JP2002308989A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法および製造装置 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィドの製造方法および製造装置Info
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Abstract
散状態を形成させることのでき、高分子量のPASを製
造する方法、及び該方法に使用することのできるPAS
製造装置を提供する。 【解決手段】 攪拌翼を有する重合槽を用いてポリアリ
ーレンスルフィドを製造する方法において、上記攪拌翼
として、その先端部付近に切欠き部を有しないものを用
い、かつ攪拌翼の先端部を、これと重合槽底部及び/又
は鏡部との距離がその先端部全体にわたり実質等しくな
るような隙間を形成させるような形状として重合を行う
ことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方
法、及び攪拌翼を具備した重合槽を有するポリアリーレ
ンスルフィドの製造装置において、上記攪拌翼が、その
先端部付近に切欠き部を有しないものであり、かつその
先端部と重合槽底部及び/又は鏡部との距離がその先端
部全体にわたり実質等しくなるような隙間を形成させる
ような形状を有することを特徴とするポリアリーレンス
ルフィドの製造装置。
Description
ドの製造方法及びその製造装置に関するものであり、更
に詳しくは、ポリアリーレンスルフィドの製造において
ポリマー相と溶媒相とに分離する際に、ポリマー相の均
一な分散状態を形成させることができ、かつ高分子量の
ポリアリーレンスルフィドを製造することのできる方法
及び該方法に用いる製造装置に関するものである。
Sということがある)、中でもポリフェニレンスルフィ
ドは、機械的強度,耐熱性等に優れると共に、良好な電
気的特性や高い剛性を有するエンジニアリングプラステ
ィックとして知られており、電子・電気機器部品の素材
等の各種材料として広く用いられている。近年、分子量
の高いポリアリーレンスルフィドを製造する方法とし
て、相分離剤を用いて重合を行う方法が多く提案されて
いる。このような方法においては、重合反応後に重合槽
中でポリマー相と溶媒相とが分離された状態となり、そ
の際、攪拌による剪断力の及びにくい槽底部では、ポリ
マー相が比重差により沈降し、その位置によりポリマー
と溶媒の著しい組成分布が生じることがあった。上述の
ように、分子量の高いPASを得るためには、通常、重
合槽におけるポリマーと溶媒の組成比を一定に保つ必要
がある。そのため、1つの方法として、槽内において上
記組成比を均一とするような条件で攪拌しながら重合す
ることが考えられる。一方で、特開2000−2903
75号公報には、特定の形状をした攪拌翼を用いた重合
方法を開示している。
ような方法においても、ポリマー相の分散状態の均一性
は未だ不十分であり、また、高分子量のものを得ようと
した場合、十分な攪拌状態が得られない場合があり、分
散状態を更に均一化し、高分子量のPASを得ることの
できる方法が望まれていた。本発明は、上述課題に鑑み
てなされたものであり、PAS重合槽においてポリマー
相の均一な分散状態を形成させることができ、高分子量
のPASを製造することのできる方法、及び該方法に使
用することのできるPAS製造装置を提供することにあ
る。
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、重合槽においてポリア
リーレンスルフィドを重合する際、特定形状、特定配置
を有する攪拌翼を具備した重合槽を用いることにより、
本発明の上記目的を達成しうることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、攪拌翼を有する重合槽を用いてポリアリ
ーレンスルフィドを製造する方法において、上記攪拌翼
として、その先端部付近に切欠き部を有しないものを用
い、かつ攪拌翼の先端部を、これと重合槽底部及び/又
は鏡部との距離がその先端部全体にわたり実質等しくな
るような隙間を形成させるような形状として重合を行う
ことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方
法、及び攪拌翼を具備した重合槽を有するポリアリーレ
ンスルフィドの製造装置において、上記攪拌翼が、その
先端部付近に切欠き部を有しないものであり、かつその
先端部と重合槽底部及び/又は鏡部との距離がその先端
部全体にわたり実質等しくなるような隙間を形成させる
ような形状を有することを特徴とするポリアリーレンス
ルフィドの製造装置を提供するものである。
る。本発明のポリアリーレンスルフィドの製造は、有機
極性溶媒中で、硫黄源とジハロゲン化芳香族化合物とを
必要に応じ相分離剤の存在下に重縮合させて行う。本発
明の製造方法で用いる上記硫黄源としては、アルカリ金
属硫化物、アルカリ金属水硫化物及び硫化水素などが挙
げられる。アルカリ金属硫化物としては、具体的には、
硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ル
ビジウム及び硫化セシウムなどが挙げられる。これらの
中で、硫化リチウム、硫化ナトリウムが好ましく、特に
硫化リチウムが好ましい。これらは一種を単独で用いて
も二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ア
ルカリ金属硫化物は、アルカリ金属水硫化物と塩基との
反応により得られるものを用いてもよい。あるいは、ア
ルカリ金属硫化物と共に、アルカリ金属水硫化物と塩基
とを用いることもできる。さらに、硫黄源として硫化水
素と塩基とを併用することもでき、また、アルカリ金属
硫化物及び/又はアルカリ金属水硫化物と共に、硫化水
素と塩基とを併用することもできる。アルカリ金属水硫
化物としては、水硫化リチウム,水硫化ナトリウム,水
硫化ルビジウム,水硫化カリウム及び水硫化セシウムな
どが挙げられる。これらの中で、水硫化リチウム,水硫
化ナトリウムが好ましく、特に水硫化リチウムが好まし
い。これらは一種を単独で用いても二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
を前記アルカリ金属硫化物に転化できるもの、前記硫化
水素を前記アルカリ金属水硫化物に転化できるもの、あ
るいは前記アルカリ金属水硫化物又は前記硫化水素とを
後述するジハロゲン化芳香族化合物との縮合によって生
じ得るハロゲン化水素を効率良く中和もしくは受容する
ことができるとともに、本発明の目的を阻害しない酸受
容体であれば、無機化合物であっても有機化合物であっ
てもよく、各種の塩基を使用することができるが、通
常、アルカリ金属水酸化物等が好適に使用される。アル
カリ金属水酸化物としては具体的には、水酸化リチウ
ム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウムなどが挙げられる。これらの中で
水酸化リチウム及び水酸化ナトリウムが好ましく、特に
水酸化リチウムが好ましい。また、有機化合物の塩とし
ては、ω−ヒドロキシカルボン酸の金属塩及びアミノカ
ルボン酸金属塩などを好適に使用することができる。こ
れらの塩基は一種を単独で使用しても二種以上を併用し
てもよい。また、前記塩基の使用割合は、前記アルカリ
金属水硫化物と前記硫化水素との合計の水素原子1モル
当り、通常、0.80〜1.2モル程度で十分である。ま
た、前記アルカリ金属硫化物及びアルカリ金属水硫化物
としては、その1モルに対して2.6〜9モルの水和水を
有する工業製品を予め脱水して用いてもよく、そのまま
用いてもよい。
化合物としては、ポリアリーレンスルフィドの製造に用
いられる公知の化合物が挙げられる。例えば、p−ジハ
ロベンゼン,m−ジハロベンゼン等のジハロベンゼン
類;2,3−ジハロトルエン,2,5−ジハロトルエ
ン,2,6−ジハロトルエン,3,4−ジハロトルエ
ン,2,5 −ジハロキシレン,1−エチル−2,5−ジ
ハロベンゼン,1,2,4,5−テトラメチル−3,6
−ジハロベンゼン,1−ノルマルヘキシル−2,5−ジ
ハロベンゼン,1−シクロヘキシル−2,5−ジハロベ
ンゼンなどのアルキル置換ジハロベンゼン類又はシクロ
アルキル置換ジハロベンゼン類;1−フェニル−2,5
−ジハロベンゼン,1−ベンジル−2,5−ジハロベン
ゼン,1−p−トレイル−2,5−ジハロベンゼン等の
アリール置換ジハロベンゼン類;4,4’−ジハロビフ
ェニル等のジハロビフェニル類;1,4−ジハロナフタ
レン,1,5−ジハロナフタレン,2,6−ジハロナフ
タレン等のジハロナフタレン類などが挙げられる。
述する分岐剤を使用しない場合には、前記硫黄源中の硫
黄原子1モルに対し、通常0.90〜1.30モルであり、
好ましくは0.95〜1.20モルである。分岐剤を使用す
る場合、前記硫黄源中の硫黄原子1モルに対し、ジハロ
ゲン化芳香族化合物と分岐剤との合計モル数が、通常0.
90〜1.30モルであり、好ましくは0.95〜1.20モ
ルである。本発明で用いる相分離剤としては、塩化リチ
ウム、フッ化リチウム等のハロゲン化リチウム;酢酸リ
チウム及び酢酸ナトリウム等のアルカリ金属酢酸塩;ス
ルホン酸リチウム、スルホン酸ナトリウム等のアルカリ
金属スルホン酸塩及び水などが挙げられる。この中でハ
ロゲン化リチウム、アルカリ金属酢酸塩及び水が好まし
い。相分離剤の使用量は、ポリマー相が生成する量であ
ればよく、特に制限はないが、前記硫黄源中の硫黄原子
1モルに対し、通常0.05〜3.0モルであり、好ましく
は0.2〜2.5モルである。相分離剤の使用量が0.05未
満であると、相分離剤を添加する効果が充分ではなく、
反応速度が遅くなったり、得られるPASの高分子量化
や高純度化が充分に進まないことがある。一方相分離剤
の使用量が3.0モルを超えても、使用量に見合った効果
が得られるものでもなく、製造コストが高くなり、経済
的ではない。
必要に応じて、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物、
1中に3個以上のハロゲン原子を有するポリハロゲン化
芳香族化合物及びハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの
分岐剤を適当に選択して反応系に添加使用することもで
きる。活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物としては、
例えばアミノ基,チオール基,ヒドロキシル基などの活
性水素を持つ官能基を有するハロゲン化芳香族化合物を
挙げることができ、さらに具体的には、2,6−ジクロ
ロアニリン,2,5−ジクロロアニリン,2,4−ジク
ロロアニリン,2,3−ジクロロアニリン等のジハロア
ニリン類;2,3,4−トリクロロアニリン,2,3,
5,−トリクロロアニリン,2,4,6−トリクロロア
ニリン,3,4,5−トリクロロアニリン等のトリハロ
アニリン類;2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロロ
ジフェニルエーテル,2,4’−ジアミノ−2',4−ジ
クロロジフェニルエーテル等のジハロアミノジフェニル
エーテル類及びこれらの化合物においてアミノ基がチオ
ール基やヒドロキシル基に置き換えられた化合物などが
挙げられる。また、これらの活性水素含有ハロゲン化芳
香族化合物の中の芳香族環を形成する炭素原子に結合し
た水素原子が他の不活性基、例えばアルキル基などの炭
化水素基に置換している活性水素含有ハロゲン化芳香族
化合物も使用することができる。これらの各種活性水素
含有ハロゲン化芳香族化合物の中でも、好ましいのは活
性水素含有ジハロゲン化芳香族化合物であり、特に好ま
しいのはジクロロアニリンである。
有するポリハロゲン化芳香族化合物としては、例えば
1,2,4−トリクロロベンゼン,1,3,5−トリク
ロロベンゼン,1,4,6−トリクロロナフタレン等が
挙げられる。前記ハロゲン化芳香族ニトロ化合物として
は、例えば2,4−ジニトロクロロベンゼン等のモノハ
ロニトロベンゼン類;2,5−ジクロロニトロベンゼン
等のジハロニトロベンゼン類;2−ニトロ−4,4’−
ジクロロジフェニルエーテル等のジハロニトロジフェニ
ルエーテル類;3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロ
ロジフェニルスルホン等のジハロニトロジフェニルスル
ホン類;2−クロロ−3,5−ジニトロピリジン等のモ
ノハロニトロピリジン類;2,5−ジクロロ−3−ニト
ロピリジン等のジハロニトロピリジン類及び各種ジハロ
ニトロナフタレン類などが挙げられる。これらの活性水
素含有ハロゲン化芳香族化合物,ポリハロゲン化芳香族
化合物及びハロゲン化芳香族ニトロ化合物などを使用す
ることによって、生成する重合体の分岐度を増加させた
り、分子量をさらに増加させたり、溶融流動性の低下し
たゲル形成性重合体を生成したりして、この発明の方法
により生成する重合体の該特性をさらに改善することが
できる。本発明の方法において、これらの分岐剤は、一
種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。分岐剤の使用量は、前記硫黄源中の硫黄原
子1モルに対し、通常0.0005〜0.05モルであり、
好ましくは0.001〜0.02モルである。
は、非プロトン性の極性有機化合物(例えば、アミド化
合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機硫黄化合物,
環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として又は混合溶
媒として好適に使用することができる。これらの非プロ
トン性の極性有機化合物のうち、前記アミド化合物とし
ては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピ
ルアセトアミド、N,N−ジメチル安息香酸アミドなと
を挙げることができる。
ば、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N−
エチルカプロラクタム、N−イソプロピルカプロラクタ
ム、N−イソブチルカプロラクタム、N−ノルマルプロ
ピルカプロラクタム、N−ノルマルブチルカプロラクタ
ム、N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アルキ
ルカプロラクタム類、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプロピ
ル−2−ピロリドン、N−イソブチル−2−ピロリド
ン、N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン、N−ノル
マルブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2
−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリド
ン、N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン、N−メ
チル−3,4,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピペリドン、N−エチル−2−ピペリド
ン、N−イソプロピル−2−ピペリドン、N−メチル−
6−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−3−エチル
−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、
N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げることが
できる。さらに、前記有機硫黄化合物としては、例え
ば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジ
フェニルスルホン、1−メチル−1−オキソスルホラ
ン、1−エチル−1−オキソスルホラン、1−フェニル
−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有機リ
ン化合物としては、例えば、1−メチル−1−オキソホ
スホラン、1−ノルマルプロピル−1−オキソホスホラ
ン、1−フェニル−1−オキソホスホランなどを挙げる
ことができる。これら各種の非プロトン性極性有機化合
物は、それぞれ一種を単独で又は二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して、有機極性溶媒として使用することができる。前
記各種の非プロトン性有機溶媒の中でも、好ましいのは
N−アルキルカプロラクタム及びN−アルキルピロリド
ンであり、特に好ましいのはN−メチル−2−ピロリド
ンである。有機極性溶媒の使用量は、前記硫黄源中の硫
黄原子1モルに対し、通常1〜30モルであり、好まし
くは3〜15モルである。
好ましくは240〜280℃、より好ましくは250〜
270℃における一段反応で行ってもよいが、重縮合の
前に、180〜230℃、好ましくは190〜220
℃、より好ましくは195〜215℃で予備重合を行う
ことが好ましい。重縮合の反応時間は、0.5〜10時
間、好ましくは1.0〜10時間、より好ましくは1.5〜
10時間である。本発明の製造方法は、攪拌翼を有する
重合槽を用いてポリアリーレンスルフィドを製造する
際、上記攪拌翼として、その先端部付近に切欠き部を有
しないものを用い、かつ攪拌翼の先端部を、これと重合
槽底部及び/又は鏡部との距離がその先端部全体にわた
り実質等しくなるような隙間を形成させるような形状と
して重合を行うことを特徴としている。
用いる場合、通常、その下部中央部付近に切欠き部を有
するものを用い、これにより重合槽の底部に沈降したポ
リマー相を巻き上げ、攪拌を行う。しかしながら、この
ような場合、巻き上げられたポリマー相が上記切欠き部
に滞留し、十分な攪拌状態が得られず、高分子量のPA
Sが得られないことがある。従って、本発明において
は、先端部付近に切欠き部を有しない攪拌翼を用いて重
合反応を行う。ここで、先端部付近に切欠き部を有しな
い攪拌翼としては、先端部あるいはその付近に切欠き部
がないものであればその形状は特に制限されないが、通
常ポリマーの重合反応に使用される攪拌翼で切欠き部を
有しないものがいずれも使用できる。このような攪拌翼
としては、例えば、切欠き部を有しない大型攪拌翼、特
に、一軸大型平板翼と呼ばれるアンカー翼、スクリュー
翼、マックスブレンド翼、大型パドル翼、フルゾーン翼
などで切欠き部を有しないものが好ましく用いられ、特
に本発明の目的の点からフルゾーン翼が好ましく用いら
れる。
つ攪拌翼の先端部を、これと重合槽底部及び/又は鏡部
との距離がその先端部全体にわたり実質等しくなるよう
な隙間を形成させるような形状として重合を行うもので
ある。ここで鏡部とは、重合槽において胴部の端を構成
する皿板などの板部をいう。また、攪拌翼の先端部と
は、攪拌翼の先端あるいは下端縁部のうち上記鏡部及び
/又は重合槽底部に対面する部分をいい、本発明におい
ては、その縁部と鏡部及び/又は重合槽底部との距離が
その縁部全体にわたって実質同一、すなわち等距離にあ
るような形状の攪拌翼を設置することが好ましい。本発
明において、上記攪拌翼の先端部と重合槽底部及び/又
は鏡部との間の距離はその規模により適宜選定され、特
に制限はないが、例えば、槽径に対して10%以下、特
に2〜5%の範囲であることが攪拌状態を良好に保つう
えで好ましい。また、本発明において「実質等しい距
離」とは、攪拌翼の先端部と重合槽底部及び/又は鏡部
との間の平均距離に対して、攪拌翼先端部の各位置によ
り槽径の±1%程度の変動を含むことを意味する。
おいては、その攪拌動力Pvは0.025〜0.3kW/m
3 程度であることが好ましい。この範囲で、本発明の攪
拌翼を使用すると、ポリマー相の良好な分散状態を得る
ことができる。本発明においては、重合槽にバッフルを
設けることが好ましく、用いられるバッフルとしては特
に制限はないが、例えば、重合槽に非対称に配置された
バッフル及び/又は丸棒状形状を有するバッフルを用い
ることが好ましい。重合槽に非対称に配置されたバッフ
ルとしては、重合槽の中心軸あるいは該軸を含む平面に
対し非対称な位置に設置されたバッフル、あるいは対称
位置にあっても形状あるいは大きさが非対称であるバッ
フルをいずれも包含する。特に、その各々が重合槽壁面
に沿って等間隔に配置されないもの、等間隔に配置され
ているがそのうち少なくとも1のバッフルを設けないも
のが好ましく挙げられる。また、対称位置にあっても形
状あるいは大きさが非対称であるバッフルとしては、対
称位置にある双方のバッフルの長さ及び/又は幅が異な
るものを用いることができる。本発明に用いられる丸棒
状形状を有するバッフルとしては、その径が重合槽内径
の10%以下、更に3〜7%であることが好ましい。
造装置の一例を示す概略断面図である。すなわち、図
1、図2は、いずれも本発明の重合装置のうち、その先
端部付近に切欠き部を有しない攪拌翼を具備し、かつそ
の先端部と重合槽底部及び/又は鏡部との距離がその先
端部全体にわたり実質等しくなるような隙間を形成させ
るような形状を有するポリアリーレンスルフィドの製造
装置であり、図1はフルゾーン翼で切欠き部のないも
の、図2はマックスブレンド翼で切欠き部のないものを
用いた各々の例である。図1、図2の各々によれば、切
欠き部のない攪拌翼2及びバッフル3を具備する重合槽
1において、底部鏡板4に抜出し部5が設けられてい
る。本発明においては、本発明の特定の攪拌翼2を具備
した重合槽1において、有機極性溶媒中で、硫黄源とジ
ハロゲン芳香族化合物とを必要に応じ相分離剤の存在下
に、攪拌下重縮合させ、分離した溶媒相とポリマー相の
うち比重差によって下部に沈降するポリマー相を、重合
槽底部鏡板4に設けられた抜出し部5から抜き出し、沈
降するポリマー相の塊状化を防止するものである。
に説明する。 実施例1予備重合 攪拌機のついた1m3 チタン製原料合成槽にN−メチル
−2−ピロリドン(NMP)554kg及び水酸化リチ
ウム(LiOH・H2 O)100kg(2.38キロモ
ル)を仕込み、昇温し140℃に保ち、原料水酸化リチ
ウム中に含まれる水を回分蒸留し除去した。次いで、温
度を130℃に保ったまま、気体状の硫化水素を65N
キロリットル吹き込み水硫化リチウムを合成した。その
後、硫化水素の吹き込みを停止し、重合槽を再び205
℃まで昇温した。昇温に伴い、硫化水素を吹き込んだ際
に副生する水を回分蒸留により除去するとともに、水硫
化リチウムから硫化リチウムを生成した。反応終了後、
反応物中には硫化リチウムが1.08キロモル及びN−
メチル酪酸リチウムが0.214キロモル含まれてい
た。これにパラジクロロベンゼン(PDCB)を16
5.1kg(1.123キロモル)を投入し、更に、純
水583kg(0.32キロモル)を投入し、210℃
にて3時間反応させた。反応液を60℃以下になるまで
冷却し、反応器から反応混合物を20L容器に抜き出し
た。PDCBの転化率は85%であった。
鏡板の底部中央に内径4mmの抜出しラインを、壁面に
直径12mmで液面から鏡板まで300mmの丸棒バッ
フル4本が等間隔に対座するように、また、液面計を設
け、攪拌翼として切欠きを有しないフルゾーン翼をフル
ゾーン翼先端と底部とのクリアランスを10mmとなる
ように装着した10リットルオートクレーブに、相分離
剤として塩化リチウム855g、NMP5145gを仕
込み、260℃迄昇温し、前記予備重合において得られ
たプレポリマーを60℃に保持し、ギヤポンプを用いて
45g/分の速度で連続的に供給した。攪拌翼の回転数
は165rpm、攪拌動力0.2kW/m3 であった。一
方、液面計と抜出しラインに設けたバルブの制御によ
り、液面が一定になるように底部中央の抜出しラインか
らポリマー相を連続的に抜き出した。液深の中央に位置
するサンプルラインから抜き取った液(ポリマー相と溶
媒相とが分散したもの)について、冷却後、顕微鏡でポ
リマー相の分散状態を観察したところ、球状のポリマー
が観察され、重合槽中での分散状態が良好であることが
わかった。また、それを多量の熱水で洗浄し、乾燥させ
た後、α−クロロナフタレンに0.4dl/gの濃度にな
るように溶解させ、206℃の温度でウベロード粘度計
を使用して固有粘度を測定したところ、その値は0.30
と高く、高分子量のPPSが得られたことがわかった。
ち、実施例1で用いた攪拌翼に代えて、幅16mm、深
さ24mmの切欠きを有するほかは同一の攪拌翼を使用
した以外は実施例1と同様に操作を行った。同様にポリ
マー相の分散状態を観察したところ、固有粘度が0.30
であり、所望の高分子量のPPSが得られているもの
の、不定形のポリマーが観察され、重合槽中での分散状
態が不良であることがわかった。
ち、実施例1で用いた攪拌翼に代えて、切欠きを有しな
いマックスブレンド翼を用い、供給速度を39g/分と
した以外は実施例1と同様に操作を行った。同様にポリ
マー相の分散状態を観察したところ、球状のポリマーが
観察され、重合槽中での分散状態が良好であることがわ
かった。また、固有粘度は0.29と高く、高分子量のP
PSが得られていることがわかった。
ち、実施例2で用いた攪拌翼に代えて、下端幅22m
m、上端幅16mm、深さ10mmの切欠きを有するほ
かは同一の攪拌翼を使用した以外は実施例2と同様に操
作を行った。同様にポリマー相の分散状態を観察したと
ころ、固有粘度が0.29であり、所望の高分子量のPP
Sが得られているものの、不定形のポリマーが観察さ
れ、重合槽中での分散状態が不良であることがわかっ
た。
AS重合槽においてポリマー相の均一な分散状態を形成
させることができ、高分子量のPASを製造することが
できる。
る。
る。
ある。
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 攪拌翼を有する重合槽を用いてポリアリ
ーレンスルフィドを製造する方法において、上記攪拌翼
として、その先端部付近に切欠き部を有しないものを用
い、かつ攪拌翼の先端部を、これと重合槽底部及び/又
は鏡部との距離がその先端部全体にわたり実質等しくな
るような隙間を形成させるような形状として重合を行う
ことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方
法。 - 【請求項2】 攪拌翼が、アンカー翼、スクリュー翼、
マックスブレンド翼、大型パドル翼及びフルゾーン翼か
ら選ばれるものであり、かつ切欠き部を有しないものこ
とを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 攪拌翼を具備した重合槽を有するポリア
リーレンスルフィドの製造装置において、上記攪拌翼
が、その先端部付近に切欠き部を有しないものであり、
かつその先端部と重合槽底部及び/又は鏡部との距離が
その先端部全体にわたり実質等しくなるような隙間を形
成させるような形状を有することを特徴とするポリアリ
ーレンスルフィドの製造装置。
Priority Applications (2)
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US10/117,193 US6750319B2 (en) | 2001-04-10 | 2002-04-08 | Process for producing polyarylene sulfide and apparatus used therein |
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JP2001111115A JP2002308989A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法および製造装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002308988A (ja) * | 2001-04-10 | 2002-10-23 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | ポリアリーレンスルフィドの製造方法およびそれに用いる装置 |
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- 2001-04-10 JP JP2001111115A patent/JP2002308989A/ja active Pending
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