JP2004081380A - 介護用入浴装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】介護者の作業負荷が軽減できる介護用入浴装置を提供する。
【解決手段】入浴者Pの頭部が突出する開口部12bを除いた浴槽12の上面開口12aは、ガススプリング19で上方に付勢されたアーム18によって上方向に開放自在の蓋体16によって閉塞される。蓋体16が上開き構造であるために、介護者が浴槽12の左右いずれの横に立っても蓋体16の開閉が可能であり、小柄で非力な介護者でも無理なく開閉が行える。また、装置の横幅(最大幅)が小さくて済み、省スペース化にも有効である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体障害者、老齢者などの被介護者が、介護者の介護の下に入浴するために使用される介護用入浴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
身体障害者や老齢者、或いは病弱者など、起き上がることが困難であったり自力のみでは入浴したりすることができない者(以下「被介護者」という)が、介護者の助力の下に入浴するための入浴装置として、様々な形態のものが開発されている。こうした入浴装置の1つとして、被介護者を車椅子に座した状態から浴槽に簡便に移動させ、浴槽の中に湯を溜めて被介護者が湯に浸ることができるようにした入浴装置が知られている。
【0003】
例えば特許第2628568号公報に記載の入浴装置では、浴槽の上面開口がほぼ真上を指向する状態から斜め上方を指向する状態にまで浴槽が揺動するように支持され、浴槽の前縁端が床面に近接するようにした状態(上面開口が斜め上方を指向した状態)でロックさせ、車椅子の座席部に乗った被介護者を座席部ごと浴槽内にスライド移動させる構成となっている。そして、被介護者が浴槽に収容された後には、ロックを解除して浴槽を揺動させて水平状態としてロックし、浴槽内に湯を溜めることにより、被介護者が仰臥入浴できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした介護の現状を考えてみると、介護者は女性であることが多い反面、介護上の作業の多く、特に上記のように被介護者に入浴を提供するような介護においては、その作業は腕力を伴う力作業が多い。そのため、こうした介護者の負担、特に労力を要する作業を軽減することが強く要望されている。
【0005】
上記のような従来の介護用入浴装置においても、被介護者を持ち上げて浴槽内へと移動させるような過重な作業を解消するために、車椅子の座席部をそのまま浴槽内にスライド移動させるといった方法が採用されており、介護者の負担の軽減が図られてはいる。しかしながら、被介護者が収容された状態で浴槽を揺動させるのは非力な介護者にとっては容易ではなく、また、被介護者が収容された後の浴槽を浴室に移動して浴槽内に給湯を行う必要がある。そのため、実際に被介護者を入浴させる際に、介護者がかなりの労力を必要とすることは避けがたい。
【0006】
一方、例えば特開2000−116745号公報等に記載の入浴装置(製品としては例えばオージー技研株式会社製の車椅子入浴装置チェアーインバスなど)では、浴槽の側壁に横開き式の扉が設けられている一方、被介護者を移送するための車椅子は座席部と台車部とが分離可能に構成されている。そして、浴槽の扉を開いた状態で、被介護者の乗った車椅子を浴槽に接触するように近接させてゆくと、台車部は浴槽の底面下方つまり浴槽の外部に残り、座席部のみが被介護者を乗せたまま浴槽内に滑り込むように入る。従って、その後に扉を閉めて浴槽に湯を溜め、被介護者を入浴させることができる。
【0007】
こうした入浴装置では給湯装置などが一体化されているため、介護者の労力は或る程度軽減される。しかしながら、こうした入浴装置は、比較的設置面積を確保し易い介護施設などに設置されることを前提しているため、大形で大きな設置面積を占有する。そのため、例えば在宅看護などのために一般家庭に設置するのは非常に困難である。そのため、一般家庭にも設置可能であるように、特に設置面積が小さな小型の入浴装置が要望されている。もちろん、設置面積が小さければ、介護施設等においても複数の装置を並設することができるため、利点が大きい。
【0008】
また、入浴装置の本来の目的は、被介護者の身体を清潔に維持するとともに、入浴によって被介護者にリラックス感や清涼感などの心理的な好影響を与え、場合によっては、温熱等による身体的な治療効果も期待できることにある。従って、こうした本来の目的に関し、従来の入浴装置よりも一層の高い効果を得られることも重要である。更に、こうした入浴装置を利用する被介護者は自分で動くことができなかったり、場合によっては声を出すことができなかったりすることも多いから、使用時に身体に危険を及ぼす事態が発生しないように、安全性に関しても強い配慮が望まれるとともに、入浴者が安心して入浴できることが重要である。
【0009】
本発明はこうしたいくつかの点に鑑みて成されたものであり、その第1の目的とするところは、介護者の作業負荷を大幅に軽減し、介護者の体格が比較的小柄であったり非力であったりした場合であっても、無理なく取り扱うことができ、作業性の良好な介護用入浴装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的とするところは、設置面積が小さくて済む、省スペース性に優れた介護用入浴装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的とするところは、被介護者つまり入浴者に対する高い安全性を達成することができる介護用入浴装置を提供することにある。
【0012】
更にまた、本発明の第3の目的とするところは、被介護者自身に充分な満足感や安心感を与えることができ、それによって高い入浴効果を得るとともに、被介護者つまり入浴者に対する高い安全性を達成することができる介護用入浴装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された第1発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
c)該浴槽に収容された入浴者の頭部を除いて該浴槽の上面開口を閉塞する蓋体であって、上開き構造である蓋体と、
を備え、前記蓋体を開放した状態で上面開口を介して浴槽内に入浴者を収容した後に蓋体を閉鎖し、その後に浴槽内に給湯を行って入浴者が湯に浸たるようにしたことを特徴としている。
【0014】
第1発明に係る介護用入浴装置では、蓋体を上に大きく開いた状態で、入浴者を座席部に乗った状態のまま台車部上から浴槽内へとスライド移動させ、入浴者が充分に浴槽内に収容されたならば、蓋体を降ろして浴槽の上面開口の一部を閉鎖する。このときには、通常は入浴者の頭部だけ(入浴者の体格によっては肩から上)が浴槽から飛び出た状態となる。その後に、浴槽内に給湯を行って、入浴者が湯に浸るようにして入浴を提供する。
【0015】
例えば蓋体を横開き構造とすると、浴槽を挟んで蓋体の開放方向と反対側に介護者が立った場合、蓋体を閉鎖する際に浴槽の上を横切るように上半身を乗り出さなければならず、介護者が小柄である場合に非常に作業が行いにくい。また、入浴者の上に上半身を乗り出すことにもなるため、介護者、入浴者ともに心理的な抵抗感が生じることも考えられる。これに対し、この第1発明に係る介護用入浴装置によれば、蓋体を上開き構造にしているため、介護者が浴槽の左右いずれの側方に立っても同一条件で無理なく蓋体の開閉を行うことができる。また、浴槽や入浴者の上方に介護者が上半身を乗り出すことなく蓋体の開閉が行えるので、介護者や入浴者の心理的抵抗が生じない。更にまた、蓋体が上開き構造であると、蓋体の開放時にも装置の横サイズが大きくならず、設置スペースの点でも有利である。
【0016】
上記課題を解決するために成された第2発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能であって、内部に貯留された湯を外部に排出するための排水口を有する浴槽と、
c)該浴槽に収容された入浴者の頭部を除いて該浴槽の上面開口を閉塞する蓋体と、
d)浴槽内に面した前記蓋体に設けられた溢流口、該溢流口を入口開口として該蓋体に配設された蓋体側溢流管、及び、前記浴槽にあって前記蓋体が閉鎖された状態で一端が前記蓋体側溢流管と連結され、他端が前記排水口又はその外側の排水管に連通する浴槽側溢流管、から成る溢水防止手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0017】
第2発明に係る介護用入浴装置では、浴槽に供給された湯の量が多すぎる場合、或いは、湯の量は適当であっても入浴者が身体を動かしたり浴槽自体を移動させたりした際に水面が大きく波立った場合に、所定水位を超えた湯は、蓋体に設けられた溢流口から蓋体側溢流管及び浴槽側溢流管を経て浴槽の排水口又は排水管に流れることによって外部へ排出される。従って、浴槽から湯が溢れ出して周囲の床などを濡らしてしまうことを防止することができる。もちろん、蓋体に溢流口を設けるのみならず、浴槽の内壁面にも湯の溢れを防止するための溢流口を設けるようにしてもよい。
【0018】
上記課題を解決するために成された第3発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
c)前記浴槽の上面開口の指向方向が上方と前方との間で変化するように該浴槽を傾動自在に保持する浴槽保持手段と、
d)モータ、該モータにより回転駆動される垂直方向に延伸するねじ軸、及び、該ねじ軸と係合しねじ軸が回転する際に上下動するボールねじ式の可動体、から成る浴槽作動手段と、
e)前記可動体に対し前記浴槽の後部を軸支する軸支部と、該軸支部よりも前方側の浴槽の底部に設けられた車輪と、該車輪の走行面であって後方から前方に向かって下傾する案内傾斜面と、から成る浴槽保持手段と、
を備え、前記浴槽作動手段にあって前記可動体が上下動する際に、前記軸支部を介して浴槽の後部が上下動し、それに伴って前記車輪が案内傾斜面上を登る又は下ることにより、浴槽はその上面開口がほぼ前方を指向する状態とほぼ上方を指向する状態との間で変化するように傾きが変化することを特徴としている。
【0019】
第3発明に係る介護用入浴装置では、モータによりねじ軸を所定回転方向に駆動すると、ボールねじを介して可動体が下降する。すると、軸支部を介して浴槽の後部が押し下げられ、浴槽底部の車輪は案内傾斜面を下って、浴槽はその上面開口がほぼ前方から斜め前方へ、そして更に徐々に上を向いてくるように傾動する。一方、モータによるねじ軸の回転方向を反転させると、ボールねじを介して可動体は上昇し、浴槽は上記とは反対に、その上面開口が上方から斜め前方、更に前方に向くように徐々に傾動する。モータの動作が停止したとき、ねじ軸とボールねじとの噛み合いによって可動体は任意の位置に静止する。
【0020】
従って、ねじ軸のねじ山が潰れてしまう、或いはボールねじ自体が破損してしまうほどの異常な力が作用しない限り、浴槽は任意の角度でその停止状態を維持することができ、意図せずに浴槽が落下してしまうことがないので、高い安全性と信頼性とを確保することができる。また、可動体が上下動している状態から停止する際の停止、及び、停止状態から上下動し始める際の始動、がいずれも円滑であるため、浴槽に入浴者が収容された状態で浴槽が傾動されても、入浴者に与える衝撃は軽微であって、入浴者の不安感等を惹起させることがない。
【0021】
なお、上記第3発明に係る介護用入浴装置において、前記車輪は浴槽の側壁面よりも内側に収まるように配置されていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、車輪を設けても浴槽の横幅よりもサイズが大きくならないので、本装置の設置面積を広げる必要がなく、省スペース性が維持できる。
【0023】
また、上記第3発明に係る介護用入浴装置において、前記モータの作動によって、浴槽の上面開口がほぼ前方を指向するように起立した浴槽収納状態と、浴槽の前縁端が床面に近接し、その上面開口が斜め前方を指向する入浴者の収容・退出を行うためのセッティング状態と、浴槽の上面開口がほぼ上方を指向するような標準入浴状態とを行うことを特徴としている。
【0024】
この構成によれば、浴槽の収納、入浴者の収容・退出、入浴といった浴槽の傾きを変更する際の動作が唯一のモータを駆動源として行うことができる。従って、構成が簡単になり、装置コストの低廉化に寄与するとともに、信頼性も一層高まる。
【0025】
上記課題を解決するために成された第4発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
c)前記浴槽の上面開口の指向方向が前方と斜め前上方との間で変化するように該浴槽を傾動自在に保持する浴槽保持手段と、
d)前記浴槽の傾動動作に応じ、浴槽が起立する際には後方へ後退するとともに浴槽が前方にせり出す際には前方へと進出する、前記台車部の一部に係合して該台車部を一時的に固定するための伸縮式の台車部固定手段と、
を備え、前記浴槽はその底部に傾動に伴って走行する車輪を有し、前記台車部固定手段は該車輪が上に乗ったときにその押圧力によって倒伏することにより前方へと進出し、該車輪による押圧力が解除されると起立することにより後方へ後退することを特徴としている。
【0026】
第4発明に係る介護用入浴装置では、浴槽保持手段により起立した状態にある浴槽が前方にせり出すように傾動させ、所定の傾き状態で固定した状態で、介護者は入浴者が乗った状態にある車椅子を浴槽に近接させる。このとき、浴槽の車輪は台車部固定手段に押圧力を与え、これによって台車部固定手段は前方に進出している。そのため、車椅子が近づいて来たときに、その台車部の一部は台車部固定手段に係合して固定されるから、台車部をその位置に残して座席部を入浴者を乗せたまま浴槽内にスライド移動させることにより、入浴者を浴槽内に収容する。このようにして、台車部を浴槽に対して確実に固定して、入浴者を安全に浴槽内に移動させることができる。入浴終了後に浴槽内から台車部上へ入浴者を移動させる際も同様である。一方、本装置の非使用時に浴槽を起立させると、車輪による台車部固定手段への押圧力が解除されて、台車部固定手段は後方に後退する。従って、このときには台車部固定手段が前方に延出していないので介護者がそのほかの者の邪魔にならず、その分だけ非使用時の本装置の設置面積も小さくて済む。
【0027】
上記課題を解決するために成された第5発明に係る介護用入浴装置は、入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽を備えた本体装置とを具備し、前記車椅子の座席部に乗ったまま入浴者を浴槽内に移動させてその後に該浴槽内に湯を供給して入浴を行う介護用入浴装置において、
前記車椅子の座席部は、前記台車部に設けられた台車部案内軌道に沿って走行する第1車輪と、前記浴槽内に設けられた浴槽案内軌道に沿って走行する第2車輪とを独立に有し、第1車輪は浴槽案内軌道と、第2車輪は台車部案内軌道と接触しないようにしたことを特徴としている。
【0028】
第5発明に係る介護用入浴装置において、車椅子は堅牢性を重視して一般にステンレスやアルミニウムなどの金属体、金属筒体などから形成されるのに対し、浴槽は軽量性、保温性などを重視してFRPなどの一種の合成樹脂材から形成される。車椅子の座席部はこうした材質の異なる二種類の軌道上を走行するが、上記構成では、台車部案内軌道上を走行する第1車輪と、浴槽案内軌道上を走行する第2車輪とが独立に設けられており、且つ、第1車輪は浴槽案内軌道と、第2車輪は台車部案内軌道と接触しないため、その軌道の材質に適合した材質でもってそれぞれの車輪を形成することができる。それによって、各車輪や軌道の耐久性を増すことができ、信頼性の向上に寄与する。また、走行時の摩擦による騒音を軽減することができるため、静粛性を確保し、介護者、入浴者ともに不快感を与えることがない。
【0029】
また、上記第5発明に係る介護用入浴装置において、前記台車部案内軌道は上下に略平行に延伸した二本の円筒部を有し、第1車輪は、該二本の円筒部に上下に挟まれた状態で転動する円盤形状の摺動部と、該摺動部の両側にあって前記円筒部をその両側面から挟み込むように該摺動部よりも大径の外枠部及び内枠部とを有する構成とすることができる。
【0030】
この構成によって、車椅子の台車部上で座席部をスライド移動自在でありながら確実に保持し、上下や左右のガタつきを軽減することができる。これによって、入浴者に安心感を与えることができる。
【0031】
また、上記第5発明に係る介護用入浴装置では、前記台車部案内軌道の車輪走行面にあって、入浴者移動時に浴槽に近接する側の端部は先端に向かうに従い下傾形状に形成されている構成とすることが好ましい。
【0032】
この構成によって、座席部が台車部と浴槽とに跨って、第1車輪が台車部案内軌道から外れるとき、又は逆に第1車輪が台車部案内軌道上に着地するときに、円滑にその移行が行われ、座席部に乗っている入浴者に与える衝撃を軽減することができる。これによって、入浴者に安心感を与えることができる。
【0033】
上記課題を解決するために成された第6発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
c)該浴槽の上方に設置され、該浴槽内に湯を供給するために予め湯を貯留しておく貯湯槽と、
d)該貯湯槽と前記浴槽とを接続し、その途中に給湯弁が設けられた給湯管と、
e)湯を外部へ排出するために前記貯湯槽に一端が接続され、その途中に排湯弁が設けられた排湯管と、
を備え、前記給湯弁又は排湯弁の少なくとも一方は、前記貯湯槽の内部で湯に浸漬した状態で前記給湯管又は排湯管の入口開口を開閉する弁体を有して成ることを特徴としている。
【0034】
第6発明に係る介護用入浴装置の一態様では、湯が一旦蓄えられた貯湯槽から給湯管を経て浴槽に湯が供給されるが、その給湯を制御する給湯弁は、貯湯槽の内部で湯に浸漬した状態で給湯管の入口開口を開閉する弁体を有している。そして例えば、この弁体をモータによる駆動力によって引き上げることにより入口開口を開放させ、その駆動力を解除することにより、水圧で弁体が入口開口を閉鎖するようにする。このような構成によれば、弁体を含む給湯弁を貯湯槽の内部に設置することができるので、貯湯槽の外側に弁を設けるスペースを確保する必要がなく、省スペース性を達成できる。また、給湯弁の代わりに排湯弁を上記構成としてもよく、給湯弁、排湯弁ともに上記構成としてもよい。なお、入浴者の待ち時間を短くするために貯湯槽から浴槽への給湯時間は短いことが好ましく、そのためには給湯管の径を太くするとよい。その場合、給湯弁を貯湯槽の外側に設けると特に大きなスペースを必要とするが、給湯弁を上記構成とすることにより、特に省スペース化に有効である。
【0035】
上記課題を解決するために成された第7発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
c)該浴槽内に湯を供給する給湯手段と、
d)入浴剤や浴用洗浄剤を含む補助液剤を入浴時に使用するか否かを介護者が指示する入力手段と、
e)前記補助液剤を予め収容しておく容器、及び、前記入力手段により前記補助液剤の使用が指示されている場合に、前記給湯手段による浴槽への給湯時に前記容器内から吸引した補助液剤をその湯中に混入させる液剤混入手段、から成る液剤投入手段と、
を備えることを特徴としている。
【0036】
第7発明に係る介護用入浴装置では、介護者が予め所定容器に入浴剤や浴用洗浄剤(浴用液体石鹸など)などの液剤を収容しておき、それら液剤の自動投入を指示しておくと、給湯手段により浴槽内への給湯が行われる際に、液剤混入手段が作動して上記容器から液剤を吸引して浴槽へと供給される湯にその液剤を混入する。それによって、適宜量の入浴剤や浴用洗浄剤が溶解した湯が浴槽内に貯留される。従って、介護者が給湯終了後に浴槽内に直接、入浴剤や浴用洗浄剤を投入する必要がなくなり、省力化が可能であるとともに、液剤が湯に混入される時点で湯に溶解して浴槽内へと注がれるので、液剤の拡散が迅速に行われ、入浴当初から高い効果を得ることができる。
【0037】
上記課題を解決するために成された第8発明に係る介護用入浴装置は、
a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
c)該浴槽内に湯を供給するために予め湯を貯留しておく貯湯槽と、
d)該貯湯槽と前記浴槽とを接続する給湯管と、
e)前記貯湯槽へ導入する湯の温度を調整する湯温調整手段と、
f)前記貯湯槽へ導入する湯を前記給湯管へと直接送るためのバイパス管と、
g)通常の給湯時には前記貯湯槽から給湯管を経て浴槽内に給湯を行い、特殊給湯時には前記湯温調整手段により温度調整された湯をバイパス管及び給湯管を経て浴槽内に給湯する給湯制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0038】
第8発明に係る介護用入浴装置では、通常の給湯時には、前もって湯を貯留してある貯湯槽から給湯管を経て浴槽内に給湯を行うが、場合によっては、貯湯槽内で湯が若干冷めていて、浴槽内の湯の温度を少し高めたいような場合がある。その場合には、特殊給湯として、貯湯槽からの湯ではなく、湯温調整手段により温度調整された湯をバイパス管及び給湯管を経て、つまり貯湯槽を経ることなく浴槽内に給湯する。湯温調整手段による目標湯温を貯湯槽内の湯温よりも或る程度高めに設定しておくことにより、その時点で浴槽に貯留している湯よりも少し高めの温度の湯を浴槽へと供給することができるから、それによって、浴槽内の湯温を全体的に少し高めて、適度な湯温での入浴を入浴者に提供することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る介護用入浴装置の一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0040】
図1〜図4はいずれも本介護用入浴装置の全体構成を示す要部の概略側面図であって、図1は浴槽収納時の状態、図2は車椅子に乗った入浴者を浴槽内に移す又はその逆に浴槽内から車椅子に乗せる際の状態(以下、本状態を「セッティング状態」という)、図3はセッティング状態から更に浴槽を傾けた入浴時の状態(以下、本状態を「標準入浴状態」という)、図4は図2において浴槽の蓋体を開放した状態、をそれぞれ示している。また図5は、本介護用入浴装置の一部である、専用の車椅子の外観正面図(A)及び外観側面図(B)である。
【0041】
本介護用入浴装置は、大別して、被介護者である入浴者が腰掛けた姿勢で浴槽内に収容される浴槽12を備えた本体装置1と、該浴槽12内に入浴者を収容する又はその逆に該浴槽内から退出させるために使用される専用の車椅子2とから成る。
【0042】
本体装置1においては、最後部に支柱10が立設され、その支柱10の上部に最大で約200L程度の容量の貯湯槽11を備える。貯湯槽11上面までの高さ、つまり本体装置1の全高は、日本における一般的な家屋の天井の高さである2400mm以下となるように2300mm程度に抑えられており、いわゆる在宅介護の場での設置が考慮されている。この貯湯槽11の下方には前壁及び後壁が底面の中央に向けて傾斜するように形成された底浅型の浴槽12が、最底部よりもやや前方に設けられた左右一対の浴槽ローラ13と、後壁に突出して設けられた軸支部14とにより支持されている。後述するように軸支部14はモータの動作により上下動し、それによって浴槽12の後部側を押し下げ又は引き上げる。支柱10の下方には、後方に向かって上向きに傾斜した傾斜案内部15が設けられ、軸支部14が上下動して浴槽12の後部を引き上げ又は押し下げるときに、浴槽ローラ13は傾斜案内部15に沿って登る又は下るようになっている。
【0043】
浴槽12は、図3に示すような標準入浴状態において上方を向く上面が開口(上面開口12a)しているが、その後方側の入浴者が頭を突出させる開口部12bを除いては蓋体16により閉鎖可能となっている。蓋体16は、図4に示すように、浴槽12の両側壁面後端に一端が軸支されたアーム18により蝶動自在に設けられており、アーム18はガススプリング19によって適宜の力で上向きに付勢されている。蓋体16は、図2に示すように浴槽12の上面開口12aに密着した状態では図示しないロック機構により閉鎖状態を維持するが、人の手によってそのロックが解除され上向きの力が付与されると、ガススプリング19の付勢力によってゆっくりと開放し、最終的には図4に示すように完全に開放した状態となる。すなわち、図4の状態では、浴槽12の上面開口12aは前方を指向しており、後述するようにして前方から入浴者Pを浴槽12内に移す、又は逆に入浴者Pを浴槽12内から前方に退去させることができる。
【0044】
蓋体16の開閉方式としては、本実施例のような上開きのほかに蝶番等による横開きも考えられる。しかしながら、横開きの場合、蓋体の開き方向と反対側に介護者が立つと、蓋体を閉鎖する際に浴槽の上を横切って蓋体に手を掛ける必要が生じ、体格が小柄な介護者には非常に困難な作業となる。また、横開きの場合には、蓋体を開放した状態での本体装置の横幅サイズが大きくなり、複数の本体装置を並べて使用したいようなときに設置スペースの点で不利である。これに対し、上開きの蓋体開放方式では、介護者が浴槽12の左右いずれに立った状態でも蓋体16の開閉を無理なく行うことができ、また、本体装置1の最大横幅サイズを小さくすることができる。
【0045】
図6は本体装置1の浴槽12を傾動させるための軸支部14周辺の要部の斜視図である。浴槽12の後壁に突設された支持片部12cには水平な軸体20が回動自在に貫通しており、その軸体20の両端は可動体21に固定されている。可動体21は、垂直に延伸して設置されたねじ軸23のねじ溝に噛み合うボールねじナット22を備えており、ねじ軸23がモータ24により回転駆動されると、ボールねじナット22に内装されているボールはねじ軸23のねじ溝に沿って螺旋状に転動し、これによって可動体21はねじ軸23に沿って上又は下に移動する。その結果、軸体20及び支持片部12cを経て浴槽12の後部は引上げ又は押し下げられる。
【0046】
なお、図6中において、可動体21の一方の側面には磁石25が取り付けられ、それに近接する支柱10には垂直方向に4個のリードスイッチ26が設置されており、可動体21が上下動する際にその位置に応じてこれらリードスイッチ26が適宜に導通するように構成されているが、その作用については後で詳しく述べる。
【0047】
図5に示すように、車椅子2は、左右一対で小径の前輪213と、同じく左右一対で大径の後輪212とを備える台車部210と、その台車部210上において後方にスライド移動可能であって入浴者が腰を掛ける座席部220と、から成る。座席部220は、後述するように内部に複数のローラを備えた左右一対の横基底部221の後端に背もたれ支柱223が設けられ、該背もたれ支柱223と基底部221との間に肘掛け部222が設けられている。また横基底部221には入浴者が足裏を乗せるための足置き部が設けられている。この一対の横基底部221の間にはメッシュ状の座面225が、また背もたれ支柱223の内側にもメッシュ状の背もたれ226が適度な張力で張設されている。このように座面225及び背もたれ226がメッシュ状であることにより、水や空気が自由に通過するため、座面225及び背もたれ226に接触した入浴者の体表面に水や空気が容易に当たる。また、背もたれ支柱223には、介護者が給湯量の設定を行う際の目安とするべく3段階の水位マーク227が指標されている。
【0048】
次に、車椅子2の座席部220のスライド機構、及び浴槽12内に入浴者を移送する又はその逆に浴槽内から退去させる際の動作について、図5に加えて図7〜図11を参照して説明する。
【0049】
車椅子2の台車部210の左右一対の支柱部211の上には、後方が開放した細長い略U字状の案内レール214が固定されている。座席部220の横基底部221には、案内レール214を両側から挟み込む円板部228aとその間で案内レール214に上下が接する摺動部228bとを有する台車部用ローラ228が、前後方向に適宜の間隔で4個設けられており、更に、そのうちの3個の台車部用ローラ228の内側には別に浴槽用ローラ229が設けられている。この台車部用ローラ228が案内レール214に沿って前後方向に転動することにより、座席部220は台車部210上を前後にスライド移動するが、このとき浴槽用ローラ229は機能していない。一方、浴槽12の内側壁面には、セッティング状態においてほぼ水平になる浴槽内レール12dが形成されており、座席部220が浴槽12内に在る状態では、浴槽用ローラ229が浴槽内レール12d上を走行することにより座席部220はスライド移動する。このとき台車部用ローラ228は浴槽12内で浮いた状態となっており機能していない。
【0050】
このように台車部用ローラ228は台車部210上走行専用であり、一方、浴槽用ローラ229は浴槽12内走行専用であるため、それぞれのローラの材質は案内レール214と浴槽内レール12dの材質に適合するように適宜に選ぶことができる。それによって、走行時の摩擦音を軽減することができるとともに、走行面の摩耗も少なくすることができ高い信頼性が達成される。
【0051】
図8に示すように、車椅子2の座席部220に腰を掛けている入浴者Pを図4に示すように蓋体16が開放されている浴槽12内に移送させる場合には、次のようにする。
【0052】
まず、図8に示すように、浴槽12に対して車椅子2を後ろ向きに近付けていって、車椅子2の台車部210の後方に設けられている鉤状の台車側掛止片215を本体装置1のストッパ176に掛合させることにより、台車部210を本体装置1に対して仮に固定する。このような状態から、介護者が座席部220又は入浴者Pを後方側へ、つまり浴槽12の方向へと押すと、台車部用ローラ228が案内レール214に沿って転動し、座席部220は入浴者Pを乗せたまま後方へスライド移動する。
【0053】
移動に伴って図10(A)に示すように最後尾の台車部用ローラ228は案内レール214を外れるが、そのときに他の3個の台車部用ローラ228は案内レール214に乗っているため、座席部220はほぼ水平状態を維持する。図10(B)に示すように、最後尾から2番目の台車部用ローラ228が案内レール214を外れる前に、最後尾の浴槽用ローラ229は浴槽内レール12dの上に乗る。従って、この状態から更に座席部220を後方側に移動させてゆくとき暫くの間は、座席部220の後方側は浴槽用ローラ229、前方側は台車部用ローラ228によって支持される(図11(A)参照)。
【0054】
図11(B)に示すように、先頭の台車部用ローラ228が案内レール214を外れる前に、先頭から2番目の浴槽用ローラ229は浴槽内レール12dの上に乗る。従って、その後は浴槽用ローラ229が浴槽内レール12d上を移動することにより、座席部220は入浴者Pを乗せたまま浴槽12内に収容される。そして、座席部220が完全に浴槽12内に収容されたとき、図4に示すように、浴槽12の前方には台車部210のみが残される。また、入浴が終了した後に浴槽12内から車椅子2の台車部210上に座席部220を戻す際には、上記説明と全く逆の手順を踏めばよい。
【0055】
図9に示すように、案内レール214の下側レールの後方端部214aは先端に向かうに従い上面が下り傾斜状となっている。そのため、特に、座席部220が浴槽12から台車部210に乗り移るときに、台車部用ローラ228が円滑に案内レール214の先端部上に着地する。従って、座席部220に腰掛けている入浴者に大きな衝撃を与えることがない。
【0056】
さて、上述のように車椅子2の台車部210を本体装置1に固定するために、本体装置1には固定用のストッパ176を設けるが、浴槽12を収納した状態ではこうしたストッパが前方に突出したままであると、邪魔でつまずいたりするおそれもある。そこで、本実施例の介護用入浴装置では、浴槽12の傾動に伴ってストッパを前後方向に進退させるストッパ伸縮機構17を設けている。図12はストッパ伸縮機構17の構成を示す側面図である。すなわち、傾斜案内部15の両側方には第1部材171の一端が軸支され、その他端には第2部材172の一端が軸支されており、その他端には床面に接触して転動するローラ173が備えられている。
【0057】
傾斜案内部15と第1部材171との連結部、及び、第1部材171と第2部材172との連結部には、それぞれねじりコイルばね174、175が設けられ、外部から何ら力が加わらないとき、2個のねじりコイルばね174、175の付勢力によって、ローラ173が傾斜案内部15に近接するように第1部材171、第2部材172は共に起立している(図12(A)参照)。これにより、これら部材は後方に後退し邪魔にならない。浴槽12が収納状態からセッティング状態にまで傾けられるとき、上述したように傾斜案内部15を浴槽ローラ13が下ってくる。浴槽ローラ13には浴槽12の重量が掛かっているから、浴槽ローラ13によって第1部材171は押されて倒れ、ローラ173が前方に転動して第2部材172も倒れながら、それら両部材171、172は全体としてハ字状に広がりつつ延伸する。それにより、最終的には第1、第2部材171、172は図12(B)に示すようにほぼ一直線状に延伸し、ストッパ176が前方に進出して且つ上を指向する。
【0058】
図13は本体装置1の浴槽収納状態における全体側面図(A)及び正面図(B)である。図13(B)に示すように、本体装置1の貯湯槽11の下の傾斜面31で、正面に向かって左側には、本体装置1における各種動作の操作を行う操作パネル30が設けられている。
【0059】
図14は操作パネル30の拡大図である。操作パネル30には電源スイッチ301を始め、セッティング操作キー302、収納操作キー303、強制終了キー304、貯湯槽湯量確認表示器305、貯湯槽湯温表示器を伴う貯湯槽湯温設定キー306、湯温確認キー307、スタートキー308、入浴時間表示器を伴う入浴時間設定キー309、浴槽角度選択表示器を伴う浴槽角度設定キー310、(浴槽内)湯量選択表示器を伴う湯量設定キー311、湯追加指示キー312、気泡発生指示キー313、浴槽排水指示キー314、貯湯槽排水指示キー315、入浴剤投入指示キー316、使いきり指示キー317、ボディーシャンプー投入指示キー318、などの各種の操作キーや表示器が備えられている。
【0060】
図13(B)に示すように、浴槽12が収納された状態では、操作パネル30の右側の一部は浴槽12の後方側に隠れてしまうため、操作できないことはないものの表示は見えにくく操作がしにくい。そこで、本実施例の介護用入浴装置では、操作パネル30の中で、浴槽収納状態において操作する必要があるキー、電源スイッチ301、セッティング操作キー302、収納操作キー303、強制終了キー304、貯湯槽湯量確認表示器305、貯湯槽湯温設定キー306、については左側に集約されている。そのため、操作性を損なうことがない。なお、本体装置1の左側面には湯を噴出するシャワーヘッド32が設けられ、操作パネルの30下側には、シャワーバルブ33とシャワー湯温調整ツマミ34とが設けられている。
【0061】
次いで、本装置における浴槽への給湯及び浴槽からの排水を行うための構成について説明する。
【0062】
図15は本介護用入浴装置における給水・排水用の配管構成図、図16は主として給湯経路を示す構成図、図17及び図18は排水経路を示す側面図である。
【0063】
図15において、外部の給湯器に至る給湯管40及び水道栓に至る給水管41は2個の混合弁(サーモミキシングバルブ)42、43に接続され、一方の第2混合弁43で適宜混合されて湯温が調整された湯がシャワー配管44を経てシャワーヘッド32から吐き出される。他方の第1混合弁42で適宜混合されて湯温が調整された湯は電磁弁である貯湯弁45を経て貯湯槽11内に供給されるとともに、途中にバイパス弁47が設けられたバイパス管46を経て給湯管48へ接続されている。
【0064】
貯湯槽11の内底部には給湯管48が連結された給湯穴と排湯管49が連結された排湯穴とが設けられ、それぞれトルクモータ51、53の動作に応じて開閉する給湯弁50、排湯弁52が設けられている。図16に示すように、給湯弁50は、椀を伏せた形状の弁体501とトルクモータ51の動作に応じてプーリ503に牽引されるチェーン502と、弁体501の下方を大気と連通する連通管504とを備える。
【0065】
例えば、トルクモータ51が作動しプーリ503が回転してチェーン502を牽引すると、水圧に抗して弁体501を引き上げる。このとき連通管504を通して空気が給湯管48に送り込まれるため、給湯管48内が負圧にならず、弁体501は円滑に持ち上がり、貯湯槽11から給湯管48へと湯が流れ込む。一方、トルクモータ51の動作が停止されてチェーン502が緩むと、水圧によって弁体501は閉鎖するが、このとき連通管504を通して空気が給湯管48から抜けるため、弁体501は給湯穴を確実に閉鎖する。なお、排湯弁52の動作も同様である。このように給湯弁50及び排湯弁52は貯湯槽11内部に配設されているので、貯湯槽11の外側にはこれら弁に関する部材が存在せず、省スペース性が達成される。
【0066】
給湯管48の途中には、ボディーシャンプーや入浴剤を自動的に投入するための液体投入装置がそれぞれ設けられている。液体投入装置は、例えば液体である入浴剤の貯留ボトル55と、該貯留ボトル55から液体を吸い上げて給湯管48内へと送給するポンプ56とから成る。ポンプ56としては、モータが回転することによりローラがチューブを押し潰し、チューブをしごきながら液体をローラの回転と同方向に送り出す、いわゆるチューブポンプが用いられる。なお、本装置ではボディーシャンプーと入浴剤との液体投入装置を別個に設けているが、クラッチ機構等を用いて、1個のポンプがボディーシャンプーボトルと入浴剤ボトルとから切替式に液体を吸引・送給する構成としてもよい。こうして、給湯管48を通して供給された湯は給湯口12eから浴槽12内に吐き出される。
【0067】
浴槽12に溜まった水の外部への排出は、浴槽12の前部底面に設けられた排水口12fを通して行われる。この排水口12fは伸縮自在である蛇腹状の排水管59を介して外部の排水溝に接続されており、排水口12fに近接して設けられた排水バルブ58が開くと、浴槽12内から排水管59へと水が流れ込んで外部へと排出される。この排水口12fは図1、図3に示すように、浴槽収納状態や標準入浴状態においては浴槽12の最低部に位置しているわけではなく、セッティング状態でのみ浴槽12の最低部となる。そのため、浴槽12から完全に水を排出するためには、セッティング状態で排水バルブ58を開く必要がある。
【0068】
また、浴槽12への給湯時や入浴時に湯が浴槽12から溢れ出すと、本体装置1周辺の床面を濡らしてしまう。そこで、浴槽12からの湯の溢れを防止するために、図18に示すように、浴槽12の内壁に2箇所の溢出口12g、12hを設けているほか、蓋体にも1箇所の溢出口16aを設けている。浴槽12の2箇所の溢出口12g、12hは浴槽12の側壁の内部に形成されている溢流管12jを経て排水管59に接続されており、溢出口12g、12hよりも高い位置まで水位が上昇すると、溢出口12g、12hに流れ込んだ湯が溢流管12j及び排水管59を経て外部へと排出される。一方、蓋体16に設けられている溢出口16aは蓋体16の内部に形成されている溢流管16bと、蓋体16を閉鎖したときに該溢流管16bと接続される浴槽12側の溢流管12jとを介して排水管59へと送られる。
【0069】
蓋体16の溢流管16bの出口開口16dと浴槽12の側壁上縁に設けられている入口開口との接続部は、図16に示すようになっており、出口開口16dの周縁のフランジ16cが入口開口の内側にまで突出するように構成されている。これにより、出口開口16dから吐き出された湯が確実に溢流管12j内に入り、蓋体16と浴槽12との密着面に回り込んで外部に浸出することを防止することができる。
【0070】
また、本実施例の介護用入浴装置では、気泡発生用のエアポンプ60が設けられ、該エアポンプ60から送給される空気は2つに分岐されて、一方は浴槽12内に気泡を送り込む気泡発生器61、他方は貯湯槽11内に気泡を送り込む気泡発生器62に接続されている。前者は主として入浴時に入浴者の身体表面の洗浄効果(或いは軽度のマッサージ効果)を意図したものであり、後者は貯湯槽11内での湯の撹拌による湯温の均一化を目的としている。
【0071】
なお、図15において、第1混合弁42の出口、貯湯槽11内、給湯管48及び浴槽12内には、それぞれサーミスタから成る湯温検知用の温度センサ63、64、65、66が設けられている。更にまた、貯湯槽11内には湯が満杯になったか否かを検知するために貯湯槽水位センサ67が、浴槽12内には浴槽12に貯留した水の水位を検知するための浴槽内水位センサ68が設けられている。
【0072】
図19は本実施例の介護用入浴装置の電気系の全体構成図である。制御の中心にはマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)80が据えられ、操作パネル30に設けられた各操作キー30aからキー入力信号が、貯湯槽水位センサ67及び浴槽内水位センサ68から水位検知信号が、混合弁温度センサ63、貯湯槽温度センサ64、給湯管温度センサ65及び浴槽内温度センサ66から温度検知信号が、座高検知センサ70から座高検知信号が、浴槽位置検知スイッチ26から浴槽12の位置に応じた検知信号が、それぞれマイコン80に入力される。マイコン80は周知のようにRAMやROMを内蔵しており、ROMには後述するような動作に関する制御プログラムが予め格納されている。上記のような各種信号を受けつつ制御プログラムを実行する過程で、負荷駆動部81を介して、浴槽傾動用モータ24、給湯用トルクモータ51、排湯用トルクモータ53、エアポンプ60、貯湯槽11への給湯を制御する貯湯弁45、貯湯槽11へ供給する湯の温度を制御する第1混合弁42、バイパス弁47、シャワー用の湯の温度を制御する第2混合弁43、浴槽12に貯留した湯を排出するための排水バルブ58、浴槽12に供給する湯に入浴剤を混入させる入浴剤投入ポンプ56a、同じく浴槽12に供給する湯に浴用液体石鹸を混入させるボディーシャンプー投入ポンプ56bなどを駆動する。
【0073】
図20はマイコン80と複数の浴槽位置検知スイッチ26との関係を示す回路構成図である。図20中で示した4個の浴槽位置検知スイッチ26は、それぞれ図6に描いたリードスイッチである。
【0074】
また、本介護用入浴装置では、浴槽12を収納状態とセッティング状態との間で傾動させる際に、例えば外部からのノイズ等によって仮にマイコン80が暴走した場合でも、異常な動作が起きて介護者や周囲の人の安全を脅かすことがないように考慮されている。図21はモータ24の駆動に関連した要部の回路構成図である。
【0075】
モータ24は電磁リレー84及び極性切替用スイッチ83を介して電源82に接続されている。極性切替用スイッチ83はマイコン80からの制御信号により切り替えられ、モータ24の回転方向を変えることにより、浴槽12(可動体21)の上昇又は下降を切り替える。電磁リレー84のコイルには、セッティング操作キー302及び第3ホトカプラTR3を含む電流供給回路と、収納操作キー303及び第2ホトカプラTR2を含む電流供給回路と、スイッチ85及び第1ホトカプラTR1を含む電流供給回路とが並列に接続されており、いずれかの電流供給回路から電流が供給されると、電磁リレー84はオンしてモータ24に駆動電流が供給されるようになっている。
【0076】
図22は図21中のスイッチ85の構成を示す図であり、(A)は本体装置全体の側面図、(B)は浴槽を除いた状態での正面図、(C)は(B)中の要部の拡大図である。ねじ軸23に沿って上下動する可動体21の一方の側面に位置する支柱10には、図22(C)に示すように、段差86aが設けられた案内壁86が形成されており、可動体21の側面に設けられたスイッチ85の可動片は、段差86aよりも上にあるときには案内壁86から力を受けず、段差86aよりも下にあるときには案内壁86から押圧力を受ける。そのため、スイッチ85は、可動体21が段差86a近傍よりも上に位置するとき(図22(A)中のH1の範囲にあるとき)には開成し、可動体21が段差86a近傍よりも下に位置するとき(図22(A)中のH2の範囲にあるとき)には閉成する。
【0077】
スイッチ85の開閉は、マイコン80の入力ポートPi1の信号で検知可能である。スイッチ85が閉成しているときには第1ホトカプラTR1の出力トランジスタは導通しているから、他の2つの電流供給回路の動作のいかんに拘わらず、マイコン80の出力ポートPo1に出力される信号によって電磁リレー84の開閉動作を制御することができる。すなわち、マイコン80の自発的な制御によってモータ24の動作、つまり浴槽12の傾動動作を行うことが可能である。
【0078】
これに対し、可動体21がH1の範囲にあってスイッチ85が開成しているときには第1ホトカプラTR1の出力トランジスタは遮断されているから、この電流供給回路は電磁リレー84の開閉制御に寄与し得ない。一方、他の2つの電流供給回路に含まれるホトカプラTR2、TR3の出力トランジスタはそれぞれ、収納操作キー303、セッティング操作キー302が押されているときにのみ導通するから、たとえマイコン80の出力ポートPo2、Po3の出力がコイルに電流を供給する電位であったとしても、収納操作キー303又はセッティング操作キー302が押さない限り電磁リレー84はオンしない。従って、可動体21がH1の範囲にある場合には、浴槽12を傾動させるには、人の手による収納操作キー303又はセッティング操作キー302の押圧操作が必ず必要であり、マイコン80の不具合等による異常動作が発生した場合でも安全性を損なうことが軽減される。
【0079】
収納操作キー303又はセッティング操作キー302を押している間だけモータ24が作動するため、浴槽12の傾動作業の途中で介護者が危険を感じてキーから手を離せば、すぐに浴槽12の傾動は停止する。従って、その点においても高い安全性を確保することができる。
【0080】
また、可動体21がH2の範囲にあるとき、浴槽12の傾動はマイコン80の制御で行われ、通常、浴槽12の最大傾動位置は図3に示すような標準入浴状態、すなわち、浴槽12の開口部12bの上縁がほぼ水平になる位置であるが、マイコン80の暴走やボールねじナット等の機械部品の破損が生じた場合でも浴槽12の上記位置から更に大きく傾くことがないように、ねじ軸23の下端部には可動体21に当接して、それ以上の下降を禁止する機械的なストッパ27を設置している。
【0081】
また、本介護用入浴装置では、浴槽12内に適宜量の湯を溜め、その中に入浴者が浸かるようにして入浴を行うから、例えば入浴者の肩胛骨程度まで湯に浸かることを意図した場合に入浴者の体格、特に座高によって必要とする湯量が相違する。こうした入浴者の体格の相違に対応するため、後述するように湯量設定を可能としているものの、座高が極端に低いような者が浴槽12内に収容された場合には、顔が湯に浸かる可能性がある。そのため、この入浴装置では使用対象者の身長を例えば140cm程度以上に限定しているが、座高の相違等による体格の個人差に対応するため、及び一層の安全性の向上を図るために、座高検知センサ70を設けている。
【0082】
図23は座高検知センサ70の構成を示す腰部の概略図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。浴槽12に収容された入浴者P又はP’の頭部を挟み込むように、その両側には赤外線発光部70aと赤外線受光部70bとが配置されている。その発光部70a及び受光部70bの設置高さは、図3に示したような標準入浴状態において、入浴者として適格な体格を有する者(例えば図23中のP’)であれば、その頭部によって照射赤外光が遮断されるような高さに設定される。従って、入浴者として不適格な体格を有する者(例えば図23中のP)が入浴しようとした場合、その頭部は照射赤外光を遮らず、受光部70bは赤外光を受光するため、この座高検知センサ70の検知信号により、不適格な入浴者であることを自動的に識別することができる。
【0083】
次に、上記構成を有する本実施例の介護用入浴装置の動作について、順次説明する。
【0084】
まず、介護者が本介護用入浴装置を使用して入浴者を入浴させる際の一連の手順について、図24〜図27に示すフローチャートを参照しながら説明する。初期状態として本体装置1の浴槽12は、図1に示すように、所定の収納位置にあるものとする。
【0085】
まず、介護者は本体装置1の操作パネル30で電源スイッチ301を押して電源を投入する(ステップS1)。すると、マイコン80を始めとする電気回路に電力が供給され、マイコン80では所定の制御プログラムが起動して初期設定処理を実行する。その結果、セッティング操作キー302の受付けが可能となり、介護者が該操作キー302を押すと、押している間だけ負荷駆動部81を介して浴槽傾動用モータ24を駆動する。これにより、可動体21は下降して浴槽12は上面開口12aが上向きになるように傾動し始める。そして浴槽12が所定のセッティング位置に到達するとモータ24が停止して、セッティングが完了する(ステップS2)。
【0086】
次に、介護者は貯湯槽湯温設定キー306で適宜の湯温を設定する(ステップS3)。この設定を受けて、第1混合弁42により湯と水との混合比率が調整されつつ、貯湯弁45が開放されることによって貯湯槽11への貯湯が開始される(ステップS4)。そして、貯湯槽水位センサ67からの検知信号によって満水が検知されると、貯湯弁45が閉鎖されて貯湯槽11への貯湯が停止される(ステップS5,S6)。貯湯が終了すると各種操作キーの受付けが可能となり(ステップS7)、介護者は入浴時間設定キー309、浴槽角度設定キー310、湯量設定キー311により、半身浴入浴時間、全身浴入浴時間、全身浴浴槽角度、全身浴湯量をそれぞれ適宜に設定するほか、必要に応じて、使いきり指示キー317、入浴剤投入指示キー316、ボディーシャンプー投入指示キー318、気泡発生指示キー313を操作することにより、使いきり運転、入浴剤の自動投入、ボディーシャンプーの自動投入、気泡発生などの指示を行う(ステップS8)。
【0087】
こうした全ての設定を行った後に、介護者は入浴者Pを浴槽12内に収容し、蓋体16を閉じる(ステップS9)。すなわち、例えばベッドに横たわっている入浴者Pを車椅子2の座席部220に座らせ、その車椅子2を浴槽12の前方から浴槽12に近づけ、台車部210を本体装置1に対して仮に固定する。その状態で車椅子2の座席部220を入浴者Pを乗せたまま後方にスライド移動させて、浴槽12内に移動させる。入浴者Pが完全に浴槽12内に収容された後、蓋体16を降ろしてロックを掛ければ、入浴者Pが開口部12bから頭部を出した状態で浴槽12は蓋体16で密閉される。
【0088】
ここまでが入浴の準備作業であって介護者が関与する作業が多いが、これ以降は基本的には本介護用入浴装置の自動運転によって入浴に関する動作が遂行される。この運転を開始するために、介護者はスタートキー308を押す(ステップS10)。このキー操作を受けて、マイコン80では、まず使いきり運転の指示の有無をチェックする(ステップS11)。使いきり運転は、基本的には、当該入浴者の入浴終了後に他の者が入浴しないことを前提としているため、貯湯槽11の湯を使い切ってしまうものである。
【0089】
この使いきり運転の指示がある場合には、次いで全身浴入浴時間が0分であるか否かを判定する(ステップS12)。使いきり運転であって全身浴入浴時間がゼロ、つまり半身浴のみを行う場合には、この直後の浴槽12への給湯後に貯湯槽11への湯の補充を行う必要はないため、貯湯槽11への貯湯を禁止する(ステップS13)。一方、使いきり運転でない、或いは、使いきり運転であっても全身浴入浴時間がゼロでない場合には、直接ステップS14へと進み、給湯用トルクモータ51を駆動して給湯弁50を開放することにより、貯湯槽11から浴槽12への給湯を開始する。上記ステップS13による貯湯禁止が設定されていない場合には、浴槽12への給湯によって貯湯槽11内の水位が下がると、その分だけ新たな湯が貯湯槽11へと補給されるが、この点は後で説明する。
【0090】
給湯開始後、入浴剤投入の指示の有無を判定し(ステップS15)、入浴剤投入の指示がある場合には入浴剤投入ポンプ56aを作動させる(ステップS16)。また、ボディーシャンプー投入の指示の有無を判定し(ステップS17)、ボディーシャンプー投入の指示がある場合にはボディーシャンプー投入ポンプ56bを作動させる(ステップS18)。入浴剤投入ポンプ56aやボディーシャンプー投入ポンプ56bが作動すると、予め容器に収容されていた入浴剤やボディーシャンプーが容器内から吸い上げられ、給湯管48の途中に混入される。そのため、浴槽12内に湯が吐き出される時点で湯には入浴剤やボディーシャンプーが混入しており、そうした湯が浴槽12内に溜まって徐々に水位が上昇してゆく。
【0091】
マイコン80は浴槽内水位センサ68により浴槽12内の水位を監視し、その水位が予め定められた半身浴水位に到達したと判定されると(ステップS19でYes)、給湯弁50を閉じることにより給湯を停止する(ステップS20)。このときの水位は、浴槽12内に収容されている入浴者Pの腰部から下が浸る程度の水位である。そして、その後に始めに介護者により設定された半身浴入浴時間の減算が開始され、その残時間がゼロになるまで減算が続行される(ステップS21、S22)。半身浴入浴時間がゼロになると、排水バルブ58を開いて浴槽12内の湯を排出する(ステップS23)。半身浴入浴時には図17に示すように浴槽12はセッティング状態に位置しており、排水口12fは浴槽12内の最低部にあるので、浴槽12内の湯は全てが排出される。
【0092】
次いで、マイコン80は負荷駆動部81を介して浴槽傾動用モータ24を再び駆動し、浴槽12を更に一層傾動させる(ステップS24)。そして、介護者により始めに設定された浴槽角度(厳密には4段階の傾きに応じた浴槽角度)に到達したならば(ステップS25でYes)、モータ24を停止することによって浴槽12の傾動を停止させる(ステップS26)。停止後、浴槽12の傾きが最大であるか否か(本実施例では傾きが最大であるのは図3に示した標準入浴状態)を判定し(ステップS27)、傾きが最大である場合には、座高検知センサ70の検知信号に基づいて、入浴者Pの体格、具体的には座高が本装置に適格であるのか否かを判定する(ステップS28)。
【0093】
本装置では、自動的に給湯を行うため、浴槽12に貯留される湯が最低水位であっても、入浴者の座高が非常に低く且つ浴槽12を最大に傾けた場合には、顔の一部が湯に浸る恐れがある。そこで、ステップS28で入浴者の体格の適格性をチェックし、不適格であるとみなした場合には、ブザー30cの鳴動などによるエラー報知を行い(ステップS29)、介護者に対してその旨を知らせる。これにより、安全性を非常に高いものとしている。
【0094】
入浴者Pの体格が適格であるときには、次に、使いきり運転の指示の有無をチェックする(ステップS30)。使いきり運転が指示されている場合には、この直後の浴槽12への給湯後に貯湯槽11への湯の補充を行う必要はないため、貯湯槽11への貯湯を禁止する(ステップS31)。一方、使いきり運転でない場合には、直接ステップS32へと進み、給湯用トルクモータ51を駆動して給湯弁50を開放することにより、貯湯槽11から浴槽12への給湯を開始する。上記ステップS31による貯湯禁止が設定されていない場合には、浴槽12への給湯によって貯湯槽11内の水位が下がると、その分だけ新たな湯が貯湯槽11へと補給される。
【0095】
続いて、上記ステップS15〜S18と同様のステップS33〜S36の処理により、入浴剤やボディーシャンプーの投入が指示されている場合には、これらを給湯する湯に混入させる。そして、マイコン80は浴槽内水位センサ38により浴槽12内の水位を監視し、その水位が全身浴水位に到達したと判定されると(ステップS37でYes)、給湯弁50を閉じて給湯を停止する(ステップS38)。そして、介護者により始めに設定された全身浴入浴時間の減算が開始され、その残時間がゼロになるまで減算が続行される(ステップS39、S40)。全身浴入浴時間がゼロになると、排水バルブ58を開いて浴槽12内の湯を排出し始めるとともに、浴槽傾動用モータ24を駆動して浴槽12をセッティング位置に戻す(ステップS41)。
【0096】
浴槽12がセッティング位置に戻ると(ステップS42でYes)、モータ24を停止させて浴槽12の傾動を停止する(ステップS43)。上記のように浴槽12が全身浴入浴状態の位置にあるときには浴槽12の排水口12fは必ずしも最低部にあるとは限らないないが、浴槽12がセッティング位置に戻ったときには必ず最低の位置となる。そのため、浴槽12がセッティング位置に戻ってから暫時経過後には、浴槽12内の湯は全てが排出される。その後に、ブザー30cの鳴動等により、介護者に対して入浴終了報知を行う(ステップS44)。これにより介護者が離れた位置に居ても、入浴終了時にすぐにその旨を認識できるから、入浴者Pが入浴終了後の状態で放置されることがない。
【0097】
その後、浴槽12内への入浴者Pの収容作業時と逆の手順で、介護者は蓋体16を開き、入浴者Pを乗せたま座席部220を浴槽12内から車椅子2の台車部210上にスライド移動させる。そして、車椅子2の台車部210の仮固定を解除して、車椅子2を本体装置1から離脱させる(ステップS45)。引き続き、別の入浴者の入浴を行う場合には、上記ステップS8(設定条件を変更する場合)又はステップS9へと戻ればよいが、入浴を行わない場合には、介護者は浴槽12を収納位置まで戻すために収納操作キー303を押す。上述したように収納操作キー303を押している間だけ浴槽傾動用モータ24は駆動され、軸支部14により浴槽12の後部が引き上げられて浴槽12は収納位置に戻る(ステップS46)。収納位置まで達するとモータ24は停止し、収納操作キー303を押してもそれ以上動作しなくなる。最後に、介護者は電源スイッチ301を押して本体装置1の電源を遮断し(ステップS47)、入浴に係る全ての作業を終了する。
【0098】
〔バイパス管による給湯時の湯温制御〕
通常、浴槽12内には貯湯槽11内に貯留した湯を供給するが、浴槽12内に供給されつつある湯の温度が予想していたよりも低く、給湯する湯温を高めたいような場合のために、バイパス管46を介して貯湯槽11を経ることなく給湯を行うことも可能である。図28はこうしたバイパス管による給湯時の湯温制御のフローチャートである。
【0099】
まず、マイコン80は貯湯槽11から浴槽12への給湯中であるか否かを判定し(ステップS171)、給湯中である場合には、次に設定水位到達の直前であるか否かを判定する(ステップS172)。給湯中であっても設定水位到達の直前でない場合には相対的に高温の湯を浴槽12内に供給すると、浴槽12内の湯温が高くなり過ぎる恐れがあるため、後述のような処理を行うことなく終了する。設定水位到達の直前である場合には、浴槽内温度センサ66による温度検知信号を用いて浴槽12内の湯温が設定湯温に近いか否かを判定する(ステップS173)。浴槽12内の湯温が設定湯温に近い場合には、バイパス管46からの給湯を行うと浴槽12内の湯温が高くなり過ぎる恐れがあるため、貯湯槽11からの給湯を継続し、設定水位に到達したときに(ステップS174でYes)、給湯弁50を閉鎖する(ステップS175)。
【0100】
ステップS173で浴槽12内の湯温が設定湯温に近くない、つまり設定湯温よりも或る程度以上低い場合には、第1混合弁42により適度な湯温調整を行い(ステップS176)、給湯弁50を閉鎖するとともにバイパス弁47を開放する(ステップS177)。これにより、貯湯槽11から給湯管48への湯の流入は停止し、代わりにバイパス管46を経た湯の供給が開始される。このときの湯は貯湯槽11を経ていないため、第1混合弁42により調整された湯温がほぼそのまま維持され、その設定温度を例えば設定湯温よりも1〜数℃高くなるように設定しておくことにより、やや高めの温度の湯を浴槽12内に供給することができる。そして、浴槽12内の水位が設定水位に到達したときに(ステップS178でYes)、バイパス弁47を閉鎖し給湯を停止する(ステップS179)。
【0101】
なお、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である介護用入浴装置の全体構成を示す要部の側面図(浴槽収納状態)。
【図2】本実施例の介護用入浴装置の全体構成を示す要部の側面図(セッティング状態)。
【図3】本実施例の介護用入浴装置の全体構成を示す要部の側面図(標準入浴状態)。
【図4】図2において浴槽の蓋体を開放した状態を示す側面図。
【図5】本実施例の介護用入浴装置の一部である、専用の車椅子の外観正面図(A)及び外観側面図(B)。
【図6】本実施例の介護用入浴装置において浴槽を傾動させるための軸支部周辺の要部の斜視図。
【図7】本実施例の介護用入浴装置のセッティング状態における要部の正面図。
【図8】本実施例の介護用入浴装置のセッティング状態における要部の側面図。
【図9】図5に示した車椅子の要部の拡大図。
【図10】入浴者を車椅子から浴槽内へ移送する際の動作状態を示す側面図。
【図11】入浴者を車椅子から浴槽内へ移送する際の動作状態を示す側面図。
【図12】本実施例の介護用入浴装置におけるストッパ伸縮機構の構成を示す側面図。
【図13】本実施例の介護用入浴装置の本体装置の浴槽収納状態における全体側面図(A)及び正面図(B)。
【図14】本実施例の介護用入浴装置における操作パネルの拡大図。
【図15】本実施例の介護用入浴装置における給水・排水用の配管構成図。
【図16】本実施例の介護用入浴装置における主として給湯経路を示す構成図。
【図17】本実施例の介護用入浴装置における排水経路を示す側面図。
【図18】本実施例の介護用入浴装置における排水経路を示す側面図。
【図19】本実施例の介護用入浴装置の電気系の全体構成図。
【図20】本実施例の介護用入浴装置におけるマイコンと浴槽位置検知スイッチ群との関係を示す回路構成図。
【図21】本実施例の介護用入浴装置における浴槽傾動用モータの駆動に関連した要部の回路構成図。
【図22】図21中のスイッチの構成を示す図であり、(A)は本体装置全体の側面図、(B)は浴槽を除いた状態での正面図、(C)は(B)中の要部の拡大図。
【図23】本実施例の介護用入浴装置における座高検知センサの構成を示す腰部の概略側面図(A)及び概略正面図(B)。
【図24】介護者が本実施例の介護用入浴装置を使用して入浴者を入浴させる際の一連の手順を説明するためのフローチャート。
【図25】介護者が本実施例の介護用入浴装置を使用して入浴者を入浴させる際の一連の手順を説明するためのフローチャート。
【図26】介護者が本実施例の介護用入浴装置を使用して入浴者を入浴させる際の一連の手順を説明するためのフローチャート。
【図27】介護者が本実施例の介護用入浴装置を使用して入浴者を入浴させる際の一連の手順を説明するためのフローチャート。
【図28】バイパス管による給湯時の湯温制御のフローチャート。
【符号の説明】
1…本体装置
10…支柱
11…貯湯槽
12…浴槽
12a…上面開口
12b…開口部
12c…支持片部
12d…浴槽内レール
12e…給湯口
12f…排水口
12g、12h…溢出口
12j…溢流管
13…浴槽ローラ
14…軸支部
15…傾斜案内部
16…蓋体
16a…溢出口
16b…溢流管
16c…フランジ
16d…出口開口
17…ストッパ伸縮機構
171…第1部材
172…第2部材
173…ローラ
174、175…ねじりコイルばね
176…ストッパ
18…アーム
19…ガススプリング
20…軸体
21…可動体
22…ボールねじナット
23…ねじ軸
24…浴槽傾動用モータ
30…操作パネル
316…入浴剤投入指示キー
318…ボディーシャンプー投入指示キー
40…給湯管
41…給水管
42…第1混合弁
45…貯湯弁
46…バイパス管
47…バイパス弁
48…給湯管
49…排湯管
50…給湯弁
501…弁体
502…チェーン
503…プーリ
504…連通管
51…給湯用トルクモータ
52…排湯弁
53…排湯用トルクモータ
55…貯留ボトル
56a…入浴剤投入ポンプ
56b…ボディーシャンプー投入ポンプ
58…排水バルブ
59…排水管
80…マイコン
81…負荷駆動部
2…車椅子
210…台車部
211…支柱部
212…後輪
213…前輪
214…案内レール
214a…後方端部
215…台車側掛止片
220…座席部
221…横基底部
223…背もたれ支柱
225…座面
228…台車部用ローラ
228a…円板部
228b…摺動部
229…浴槽用ローラ

Claims (12)

  1. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
    c)該浴槽に収容された入浴者の頭部を除いて該浴槽の上面開口を閉塞する蓋体であって、上開き構造である蓋体と、
    を備え、前記蓋体を開放した状態で上面開口を介して浴槽内に入浴者を収容した後に蓋体を閉鎖し、その後に浴槽内に給湯を行って入浴者が湯に浸たるようにしたことを特徴とする介護用入浴装置。
  2. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能であって、内部に貯留された湯を外部に排出するための排水口を有する浴槽と、
    c)該浴槽に収容された入浴者の頭部を除いて該浴槽の上面開口を閉塞する蓋体と、
    d)浴槽内に面した前記蓋体の一部に設けられた溢流口、該溢流口を入口開口として該蓋体に配設された蓋体側溢流管、及び、前記浴槽にあって前記蓋体が閉鎖された状態で一端が前記蓋体側溢流管と連結され、他端が前記排水口又はその外側の排水管に連通する浴槽側溢流管、から成る溢水防止手段と、
    を備えたことを特徴とする介護用入浴装置。
  3. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
    c)前記浴槽の上面開口の指向方向が上方と前方との間で変化するように該浴槽を傾動自在に保持する浴槽保持手段と、
    d)モータ、該モータにより回転駆動される垂直方向に延伸するねじ軸、及び、該ねじ軸と係合しねじ軸が回転する際に上下動するボールねじ式の可動体、から成る浴槽作動手段と、
    e)前記可動体に対し前記浴槽の後部を軸支する軸支部と、該軸支部よりも前方側の浴槽の底部に設けられた車輪と、該車輪の走行面であって後方から前方に向かって下傾する案内傾斜面と、から成る浴槽保持手段と、
    を備え、前記浴槽作動手段にあって前記可動体が上下動する際に、前記軸支部を介して浴槽の後部が上下動し、それに伴って前記車輪が案内傾斜面上を登る又は下ることにより、浴槽はその上面開口がほぼ前方を指向する状態とほぼ上方を指向する状態との間で変化するように傾きが変化することを特徴とする介護用入浴装置。
  4. 請求項3に記載の介護用入浴装置において、前記車輪は浴槽の側壁面よりも内側に収まるように配置されていることを特徴とする介護用入浴装置。
  5. 請求項3に記載の介護用入浴装置において、前記モータの作動によって、浴槽の上面開口がほぼ前方を指向するように起立した浴槽収納状態と、浴槽の前縁端が床面に近接し、その上面開口が斜め前方を指向する入浴者の収容・退出を行うためのセッティング状態と、浴槽の上面開口がほぼ上方を指向するような標準入浴状態とを行うことを特徴とする介護用入浴装置。
  6. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
    c)前記浴槽の上面開口の指向方向が上方と前方との間で変化するように該浴槽を傾動自在に保持する浴槽保持手段と、
    d)前記浴槽の傾動動作に応じ、浴槽が起立する際には後方へ後退するとともに浴槽が前方にせり出す際には前方へと進出する、前記台車部の一部に係合して該台車部を一時的に固定するための伸縮式の台車部固定手段と、
    を備え、前記浴槽はその底部に傾動に伴って走行する車輪を有し、前記台車部固定手段は該車輪が上に乗ったときにその押圧力によって倒伏することにより前方へと進出し、該車輪による押圧力が解除されると起立することにより後方へ後退することを特徴とする介護用入浴装置。
  7. 入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽を備えた本体装置とを具備し、前記車椅子の座席部に乗ったまま入浴者を浴槽内に移動させてその後に該浴槽内に湯を供給して入浴を行う介護用入浴装置において、
    前記車椅子の座席部は、前記台車部に設けられた台車部案内軌道に沿って走行する第1車輪と、前記浴槽内に設けられた浴槽案内軌道に沿って走行する第2車輪とを独立に有し、第1車輪は浴槽案内軌道と、第2車輪は台車部案内軌道と接触しないようにしたことを特徴とする介護用入浴装置。
  8. 請求項7に記載の介護用入浴装置において、前記台車部案内軌道は上下に略平行に延伸した二本の円筒部を有し、第1車輪は、該二本の円筒部に上下に挟まれた状態で転動する円盤形状の摺動部と、該摺動部の両側にあって前記円筒部をその両側面から挟み込むように該摺動部よりも大径の外枠部及び内枠部とを有することを特徴とする介護用入浴装置。
  9. 請求項7に記載の介護用入浴装置において、前記台車部案内軌道の車輪走行面にあって、入浴者移動時に浴槽に近接する側の端部は先端に向かうに従い下傾形状に形成されていることを特徴とする介護用入浴装置。
  10. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
    c)該浴槽の上方に設置され、該浴槽内に湯を供給するために予め湯を貯留しておく貯湯槽と、
    d)該貯湯槽と前記浴槽とを接続し、その途中に給湯弁が設けられた給湯管と、
    e)湯を外部へ排出するために前記貯湯槽に一端が接続され、その途中に排湯弁が設けられた排湯管と、
    を備え、前記給湯弁又は排湯弁の少なくとも一方は、前記貯湯槽の内部で湯に浸漬した状態で前記給湯管又は排湯管の入口開口を開閉する弁体を有して成ることを特徴とする介護用入浴装置。
  11. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
    c)該浴槽内に湯を供給する給湯手段と、
    d)浴槽内に供給される湯に選択的に入浴剤又は浴用洗浄剤を含む補助液剤を混入させる液剤混入手段と、
    を備えることを特徴とする介護用入浴装置。
  12. a)入浴者が腰を掛ける座席部とその下の台車部とが分離可能である車椅子と、
    b)前記座席部に乗った状態の入浴者を内側に収容可能な浴槽と、
    c)該浴槽内に湯を供給するために予め湯を貯留しておく貯湯槽と、
    d)該貯湯槽と前記浴槽とを接続する給湯管と、
    e)前記貯湯槽へ導入する湯の温度を調整する湯温調整手段と、
    f)前記貯湯槽へ導入する湯を前記給湯管へと直接送るためのバイパス管と、
    g)通常の給湯時には前記貯湯槽から給湯管を経て浴槽内に給湯を行い、特殊給湯時には前記湯温調整手段により温度調整された湯をバイパス管及び給湯管を経て浴槽内に給湯する給湯制御手段と、
    を備えることを特徴とする介護用入浴装置。
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