JP2004123958A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PASの連続重合方法において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法を提供する。
【解決手段】非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、分散相であるポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用するポリアリーレンスルフィドの製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、分散相であるポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用するポリアリーレンスルフィドの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリアリーレンスルフィドの製造方法に関し、さらに詳しくは、電子・電気材料分野、自動車用分野、耐熱性材料分野において特に有用なポリアリーレンスルフィドの製造において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアリーレンスルフィド(以下、PASということがある。)、なかでも特にポリフェニレンスルフィド(以下、PPSということがある。)は、機械的強度、耐熱性,難燃性,耐溶剤性等に優れると共に、良好な電気的特性や高い剛性を有するエンジニアリングプラスチックとして知られており、自動車部品、電子・電気機器部品、機械部品の素材等の各種材料として広く用いられている。
このようなPAS樹脂は、従来、回分法により製造されていたが、近年、製造効率の改善のため等から連続重合の要請が高まっている。PASの連続重合方法としては、たとえば、特許文献1〜3に開示されているが、ここに開示される方法で得られるPASはいずれもその分子量が著しく低いという問題があった。
一方で、ポリマーの分子量の向上を目的として相分離剤(水、酢酸ソーダ、アルカリ金属塩等)を用い、ポリマー相と溶媒相の二相に分離して行う重合法が提案されている(特許文献4参照)。
【0003】
このような相分離剤を用いた連続重合の場合、重合反応液は重合槽中でポリマー相と溶媒相とに相分離した状態になり、攪拌等の剪断力の影響が及びにくい槽底部や配管中では、ポリマー相が比重差により沈降し、例えば、重合反応液を移送する間に、ポリマー相/溶媒相の組成比(濃度)を一定に保てない場合が生じ、結果として、重合槽中のポリマーの濃度が変動することにより分子量が変動し、安定した分子量のPASを製造することが困難であるという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、上記特許文献4においては、ポリマー相と溶媒相を別々に抜き出す方法が提案されているが、該方法においては、反応器形状が特殊なものを用いること、配管構造が複雑であること、流量制御が困難であること等、上記問題に対してその対応は不十分であった。すなわち、相分離剤を用いた連続重合において、重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法が要望されていた。
【0005】
そこで、本発明らは、PASの連続製造における本重合工程において、分散相であるポリマー相の液滴形状を球状とすることにより、重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法を提供することができた(特許文献5参照)。しかしながら、更なる課題が発生した。すなわち、ある条件下においては数十〜数百時間後に反応槽壁にポリマーが付着し、その結果ジャケット温度の伝熱不良が起きたり、またポリマーの付着が成長していけばいずれポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができなくなると予想できる。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4,056,515号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,060,520号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,066,632号明細書
【特許文献4】
特開平9−169844号公報
【特許文献5】
特開2002−265603号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述課題に鑑みてなされたものであり、PASの連続重合方法において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、PASの連続製造における本重合工程において、分散相であるポリマー相の液滴形状を球状とすること、及び予備重合時又は連続重合時に末端停止剤を使用することにより本発明の上記目的を効果的に達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、分散相であるポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
2.上記重合反応工程が、230〜280℃の温度で反応を行うものである前記1記載の製造方法。
3.予め、相分離剤と非プロトン性有機溶媒を反応器に仕込んだ後に連続重合を行う前記1又は2に記載の製造方法。
4.予め、非プロトン性有機溶媒中で、硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを回分重合させ分散相であるポリマー相を球状液滴とした後に連続重合を行う前記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.予め予備重合を行う前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.予備重合を180〜220℃の範囲内の温度で行う前記5記載の製造方法。
7.予備重合時又は連続重合時に、末端停止剤を添加し反応を実施するものである前記1〜6のいずれかに記載の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のPAS製造方法は、非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、該ポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用することを特徴とするものであり、具体的には、重合原料、溶媒等の仕込み、および生成系のとり出しを含め、重合操作の全体を、1段あるいは多段に連結した重合槽に重合反応液を順次移送して連続的に行う連続重合方法である。
【0011】
本発明においては、第一に、分散相であるポリマー相が球状液滴である重合反応工程を含むことを特徴としている。このような球状液滴を生成する方法としては、特に制限はないが、たとえば、連続重合を開始する前に相分離剤と非プロトン性有機溶媒とを予め反応器に仕込む方法、予め所定の条件で回分重合し反応器内を球状液滴にしておく方法などが挙げられる。
連続重合工程は、通常230〜280℃、好ましくは240〜270℃の温度で反応を行う。上記温度が230℃より低い場合は球状のポリマーは生成しないことがあり、また280℃より高い場合は、ポリマーが分解する場合がある。
【0012】
本発明において、「球状」とは真球はもちろん楕円球、その他これらに類似する形状を有するもの、あるいはこれらの一部変形した実質球形に近い形状のものも包含する。
また、相分離剤としては、塩化リチウム、酢酸ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、水等が用いられ、特に塩化リチウムが好ましく用いられる。
非プロトン性有機溶媒としては、一般に、非プロトン性の極性有機化合物、例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機イオウ化合物、環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、または、混合溶媒として使用することができる。
【0013】
これらの非プロトン性の極性有機化合物のうち、前記アミド化合物としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチルアセトアミド,N,N−ジプロピルアセトアミド,N,N−ジメチル安息香酸アミドなとを挙げることができる。
また、前記ラクタム化合物としては、たとえば、カプロラクタム,N−メチルカプロラクタム,N−エチルカプロラクタム,N−イソプロピルカプロラクタム,N−イソブチルカプロラクタム,N−ノルマルプロピルカプロラクタム,N−ノルマルブチルカプロラクタム,N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アルキルカプロラクタム類,N−メチル−2−ピロリドン(NMP),N−エチル−2−ピロリドン,N−イソプロピル−2−ピロリドン,N−イソブチル−2−ピロリドン,N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン,N−ノルマルブチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキシル−2−ピロリドン,N−メチル−3−メチル2−ピロリドン,N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン,N−メチル−34,5−トリメチル−2−ピロリドン,N−メチル−2−ピペリドン,N−エチル−2−ピペリドン,N−イソプロピル−2−ピペリドン,N−メチル−6−メチル−2−ピペリドン,N−メチル−3−エチル−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
【0014】
また、前記尿素化合物としては、たとえば、テトラメチル尿素,N,N’−ジメチルエチレン尿素,N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げることができる。
さらに、前記有機イオウ化合物としては、たとえば、ジメチルスルホキシド,ジエチルスルホキシド,ジフェニルスルホン,1−メチル−1−オキソスルホラン,1−エチル−1−オキソスルホラン,1−フェニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オキソホスホラン,1−ノルマルプロピル−1−オキソホスホラン,1−フェニル−1−オキソホスホランなどを挙げることができる。
これら各種の非プロトン性極性有機化合物は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混合して、前記非プロトン性有機溶媒として使用することができる。
【0015】
前記各種の非プロトン性有機溶媒の中でも、好ましいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−アルキルピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチル−2−ピロリドンである。
本発明における非プロトン性有機溶媒中における上記相分離剤の含有量は、ポリマー相が分離する条件であればよく、特に制限はないが、非プロトン性有機溶媒1リットル中の濃度は、通常2.8〜5.6モル、好ましくは3.4〜4.6モルであり、また、硫黄源中の硫黄原子1モルに対して通常0.05〜3.0モルであり、好ましくは0.2〜2.5モルである。
上記範囲より少ない場合は、球状のポリマー相が生成しにくい場合がある。
本発明のPASの連続重合方法については、上記以外の点、原料成分等の添加順序等については特に制限はないが、例えば、相分離剤を含む非プロトン性有機溶媒中に、硫化リチウム等の硫黄源及びジハロゲン化芳香族化合物等の重合材料あるいは低分子量PASを投入する方法であって、相分離剤の存在によりポリマー相と溶媒相とが相分離状態にあること、すなわち、ポリマー相と溶媒相とも液相であり、かつ分離している状態であることが必要である。
【0016】
本発明において硫黄源としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、硫化水素等が用いられ、特に、硫化リチウムが好ましく用いられる。これらは水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物と併用することが必要である。
その場合、反応槽中の硫黄源に対するリチウムのモル比(Li/S)は、通常2.00〜2.40、好ましくは2.05〜2.30である。2.00未満であると、十分な分子量のもの得られない場合があり、2.40を超えると、リチウムの回収にコストがかかり、経済的でない場合がある。
また、ジハロゲン化芳香族化合物としては、特に制限はないが、ポリアリーレンスルフィドの製造に用いられる公知の化合物を好適例として挙げることができる。
【0017】
たとえば、m−ジハロゲンベンゼン、p−ジハロゲンベンゼン等のジハロゲンベンゼン類;2,3−ジハロゲントルエン、2,5−ジハロゲントルエン、2,6−ジハロゲントルエン、3,4−ジハロゲントルエン、2,5−ジハロゲンキシレン、1−エチル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1,2,4,5−テトラメチル−3,6−ジハロゲンベンゼン、1−ノルマルヘキシル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−シクロヘキシル−2,5−ジハロゲンベンゼンなどのアルキル置換ジハロゲンベンゼン類またはシクロアルキル置換ジハロゲンベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−ベンジル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−p−トルイル−2,5−ジハロゲンベンゼン等のアリール置換ジハロゲンベンゼン類;4,4’−ジハロビフェニル等のジハロビフェニル類:1,4−ジハロナフタレン、1,6−ジハロナフタレン、2,6−ジハロナフタレン等のジハロナフタレン類などを挙げることができる。
【0018】
これらのジハロゲン化芳香族化合物における二個のハロゲン元素は、それぞれフッ素、塩素,臭素またはヨウ素であり、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。これらの中でも、好ましいのはジハロゲンベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロロベンゼンを50モル%以上含むものである。
硫黄源に対するジハロゲン芳香族化合物の配合量は、ジハロゲン芳香族化合物/硫黄原子のモル比が、通常0.95〜1.20、好ましくは1.00〜1.10となるようにする。0.95未満の場合、PASが分解し、1.20を超えると、ジハロゲン芳香族化合物の回収コストが高くなる場合がある。また、非プロトン性有機溶媒1リットル中のジハロゲン芳香族の濃度は、通常1.4〜2.8モル、好ましくは1.7〜2.3モルであり、1.4モル未満であると、生産性が悪くなる場合があり、2.8モルを超えると、十分な分子量が得られない場合がある。
なお、各成分の配合比は、所定の槽へ流入する各成分の流量比(単位時間当たりの質量、モル量等)となる(以下の説明においても同様である)。
【0019】
本発明において、末端停止剤の存在が必須である。連続重合(本重合)又は後述の予備重合時に必要なわけである。末端停止剤として、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、クロロニトロベンゼン、クロロフェノール、クロロアニリン、クロロ安息香酸等のモノハロ芳香族化合物、チオフェノール、アミノチオフェノール、ヒドロキシチオフェノール等のモノメルカプト芳香族化合物が挙げられる。モノハロ芳香族化合物として、好ましくは、クロロベンゼン、クロロ安息香酸が挙げられ、モノメルカプト芳香族化合物として、好ましくは、チオフェノール、アミノチオフェノールが挙げられる。硫黄源に対する末端停止剤の配合量は、末端停止剤/硫黄原子のモル比が、通常0.001〜0.05、好ましくは0.002〜0.02となるようにする。0.001未満の場合、ポリマー付着を防止する効果が少なく、0.05を超えても、量に見合った効果がでない場合がある。
【0020】
さらに、本発明においては、必要に応じ、前記ジハロゲン化芳香族化合物に加えて活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物、1分子中に3個以上のハロゲン原子を有するポリハロゲン化芳香族化合物、およびポリハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐剤を適当に選択して反応系に添加し、これを使用することもできる。たとえば、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼンなどを上げることができる。硫黄源に対する分岐剤の配合量は、分岐剤/硫黄原子のモル比が、通常0.001〜0.02、好ましくは0.002〜0.015となるようにする。0.001未満の場合、分岐の特性が発現しない場合があり、0.02を超えると、分子量が上がりすぎゲル化し、反応の制御ができなくなる場合がある。
【0021】
本発明における連続重合操作は、その重合温度を前述のように230〜280℃、更に240〜270℃とすることが好ましい。その他の条件については特に制限はなく、特開平6−248077号公報等、いくつかの公知文献に開示された条件に準拠して行うことができる。
例えば、連続重合槽に流入した重合材料あるいは低分子量PASの槽内での滞留時間は、各成分の流入量や槽の形状、大きさにより異なるが、通常0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間になるよう調整する。
【0022】
本発明においては、重合槽の使用段数に特に制限はなく多段のものも使用可能であり、温度条件を二以上の多段に変化させてもよい。この場合、最後の重合槽を含む少なくとも1槽におけるポリマー相が球状液滴であることが好ましいが、全ての槽のポリマー相が球状であることが特に好ましい。従って、本発明においては、相分離剤は、最後の重合槽を含む少なくとも1槽に添加すればよく、重合槽中の組成を一定に保つ点から、全ての槽に添加することが好ましい。
本発明に用いられる重合槽、攪拌翼には特に制限はないが、重合槽は完全混合に適した形状が好ましく、攪拌翼は、フルゾーン等の大型翼が好ましい。
【0023】
連続重合に供する原材料としては、前記硫化リチウムなどの硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物を用いてもよいが、これらを予め連続又は回分式で予備重合を行ったものを用いることが高分子量のPASを得るうえで好ましい。
この予備重合については特に制限はないが、例えば、前記得られた硫化リチウム化合物を含む反応混合物に、ジハロゲン化芳香族化合物、水、および非プロトン性有機溶媒を添加し、連続式で180〜220℃、好ましくは190〜210℃で0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持して行う。180℃より低いと、反応進行させるために長時間を要する。220℃を超えると、モノマーの反応率が上昇し、その後の連続重合で球状液滴にならない場合がある。各重合成分の配合量は、下記の条件を満たすことが好ましい。
【0024】
非プロトン性有機溶媒1リットル中に含まれるジハロゲン化芳香族化合物のモル数は、1.4〜2.8(モル/リットル)が好ましく、さらに好ましくは1.7〜2.3(モル/リットル)である。1.4未満であると、球状液滴が生成しない場合があり、2.8を超えると、球状液滴が生成しない場合がある。硫黄源に対するジハロゲン芳香族化合物の量は、ジハロゲン芳香族化合物/硫黄原子のモル比が、通常0.90〜1.10、好ましくは0.95〜1.00となるようにする。0.90未満の場合、PASが分解し、1.20を超えると、ジハロゲン芳香族化合物の回収コストが高くなる場合がある。
【0025】
予備重合後のモノマーの反応率は、通常50〜90%で、好ましくは50〜80%である。50%未満であると、球状液滴は生成するが、高分子化しない場合があり、90%を超えると、球状液滴が生成しない場合がある。
水と硫黄源のモル比(水/硫黄源)は、通常0.20〜2.00、好ましくは0.30〜1.50である。0.20未満であると、その後の連続反応で反応系が分解する場合があり、2.00を超えると、反応率が高くなりやすく、90%を超える場合がある。
生成した低分子量のPASに前記本重合操作を行う。
【0026】
本重合後の重合溶液にはPASが固化しない程度に水を添加し、洗浄操作を行うことができる。水量は重合溶液の量、温度により異なるが、冷却しすぎてPASが固化、析出しない量であれば良い。洗浄槽は通常攪拌させて、重合溶液と水とが良く混合するようにすることが好ましい。
洗浄溶液は、ポリマーに付着している不純物、副生成物がそれに溶解してポリマーに悪影響を与えないものであるならば特に制限はなく、たとえば、メタノール,アセトン,ベンゼン,トルエン,水,NMPを挙げることができる。中でも水が好ましい。
【0027】
重合反応終了後の重合溶液については、ポリマー相と溶媒相に分離するために、分離槽において分離操作を行う。
分離した溶媒相(NMP,水,LiClが主成分である)から水酸化リチウムを経由し、更に硫化リチウムとする方法は、例えば、特開2000−319009号公報等に記載される方法を用いることができる。
なお、より十分な洗浄、分離効果を得るために、洗浄および分離工程は、任意の回数繰り返しても良い。
本発明においては、洗浄および分離工程を終了したポリマー相には、まだ溶媒が含まれるため、溶媒の除去をすることが好ましい。この溶媒除去操作としては、特に制限はなく、公知のPAS製造方法で用いられる溶媒除去方法(たとえば特開平7−33878号公報等に開示されたフラッシュ法)に準拠することができる。
【0028】
前記溶媒除去操作を終えたPASは、溶融状態で、または適当な方法で冷却して固化、粒状にして取り出すことができる。冷却法としては、空冷,水冷,油冷等を挙げることができる。
本発明の方法においては、以上のようにして、ポリマーの溶液粘度(ηinh)が0.1以上、好ましくは0.14以上であるところの分子量であって、ある場合には、ゲル形成性であるポリアリーレンスルフィドを、簡略化された工程で容易にかつ安定に得ることができる。また、ポリマー製造時の経時によるあるいはバッチ間のη変動が著しく改善される。
【0029】
なお、前記溶液粘度は、上記方法で得られたポリアリーレンスルフィドを235℃のα−クロロナフタレンに30分間保持して4g/リットルgの濃度になるように溶解し、206℃の温度でウベローデ粘度計を使用して測定された値である。
本発明により得られたポリアリーレンスルフィドから各種の製品を成形する場合には、ポリアリーレンスルフィドに必要に応じて他の重合体、顔料、グラファイト、金属粉、ガラス粉、石英粉、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、各種ウィスカーなどの充填剤、安定剤、離型剤などを適宜配合することができる。
本発明により得られたポリアリーレンスルフィドは、各種成形品の材料、たとえばフィルム、繊維、機械部品、電気部品、電子部品などの材料として好適に利用することができる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
実施例1
予備重合
攪拌翼のついた攪拌機付き10リットルのオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう。)3.5リットル、無水水酸化リチウム47.9g(2モル)、チオフェノール(以下、TPともいう。)11.02g(0.1モル)及び硫化リチウム459.5g(10モル)を仕込み、窒素雰囲気下で210℃まで攪拌しながら昇温した。210℃到達時にNMP0.83リットル、p−ジクロロベンゼン(以下、p−DCBともいう。)1,426g(9.7モル)及び水54.2g(3モル)の混合物を上記210℃のオートクレーブに添加し、210℃で2時間反応させることによりポリアリーレンスルフィドオリゴマーを得た。得られたプレポリマーのp−DCBの反応率は75.0%であった。プレポリマーは次工程の連続重合の必要量に応じ供した。
なお、予備重合の条件は、硫黄濃度2.24モル/NMP−リットル、p−DCB/S=0.97、H2O/S=0.30、Li/S=2.20、TP/S=0.01であった。
【0031】
連続本重合
フルゾーン翼を装着した攪拌機付き10リットルオートクレーブに相分離剤として塩化リチウム754g、NMP5.2リットル、水48gを仕込み、260℃まで昇温した。次に、上記で合成したプレポリマー1kgに対して、p−DCB16.0g、NMP220g及び1,2,4−トリクロロベンゼン(以下、TCBともいう。)2.82gを添加して原料のモル比を調整した。調製したプレポリマーを60℃に保持しながら、ギヤポンプを用いて50.0g/分の速度で反応器に連続的に供給した。
一方、液面レベルを一定とすべく抜き出しノズルから5分に1回程度、約250gの重合液を反応器から抜き出した。この操作を48時間続けた。所定時間に抜き出したサンプルを傾斜ろ過によりポリマーと重合液とに分離し、ポリマーを得た。得られたポリマーは、熱水で2回加熱攪拌し洗浄した。その後120℃で12時間真空乾燥し、溶液粘度(ηinh)を測定した。得られたポリマーのηinhは0.28dl/gであり、その形状は球状であった。その後反応器を冷却し、開放してポリマーを観察したが、これも球状のままであった。反応器壁にはポリマーの付着は全く無かった。なお、調整後のモル比すなわち本重合時の条件は、p−DCB/S=1.04、Li/S=2.20、H2O/S=0.30、TCB/S=0.01、TP/S=0.01、硫黄濃度1.76モル/NMP−リットル、また重合温度は260℃、平均滞留時間2時間、反応前に仕込んだLiCl/NMPは3.52モル/リットルであった。
【0032】
比較例1
実施例1において、予備重合時にTPを添加しなかったこと、本重合時にp−DCB及び水の量を変えて、調整後の条件をp−DCB/S=1.07、H2O/S=1.00にしたこと以外はすべて実施例1と同様に行った。反応開始後6時間後のサンプルは球状を保持していたが、10時間後位から伝熱不良が観測され始め、また得られたポリマーは球状ではなく、顆粒状であった。反応器冷却、開放後のポリマーは不定形の顆粒状であり、溶媒に不溶のゲルとなっていた。反応器壁には厚さ約2mm程度のポリマーが密に付着していた。
【0033】
比較例2
実施例1において、予備重合時にTPを添加しなかったこと、本重合時にp−DCB、水及びTCBの量を変えて、調整後の条件をp−DCB/S=1.07、H2O/S=1.00、TCB/S=0.008にしたこと以外はすべて実施例1と同様に行った。反応開始後6時間後のサンプルは球状を保持していたが、20時間後位から伝熱不良が観測され始め、また得られたポリマーは球状ではなく、顆粒状であった。反応器冷却、開放後のポリマーは不定形の顆粒状であり、溶媒に不溶のゲルとなっていた。反応器壁には厚さ約2mm程度のポリマーが密に付着していた。
【0034】
比較例3
実施例1において、予備重合時にTPを添加しなかったこと、本重合時にp−DCB、水及びTCBの量を変えて、調整後の条件をp−DCB/S=1.07、H2O/S=0.80、TCB/S=0.005にしたこと以外はすべて実施例1と同様に行った。反応開始後6時間後のサンプルは球状を保持していたが、20時間後位から伝熱不良が観測され始め、また得られたポリマーは球状ではなく、顆粒状であった。反応器冷却、開放後のポリマーは不定形の顆粒状であり、溶媒に不溶のゲルとなっていた。反応器壁には厚さ約1mm程度のポリマーが一面に付着していた
【0035】
実施例2
実施例1において、予備重合時にTPの代わりにp−クロロ安息香酸(以下、p−ClBAともいう。)15.66g(0.1モル)をいれたこと以外はすべて同様に行った。48時間後に得られたポリマーのηinhは0.24dl/gであり、その形状は球状であった。その後反応器を冷却し、開放してポリマーを観察したが、これも球状のままであった。反応器壁にはポリマーの付着は全く無かった。
【0036】
実施例2
実施例1において、予備重合時にTPの代わりにo−アミノチオフェノール(以下、o−ATPともいう。)25.04g(0.2モル)をいれたこと以外はすべて同様に行った。48時間後に得られたポリマーのηinhは0.23dl/gであり、その形状は球状であった。その後反応器を冷却し、開放してポリマーを観察したが、これも球状のままであった。反応器壁にはポリマーの付着は全く無かった。
以上の実施例、比較例を纏めて第1表に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、PASの連続重合方法において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法提供することができる。
【産業上の利用分野】
本発明はポリアリーレンスルフィドの製造方法に関し、さらに詳しくは、電子・電気材料分野、自動車用分野、耐熱性材料分野において特に有用なポリアリーレンスルフィドの製造において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアリーレンスルフィド(以下、PASということがある。)、なかでも特にポリフェニレンスルフィド(以下、PPSということがある。)は、機械的強度、耐熱性,難燃性,耐溶剤性等に優れると共に、良好な電気的特性や高い剛性を有するエンジニアリングプラスチックとして知られており、自動車部品、電子・電気機器部品、機械部品の素材等の各種材料として広く用いられている。
このようなPAS樹脂は、従来、回分法により製造されていたが、近年、製造効率の改善のため等から連続重合の要請が高まっている。PASの連続重合方法としては、たとえば、特許文献1〜3に開示されているが、ここに開示される方法で得られるPASはいずれもその分子量が著しく低いという問題があった。
一方で、ポリマーの分子量の向上を目的として相分離剤(水、酢酸ソーダ、アルカリ金属塩等)を用い、ポリマー相と溶媒相の二相に分離して行う重合法が提案されている(特許文献4参照)。
【0003】
このような相分離剤を用いた連続重合の場合、重合反応液は重合槽中でポリマー相と溶媒相とに相分離した状態になり、攪拌等の剪断力の影響が及びにくい槽底部や配管中では、ポリマー相が比重差により沈降し、例えば、重合反応液を移送する間に、ポリマー相/溶媒相の組成比(濃度)を一定に保てない場合が生じ、結果として、重合槽中のポリマーの濃度が変動することにより分子量が変動し、安定した分子量のPASを製造することが困難であるという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、上記特許文献4においては、ポリマー相と溶媒相を別々に抜き出す方法が提案されているが、該方法においては、反応器形状が特殊なものを用いること、配管構造が複雑であること、流量制御が困難であること等、上記問題に対してその対応は不十分であった。すなわち、相分離剤を用いた連続重合において、重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法が要望されていた。
【0005】
そこで、本発明らは、PASの連続製造における本重合工程において、分散相であるポリマー相の液滴形状を球状とすることにより、重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法を提供することができた(特許文献5参照)。しかしながら、更なる課題が発生した。すなわち、ある条件下においては数十〜数百時間後に反応槽壁にポリマーが付着し、その結果ジャケット温度の伝熱不良が起きたり、またポリマーの付着が成長していけばいずれポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができなくなると予想できる。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4,056,515号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,060,520号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,066,632号明細書
【特許文献4】
特開平9−169844号公報
【特許文献5】
特開2002−265603号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述課題に鑑みてなされたものであり、PASの連続重合方法において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、PASの連続製造における本重合工程において、分散相であるポリマー相の液滴形状を球状とすること、及び予備重合時又は連続重合時に末端停止剤を使用することにより本発明の上記目的を効果的に達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、分散相であるポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
2.上記重合反応工程が、230〜280℃の温度で反応を行うものである前記1記載の製造方法。
3.予め、相分離剤と非プロトン性有機溶媒を反応器に仕込んだ後に連続重合を行う前記1又は2に記載の製造方法。
4.予め、非プロトン性有機溶媒中で、硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを回分重合させ分散相であるポリマー相を球状液滴とした後に連続重合を行う前記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.予め予備重合を行う前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.予備重合を180〜220℃の範囲内の温度で行う前記5記載の製造方法。
7.予備重合時又は連続重合時に、末端停止剤を添加し反応を実施するものである前記1〜6のいずれかに記載の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のPAS製造方法は、非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、該ポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用することを特徴とするものであり、具体的には、重合原料、溶媒等の仕込み、および生成系のとり出しを含め、重合操作の全体を、1段あるいは多段に連結した重合槽に重合反応液を順次移送して連続的に行う連続重合方法である。
【0011】
本発明においては、第一に、分散相であるポリマー相が球状液滴である重合反応工程を含むことを特徴としている。このような球状液滴を生成する方法としては、特に制限はないが、たとえば、連続重合を開始する前に相分離剤と非プロトン性有機溶媒とを予め反応器に仕込む方法、予め所定の条件で回分重合し反応器内を球状液滴にしておく方法などが挙げられる。
連続重合工程は、通常230〜280℃、好ましくは240〜270℃の温度で反応を行う。上記温度が230℃より低い場合は球状のポリマーは生成しないことがあり、また280℃より高い場合は、ポリマーが分解する場合がある。
【0012】
本発明において、「球状」とは真球はもちろん楕円球、その他これらに類似する形状を有するもの、あるいはこれらの一部変形した実質球形に近い形状のものも包含する。
また、相分離剤としては、塩化リチウム、酢酸ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、水等が用いられ、特に塩化リチウムが好ましく用いられる。
非プロトン性有機溶媒としては、一般に、非プロトン性の極性有機化合物、例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機イオウ化合物、環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、または、混合溶媒として使用することができる。
【0013】
これらの非プロトン性の極性有機化合物のうち、前記アミド化合物としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチルアセトアミド,N,N−ジプロピルアセトアミド,N,N−ジメチル安息香酸アミドなとを挙げることができる。
また、前記ラクタム化合物としては、たとえば、カプロラクタム,N−メチルカプロラクタム,N−エチルカプロラクタム,N−イソプロピルカプロラクタム,N−イソブチルカプロラクタム,N−ノルマルプロピルカプロラクタム,N−ノルマルブチルカプロラクタム,N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アルキルカプロラクタム類,N−メチル−2−ピロリドン(NMP),N−エチル−2−ピロリドン,N−イソプロピル−2−ピロリドン,N−イソブチル−2−ピロリドン,N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン,N−ノルマルブチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキシル−2−ピロリドン,N−メチル−3−メチル2−ピロリドン,N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン,N−メチル−34,5−トリメチル−2−ピロリドン,N−メチル−2−ピペリドン,N−エチル−2−ピペリドン,N−イソプロピル−2−ピペリドン,N−メチル−6−メチル−2−ピペリドン,N−メチル−3−エチル−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
【0014】
また、前記尿素化合物としては、たとえば、テトラメチル尿素,N,N’−ジメチルエチレン尿素,N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げることができる。
さらに、前記有機イオウ化合物としては、たとえば、ジメチルスルホキシド,ジエチルスルホキシド,ジフェニルスルホン,1−メチル−1−オキソスルホラン,1−エチル−1−オキソスルホラン,1−フェニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オキソホスホラン,1−ノルマルプロピル−1−オキソホスホラン,1−フェニル−1−オキソホスホランなどを挙げることができる。
これら各種の非プロトン性極性有機化合物は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混合して、前記非プロトン性有機溶媒として使用することができる。
【0015】
前記各種の非プロトン性有機溶媒の中でも、好ましいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−アルキルピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチル−2−ピロリドンである。
本発明における非プロトン性有機溶媒中における上記相分離剤の含有量は、ポリマー相が分離する条件であればよく、特に制限はないが、非プロトン性有機溶媒1リットル中の濃度は、通常2.8〜5.6モル、好ましくは3.4〜4.6モルであり、また、硫黄源中の硫黄原子1モルに対して通常0.05〜3.0モルであり、好ましくは0.2〜2.5モルである。
上記範囲より少ない場合は、球状のポリマー相が生成しにくい場合がある。
本発明のPASの連続重合方法については、上記以外の点、原料成分等の添加順序等については特に制限はないが、例えば、相分離剤を含む非プロトン性有機溶媒中に、硫化リチウム等の硫黄源及びジハロゲン化芳香族化合物等の重合材料あるいは低分子量PASを投入する方法であって、相分離剤の存在によりポリマー相と溶媒相とが相分離状態にあること、すなわち、ポリマー相と溶媒相とも液相であり、かつ分離している状態であることが必要である。
【0016】
本発明において硫黄源としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、硫化水素等が用いられ、特に、硫化リチウムが好ましく用いられる。これらは水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物と併用することが必要である。
その場合、反応槽中の硫黄源に対するリチウムのモル比(Li/S)は、通常2.00〜2.40、好ましくは2.05〜2.30である。2.00未満であると、十分な分子量のもの得られない場合があり、2.40を超えると、リチウムの回収にコストがかかり、経済的でない場合がある。
また、ジハロゲン化芳香族化合物としては、特に制限はないが、ポリアリーレンスルフィドの製造に用いられる公知の化合物を好適例として挙げることができる。
【0017】
たとえば、m−ジハロゲンベンゼン、p−ジハロゲンベンゼン等のジハロゲンベンゼン類;2,3−ジハロゲントルエン、2,5−ジハロゲントルエン、2,6−ジハロゲントルエン、3,4−ジハロゲントルエン、2,5−ジハロゲンキシレン、1−エチル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1,2,4,5−テトラメチル−3,6−ジハロゲンベンゼン、1−ノルマルヘキシル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−シクロヘキシル−2,5−ジハロゲンベンゼンなどのアルキル置換ジハロゲンベンゼン類またはシクロアルキル置換ジハロゲンベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−ベンジル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−p−トルイル−2,5−ジハロゲンベンゼン等のアリール置換ジハロゲンベンゼン類;4,4’−ジハロビフェニル等のジハロビフェニル類:1,4−ジハロナフタレン、1,6−ジハロナフタレン、2,6−ジハロナフタレン等のジハロナフタレン類などを挙げることができる。
【0018】
これらのジハロゲン化芳香族化合物における二個のハロゲン元素は、それぞれフッ素、塩素,臭素またはヨウ素であり、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。これらの中でも、好ましいのはジハロゲンベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロロベンゼンを50モル%以上含むものである。
硫黄源に対するジハロゲン芳香族化合物の配合量は、ジハロゲン芳香族化合物/硫黄原子のモル比が、通常0.95〜1.20、好ましくは1.00〜1.10となるようにする。0.95未満の場合、PASが分解し、1.20を超えると、ジハロゲン芳香族化合物の回収コストが高くなる場合がある。また、非プロトン性有機溶媒1リットル中のジハロゲン芳香族の濃度は、通常1.4〜2.8モル、好ましくは1.7〜2.3モルであり、1.4モル未満であると、生産性が悪くなる場合があり、2.8モルを超えると、十分な分子量が得られない場合がある。
なお、各成分の配合比は、所定の槽へ流入する各成分の流量比(単位時間当たりの質量、モル量等)となる(以下の説明においても同様である)。
【0019】
本発明において、末端停止剤の存在が必須である。連続重合(本重合)又は後述の予備重合時に必要なわけである。末端停止剤として、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、クロロニトロベンゼン、クロロフェノール、クロロアニリン、クロロ安息香酸等のモノハロ芳香族化合物、チオフェノール、アミノチオフェノール、ヒドロキシチオフェノール等のモノメルカプト芳香族化合物が挙げられる。モノハロ芳香族化合物として、好ましくは、クロロベンゼン、クロロ安息香酸が挙げられ、モノメルカプト芳香族化合物として、好ましくは、チオフェノール、アミノチオフェノールが挙げられる。硫黄源に対する末端停止剤の配合量は、末端停止剤/硫黄原子のモル比が、通常0.001〜0.05、好ましくは0.002〜0.02となるようにする。0.001未満の場合、ポリマー付着を防止する効果が少なく、0.05を超えても、量に見合った効果がでない場合がある。
【0020】
さらに、本発明においては、必要に応じ、前記ジハロゲン化芳香族化合物に加えて活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物、1分子中に3個以上のハロゲン原子を有するポリハロゲン化芳香族化合物、およびポリハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐剤を適当に選択して反応系に添加し、これを使用することもできる。たとえば、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼンなどを上げることができる。硫黄源に対する分岐剤の配合量は、分岐剤/硫黄原子のモル比が、通常0.001〜0.02、好ましくは0.002〜0.015となるようにする。0.001未満の場合、分岐の特性が発現しない場合があり、0.02を超えると、分子量が上がりすぎゲル化し、反応の制御ができなくなる場合がある。
【0021】
本発明における連続重合操作は、その重合温度を前述のように230〜280℃、更に240〜270℃とすることが好ましい。その他の条件については特に制限はなく、特開平6−248077号公報等、いくつかの公知文献に開示された条件に準拠して行うことができる。
例えば、連続重合槽に流入した重合材料あるいは低分子量PASの槽内での滞留時間は、各成分の流入量や槽の形状、大きさにより異なるが、通常0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間になるよう調整する。
【0022】
本発明においては、重合槽の使用段数に特に制限はなく多段のものも使用可能であり、温度条件を二以上の多段に変化させてもよい。この場合、最後の重合槽を含む少なくとも1槽におけるポリマー相が球状液滴であることが好ましいが、全ての槽のポリマー相が球状であることが特に好ましい。従って、本発明においては、相分離剤は、最後の重合槽を含む少なくとも1槽に添加すればよく、重合槽中の組成を一定に保つ点から、全ての槽に添加することが好ましい。
本発明に用いられる重合槽、攪拌翼には特に制限はないが、重合槽は完全混合に適した形状が好ましく、攪拌翼は、フルゾーン等の大型翼が好ましい。
【0023】
連続重合に供する原材料としては、前記硫化リチウムなどの硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物を用いてもよいが、これらを予め連続又は回分式で予備重合を行ったものを用いることが高分子量のPASを得るうえで好ましい。
この予備重合については特に制限はないが、例えば、前記得られた硫化リチウム化合物を含む反応混合物に、ジハロゲン化芳香族化合物、水、および非プロトン性有機溶媒を添加し、連続式で180〜220℃、好ましくは190〜210℃で0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持して行う。180℃より低いと、反応進行させるために長時間を要する。220℃を超えると、モノマーの反応率が上昇し、その後の連続重合で球状液滴にならない場合がある。各重合成分の配合量は、下記の条件を満たすことが好ましい。
【0024】
非プロトン性有機溶媒1リットル中に含まれるジハロゲン化芳香族化合物のモル数は、1.4〜2.8(モル/リットル)が好ましく、さらに好ましくは1.7〜2.3(モル/リットル)である。1.4未満であると、球状液滴が生成しない場合があり、2.8を超えると、球状液滴が生成しない場合がある。硫黄源に対するジハロゲン芳香族化合物の量は、ジハロゲン芳香族化合物/硫黄原子のモル比が、通常0.90〜1.10、好ましくは0.95〜1.00となるようにする。0.90未満の場合、PASが分解し、1.20を超えると、ジハロゲン芳香族化合物の回収コストが高くなる場合がある。
【0025】
予備重合後のモノマーの反応率は、通常50〜90%で、好ましくは50〜80%である。50%未満であると、球状液滴は生成するが、高分子化しない場合があり、90%を超えると、球状液滴が生成しない場合がある。
水と硫黄源のモル比(水/硫黄源)は、通常0.20〜2.00、好ましくは0.30〜1.50である。0.20未満であると、その後の連続反応で反応系が分解する場合があり、2.00を超えると、反応率が高くなりやすく、90%を超える場合がある。
生成した低分子量のPASに前記本重合操作を行う。
【0026】
本重合後の重合溶液にはPASが固化しない程度に水を添加し、洗浄操作を行うことができる。水量は重合溶液の量、温度により異なるが、冷却しすぎてPASが固化、析出しない量であれば良い。洗浄槽は通常攪拌させて、重合溶液と水とが良く混合するようにすることが好ましい。
洗浄溶液は、ポリマーに付着している不純物、副生成物がそれに溶解してポリマーに悪影響を与えないものであるならば特に制限はなく、たとえば、メタノール,アセトン,ベンゼン,トルエン,水,NMPを挙げることができる。中でも水が好ましい。
【0027】
重合反応終了後の重合溶液については、ポリマー相と溶媒相に分離するために、分離槽において分離操作を行う。
分離した溶媒相(NMP,水,LiClが主成分である)から水酸化リチウムを経由し、更に硫化リチウムとする方法は、例えば、特開2000−319009号公報等に記載される方法を用いることができる。
なお、より十分な洗浄、分離効果を得るために、洗浄および分離工程は、任意の回数繰り返しても良い。
本発明においては、洗浄および分離工程を終了したポリマー相には、まだ溶媒が含まれるため、溶媒の除去をすることが好ましい。この溶媒除去操作としては、特に制限はなく、公知のPAS製造方法で用いられる溶媒除去方法(たとえば特開平7−33878号公報等に開示されたフラッシュ法)に準拠することができる。
【0028】
前記溶媒除去操作を終えたPASは、溶融状態で、または適当な方法で冷却して固化、粒状にして取り出すことができる。冷却法としては、空冷,水冷,油冷等を挙げることができる。
本発明の方法においては、以上のようにして、ポリマーの溶液粘度(ηinh)が0.1以上、好ましくは0.14以上であるところの分子量であって、ある場合には、ゲル形成性であるポリアリーレンスルフィドを、簡略化された工程で容易にかつ安定に得ることができる。また、ポリマー製造時の経時によるあるいはバッチ間のη変動が著しく改善される。
【0029】
なお、前記溶液粘度は、上記方法で得られたポリアリーレンスルフィドを235℃のα−クロロナフタレンに30分間保持して4g/リットルgの濃度になるように溶解し、206℃の温度でウベローデ粘度計を使用して測定された値である。
本発明により得られたポリアリーレンスルフィドから各種の製品を成形する場合には、ポリアリーレンスルフィドに必要に応じて他の重合体、顔料、グラファイト、金属粉、ガラス粉、石英粉、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、各種ウィスカーなどの充填剤、安定剤、離型剤などを適宜配合することができる。
本発明により得られたポリアリーレンスルフィドは、各種成形品の材料、たとえばフィルム、繊維、機械部品、電気部品、電子部品などの材料として好適に利用することができる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
実施例1
予備重合
攪拌翼のついた攪拌機付き10リットルのオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう。)3.5リットル、無水水酸化リチウム47.9g(2モル)、チオフェノール(以下、TPともいう。)11.02g(0.1モル)及び硫化リチウム459.5g(10モル)を仕込み、窒素雰囲気下で210℃まで攪拌しながら昇温した。210℃到達時にNMP0.83リットル、p−ジクロロベンゼン(以下、p−DCBともいう。)1,426g(9.7モル)及び水54.2g(3モル)の混合物を上記210℃のオートクレーブに添加し、210℃で2時間反応させることによりポリアリーレンスルフィドオリゴマーを得た。得られたプレポリマーのp−DCBの反応率は75.0%であった。プレポリマーは次工程の連続重合の必要量に応じ供した。
なお、予備重合の条件は、硫黄濃度2.24モル/NMP−リットル、p−DCB/S=0.97、H2O/S=0.30、Li/S=2.20、TP/S=0.01であった。
【0031】
連続本重合
フルゾーン翼を装着した攪拌機付き10リットルオートクレーブに相分離剤として塩化リチウム754g、NMP5.2リットル、水48gを仕込み、260℃まで昇温した。次に、上記で合成したプレポリマー1kgに対して、p−DCB16.0g、NMP220g及び1,2,4−トリクロロベンゼン(以下、TCBともいう。)2.82gを添加して原料のモル比を調整した。調製したプレポリマーを60℃に保持しながら、ギヤポンプを用いて50.0g/分の速度で反応器に連続的に供給した。
一方、液面レベルを一定とすべく抜き出しノズルから5分に1回程度、約250gの重合液を反応器から抜き出した。この操作を48時間続けた。所定時間に抜き出したサンプルを傾斜ろ過によりポリマーと重合液とに分離し、ポリマーを得た。得られたポリマーは、熱水で2回加熱攪拌し洗浄した。その後120℃で12時間真空乾燥し、溶液粘度(ηinh)を測定した。得られたポリマーのηinhは0.28dl/gであり、その形状は球状であった。その後反応器を冷却し、開放してポリマーを観察したが、これも球状のままであった。反応器壁にはポリマーの付着は全く無かった。なお、調整後のモル比すなわち本重合時の条件は、p−DCB/S=1.04、Li/S=2.20、H2O/S=0.30、TCB/S=0.01、TP/S=0.01、硫黄濃度1.76モル/NMP−リットル、また重合温度は260℃、平均滞留時間2時間、反応前に仕込んだLiCl/NMPは3.52モル/リットルであった。
【0032】
比較例1
実施例1において、予備重合時にTPを添加しなかったこと、本重合時にp−DCB及び水の量を変えて、調整後の条件をp−DCB/S=1.07、H2O/S=1.00にしたこと以外はすべて実施例1と同様に行った。反応開始後6時間後のサンプルは球状を保持していたが、10時間後位から伝熱不良が観測され始め、また得られたポリマーは球状ではなく、顆粒状であった。反応器冷却、開放後のポリマーは不定形の顆粒状であり、溶媒に不溶のゲルとなっていた。反応器壁には厚さ約2mm程度のポリマーが密に付着していた。
【0033】
比較例2
実施例1において、予備重合時にTPを添加しなかったこと、本重合時にp−DCB、水及びTCBの量を変えて、調整後の条件をp−DCB/S=1.07、H2O/S=1.00、TCB/S=0.008にしたこと以外はすべて実施例1と同様に行った。反応開始後6時間後のサンプルは球状を保持していたが、20時間後位から伝熱不良が観測され始め、また得られたポリマーは球状ではなく、顆粒状であった。反応器冷却、開放後のポリマーは不定形の顆粒状であり、溶媒に不溶のゲルとなっていた。反応器壁には厚さ約2mm程度のポリマーが密に付着していた。
【0034】
比較例3
実施例1において、予備重合時にTPを添加しなかったこと、本重合時にp−DCB、水及びTCBの量を変えて、調整後の条件をp−DCB/S=1.07、H2O/S=0.80、TCB/S=0.005にしたこと以外はすべて実施例1と同様に行った。反応開始後6時間後のサンプルは球状を保持していたが、20時間後位から伝熱不良が観測され始め、また得られたポリマーは球状ではなく、顆粒状であった。反応器冷却、開放後のポリマーは不定形の顆粒状であり、溶媒に不溶のゲルとなっていた。反応器壁には厚さ約1mm程度のポリマーが一面に付着していた
【0035】
実施例2
実施例1において、予備重合時にTPの代わりにp−クロロ安息香酸(以下、p−ClBAともいう。)15.66g(0.1モル)をいれたこと以外はすべて同様に行った。48時間後に得られたポリマーのηinhは0.24dl/gであり、その形状は球状であった。その後反応器を冷却し、開放してポリマーを観察したが、これも球状のままであった。反応器壁にはポリマーの付着は全く無かった。
【0036】
実施例2
実施例1において、予備重合時にTPの代わりにo−アミノチオフェノール(以下、o−ATPともいう。)25.04g(0.2モル)をいれたこと以外はすべて同様に行った。48時間後に得られたポリマーのηinhは0.23dl/gであり、その形状は球状であった。その後反応器を冷却し、開放してポリマーを観察したが、これも球状のままであった。反応器壁にはポリマーの付着は全く無かった。
以上の実施例、比較例を纏めて第1表に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、PASの連続重合方法において、重合反応槽へのポリマー付着を防止し、それにより重合槽からポリマー相と溶媒相とを一定比率で排出することができ、結果的に重合槽内のPAS組成(濃度)を常に一定に保つことのできる方法を確立し、分子量の向上及び安定化に有効なポリアリーレンスルフィドの連続重合方法提供することができる。
Claims (7)
- 非プロトン性有機溶媒中で硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを連続的に製造する方法において、ポリマー相と溶媒相との二相に分離し、分散相であるポリマー相が球状液滴の分散相である重合反応工程を少なくとも1つ含み、かつ、該重合反応工程で末端停止剤を使用することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
- 上記重合反応工程が、230〜280℃の温度で反応を行うものである請求項1記載の製造方法。
- 予め、相分離剤と非プロトン性有機溶媒を反応器に仕込んだ後に連続重合を行う請求項1又は2に記載の製造方法。
- 予め、非プロトン性有機溶媒中で、硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを回分重合させ分散相であるポリマー相を球状液滴とした後に連続重合を行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 予め予備重合を行う請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 予備重合を180〜220℃の範囲内の温度で行う請求項5記載の製造方法。
- 予備重合時又は連続重合時に、末端停止剤を添加し反応を実施するものである請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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