JP2004017808A - 車両用バッテリの周辺部品搭載構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECU18を固定する副基板部22bをフロアパネル28に対して傾けて、副基板部22bの下面の最上点dがロッカーパネル42において最も副基板部22bに近い最短点eよりも高くなるようにする。このようにすると、矢印Eに示す方向から車両が衝突することによってロッカーパネル42がECUボード36と衝突する場合に、ロッカーパネル42はECUボード36の下面すなわち副基板部22bの下面に衝突して、ECUボード36はロッカーパネル42との衝突によって回転させられるので、衝突エネルギーの組バッテリ12方向成分の少なくとも一部がECUボード36を回転させるエネルギーとして消費される。従って、衝突時のエネルギーが組バッテリ12に伝わりにくくなる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されたバッテリの周辺部品の搭載構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
バッテリを搭載した車両には、そのバッテリの周辺部品も搭載される。上記バッテリ周辺部品には、たとえば、バッテリ冷却用のファン(送風機)、そのファンを収容するファンケース、リレー、リレーボックス、バッテリを制御するためのコンピュータ(ECU)などのバッテリ制御部品などが含まれる。
【0003】
上記バッテリ周辺部品が車両の各所に分散していると、比較的高圧のケーブルを車両内に引き回すことになって、そのケーブルから発生するノイズが他の電気制御系に影響を与えるおそれがあるという問題があり、また、メンテナンス性が悪いという問題もある。そのため、バッテリ周辺部品はバッテリの横などに一体的に集約されることが多い。たとえば、特開2001−23700号公報に記載されたバッテリ装置では、メインスイッチ、コンタクタ、ヒューズ等のバッテリ周辺部品が1つのジャンクションボードに取り付けられ、そのジャンクションボードがバッテリ横に配置され、さらに、バッテリ上にECUが配置されている。
【0004】
ところで、バッテリは、衝突によって破壊されると、化学反応が急速に進行して可燃性ガスが発生したり、有毒な電解液が漏れ出したりするおそれがある。そのため、車両が衝突しても、バッテリはできるだけ破損しないようになっていることが好ましい。
【0005】
そのため、前述の公報に記載されたバッテリ装置のように、バッテリ周辺部品がバッテリの横に配置される場合には、バッテリが車両内側に配置され、バッテリ周辺部品が車両外側に配置される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バッテリ周辺部品が車両外側に配置されても、バッテリ周辺部品に衝突のエネルギーが加わると、バッテリ周辺部品が破壊されることによって吸収されるエネルギー以外は、バッテリ周辺部品を媒介してバッテリに加わることとなるため、依然として衝突時にバッテリが破損するおそれが大きい。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、衝突時のエネルギーがバッテリに伝わりにくくなるバッテリ周辺部品の搭載構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための第1発明は、車両に搭載されたバッテリの横方向にバッテリ周辺部品が搭載され、そのバッテリ周辺部品が、前記バッテリとは反対側の車両周面に対して傾いて配置されていることを特徴とする車両用バッテリの周辺部品搭載構造である。
【0009】
なお、本発明および以下の発明において、横方向とは上下方向(高さ方向)に対する概念であり、車両前後方向および車両幅方向のいずれも横方向に含まれる。また、車両周面とは、車両の上下の面に対する概念であり、車両の側面、または車両の前面、または車両の後面を意味する。
【0010】
【第1発明の効果】
この発明によれば、バッテリ周辺部品のバッテリとは反対側の車両周面からバッテリに向かう方向に車両が衝突した場合、その車両周面とバッテリとの間に位置するバッテリ周辺部品は、その衝突方向に対して傾いていることになるから、バッテリ周辺部品はボディとの衝突によって回転させられるので、衝突エネルギーのバッテリ方向成分の少なくとも一部がバッテリ周辺部品を回転させるエネルギーとして消費される。従って、衝突時のエネルギーがバッテリに伝わりにくくなる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】
かかる目的を達成するための第2発明は、車両に搭載されたバッテリの横方向にバッテリ周辺部品が搭載され、そのバッテリ周辺部品が、前記バッテリのバッテリ周辺部品側の側面に対して傾いて配置されていることを特徴とする車両用バッテリの周辺部品搭載構造である。
【0012】
【第2発明の効果】
この発明によれば、バッテリ周辺部品のバッテリとは反対側の車両周面からバッテリに向かう方向に車両が衝突した場合、その車両周面とバッテリとの間に位置するバッテリ周辺部品はその衝突方向に対して傾いていることになるから、バッテリ周辺部品はボディとの衝突によって回転させられるので、衝突エネルギーのバッテリ方向成分の少なくとも一部がバッテリ周辺部品を回転させるエネルギーとして消費される。従って、衝突時のエネルギーがバッテリに伝わりにくくなる。
【0013】
【発明の他の態様】
ここで、好ましくは、前記バッテリ周辺部品は、前記バッテリよりも車両側方側に配置されている。このようにすれば、車両の側方から衝突した場合に、バッテリ周辺部品はボディとの衝突によって回転させられるので、衝撃に比較的弱い側方からの衝突の際に、衝突時のエネルギーがバッテリに伝わりにくくなる。
【0014】
バッテリ周辺部品の傾きの方向は、水平方向であっても垂直方向であってもよいし、その両方であってもよい。すなわち、前記バッテリ周辺部品は、水平面においてバッテリとは反対側の車両周面またはバッテリのバッテリ周辺部品側の側面に対して傾いていてもよいし、垂直面においてバッテリとは反対側の車両周面またはバッテリのバッテリ周辺部品側の側面に対して傾いていてもよいし、その両方であってもよい。なお、本発明において、バッテリ周辺部品が傾いているとは、水平面または垂直面において、バッテリ周辺部品がバッテリとは反対側の車両周面またはバッテリのバッテリ周辺部品側の側面と平行でも垂直でもないことをいう。
【0015】
なお、車両の床面は略水平なので、バッテリ周辺部品が垂直面においてバッテリとは反対側の車両周面に対して傾いている場合には、バッテリ周辺部品は床面に対しても傾いていることになる。
【0016】
また、前記バッテリ周辺部品が前記バッテリよりも車両側方側に配置されている場合、さらに好ましくは、前記バッテリ周辺部品は、前記バッテリ側よりも前記バッテリとは反対側の方が高く、且つ、そのバッテリ周辺部品の車両幅方向外側に位置する車両側部骨格部材において最もそのバッテリ周辺部品との距離が短い最短点の高さが、そのバッテリ周辺部品の下面の最下点と最上点との間になるように配置されている。このようにすれば、車両の側方からの衝突によって車両側部骨格部材が変形させられて、その車両側部骨格部材とバッテリ周辺部品とが衝突する場合、その車両側部骨格部材はまずバッテリ周辺部品の下面に衝突することから、バッテリ周辺部品は回転させられやすいので、衝突時のエネルギーがバッテリ周辺部品を回転させるエネルギーとして消費されやすい。従って、衝突時のエネルギーがバッテリに一層伝わりにくくなる。
【0017】
前記バッテリの搭載位置は特に制限はなく、たとえば車室内(たとえば前席下や後席下)、あるいは、荷室、エンジンルーム、フロアパネル下などに搭載される。なお、車室内の前席下にバッテリが搭載される場合には、バッテリの上下方向には隙間があまりないので、バッテリ周辺部品はバッテリの横方向に配置される。さらに、バッテリが冷却を必要とする場合には、冷却風の導入路および排出路もバッテリの横方向に確保する必要がある。そのため、バッテリ周辺部品を配置できる場所は限られるので、前述の態様のように、たとえば、バッテリよりも車両側方側にバッテリ周辺部品が配置される。
【0018】
また、前記バッテリ周辺部品の形状にも特に制限はないが、個々の部品が別々に搭載されていると、衝突の際に個々の部品はその部品間の隙間を移動する余地があり、また、バッテリ方向とは別の方向に移動する部品もあると考えられるが、複数の部品が基板上に固定されることにより一体化されたバッテリ周辺部品の場合、衝突の際にバッテリ周辺部品が一体的にバッテリに衝突してしまうおそれが大きいため、バッテリが破損してしまうおそれが大きい。従って、複数の部品が基板上に固定されることにより一体化されたバッテリ周辺部品の場合、本発明を適用して、衝突時のエネルギーがバッテリに伝わりにくくする意義が大きい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、車両に搭載されたバッテリ装置10の平面図であり、図2は、図1の矢印A方向から、すなわち車両前後方向に平行に車両後方からバッテリ装置10を見た側面図である。なお、このバッテリ装置10が搭載される車両は、エンジンの駆動力のみにより走行する車両、エンジンとモータとにより走行するハイブリッド車両、モータのみにより走行する車両のいずれであってもよい。
【0020】
図1に示すように、バッテリ装置10は、組バッテリ12、放出ダクト14、送風機16、コンピュータ(以下、ECUという)18、電気制御ボックス20、および基板22を備えている。
【0021】
基板22は、所定の形状に打ち抜かれた鋼板にプレス加工が施されたプレス部品であって、車両前後方向よりも車両幅方向が長く、長手方向が車両幅方向に略平行な略矩形の主基板部22aと、その主基板部22aの車両幅方向外側であってその主基板部22aよりもやや車両前側に位置する略矩形の副基板部22bとからなり、組バッテリ12、放出ダクト14、送風機16および電気制御ボックス20は主基板部22a上に固定されている。また、副基板部22bには、主基板部22a側の端であって車両後方側の端に、ブラケット23が設けられている。
【0022】
組バッテリ12は、直方体状のバッテリセル24がその厚み方向に複数(図1では4つ)積層された状態で、バッテリホルダー26内に収容された構成を有している。なお、バッテリセル24は、バッテリホルダー26の下部から上方に突き出す図示しない小突起を介して積層されており、バッテリセル24間には隙間Sが形成されている。
【0023】
バッテリセル24には、その内部に、たとえばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池など図示しない単電池が複数収容されており、それら複数の単電池は電気的に直列に接続されている。また、バッテリセル24間も図示しない接続ケーブルにより電気的に直列に接続される。
【0024】
放出ダクト14は、充放電時にバッテリセル24内で水素等のガスが発生した場合に、そのガスを車外へ排出するものであり、図2に示すように、先端がフロアパネル(すなわち床)28を貫通している。
【0025】
図1に戻って、送風機16は、バッテリセル24を冷却するための空気を組バッテリ12に導入するためのものであり、送風機16が作動させられると、送風機16が配置されている側とは反対側の組バッテリ12の側面から組バッテリ12に空気が供給され、バッテリセル24間の隙間Sを通って送風機16側にその空気が排出される。
【0026】
バッテリ周辺部品であるECU18は、組バッテリ12の充電状態の監視等を行う。ECU18は、図示しないCPU、メモリ等の複数の部品が図示しない基板上に固定されることにより一体化させられ、その上から保護カバー18aがかぶせられて構成される。このECU18は連結部材30を介して副基板部22bに固定されている。本実施例のバッテリ装置10では、副基板22bおよびその副基板部22bに固定されているECU18を、バッテリ周辺部品として機能するECUボード36という。
【0027】
電気制御ボックス20もバッテリ周辺部品として機能するものであり、ECU18からの信号により電源回路の接続・遮断を行うリレー、電源回路の電流値を検出する電流センサ、ヒューズ等を備えている。
【0028】
このバッテリ装置10は、図2に示すように、助手席38下のフロアパネル28上(すなわち車内)において、組バッテリ12が一対のシートレール40間となり、且つ、副基板部22bにECU18が一体化させられたECUボード36が、組バッテリ12よりも車両幅方向外側(車両側方側)に位置するように配置されている。また、ECUボード36は、車両幅方向長さが車両高さ方向長さの約3倍と、車両幅方向長さが車両高さ方向長さよりも長くなっている。
【0029】
このバッテリ装置10の車両幅方向外側には、車両側部骨格部材であるロッカーパネル42が位置しており、ロッカーパネル42よりも車両幅方向外側には、さらに、車両側面の一部を形成するドアパネル44が設けられている。ドアパネル44は、フロアパネル28に対して略垂直であり、ドアパネル44の下部の車両幅方向内側面はロッカーパネル42に接している。
【0030】
前記フロアパネル28は略水平であり、前記ECUボード36の下面、すなわち、副基板部22bの下面は、車両幅方向内側よりも車両幅方向外側が高くなるように、車両幅方向に平行な垂直断面における角度が、フロアパネル28に対して、すなわち水平線に対して所定の角度θ1だけ傾けられている。また、車両前後方向に平行な垂直断面内におけるECUボード36の下面の角度は水平線に対して平行である。従って、たとえば、図1のB−B線、C−C線で示す垂直面のように、ECUボード36と組バッテリ12とを通る垂直面におけるECUボード36の下面の角度はフロアパネル28に対して角度θ1だけ傾いている。
【0031】
図2に戻って、ECUボード36がフロアパネル28に対して角度θ1だけ傾けられることにより、副基板部22bの下面の最上点dの高さは、ロッカーパネル42においてECUボード36に最も近い最短点eの高さよりも高くなっている。また、副基板部22bの下面の最下点fはフロアパネル28に接しているので、副基板部22bの下面の最下点fはロッカーパネル42の最短点eよりも低くなっている。
【0032】
また、組バッテリ12のECUボード36側の側面12aやドアパネル44はフロアパネル28に対して略垂直であることから、ECUボード36の下面やその下面と平行な上面は、組バッテリ12のECUボード36側の側面12aやドアパネル44に対しても角度θ2だけ傾いていることになる。
【0033】
このバッテリ装置10が搭載された車両が、衝突方向を示す矢印Eのように、ドアパネル44から組バッテリ12へ向かう方向に衝突すると、ロッカーパネル42がECUボード36の下面に衝突する。すなわち、ECUボード36の下面が、衝突時にボディが車両内側に平行移動することによってそのボディと衝突する衝突面となる。従って、図3に示すように、ECUボード36は主基板部22aと副基板部22bとの間の接線部(すなわち副基板部22bの下面の最下点f)を軸心として回転させられ、ECU18がシートレール40に衝突する。あるいは、衝突のエネルギーがさらに大きい場合には、シートレール40を破壊して、さらに、ECUボード36は回転させられる。
【0034】
上述の実施例によれば、ドアパネル44から組バッテリ12に向かう方向に車両が衝突した場合、ドアパネル44と組バッテリ12との間に位置するECUボード36は衝突方向に対して傾いていることから、ECUボード36はロッカーパネル42との衝突によって回転させられるので、衝突のエネルギーの組バッテリ12方向成分の少なくとも一部がECUボード36を回転させるエネルギーとして消費される。従って、衝突時のエネルギーが組バッテリ12に伝わりにくくなる。
【0035】
さらに、仮に図4に示すように、ECU18が水平に配置されているとすると、ロッカーパネル42がECU18に衝突した場合、ECU18は平行移動させられるので、ECU18が組バッテリ12に衝突しやすいのであるが、上述の実施例によれば、ECUボード36はロッカーパネル42との衝突によって回転させられるので、平行移動させられる場合よりも組バッテリ12に衝突しにくくなる。
【0036】
また、上述の実施例によれば、ECUボード36は、組バッテリ12よりも車両側方側に配置されていることから、車両の側方から衝突した場合に、ECUボード36はロッカーパネル42との衝突によって回転させられるので、衝撃に比較的弱い側方からの衝突の際に、衝突時のエネルギーが組バッテリ12に伝わりにくくなる。
【0037】
また、上述の実施例によれば、車両の側方からの衝突によってロッカーパネル42が変形させられて、ロッカーパネル42とECUボード36とが衝突する場合、ロッカーパネル42はまずECUボード36の下面に衝突することから、ECUボード36は回転させられやすいので、衝突時のエネルギーがECUボード36を回転させるエネルギーとして消費されやすい。従って、衝突時のエネルギーが組バッテリ12に一層伝わりにくくなる。
【0038】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0039】
たとえば、前述の実施例では、ECUボード36は、組バッテリ12に対して車両幅方向に略平行となる位置に配置されていたが、組バッテリ12に対して車両斜め前方または車両斜め後方に配置されてもよいし、組バッテリ12に対して車両前方向または車両後ろ方向に配置されてもよい。
【0040】
また、前述の実施例では、ECUボード36が組バッテリ12よりも車両外側に配置され、電気制御ボックス20が組バッテリ12よりも車両内側に配置されていたが、ECUボード36に代えて電気制御ボックス20など他のバッテリ周辺部品が組バッテリ12の外側に配置されてもよい。
【0041】
また、前述の実施例では、ECUボード36の外側にロッカーパネル42が位置する場所にバッテリ装置10が搭載されていたが、ECUボード36の外側に車両側部骨格部材であるフロアサイドメンバが位置する場所にバッテリ装置10が搭載されてもよい。
【0042】
また、前述の実施例では、ECUボード36は、車両幅方向外側が車両幅方向内側よりも高くなっていたが、逆に、車両幅方向内側が車両幅方向外側よりも高くなっていてもよい。この場合には、ECUボード36は前述の実施例ほど回転させられやすくはないが、それでも、衝突のエネルギーの一部はECUボード36を回転させるエネルギーとして消費される。
【0043】
また、前述の実施例では、ECUボード36の下面は平面であったが、図5に示すように、ECUボード36のロッカーパネル42側の部分が、ロッカーパネル42側ほど上面と下面との距離が短くなるように下面が丸くなっていてもよい。このようにすると、ロッカーパネル42との衝突によってECUボード36がより回転させられやすくなるので、より多くの衝突エネルギーが回転エネルギーとして消費される。
【0044】
また、ECUボード36の組バッテリ12側の端に車両前後方向と平行な軸心を有するヒンジが設けられてもよい。このようにしても、衝突時にECUボード36が回転させられやすくなるので、より多くの衝突エネルギーが回転エネルギーとして消費される。
【0045】
また、前述の実施例では、バッテリ周辺部品であるECUボード36は、図2に示すように、垂直面においては、ドアパネル44または組バッテリ12のECUボード36側の側面12aに対して傾けられていたが、図1の平面図に示すように、ECUボード36の車両幅方向の両側の面は車両前後方向に平行であるので、水平面においては、組バッテリ12のECUボード36側の側面12aや図1には図示しないドアパネル44に対して傾けられていない。しかし、図6に示すように、水平面において、ECUボード36が組バッテリ12やドアパネル44に対して傾けられてもよい。図6は、図1および図5とは別のバッテリ装置の平面図であり、図6に示すバッテリ装置では、ECUボード36のドアパネル44側の側面36aはドアパネル44に対して角度θ3だけ傾いており、ECUボード36の組バッテリ12側の側面36bは組バッテリ12のECUボード36側の側面12aに対して角度θ4だけ傾いている。なお、図6のECUボード36は、フロアパネル28に対しては平行である。すなわち図6のECUボード36はフロアパネル28に対しては傾けられていない。
【0046】
図6のようにECUボード36が搭載された場合、たとえば、図6の矢印Eに示す方向の衝突があると、ECUボード36のロッカーパネル42側の側面36aがそのロッカーパネル42と衝突する衝突面となるが、この側面36aは衝突方向に対して傾いていることになるから、ECUボード36はロッカーパネル42との衝突によって、たとえば二点差線で示すように水平回転させられる。従って、衝突エネルギーの組バッテリ12方向成分の少なくとも一部がECUボード36を回転させるエネルギーとして消費される。従って、衝突時のエネルギーが組バッテリ12に伝わりにくくなる。
【0047】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載されたバッテリ装置の平面図である。
【図2】図1の矢印A方向からバッテリ装置を見た側面図である。
【図3】車両が側方から衝突したときのバッテリ装置の状態を例示する図である。
【図4】ECUがフロアパネル上に水平に搭載された場合に、衝突時のECUの移動方向を示す図である。
【図5】図1とは別の実施例におけるECUボードを示す図であって、図2に相当する図である。
【図6】図1および図5とは別のバッテリ装置の平面図である。
【符号の説明】
12:組バッテリ
36:ECUボード(バッテリ周辺部品)
38:助手席(前席)
Claims (8)
- 車両に搭載されたバッテリの横方向にバッテリ周辺部品が搭載され、
該バッテリ周辺部品が、前記バッテリとは反対側の車両周面に対して傾いて配置されていることを特徴とする車両用バッテリの周辺部品搭載構造。 - 車両に搭載されたバッテリの横方向にバッテリ周辺部品が搭載され、
該バッテリ周辺部品が、前記バッテリのバッテリ周辺部品側の側面に対して傾いて配置されていることを特徴とする車両用バッテリの周辺部品搭載構造。 - 前記バッテリ周辺部品は、前記バッテリよりも車両側方側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用バッテリの周辺部品搭載構造。
- 前記バッテリ周辺部品は前記車両の床に対しても傾いていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バッテリの周辺部品搭載構造。
- 前記バッテリ周辺部品は、前記バッテリよりも車両側方側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用バッテリの周辺部品搭載構造。
- 前記バッテリ周辺部品は、
前記バッテリ側よりも前記バッテリとは反対側の方が高く、且つ、該バッテリ周辺部品の車両幅方向外側に位置する車両側部骨格部材において最も該バッテリ周辺部品との距離が短い最短点の高さが、該バッテリ周辺部品の下面の最下点と最上点との間になるように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用バッテリの周辺部品搭載構造。 - 前記バッテリは車室内の前席下に搭載されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用バッテリの周辺部品搭載構造。
- 前記バッテリ周辺部品は、複数の部品が基板上に固定されることにより一体化されていることを特徴とする請求項1乃至7に記載の車両用バッテリの周辺部品搭載構造。
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