JP2003080846A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2003080846A JP2002184848A JP2002184848A JP2003080846A JP 2003080846 A JP2003080846 A JP 2003080846A JP 2002184848 A JP2002184848 A JP 2002184848A JP 2002184848 A JP2002184848 A JP 2002184848A JP 2003080846 A JP2003080846 A JP 2003080846A
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Giichi Kaneko
義一 金子
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泰智 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度を維持しつつ、白抜け、スティッキン
グ等の発生がなく、画像均一性の優れた中空粒子含有中
間層を有する感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に中間層を介してロイコ染料及
び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分と
する感熱記録層を積層してなる感熱記録材料において、
該中間層は架橋構造を有する重合体からなる中空粒子と
結着樹脂を含有し、該中空粒子においてその中空率が6
0〜98%であり、その最大粒子径(D100)が5.
0〜10.0μmであり、その最大粒子径(D100)
と50容積%頻度の粒子径(D50)との比率D100
/D50が1.5〜3.0であることを特徴とする感熱
記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、更に詳しくは支持体と感熱記録層との間に中間層
(アンダーコート層)を設けた感熱記録材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の多様化やニーズの拡大に伴
い、情報記録分野に於いて各種の記録材料が研究・開発
され実用化されているが、なかでも感熱記録材料は、
(1)加熱プロセスのみによる簡易な画像の記録が可能
なこと、(2)記録装置が簡単でコンパクト化が容易に
なり記録材料が取扱易く安価であること、(3)使用す
る材料が1成分(感熱紙のみ)であるなどの利点を有す
るので、情報処理分野(卓上計算機、コンピューター等
のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高
速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券
等)、感熱複写機分野、POSシステムのラベル分野、
荷物のタグ分野等多岐にわたり用いられている。最近で
は記録装置の小型化、高速化が求められており、感熱記
録材料も小型化、高速化に伴い印字エネルギーの低下に
対応した高感度化が望まれている。
【0003】感熱記録材料は、通常、紙又は合成樹脂フ
ィルム等の支持体上に加熱によって発色反応を起こしう
る発色成分含有の感熱発色性液を塗布・乾燥することに
より製造されており、このようにして得られた感熱記録
材料は、熱ペン又はサーマルヘッドで加熱することによ
り発色画像が記録される。このような感熱記録材料の従
来例としては、例えば特開昭43−4160号公報又は
特公昭45−14039号公報開示の感熱記録材料が挙
げられるが、このような従来の感熱記録材料は、例えば
熱応答性が低く、高速記録の際十分な発色濃度が得られ
なかった。このような欠点を改善する方法として、支持
体と感熱記録層との間に中空樹脂粒子含有中間層を設け
た感熱記録材料が提案されている。例えば、特開平1−
113282号公報では、Tgが40〜90℃で平均粒
子径が0.20〜1.5μmで、さらに、中空率が40
〜90%の球状中空粒子を用いる方法が提案されている
が、この中空粒子の場合、サーマルヘッドでの印字時の
熱によりその粒子の軟化が発生し、スティキングを発生
しやすいという不具合があった。また、感度向上効果の
点でも満足できるレベルでは無かった。
【0004】一方、特開平4−241987号公報で
は、平均粒径2〜10μm、中空率90%以上の熱可塑
性中空樹脂粒子を中間層中に用いたもの、特開平5−3
09939号公報では、中間層中に2〜20μmの粒径
範囲で比重が0.21以下の中空粒子を用いたもの、特
開平8−238843号公報では、中間層中に中空率が
90%以上の中空粒子とエチレンオキサイドとプロピレ
ンオキサイドのブロック共重合体を含有させる方法が提
案されているが、これらの従来技術で用いられている中
空粒子中には、その粒径が10〜30μmという大きな
粒子も存在するため、この中空粒子を用いた中間層上に
感熱記録層を設けると、中間層の大きな粒子の部分には
感熱記録層が形成されない部分ができ、ベタ画像を印字
した場合に白抜けが発生しやすい。また、これら従来技
術で用いられている中空粒子は塩化ビニリデンを有して
おり、塩素原子を含むため焼却処理時に環境を汚染する
懸念があった。
【0005】更に、特開平3−147888号公報で
は、中空体積率35〜60%、平均粒径0.4〜1.5
μmの合成樹脂製の中空粒子を含有する中間層が提案さ
れており、特開平2−214688号公報では、中空率
が30%以上の非発泡性微小中空粒子を主成分とする中
間層を設けることが提案されているが、これらはいずれ
も中空率が60%以下と低いために十分な断熱効果がえ
られず、高感度の点で不十分である。このように、中空
粒子に関し、最大粒径が10μm以下でかつ中空率60
%以上という要件を同時に満たす中空粒子は未だない。
一方、中空粒子を用いた中間層に結着剤を併用する方法
が提案されている。例えば、特開平6−247051号
公報では、中空粒子に対し10〜40%の結着樹脂を利
用することが、特開平5−309939号公報では、中
空粒子に対し2〜50%の結着樹脂を利用することが提
案されているが、感熱記録材料の感度向上、及び得られ
る画像の精細性の点から、このような結着樹脂比率では
不十分であることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度を維
持しつつ、白抜け、スティッキング等の発生がなく、画
像均一性の優れた中空粒子含有中間層を有する感熱記録
材料、さらには、塩素に起因する焼却処理時の環境汚染
懸念の無い感熱記録材料を提供することをその課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行なった結果、本発明を完成し
たものである。即ち、本発明によれば、以下に示す感熱
記録材料が提供される。
【0008】(1)支持体上に中間層を介してロイコ染
料及び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成
分とする感熱記録層を積層してなる感熱記録材料におい
て、該中間層は架橋構造を有する重合体からなる中空粒
子と結着樹脂を含有し、該中空粒子においてその中空率
が60〜98%であり、その最大粒子径(D100)が
5.0〜10.0μmであり、その最大粒子径(D10
0)と50容積%頻度の粒子径(D50)との比率D1
00/D50が1.5〜3.0であることを特徴とする
感熱記録材料。 (2)該中空粒子中に含まれる粒子径が2μm以下の中
空粒子の比率が5〜10容積%であることを特徴とする
前記(1)に記載の感熱記録材料。 (3)該重合体が、ハロゲン原子を含有しない重合体か
らなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の
感熱記録材料。 (4)該架橋構造を有する重合体が、架橋構造を有する
ビニル重合体であることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の感熱記録材料。 (5)該架橋構造を有するビニル重合体が、(i)少な
くとも1種のビニルモノマーと、(ii)少なくとも1種
の多官能性ビニルモノマーから形成される重合体である
ことを特徴とする前記(4)に記載の感熱記録材料。 (6)該多官能性ビニルモノマーが、ジビニルベンゼン
からなることを特徴とする前記(5)に記載の感熱記録
材料。 (7)該ビニルモノマーの少なくとも1種が、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及
びメタクリル酸エステルの中から選ばれる少なくとも1
種のビニルモノマーからなることを特徴とする前記
(5)又は(6)に記載の感熱記録材料。 (8)該ビニルモノマーの少なくとも1種が、下記一般
式(1)で表されるビニルモノマーからなることを特徴
とする前記(5)又は(6)に記載の感熱記録材料。
【化3】 (式中、Rは水素又はメチル基を示す) (9)該重合体が、その主鎖中に下記一般式(2)で表
される構成単位を含有する重合体であることを特徴とす
る前記(1)〜(8)のいずれかに記載の感熱記録材
料。
【化4】 (式中、Rは水素又はメチル基を示す) (10)該中間層表面をプリズムに1Kg/cm2で圧
着した場合の該中間層表面のくぼみの平均深さが、0.
1〜5.0μmであることを特徴とする前記(1)〜
(9)のいずれかに記載の感熱記録材料。 (11)該中間層に含まれる結着樹脂が疎水性樹脂から
なり、該疎水性樹脂の含有率が該中空粒子に対して10
0〜300重量%であることを特徴とする前記(1)〜
(10)のいずれかに記載の感熱記録材料。 (12)該疎水性樹脂が、スチレン−ブタジエン共重合
体からなることを特徴と前記(11)に記載の感熱記録
材料。 (13)該結着樹脂が、ポリビニルアルコールを該中空
粒子に対して1〜30重量%の割合で含有することを特
徴とする前記(11)又は(12)に記載の感熱記録材
料。 (14)該ロイコ染料が、3−(N,N−ジブチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチルN−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン及び3−[N−エチル−N−(P−メ
チルフェニル)]−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ンの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する前記(1)〜(13)のいずれかに記載の感熱記録
材料。 (15)該顕色剤が、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニル
スルホンの中から選ばれる少なくとも1種であることを
特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の感
熱記録材料。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で中間層に用いる中空粒子
において、その中空率は60〜98%であることが好ま
しく、より好ましくは75〜95%である。
【0010】本発明において、中間層に用いる中空粒子
の最大粒子径は5〜10μmであることが好ましい。1
0μmより大きい場合は、これらを用いた中間層上に感
熱記録層を設けると、中間層の大きな粒子の部分には感
熱記録層が形成されない部分ができ、ベタ画像を印字し
た場合に白抜けが発生しやすい。一方、5μmより小さ
い場合は、中空率60%以上を確保することが困難にな
り、その結果、得られる感熱記録材料(以下、単に材料
とも言う)の感度が低くなる。従って、中空粒子の最大
粒子径は5〜10μmであることが好ましく、より好ま
しくは7〜10μmである。
【0011】本発明において、中空粒子の50容積%頻
度の粒子径(D50)に対する最大粒子径(D100)
の比率D100/D50は、1.5〜3.0が好まし
い。3.0より大きい場合は、粒子径分布がブロード状
態にあることを示しており、この場合には、粒子径1μ
m以下の微小中空粒子の割合が多くなり、このような中
空粒子を用いた中間層は、層内の中空粒子径の分布不均
一になり、材料の感度が低下する現象を引き起こす。一
方、1.5より小さい場合は、非常にシャープな粒子径
分布を有することになり、中空粒子の合成条件の点から
実現が難しいの現状である。従って、中空粒子の50容
積%頻度の粒子径(D50)に対する最大粒子径(D1
00)の比率D100/D50は、1.5〜3.0が好
ましく、より好ましくは1.5〜2.7である。
【0012】本発明において、中空粒子中に含まれる2
μm以下の粒径の中空粒子の割合は、容積基準で、5〜
10%が好ましい。10%を越える場合は、粒子径1μ
m以下の微小中空粒子の割合が多くなり、この中空粒子
を用いた中間層は、層内の中空粒子径の分布が不均一に
なり、材料の感度が低下する現象を引き起こす。一方、
5%未満の場合は、非常にシャープな粒子径分布を有す
ることになり、この場合には、中空粒子の合成条件の点
から実現が難しいの現状である。従って、中空粒子中に
含まれる粒径が2μm以下の中空粒子の割合は5〜10
容積%が好ましい。
【0013】本発明において中空粒子(重合体)のTg
(ガラス転移点)は95〜150℃が好ましい。Tgが
95℃よりが低い場合、これらを用いた中間層はサーマ
ルヘッドによる印字時に感熱発色層と融着し、その結
果、スティッキングが発生し良好な印字が困難になる現
象が認められる。一方、150℃より高い場合は、サー
マルヘッドによる印字時に中間層が剛直な状態にあり、
柔軟性が不足するためにヘッドとの密着性が低下し感度
が低下する現象が認められる、従って、中空粒子のTg
は95〜150℃が好ましく、より好ましくは95〜1
20℃である。
【0014】本発明の感熱記録材料の場合、中間層に含
有させる好ましい中空粒子は、その中空率が60〜98
%であり、最大粒子径(D100)が5.0〜10.0
μmであり、50容積%頻度の粒子径(D50)に対す
る最大粒子径(D100)の比率D100/D50が
1.5〜3.0であり、2μm以下の中空粒子の割合が
5〜10%であり、更に、Tgが95〜150℃の中空
粒子である。このような中空粒子を用いることにより、
材料の断熱性、ヘッド密着性が向上し、サーマルヘッド
の熱が効率よく材料表面へ伝わるため、材料の高感度化
が達成されると共に、材料の表面を均一に保持すること
が可能になり、これによって、印字白ぬけ、スティック
の発生を防止し、印字画像の均一性が向上する。
【0015】本明細書で中空粒子に関して言う粒径の値
は全て、堀場製作所製、粒径分布測定装置LA−700
を用いて測定したものである。メジアン径は50容積%
頻度の粒径であり、D50と記し、最大粒子径は分布の
最大粒子径であり、D100と記す。中空粒子の中空率
は、中空粒子に占める空隙の体積の百分率(%)で表さ
れる。中空粒子はほぼ球形とみなせるため、中空率は下
記式で表わされる。 中空率={[空隙の体積]/[中空粒子の体積]}×1
00(%)
【0016】本発明において、中空粒子は断熱材として
作用すると共に、弾力性を有することから、サーマルヘ
ッドからの熱エネルギーを効率良く活用し、発色感度向
上をもたらす。材料の感度の点から、中空率は60%以
上であり、好ましくは75〜98%の範囲の中空粒子が
使用される。中空率が60%未満では上記の効果が少な
く、98%を超えた中空率のものでは膜厚が薄くなるた
め、中空粒子の強度が劣る。
【0017】本発明で用いる中空粒子は、架橋構造を有
する重合体からなる。即ち、中空粒子の外殻(シェル)
は、網状構造の重合体からなる。
【0018】なお、本明細書で言う重合体には、単独重
合体の他、共重合体も包含されるものとする。また、共
重合体には、ランダム共重合体、ブロック共重合体及び
グラフト共重合体が包含されるものとする。
【0019】架橋構造を有する重合体は、(i)少なく
とも1種のビニルモノマーと、(ii)少なくとも1種の
多官能性ビニルモノマーとを共重合体させて製造したビ
ニル重合体であることができる。ビニルモノマーは、分
子中に1つのビニル基を有するビニルモノマーである。
多官能性ビニルモノマーは、分子中に2つ以上のビニル
基を有するビニルモノマーであり、ビニル重合体中に架
橋構造を形成するための架橋剤として作用する。この多
官能性ビニルモノマーにおいて、そのビニル基の数は、
2〜6、好ましくは2〜3であり、より好ましくは2で
ある。
【0020】この架橋構造を有するビニル重合体におい
て、その架橋度は、その重合体が熱可塑性を有し、熱成
形性を有する範囲であり、通常、0.1〜10%であ
り、好ましくは1〜3%である。この架橋度は、次式で
定義される。 R(%)=B/(A+B)×100 式中、Rは架橋度(%)を示し、Aはビニルモノマーの
モル数を示し、Bは架橋剤(多官能性ビニルモノマー)
のモル数を2つのビニル基を有する架橋剤(多官能性ビ
ニルモノマー)を基準としたモル数に換算した換算モル
数を示す。この換算モル数Bは以下の式で表される。 B=M×n/2 式中、Bは架橋剤の換算モル数を示し、Mは架橋剤の実
際のモル数を示し、nは架橋剤の有するビニル基の数を
示す。
【0021】前記ビニルモノマーとしては、従来公知の
各種のビニルモノマーが用いられる。このようなビニル
モノマーには、例えば、アクリロニトリルやメタクリロ
ニトリルなどのニトリル系ビニルモノマー;アクリレー
トやメタクリレート等のアクリレート系ビニルモノマ
ー;エチレンやプロピレン等のオレフィン系ビニルモノ
マー;スチレンや置換基(メチル基やプロピル基等)を
有するスチレン等のスチレン系ビニルモノマーの他、酢
酸ビニル等が包含される。本発明では、ニトリル系ビニ
ルモノマーやアクリレート系ビニルモノマーの中から選
ばれる少なくとも1種を含むビニルモノマーの使用が好
ましく、特に、ニトリル系ビニルモノマーをビニルモノ
マーの少なくとも1つの成分として含むビニルモノマー
の使用が好ましい。
【0022】本発明においては、ビニルモノマーとして
は、特に、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリ
ル酸エステルを用いるのが好ましい。
【化5】 (式中、Rは水素又はメチル基を示す)
【0023】このビニルモノマーを用いることにより、
その主鎖中に下記一般式(2)で表される(メタ)アク
リル酸エステルを構成単位として含有する重合体を得る
ことができる。
【化6】 (式中、Rは水素又はメチル基を示す)
【0024】架橋剤(多官能性ビニルモノマー)として
は、従来公知の各種のものが用いられる。このような架
橋剤には、ビニルベンゼンやジビニルトルエン等のジビ
ニル芳香族炭化水素;ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート;ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等
のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、
2,2’−ビス(4−(メタ)アクリルオキシジエトキ
シフェニル)プロパン;トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート;フタル酸ジアリル等が包含され
る。
【0025】なお、前記した(メタ)アクリレートは、
アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0026】前記ビニルモノマーとしては、ハロゲン原
子、特に塩素原子を含まないビニルモノマーの使用が好
ましく、このようなハロゲン元素を含まないビニルモノ
マーを用いることにより、ハロゲン原子を含まないビニ
ル重合体を得ることができる。このようなハロゲン原子
を含まない重合体は、焼却してもハロゲン原子を放出し
ないことから、環境汚染を招く懸念は全く無い。
【0027】中空粒子の製造には、従来公知の各種の方
法を用いることができるが、一般的には、芯物質として
の揮発性物質を内包し、外殻が重合体からなるカプセル
状態の重合体粒子を作り、この重合体を加熱発泡させる
方法が用いられる。この方法においては、外殻を形成す
る重合体は、その芯物質として用いる揮発性物質(例え
ば、イソブタン等)に対するガス透過性の低いことが必
要である。外殻用重合体が塩化ビニリデンを含む重合体
である場合には、そのガス透過性は低くなり、高中空率
の中空粒子を得ることは容易である。しかし、塩化ビニ
リデンを含む重合体は、焼却したときに塩素を放出する
ために、環境汚染の問題を生じ、その使用は好ましくな
い。そこで、本発明者らは、外殻重合体を塩素を含有し
ない重合体で構成することについて鋭意研究した結果、
塩化ビニリデンを含む重合体の代りに、架橋構造を有す
る重合体を用いることにより、塩化ビニリデンを用いた
場合と同様に外殻重合体のガス透過性を低く出来、その
結果、中空率60%以上の中空粒子を得ることができる
ことを見出した。架橋構造を有しないビニルポリマーだ
けで外殻を形成した場合は、加熱発泡時に外殻の破裂等
が発生し、高中空率の中空粒子を得ることが困難になる
が、ビニルポリマーに架橋構造を形成することにより、
加熱発泡時に外殻破壊を起こさずに高中空率を実現する
ことが可能となる。
【0028】本発明で用いる中空粒子において、その最
大粒子径(D100)は5.0〜10.0μmであり、
かつその最大粒子径(D100)と50容積%頻度の粒
子径(D50)との比D100/D50は1.5〜3.
0であるが、このような中空粒子を得るには、製造され
る中空粒子の粒径分布をシャープにすることが必要であ
る。本発明者の研究によれば、このような粒径分布がシ
ャープである中空粒子は、その重合体として、前記一般
式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルをビニ
ルモノマー成分の少なくとも1種として用いて得られる
前記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステ
ル単位を含むビニル重合体を用いることにより、容易に
製造し得ることが見出された。重合体中に含有させる一
般式(2)の(メタ)アクリル酸単位の割合は、重合体
中に含まれる全モノマー単位に対して、10〜70モル
%、好ましくは10〜40モル%である。
【0029】本発明の感熱記録材料は、支持体上に前記
中空粒子と結着樹脂を含む中間層を形成し、次いでその
上に感熱記録層を形成することにより製造することがで
きる。
【0030】支持体上に中間層を形成するには、中空粒
子と結着剤樹脂を含む塗布液を、支持体上に塗布し、乾
燥する。この場合、支持体に対する中間層の塗布量は、
固形物換算量で、1〜5g/m2であることが好まし
い。
【0031】本発明で用いる中間層形成用塗布液として
は、水溶高分子の水溶液、疎水性高分子の水性エマルジ
ョン、水溶性高分子の水溶液と疎水性高分子の水性エマ
ルジョンとの混合液が用いられる。特に、本発明の場
合、ポリビニルアルコールの水溶液と疎水性高分子の水
性エマルジョンとの混合液を用いるのが好ましい。この
混合液においては、ポリビニルアルコール等の水溶性高
分子(水溶性樹脂)の割合は、疎水性高分子100重量
部当り、0.3〜10重量部、好ましくは1〜8重量
部、より好ましくは3〜6重量部の割合である。
【0032】本発明で用いる中間層において、結着樹脂
(A)に対する中空粒子(B)の重量比[B]/[A]
は、1〜3、好ましくは1〜2である。
【0033】本発明において支持体上に形成する中間層
は、該中間層表面をプリズムに1Kg/cm2で圧着し
た場合の表面のくぼみの平均深さが0.1〜5.0μm
であることが好ましい。本明細書で言うプリズムに1K
g/cm2で圧着した場合の表面のくぼみの平均深さと
は、株式会社東洋精機製作所製マイクロトポグラフ装置
で測定されるRp値(Printing Roughn
ess)であり、動的な加圧条件での表面平滑度を表す
ものである。この値が5μmより大きいと、加圧時の表
面凹凸が大きく印字時のサーマルヘッドとの密着性が悪
くなり、その結果、材料の感度低下、画像精細性低下を
発生する。一方、この値が0.1μm未満の場合は、加
圧時の表面凹凸が小さすぎるため、印字時のサーマルヘ
ッドとの密着性が強すぎるために印字搬送不良を発生す
る。
【0034】中間層に用いる結着樹脂としては、水溶性
高分子や非水溶性高分子(疎水性高分子)が用いられ
る。水溶性高分子は、通常、水溶液として用いられる。
非水溶性高分子は、水性エマルジョンや水分散液(懸濁
液)として用いられる。
【0035】水溶性高分子としては、従来公知の各種の
もの、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘
導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース、等のセルロース誘導体、ポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/
アクリル酸エステル共重合体、スチレン/無水マレイン
酸のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合
体のアルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソー
ダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
【0036】本発明では、水溶性高分子としては、ポリ
ビニルアルコールの使用が好ましい。このポリビニルア
ルコールには、完全けん価ポリビニルアルコール、カル
ボキシル変成ポリビニルアルコール、部分けん価ポリビ
ニルアルコール、スルホン酸変成ポリビニルアルコー
ル、シリル変成ポリビニルアルコール、アセトアセチル
変成ポリビニルアルコール、ジアセトン変成ポリビニル
アルコール等各種変成ポリビニルアルコールが包含され
るが、特に完全けん化ポリビニルアルコールが望まし
い。
【0037】非水溶性高分子としては、従来公知の各種
の疎水性樹脂、例えば、スチレン/アクリルエステル共
重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ス
チレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/
アクリルエステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニ
ル/アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらの高分
子は、水性エマルジョンとして好ましく用いられる。本
発明の場合、高分子エマルジョンのうち、特に、スチレ
ン/ブタジエン共重合体のラテックスの使用が最も好ま
しい。
【0038】本発明においては、前記水不溶性高分子
(疎水性樹脂)は、中空粒子に対して100〜300重
量%、好ましくは100〜200重量%の割合で用いる
のがよい。これにより、感熱記録材料の印字感度を大幅
に向上させることができる。これは、中間層内で充填さ
れた中空粒子間の空隙を埋めることにより中間層表面の
平滑性が更に向上した結果と考えられる。疎水性樹脂が
100%より少ない場合は、中空粒子の空隙が残るため
に発色濃度の低下を引き起こす。逆に、300%を越え
る場合は、中間層内の中空粒子の割合が低下するため中
間層の断熱性が低下して材料の感度低下を引き起こす。
本発明では、前記疎水性樹脂とともに、ポリビニルアル
コールを用いるのが好ましい。ポリビニルアルコールの
使用割合は、中空粒子に対して、1〜30重量%、好ま
しくは1〜10重量%である。これにより、中間層の成
膜性・感熱発色層の中間層に対する塗れ性が向上し、更
に画像の精細性の向上が可能になる。1%より少ない場
合は、画像精細性の効果が認められず、逆に30%より
多い場合は、塗布液の粘度が高くなり、ムラのない均一
塗工が困難になる。従って、結着樹脂として疎水性樹脂
を中空粒子に対し100〜300重量%、好ましくは1
00〜200重量%の割合で用い、同時にポリビニルア
ルコール等の水溶性高分子を1〜30重量%、好ましく
は1〜10重量%、より好ましくは3〜6重量%の割合
で用い、これらの樹脂を中間層に含有させることが好ま
しい。
【0039】本発明で用いる中間層には、ヘッドマッチ
ング性向上のために、アルカリ性増粘剤を含有させるこ
とも可能である。アルカリ性増粘剤は、アルカリ条件下
で増粘する結着樹脂を意味する。このようなアルカリ性
増粘剤の代表例としては、スチレン−ブタジエン共重合
体を主成分としたエマルジョンラテックス由来の樹脂が
挙げられる。本発明では、アルカリ性増粘剤を単独で用
いることも可能であるが、結着樹脂成分を分散粒子とし
て安定に存在させるために、例えば不飽和カルボン酸の
共重合体であるカルボキシル化ラテックス等を併用する
ことが望ましい。この場合、カルボキシル化ラテックス
は、pHを高くすると粒子表面の高カルボキシル化ポリ
マーが水中に溶解してゆくために塗布液を増粘し、結着
樹脂による塗布液の増粘効果を更に向上させる。
【0040】本発明で用いる中間層は、上記構成とした
ことから、塗布液中での中空粒子の分散安定性が増大す
るので、従来のようにソディウムモンモリロナイトある
いは変性ポリアクリル酸等の通常添加される増粘剤を添
加する必要が無い。また、アルカリ性増粘剤は、増粘作
用の他に中空粒子同士を強固に結着させるため、前記ソ
ディウムモンモリロナイト等の増粘剤を用いた時に較べ
てサーマルヘッドとのマッチング性が著しく改善され
る。このアルカリ性増粘剤は、中空粒子100重量部に
対し1〜80重量部、好ましくは5〜50重量部の割合
で存在させることが望ましい。また、該アルカリ性増粘
剤はスチレン−ブタジエン共重合体であることが望まし
いが、これに限定されるものではなく、アルカリ条件下
で増粘するものであればどのようなものでも良い。ま
た、中間層形成塗布液をアルカリ条件に保つためにpH
調整剤が必要となるが、そのようなものとしては、例え
ば、アンモニア水などが用いられるが、材料の発色性を
阻害するものでなければ、これに限定されるものでは無
い。
【0041】上記中間層には、上記の中空粒子及び結着
樹脂(バインダー樹脂)と共に、必要に応じて更にこの
種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、
フィラー、熱可融性成分、界面活性剤等を含有させるこ
とができる。これら中間層成分を均一に、かつ高速に塗
工するためには、中空粒子を20重量%含む中間層形成
塗布液は、その液温20℃における粘度が200mP
a.s以下であることが好ましい。200mPa.sを
超える粘度の場合、塗工液は粘度が高くなりすぎ、塗工
ムラが発生する。また、前記のようにして支持体上に形
成された中間層の表面をより平滑にするために、中間層
形成後、キャレンダー処理することによりその中間層表
面を平滑にしても良い。
【0042】本発明の感熱記録層において用いるロイコ
染料(発色剤)は、単独で又は2種以上混合して適用さ
れるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱
記録材料に使用されているものを任意に使用でき、例え
ば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチア
ジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフ
タリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられ
る。ロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示す
ようなものが挙げられる。
【0043】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタ
ルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−(N
−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N,n−アミ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチ
ルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルア
ミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)
フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルア
ミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチル
フェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒ
ドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N
−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチ
ルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o
−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエ
チルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピ
ペリジノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメ
チルアミノ)フルオレンスピロ(9、3’)−6’−ジ
メチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、
3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニ
リノ)フルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピ
ル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−
(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェ
ニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−ピベリジノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチル
アミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキ
シルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミ
ノ−4’−ブロモフルオラン、3−N−エチル−N−
(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロ
フルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ
−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}
−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニ
ル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−
(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3
−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニ
ル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタ
リド−3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フル
オレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)
フタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−
ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミ
ノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタン等。
【0044】特に、発色性等の点で、3−(N,Nジブ
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチルN−イソアミルアミノ)−6−メチル
7−アニリノフルオラン、3−[N−エチルN−(P−
メチルフェニル)]−6−メチル7−アニリノフルオラ
ンが好ましい。
【0045】本発明の感熱記録層で用いる顕色剤として
は、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種
々の化合物又は酸化剤等が適用される。このようなもの
は従来公知であり、その具体例としては以下に示すよう
なものが挙げられるが、これらに限られるものではな
い。
【0046】4,4’−イソプロピリデンビスフェノー
ル、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェ
ノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェ
ノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシ
ャリーブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、
1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒ
ドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル
酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
スルフィド、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エ
トキシ}サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタ
ン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリ−ブチル
フェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシ
ャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリ−
ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリ−ブチル
−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールス
ルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジ
フェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシ
ド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロ
キシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没
食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチ
ル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プ
ロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ
(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステ
ル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエ
ステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル
−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロ
キシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−
アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオ
キシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−
ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチ
ピリン錯体、4,4’−チオビス(2−メチルフェノー
ル)等。
【0047】材料の感度や保存性の点から、特に、4,
4’−ジヒドロキシジフェニールスルホン、2,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−イソプロポキシ
−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが好ましい。
【0048】本発明の感熱記録材料において、顕色剤の
使用割合は、ロイコ染料1部(重量部)に対して1〜2
0部(重量部、以下同様)、好ましくは2〜10部であ
る。顕色剤は単独で若しくは二種以上混合して適用する
ことができ、ロイコ染料についても同様に単独で若しく
は二種以上混合して適用することができる。
【0049】本発明の感熱記録材料を製造するために、
ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場
合、慣用の種々のバインダー樹脂を適宜用いることがで
き、その具体例としては、例えば、以下のものが挙げら
れる。
【0050】ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導
体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミ
ド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/ア
クリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレ
ン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルア
ミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶
性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタク
リレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジ
ョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタ
ジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
【0051】また、本発明においては、感度向上剤とし
て種々の熱可融性物質を使用することができ、その具体
例としては以下に示すものが挙げられるが、これらに限
られるものではない。
【0052】ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ス
テアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミ
ド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸
亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、タ
ーフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ
安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β
−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸
フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジ
フェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テ
レフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4
−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレ
ン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフ
ェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキ
シ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エ
タン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビ
ス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイル
メタン、1,4−ジフェニルルチオブタン、1,4−ジ
フェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニル
オキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニル
オキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエ
トキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、
p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシ
メタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジス
ルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジ
フェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルア
ルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N
−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニル
ベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、
1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、
1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサ
ペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メ
チルベンジル)等。
【0053】感熱記録層は、ロイコ染料(発色剤)、顕
色剤を、バインダー樹脂等とともに、水又は有機溶媒中
に均一に分散若しくは溶解し、これを支持体上に塗布、
乾燥して作製するが、塗工方式は特に限定されない。記
録層形成用塗布液中の分散粒径子は10μm以下が好ま
しく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好
ましい。記録層の膜厚は記録層の組成や感熱記録材料の
用途にもよるが、1〜50μm程度、好ましくは3〜2
0μm程度である。また、記録層塗布液には、必要に応
じて塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に、通
常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤を加える
こともできる。
【0054】本発明における支持体としては、紙、剥離
紙、フィルム等が使用でき、特に紙は酸性紙、中性紙の
いずれも用いることができる。また、上記中性紙支持体
及び中性紙からなる剥離紙に関しては、カルシウム量の
少ないものが好ましい。この様にカルシウム量が少ない
中性紙及び中性紙からなる剥離紙は、抄造に用いる古紙
の割合を少なくすることによって得られる。また、通常
中性紙の抄造には内添として炭酸カルシウムが用いら
れ、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー又は無水ア
ルケニルコハク酸などが用いられているのに対し、内添
剤をタルクやクレーに代え、中性ロジンサイズ剤と組み
合わせることによって得られる。
【0055】本発明の感熱記録材料の記録手段として
は、使用目的によって、熱ペン、サーマルヘッド、レー
ザー加熱等、各種のものが適用でき、特に限定されな
い。
【0056】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準で
ある。
【0057】中空粒子 以下に示す実施例、比較例で使用した中空粒子の重合体
組成を表1に示すとともに、中空粒子におけるその中空
率、その最大粒子径(D100)、その50%容積頻度
の粒子径(D50)に対する最大粒子径(D100)の
比率D100/D50、さらに、中空粒子中に含まれる
2μm以下の中空粒子成分含有率を表1に記す。
【0058】
【表1】
【0059】表中に示した符号の具体的意味は以下の通
りである。 MMA:クリレート ST:スチレン BA:ブチルアクリレート AN:アクリロニトリル MAN:メタクリルニトリル VC:塩化ビニリデン DVB:ジビニルベンゼン PEDM:ポリエチレングリコールジメタクリレート EGDMA:ジエチレングリコールジアクリレート MPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト Y1:一般式(1)の化合物(R=H) Y2:一般式(1)の化合物(R=CH3
【0060】実施例1(コート液の調製) 下記の中間層形成液、感熱記録層形成液、オーバーコー
ト層形成液及びバックコート層形成液を用意した。 (I)中間層形成液の調製 (A液): 中空樹脂粒子(表1の中空粒子1)の水分散液(固形分濃度30%)30部 スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%) 20部 水 50部 上記各液を攪拌混合して、中間層形成液(A液)を調製
した。
【0061】 (II)感熱発色層形成液の調製 (B液) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン 20部 ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部 水 60部 (C液) 4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン 20部 ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部 水 55部 (D液) シリカ 20部 メチルセルロースの5%水溶液 20部 水 60部 上記各液を磁性ボールミル中で2日間粉砕して(B
液)、(C液)及び(D液)を調製した。
【0062】次に、(B液)15部、(C液)45部、
(D液)45部及びイソブチレン/無水マレイン酸共重
合体の20%アルカリ水溶液5部を攪拌混合して、感熱
記録層形成液を調製した。
【0063】 (III)オーバーコート層形成液の調製 (E液) 水酸化アルミニウム20部 ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部 水 60部 上記の各成分の混合物を磁性ボールミル中で2日間粉砕
して(E液)を調製した。
【0064】以上のようにして調製した(A液)を支持
体上に付着量が3.0g/m2になるように中間層を塗
布、乾燥した試料を東洋精機製マイクロトポグラフ装置
にて、加圧条件を1.0〜2.2Kg/m2の範囲で表
面のくぼみの平均深さRp値(PrintingRou
ghness)を連続的に測定し、加圧1.0Kg/m
2の時の中間層のRp値を測定した。次に、前記のよう
にして調製した中間層形成液(A液)を支持体上に付着
量が3.0g/m2になるように塗布・乾燥して中間層
を形成し、その上に染料付着量が0.45g/m2にな
るように感熱記録層形成液を塗布・乾燥して感熱記録層
を形成し、更にその上に樹脂(ポリビニルアルコール)
付着量が1.6g/m 2になるようにオーバーコート層
形成液を塗布・乾燥してオーバーコート層を形成し、
(付着量はいずれも乾燥付着量である)、その後、スー
パーキャレンダーにて表面処理し、本発明の感熱記録材
料を得た。
【0065】実施例2 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子2を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0066】実施例3 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子3を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0067】実施例4 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子4を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0068】実施例5 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子7を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0069】実施例6 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子8を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0070】実施例7 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子9を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0071】実施例8 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子12を用いた以外は実施例1と同様にして本発明
の感熱記録材料を得た。
【0072】実施例9 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子14を用いた以外は実施例1と同様にして本発明
の感熱記録材料を得た。
【0073】実施例10 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子15を用いた以外は実施例1と同様にして本発明
の感熱記録材料を得た。
【0074】実施例11 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子16を用いた以外は実施例1と同様にして本発明
の感熱記録材料を得た。
【0075】実施例12 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子17を用いた以外は実施例1と同様にして本発明
の感熱記録材料を得た。
【0076】実施例13 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子18を用いた以外は実施例1と同様にして本発明
の感熱記録材料を得た。
【0077】比較例1 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子5を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0078】比較例2 実施例1の(A液)において、中空粒子1の代わりに中
空粒子6を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0079】比較例3 実施例1の(A液)において中空粒子1の代わりに中空
粒子11を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱記録材料を得た。
【0080】(評価方法) (1)感度倍率;キャレンダー済み品を松下電子部品
(株)製薄膜ヘッドを用いて改造した(株)リコー社製
感熱記録装置(印字実験装置)にて、ヘッド電力0.4
5W/ドット、1ライン記録時間20msec/L、走
査密度8×385ドット/mm条件下で、1msec毎
にパルス幅0.0〜0.7msecに可変させて印字
し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定
し、濃度が1.0となるパルス幅を計算した。感度倍率
は比較例1を基準として感度倍率=(測定したサンプル
のパルス幅)/(比較例1のパルス幅)として計算し
た。その感度倍率の値が大きいほど感度(熱応答性)が
良好である。
【0081】(2)白抜け;キャレンダー済み品を、ス
タンププリントを用い、200℃で3秒間密着加熱し、
発色させ、目視にて白抜けを判定した。 ○:白抜けなし ×:白抜けあり (3)スティッキング;評価1の感度倍率評価時の印字
音及び印字後の印字面の目視観察からスティキングのレ
ベルを判定した。
【0082】(4)精細性:上記印字サンプルで画像濃
度が0.30になる印字画像を顕微鏡にて1ドット印字
の精細性を目視確認する。1ドットの形状(四角形)に
近い方が精細性が良い。 ◎:ほぼ四角形 ○:やや丸みを帯びている △:白抜け等でややいびつとなっている ×:いびつ
【0083】前記評価結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】実施例14 実施例5で(A液)のスチレン/ブタジエン共重合ラテ
ックス20部を28部にした以外は実施例5と同様にし
て本発明の感熱記録材料を得た。
【0086】実施例15 実施例5で(A液)のスチレン/ブタジエン共重合ラテ
ックス20部を37部にした以外は実施例5と同様にし
て本発明の感熱記録材料を得た。
【0087】実施例16 実施例5で(A液)のスチレン/ブタジエン共重合ラテ
ックス20部を48部にした以外は実施例1と同様にし
て本発明の感熱記録材料を得た。
【0088】 実施例17 (F液の調製) 中空樹脂粒子7の水分散液(固形分濃度30%) 30部 スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47%) 20部 完全ケン価PVAの10%水溶液 1部 水 40部 上記各液を撹拌混合して、(F液)を調製した。次に、
実施例1において、(A液)の代わりに(F液)を用い
た以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を
得た。
【0089】実施例18 実施例19の(F液)において、完全けん化PVA10
%水溶液1部を9部にした以外は同様にして本発明の感
熱記録材料を得た
【0090】実施例19 実施例1の(A液)において、スチレン/ブタジエン共
重合ラテックス20部をアクリルエマルジョン(アルマ
テックスE3450、固形分25%)36部にした以外
は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0091】実施例20 実施例1の(A液)において、スチレン/ブタジエン共
重合ラテックス20部を15部にした以外は実施例1と
同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0092】 比較例4 (G液の調製) 中空粒子11の水分散液(固形分濃度40%) 30部 スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47%) 15部 水 55部 上記各液を撹拌混合して、(G液)を調製した。次に、
実施例1において、(A液)の代わりに(G液)を用い
た以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を
得た。
【0093】比較例5 比較例4の(G液)において、スチレン/ブタジエン共
重合ラテックス15部30部にした以外は同様にして本
発明の感熱記録材料を得た。
【0094】〈評価法〉 感度;キャレンダー済品を松下電器部品(株)製薄膜
ヘッドを有する感熱印字実験装置にて、ヘッド電力0.
45W/ドット1ライン記録時間20msec/L、走
査密度8×385ドット/mm条件下で、1msec毎
にパルス巾0.0〜0.7mmsecに印字し、印字濃
度をマクベス濃度計RD−914にて測定し、濃度が
1.0となるパルス巾を計算した。実施例−1を基準と
して、(実施例−1のパルス巾)/(測定したサンプル
のパルス巾)=感度倍率として計算する。値が大きいほ
ど感度(熱応答性)が良好である。
【0095】精細性:上記印字サンプルで画像濃度が
0.30になる印字画像を顕微鏡にて1ドット印字の精
細性を目視確認する。1ドットの形状(四角形)に近い
方が精細性が良い。評価結果を表3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、その中間層
に、中空率が60%以上であり、最大粒子径(D10
0)が10.0μm以下であり、更に、50容積%頻度
の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D
100/D50が3.0以下、好ましくは2.0〜3.
0であり、更に、2μm以下の中空粒子の割合が5〜1
0容積%の中空粒子を含有させたものである。これによ
って、感熱記録材料の断熱性が向上し、サーマルヘッド
の熱が効率よく感熱記録材料表面へ伝わるため高感度化
が達成されると共に、感熱記録材料の表面が均一に保持
されるため、印字白ぬけ、スティックの発生が防止さ
れ、印字画像の均一性が向上する。更に、中間層に前記
特定の中空粒子を使用すると共に、その結着樹脂として
疎水性樹脂を使用することにより、材料の感度を大幅に
向上させることが可能である。更に、疎水性樹脂ととも
に、水溶性高分子、特に、ポリビニルアルコールを中間
層に含有させることより、画像精細性を大幅に向上させ
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 充展 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 金子 義一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 森 泰智 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 BB15 BB25 BB30 CC05 CC07 CC10 DD01 DD07 DD48 DD57 FF01 FF15 4J100 AB16Q AL03P AL08P AM02P BC08P CA01 CA04 JA13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に中間層を介してロイコ染料及
    び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分と
    する感熱記録層を積層してなる感熱記録材料において、
    該中間層は架橋構造を有する重合体からなる中空粒子と
    結着樹脂を含有し、該中空粒子においてその中空率が6
    0〜98%であり、その最大粒子径(D100)が5.
    0〜10.0μmであり、その最大粒子径(D100)
    と50容積%頻度の粒子径(D50)との比率D100
    /D50が1.5〜3.0であることを特徴とする感熱
    記録材料。
  2. 【請求項2】 該中空粒子中に含まれる粒子径がの2μ
    m以下の中空粒子の比率が5〜10容積%であることを
    特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 該重合体が、ハロゲン原子を含有しない
    重合体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 該架橋構造を有する重合体が、架橋構造
    を有するビニル重合体であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 該架橋構造を有するビニル重合体が、
    (i)少なくとも1種のビニルモノマーと、(ii)少な
    くとも1種の多官能性ビニルモノマーから形成される重
    合体であることを特徴とする請求項4に記載の感熱記録
    材料。
  6. 【請求項6】 該多官能性ビニルモノマーが、ジビニル
    ベンゼンからなることを特徴とする請求項5に記載の感
    熱記録材料。
  7. 【請求項7】 該ビニルモノマーの少なくとも1種が、
    アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エ
    ステル及びメタクリル酸エステルの中から選ばれる少な
    くとも1種のビニルモノマーからなることを特徴とする
    請求項5又は6に記載の感熱記録材料。
  8. 【請求項8】 該ビニルモノマーの少なくとも1種が、
    下記一般式(1)で表されるビニルモノマーからなるこ
    とを特徴とする請求項5又は6に記載の感熱記録材料。 【化1】 (式中、Rは水素又はメチル基を示す)
  9. 【請求項9】 該重合体が、その主鎖中に下記一般式
    (2)で表される構成単位を含有する重合体であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録
    材料。 【化2】 (式中、Rは水素又はメチル基を示す)
  10. 【請求項10】 該中間層表面をプリズムに1Kg/c
    2で圧着した場合の該中間層表面のくぼみの平均深さ
    が、0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
  11. 【請求項11】 該中間層に含まれる結着樹脂が疎水性
    樹脂からなり、該疎水性樹脂の含有率が該中空粒子に対
    して100〜300重量%であることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれかに記載の感熱記録材料。
  12. 【請求項12】 該疎水性樹脂が、スチレン−ブタジエ
    ン共重合体からなることを特徴とする請求項11に記載
    の感熱記録材料。
  13. 【請求項13】 該結着樹脂が、ポリビニルアルコール
    を該中空粒子に対して1〜30重量%の割合で含有する
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の感熱記録
    材料。
  14. 【請求項14】 該ロイコ染料が、3−(N,N−ジブ
    チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
    3−(N−エチルN−イソアミルアミノ)−6−メチル
    −7−アニリノフルオラン及び3−[N−エチル−N−
    (P−メチルフェニル)]−6−メチル−7−アニリノ
    フルオランの中から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の感熱記
    録材料。
  15. 【請求項15】 該顕色剤が、4,4’−ジヒドロキシ
    ジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニ
    ルスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジ
    フェニルスルホンの中から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の
    感熱記録材料。
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