロピル基であり、10時間半減期温度が96℃以上110℃以下である化合物が、最終製品である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量を低減することができるため、好ましい。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(10時間半減期温度99℃)、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(98.5℃)などが挙げられる。
本発明で使用する一般式(2)で示される化合物は、好ましくは、R構造は水素基あるいはメチル基であり、R構造はメチル基あるいはエチル基をもつものであり、具体的には、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサンなどのケタール構造のものがあげられる。
過酸化ベンゾイルの使用量が0.1重量部未満であると、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の分子量が高くなる傾向があり、型内発泡成形で得られる発泡成形体の表面伸びが悪化し外観を損ない、0.4重量部を超えると、分子量が低くなる傾向があり、型内発泡成形時のサイクルが長くなる傾向がある。
前記一般式(1)に示す化合物の使用量が、0.01重量部未満では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量が高くなり、0.2重量部を超えると、樹脂の分子量が低下する傾向があり、目標の分子量調節が難しくなり、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押出機へ投入し、樹脂化するリサイクルでは、リサイクル後の樹脂粒子の分子量が大きく低下してしまう。
前記一般式(2)に示す化合物の使用量が、0.1重量部未満では発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量が高くなり、0.3重量部を超えると、残存スチレン量を低減させる効果は変わらないが、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂の分子量が低下し、型内発泡成形時のサイクルが長くなる傾向がある。
本発明で使用する単量体100重量部とした場合、含有される沸点50℃以上の溶剤及び可塑剤の合計が0.1重量部未満である。本発明において沸点が50℃以上の溶剤及び可塑剤とは、例えば、へキサン、ヘプタン等のC6以上の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロオクタン等のC6以上の脂環族炭化水素、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、グリセリントリステアレート、グリセリントリカプリレート、ヤシ油、パーム油、菜種油、などが挙げられる。
これら沸点50℃以上の溶剤及び可塑剤は、型内成形の加熱工程では可塑効果により樹脂を軟化させ、更に気化膨張することで発泡成形に必要な内圧を保持する役目となる。しかしながら、分子が大きく加熱工程終了後にも発泡体内に残留していることから、冷却工程でも内圧を保持し、長い冷却時間を余儀なくされる。仮に、内圧が保持した状態で冷却を終了し発泡体を金型から離型すると、内圧により成形体が所望の形状を維持できず不良品となってしまう。従って、これら沸点50℃以上の溶剤及び可塑剤は冷却時間の短縮を阻害しているため、使用量を0.1重量部以下とすることが生産性を高めていくためには、好ましい。
また、予備発泡工程及び型内成形の加熱工程で気化しない可塑剤についても、樹脂を軟化させ収縮の原因となるため、使用量を0.1重量部以下とすることが、好ましい。
本発明の最終製品である発泡性ポリスチレン系粒子中に含有される残存スチレン量は、0.3重量%未満であることが好ましい。残存スチレン成分は、予備発泡、型内発泡成形して得られる発泡成形体から揮発する傾向があり、特に含有される残存スチレン量が0.3重量%以上では、医療分野あるいは直接食品に接触する包装材料分野、もしくは自動車や建築の部材向けには、好ましくない。
ポリスチレン系樹脂粒子の重合反応を進め、重合転化率が80%以上95%以下に達した時点で、発泡剤をポリスチレン系樹脂粒子へ含浸させる。重合転化率が80%未満で発泡剤を添加した場合、ポリスチレン系樹脂粒子の軟化が促進され、重合系が不安定となったり、最終製品の発泡粒子のセル構造が変わり、発泡性が異なったりすることがある。一方、重合転化率が95%を超えると、重合時間が長くなり生産性が低下する。
発泡剤としてプロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタンおよびネオペンタン等の脂肪族炭化水素が挙げられ、これら発泡剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これら発泡剤のうちでも、ブタンが、発泡力が良好である点から、好ましい。
本発明における発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中に含有する発泡剤量は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量%に対して、3.0重量%以上8.0重量%未満であり、4重量%以上7重量%以下がより好ましい。発泡剤の含有量が3.0重量%未満では、予備発泡時間が長くなると共に、成形時の融着率が低下する傾向があり、製造コストが高くなり、経済的に不利である。発泡剤の含有量が8.0重量%以上では、成形体が収縮し、成形体の外観を損なう傾向がある。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中に含有する発泡剤量を調整するには、発泡剤を、単量体100重量部に対して、4.0重量以上9.0重量部未満を仕込むことが適切である。
本発明における発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量Mwとしては、22万以上31万未満が好ましく、22万以上28万未満がより好ましい。発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量Mwが22万未満では、発泡成形体とした際の強度が低くなるばかりか、成形体表面が溶融しやすく、外観を損なう傾向があり、また、31万以上では、発泡性が低くなり、成形性が悪化する(目的とする発泡倍率の予備発泡粒子を得る為に必要な加熱温度、融着性に優れる成形体を得る為に必要な成形温度が高くなる)傾向がある。
重量平均分子量Mwは、発泡性ポリスチレン系粒子を重合する際の開始剤の使用量と重合温度の組み合わせにより、制御することができる。例えば、開始剤の使用量を多くする、および/または、重合温度を高くすることにより、Mwを低くすることができる。
ここで、本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミェーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と略す場合がある)を用いて、後述する条件にて測定した値である。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、公知慣用の外添剤及び添付剤ものを、該樹脂粒子に添付し、これを予備発泡させ、その後、それを加熱発泡させ、発泡成形体とする。
外添剤及び添付剤の具体例としては、例えば、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、リノール酸トリグリセライドなどの脂肪酸トリグリセライド、ラウリン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、リノール酸ジグリセライドなどの脂肪酸ジグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、リノール酸モノグリセライドなどの脂肪酸モノグリセライド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンパルミテート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレエート等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。これら外添剤及び添付剤は単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。また、これら外添剤及び添付剤は発泡剤含浸時に水系に添加してもよいし、脱水後に若しくは乾燥後に添加し被覆してもよく、被覆方法によらない。好ましい被覆方法は、乾燥後に添付し、混合撹拌することにより被覆する方法である。
予備発泡方法としては、例えば、円筒形の予備発泡装置を用いて、蒸気等で加熱して発泡させる等の、通常の方法を採用することができる。予備発泡時の発泡温度(缶内温度)は、吹き込み蒸気圧及びエアー量により適宜調整されるものであるが、通常101〜105℃程度であるが、本発明においては、97〜100℃程度の低温においても予備発泡が可能となる。
予備発泡粒子を発泡成形させる方法としては、例えば、金型内に予備発泡粒子を充填し、蒸気等を吹き込んで加熱する方法により発泡成形体を得る、いわゆる型内発泡成形法、等の通常の方法を採用することができる。
予備発泡粒子の発泡剤量は、予備発泡粒子100重量%に対して、2.5重量%以上4.5重量%以下であることが好ましく、3.0重量%以上4.5重量%以下がより好ましい。
予備発泡粒子中の発泡剤量が2.5重量%未満では、予備発泡時間が長くなると共に、成形時の融着率が低下する傾向があり、製造コストが高くなり、経済的に不利である。一方、発泡剤の含有量が4.5重量%超では、成形体が収縮し、成形体の外観を損なう傾向がある。
型内成形時の吹き込み蒸気圧としては、通常0.7〜0.9kgf/cm程度であるが、本発明においては、0.3〜0.8kgf/cm程度においても成形が可能となる。
型内成形時の金型温度としては、吹き込み蒸気圧により適宜調整されるものであるが、通常113〜117℃程度であるが、本発明においては、105〜115℃程度とより低温においても成形が可能となる。
以上のように、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、予備発泡時および型内発泡成形時のどちらにおいても、従来よりも低温で実施することが可能であり、より省エネルギーに適した樹脂である。
以下に、実施例および比較例を挙げるが、本発明は、これらによって制限されるものではない。なお、測定評価法は、以下の通りに実施した。
<スチレン単量体中のフェニルアセチレン測定>
フェニルアセチレン量0ppmのスチレンを用いて、フェニルアセチレン量とシクロペンタノール量の比から導いたフェニルアセチレン量の検量線を作成した。
スチレンに、内部標準シクロペンタノールを溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→70℃(3℃/min)へ昇温し、70℃で30分保持後。70→170℃(10℃/min)へ昇温、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、スチレン中のフェニルアセチレン量(ppm)を定量した。
<発泡剤含有量および単量体成分の測定>
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の発泡剤含有量および単量体成分は、 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1.0gをジクロロメタン20mlに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)0.005gを加えた後、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定した。
GC:島津製作所社製 GC−14B
カラム:PEG−20M 25%
Chromosorb W 60/80(3.0m×3.0mmI.D.)
カラム温度:110℃
検出器(FID)温度:170℃。
<重合転化率の測定>
発泡剤添加直前の耐圧容器からポリスチレン系樹脂粒子を採取し、ろ紙で、樹脂粒子表面の水分を拭き取った後、上記単量体成分の測定方法に従い、ガスクロマトグラフィーにて測定した。重合転化率は、残存する単量体成分量から算出した。
<GPC測定>
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に対して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子0.02gをテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略す場合がある)20mlに溶解させた後、ゲルパーミェーションクロマトグラフ(GPC)を用いて、以下の条件にてGPC測定を行い、GPC測定チャートおよび、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を得た。尚、得られた値はポリスチレン換算の相対値である。
測定装置:東ソー社製、高速GPC装置 HLC−8220
使用カラム:東ソー社製、SuperHZM−H×2本、SuperH−RC×2本
カラム温度:40℃、移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流量:0.35ml/分、注入量:10μl
検出器:RI。
<予備発泡時の缶内温度測定>
円筒形の予備発泡機[大開工業製、BHP]の側面から温度計を挿入し、予備発泡時の缶内温度を測定した。
<予備発泡粒子中の発泡剤含有量の測定>
得られた予備発泡粒子中の発泡剤含有量は、予備発泡粒子0.5gをジクロロメタン20mlに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)0.005gを加えた後、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の発泡剤量の測定と同方法にて測定した。
<成形性評価>
成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、底面厚み30mm、側面厚み25mmで長さ550mm×幅350mm×高さ120mmサイズの箱形形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.3〜0.8kgf/cmの範囲内で変化させた成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡成形品を得た。
得られたポリスチレン系樹脂発泡体は、室温で24時間乾燥させた後、下記の発泡粒子間の表面性および融着性がどちらも合格になる、最低の吹き込み水蒸気圧吹き込み水蒸気圧を求めて、成形可能な蒸気圧範囲とした。また、最低の吹き込み水蒸気圧および最高の吹き込み水蒸気圧での金型温度を求めた。放冷時間は成形可能な蒸気圧範囲で最も低い蒸気圧での放冷時間を測定した。 尚、表1には吹き込み蒸気圧0.4kgf/cmでの融着性と表面性の評価結果を示す。
(1)融着性評価
得られたポリスチレン系樹脂発泡体を破断し、破断面を観察して、粒子界面ではなく、粒子が破断している割合を求めて、以下の基準にて、融着性を判定した。
◎:粒子破断の割合が90%以上。
○:粒子破断の割合が80%以上、90%未満。
△:粒子破断の割合が70%以上、80%未満。
×:粒子破断の割合が70%未満。
(2)表面性評価
得られたポリスチレン系樹脂発泡体の表面状態を目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
◎:表面の溶融、粒間が無く、非常に美麗。
○:表面の溶融、粒間が少なく、美麗。
△:表面の溶融、粒間があり、外観やや不良。
×:表面の溶融、粒間が多く、外観不良。
<強度測定>
上記成形性評価の通り成形を行い、吹き込み蒸気圧0.4kgf/cmでの強度を測定した。
測定装置:Minebea製 TECHNO GRAPH TG−50kN
測定条件:棲側(把手方向)を破壊するまで引張り、最高強度と破断までの変位を求める。
試験スピード=500mm/min、引張冶具の接触部=50×30mm
得られたデータを以下の基準にて評価した。
◎:最高強度が16kgf以上、かつ、破断変位が55mm以上
○:最高強度が16kgf以上、または、破断変位が55mm以上
×:最高強度が16kgf未満、かつ、破断変位が55mm未満。
(実施例1)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>
スチレン中のフェニルアセチレン量を測定し、100ppmになるように、純品のフェニルアセチレンを、スチレンに添加し調整した。撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水100重量部、リン酸三カルシウム0.2重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量部および、開始剤として過酸化ベンゾイル0.21重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.15重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.08重量部、及び、造核剤としてポリエチレンワックス0.03重量部を仕込んだ。続いて、250回転/分で撹拌しながら、フェニルアセチレン含有量100ppmのスチレン95重量%、アクリル酸ブチル5重量%(単量体100重量部)を仕込んだ後、98℃まで昇温させた。引き続き、98℃にて3.6時間重合反応させた。この時の重合転化率は90%であった。次いで、重合内温を95℃まで降温し、発泡剤としてブタン7重量部をオートクレーブ中に圧入し、再び117℃まで昇温させた。その後、117℃にて、1.7時間保温した後、室温まで冷却して、オートクレーブから重合スラリーを取り出した。取り出した重合スラリーを洗浄、脱水・乾燥することにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。表1に、重合処方、重合条件、発泡剤添加前の重合転化率及び発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の樹脂特性を示す。
<予備発泡粒子の製造>
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を篩分けして、粒子径0.6mm〜1.2mmの発泡性樹脂粒子を分取した。
分取した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、測温体が付帯している加圧式予備発泡機[大開工業製、BHP]を用いて、吹き込み蒸気圧0.8kgf/cmの条件にて嵩倍率65倍に予備発泡を実施した。この際、吹き込み蒸気にはエアーを切り込ませて、吹き込み蒸気温度を調節した。その後、常温下で1日放置して、養生乾燥を行ない、予備発泡粒子を得た。表1に、予備発泡時の缶内最高温度、予備発泡粒子中の発泡剤量を示す。
<型内発泡成形体の製造>
得られた予備発泡粒子を、成形機[ダイセン製、KR−57]を用いて、厚み25mmで長さ530mm×幅330mm×高さ120mmサイズの箱形形状の金型内に充填し、吹き込み蒸気圧0.3〜0.8kgf/cmの成型条件にて型内成形を行い、箱型の発泡成形体を得た。表1に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の成形性、発泡成形体の評価結果を示す。
(実施例2)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体98重量%およびアクリル酸ブチル単量体2重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例3)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体91重量%およびアクリル酸ブチル単量体9重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例4)
<発泡性ポリスチレン系樹脂種粒子の製造>において、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.17重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例5)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.15重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例6)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.15重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.12重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例7)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.3重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例8)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを使用せず、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.17重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例9)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合反応時間を3時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(実施例10)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合反応時間を3.9時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。
(実施例11)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、発泡剤量を4.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。
(実施例12)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、発泡剤量を8.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。
(実施例13)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、スチレン中のフェニルアセチレン量を200ppmに調整した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。
(比較例1)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合開始時の単量体組成を、アクリル酸ブチル単量体を使用しないでスチレン単量体100重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例2)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合開始時の単量体組成をスチレン単量体89重量%およびアクリル酸ブチル単量体11重量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例3)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例4)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートを0.35重量に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例5)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、ベンゾイルパーオキサイド0.45重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例6)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.35重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例7)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、重合反応時間を2.5時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作をした。しかし、発泡剤を重合機内へ圧入してから、しばらくして、重合系内が塊化した。
(比較例8)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>においてポリスチレン系樹脂粒子を得た後、シクロヘキサン0.5重量部を追加した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例9)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>においてポリスチレン系樹脂粒子を得た後、やし油0.5重量部を追加した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
(比較例10)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、発泡剤量を2.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。
(比較例11)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>において、フェニルアセチレン量が0ppm(検出しない)のスチレンを使用した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、型内発泡成形体を得た。評価結果を、表1に示す。
Figure 0006600541

Claims (8)

  1. フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン単量体90重量%以上99重量%以下と、アクリル酸エステル系単量体1重量%以上10重量%以下とからなる単量体100重量部に対して、過酸化ベンゾイル0.1重量部以上0.4重量部以下、一般式(1)に示される化合物0.01重量部以上0.2重量部以下、一般式(2)に示される化合物0.1重量部以上0.3重量部以下を、重合開始剤として重合開始時に添加して、重合させてなり、重合転化率が80%以上95%以下に達した時点で、発泡剤を含浸させることにより得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、単量体100重量部に対して、沸点50℃以上の溶剤及び可塑剤の合計が0.1重量部未満であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量%に対して、含有される単量体成分が0.3重量%未満であり、含有される発泡剤量が3.0重量%以上8.0重量%未満であることを特徴とする、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
    Figure 0006600541
    (式中のR1は、アルキル基、R2は分岐鎖又は直鎖のアルキル基を表す。)
    Figure 0006600541
    (式中のR3は、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 一般式(1)のR1構造がメチル基あるいはエチル基であり、R2構造が2−エチルヘキシル基、イソプロピル基であり、10時間半減期温度が96℃以上110℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 一般式(2)のR3構造が水素基又はメチル基であり、R4構造がメチル基あるいはエチル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のゲルパーミェーションクロマトグラフィー測定から得られる重量平均分子量(Mw)が22万以上31万未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. アクリル酸エステル系単量体がアクリル酸ブチルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、発泡させてなることを特徴とする、予備発泡粒子の製造方法。
  7. 予備発泡粒子100重量%に対して、発泡剤量が2.5重量%以上4.5重量%以下であることを特徴とする、請求項6に記載の予備発泡粒子の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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