JP5913990B2 - 予備発泡粒子の製造方法及び発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、予備発泡粒子の製造方法及び発泡成形体製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、切削加工用の発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の製造方法及び発泡成形体製造方法に関する。
発泡成形体を切削して得た模型を鋳物砂に埋め、熔湯を注入することで、模型を消失させつつ、模型と熔湯とを置換し、模型と同形状の鋳造品を製造する消失模型鋳造法が知られている。
消失模型鋳造法で使用される発泡成形体は、例えば、スチレン系重合体粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、次いで発泡性粒子を予備発泡させて予備発泡粒子を得、更に予備発泡粒子を型内発泡させることにより得ることができる。
上記のようにして得られた発泡成形体は、鋳造品に対応する形状に切削される。この切削は、例えば、手作業による切出法や、NCマシンによる切削法により行われている。
発泡成形体から得られた模型は、鋳造品の表面(鋳肌)を滑らかにするために、できるだけ凹凸が少ないことが望まれている。凹凸を抑制する技術として、特開2002−264163号公報(特許文献1)に記載の技術が知られている。この技術では、型内発泡時の型内への上記吹き出し孔の最大開孔幅と開口率とを調整することで、模型表面の凹凸を抑制できるとされている。
上記公報に記載された方法は、型内発泡時の条件を調整して、発泡粒子同士の融着率を上げることにより、切削加工により模型表面に生じる凹凸を抑制する観点から見い出された技術である。
特開2002−264163号公報
しかしながら、上記公報に記載された技術では十分ではなく、更に凹凸を抑制しうる技術の提供が望まれていた。
本発明の発明者は、発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の大きさの観点から凹凸を抑制する方法を検討した。即ち、発泡成形体は、複数の発泡粒子の融着体から構成されている。そのため、発泡粒子相互の大きさをできるだけ揃えれば、切削加工時の切削刃による負荷が均一になり、模型表面の凹凸も抑制できる。発泡粒子相互の大きさを揃えるには、予備発泡粒子の大きさを揃える必要がある。予備発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、次いで発泡性粒子を予備発泡させることにより得られる。樹脂粒子は、通常懸濁重合法により得られるが、この方法では微粉末の発生を避けることができない。また、発泡剤の含浸時や、予備発泡時に、樹脂粒子同士が凝集することによる凝集粒子が発生することがある。
発生した微粉末や凝集粒子は、ふるい分けや洗浄等により除去可能であるが、完全に除去することはコストの観点から困難である。
本発明の発明者は、上記微粉末や凝集粒子の発生の抑制が、製造コストの低減と模型表面の凹凸の抑制につながることを見出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、スチレン系単量体を種粒子が存在する水性媒体中で重合開始剤を用いてシード重合させるに際して、ビフェニル化合物を水性媒体に添加することによりスチレン系重合体粒子を得る重合工程、
前記スチレン系重合体粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る含浸工程、
前記発泡性粒子の表面を、ジメチルポリシロキサンで被覆処理した後、加熱処理して表面被覆発泡性粒子を得る被覆工程、
前記表面被覆発泡性粒子を、25℃以下で保管し、被覆工程後14日以内に予備発泡させて予備発泡粒子を得る予備発泡工程、
を含み、
前記被覆工程が、前記発泡性粒子の表面を0.01〜0.04質量部のジメチルポリシロキサンで被覆処理した後、35〜45℃の温風により15〜70分間加熱処理して前記表面被覆発泡性粒子を得る工程であり、
前記予備発泡粒子が、切削加工で製造される鋳造用消失模型用の発泡成形体の形成に使用されることを特徴とする切削加工用の発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記予備発泡粒子を発泡成形することで発泡成形体を得る方法であり、前記発泡成形体が、φ20mmのエンドミルにより、回転数8000rpm及び送り速度8m/分の条件で切削した際に、深さ1mm以上の凹み数が60個以下で表される平滑性を示すことを特徴とする切削加工用の発泡成形体の製造方法が提供される
本発明の製造方法によれば、微粉末及び凝集粒子の発生が抑制された予備発泡粒子を提供できる。この予備発泡粒子を発泡成形に使用すれば、切削により模型を得る際に、模型表面に形成される凹凸の発生をより抑制しうる発泡成形体を提供できる。例えば、φ20mmのエンドミルにより、回転数8000rpm及び送り速度の条件8m/分で切削した際に、深さ1mm以上の凹み数が60個以下で表される平滑性を示す発泡成形体を提供できる。
また、被覆工程が、発泡性粒子の表面を0.01〜0.04質量部のジメチルポリシロキサンで被覆処理した後、35〜45℃の温風により15〜70分間加熱処理して前記表面被覆発泡性粒子を得る工程であり、
前記予備発泡工程が、前記表面被覆発泡性粒子の25℃以下での保管後、被覆工程後14日以内に予備発泡させて前記予備発泡粒子を得る工程である場合、より微粉末及び凝集粒子の発生が抑制された予備発泡粒子を提供できる。
更に、ビフェニル化合物が、一般式(1)
(式中、A及びBは、同一又は異なって、水酸基及び低級アルキル基から選択される基であり、Xは、置換基を有していてもよい低級アルキレン基、−S−又は単結合であり、nは1〜4である)
で表される場合、より微粉末及び凝集粒子の発生が抑制された予備発泡粒子を提供できる。
また、ビフェニル化合物が、スチレン系単量体100質量部に対して、0.001〜0.03質量部の添加量で水性媒体に添加される場合、より微粉末及び凝集粒子の発生が抑制された予備発泡粒子を提供できる。
本発明により得られる発泡成形体は、鋳造用消失模型の製造に好適に使用できる。
実施例の温風による加熱処理に使用した装置の概略図である。
(予備発泡粒子の製造方法)
本発明の予備発泡粒子の製造方法は、スチレン系単量体を種粒子が存在する水性媒体中で重合開始剤を用いてシード重合させるに際して、ビフェニル化合物をスチレン系単量体に特定量添加することで、微粉末の発生を抑制し、加えて、発泡性粒子の表面を特定量のジメチルポリシロキサンで被覆することで、凝集粒子の発生を抑制しうることを発明者が見出したことによりなされている。なお、ビフェニル化合物は、微粉末の発生を抑制する機能を有する観点から、微粉末発生抑制剤としての機能を有する。
ここで、抑制の対象の微粉末は、製造を所望する発泡性粒子より60%程度小さい粒子径を有する粒子を意味する。また、凝集粒子とは、2以上の予備発泡粒子の凝集体を意味する。
以下、工程順に説明する。
(1)まず、スチレン系単量体を種粒子が存在する水性媒体中で重合開始剤を用いてシード重合させるに際して、ビフェニル化合物を水性媒体に添加することによりスチレン系重合体粒子を得る(重合工程)。
ビフェニル化合物は、スチレン系単量体100質量部に対して、0.001〜0.03質量部の添加量で水性媒体に添加することが好ましい。ビフェニル化合物量が0.001質量部未満の場合、微粉末発生の抑制効果が低下することがある。ビフェニル化合物量が0.03質量部より多い場合、重合が遅延することがある。より好ましいビフェニル化合物量は、0.003〜0.01質量部である。
(i)スチレン系単量体
スチレン系単量体としては、スチレン及び置換スチレン(置換基には、低級アルキル、ハロゲン原子(特に塩素原子)等が含まれる)のいずれも使用できる。置換スチレンとしては、例えば、クロロスチレン類、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。この内、スチレンが一般に好ましい。また、スチレン系単量体は、スチレンと共重合可能な他の単量体が含まれていてもよい。他の単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリル酸アルキルエステル(アルキル部分の炭素数1〜8程度、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等)、マレイン酸モノないしジアルキル(アルキル部分の炭素数1〜4程度、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、無水マレイン酸、N−フェニルマレイド、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート(アルキレンは炭素数2〜4の範囲が好ましい、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等)が挙げられる。これら混合物中、スチレン及び置換スチレンが優位量(例えば、50質量%以上)を占めることが好ましい。なお、アルキル部分の具体例は、構造異性体を含む包括記載である。
(ii)ビフェニル化合物
ビフェニル化合物は、一般式(1)
(式中、A及びBは、同一又は異なって、水酸基及び低級アルキル基から選択される基であり、Xは、置換基を有していてもよい低級アルキレン基、−S−又は単結合であり、nは1〜4である)
で表される。
上記式中、低級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ターシャリブチル等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
低級アルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の炭素数1〜4のアルキレン基が挙げられる。
低級アルキレン基の置換基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ターシャリブチル等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基等が挙げられる。
一般式(1)中、A及びBは低級アルキル基であることが好ましく、Xは低級アルキレン基又は−S−であることが好ましく、nは1又は2であることが好ましい。
具体的なビフェニル化合物としては、2,2’−メチレンビス(6−ターシャリブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−ターシャリブチル−3−メチルフェノール)等が挙げられる。これら化合物は、例えば住友化学社からスミライザーシリーズ(製品名MDP−S、BBM−S、WX−R等)として市販されている。
ビフェニル化合物は、単独で又は2種以上併用して使用できる。ビフェニル化合物は、別の水性媒体に懸濁又は乳化させた状態で添加するか、あるいは少量のスチレン系単量体に溶解し添加するか、少量のスチレン系単量体に溶解し、かつ無機系懸濁安定剤及び/又はアニオン界面活性剤を加えた水性懸濁液として添加してもよい。
(iii)シード重合
シード重合は、種粒子が存在する水性媒体中で、スチレン系単量体を攪拌により懸濁させつつ重合させる方法である。
水性媒体としては、特に限定されず、水、水と水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
また、スチレン系単量体の重合は、重合開始剤の存在下で行う。
重合開始剤としては、スチレン系単量体のスチレン系樹脂への重合を開始できさえすれば、特に限定されない。例えば、ベンゾイルパーオキサイド(73.6℃)、ラウリルパーオキサイド(61.6℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(72.1℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(104.3℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(99℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(54.6℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(98.7℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(101.9℃)、2,2−t−ブチルパーオキシブタン(103.1℃)、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート(97.1℃)等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(65℃)、アゾビスジメチルバレロニトリル(51℃)等のアゾ化合物が挙げられる。上記例示中( )内の温度は、重合開始剤の10時間半減期を得るための分解温度(以下、10時間半減期温度とする)を意味する。
上記重合開始剤は、単独で又は2種以上併用してもよい。重合開始剤は、水性媒体に予め添加しても、スチレン系単量体と同時に添加してもよい。重合開始剤を直接水性媒体中に添加すると、スチレン系単量体からなる液滴に均一に吸収されにくくなることがあるので、重合開始剤は別の水性媒体に懸濁又は乳化させた状態で添加するか、あるいは少量のスチレン系単量体に溶解し添加するか、少量のスチレン系単量体に溶解し、かつ無機系懸濁安定剤及び/又はアニオン界面活性剤とを加えた水性懸濁液として添加してもよい。
上記重合開始剤の添加量は、スチレン系単量体に対して0.05〜0.7質量%であることが好ましく、0.1〜0.5質量%であることがより好ましい。
(a)種粒子
種粒子としては、スチレンの単独重合体、スチレンと他の共重合可能な単量体との共重合体等の粒子が挙げられる。上記共重合可能な単量体としては、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はメタクリル酸と1〜8個の炭素数を有するアルコールとのエステル、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。共重合体の場合、シード重合時のスチレン系単量体の吸収性の観点から、ポリスチレン成分を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
シード重合において、種粒子の粒子径が、ある狭い範囲内にあれば得られるスチレン系重合体粒子の粒子径もよく揃ったものとなる。すなわち、予め粒子径の揃った種粒子を用いてシード重合を行うことにより、用途に応じた所望する粒子径のスチレン系重合体粒子を、例えば300〜500μm、500〜700μm、700〜1200μm、1200〜1500μm、1500〜2500μmのように狭い範囲に区分して、しかも各区分毎にほぼ100%の収率で得ることができる。そこで、種粒子としては、懸濁重合法等によって得られた重合体粒子を一旦ふるい分級し、粒子径が平均粒子径の±20%の範囲になるように調製した重合体粒子を使用できる。また、塊状重合法を経て種粒子を得ることもできる。この場合には、塊状物を粉砕し、粉砕物を所望の粒子径にペレット化して得た粒子を種粒子として使用できる。
懸濁重合法によって種粒子を得る場合は、水性媒体中で、界面活性剤を使用せずに、難水溶性リン酸塩と、水溶性亜硫酸塩及び/又は水溶性過硫酸塩との存在下、スチレン系単量体を重合させる方法(いわゆるソープフリー重合法)により種粒子を得ることが好ましい。
難水溶性リン酸塩としては、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム等が挙げられる。この内、リン酸三カルシウムが好ましい。また、難水溶性リン酸塩は、粉末又は水性スラリーの状態で使用できる。難水溶性リン酸塩の使用量は、種粒子形成用のスチレン系単量体に対して、固形分換算で0.03質量%以上であることが好ましい。0.03質量%より少ない場合、スチレン系単量体からなる液滴の分散状態を維持できないことがある。また、使用量が1質量%より多い場合でも懸濁重合は可能であるが、使用量を増やしたことによる効果がなく、加えて経済的ではない。そのため、使用量の上限は1質量%であることが好ましい。
水溶性亜硫酸塩としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が挙げられる。これら塩以外に、水に溶解し及び重合反応系内で反応して亜硫酸塩となる前駆物質も使用できる。このような前駆物質としては、水溶性のピロ亜硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜二チオン酸塩、チオ硫酸塩、スルホキシル酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これら水溶性亜硫酸塩及び前駆物質の中で、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラートが好ましい。
水溶性過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。これら塩の中で、過硫酸カリウムが特に好ましい。
また、種粒子の重量平均分子量は、200000〜350000が好ましく、より好ましくは220000〜300000の範囲である。
(b)シード重合条件
シード重合は、種粒子が存在する水性媒体中に、スチレン系単量体を連続的又は段階的に添加しつつ行うことができる。ここで、連続的とは、スチレン系単量体を切れ目なく水性媒体に添加することを意味する。添加速度は、添加時間中、常に一定の速度としてもよく、速度を変更してもよい。一方、段階的とは、添加されるスチレン系単量体を複数の区分に分け、区分と区分の間に、スチレン系単量体を添加しない時間を設けて添加することを意味する。例えば、添加している時間の合計と添加しない時間の合計の比を、1:0.5〜3とすることができる。複数の区分は、少なくとも2つ、例えば2〜10の範囲とすることができる。
スチレン系単量体は、1〜10時間内に水性媒体にその全量添加されることが好ましい。この時間内に添加されることで、安定した発泡性が得られる効果がある。より好ましい添加時間は、2〜7時間である。
ところで、重合の終点は、スチレン系単量体の添加終了時とすることもできるが、通常、添加終了時から1〜8時間程度後になる。
また、重合開始剤は、水性媒体に、1〜10時間内に連続的又は段階的にその全量添加されることが好ましい。この時間内に添加されることで、種粒子に吸収されずに残存するスチレン系単量体由来の微粉末の発生量を低減できる結果、安定した発泡性が得られる効果がある。より好ましい添加時間は、2〜7時間である。また、重合開始剤は、スチレン系単量体と共に添加されることが、より微粉末を抑制する観点から好ましい。
更に、ビフェニル化合物は、水性媒体に、1〜10時間内に連続的又は段階的にその全量添加されることが好ましい。この時間内に添加されることで、種粒子に吸収されずに残存するスチレン系単量体由来の微粉末の発生量を低減できる結果、安定した発泡性が得られる効果がある。より好ましい添加時間は、2〜7時間である。また、ビフェニル化合物は、スチレン系単量体と共に添加されることが、より微粉末を抑制する観点から好ましい。
スチレン系単量体、ビフェニル化合物はそれぞれ単独で水性媒体に添加してもよいが、ビフェニル化合物をスチレン系単量体に溶解して連続的又は段階的に添加することもできる。また、重合開始剤を使用する場合は、スチレン系単量体に溶解して連続的又は段階的に添加してもよい。
種粒子を水性媒体中に懸濁させるために懸濁安定剤を用いてもよい。懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、リン酸三カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。難溶性無機化合物を用いる場合には、通常ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤を併用してもよい。
シード重合におけるスチレン系単量体の重合開始時の温度は、60〜90℃の範囲であることが好ましい。また、所定量のスチレン系単量体を添加し終わったときの温度は、70〜120℃の範囲であることが好ましい。
シード重合に用いる種粒子の使用割合は、重合終了時のスチレン系重合体全量に対して、10〜75質量%が好ましく、より好ましくは15〜50質量%である。種粒子の使用量が10質量%未満ではスチレン系単量体を添加する際に、スチレン系重合体粒子の重合率を適正範囲に制御することが困難となり、得られる重合体が高分子量化すること、微粉末が多量に発生することで製造効率が低下すること等により、工業的に不利となることがある。逆に75質量%を越えると優れた発泡成形性が得られないことがある。
(スチレン系重合体粒子)
上記方法によれば、微粉末の含有割合が少ないスチレン系重合体粒子を得ることができる。例えば、ビフェニル化合物を使用せずに製造されたスチレン系重合体粒子と比較して、上記方法では1質量%程度微粉末の含有割合を低減できる。
また、スチレン系重合体粒子は、600〜1500μmの平均粒子径を有していることが好ましい。
(2)発泡性粒子
発泡性粒子は、上記スチレン系重合体粒子に発泡剤を含浸させることにより得られる(含浸工程)。スチレン系重合体粒子には、スチレン系重合体粒子を水性媒体から取り出した後に発泡剤を含浸してもよく、取り出さずに水性媒体に発泡剤を圧入することで発泡剤を含浸してもよい。微粉末が少ないスチレン系重合体粒子から得られた発泡性粒子は、当然ながら微粉末が少ない。また、スチレン系重合体粒子と発泡性粒子は、平均粒子径がほぼ同じである。
発泡剤としては、沸点が重合体の軟化点以下である易揮発性を有する、例えばプロパン、ブタン(n−、i−)、ペンタン(n−、i−等)、シクロペンタン、ヘキサン(n−、i−等)、HCFC−141b、HCFC−142b、HCFC−124、HFC−134a、HFC−152a等が挙げられ、これらの発泡剤は、単独もしくは2種以上を併用してもよい。発泡剤の使用量は、スチレン系重合体粒子に対して、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは2〜10質量%である。また、発泡剤の添加は、重合前、重合中、重合後のいずれの時点でもよいが、通常重合後期あるいは重合後に圧入して添加することで、スチレン系重合体粒子に含浸することが好ましい。
発泡剤と共に、発泡助剤を用いることができる。この発泡助剤としては、例えば、1気圧下における沸点が200℃以下の溶剤が挙げられる。具体的には、スチレン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族有機化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
更に、発泡性粒子には、加熱発泡時に用いられる水蒸気の圧力が低くても良好な発泡成形性を維持させるために、1気圧下における沸点が200℃を超える可塑剤、例えば、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、グリセリンジアセトモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペート等のアジピン酸エステル、ヤシ油等の可塑剤が2.0質量%未満含有されていてもよい。
溶剤、可塑剤以外に発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤、架橋剤等の発泡性粒子を製造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用してもよい。
(3)表面被覆発泡性粒子
発泡性粒子の表面を、ジメチルポリシロキサンで被覆処理した後、加熱処理することで表面被覆発泡性粒子が得られる(被覆工程)。
発泡性粒子の表面のジメチルポリシロキサンで被覆処理は、発泡性粒子100質量部に対して、0.01〜0.04質量部のジメチルポリシロキサンを用いて行うことが好ましい。使用量が0.01質量部未満の場合、凝集粒子の発生の低減効果が低くなることがある。0.04質量部より多い場合、発泡成形体の収縮や強度低下の原因となることがある。より好ましい使用量は、0.01〜0.025質量部である。
ジメチルポリシロキサンは、特に限定されないが、分子量1000〜20万程度のものが通常使用される。
得られた表面被覆発泡性粒子は、加熱処理に付される。加熱処理に付すことで、表面被覆発泡性粒子の表層部に存在する発泡剤が抜け、その結果、予備発泡粒子及び発泡成形体の表面に中心部より厚い樹脂層を形成できる。この厚い樹脂層は、発泡成形体の切削時の凹み数の低減に寄与する。加熱処理の条件は、例えば、40℃の温風で20分間処理する条件である。この条件であれば、表面被覆発泡性粒子を35〜45℃の範囲内に、15〜70分間晒すことが可能となる。
(4)予備発泡粒子
表面被覆発泡性粒子は、25℃以下で保管し、被覆工程後14日以内に予備発泡させて予備発泡粒子とされる(予備発泡工程)。被覆工程後予備発泡に付される期間が14日より長い場合、発泡性低下により融着性が低下することがある。好ましい期間は7日以内であり、より好ましい期間は3日以内である。
保管温度が25℃より高い場合、発泡性低下により融着性が低下することがある。好ましい保管温度は20℃以下であり、より好ましい保管温度は17℃以下である。なお、被覆後の保管期間が14日より長い場合や、保管温度が高い場合、融着が低下しなくとも、切削加工面が低下することがある。このメカニズムは定かではないが表面被覆発泡性粒子表面の表面被覆状態が変化することによるものと考えられる。
得られた予備発泡粒子は、微粒子と凝集粒子の発生が抑制されている。
(発泡成形体)
発泡成形体は、予備発泡粒子を成形機の型内に充填し、加熱して2次発泡させ、予備発泡粒子同士を融着一体化させることにより、所望の形状で得ることができる。成形機としては、予備発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられるEPS成形機等を用いることができる。
本発明では、予備発泡粒子中の微粉末の含有割合が小さい。よって、得られた発泡成形体は、微粉末による予備発泡粒子同士の融着が妨げられることないため、より融着性を向上できる。融着性が向上することで、発泡成形体の強度を向上できるだけでなく、予備発泡粒子の表面同士の密着性が向上することで外観も美麗な発泡成形体を提供できる。
上記外観の美麗さは、エンドミルにより切削加工された面においても維持されている。例えば、発泡成形体が、φ20mmのエンドミルにより、回転数8000rpm及び送り速度の条件で切削した際に、一定面積中の深さ1mm以上の凹み数で表される平滑性を示す。この凹みは、微粉末及び凝集粒子に対応する融着性が劣る箇所と、それ以外の箇所との切削程度の変化により生じていると考えられるが、本発明の発泡成形体は融着性が劣る箇所が少ないため、凹み数が抑制できていると考えられる。
以下、実施例を挙げて更に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。各種測定方法について以下に説明する。
<スチレン系重合体粒子及び発泡性スチレン系重合体粒子の平均粒子径>
平均粒子径は次の方法で測定する。すなわち、JIS標準ふるい目開き2360μm(7.5メッシュ)、目開き2000μm(8.6メッシュ)、目開き1700μm(10メッシュ)、目開き1400μm(12メッシュ)、目開き1180μm(14メッシュ)、目開き1000μm(16メッシュ)、目開き850μm(18メッシュ)、目開き710μm(22メッシュ)、目開き600μm(26メッシュ)、目開き500μm(30メッシュ)、目開き425μm(36メッシュ)、目開き355μm(42メッシュ)のふるいで分級し、累積重量分布曲線を基にして、累積重量が50%となる粒子径(メジアン系)を平均粒子径とする。
<表面被覆発泡性粒子の微粉末量>
抑制の対象の微粉末の粒子径は、製造を所望するスチレン系重合体粒子の平均粒子径より小さく、通常種粒子の平均粒子径より小さい。例えば、製造を所望するスチレン系重合体粒子の平均粒子径より60%小さい粒子径の粒子が微粉末に含まれる。
この実施例において、微粉末は、目開き355μmのふるいを通過する粒子、言い換えると粒子径が355μm以下の粒子とする。
<予備発泡粒子の嵩倍数>
予備発泡粒子の嵩密度は下記の要領で測定する。
まず、予備発泡粒子を500cm3、メスシリンダ内に500cm3の目盛りまで充填する。なお、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達しているものがあれば、その時点で予備発泡粒子のメスシリンダ内への充填を終了する。
次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。
そして、下記の式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
嵩倍数は嵩密度の逆数である。
なお、実施例において、発泡成形体の倍数は、嵩倍数とほぼ同じである。
<種粒子及びスチレン系重合体粒子の重量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、「GPC」という)により、スチレン系重合体粒子及び発泡性スチレン系重合体粒子の重量平均分子量の測定を行う。
GPCの測定条件
機種:HLC−8320GPC(東ソー社製)
ガードカラム:TSK guardcolum Super HZ−H 4.6mml.D.×2cmL 1本(東ソー社製)
カラム:TSK gel Super HZM−H 4.6mml.D.×15cmL 2本(東ソー社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:試薬1級テトラヒドロフラン
流速:0.175ml/min.
試料濃度:0.03質量%
注入量:50μl
<凝集粒子量>
円筒型バッチ式加圧予備発泡機にて、予備発泡粒子を得た後、目開き10mmの篩網にて
予備発泡粒子を篩い、篩網上の粒子質量を測定する。
凝集粒子量(質量%)=篩網上の粒子質量/全篩い粒子質量
<融着性>
融着性は以下の方法により測定された融着率により評価する。融着率が60%以上であれば、良好な融着性を有すると規定する。
成形された成形品の中央部50mmをニクロム線にてカットして採取する。得られたカット品の中央部より破断させ、融着したもの:粒子の中央部より破断しているもの、融着していないもの:粒子の界面が出ているもの、の粒子数を測定する。粒子数を下記式に代入することで融着率を算出する。
融着率(%)=融着した粒子数×100/全粒子数
<切削加工面の平滑性>
加工面10×10cmに深さ1mm以上の凹み数が、○:60個未満、×:60個以上。
切削加工条件
・φ20mmRエンドミル(6R−8mmフラット)を使用
・切削回転数:8000rpm
・送り速度:8m/min
実施例1
<種粒子の作製>
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器という)にリン酸三カルシウム(大平化学社製、以下同じ)120gと亜硫酸水素ナトリウム0.2g及び過硫酸カリウム0.2gを加えた。得られた混合物に、更に過酸化ベンゾイル(純度75%)140g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート30g、イオン交換水40kg及びスチレン40kgを投入した後、撹拌下で溶解及び分散させ懸濁液を形成した。次に、200rpmの撹拌下でスチレンを90℃で6時間、更に120℃で2時間重合反応させた。反応終了後、25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して平均粒子径が550μm(425〜600μmの分布)、660μm(500〜710μmの分布) であるポリスチレンからなる種粒子を得た。それぞれの種粒子の重量平均分子量は30万であった。
<スチレン系重合体粒子の作製>
次いで、内容積100リットルの反応器に、上記平均粒子径550μmの種粒子8kg、蒸留水38kg、ピロリン酸マグネシウム128g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム21g(純度25%、以下同じ)を入れた。反応器の内容物を撹拌し懸濁させた後、反応器の内温を80℃まで上げた。次いで、予め用意した蒸留水3000g、ピロリン酸マグネシウム13g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3g及びスチレン1540gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製した。この懸濁液を80℃に保持した反応器に添加し、添加終了時点から15分間、種粒子にスチレンを吸収させた。続いて、重合開始剤として純度75%のベンゾイルパーオキサイド151g(10時間半減期温度は7 3.6℃)をスチレン1890gに溶解した。得られた溶液を、蒸留水2000g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gと共にホモミキサーで攪拌して懸濁液を得た。得られた懸濁液を、80℃に保持した反応器に、674g/hrで連続して6時間かけて供給した。重合開始剤と同時に、ビフェニル化合物として2,2’−メチレンビス( 6−ターシャリブチル−4−メチルフェノール)(住友化学社製スミライザーMDP−S、以下同じ)2.4gをスチレン1890gに溶解して得た溶液を、80℃に保持した反応器に315g/hrで連続して6時間かけて供給した。重合開始剤と同時に、スチレン26.68kgを80℃に保持した反応器に4447g/hrで連続して6時間かけて供給した。引き続き80℃で1時間保持することでスチレン系重合体粒子を得た。スチレン系重合体粒子の平均粒子径は940μmであり、710〜1400μmの分布があり、微粉末量は0.2質量%であった。また、重量平均分子量は28万であった。
<発泡性粒子の作製>
蒸留水2000gにピロリン酸マグネシウム13g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム3g、トルエン200g及びジイソブチルアジペート320gを加えてホモミキサーで攪拌して分散液を調製した。上記スチレン系重合体粒子を含む反応器内に、この分散液を加えた。続いて反応器内に、発泡剤であるブタン(コスモ石油社製ブタンシルバー、イソブタン:ノルマルブタン=35:65、以下同じ)3860gを圧入した。圧入後、80℃で8時間保持し、次いで20℃まで冷却することで発泡性粒子を得た。反応器から発泡性粒子を取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。
<表面被覆処理>
発泡性粒子を17℃以下で3日間熟成させた後、発泡性粒子40kgをタンブラーミキサーに投入し、続けて重量平均分子量が300であるポリエチレングリコール(日油社製PEG300)20g及びジメチルポリシロキサン(信越化学社製KF−96−100cs)8gを投入し、15分間タンブラーミキサーを回転させた。次に、ステアリン酸亜鉛40g、ステアリン酸トリグリセライド4g、ステアリン酸モノグリセライド20g及び12ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド28gの表面被覆処理剤をタンブラーミキサーに投入した。投入後、内容物を15分間回転させることで、表面被覆処理剤で発泡性粒子の表面を被覆した。
表面被覆発泡性粒子を、図1に示す装置を用いて、温風による加熱処理に付した。図1中、1〜3は熱電対(温度計)であり、熱電対3が粒子上部の温度を示す。4は温風の吹き込み口であり、5は排気口であり、6は表面被覆発泡性粒子であり、矢印は温風の流れを意味する。加熱処理は、予備加熱、本加熱及び抜出しとからなる。予備加熱では、約50分かけて、約20℃から約40℃へ粒子を加熱した。次に、本加熱では、40℃を20分間維持した。更に、抜出しでは、冷却せずに粒子を取り出し、17℃の保冷倉庫へ移した。
<予備発泡粒子の作製>
表面被覆処理後、表面被覆発泡性粒子を17℃で1日間保管した後、特許庁公報57(1982)−133〔3347〕周知・慣用技術集(発泡成形)P. 39記載の発泡槽上面検出器までの容積量が350リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に投入し、蒸気により加熱することにより予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の嵩倍数は60倍であった。
<発泡成形体の作製>
予備発泡粒子を、室温雰囲気下で24時間放置後、キャビティのサイズ: 高さ1840mm、幅930mm、奥行530mmの成形型を有するブロック成形機(笠原工業社製PEONY−205DS)の成形型のキャビティ内に前記予備発泡粒子を充填した。成形型を0.06MPa(ゲージ圧)の蒸気圧で60秒間加熱し、次いで成形型内圧力が− 0.01MPaになるまで冷却した。冷却後、成形型からブロック状の発泡成形体を離型し、60℃乾燥室に3日間保管した。得られた発泡成形体の融着率を測定したところ、融着率は65%であり、切削加工後の平滑性も良好であった。結果を表1に示す。
実施例2
表面被覆後の保管日数を3日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
実施例3
表面被覆後の保管日数を7日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
実施例4
表面被覆後の保管日数を14日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
実施例5
表面被覆後の保管を21℃で7日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
実施例6
表面処理でのジメチルポリシロキサン量を0.01質量%で、表面被覆後の保管日数を7日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
実施例7
表面処理でのジメチルポリシロキサン量を0.04質量%で、表面被覆後の保管日数を7日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
比較例1
ビフェニル化合物を添加せずにスチレン系重合体粒子を得、表面被覆処理工程において、ジメチルポリシロキサンを添加しないこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
比較例2
表面被覆後の保管日数を3日間としたこと以外は、比較例1と同一方法で発泡成形体を得た。
比較例3
表面被覆後の保管日数を28日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
比較例4
表面被覆後の保管を27℃で14日間としたこと以外は、実施例1と同一方法で発泡成形体を得た。
表1から以下のことが分かる。
実施例と比較例1及び2とから、ビフェニル化合物とジメチルポリシロキサンとを使用することで、微粉末量及び凝集粒子量の両方を減らすことができていることが分かる。この結果、良好な平滑性の切削加工面を与える発泡成形体が得られている。
実施例と比較例3及び4から、表面被覆発泡性粒子の保管日数を14日以内及び保管温度を25℃以下にすることで、良好な平滑性の切削加工面を与える発泡成形体が得られている。
1〜3 熱電対(温度計)、4 温風の吹き込み口、5 排気口、6 表面被覆発泡性粒子

Claims (5)

  1. スチレン系単量体を種粒子が存在する水性媒体中で重合開始剤を用いてシード重合させるに際して、ビフェニル化合物を水性媒体に添加することによりスチレン系重合体粒子を得る重合工程、
    前記スチレン系重合体粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る含浸工程、
    前記発泡性粒子の表面を、ジメチルポリシロキサンで被覆処理した後、加熱処理して表面被覆発泡性粒子を得る被覆工程、
    前記表面被覆発泡性粒子を、25℃以下で保管し、被覆工程後14日以内に予備発泡させて予備発泡粒子を得る予備発泡工程、
    を含み、
    前記被覆工程が、前記発泡性粒子の表面を0.01〜0.04質量部のジメチルポリシロキサンで被覆処理した後、35〜45℃の温風により15〜70分間加熱処理して前記表面被覆発泡性粒子を得る工程であり、
    前記予備発泡粒子が、切削加工で製造される鋳造用消失模型用の発泡成形体の形成に使用されることを特徴とする切削加工用の発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の製造方法。
  2. 前記ビフェニル化合物が、一般式(1)
    (式中、A及びBは、同一又は異なって、水酸基及び低級アルキル基から選択される基であり、Xは、置換基を有していてもよい低級アルキレン基、−S−又は単結合であり、nは1〜4である)
    で表される請求項1に記載の切削加工用の発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の製造方法。
  3. 前記ビフェニル化合物が、前記スチレン系単量体100質量部に対して、0.001〜0.03質量部の添加量で前記水性媒体に添加される請求項1又は2に記載の切削加工用の発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の製造方法。
  4. 前記加熱処理は、下から上に温風が流れる装置中で行われる請求項1〜3のいずれか1つに記載の切削加工用の発泡成形体の製造に使用される予備発泡粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の予備発泡粒子を発泡成形することで発泡成形体を得る方法であり、前記発泡成形体が、φ20mmのエンドミルにより、回転数8000rpm及び送り速度8m/分の条件で切削した際に、深さ1mm以上の凹み数が60個以下の数で表される平滑性を示すことを特徴とする切削加工用の発泡成形体の製造方法。
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