JP2007296935A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両室内に漏洩する電磁波ノイズが効果的に低減される電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置は、車両に搭載されるバッテリ44および54と、車両室内とバッテリ44および54との間を遮るように配置され、車両室内の空気をバッテリ44および54に向けて導入する吸気口355が形成された後部シールドカバー350とを備える。後部シールドカバー350は、金属から形成されている。吸気口は、互いに間隔を隔てて後部シールドカバー350の表面上で少なくとも2方向に並ぶ複数の孔からなる。
【選択図】図3
【解決手段】電源装置は、車両に搭載されるバッテリ44および54と、車両室内とバッテリ44および54との間を遮るように配置され、車両室内の空気をバッテリ44および54に向けて導入する吸気口355が形成された後部シールドカバー350とを備える。後部シールドカバー350は、金属から形成されている。吸気口は、互いに間隔を隔てて後部シールドカバー350の表面上で少なくとも2方向に並ぶ複数の孔からなる。
【選択図】図3
Description
この発明は、一般的には、電源装置に関し、より特定的には、車両に搭載される電源装置に関する。
従来の電源装置に関して、たとえば、特開2001−294048号公報には、車両重量を増大させることなく、電源装置から発生する電磁波ノイズを閉じ込めることを目的とした車両用電源装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、車両を構成する金属製のフロアパネルと座席下カバーパネルとにより、電池パックを収容する空間を比較的閉じられた状態で形成している。
また、特開平8−186390号公報には、軽量で電磁遮断効果があり、強靭性および耐蝕性を有し、感電対策にも対応することを目的とした電気自動車用バッテリケースが開示されている(特許文献2)。また、特開平11−120974号公報には、安全性を確保しつつバッテリの性能低下を防止することを目的としたハイブリッド自動車のバッテリボックス装置が開示されている(特許文献3)。特許文献3では、バッテリボックス内の通気性を良くするための多数の小孔がバッテリボックスに形成されている。バッテリボックスは、車両後部に設けられた動力室に配置されている。
また、特開平11−89002号公報には、バッテリの交換毎に車両コントローラのプログラムを変更する必要をなくし、信頼性を向上させることを目的とした電気自動車が開示されている(特許文献4)。特許文献4では、バッテリユニットを収容するケースに、冷却用空気口が形成されている。冷却用空気口は、一方向に配列された複数の孔からなる。また、特開2001−325996号公報には、冷却性に優れるとともにバッテリセルを確実に固定することができ、組み立て作業性を向上させることを目的とした電気自動車用バッテリ構造が開示されている(特許文献5)。特許文献5では、樹脂成形品からなるバッテリケースに通風孔が形成されている。
特開2001−294048号公報
特開平8−186390号公報
特開平11−120974号公報
特開平11−89002号公報
特開2001−325996号公報
上述の特許文献1では、電池パックがフロアパネルと座席下カバーパネルとによって覆われることにより、電磁波ノイズの漏洩を防止している。しかしながら、車両室内の空気を冷却風として電池パックに取り込むため、座席下カバーパネルに吸気口を形成すると、電磁波がその吸気口を通じて車両室内に漏れる。このため、車両室内に漏洩する電磁波ノイズが増大するおそれが生じる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、車両室内に漏洩する電磁波ノイズが効果的に低減される電源装置を提供することである。
この発明に従った電源装置は、車両に搭載される電源部と、車両室内と電源部との間を遮るように配置され、車両室内の空気を電源部に向けて導入する吸気口が形成されたカバー部材とを備える。カバー部材は、金属から形成されている。吸気口は、互いに間隔を隔ててカバー部材の表面上で少なくとも2方向に配列された複数の孔からなる。
このように構成された電源装置によれば、カバー部材を金属から形成するとともに、そのカバー部材に多孔状の吸気口を形成することにより、吸気口を通じて電源部から車両室内に漏洩する電磁波ノイズを効果的に低減することができる。
また好ましくは、電源部とカバー部材との間に、配線が配設されている。このように構成された電源装置によれば、さらに、吸気口を通じて配線から車両室内に漏洩する電磁波ノイズを低減することができる。
また好ましくは、孔は、略真円形状を有する。このように構成された電源装置によれば、電磁波ノイズの漏洩を抑制しつつ、吸気口を通じて車両室内から電源部に導入される空気流れを円滑にできる。
また好ましくは、電源部およびカバー部材は、車両室内に設置された筐体内に配置されている。筐体には、内部空間と車両室内との間を連通させる開口部が形成されている。吸気口は、開口部に対向する位置に設けられている。このように構成された電源装置によれば、電源部およびカバー部材を収容する筐体がさらに設けられる場合であっても、吸気口を開口部に対向する位置に設けることにより、車両室内から開口部および吸気口を順に通って電源部に導入される空気流れを円滑にできる。
また好ましくは、電源部およびカバー部材は、運転席と助手席との間に設置されたセンターコンソール内に配置されている。このように構成された電源装置によれば、センターコンソール内に配置される電源装置において、上述のいずれかに記載の効果を得ることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、車両室内に漏洩する電磁波ノイズが効果的に低減される電源装置を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、ハイブリッド車両の車両室内を示す斜視図である。図中には、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能な電源(電源装置)とを動力源とするハイブリッド車両が示されている。
図1は、ハイブリッド車両の車両室内を示す斜視図である。図中には、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能な電源(電源装置)とを動力源とするハイブリッド車両が示されている。
図1を参照して、車両室内には、フロントシートとしての運転席11と助手席12とが車両幅方向に並んで設けられている。運転席11および助手席12は、それぞれ、シートレッグ230およびシートレッグ240を介してフロアパネル1に固定されている。シートレッグ230および240は、車両前後方向に延び、フロアパネル1から上向きに突出するアーチ形状を有する。フロアパネル1の表面には、フロアカーペット10が配置されている。フロアカーペット10は、シートレッグ230および240を覆い隠すように設けられている。運転席11および助手席12の下方では、フロアパネル1とフロアカーペット10との間に空間が形成されている。
運転席11の側方および助手席12の側方には、それぞれ、スカッフプレート2およびスカッフプレート3が配設されている。スカッフプレート2および3は、車両室内の周縁部に配置されている。スカッフプレート2および3は、車両前後方向に延びる。スカッフプレート2および3は、フロアパネル1に形成される溶接部を覆うように設けられている。スカッフプレート2とフロアパネル1とに囲まれた空間4およびスカッフプレート3とフロアパネル1とに囲まれた空間5には、それぞれ図示しない配線が配索されている。
運転席11と助手席12との間には、車両前後方向に延びる樹脂製のセンターコンソールボックス21が設けられている。センターコンソールボックス21は、略直方体形状を有する。センターコンソールボックス21は、フロントガラスの後方に広がるダッシュボード31に連なるように形成されている。センターコンソールボックス21は、車両幅方向における車両の中心付近に設置されている。センターコンソールボックス21は、たとえば、車両室内のインテリア性を向上させる目的や、飲料容器を載置するためのカップホルダや、小物類を載置するための凹部を設けるために設置されている。
センターコンソールボックス21には、センターコンソールボックス21内に車両室内の空気を取り入れるための空気導入スリット22が形成されている。空気導入スリット22は、図示しないリヤシート(車両が3列シートを備える場合には、2列目シート)に向い合って形成されている。空気導入スリット22は、図示しないリヤシートの足元に開口している。空気導入スリット22は、フロアパネル1の直上で車両室内に開口している。空気導入スリット22は、横に相対的に長く、縦に相対的に短い開口形状を有する。
図2は、図1中のハイブリッド車両の搭載された電源装置を示す斜視図である。図1および図2を参照して、センターコンソールボックス21内には、第1バッテリパック40および第2バッテリパック50と、これらのバッテリパックに電気的に接続されるジャンクションボックス60とが収容されている。第1バッテリパック40と第2バッテリパック50とは、上下に重なって設けられている。第1バッテリパック40は、第2バッテリパック50の上側に配置されている。
ジャンクションボックス60は、第1バッテリパック40の上側に配置されている。ジャンクションボックス60には、バッテリコンピュータ、バッテリの高電圧回路を制御するリレー、バッテリの総電圧と充放電電流とを検知する各種センサ、バッテリパックの点検・整備時に高電圧回路を遮断するサービスプラグ等の周辺機器が搭載されている。
センターコンソールボックス21内には、第1冷却ファンユニット70および第2冷却ファンユニット80がさらに収容されている。第1冷却ファンユニット70および第2冷却ファンユニット80は、それぞれ、第1バッテリパック40および第2バッテリパック50に接続されている。第1冷却ファンユニット70は、ダッシュボード31と第1バッテリパック40との間に設置されている。第2冷却ファンユニット80は、ダッシュボード31と第2バッテリパック50との間に配置されている。第1冷却ファンユニット70と第2冷却ファンユニット80とは、上下に並んで設けられている。第1冷却ファンユニット70および第2冷却ファンユニット80は、それぞれ、第1バッテリパック40および第2バッテリパック50の内部に冷却風を流通させる。
第1冷却ファンユニット70とスカッフプレート3との間には、排気通路100が形成されている。排気通路100の経路上には、オーディオ機器220が設置されている。
第2冷却ファンユニット80とスカッフプレート2との間には、排気通路150が形成されている。排気通路150の経路上には、DC−DCコンバータ210が設置されている。DC−DCコンバータ210は、バッテリで出力される高電圧を、車両のランプ、オーディオなどの補機類や、車両に搭載される各ECU(electronic control unit)で使用される電圧まで降圧し、図示しない補機バッテリに充電する。
図3は、図1中のIII−III線上に沿ったセンターコンソールボックス内の断面図である。図3を参照して、第1バッテリパック40は、バッテリ(2次電池)44と、バッテリ44を収容するバッテリケース41とを含む。バッテリ44は、積層された複数の電池セルを含む。複数の電池セルは、互いに電気的に直列に接続されている。互いに隣り合う電池セル間には、冷却風を流通させるための隙間が形成されている。
バッテリ44は、充放電可能な2次電池であれば特に限定されず、たとえば、ニッケル水素電池であっても良いし、リチウムイオン電池であっても良い。
バッテリケース41は、金属により形成されている。バッテリケース41は、強度を確保するために、たとえば亜鉛メッキ処理された鋼板から形成されている。バッテリケース41内には、吸気チャンバ46および排気チャンバ47が形成されている。吸気チャンバ46は、バッテリ44の上側に形成され、排気チャンバ47は、バッテリ44の下側に形成されている。バッテリケース41には、車両室内の空気を冷却風として吸気チャンバ46に取り込むための空気取り込み口45が形成されている。空気取り込み口45から吸気チャンバ46に取り込まれた冷却風は、バッテリ44および排気チャンバ47と順に上下方向に流れる。バッテリケース41には、さらに、バッテリケース41内から空気を排出するための空気排出口49が形成されている。
第1冷却ファンユニット70は、シロッコファン71と、シロッコファン71を収容するファンケース72とを含む。シロッコファン71は、回転ファンの中央部から回転軸方向に吸気して、回転軸の半径方向に空気を排出する電動のファンである。第1冷却ファンユニット70は、バッテリ44よりも冷却風流れの下流側に配置されている。第1冷却ファンユニット70は、バッテリケース41に取り付けられている。シロッコファン71が収容されるファンケース72内の空間は、空気排出口49を介して排気チャンバ47と連通する。なお、ファンの種類は、シロッコファンに限定されず、たとえば、クロスフロー型のファンやプロペラファンであっても良い。
第2バッテリパック50および第2冷却ファンユニット80は、それぞれ、第1バッテリパック40および第1冷却ファンユニット70と同様の構成を備える。
すなわち、第2バッテリパック50は、バッテリ54とバッテリケース51とを含む。バッテリケース51には、空気取り込み口55が形成されている。第2冷却ファンユニット80は、シロッコファン81とファンケース82とを含む。第2冷却ファンユニット80は、バッテリケース51に取り付けられている。
なお、第1バッテリパック40および第2バッテリパック50では、冷却風が上下方向に流通する縦流し方式が採られているが、冷却風が水平方向に流通する横流し方式が採られても良い。
センターコンソールボックス21の内部には、シールドカバー310が配設されている。シールドカバー310は、金属から形成されている。シールドカバー310は、たとえば鋼板から形成されている。シールドカバー310は、バッテリケース41および51と同じ材料から形成されても良い。シールドカバー310は、第1バッテリパック40、第2バッテリパック50およびジャンクションボックス60の周囲を取り囲むように設けられている。
シールドカバー310は、後部シールドカバー350を含む。後部シールドカバー350は、車両室内と、バッテリ44およびバッテリ54(第1バッテリパック40および第2バッテリパック50)との間を遮るように設けられている。後部シールドカバー350は、バッテリ44および54とセンターコンソールボックス21との間に配置されている。後部シールドカバー350は、バッテリ44および54と、図示しないリヤシート(車両が3列シートを備える場合には、2列目シート)との間に配置されている。
後部シールドカバー350とバッテリ44および54との間には、複数本のワイヤーハーネス380が配索されている。複数のワイヤーハーネス380には、バッテリ44および54の電圧を検出する電圧検出用ケーブルや、バッテリ44および54に充放電される電流が流れる入出力ケーブルが含まれる。入出力ケーブルには、たとえば200V以上の電圧を有する電流が流れる。
図4は、図3中の後部シールドカバーを示す斜視図である。図3および図4を参照して、後部シールドカバー350は、第1バッテリパック40と距離を隔てて対向する第1部分360と、第2バッテリパック50と距離を隔てて対向する第2部分370とを含んで構成されている。第1部分360は、略鉛直方向に延在する表面360aを有する。第2部分370は、鉛直方向の上側から下側に向かうに従って車両前後方向の後方から前方に延在する表面370aを有する。
後部シールドカバー350には、吸気口355が形成されている。吸気口355は、第1部分360および第2部分370にそれぞれ形成されている。吸気口355は、少なくともその一部が空気導入スリット22に対向するように形成されている。吸気口355は、車両室内からバッテリ44および54に向けて空気を流通させる。
吸気口355は、多孔状を有する。すなわち、吸気口355は、互いに間隔を設け、表面360aおよび表面370a上のそれぞれにおいて少なくとも2方向に並ぶ複数の孔から構成されている。吸気口355は、互いに間隔を設け、表面360aおよび表面370a上のそれぞれにおいて平面的に並ぶ複数の孔から構成されている。複数の孔は、表面360aおよび表面370aのほぼ全面に渡って形成されている。
本実施の形態では、複数の孔は、互いに間隔を設けて千鳥状に配列されている。複数の孔は、1列に並ぶ複数の孔の位置と、その隣の列に並ぶ複数の孔とが、孔間のピッチの半分の距離だけずれるように配列されている。吸気口355を構成する複数の孔は、それぞれ略真円形状を有する。孔は、縦横比がほぼ等しくなる形状を有する。一例として、孔の直径は5mmであり、隣り合う孔の中心間の距離は7.5mmである。
図5は、図4中の後部シールドカバーに形成される吸気口の変形例を示す図である。図5(A)を参照して、本変形例では、吸気口355を構成する複数の孔が、格子状に配列されている。図5(B)を参照して、本変形例では、吸気口355を構成する複数の孔が、それぞれ楕円形状を有する。図5(C)を参照して、本変形例では、吸気口355を構成する複数の孔が、それぞれ正四角形状を有する。このほか、孔は、長円等の円形状を有しても良いし、四角形や三角形等の多角形状を有しても良い。複数の孔は、全て同一の形状を有しなくても良い。複数の孔間のピッチは、全て等しくなくても良い。
図6は、図2中の電源装置に設けられた冷却機構の排気系を示す斜視図である。図7は、図2中の矢印VIIに示す方向から見た冷却機構の排気系の正面図である。
図2から図7を参照して、第1バッテリパック40に設けられる冷却機構の排気系と、第2バッテリパック50に設けられる冷却機構の排気系とは、互いに独立して形成されている。排気通路100は、排気ダクト110、排気ダクト120および排気ダクト130によって構成されている。排気ダクト110、排気ダクト120および排気ダクト130は、挙げた順に、冷却風流れの上流側から下流側に並んで設けられている。排気ダクト110は、第1冷却ファンユニット70に接続されている。排気ダクト130は、スカッフプレート3に接続されている。排気ダクト120は、排気ダクト110と排気ダクト120との間で延びている。排気ダクト130は、アーチ状に形成されたシートレッグ240を潜るように設けられている。
オーディオ機器220は、排気ダクト130の表面上に載置されている。オーディオ機器220は、少なくともその一部が排気ダクト130に接触するように設けられている。
シロッコファン71が駆動することにより、バッテリケース41の内部が負圧になる。このとき、車両室内の空気が、空気導入スリット22、吸気口355および空気取り込み口45を順に通り、冷却風としてバッテリケース41内に取り込まれる。バッテリケース41内に取り込まれた冷却風は、吸気チャンバ46から電池セル間に形成された隙間を流れ、この間、バッテリ44を冷却する。バッテリ44を冷却した冷却風は、排気チャンバ47に流出し、第1冷却ファンユニット70に導かれる。冷却風は、排気ダクト110、排気ダクト120および排気ダクト130を順に通って、スカッフプレート3とフロアパネル1とに囲まれた空間5に放出される。
排気通路150は、排気ダクト160および排気ダクト170によって構成されている。排気ダクト160および排気ダクト170は、挙げた順に、冷却風流れの上流側から下流側に並んで設けられている。排気ダクト160は、第2冷却ファンユニット80に接続されている。排気ダクト170は、排気ダクト160と、スカッフプレート2との間で延びている。排気ダクト160および170は、アーチ状に形成されたシートレッグ230を潜るように設けられている。排気ダクト160には、フロアパネル1とフロアカーペット10との間の空間に開口する排気口162が形成されている。
DC−DCコンバータ210は、少なくともその一部が排気ダクト160の内部に配置されるように設けられている。本実施の形態では、DC−DCコンバータ210は、冷却フィン212を含む。冷却フィン212は、排気ダクト160の内部に配置されている。このような構成により、排気ダクト160に流れる冷却風とDC−DCコンバータ210との間で熱交換が行なわれ、DC−DCコンバータ210が冷却される。
シロッコファン81が駆動することにより、バッテリケース51の内部が負圧になる。このとき、車両室内の空気が、空気導入スリット22、吸気口355および空気取り込み口55を順に通り、冷却風としてバッテリケース51内に取り込まれる。バッテリケース51内に取り込まれた冷却風は、電池セル間に形成される隙間を流れ、この間、バッテリ54を冷却する。バッテリ54を冷却した冷却風は、第2冷却ファンユニット80に導かれる。冷却風は、排気ダクト160を通り、その一部が排気口162を介してフロアパネル1とフロアカーペット10との間の空間に放出される。冷却風の残りの部分は、さらに排気ダクト170を通って、スカッフプレート2とフロアパネル1とに囲まれた空間4に放出される。
この発明の実施の形態1における電源装置は、車両に搭載される電源部としてのバッテリ44および54と、車両室内とバッテリ44および54との間を遮るように配置され、車両室内の空気をバッテリ44および54に向けて導入する吸気口355が形成されたカバー部材としての後部シールドカバー350とを備える。後部シールドカバー350は、金属から形成されている。吸気口は、互いに間隔を隔てて後部シールドカバー350の表面360aおよび370a上で少なくとも2方向に並ぶ複数の孔からなる。
このように構成された、この発明の実施の形態1における電源装置によれば、吸気口355が多孔状に形成されている。この場合、吸気口としてこの多孔状の孔と同じ開口面積を有する1つの孔を後部シールドカバー350に形成する場合と比較して、バッテリ44および54やワイヤーハーネス380、ジャンクションボックス60で発生した電磁波が吸気口355を通じて車両室内に漏れることを効果的に抑制できる。このため、車両室内からバッテリ44および54に向かう空気流れを円滑に維持しつつ、センターコンソールボックス21から車両室内に漏洩する電磁波ノイズを低減させることができる。
また、本実施の形態では、車両室内から第1バッテリパック40および第2バッテリパック50に向かう空気流れの経路上に、空気導入スリット22および吸気口355が並設されている。このため、車両室内からバッテリパックへのアクセスや異物の侵入をより確実に防止することができる。また、吸気口355は、空気導入スリット22と対向して設けられているため、車両室内からバッテリパックに向かう空気流れをより円滑にできる。これにより、バッテリ44および54の冷却効率を向上させることができる。
なお、本発明を、燃料電池と2次電池とを駆動源とする燃料電池ハイブリッド車両(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)または電気自動車(EV:Electric Vehicle)に適用することもできる。本実施の形態におけるハイブリッド車両では、燃費最適動作点で内燃機関を駆動するのに対して、燃料電池ハイブリッド車両では、発電効率最適動作点で燃料電池を駆動する。また、2次電池の使用に関しては、両方のハイブリッド車両で基本的に変わらない。
また、本実施の形態では、化学変化等により自ら電気を創り出す電池を収容したバッテリパックに、本発明における電源装置を適用したが、これに限定されず、外部からの供給により電気を蓄えるキャパシタ等に、本発明における電源装置を適用しても良い。
キャパシタは、活性炭と電解液との界面に発生する電気2重層を動作原理とした電気2重層キャパシタのことである。固体として活性炭、液体として電解液(奇硫酸水溶液)を用いて、これらを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い距離を隔てて相対的に分布する。イオン性溶液中に一対の電極を浸して電気分解が起こらない程度に電圧を負荷させると、それぞれの電極の表面にイオンが吸着され、プラスとマイナスの電気が蓄えられる(充電)。外部に電気を放出すると、正負のイオンが電極から離れて中和状態に戻る(放電)。
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2における電源装置を搭載したハイブリッド車両の断面図である。本実施の形態における電源装置は、実施の形態1における電源装置と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図8は、この発明の実施の形態2における電源装置を搭載したハイブリッド車両の断面図である。本実施の形態における電源装置は、実施の形態1における電源装置と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図8を参照して、ハイブリッド車両の車両室内には、リヤシート13が設けられている。リヤシート13は、シート下カバーパネル25上に設置されている。シート下カバーパネル25には、シート下カバーパネル25内に車両室内の空気を取り入れるための空気導入スリット22が形成されている。
シート下カバーパネル25内には、バッテリ64を含むバッテリパック65と、シールドカバー450とが収容されている。シールドカバー450は、車両室内とバッテリ64との間を遮るように設けられている。シールドカバー450は、金属から形成されている。シールドカバー450には、車両室内からバッテリ64に向けて空気を流通させる吸気口355が形成されている。吸気口355は、図4に示す形態と同様の形態で形成されている。シールドカバー450とバッテリ64との間には、複数本のワイヤーハーネス380が配索されている。
このように構成された、この発明の実施の形態2における電源装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態で示したリヤシート13の下のほかに、たとえばフロントシートの下やラゲージルームに配置される電源装置に本発明を適用することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
21 センターコンソールボックス、22 空気導入スリット、25 シート下カバーパネル、44,54,64 バッテリ、350 後部シールドカバー、355 吸気口、360a,370a 表面、380 ワイヤーハーネス、450 シールドカバー。
Claims (5)
- 車両に搭載される電源部と、
車両室内と前記電源部との間を遮るように配置され、車両室内の空気を前記電源部に向けて導入する吸気口が形成されたカバー部材とを備え、
前記カバー部材は、金属から形成され、
前記吸気口は、互いに間隔を隔てて前記カバー部材の表面上で少なくとも2方向に配列された複数の孔からなる、電源装置。 - 前記電源部と前記カバー部材との間に、配線が配設されている、請求項1に記載の電源装置。
- 前記孔は、略真円形状を有する、請求項1または2に記載の電源装置。
- 前記電源部および前記カバー部材は、車両室内に設置された筐体内に配置され、
前記筐体には、前記内部空間と車両室内との間を連通させる開口部が形成され、
前記吸気口は、前記開口部に対向する位置に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。 - 前記電源部および前記カバー部材は、運転席と助手席との間に設置されたセンターコンソール内に配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の電源装置。
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