JP2001353551A - 鋳造用模型の形状データ処理方法 - Google Patents

鋳造用模型の形状データ処理方法

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JP2001353551A
JP2001353551A JP2000178646A JP2000178646A JP2001353551A JP 2001353551 A JP2001353551 A JP 2001353551A JP 2000178646 A JP2000178646 A JP 2000178646A JP 2000178646 A JP2000178646 A JP 2000178646A JP 2001353551 A JP2001353551 A JP 2001353551A
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JP2000178646A
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Yoshinori Kuroda
義徳 黒田
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造用模型(消失模型)を、加工残り部の発
生を極力抑制して最適な分割を行うことができ、鋳造用
模型作製のための作業の効率化を図ることが可能な鋳造
用模型の形状データ処理方法を提案する。 【解決手段】 本発明においては、CADシステムで作成
した製品形状の三次元コンピュータ設計データに分割面
を設定してこのデータを分割するにあたり、複数の分割
面(分割候補面)を仮定すると共に、これら各分割候補
面で分割した場合に発生する加工残り部、すなわち、こ
の製品形状データに基づいて実際の鋳造用模型を作製す
る際の切削加工において、工具によって自動的に除去す
ることができずに残留してしまう余分な箇所を、製品形
状データの段階で予め想定する。そして、この想定した
加工残り部の体積を評価して、その値が最小となるよう
に適切な分割面を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造用模型、特に
プレス金型などを鋳造により作製する際に用いる消失模
型の形状データの処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種鋳造品の製造に用いる鋳造用模型
は、従来より種々の方法で作製されている。特に近年、
コンピュータ支援設計(CAD)システムを利用した鋳造品
(製品)の設計が行われるようになり、このCADシステ
ムによって作成した製品の三次元コンピュータ設計形状
データに基づいて、製品と同形状の鋳造用模型が作製さ
れている。
【0003】鋳造用模型の中で、消失模型と呼ばれてい
るものがある。この消失模型は、製品と同形状に作製さ
れた後、砂型または石膏型に埋め込まれ、溶湯を型内部
に流し込むと、その熱によって熔解・蒸発して消失し、
それに代わって溶融金属により鋳造品が形成されるもの
である。現在、この消失模型は、主に発泡スチロールな
どの樹脂材料を切削加工して作製している。
【0004】図17は、かかる消失模型と、これを用いた
プレス金型を作製する工程を示すフローチャートであ
る。以下、その手順を説明する。まず、ステップ51で、
実際の製品(金型)と同形状の消失模型形状データをCA
Dを用いて作成する。次のステップ52で、前のステップ5
1で作成した形状データを分割し、複数の分割要素を作
成する。これは、実際の消失模型を作成する際、後述す
るように切削工具を上下左右に移動させても容易に加工
できずに残留してしまう余分な箇所(加工残り部)をで
きるだけ発生させないようにするために行うものであ
る。ここでは、図の左に示すように、形状データの横
(水平)方向に2箇所の分割面を設定し、3個の分割要
素に分割している。その後ステップ53で分割要素毎に実
際の素材(例えば発砲スチロール)を加工し、続くステ
ップ54で、得られた分割要素を結合し、仕上げ加工を行
って消失模型を完成させる。図示の例では、例えば分割
要素2を形成する際、素材を上側から工具(例えばボー
ルエンドミル)で上側から加工し、次いで、素材を上下
反対にして加工している。最後にステップ55で、この消
失模型を砂型、石膏型等に埋め込み、溶湯をこれらの型
に流し込んで鋳造品(ここではプレス金型)を作製す
る。
【0005】図18は、消失模型の形状データを分割する
際の、従来の手順を示すものである。図示の例では、形
状データ60を、特に図18(a)の楕円で囲んだ部分を考慮
して分割する場合を考える。ここで、分割するに際し、
切削工具長以下の範囲で分割を行う、加工残り部が
なるべく発生しないような分割位置を設定する、ことが
条件となる。この条件の下で、図18(b)に示すように、
工具61の工具長を考慮して、均等な間隔(高さ)で要素
〜に分割した場合、要素の加工において加工残り
部62が発生してしまう。そこで、図18(c)に示すように
新たな分割位置を設定して要素’〜’に分割する
と、加工残り部は発生しなくなる。このように、形状デ
ータを分割するに際しては、実際の加工時において加工
残り部が発生しないような要素分割を行うための分割面
の設定が必要となる。
【0006】しかしながら、こうした従来の手順におい
ては、作業者がCADシステムの画面上で形状データを見
ながら加工残り部の有無を調べていることから、加工残
り部の3次元形状や大きさ等を的確に判断することが必
ずしも容易では無く、適切な分割位置の決定が困難であ
ると言う問題がある。その結果、実際の消失金型の製作
において、発生した加工残り部を除去するための作業が
必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、加工残り部の発生を抑制しつつ適切
な分割面の設定を行うことにより効率的な設計・製作が
可能な、鋳造用模型の形状データ処理方法を提案するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、鋳造
品の製造に用いる鋳造用模型の作製における、当該模型
の三次元コンピュータ設計形状データの作成に際し、作
成した前記形状データに対して、少なくとも一箇所の加
工残り部を規定するステップと、前記形状データの、前
記各加工残り部のそれぞれの存在箇所において、当該形
状データの高さ方向に少なくとも1か所の分割候補面を
設定して、当該形状データを複数の形状要素に分割する
ステップと、前記各加工残り部を前記各分割候補面で分
割することにより、前記各形状要素に対応する加工残り
要素を規定し、これら各加工残り要素の体積を求めるス
テップと、前記各加工残り要素の体積を所定の加工残り
要素許容体積と比較し、その結果に基づいて前記分割候
補面の内から第一の仮分割面を決定するステップと、前
記各加工残り部の体積の総和を求め、その値を所定の加
工残り総許容体積と比較し、その結果に基づいて前記各
分割候補面の内から第二の仮分割面を決定するステップ
と、前記第一の仮分割面と前記第二の仮分割面とを比較
して、その結果に基づき、前記形状データの分割面を決
定するステップと、を具える、鋳造用模型の形状データ
処理方法に関するものである。
【0009】本発明による鋳造用模型の形状データ処理
方法は、CADシステムで作成した製品形状の三次元コン
ピュータ設計データに分割面を設定してこのデータを分
割するにあたり、複数の分割面(分割候補面)を仮定す
ると共に、これら各分割候補面で分割した場合に発生す
る加工残り部、すなわち、この製品形状データに基づい
て実際の鋳造用模型を作製する際の切削加工において、
工具によって自動的に除去することができずに残留して
しまう余分な箇所を、製品形状データの段階で予め想定
する。そして、この想定した加工残り部の体積を評価し
て、その値が最小となるように適切な分割面を決定する
ものである。そのため、実際の鋳造用模型作製における
加工残り部の発生を極力抑制することができ、鋳造用模
型作製のための作業の効率化を図ることが可能となる。
【0010】また本発明による鋳造用模型の形状データ
処理方法は、前記分割候補面の設定に際し、前記各加工
残り部を、所定の間隔で縦方向に分割して少なくとも一
つの縦断面部を設定し、これら各縦断面部に対してそれ
ぞれ分割候補面を設定することを特徴とする。このよう
にすることで、加工残り部の発生を抑制した分割面の設
定を、より効率的かつ効果的に行うことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0012】図1は、本発明に係る方法による鋳造用模
型の形状データの分割手順を示すフローチャートであ
る。以下、その手順を説明する。
【0013】まずステップ11において、予め作成した形
状データに対して基準Z値(Z0)を定め、この基準Z値か
らZ方向に最大分割高さ(Zmax)だけ上げた位置で前記形
状データを分割する。このとき、基準Z値は、例えば最
初の値として形状データの底面のZ座標の値(例えばZ
=0)とする。また最大分割高さの値は、通常、工具
(例えばボールエンドミル)の刃の長さに設定する。
【0014】次に、ステップ12では、前記ステップ11で
分割した形状データに対して、少なくとも一つの加工残
り部を設定する。具体的には、形状データの側面などに
凹凸部や窪み、段状等となっている箇所が存在する場合
に、当該箇所に沿って工具を上下方向に移動させたとき
に、その周辺で除去できない部分があれば、この除去で
きない部分を加工残り部とする。
【0015】ステップ13では、前のステップ12で設定し
た加工残り部に対し、水平方向にこれを分割する(すな
わち、形状データを分割する)複数の分割候補位置を設
定し、この分割候補位置によって加工残り部を分割した
後、これに対応する仮想加工残り体積を求める。その後
ステップ14で、予め設定した加工残り許容体積の値と、
前記ステップ13で求めた仮想加工残り体積とを比較し、
加工残り許容体積の条件を満足する分割位置(ZBN1)を決
定する。ここで、ZBN1は各加工残り部においてそれぞれ
一つ定まるものである。すなわち、加工残り部がn個
(nは1以上の値)存在すれば、各加工残り部に対応し
てZB11,ZB21,...,ZBn1のように求められる。な
お、加工残り許容体積の値は、予め過去に作製した金型
(消失模型)の形状や、その作製時に発生した加工残り
部の体積や、作製工数、作業時間等の情報を蓄積してお
き、これらの情報を参照して、作業対象となる形状デー
タに応じて設定するものとする。
【0016】さらにステップ15では、前記各分割候補位
置において分割された全ての仮想加工残り体積の総和を
求め、この値と、予め設定した加工総残り許容体積とを
比較し、この加工総残り許容体積の条件を満足する分割
位置(ZB2)を決定する。なお、この加工総残り許容体積
の値も、予め過去に作製した金型(消失模型)の形状
や、分割数、作製時に発生した加工残り部の体積や、作
製工数、作業時間等の情報を蓄積しておき、これらの情
報を参照して、作業対象となる形状データに応じて設定
するものとする。
【0017】そしてステップ16において、先に求めたZB
N1の値とZB2の値とを比較し、最適な条件、すなわち加
工残り部を最小とする条件を満たす分割位置ZBを決定す
る。
【0018】その後ステップ17において、前のステップ
16で求めた分割位置ZBを新たな基準Z値に設定し、続く
ステップ18で、形状データの全範囲で分割位置が決定し
たか否かを判断する。ここで、形状データの全範囲で分
割位置が決定していれば処理を終了し、形状データの全
範囲で分割位置が決定していなければ、ステップ17で求
めた新たな基準Z値により、ステップ11に戻って処理を
繰り返す。
【0019】図2および図3は、図1に示した手順をさ
らに詳細に示すフローチャートである。以下、その手順
を説明する。
【0020】まず、ステップ21で、形状データの最小Z
値(Zmin)を基準Z値に設定する。この基準Z値は、前述
したように、例えば形状データの底面のZ座標の値(例
えばZ=0)とする。また最小Z値Zminについては、予
め過去に作製した金型(消失模型)の形状や、分割数、
作製時に発生した加工残り部の体積や、作製工数、作業
時間等の情報を蓄積しておき、これらの情報を参照し
て、作業対象となる形状データに応じて設定するものと
する。続くステップ22では、先に設定した基準Z値から
最大分割高さだけZ方向に上げた位置で形状データを分
割し、ステップ23では、この分割した形状データにおい
て少なくとも一つの加工残り部を設定する。これら各ス
テップは、それぞれ図1のフローチャート中のステップ
11およびステップ12と同じ処理であり、説明は省略す
る。
【0021】次にステップ24においては、先のステップ
23で設定された全ての加工残り部に対して、後述する手
順により分割面を設定する処理が行われたか否かを判断
する。このとき、全ての加工残り部で処理が行われてい
れば、後述するステップ32(図3参照)へ進み、全ての
加工残り部で処理が完了していなければ、ステップ25へ
進む。
【0022】ステップ25においては、一つの加工残り部
について縦断面部を作成するための方向を決定する。こ
れは、形状データ(金型)の一つの面において、その長
手方向や上下方向に、例えばその一部に窪みを有する部
分や、傾斜した張り出し部分などが存在する場合に、こ
の面における加工残り部の形状も必然的に変化するた
め、これを考慮した加工残り部の体積の計算と、それに
基づく分割位置の決定が必要となるからである。なお、
方向を決定するための手順については、後に例示によっ
て具体的に説明する。続くステップ26では、ステップ25
で決定した方向に、現在参照している加工残り部につい
て縦断面部を作成する。その後ステップ27では、ステッ
プ26で設定した全ての縦断面部において後述する処理が
行われたか否かを判定し、全ての縦断面部で処理が行わ
れていればステップ30へ進み、全ての縦断面部で処理が
完了していなければ、ステップ28へ進む。
【0023】ステップ28では、先のステップ26において
作成した縦断面部の一つについて、そこでの分割候補位
置と、この分割候補位置に対応する、この縦断面部にお
ける断面加工残り要素を設定する。この断面加工残り要
素とは、前記分割候補位置において加工残り部を分割
し、この分割された加工残り部を加工しても除去できず
に残留する部分のことである。その後ステップ29におい
て、この縦断面部近傍における断面加工残り要素の体積
を求める。その後ステップ27へ戻り、全ての縦断面部で
処理が完了していればステップ30へ進み、完了していな
ければステップ28へ戻り、処理を繰り返す。
【0024】次にステップ30において、前のステップ29
で求めた各縦断面部毎の分割候補位置に対応する断面加
工残り要素の体積の総和を求め、一つの加工残り部にお
ける分割候補位置と、これに対応する仮想加工残り体積
を求める。さらにステップ31(図3参照)において、一
つの加工残り部における、仮想加工残り体積が、予め設
定した加工残り許容体積(RV1)以下となる分割候補位置
を求める。その後ステップ24へ戻り、全ての加工残り部
で処理が完了したか否かの判定を行い、完了していれば
ステップ32へ進み、完了していなければステップ25に戻
り、処理を繰り返す。
【0025】ステップ32においては、各加工残り部にお
ける分割候補位置の中から、Z値が最小となる位置を選
び、この位置を加工残り許容体積の条件を満たす分割位
置(ZBN1)とする。なお、前述したように、ZBN1は各加工
残り部においてそれぞれ一つづつ定まるものである。続
くステップ33においては、各加工残り部における各分割
候補位置および、これらに対応する仮想加工残り体積を
まとめ、形状モデル全体における全ての加工残り部にお
ける分割候補位置と、これに対応する仮想加工残り体積
の総和を求める。
【0026】その後ステップ34において、仮想加工残り
体積の総和が加工総残り許容体積(RV2)以下となる分割
候補位置を選び、この位置を加工総残り許容体積の条件
を満たす分割位置(ZB2)とする。続くステップ35におい
て、先に求めたZBN1の値とZB2の値とを比較し、最適な
分割位置ZBを決定する。なお、このときZBN1は、
【数1】Zmin≦ZBN1≦Zmax の関係を満たすものの内で最大値、すなわちZmaxに最も
近い値を取るものを選び、ZB2と比較する。
【0027】そしてステップ36では、前のステップ35で
求めた分割位置ZBを新たな基準Z値とし、ステップ37で
は形状データの全範囲で分割位置が決定したか否かの判
定を行う。その結果、形状データの全範囲で分割位置が
決定していれば処理を終了し、決定していなければステ
ップ22(図2参照)に戻る。なお、これらの各ステップ
は、図1のフローチャートにおけるステップ17およびス
テップ18とそれぞれ同じ処理である。
【0028】次に、上述した処理手順に基づく形状デー
タ分割の工程を、具体的なモデルを用いて説明する。
【0029】図4および図5は、金型の形状データの一
例を示すものであり、図4は外観を示す斜視図を、図5
(a)は一つの側面を、図5(b)は図5(a)とは反対側の側
面を、図5(c)は図4のA-A線に沿った断面図をそれぞれ
示すものである。図4および図5の形状データ40におい
ては、図5(a)に示す側面40Aには、段状をなす部分が3
箇所設けられており、その内の一つは長手方向に傾斜し
ている。また図5(b)に示す側面40Bにも、段状をなす部
分が2箇所設けられているが、これらはいずれも水平と
なっている。なお、形状データ40の他の2面は、いずれ
も段状、凹凸状などをなす部分は設けられていない、単
純な平面となっているものとする。
【0030】図6は、図4および図5に示す形状データ
を基に加工残り部を規定する手順を示すものである。な
お、以下の手順は全てCADシステムの画面上で作業者が
操作し、電子計算機によって処理されるものである。ま
ず、図6(a)に示すように、形状データ40に対して基準
Z値(Z0)および最大分割高さ(Zmax)を定義する。なお、
Zmaxの値は、前述したように、ここでは工具の刃の長さ
に設定する。次に、図6(b)に示すように、形状データ4
0から加工残り部を規定する部位、ここでは側面40Aを、
高さZ0〜Zmaxの範囲で取り出す。今、この部位のみに着
目し、素材(例えば発泡スチロール)から、工具をZ軸
方向およびY軸方向に動かすことにより、この部位の加
工を行うと仮定すると、図6(c)に断面図で示すような
加工残り部41が発生する。図6(d)は、この加工残り部4
1を取り出し、斜視図で示すものである。
【0031】図7は、先に得られた加工残り部41を縦に
分割する手順を示すものである。加工残り部の縦分割
は、基本的に、この加工残り部が、形状モデルの側面に
沿って水平に延在する方向、すなわち、形状モデルの側
面が水平に延在する長手方向、換言すればX軸またはY
軸に平行な方向に、これに垂直な切断線を規定し、この
切断線に沿って縦分割を行う。図7においては、加工残
り部41はY軸に沿って水平方向に延在しており、これに
垂直な方向、すなわちX軸に平行に切断線を規定してい
る。この手順により、加工残り部41を3本の切断線によ
って分割し、図7(b)に示すような第一の断面(断面
1)41A、第二の断面(断面2)41Bおよび第三の断面
(断面3)41Cを得る。
【0032】次に、前記各断面について断面加工残り要
素を求める手順を、図8を参照して説明する。ここで
は、先に求めた第一の断面41Aを例に取る。まず図8(a)
に示すように、第一の断面41Aの輪郭線全体より、形状
データ40の面40A(図示せず)の輪郭に対応する部分輪
郭線42を取り出す。ここで、部分輪郭線42の両端の点を
それぞれP1,P2で示す。次に、P1からP2、またはP2から
P1に向かって部分輪郭線42の形状を追跡し、この部分輪
郭線42の接線の方向が変化する、例えばZ軸方向から他
の方向へ変化する区間を求める。そして、この区間の高
さ(Z軸方向)の位置を分割候補位置と定める。例え
ば、図8(b)に示す例においては、点Pから点PPに至る区
間において、部分輪郭線42の接線方向を示すベクトル
が、Z軸に平行なベクトルPVから、X軸に平行なベクト
ルPPVへと変化している。そのため、この区間を分割候
補位置DZと定める。この手順に基づき、図8(c)に示す
ように、第一の断面41Aにおける分割候補位置として、D
1Z1〜D1Z4を定める。
【0033】上の手順で分割候補位置を定めた後、各分
割候補位置における断面加工残り要素の体積を求める。
以下、その手順を図9を参照して説明する。なお、図9
では先に定めた分割候補の内、D1Z3での場合を例として
示している。まず、第一の断面41Aを分割候補位置D1Z3
で分割し、D1Z3よりも低い位置にある部分断面43を求め
る。次に、この部分断面43に対し、仮想工具により仮想
的に加工を行った場合を仮定する。この仮想的な加工
は、工具を上から下へ、また下から上へ移動させた場合
に残留する部分、すなわち断面加工残り要素を求めるた
めに行うものである。なお、実際の処理においては、先
の分割候補位置を定めた場合と同様に、部分断面の形状
モデルの側面に対応する部分輪郭線を追跡し、この部分
輪郭線の接線の方向ベクトルが変化する区間を求めるこ
とにより行う。これにより、図9(a)に示すように、上
から加工した場合には、2箇所の残留部43A,43Bが発生
し、下から加工した場合にも残留部43Aが依然として残
留することが判明している。このように、上下いずれの
方向から加工を行っても残留する部分を断面加工残り要
素と定め、図9(b)に示すように、残留部43Aの面積に断
面分割ピッチを掛けて、分割候補位置D1Z3における断面
加工残り要素44の体積を求める。これと同様の手順によ
り、他の分割候補位置D1Z1,D1Z2およびD1Z4についても
断面加工残り要素とその体積を求める。
【0034】図10は、第一の断面41Aにおける各分割候
補位置と、これに対応する断面加工残り要素の体積を模
式的にヒストグラム状のグラフで示すものである。図の
グラフでは、分割候補位置D1Z2〜D1Z4の間に残留した断
面加工残り要素44の体積VZ1D1と、第一の断面41A全体に
所定ピッチをかけた場合の体積、すなわち第一の断面41
A全体が残った場合の体積VZ1D2とを示している。なお、
ここでは、複数の分割候補位置において断面加工残り要
素が重複した場合には、この断面加工残り要素をZ値が
高い方の分割候補位置のものであるとし、低い方につい
ては断面候補位置からは除去する。同様に、他の断面、
すなわち第二の断面41Bおよび第三の断面41Cについても
断面加工残り要素の体積を求める。その結果を図11に示
す。さらに、これら各断面における分割候補位置と、こ
れに対応する断面加工残り要素の体積をまとめた結果を
図12に示す。
【0035】次に、上述した手順により求めた分割候補
位置と、これに対応する断面加工残り要素の体積の値を
基に、加工残り許容体積の条件を満たす分割位置を決定
する。分割位置を決定するための条件は、1加工残り許
容体積(RV1)以下であり、かつ、2高さ(Z値)が最大
となることである。図13は、この条件を満たす分割候補
位置を先の図12のグラフ上で決定する場合を示すもので
ある。図13においては、加工残り許容体積(RV1)を満た
し、かつ、高さが最大の分割候補位置がS1Z4に決定され
たことを示している。同様の手順により、形状データ40
のもう一つの側面40Bについても分割位置の決定を行っ
た結果を図14に示す。ここでは、分割位置としてS2Z2が
決定されたことを示している。
【0036】さらに、形状データ全体における、全ての
分割候補位置と、これらに対応する加工残り体積の総和
より、加工総残り許容体積、すなわち形状全体において
許容される加工残り部の体積との比較を行い、このとき
の分割位置を求める。その結果を図15に示す。ここで
は、形状データ40の各側面40A,40Bにおける各分割候補
位置と、これらに対応する断面加工残り要素の体積の総
和と、加工総残り許容体積(RV2)とを比較している。こ
こでも、分割位置を決定するための条件は、加工総残
り許容体積(RV2)以下であり、かつ、高さ(Z値)が
最大となることである。図より、これらの条件を満たす
分割位置(ZB2)としてS1Z4が決定されたことがわかる。
【0037】そして、これらの結果により、最終的な分
割位置を決定する。ここでは、これまで説明した手順に
よって求められた分割位置Z1B1,Z2B1およびZB2の中か
ら、高さZmin〜Zmaxの範囲で最適な分割位置を決定す
る。例示の形状データ40においては、最終的な分割位置
はS1Z4となる。その結果を図16に示す。
【0038】以上説明したように、本発明に係る方法に
よれば、鋳造用模型(消失模型)を、加工残り部の発生
を極力抑制して最適な分割を行うことができるため、鋳
造用模型作製のための作業の効率化を図ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による鋳造用模型の形状データの分割
手順を示すフローチャートである。
【図2】 図1の手順を詳細に示すフローチャートであ
る。
【図3】 図1の手順を詳細に示す、図2から続くフロ
ーチャートである。
【図4】 金型の形状データの一例を示す斜視図であ
る。
【図5】 図4の金型の側面図および断面図である。
【図6】 図4〜図5に示す形状データにおける加工残
り部を規定する手順を示す図である。
【図7】 図6で規定した加工残り部を縦分割する手順
を示す図である。
【図8】 図7の手順により分割した断面に対して断面
加工残り要素を規定する手順を示す図である。
【図9】 断面加工残り要素およびその体積を求める手
順を示す図である。
【図10】 分割候補位置と断面加工残り要素の体積と
の関係を模式的に示すグラフである。
【図11】 分割候補位置と断面加工残り要素の体積と
の関係を模式的に示すグラフである。
【図12】 図10および図11の結果をまとめたグラ
フである。
【図13】 形状データの一つの側面における分割位置
を示すグラフである。
【図14】 形状データの他の側面における分割位置を
示すグラフである。
【図15】 図13および図14の結果をまとめ、これ
に基づいて決定した分割位置を示すグラフである。
【図16】 図4の形状データにおける最適な分割位置
を示す断面図である。
【図17】 従来の金型製作手順を示すフローチャート
である。
【図18】 従来の形状データ分割手順を示す図であ
る。
【符号の説明】
40,60 形状データ 41,45,62 加工残り部 42 加工残り部の部分輪郭線 43 加工残り部41の部分断面 44 断面加工残り要素 61 工具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造品の製造に用いる鋳造用模型の作製
    における、当該模型の三次元コンピュータ設計形状デー
    タの作成に際し、 作成した前記形状データに対して、少なくとも一箇所の
    加工残り部を規定するステップと、 前記形状データの、前記各加工残り部のそれぞれの存在
    箇所において、当該形状データの高さ方向に少なくとも
    1か所の分割候補面を設定して、当該形状データを複数
    の形状要素に分割するステップと、 前記各加工残り部を前記各分割候補面で分割することに
    より、前記各形状要素に対応する加工残り要素を規定
    し、これら各加工残り要素の体積を求めるステップと、 前記各加工残り要素の体積を所定の加工残り要素許容体
    積と比較し、その結果に基づいて前記分割候補面の内か
    ら第一の仮分割面を決定するステップと、 前記各加工残り部の体積の総和を求め、その値を所定の
    加工残り総許容体積と比較し、その結果に基づいて前記
    各分割候補面の内から第二の仮分割面を決定するステッ
    プと、 前記第一の仮分割面と前記第二の仮分割面とを比較し
    て、その結果に基づき、前記形状データの分割面を決定
    するステップと、を具える、鋳造用模型の形状データ処
    理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 前記分割候補面の設定に際し、前記各加工残り部を、所
    定の間隔で縦方向に分割して少なくとも一つの縦断面部
    を設定し、これら各縦断面部に対してそれぞれ分割候補
    面を設定することを特徴とする、鋳造用模型の形状デー
    タ処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006326683A (ja) * 2005-05-20 2006-12-07 Magma Giessereitechnologie Gmbh 製造プロセスの最適化
JP2013142106A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Sekisui Plastics Co Ltd 予備発泡粒子、発泡成形体及びそれら製造方法

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