JP2008117708A - バッテリパック構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下に積層されるバッテリパックの搭載性が向上されるバッテリパック構造、を提供する。
【解決手段】バッテリパック構造は、第1バッテリパック30と、第1バッテリパック30上に設置される第2バッテリパック40とを備える。第1バッテリパック30および第2バッテリパック40は、バッテリに向けて供給する冷却風が流通する吸気通路32および吸気通路42と、バッテリより排出された冷却風が流通する排気通路33および排気通路43とを含む。第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とが重なる方向に見て、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40間で、吸気通路32と吸気通路42とがオフセットして配置され、排気通路33と排気通路43とがオフセットして配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】バッテリパック構造は、第1バッテリパック30と、第1バッテリパック30上に設置される第2バッテリパック40とを備える。第1バッテリパック30および第2バッテリパック40は、バッテリに向けて供給する冷却風が流通する吸気通路32および吸気通路42と、バッテリより排出された冷却風が流通する排気通路33および排気通路43とを含む。第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とが重なる方向に見て、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40間で、吸気通路32と吸気通路42とがオフセットして配置され、排気通路33と排気通路43とがオフセットして配置されている。
【選択図】図2
Description
この発明は、一般的には、バッテリパック構造に関し、より特定的には、上下に複数のバッテリパックが積層されるバッテリパック構造に関する。
従来のバッテリパック構造に関して、たとえば、特開平11−41710号公報には、コンパクトでかつ効率よく、作業車に搭載されたニッケル水素バッテリの冷却を行なうことを目的とした作業車用バッテリ装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、バッテリケースの上下2段に、バッテリユニットが収納されている。
また、特開2005−19231号公報には、複数のバッテリパックのそれぞれに対応するブロアを用いて、バッテリパックを均一にかつ効率的に冷却することを目的としたバッテリパックの冷却構造が開示されている(特許文献2)。特許文献2では、バッテリユニットケースに、車両前後方向、上下方向に並べられた4個のバッテリパックが収納されている。
特開平11−41710号公報
特開2005−19231号公報
上述の特許文献1では、バッテリケースの後面に、上下のバッテリユニットにそれぞれ供給された冷却風を流出する上排気口および下排気口が形成されている。後面の外面には、各排気口を覆うように排気カバーが取り付けられている。各排気口を覆う排気カバーは、バッテリユニットが重なる上下方向に見て互いに重なる位置に接続されている。しかしながら、このような構成では、各排気口を覆う排気カバーを互いの干渉を避けるように配索した場合に、配索スペースが増大し、バッテリ装置の搭載性が損なわれるおそれがある。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、上下に積層されるバッテリパックの搭載性が向上されるバッテリパック構造を提供することである。
この発明に従ったバッテリパック構造は、第1バッテリパックと、第1バッテリパック上に設置される第2バッテリパックとを備える。第1バッテリパックおよび第2バッテリパックは、バッテリと、バッテリに向けて供給する冷媒が流通する吸入通路と、バッテリより排出された冷媒が流通する排出通路とを含む。第1バッテリパックと第2バッテリパックとが重なる方向に見て、第1バッテリパックおよび第2バッテリパック間で、吸入通路同士がオフセットして配置され、排出通路同士がオフセットして配置されている。
このように構成されたバッテリパック構造によれば、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックに冷媒を供給する経路同士が干渉し合うことを抑制し、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックから冷媒を排出する経路同士が干渉し合うことを抑制できる。これにより、各経路を配索する場合に生じる制約を小さくし、バッテリパックの搭載性を向上させることができる。
また好ましくは、バッテリパック構造は、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックの排出通路にそれぞれ接続され、排出通路に流通する冷媒を排出する第1排出ダクトおよび第2排出ダクトをさらに備える。このように構成されたバッテリパック構造によれば、第1バッテリパックの排出通路と第2バッテリパックの排出通路とがオフセットして配置されているため、これらの排出通路に接続される第1排出ダクトおよび第2排出ダクトの配索スペースを小さく抑えることができる。
また好ましくは、第1排出ダクトおよび第2排出ダクトは、それぞれ、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックの同一方向を向く側面に接続されている。このように構成されたバッテリパック構造によれば、第1排出ダクトと第2排出ダクトとがバッテリパックの同一方向を向く側面に接続され、ダクト間の干渉がより生じ易い構成においても、これらのダクトの配索スペースを小さく抑えることができる。
また好ましくは、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックは、車両に搭載されるとともに、車両の運転席と助手席との間に配置されている。第1排出ダクトおよび第2排出ダクトは、それぞれ、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックの、車両の後部座席に向い合う側面に接続されている。このように構成されたバッテリパック構造によれば、第1排出ダクトおよび第2排出ダクトの配索スペースを小さく抑えることにより、後部座席の足元のスペースを広く確保することができる。
また好ましくは、第1排出ダクトと前記第2排出ダクトとは、合流する。バッテリパック構造は、第1排出ダクトと第2排出ダクトとが合流する位置よりも冷媒流れの下流側に設置され、第1排出ダクトおよび第2排出ダクトに冷媒流れを形成するファンをさらに備える。このように構成されたバッテリパック構造によれば、第1排出ダクトおよび第2排出ダクトが同一のファンに向けて延び、ダクト間の干渉がより生じ易い構成においても、これらのダクトの配索スペースを小さく抑えることができる。
また好ましくは、第1バッテリパックおよび第2バッテリパックは、バッテリを収容するケース体をさらに含む。吸入通路は、ケース体内のバッテリと略水平方向に隣り合う位置に設けられている。排出通路は、ケース体内のバッテリに対して吸入通路の反対側の位置に設けられている。このように構成されたバッテリパック構造によれば、バッテリを冷却する冷媒が略水平方向に流れる、いわゆる横流し方式を採用するバッテリパック構造において、バッテリパックの搭載性を向上させることができる。
また好ましくは、第1バッテリパックと第2バッテリパックとが重なる方向に見て、第1バッテリパックおよび第2バッテリパック間で、吸入通路と排出通路とが重なるように配置されている。このように構成されたバッテリパック構造によれば、バッテリパック構造の簡易化、小型化を図ることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、上下に積層されるバッテリパックの搭載性が向上されるバッテリパック構造を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、ハイブリッド車両の車両室内を示す斜視図である。図中には、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能なバッテリとを動力源とするハイブリッド車両が示されている。
図1は、ハイブリッド車両の車両室内を示す斜視図である。図中には、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能なバッテリとを動力源とするハイブリッド車両が示されている。
図1を参照して、車両室内には、前部座席としての運転席11と助手席12とが車両幅方向に並んで設けられている。運転席11および助手席12は、それぞれ、シートレッグ230およびシートレッグ240を介してフロアパネル1に固定されている。シートレッグ230および240は、車両前後方向に延び、フロアパネル1から上向きに突出するアーチ形状を有する。フロアパネル1の表面には、フロアカーペット10が配置されている。フロアカーペット10は、シートレッグ230および240を覆い隠すように設けられている。運転席11および助手席12の下方では、フロアパネル1とフロアカーペット10との間に空間が形成されている。
運転席11と助手席12との間には、車両前後方向に延びる樹脂製のセンターコンソールボックス21が設けられている。センターコンソールボックス21は、略直方体形状を有する。センターコンソールボックス21は、フロントガラスの後方に広がるインストールメントパネル15と前後して設けられている。センターコンソールボックス21は、インストールメントパネル15と連続して設けられてもよいし、分離して設けられてもよい。センターコンソールボックス21は、車両幅方向における車両の中心付近に設置されている。
センターコンソールボックス21は、たとえば、車両室内のインテリア性を向上させる目的や、飲料容器を載置するためのカップホルダや、小物類を載置するための凹部を設けるために設置されている。センターコンソールボックス21には、センターコンソールボックス21内に車両室内の空気を取り入れるための空気導入スリット22が形成されている。空気導入スリット22は、車両室内に設置された図示しない後部座席と対向して形成されている。空気導入スリット22は、図示しない後部座席の足元の空間に開口する。
図2は、図1中のハイブリッド車両に搭載されたバッテリパックを示す斜視図である。図1および図2を参照して、センターコンソールボックス21内には、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40が収容されている。第1バッテリパック30および第2バッテリパック40は、運転席11と助手席12との間に設けられている。第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とは、上下に重なって設けられている。第2バッテリパック40は、第1バッテリパック30上に配置されている。
図3は、図2中のIII−III線上に沿った第1バッテリパックの断面図である。図2および図3を参照して、第1バッテリパック30は、バッテリ(2次電池)24と、バッテリ24を収容するケース体としてのバッテリケース61とを含む。バッテリ24は、積層された複数のバッテリセル24sを含む。複数のバッテリセル24sは、略水平方向に積層されている。複数のバッテリセル24sは、車両前後方向に積層されている。複数のバッテリセル24sは、互いに電気的に直列に接続されている。
バッテリ24は、充放電可能なバッテリであれば特に限定されず、たとえば、ニッケル水素電池であってもよいし、リチウムイオン電池であってもよい。バッテリケース61は、金属により形成されている。バッテリケース61は、強度を確保するために、たとえば亜鉛メッキ処理された鋼板から形成されている。
互いに隣り合うバッテリセル24s間には、図示しないスペーサが配置されている。そのスペーサにより、互いに隣り合うバッテリセル24s間に冷却風通路25が形成されている。冷却風通路25は、バッテリセル24sの積層方向に直交する方向、本実施の形態では車両幅方向に延びる。
第1バッテリパック30は、吸気通路32および排気通路33を含む。吸気通路32および排気通路33は、バッテリケース61内に設けられている。吸気通路32および排気通路33は、冷却風通路25に連通する。吸気通路32は、バッテリ24と略水平方向に隣り合って設けられている。排気通路33は、バッテリ24に対して吸気通路32の反対側に設けられている。吸気通路32および排気通路33は、バッテリセル24sの積層方向、本実施の形態では車両前後方向に延びる。
吸気通路32は、冷却風が流入する吸気口36を含む。排気通路33は、冷却風が流出する排気口37を含む。吸気口36は、吸気通路32のその延びる方向の一方端に形成されている。排気口37は、排気通路33のその延びる方向の一方端に形成されている。吸気口36および排気口37は、図示しない後部座席に対向する位置に形成されている。
図4は、図2中のIV−IV線上に沿った第2バッテリパックの断面図である。図2および図4を参照して、第2バッテリパック40は、バッテリ24と、バッテリ24を収容するケース体としてのバッテリケース62とを含む。バッテリ24は、積層された複数のバッテリセル24sを含む。複数のバッテリセル24s間には、冷却風通路25が形成されている。第2バッテリパック40は、吸気通路42および排気通路43を含む。吸気通路42は、冷却風が流入する吸気口46を含む。排気通路43は、冷却風が流出する排気口47を含む。吸気口46および排気口47は、吸気口36および排気口37と同様に、図示しない後部座席に対向する位置に形成されている。第2バッテリパック40は、後述の点を除いて第1バッテリパック30と同様の構造を備える。
図5は、図2中のV−V線上に沿った第1バッテリパックおよび第2バッテリパックの断面図である。図3から図5を参照して、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40が重なる上下方向に見て、第1バッテリパック30の吸気通路32と第2バッテリパック40の吸気通路42とはオフセットして配置され、第1バッテリパック30の排気通路33と第2バッテリパック40の排気通路43とはオフセットして配置されている。言い換えれば、車両を平面的に見て、吸気通路32と吸気通路42とが互いに重ならないように配置され、排気通路33と排気通路43とが互いに重ならないように配置されている。
第1バッテリパック30および第2バッテリパック40が重なる上下方向に見て、吸気通路32と吸気通路42とは、車両幅方向にオフセットして配置され、排気通路33と排気通路43とは、車両幅方向にオフセットして配置されている。吸気通路32と排気通路43とが互いに重なるように配置され、排気通路33と吸気通路42とが互いに重なるように配置されている。吸気通路32上に排気通路43が配置され、排気通路33上に吸気通路42が配置されている。吸気通路32および排気通路43は、バッテリ24を挟んで一方の側に設けられ、排気通路33および吸気通路42は、バッテリ24を挟んで他方の側に設けられている。吸気通路32および排気通路43は、図1中の助手席12と隣り合って設けられ、排気通路33および吸気通路42は、図1中の運転席11と隣り合って設けられている。
バッテリセル24sの積層方向をL方向と呼ぶ場合に、第1バッテリパック30のL方向の長さと、第2バッテリパック40のL方向の長さとがほぼ等しい。バッテリセル24sの積層方向に直交する方向をW方向と呼ぶ場合に、第1バッテリパック30のW方向の長さと、第2バッテリパック40のW方向の長さとがほぼ等しい。第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とは、ほぼ同一の形状を有し、上下に一致して重なるように積層されている。
なお、第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とは、互いに異なる形状を有してもよい。たとえば、バッテリセル24sの積層数が異なることにより、第1バッテリパック30のL方向の長さと第2バッテリパック40のL方向の長さとが、異なってもよい。また、第1バッテリパック30と第2バッテリパックとは、水平方向にずれて積層されてもよい。たとえば、第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とが、バッテリセル24sの積層方向、本実施の形態では車両前後方向にずれて積層されてもよい。
図6は、図2中のバッテリパックに接続される排気ダクトを示す斜視図である。図2から図6を参照して、運転席11の下方には、冷却ファン50が設置されている。冷却ファン50は、フロアパネル1とフロアカーペット10との間の空間に設置されている。冷却ファン50は、回転ファンの中央部から回転軸方向に吸気して、回転軸の半径方向に空気を排出する電動のシロッコファンである。
なお、ファンの種類は、シロッコファンに限定されず、たとえば、クロスフロー型のファンやプロペラファンであってもよい。また、本実施の形態では、バッテリパックから冷却風を吸引する引き込み型のファンが設けられる場合について説明するが、バッテリパックに向けて冷却風を送り込む押し込み型のファンが設けられてもよい。
第1バッテリパック30と冷却ファン50とが、第1排気ダクト52により接続されている。第2バッテリパック40と冷却ファン50とが、第2排気ダクト57により接続されている。第1排気ダクト52は、排気通路33に接続されている。第1排気ダクト52と排気通路33とは、排気口37を通じて連通する。第2排気ダクト57は、排気通路43に接続されている。第2排気ダクト57と排気通路43とは、排気口47を通じて連通する。
第1バッテリパック30は、側面61aを含む。第2バッテリパック40は、側面62aを含む。側面61aおよび側面62aは、それぞれ、バッテリケース61およびバッテリケース62の壁面である。側面61aと側面62aとは、図示しない後部座席に対向する。側面61aと側面62aとは、同一平面上に延在する。第1排気ダクト52および第2排気ダクト57は、それぞれ、側面61aおよび側面62aに接続されている。このような構成により、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40が運転席11と助手席12との間に配置されるバッテリパック構造において、排気ダクトと座席との干渉を避けることができる。
本実施の形態では、第1バッテリパック30の吸気通路32および第2バッテリパック40の吸気通路42に吸気用のダクトが接続されない。しかしながら、吸気通路32および42に、全長の短い簡易的なダクトが接続されることもある。
第1排気ダクト52と第2排気ダクト57とは、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40から排出される冷却風流れの下流側で合流する。第1排気ダクト52および第2排気ダクト57は、その合流した位置よりもさらに冷却風流れの下流側で冷却ファン50に接続されている。第1排気ダクト52および第2排気ダクト57は、第1バッテリパック30の下方を通り、シートレッグ230をくぐって冷却ファン50に達する。
図2および図5を参照して、冷却ファン50を稼動させることにより、車両室内の空気が、空気導入スリット22、吸気口36および46を順に通り、冷却風として第1バッテリパック30および第2バッテリパック40内に取り込まれる。バッテリパック内に取り込まれた冷却風は、吸気通路32および42から冷却風通路25に流入し、冷却風通路25を流れる間、バッテリ24を冷却する。バッテリ24を冷却した冷却風は、排気通路33および43から排気口37および47を通って、第1排気ダクト52および第2排気ダクト57に排出される。冷却風は、パック内でU字状に流れる。第1バッテリパック30および第2バッテリパック40は、冷却風がパック内で略水平方向に流れる横流し方式を採用する。
図7は、図2中のバッテリパックに設けられる吸気通路および排気通路の各種形態を示す断面図である。図中では、第2バッテリパック40のみ示すが、第1バッテリパック30に設けられる吸気通路32および排気通路33についても同様である。
図7(A)を参照して、第2バッテリパック40は、筒形状を有する吸気チャンバ64および排気チャンバ63を含む。吸気チャンバ64および排気チャンバ63は、バッテリ24の両側に併設されている。この場合、吸気通路42および排気通路43は、それぞれ、吸気チャンバ64および排気チャンバ63に囲まれた空間に形成される。
図7(B)を参照して、第2バッテリパック40は、リップ部66を含む。リップ部66は、バッテリ24からバッテリケース62に向けて延出し、バッテリケース62の内壁に当接する。リップ部66は、バッテリセル24s間に配置される図示しないスペーサに形成されている。この場合、吸気通路42および排気通路43は、リップ部66とバッテリケース62の内壁とに囲まれた空間に形成される。
図7(C)を参照して、第2バッテリパック40は、アングル部67を含む。アングル部67は、バッテリケース62からバッテリ24に向けて延出する。アングル部67は、溶接等の手段により、バッテリケース62の内壁に固定されている。この場合、吸気通路42および排気通路43は、アングル部67とバッテリケース62の内壁とに囲まれた空間に形成される。
図8は、比較のためのバッテリパックを示す斜視図である。図9は、図8中の比較のためのバッテリパックを搭載したハイブリッド車両の車両室内を示す断面図である。図8および図9を参照して、第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とが重なる上下方向に見て、吸気通路32と吸気通路42とが互いに重なり、排気通路33と排気通路43とが互いに重なって配置された比較のためのバッテリパックを想定する。
このような構成では、第1排気ダクト52と第2排気ダクト57とが、上下方向に重なる位置でバッテリパックに接続される。このため、側面61aおよび62aの近傍で第1排気ダクト52と第2排気ダクト57との干渉を避ける必要が生じ、図中では、第2排気ダクト57を車両後方に向けて大きく迂回させている。この場合、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40のL方向の長さX1が大きくなる。これにより、後部座席14の足元の空間を広く確保することができない。
図10は、実施の形態1におけるバッテリパックを搭載したハイブリッド車両の車両室内を示す断面図である。図10を参照して、これに対して、本実施の形態では、上下方向に見て排気通路33と排気通路43とがオフセットして配置されているため、側面61aおよび62aの近傍において第1排気ダクト52と第2排気ダクト57とが離れて設けられる。このため、ダクト間の干渉に起因して第1排気ダクト52および第2排気ダクト57の配索時に生じる制約が小さくなる。これにより、第1排気ダクト52および第2排気ダクト57を側面61aおよび62aに沿わせて配索することが可能となり、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40のL方向の長さX2が小さくなる。これにより、後部座席14の足元の空間を十分に広く確保することができる。
また、本実施の形態では、第1バッテリパック30の吸気通路32と第2バッテリパック40の吸気通路42とが離れて配置されているため、車両室内から吸気通路32および42に取り込まれる空気流れが、バッテリパックの周回の気流に与える影響を小さくできる。このため、バッテリパックが車両室内に配置される場合であっても、バッテリパックの周回に搭乗する乗員が違和感を感じ難くなる。
また、吸気通路32および42には、バッテリ24を冷却する前の温度の低い冷却風が流通する。排気通路33および43には、バッテリ24を冷却した後の温度の高い冷却風が流通する。本実施の形態では、バッテリ24を挟んで一方の側に吸気通路32および排気通路43が設けられ、他方の側に排気通路33および吸気通路42が設けられているため、冷却風の温度分布がバッテリ24を挟んだ両側で大きく偏るということがない。これにより、バッテリパックの周回で著しい温度差が生じることを防止できる。
この発明の実施の形態1におけるバッテリパック構造は、第1バッテリパック30と、第1バッテリパック30上に設置される第2バッテリパック40とを備える。第1バッテリパック30および第2バッテリパック40は、バッテリ24と、バッテリ24に向けて供給する冷媒としての冷却風が流通する吸入通路としての吸気通路32および吸気通路42と、バッテリ24より排出された冷却風が流通する排出通路としての排気通路33および排気通路43とを含む。第1バッテリパック30と第2バッテリパック40とが重なる方向に見て、第1バッテリパック30および第2バッテリパック40間で、吸気通路32と吸気通路42とがオフセットして配置され、排気通路33と排気通路43とがオフセットして配置されている。第1バッテリパック30および第2バッテリパック40は、車両としてのハイブリッド車両に搭載されている。
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるバッテリパック構造によれば、上下方向に見て排気通路33と排気通路43とがオフセットして配置されるため、第1排気ダクト52および第2排気ダクト57の配索スペースを小さく抑えることができる。これにより、車両に対するバッテリパックの搭載性を向上させることができる。
なお、第1排気ダクト52および第2排気ダクト57の接続に替えて、吸気通路32および42にそれぞれ吸気ダクトが接続される場合、吸気通路32と吸気通路42とがオフセットして配置される構成により、吸気ダクト間の干渉を抑制する効果が得られる。
(実施の形態2)
図11は、この発明の実施の形態2におけるバッテリパック構造を示す斜視図である。本実施の形態におけるバッテリパック構造は、実施の形態1におけるバッテリパック構造と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図11は、この発明の実施の形態2におけるバッテリパック構造を示す斜視図である。本実施の形態におけるバッテリパック構造は、実施の形態1におけるバッテリパック構造と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図11を参照して、本実施の形態では、運転席11の下方に冷却ファン50Dが設置され、助手席12の下方に冷却ファン50Pが設置されている。冷却ファン50Dと排気通路33とが、第1排気ダクト52により接続されている。冷却ファン50Pと排気通路43とが、第2排気ダクト57により接続されている。第1排気ダクト52と第2排気ダクト57とは、独立して設けられている。
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるバッテリパック構造によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
なお、冷却ファンが設置される位置は、以上に説明した位置に限られず、たとえば、助手席12の下方のみに設置されてもよいし、第1バッテリパック30の下方に設置されてもよい。また、バッテリパックが設置される位置は、センターコンソールボックス21内に限られず、たとえば、前部座席や後部座席(3列シートの場合は、2列目シート、3列面シート)の下、ラゲージルーム等に設置されてもよい。
また、本発明を、燃料電池と2次電池とを駆動源とする燃料電池ハイブリッド車両(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)または電気自動車(EV:Electric Vehicle)に適用することもできる。本実施の形態におけるハイブリッド車両では、燃費最適動作点で内燃機関を駆動するのに対して、燃料電池ハイブリッド車両では、発電効率最適動作点で燃料電池を駆動する。また、2次電池の使用に関しては、両方のハイブリッド車両で基本的に変わらない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 運転席、12 助手席、14 後部座席、24 バッテリ、30 第1バッテリパック、32,42 吸気通路、33,43 排気通路、40 第2バッテリパック、50,50D,50P 冷却ファン、52 第1排気ダクト、57 第2排気ダクト、61,62 バッテリケース、61a,62a 側面。
Claims (7)
- 第1バッテリパックと、
前記第1バッテリパック上に設置される第2バッテリパックとを備え、
前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、バッテリと、前記バッテリに向けて供給する冷媒が流通する吸入通路と、前記バッテリより排出された冷媒が流通する排出通路とを含み、
前記第1バッテリパックと前記第2バッテリパックとが重なる方向に見て、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパック間で、前記吸入通路同士がオフセットして配置され、前記排出通路同士がオフセットして配置されている、バッテリパック構造。 - 前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックの前記排出通路にそれぞれ接続され、前記排出通路に流通する冷媒を排出する第1排出ダクトおよび第2排出ダクトをさらに備える、請求項1に記載のバッテリパック構造。
- 前記第1排出ダクトおよび前記第2排出ダクトは、それぞれ、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックの同一方向を向く側面に接続されている、請求項2に記載のバッテリパック構造。
- 前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、車両に搭載されるとともに、前記車両の運転席と助手席との間に配置され、
前記第1排出ダクトおよび前記第2排出ダクトは、それぞれ、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックの、前記車両の後部座席に向い合う側面に接続されている、請求項2または3に記載のバッテリパック構造。 - 前記第1排出ダクトと前記第2排出ダクトとは、合流し、
前記第1排出ダクトと前記第2排出ダクトとが合流する位置よりも冷媒流れの下流側に設置され、前記第1排出ダクトおよび前記第2排出ダクトに冷媒流れを形成するファンをさらに備える、請求項2から4のいずれか1項に記載のバッテリパック構造。 - 前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパックは、前記バッテリを収容するケース体をさらに含み、
前記吸入通路は、前記ケース体内の前記バッテリと略水平方向に隣り合う位置に設けられ、
前記排出通路は、前記ケース体内の前記バッテリに対して前記吸入通路の反対側の位置に設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリパック構造。 - 前記第1バッテリパックと前記第2バッテリパックとが重なる方向に見て、前記第1バッテリパックおよび前記第2バッテリパック間で、前記吸入通路と前記排出通路とが重なるように配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のバッテリパック構造。
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-
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