JP2009023237A - 感熱記録材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上にアンダーコート層と感熱発色層とを有する感熱記録材料において、
前記アンダーコート層は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体とを用いて得られた感熱記録材料を主たる構成にする。
【選択図】なし
Description
(1)加熱プロセスのみによる簡易な画像などの情報の記録が可能であること、
(2)必要な装置のメカニズムが簡単でコンパクト化も容易であり、取扱い易く安価であること、などの利点を有することから、以下のような分野で使用されている。
最近の社会的ニーズに対応するため、感熱記録分野においても記録装置の小型化、高速化が益々求められ、さらに感熱記録材料自体にも、小型化、高速化に伴う印字エネルギーの低下に対応して高感度化が望まれている。
上記高感度化の要求を満足するため、たとえば特許文献1〜10には、支持体と感熱発色層との間に中空樹脂粒子含有アンダーコート層を設けた感熱記録材料が提案され、低エネルギーでの高感度化を可能としている。
このため、上記したような合成紙基材と感熱発色層との結着性を高めるため、たとえば特許文献11〜14には、合成紙基材と感熱発色層との間にスチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル系樹脂を主成分とするアンダーコート層を設けた感熱記録体を用いた発明が知られている。
また、このような感熱記録材料における上記問題点は、浸水時(水接触時)の際に機械的強度が加わった際の剥離など、問題の発生が増大化するなど、依然として十分に解決されていないのが実情である。
(1)合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上にアンダーコート層と感熱発色層とを有する感熱記録材料において、
前記アンダーコート層は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体とを用いて形成されたことを特徴とする。
(2)前記(1)に記載の感熱記録材料において、前記アクリル樹脂はアクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルを用いたことを特徴とする。
(3)前記(1)又は(2)に記載の感熱記録材料において、前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルのガラス転移点が100℃以下であることを特徴とする。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記アクリル樹脂は、酸価が10〜300mgKOH/gの前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルを用いたことを特徴とする。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記金属錯体の添加量が前記アクリル樹脂に対し、固形分換算で3〜40重量%であることを特徴とする。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記中空粒子の中空率が50〜98%であることを特徴とする。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかにに記載の感熱記録材料において、前記中空粒子の最大粒子径D100が2.0μm以上、20.0μm以下であることを特徴とする。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記中空粒子の添加量が前記アクリル樹脂に対し、固形分換算で30〜90重量%であることを特徴とする。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記アンダーコート層の坪量が0.5〜5g/m2であることを特徴とする。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の感熱記録材料において、さらに感熱発色層上に保護層を有することを特徴とする。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の感熱記録材料の製造方法であって、
前記アンダーコート層は酸価が10〜300mgKOH/gの前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルと、中空率が50〜98%である中空粒子と、金属錯体とを含む塗布液を調製し、合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上に塗布して形成することを特徴とする。
〈支持体〉
本発明に使用される支持体は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、PET、PBTなどのポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの合成樹脂を挙げることができる。また、本発明でいう合成樹脂には、セルロースアセテートのような半合成樹脂を含む。また、上記した合成樹脂の複合した紙状あるいはフィルム状のもの、さらに金属箔、ポリエチレン等のラミネート紙、あるいはフィルム等を単独で、或は組み合わせて合成紙あるいはフィルムを支持体として用いることも出来る。
本発明の感熱記録材料に使用されるアンダーコート層は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体とを用いて形成される。
このようなアクリル樹脂と架橋剤として金属錯体を使用することによって耐水性を向上させるだけではなく、高感度の発現機能(発色機能)と、中空粒子との化学的相互作用により、結着強度を十分に発現することができる。
前記アクリル樹脂は、Tg(架橋後のガラス転移点)が100℃以下で、好ましくは95℃以下で、さらに好ましくは90℃以下である。Tgが100℃以下のものが塗布時の成膜性がよく、結着性を十分に改善することができるので好ましい。耐水結着性をさらに改善するために、前記アクリル樹脂はアクリルエマルジョンあるいは水溶性アクリル(樹脂)を用いて得られたアクリル樹脂が好ましい。さらにこのようなアクリルエマルジョンあるいは水溶性アクリル(樹脂)と、ポリビニルアルコールまたはその変性体を加えることもできる。
これは、架橋前には若干親水的であるが、架橋後は疎水的になり、しかもガラス転移点が低いのでゴム弾性を有することとなるので機械的応力が印加された場合でもその応力を緩和する方向に感熱記録材料を導くので好ましい。また、このアクリルエマルジョン樹脂あるいは水溶性アクリルの酸価はたとえば10〜300mgKOH/g、好ましくは20〜280mgKOH/g、さらに好ましくは30〜200mgKOH/gであるものが好ましい。前記酸価が、10mgKOH/g未満であると架橋剤との反応効率が悪く、前記目的を達成することが困難となる。酸価が高すぎると、感熱記録材料が浸水した場合にアンダーコート層よりアクリル樹脂成分が水に溶出し、アンダーコート層が支持体から剥がれ易くなるため、酸価は300mgKOH/g以下が好ましい。このように、本発明で使用されるアクリル樹脂としてその架橋前が特定の酸価を有するアクリルエマルジョンは、適度に架橋して支持体と接着力を得ながら、同時に耐水性の点からも好ましい。このようなアクリルエマルジョンに用いられる樹脂としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル成分を主体とし、これとメタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の共重合物などの樹脂がエマルジョン化されたアクリルエマルジョンが挙げられる。このアクリルエマルジョンが架橋されたアクリル樹脂を用いた本発明の感熱記録材料は、疎水的な基の働きにより耐水的に作用をするとともに、親水的な基の働きにより接着力とを発揮し、さらにゴム弾性を有してもいるので、得られる感熱記録媒体は、機械的強度を適度に有していると共に、耐水性を有し、感熱記録材料を構成する各層間での剥離が起きにくいものが得られる。
本発明の感熱記録材料は、アンダーコート層中に重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体とを用いてアンダーコート層を設けることにより、耐水結着性、結着性、感度が改善され、さらに耐水結着性を改善するため、架橋剤としての前記金属錯体の添加量をアクリルエマルジョン樹脂の固形分に対して、5〜30重量%添加することが好ましい。この添加量が5重量%未満では、アクリル樹脂との架橋構造が十分に形成されず、感熱記録紙が浸水した場合に、アクリル樹脂成分が水に溶出しアンダーコート層が支持体から剥がれやすい。また、30重量%より多くなると、アクリル樹脂との架橋速度が向上し、エマルジョンとしての液安定性が悪くなる。
本発明の感熱記録材料に使用される金属錯体は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、当該金属錯体とを用い、得られた感熱記録材料の接着力、耐水性が上がるようなものであり、具体的には、炭酸ジルコニウムカリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、亜鉛錯体などを挙げることができる。なお亜鉛錯体として具体的にはBASFジャパン社製の商品名ジョンキュア90が挙げられる。
本発明の感熱記録材料は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体とを用いてアンダーコート層を設けることにより、耐水結着性、結着性、感度が改善され、前記中空粒子の中空率を50〜80%であるものを用いると、高感度な感熱記録材料が得られるので好ましい。
ここで、重合体からなる中空粒子の中空率は、中空粒子に占める空隙の体積であり、これを百分率(%)で表すことができる。
中空率={[空隙の体積]/[中空粒子の体積]}×100(%)
本発明において、重合体からなる中空粒子は適度な熱伝達効果を有しまた弾力性を有することから、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率良く活用し、発色感度の向上をもたらす。材料の感度の点から、重合体からなる中空粒子の中空率は50%以上であり、好ましくは75〜98%の範囲である。中空率が50%未満では断熱効果が少ない。特に中空率が98%を超えると、中空粒子の強度が劣り、アンダーコート層の強度が低下する傾向がある。
このような本発明で用いる架橋構造を有する重合体からなる中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有している。このような熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエンあるいはそれらの共重合体や、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。この熱可塑性樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
次に本発明の感熱記録材料に使用される感熱発色層を以下に説明する。
本発明の感熱記録材料に使用される感熱発色層にはロイコ染料および顕色剤が用いられる。用いられるロイコ染料は、単独で使用してもよく、又、2種以上混合して使用してもよい。
このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に使用されているものが任意に使用される。例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
この場合、フィラーとしては、例えば、炭酸カリウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカリウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができ、また熱可融性物質としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニル、その他の熱可融性有機化合物の50〜200℃程度の融点を持つものが挙げられる。
本発明の感熱記録材料においては、必要に応じて、支持体の裏面側(感熱発色層側とは反対の面側)に、帯電防止層を設けることができる。帯電防止層には、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば水溶性高分子及び/又は水性エマルジョン樹脂、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤等を併用することができる。この場合、フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。
本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッド等とのマッチング性向上や、記録画像保存性をより高める等の目的により、感熱発色層の上に保護層を設けることも可能であり、非常に好ましい。この場合、保護層を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、水性ポリエステル、水性ポリウルタン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体及びその誘導体等の水溶性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸エステル系(共)重合体、スチレン/アクリル系共重合体、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及びこれらの共重合体が挙げられるが、中でも水溶性樹脂が好ましい。
本発明の感熱記録材料は、例えば前記した各層を形成するための層形成用塗液を用い、合成紙又は合成樹脂フィルム支持体に塗布し、乾燥等することによって製造される。特に前記したアンダーコート層は、アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルと、重合体からなる中空粒子と、金属錯体と、PVAおよびその変性体の乳化剤とを混合して調製した塗布液を用いて得られる。変性体としては、たとえば酢酸ビニル基で変性されたPVA(ポリビニルアルコール/酢酸ビニル)などをあげることができ、またその側鎖にスルフォン基(−SO3)によりさらに変性していてもよい。
(1)アンダーコート層塗布液の調製:
アクリルエマルジョン樹脂 21部
(BASFジャパン社製:ジョンクリル7641、固形分49%、酸価60mgKOH/g、Tg86℃)
中空粒子 21部
(中空率90%、最大粒子径(D100)9.8μm、固形分33%)
炭酸ジルコニウムカリウム 3部
(日本軽金属社製:ジルメル1000、固形分20%)
ポリビニルアルコール 6部
(クラレ社製:クラレポバールPVA-117、固形分16%)
変性ポリビニルアルコール 5部
(日本合成化学工業社製:ゴーセランL-3266、固形分30%)
上記各液を攪拌混合して、アンダーコート層形成液(A液)を調製した。
〔B液〕
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 40部
変性ポリビニルアルコール 36部
(日本合成化学工業社製:ゴーセランL-3266)
水 24部
〔C液〕
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンモノアリルエーテル 20部
シリカ 16部
水 64部
上記の混合物の各液を磁性ボールミル中で二日間粉砕して、〔B液〕および〔C液〕を調製した。次に〔B液〕を14部、〔C液〕を61部、変性ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製:D-700VH、固形分18%)を8部、水17部を混合攪拌し、感熱発色層液(D液)を調整した。
水酸化アルミニウム 10部
変性ポリビニルアルコール 56部
(日本酢ビ・ポバール社製:D-700VH、固形分18%)
アジピン酸ジヒドラジド 20部
(日本ヒドラジン工業社製:ADH、固形分10%)
水 14部
上記した保護層塗布液を混合攪拌し、保護層液(E液)を調整した。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、水溶性アクリル樹脂(BASFジャパン社製:PDX−6102B、固形分24.5%、酸価65mgKOH/g、Tg19℃)42部を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:PDX-7236、固形分40%、酸価38mgKOH/g、Tg9℃)26部を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:PDX-7630A、固形分32%、酸価200mgKOH/g、Tg53℃)32部を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)25部を用い、及び、架橋剤である炭酸ジルコニウムカリウム(固形分20%)の添加量を2部に変えた以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例5において、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)の添加量を21部に変え、及び、架橋剤である炭酸ジルコニウムカリウム(固形分20%)の添加量を17部に変えた以外は実施例5と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、造膜温度5℃以下、Tg0℃)24部を用い、及び、中空粒子の中空率を50%(ロームアンドハース:ローベイクHP-91、最大粒子径5.2μm、固形分27%)にした以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例7において、中空粒子の最大粒子径を15μm(中空率89%、固形分40%)にした以外は実施例7と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例8において、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、造膜温度5℃以下、Tg0℃)の添加量を30部に変え、及び、中空粒子として中空率が90%であり、最大粒子径D100が9.8μmであり、固形分が33%である中空粒子を用い、この中空粒子の添加量を10部にした以外は実施例8と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例9において、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、造膜温度5℃以下、Tg0℃)の添加量を22部に変え、及び、中空粒子の添加量を25部にした以外は実施例9と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)24部を用い、及び、アンダーコート層の付着量を0.5g/m2に変えた以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例11において、アンダーコート層の付着量を5.0g/m2に変えた以外は実施例11と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)24部を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例13において、架橋剤である炭酸ジルコニウムカリウム(日本軽金属社製:ジルメル1000、固形分20%)3部を、亜鉛錯体(BASFジャパン社製:ジョンキュア90、固形分24.5%)3部に変えた以外は実施例13と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg:0℃)39部を用い、及び、架橋剤、中空粒子を添加していない以外は実施例1と同様にして、比較の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂21部に代えて、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)25部を用い、及び、架橋剤を添加していない以外は実施例1と同様にして、比較の感熱記録材料を得た。
比較例2において、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)の添加量を24部に変え、及び、架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジド(日本ヒドラジン工業社製:ADH、固形分10%)6部を添加した以外は比較例2と同様にして、比較の感熱記録材料を得た。
実施例1において、アクリルエマルジョン樹脂(BASFジャパン社製:ジョンクリル711、固形分42%、酸価100mgKOH/g、Tg0℃)の添加量を37部に変え、及び、中空粒子を添加していない以外は実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
◎・・・アンダーコート層からの剥がれ無
○・・・アンダーコート層からの剥がれ殆ど無し
△・・・アンダーコート層からの剥がれ有り(抵抗有り)
×・・・アンダーコート層からの剥がれ有り(抵抗無し)
◎・・・90℃の方向に高速で剥離した場合にアンダーコート層の剥離無
○・・・90℃の方向に低速で剥離した場合にアンダーコート層の剥離無
△・・・180℃の方向に低速で剥離した場合にアンダーコート層の剥離無
×・・・180℃の方向に低速で剥離した場合にアンダーコート層の剥離有
4)液安定性:各アンダーコート液を調合し、24時間後の液の安定性を目視により判定する。
○・・・アンダーコート液の増粘無し
△・・・アンダーコート液の増粘有り
同様に、実施例1〜14と比較例1との感熱記録材料の耐水結着性と結着性とを比較すると、比較例2に加えてさらに、感度倍率も低下している。これは、金属錯体および中空粒子が無い状態では、耐水性、結着性のみでなく、感度倍率の点からも悪いことが判る。
また比較例3は、架橋剤として金属錯体をアジピン酸ジヒドラジドに代えた感熱記録材料である。その結果、比較例1と同様に感度倍率は比較例1に対して2割上がっているものの、耐水結着性および結着性に関し、本発明の感熱記録材料とは大きく劣っていることが判る。
また比較例4は中空粒子が無い場合の感熱記録材料であり、このような感熱記録材料では、表1に示すように、耐水結着性および結着性の点で感熱記録材料の有する条件を満たすものの、感度倍率が1.00と低く、高速度高感度な書き込み条件を満たしていない。このように、本発明の感熱記録材料に用いるアンダーコート層は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、架橋剤として金属錯体とから得られたものが好ましい。
(1)本発明の感熱記録材料は、合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上にアンダーコート層と感熱発色層とを有する感熱記録材料において、前記アンダーコート層は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体と、からなることを特徴とする、
(2)前記(1)において、前記アクリル樹脂のガラス転移点Tgが100℃以下、好ましくは90℃以下、さらに好ましくは60℃以下であること、
(3)前記(1)または(2)において、アクリル樹脂がアクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルを用いて得られること、好ましくはアクリルエマルジョンを用いて得られること、
(4)前記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記アクリル樹脂は酸価が10〜300mgKOH/gであること、好ましくは38〜200mgKOH/gであること。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかにおいて、固形分換算で、金属錯体は前記アクリル樹脂に対して3〜40重量%であること、好ましくは3〜8重量%であること。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記中空粒子の中空率が50〜98%であること、好ましくは60〜98%であること、
(7)前記(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記中空粒子の最大粒子径D100が2.0μm以上、20.0μm以下、好ましくは2.0μm以上、10.0μm以下であること、
(8)前記(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記中空粒子の添加量が前記アクリル樹脂に対し、20〜95重量%であること、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%であること、
(9)前記(1)〜(8)のいずれかにおいて、前記アンダーコート層の坪量が0.5〜5g/m2であること、好ましくは1〜4g/m2であること、
(10)前記(1)〜(9)のいずれかにおいて、さらに感熱発色層上に保護層を有すること、
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の感熱記録材料の製造方法であって、前記アンダーコート層を、酸価が10〜300mgKOH/gの前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルと、中空率が50〜98%である中空粒子と、金属錯体とを含む塗布液を調製し、合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上に塗布して得ること。
Claims (11)
- 合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上にアンダーコート層と感熱発色層とを有する感熱記録材料において、
前記アンダーコート層は、重合体からなる中空粒子と、アクリル樹脂と、金属錯体とを用いて形成されたことを特徴とする感熱記録材料。 - 前記アクリル樹脂はアクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルを用いたことを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
- 前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルのガラス転移点が100℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の感熱記録材料。
- 前記アクリル樹脂は、酸価が10〜300mgKOH/gの前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルを用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記金属錯体の添加量が前記アクリル樹脂に対し、固形分換算で3〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記中空粒子の中空率が50〜98%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記中空粒子の最大粒子径D100が2.0μm以上、20.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記中空粒子の添加量が前記アクリル樹脂に対し、固形分換算で30〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記アンダーコート層の坪量が0.5〜5g/m2であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記感熱発色層上に、さらに保護層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の感熱記録材料の製造方法であって、
前記アンダーコート層は酸価が10〜300mgKOH/gの前記アクリルエマルジョンまたは水溶性アクリルと、中空率が50〜98%である中空粒子と、金属錯体とを含む塗布液を調製し、合成紙又は合成樹脂フィルム支持体上に塗布して形成することを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
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