JP2001017504A

JP2001017504A - 入浴装置

Info

Publication number: JP2001017504A
Application number: JP11197613A
Authority: JP
Inventors: Ken Nakamura; 建中村
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1999-07-12
Filing date: 1999-07-12
Publication date: 2001-01-23

Abstract

(57)【要約】【課題】歩行が困難な病人等のための入浴装置を提供
する。【解決手段】移動可能な台車１と、台車上に傾動可能
に設置され、内部が浴槽２Ａとされた浴槽体２と、この
浴槽体の姿勢を、この浴槽体が入浴可能な水平姿勢、若
しくは、浴槽体が傾斜した傾斜姿勢に換える浴槽体駆動
機構１８とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は入浴装置に関し、
詳しくは、たとえば歩行の困難な老人や病人に好ましい
入浴装置に係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、歩行が不能乃至困難で移動時に車
椅子を必要とする病人の入浴に際しては、病人が車椅子
に乗った状態で車椅子を吊り上げ、病人を車椅子ごと浴
槽内に入れて入浴させるようにした入浴装置が使用され
ている。また、浴槽の側壁部に開閉可能な扉を設け、こ
の扉を開いて車椅子に乗った病人を車椅子ごと浴槽外お
よび浴槽内へ出入りさせるようにした入浴装置も知られ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の入浴装
置は装置が大がかりで、かつ複雑な問題点がある。そこ
で、本発明の課題は、前述した従来の入浴装置の不都合
な問題点を解消しようとしたものであって、コンパクト
化された装置よりなり、入浴したい場所に移動可能でか
つその場所で入浴ができ、病人等の入浴者に都合の良い
入浴装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、移動可能な台車と、前記台車上に傾動可能に設置さ
れ、内部が浴槽とされた浴槽体と、この浴槽体の姿勢
を、この浴槽体が入浴可能な水平姿勢、若しくは、浴槽
体が傾斜した傾斜姿勢に換える浴槽体駆動機構とを備え
たことを特徴とする。

【０００５】請求項１に記載の発明では、台車上に構成
していることより、入浴したい場所に入浴装置を移動す
ることができる。浴槽体は駆動機構により傾斜した傾斜
姿勢にすることで入浴者が浴槽に入り易く、入浴者が入
った浴槽は、駆動機構により水平姿勢になし得る。水平
姿勢の浴槽に浴湯を供給すれば入浴可能である。入浴後
は浴槽内の浴湯を排出し、浴槽体を傾斜させれば、入浴
者が浴槽外に出られるので都合がよい。

【０００６】請求項２に記載の発明は、請求項１記載の
入浴装置において、浴槽体には第１湯溜め室が形成さ
れ、台車には第２湯溜め室が形成され、第１湯溜め室と
浴槽内に接続され浴湯の流通する第１流路が設けられ、
かつ浴槽内と第２湯溜め室に接続され浴湯の流通する第
２流路が設けられかつ前記第２流路には開閉手段が設け
られ、かつ前記第２湯溜め室には外部に通ずる開閉口又
は開口が形成されてなることを特徴とする。

【０００７】請求項２に記載の発明では、予じめ第１湯
溜め室に浴湯が供給される。水平姿勢の浴槽内には、第
１流路を介して第１湯溜め室の浴湯を供給することがで
き、浴湯を供給した浴槽は入浴可能である。入浴後の浴
槽の浴湯は第２流路を介して第２湯溜め室に流入させ得
る。第２湯溜め室の入浴後の浴湯は、台車を所定場所に
移動後、開閉口又は開口より排出される。

【０００８】請求項３に記載の発明は、請求項１に記載
の浴槽装置において、第２流路には第２湯溜め室の浴湯
を浴槽に送る送湯ポンプが介装され、第１流路の送湯ポ
ンプは正逆転可能とされていることを特徴とする。

【０００９】請求項３に記載の発明では、予じめ第２湯
溜め室に浴湯が供給される。第２湯溜め室に供給した浴
湯は、第２流路を介して水平姿勢の浴槽に供給すること
ができ、浴湯を供給した浴槽は入浴可能である。入浴後
の浴槽の浴湯は開状態の第１流路を介して第１湯溜め室
に流入させ得る。浴槽内の浴湯を第１湯溜め室に流入後
は第１流路を閉じ浴槽体を傾斜姿勢にすれば、入浴者が
浴槽外に出られる。傾斜姿勢の浴槽体は台車とともに所
定場所に移動し、第１流路を開状態にして使用後の浴湯
を排出させる。

【００１０】請求項４に記載の発明は、請求項１に記載
の入浴装置において、浴槽体の浴槽には浴槽体の傾斜姿
勢において入浴者が腰掛け得る腰掛け構造が設けられて
いることを特徴とする。

【００１１】請求項４に記載の発明では、入浴者は傾斜
姿勢の浴槽に腰掛けることができる。また、腰掛け状態
で浴槽を水平姿勢にし入浴者が腰掛け（の背もたれ）に
もたれたらくな状態で入浴することができる。入浴後の
入浴者は腰掛け状態のまま、浴槽が前傾され、浴槽から
出易い。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。図１は入浴装置Ａを示してい
る。この入浴装置Ａは歩行が不能乃至困難で、移動には
車椅子および介護者の補助を必要とする病人等の入浴者
に適している。

【００１３】図１に示すように、移動が可能な台車１上
には、内部が浴槽２Ａとされた舟形状の浴槽体２が傾動
可能に設置されている。

【００１４】図２、図３に示すように、台車１は、中空
状に形成された基台３と、この基台３の下面前後に取付
けられた移動用のキャスタ４とを備えている。

【００１５】図２に示すように、基台３の中央部は使用
済みの浴湯を入れる第２湯溜め室５とされ、基台３の一
端には第２湯溜め室５の浴湯を排出する開閉コック（開
閉口）６が取付けられている。なお、開閉コック６は常
には閉じられている。基台３の端部には台車１を移動す
るための搬送用ハンドル７が取付けられている。

【００１６】基台３の上面には、左右一対の軸受け３ａ
が突設され、両軸受け３ａに浴槽体２の側面が、前後に
傾動可能に支軸８により支持されている。

【００１７】前記浴槽体２は、図２,図３などに示すよ
うに、中空状に形成され、浴槽体２の体壁内の中空部は
浴湯を貯留する第１湯溜め室１０とされている。浴槽体
２の一端部、すなわち浴槽体２を傾動させた際に上側と
なる一端部側には第１湯溜め室１０に浴湯を供給する浴
湯供給口３０が開閉可能に形成されている。なお、浴湯
供給口３０は、常に閉じられていて、開状態において給
湯用ホースが接続され、第１湯溜め室１０に浴湯が供給
可能とされている。

【００１８】浴槽体２の浴槽２Ａの中央部には、入浴者
が腰掛けることができる腰掛構造１１が突出形成されて
いる。腰掛構造１１は浴槽体２の傾斜姿勢、この実施形
態では前傾状態において、丁度、腰掛け得るように形成
されている。

【００１９】図１に示すように、腰掛け構造１１は両側
に肘掛け部１２が形成されるとともに、腰掛け構造１１
の後側には背もたれ部１３、及び背もたれ部１３の上部
には凹状のヘッドレスト１３Ａが設けられ、また、前側
には足置き部１４が形成されている。

【００２０】浴槽体２の両側壁部の上端縁には入浴者が
握持できる１対の手摺り１５が固定されている。

【００２１】浴槽２Ａの上辺側には浴槽２Ａにあふれる
浴湯を第１湯溜め室１０に戻すための流入孔１０Ａが設
けられている。

【００２２】なお、浴槽体２の底面又は浴槽２Ａの所定
位置には第１湯溜め室１０の浴湯の温度低下を防ぐ、保
温ヒータＨ（図示しない。）が配設されていることが望
ましい。

【００２３】また、台車１には浴槽体２を前傾姿勢と水
平姿勢に姿勢変換する浴槽体駆動機構が取付けられてい
る。浴槽体駆動機構は流体圧シリンダ１８を主体に構成
される。すなわち、図２に示すように、基台３の後部上
面に固定したブラケット１７と、浴槽体２の底面に固設
した突片１９間には、流体圧シリンダ１８が介装され、
流体圧シリンダ１８の本体部１８ａの一端がブラケット
１７に軸着され、ピストンロッド１８ｂの先端部が突片
１９に軸着されている。

【００２４】流体圧シリンダ１８のピストンロッド１８
ｂが突出すると、図２に示すように、浴槽体２が水平姿
勢となり、浴湯の収容が可能な形態となる。そして、流
体圧シリンダ１８のピストンロッド１８ｂが本体部１８
ａに挿入されて縮むと、図３に示すように、浴槽体２が
前傾姿勢となり、入浴者が腰掛け構造１１に腰掛け得る
形態となる。この前傾姿勢は入浴者が浴槽２Ａへ出入り
し易い。

【００２５】浴槽体２は、流体圧シリンダ１８のピスト
ンロッド１８ｂの作動によって、図２に示す水平姿勢と
図３に示す前傾姿勢のいずれかの姿勢で停止し、必要時
には図示しないスイッチのオンオフにより両姿勢間をく
り返し作動するようにされている。

【００２６】図２に示すように、浴槽体２下面の流体圧
シリンダ１８に干渉しない部位には、送湯ポンプ２０が
取付けられている。送湯ポンプ２０の吸湯側は浴槽体２
の底面の低位置に、導管２１を介して第１湯溜め室１０
に接続されて、送湯ポンプ２０の送湯側は浴槽２Ａ内の
送湯口２３に送湯管２２を介して接続されている。な
お、送湯口２３には開閉手段を設けてもよい。（導管２
１送湯ポンプ２０及び送湯管２２は本発明の第１流路に
対応する。）送湯ポンプ２０が作動された際は、第１湯
溜め室１０の浴湯が導管２１，送湯ポンプ２０，送湯管
２２を介して浴槽２Ａに送湯される。

【００２７】図２に示すように、浴槽２Ａの中央部、す
なわち、水平姿勢の腰掛け構造１１の低位置には、浴槽
２Ａ内に入口を有し、貯留された浴湯を浴槽体２の外部
へ流出させる排出管２４が設けられている。排出管２４
の入口にはこの排出管２４を手動操作によってスライド
して開閉する開閉蓋２５が取付けられている。

【００２８】排水管２４の出口部は、一端がこの出口部
に接続されて他端が基台３に接続され第２湯溜め室５に
通ずる可撓性の送水ホース２６に連通されている。すな
わち、浴槽２Ａと第２湯溜め室５は、排水管２４と送水
ホース２６による排湯流路２７により連通されている。
（排湯流路２７は本発明の第２流路に対応する。）

【００２９】このため、開閉蓋２５を手動操作し、開閉
蓋２５によって排水管２４の入口を閉鎖すると、排湯流
路２７が閉路され、浴湯を浴槽２Ａに収容することがで
きる。

【００３０】また、開閉蓋２５を手動操作し、排水管２
４の入口を開通すると、排湯流路２７が開路され、浴槽
２Ａの浴湯が排湯流路２７を通って第２湯溜め室５内に
流入し、第２湯溜め室５内に収容される。

【００３１】いま、入浴装置Ａは浴槽体２が図２に示す
水平姿勢に停止されていて、浴湯供給口３０より第１湯
溜め室１０に、入浴温度に適した浴湯が貯留され、浴湯
供給口３０が閉じられた状態にある。この入浴装置Ａを
用いて歩行が不能乃至困難な病人等の入浴者を入浴させ
る場合は、入浴装置Ａを入浴者の近傍位置に移動させ
る。

【００３２】次いで、浴槽体２を前傾姿勢に換え、介護
者の補助により入浴者を浴槽２Ａに移動させる。浴槽２
Ａには腰掛け構造１１が腰掛け可能にされているので、
入浴者を無理なく、浴槽２Ａの腰掛け構造１１に腰掛か
けさせることができる。第１湯溜め室１０には浴湯が入
っているので、浴槽２Ａ内は適度に保温されていて、入
浴する病人には都合がよい。

【００３３】しかる後、入浴者の腰掛けた浴槽体１は流
体圧シリンダ１８の作動により水平姿勢に換えられる。
浴槽体１の水平姿勢においては腰掛けた入浴者は背もた
れ部１３にもたれた状態にされる。

【００３４】次いで、送湯ポンプ２０が作動され、第１
湯溜め室１０の浴湯が導管２１,送湯ポンプ２０，送湯
管２２を経て浴槽２Ａ内に移される。なお、浴槽２Ａに
移された浴湯は入浴に適した温度にされている。しかし
て、浴槽２Ａにおいて、入浴者の入浴がなされる。

【００３５】入浴後は排水管２４の開閉蓋２５が開か
れ、浴槽２Ａの使用済みの浴湯のほぼ全量が排湯流路２
７より基台３内の第２湯溜め室５に流入される。

【００３６】浴湯の排出された浴槽２Ａ（浴槽体１）
は、流体圧シリンダ１８の作動により再び前傾姿勢に戻
され、入浴後の入浴者は浴槽２Ａより容易に出ることが
できる。使用後の入浴装置Ａは所定部所に移動され、開
閉コック６が開かれて使用済みの浴湯が排出される。な
お、第１湯溜め室１０を上部開口を有する容器とした場
合には第１湯溜め室１０の浴湯は開口より排出し得る
（図示せず）。

【００３７】前記した実施形態の入浴装置Ａは、第１湯
溜め室１０に貯留した浴湯を送湯ポンプ２０を介して水
平姿勢の浴槽２Ａ内に移し、入浴後の浴槽２Ａの浴湯を
排湯流路２７を経て基台３内の第２湯溜め室５に流入さ
せ、開閉コック６より排出するものであった。しかし、
浴槽２Ａへの浴湯の供給の仕方は、この方法に限るもの
ではなく、第２湯溜め室５に貯留した入浴用の浴湯を、
排湯流路２７及び同流路の送湯ポンプを介して水平姿勢
の浴槽２Ａに移して入浴し、使用済の浴湯を送湯口２３
より逆回転の送湯ポンプ２０にて送湯管２２,導管２１
を介して第１湯溜め室１０に流入させるようにしてもよ
い。なお、第１湯溜め室１０の使用済の浴湯は水平姿勢
の浴槽２Ａ内に送湯ポンプ２０の正回転駆動にて戻し、
浴槽２Ａ内に戻した浴湯は台車１を所定部所に移動後に
浴槽２Ａを前傾させて排出することができる。

【００３８】前記した実施形態の浴槽体２は前傾姿勢に
おいて浴槽２Ａ内に腰掛け可能な腰掛構造を有するの
で、車椅子を必要とする入浴者であっても、浴槽体２外
および浴槽体２内への入浴者の出入り動作を無理なく行
うことができるとともに、浴槽体２内での入浴者の姿勢
を、腰掛け構造を利用した楽な状態てに保持して入浴者
を入浴させることができる。

【００３９】従って、入浴者を車椅子ごと浴槽内に入れ
るような大がかりで複雑な設備が不要となり、装置全体
をコンパクト化および簡略化して設備コストを節減する
ことができる。

【００４０】また、入浴に用いる浴湯および使用済みの
浴湯を貯留した状態で、入浴装置Ａを移動させることが
できるので、入浴者を浴湯とともに任意の場所へ移動さ
せることができ、給湯ができない場所や浴湯の排出がで
きない場所での入浴が可能となって入浴装置Ａの使用範
囲は広い。

【００４１】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、台車上に浴槽
体を傾動可能に設置しているため、コンパクト化され、
移動可能で病人等の入浴者に対して入浴したい場所で入
浴させることができる。

【００４２】請求項２の発明によれば、第１湯溜め室に
供給貯留した浴湯は、水平姿勢の浴槽内に移して入浴す
ることができ、浴槽内の浴湯は台車の第２湯溜め室に貯
留し、台車を移動させて適所にて浴湯を排出することが
できる。

【００４３】請求項３の発明によれば、第２湯溜め室に
供給貯留した浴湯は、水平姿勢の浴槽内に移して入浴す
ることができ、浴槽内の浴湯は浴槽体の第１湯溜め室に
供給貯留し、台車を移動させて適所にて浴湯を排出する
ことができる。

【００４４】請求項４の発明によれば、浴槽内の腰掛け
構造により入浴者は楽な姿勢で入浴することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を出す入浴装置の斜視図で
ある。

【図２】浴槽体を水平姿勢にした状態を示す入浴装置の
側断面図である。

【図３】浴槽体を前傾姿勢にした状態を示す入浴装置の
側断面図である。

【図４】図２のＸ−Ｘ線断面図である。

【符号の説明】

１台車２浴槽体３基台４キャスタ５第２湯溜め室１０第１湯溜め室１１腰掛け構造１８流体圧シリンダ２０送湯ポンプ２７排湯流路Ａ入浴装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】移動可能な台車と、前記台車上に傾動可
能に設置され、内部が浴槽とされた浴槽体と、この浴槽
体の姿勢を、この浴槽体が入浴可能な水平姿勢、若しく
は、浴槽体が傾斜した傾斜姿勢に換える浴槽体駆動機構
とを備えた入浴装置。
【請求項２】浴槽体には第１湯溜め室が形成され、台
車には第２湯溜め室が形成され、第１湯溜め室と浴槽内
に接続され浴湯の流通する第１流路が設けられ、かつ浴
槽内と第２湯溜め室に接続され浴湯の流通する第２流路
が設けられかつ前記第２流路には開閉手段が設けられ、
かつ前記第２湯溜め室には外部に通ずる開閉口又は開口
が形成されてなる請求項１に記載の入浴装置。
【請求項３】第２流路には第２湯溜め室の浴湯を浴槽
に送る送湯ポンプが介装され、第１流路の送湯ポンプは
正逆転可能とされている請求項１に記載の入浴装置。
【請求項４】浴槽体の浴槽には浴槽体の傾斜姿勢にお
いて入浴者が腰掛け得る腰掛け構造が設けられている請
求項１又は請求項２に記載の入浴装置。