JP2003192031A - 積層剥離容器 - Google Patents

積層剥離容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器を使用する初期の段階で、空気導入孔の
周囲から肩部にかけて外容器の内面から内袋を確実且つ
スムースに剥離させて、空気導入孔から外容器の胴部に
至る通気路を容易に形成させることのできる積層剥離容
器を提供する。 【解決手段】 可撓性を有し口首部12に空気導入孔1
5を備える外容器16と、外容器16の内面に剥離可能
に密着した状態で装着される内袋17とからなり、外容
器16と内袋17との間に空気を送り込んで内袋17を
剥離させつつ収縮させて内容物を吐出する積層剥離容器
10であって、空気導入孔15から外容器16の胴部1
8に至る通気路23が形成されるように外容器16の内
面からの内袋17の剥離を誘導する凹凸リブ11が、空
気導入孔15の周囲と胴部18との間の口首部12及び
肩部24における外容器16の内面に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性を有する外
容器と、外容器の内面に剥離可能に装着される内袋とか
らなる積層剥離容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】可撓性
を有する外容器と、外容器の内面に剥離可能に装着され
る内袋とからなる積層剥離容器が、例えば特開2000
−16469や特開2000−16459等に記載され
ている。これらの積層剥離容器によれば、外容器の口首
部に空気導入孔を設け、外容器の胴部を押圧変形させ
て、内袋に収容した例えば化粧料等の内容物を吐出させ
ると共に、内容物を吐出させた後、外容器への押圧状態
を解放した際には、空気導入孔から外容器と内袋との間
に空気を送り込んで内袋を剥離させる。これによって、
内袋に収容された内容物の容積が使用により減少して
も、内袋のみを収縮させて外容器による容器の外形形状
を保持することが可能になる。
【0003】また、積層剥離容器は、その製造過程にお
いて、例えば内袋の内部を吸引して内袋を完全に収縮さ
せた後、再び内袋の内部に空気を送り込んで膨張させる
ことにより内袋を外容器の内面に密着させ、しかる後
に、容器の内部に内容物を収容する工程を経て製品化さ
れることになる。
【0004】そして、内袋を膨張させて外容器の内面に
密着させる工程により、内袋は、空気導入孔の周囲にお
いても外容器の内面に強固に密着することになるため、
積層剥離容器を使用する初期の段階では、空気導入孔か
ら外容器の胴部に至る通気路が形成されにくくなる。し
たがって、外容器と内袋との間に空気を送り込むことが
困難になり、内袋の剥離不良や外容器の変形を生じ、吐
出圧が高くなって内容物を吐出させづらくなると共に、
再び外容器を押圧しても、所望の量の内容物を迅速に吐
出できない場合がある。
【0005】本発明は、容器を使用する初期の段階で、
空気導入孔の周囲から肩部にかけて外容器の内面から内
袋を確実且つスムースに剥離させて、空気導入孔から外
容器の胴部に至る通気路を容易に形成させることのでき
る積層剥離容器の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性を有し
口首部に空気導入孔を備える外容器と、該外容器の内面
に剥離可能に密着した状態で装着される内袋とからな
り、前記外容器と前記内袋との間に空気を送り込んで前
記内袋を剥離させつつ収縮させて内容物を吐出する積層
剥離容器であって、前記空気導入孔から前記外容器の胴
部に至る通気路が形成されるように前記外容器の内面か
らの前記内袋の剥離を誘導する凹凸リブが、前記空気導
入孔の周囲と前記胴部との間における前記外容器の内面
に形成されている積層剥離容器を提供することにより、
上記目的を達成したものである。
【0007】上記記載における凹凸リブは、外容器の内
面から内側に突出して形成された凸リブと、外容器の内
面から外側に窪んで形成された凹リブの双方を含むもの
であり、凸リブ又は凹リブのいずれか一方、或いはこれ
らの双方が形成されていることにより、外容器の内面が
凹凸面となっていれば良い。凹凸リブの平面形状として
は、例えば点状、直線状、曲線状、破線状、格子状等、
種々の形状を採用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態に係る
積層剥離容器10は、例えば図1に示す染毛剤塗布具1
1において、染毛剤を収容するボトル本体を構成するも
のである。本実施形態によれば、染毛剤塗布具11は、
ボトル本体としての積層剥離容器10と、積層剥離容器
10の口首部(図2(a),(b)参照)12に基端キ
ャップ部25を介して装着されるクシ付き吐出ノズル1
3とからなり、積層剥離容器10を押圧(スクイズ)す
ることによって、口首部12の吐出口14を介して染毛
剤をクシ付き吐出ノズル13に流入させ、当該クシ付き
吐出ノズル13により毛髪を掻き分けつつ染毛作業を行
うようにしたものである。
【0009】そして、本実施形態の積層剥離容器10
は、図2(a)及び(b)にも示すように、可撓性を有
し口首部12に空気導入孔15を備える外容器16と、
外容器16の内面に剥離可能に密着した状態で装着され
る内袋17とからなり、外容器16と内袋17との間の
空間部20に空気を送り込んで内袋17を剥離させつつ
収縮させながら、内袋17の内側に収容した染毛剤をク
シ付き吐出ノズル13に向けて流出させる容器である。
【0010】すなわち、積層剥離容器10の外容器16
の胴部(図1参照)18を押圧すると、クシ付き吐出ノ
ズル13の基端キャップ部25に設けられた空気弁19
が閉塞して、空間部20に滞留する空気や揮発ガス等の
流出が阻止されると共に、内袋17は圧縮されて、基端
キャップ部25に設けられた液吐出弁21を開放しつ
つ、染毛剤を口首部12の吐出口14を介してクシ付き
吐出ノズル13に流入させる(図2(a)参照)。一
方、外容器16の胴部18への押圧状態を開放すると、
外容器16は、その保形性及び可撓性によって元の形状
に復帰しようとすることによって内部が負圧となり、開
放していた液吐出弁21が閉塞されて吐出した染毛剤の
逆流が阻止されると共に、空気弁19が開放されて、外
容器16と内袋17との間の空間部20には、外容器1
6の内面から内袋17を更に剥離させつつ新たに空気が
送り込まれる(図2(b)参照)。このように本実施形
態の積層剥離容器10は、外容器16の外形形状を保持
しつつ外容器16の押圧及び押圧状態の開放を繰り返し
て、内袋17に収容された染毛剤をクシ付き吐出ノズル
13に向けて流出させるものである。
【0011】そして、本実施形態によれば、図3(a)
〜(d)に示すように、外容器16の内面には、染毛剤
塗布具11の使用の開始時に、空気導入孔15から外容
器16の胴部18に至る通気路23(図2(a),
(b)参照)が形成されるように外容器16の内面から
の内袋17の剥離を誘導する凹凸リブ22が、空気導入
孔15の周囲と胴部18との間における外容器16の内
面に形成されている。
【0012】外容器16は、例えばポリエチレン製の略
円筒状の容器であって、これの胴部18を手で把持して
押圧することにより、当該胴部18を扁平に変形できる
程度の可撓性を備えると共に、押圧状態を解放したとき
に元の略円筒状に自然に復元できる程度の保形性を備え
ている。従って、この外容器16の胴部18を押圧する
ことにより内袋17に収容された染毛剤を吐出させて、
積層剥離容器10をスクイズ容器として機能させること
ができる。
【0013】内袋17は、例えば厚さ100μm程度の
ポリスチレンからなる袋状の容器であって、染毛剤塗布
具11が使用される前の状態においては、その外周面の
略全体を外容器16の内面に密着させた状態で外容器1
6の内部に装着され、外容器16と共に二重容器を構成
する。内袋17は、収容された染毛剤の減少に伴って収
縮しつつ外容器16の内面から剥離して、外容器16と
の間の空間部20を徐々に拡大し、積層剥離容器10を
剥離容器として機能させる。なお、内袋17には、外容
器16の上下方向の略全長に亘って、外容器16の内面
と剥離しないように接着する帯状接着部が設けられてお
り、内袋17を剥離させる領域を規定して、内袋17が
全面に亘って無作為に収縮することによる吐出障害や、
染毛剤が吐出されずに残置されて無駄が生じやすくなる
のを回避する。
【0014】外容器16の内面に形成される凹凸リブ2
2は、例えば幅3mm、高さ2mm程度の半円弧状の断
面形状を有しており、外容器16の内面から内側に突出
して設けられる。また凹凸リブ22は、外容器16を例
えばダイレクトブロー成形によって形成する際に、外容
器16と一体として容易に形成することができる。凹凸
リブ22は、外容器16の口首部12に形成された空気
導入孔15の周囲とこれの下方の胴部18との間に位置
する口首部12及び肩部24の内面において、例えば図
3(a)〜(d)に示すような、空気導入孔15から胴
部18に至る通気路23を形成すべく、外容器16の内
面からの内袋17の剥離を誘導するのに適した形状で形
成される。なお、凹凸リブ22は、例えば図3(a)〜
(d)に示される、直線状、曲線状、破線状、格子状等
の平面形状に限定されるものではなく、また口首部12
のみに凹凸リブ22を設けたり、肩部24のみに凹凸リ
ブ22を設けても良い。また凹凸リブ22は、外容器1
6の内面から外側に窪んで形成された凹リブであっても
良い。
【0016’】外容器16は、例えば外側層と内側層か
らなる積層パリソンをダイレクロブロー成形することに
よって容易に製造することができ、また凹凸リブ22
は、パリソンの厚みをコントロールし、金型の形状を合
わせることによって容易に形成することができる。
【0015】そして、本実施形態の積層剥離容器10に
よれば、染毛剤塗布具11を使用する初期の段階で、空
気導入孔15の周囲から肩部24にかけて外容器16の
内面から内袋17を確実且つスムースに剥離させて、空
気導入孔15から外容器16の胴部18に至る通気路2
3を容易に形成させることができる。すなわち、本実施
形態によれば、積層剥離容器10は、内袋17の外周面
の略全体を外容器16の内面に強固に密着させた状態と
して製造されているが、空気導入孔15の周囲と胴部1
8との間における外容器16の内面には、内袋17の剥
離を誘導する凹凸リブ22が形成されているので、これ
らの凹凸リブ22によって、内袋17と外容器16の内
面との間には僅かな隙間が保持されることになる。この
隙間をきっかけとして、空気導入孔15の周囲における
内袋17の剥離が促進されると共に、外容器16の胴部
18に向けて内袋17の剥離がスムースに誘導され、内
袋17と外容器16との間に、空気導入孔15から空気
を送り込むための通気路23及び空間部20が、外容器
16の胴部18の内側に速やかに形成されることにな
る。これによって、染毛剤塗布具11を使用する初期の
段階における内袋17の剥離不良や外容器16の変形を
効果的に回避することが可能になる。
【0016】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことなく種々の変更が可能である。例えば、外容器は、
ポリエチレン製の容器である必要は必ずしもなく、可撓
性を有する種々の材料を用いて形成することができる。
また、内袋の構成材料は、ポリスチレンである必要は必
ずしもなく、内袋に収容される内容物は、染毛剤である
必要は必ずしもない。
【0017】
【発明の効果】本発明の積層剥離容器によれば、容器を
使用する初期の段階で、空気導入孔の周囲から肩部にか
けて外容器の内面から内袋を確実且つスムースに剥離さ
せて、空気導入孔から外容器の胴部に至る通気路を容易
に形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る積層剥離容器を用い
た染毛剤塗布具を示す部分破断側面図である。
【図2】(a)及び(b)は、図1の染毛剤塗布具にお
ける、内容物及び空気の流れを説明する要部拡大断面図
である。
【図3】(a)〜(d)は、外容器の内面に形成される
凹凸リブの配置箇所及び平面形状を外側から透視して示
す要部側面図である。
【符号の説明】
10 積層剥離容器 11 染毛剤塗布具 12 口首部 13 クシ付き吐出ノズル 14 吐出口 15 空気導入孔 16 外容器 17 内袋 18 胴部 19 空気弁 20 空間部 21 液吐出弁 22 凹凸リブ 23 通気路 24 肩部 25 基端キャップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E014 PA01 PB03 PC07 PD22 PE25 3E067 AA03 AA04 AB81 BA03B BA03C BB14B BB15C BC03B BC03C CA16 EE59 FA04 FB16 FC01 GD10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有し口首部に空気導入孔を備え
    る外容器と、該外容器の内面に剥離可能に密着した状態
    で装着される内袋とからなり、前記外容器と前記内袋と
    の間に空気を送り込んで前記内袋を剥離させつつ収縮さ
    せて内容物を吐出する積層剥離容器であって、 前記空気導入孔から前記外容器の胴部に至る通気路が形
    成されるように前記外容器の内面からの前記内袋の剥離
    を誘導する凹凸リブが、前記空気導入孔の周囲と前記胴
    部との間における前記外容器の内面に形成されている積
    層剥離容器。
  2. 【請求項2】 前記凹凸リブは、前記外容器の口首部及
    び肩部に設けられている請求項1記載の積層剥離容器。
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