JP2002036725A - 感熱発色ラベル - Google Patents

感熱発色ラベル

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JP2002036725A
JP2002036725A JP2000232090A JP2000232090A JP2002036725A JP 2002036725 A JP2002036725 A JP 2002036725A JP 2000232090 A JP2000232090 A JP 2000232090A JP 2000232090 A JP2000232090 A JP 2000232090A JP 2002036725 A JP2002036725 A JP 2002036725A
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Japan
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label
heat
reflectance
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Application number
JP2000232090A
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English (en)
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Taizo Uchida
泰三 内田
Masahiko Yoshida
雅彦 吉田
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Osaka Sealing Printing Co Ltd
Original Assignee
Osaka Sealing Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型ラベルであっても透明および/または半
透明な部分から下層が見通すことができ、且つ、感熱発
色層を感熱発色させた後に、その表面にバーコード等が
感熱発色表示させてもスキャンすることができるように
した、感熱発色ラベルを得ることである。 【解決手段】 この発明に係る感熱発色ラベル10は、
基材12と、基材12の表面の少なくともその一部に形
成された透明および/または半透明な感熱発色層14
と、基材12の表面および/または裏面の少なくともそ
の一部に形成された隠ぺい層16と、接着剤層18とを
含み、隠ぺい層16の白色部の反射率が15%以上で、
隠ぺい層部分における(白色部の反射率−感熱発色層の
発色部の反射率)/白色部の反射率が0.4以上であ
る、感熱発色ラベルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感熱発色ラベル
に関し、特に、大きなラベルの表面から下部、たとえば
パックの包装フィルムに貼られたラベルの上からパック
の中に収納された中身が見えるようにした、バーコード
ラベルとして用いるに適する感熱発色ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の感熱発色記録ラベルは、表面から
感熱発色した感熱発色記録層が見え、たとえばバーコー
ド等を感熱発色記録することにより現され、食料品のパ
ックのフィルム等の表面にラベルとして貼られる等のよ
うにして用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
感熱発色記録ラベルにおいては、たとえば、生鮮食料品
のパックに貼られるラベルの場合、調味料、原材料、製
造者、賞味期限等多くの情報を表示する必要性がある。
ところが、情報を多く表示するためにはラベルの大きさ
が大型になるが、それが不透明なラベルであれば、その
中身が見えなくなって、購買時の購入者が鮮度等中身を
確かめながら購入できない。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、大
型ラベルであっても透明および/または半透明な部分か
ら下層が見通すことができ、且つ、感熱発色層を感熱発
色させた後に、その表面にバーコード等が感熱発色表示
させてもスキャンすることができるようにした、感熱発
色ラベルを得ることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の感熱発色ラベ
ルは、基材と、基材の表面の少なくともその一部に形成
された透明および/または半透明な感熱発色層と、基材
の表面および/または裏面の少なくともその一部に形成
された隠ぺい層と、接着剤層とを含み、隠ぺい層の白色
部の反射率が15%以上で、隠ぺい層部分における(白
色部の反射率−感熱発色層の発色部の反射率)/白色部
の反射率が0.4以上である、感熱発色ラベルである。
請求項2の感熱発色ラベルは、基材は、少なくともその
一部が透明性を有する、請求項1に記載の感熱発色ラベ
ルである。請求項3の感熱発色ラベルは、接着剤層は、
基材の裏面の少なくともその一部に形成され、透明性を
有する、請求項1または請求項2に記載の感熱発色ラベ
ルである。請求項4の感熱発色ラベルは、基材は、透明
なフィルムまたはシートもしくはフィルムまたはシート
状物からなる、請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の感熱発色ラベルである。請求項5の感熱発色ラベル
は、隠ぺい層は、アルミ粉が含まれた結着材を塗布して
なる、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の感熱
発色ラベルである。請求項6の感熱発色ラベルは、隠ぺ
い層は、チタンホワイトが含まれた結着材を塗布してな
る、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の感熱発
色ラベルである。請求項7の感熱発色ラベルは、隠ぺい
層は、蒸着層を含む、請求項1ないし請求項5のいずれ
かに記載の感熱発色ラベルである。請求項8の感熱発色
ラベルは、隠ぺい層が形成された部位以外において、基
材、感熱発色層および接着剤層のいずれの部分も透明お
よび/または半透明である、請求項1ないし請求項7の
いずれかに記載の感熱発色ラベルである。
【0006】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施の形態で
ある感熱発色ラベルの断面図解図である。
【0008】この感熱発色ラベル10は、方形の透明ま
たは半透明の基材12の表面に透明または半透明の感熱
発色層14が形成され、前記感熱発色層14の裏面にお
いて前記感熱発色層14が発色してなる情報、たとえば
バーコードをスキャンすることができるように、チタン
ホワイト、アルミ粉を含んだ結着材を塗布して白色ない
しグレー色となる隠ぺい層16が形成され、前記基材1
2の裏面には、この感熱発色ラベル10を物品に接着す
るための接着剤層18が形成されている。接着剤層18
の表面には、接着剤層18を保護し前記感熱発色ラベル
10を支持するための剥離シート20が仮着されてい
る。感熱発色層14の表面には、透明または半透明の保
護層22が形成されている。
【0009】隠ぺい層16部分における反射率は、隠ぺ
い層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい層部分に
おける(白色部の反射率−感熱発色層の発色部の反射
率)/白色部の反射率が0.4以上である。そして、隠
ぺい層16部分における反射率の変化は、隠ぺい層16
を形成する材料の変化、たとえばチタンホワイト、アル
ミペーストによって変化させたり、塗布量の厚みの変
化、たとえば5g/m2 ,3g/m2 ,1g/m2 と変
化させることによって、白地の濃度を変化させて反射率
を変えてもよく、あるいはまた感熱発色層14の材料の
塗布量を変化させることによって反射率を変化させても
よい。
【0010】基材12は、ポリエチレン等の透明なフィ
ルムまたはシートもしくはフィルムまたはシート状物か
らなる。
【0011】本発明の感熱発色ラベル10の基材12
は、目的、用途に応じて、透明支持体、紙等の半透明支
持体の双方が用いられるが、本発明の目的の一つである
透明な感熱発色ラベルを得るためには透明支持体を選択
する。透明支持体の表面に、それぞれ相異なる色相に発
色する感熱発色層14を設けることにより、多色化も容
易となる。ここで言う透明支持体とは、ポリエチレンテ
レフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステルのフイルム、三酢酸セルロースフィルム等のセル
ロース誘導体のフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリエチレン等のポリ才レフィン
のフィルム等があり、これらを単体で或は貼り合わせて
用いることができる。透明支持体の厚みとしては20〜
200μのものが用いられ、特に50〜100μのもの
が好ましい。そして、これらの中から選択される材料と
して、透明性を有するものが選択される必要性がある。
感熱発色層14との間には接着層を設けることが好まし
い。接着層の材料としては、アクリル樹脂、飽和ポリエ
ステル樹脂、及びこれらを硬化した樹脂が用いられる。
【0012】感熱発色層14としては、周知の感熱記録
剤をコーティングして形成されている。すなわち、この
感熱発色層14を形成するためには、発色剤、顕色剤お
よび結着剤などを含む溶液を基材12の表面に塗布して
乾燥させることにより形成される。また、感熱発色層1
4の材料となる混合物には、必要に応じて顔料、ワック
ス類、消泡剤などの添加剤、感熱発色層14に任意の着
色を行うための嗔料や、感熱発色層14の熱に対する感
度を高めるための増感剤や、保存性を向上させるための
安定剤などを添加してもよい。さらに、感熱発色層14
の材料となる混合物には、その混合物中の結着剤を架橋
させるための架橋剤や、滑剤などを添加してもよい。ま
た、保存安定性の向上、さらに、サーマルヘッドに対す
るスティッキング防止のために、保護層22を設けても
よい。
【0013】透明な支持体上に形成される感熱発色層1
4としては、次のものが考えられる。無色ないしは淡色
の塩基性染料と呈色剤を含有する感熱発色層14、およ
び水性樹脂と顔料を主成分として含有する保護層22を
順次設け、保護層22中に、保護層22の全固形量に対
して3〜20重量%のエポキシ変性シリコーンオイルと
3〜30重量%の水酸化アルミニウムを含有させること
により、透明な感熱発色層14を形成する。
【0014】この感熱発色層14におけるエポキシ変性
シリコーンオイルはトリメチルシリル基等の低級アルキ
ルシリル基を有するシリコーン化合物の末端、或いは側
鎖にエポキシ基が導入されたシリコーンオイルを乳化剤
等によりエマルジョン化されたものが使用される。エポ
キシ変性シリコーンオイルのエマルジョンは、例えばカ
ルボキル基、アミノ基、メタクリル基、ポリエーテル基
等で変性されたシリコーンオイルのエマルジョンに比
べ、塗布面へのバーザイ(塗液が支持体上で弾いた状
態)の発生が少なく、その結果、均一な塗布面が得られ
る。
【0015】また、エポキシ変性シリコーンオイルのエ
マルジョンと顔料として特定量の水酸化アルミニウムと
併用することにより、バーザイの発生と透明性の低下が
極めて少なく、しかもオイルの染み出しが少なくなる効
果が得られる。かかる水酸化アルミニウムの平均粒子径
としては、2μm以下が望ましい。更に、本発明の所望
の効果を損なわない限りにおいて、炭酸カルシウム、酸
化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、タルク、カオ
リン、コロイダルシリカ等の顔料を併用することも可能
である。
【0016】保護層22に使用される水性樹脂の具体例
としては、例えば酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変
性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、
メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、完全(又は不完全)鹸化ポリビニルアルコ
ール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトア
セチル化ポリビニルアルコール、珪素変成ポリビニルア
ルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル
酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マ
レイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレ
イン酸共重合体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分
子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、
スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン
・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックスが挙
げられる。これらの内でも、耐スティッキング、記録像
の保存性に優れた効果を発揮する完全(又は不完全)鹸
化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルア
ルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコー
ル、珪素変成ポリビニルアルコールが好ましい。とりわ
け、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールが耐水
性とエポキシ変性シリコーンオイルの染み出しを抑制す
る効果に優れ好ましい。保護層22中の水性樹脂の使用
量としては保護層22の全固形量に対して30〜90重
量%の範囲で調節するのが望ましい。
【0017】この感熱発色層14で使用される無色ない
し淡色の塩基性染料としては、各種公知のものを使用す
ることができ、かかる具体例としては、例えば下記が例
示される。3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフ
ェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−
3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレッ
トラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−
トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メ
チル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリ
フルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノー6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシル
アミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N
−ヘキシル)アミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン等。勿論、かかる塩基性染料は二種
以上を併用することも可能である。
【0018】また、ロイコ染料と組合せて使用される呈
色剤も各種の化合物が公知であり、例えば4−クミルフ
ェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,
4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’
−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチ
ルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニ
ル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−3’,4’−テトラメチレンビフェニルスルホ
ン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホ
ン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,
N’−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、4,4’−ビ
ス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジ
フェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキ
シ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−{3−(p−トリ
ルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−
〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミ
ル〕サリチル酸亜鉛等が挙げられる。なお、これらの呈
色剤は勿論必要に応じて2種以上を併用することができ
る。
【0019】かかる塗液中には、通常バインダーとして
デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼ
イン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、スチレン
・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・ア
クリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸
共重合体のアルカリ塩、天然ゴム系エマルジョン、スチ
レン・ブタジエン共重合体エマルジョン、アクリロニト
リル・ブタジエン共重合体エマルジョン、メチルメタク
リレート・ブタジエン共重合体エマルジョン、ポリクロ
ロプレンエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、エチ
レン・酢酸ビニルエマルジョン等が感熱発色層14の全
固形分の5〜20重量%程度添加される。
【0020】また、別の感熱発色層としては、次のもの
が考えられる。すなわち、透明支持体上に、少なくとも
発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含有す
る感熱発色層であって、前記マイクロカプセルが、発色
剤を水に難溶または不溶の有機溶剤に溶解させ内包した
ものであり、顕色剤が、少なくとも1種の高分子結着剤
と混合された微粒子の状態で存在するものである。
【0021】この感熱発色層における結着剤は、有機高
分子、あるいはワックスであることが好ましい。また、
この感熱発色層の透明度について言えば、ヘイズ率で20
%以下であることが好ましい。
【0022】この感熱発色層の発色剤としては、ラクト
ン、ラクタム、サルトン、スピロピラン等の部分骨格を
有するキサンテン、スピロピラン、ラクトン、フルオラ
ン、サルトン系等のロイコ染料が用いられ、特に、フル
オラン系ロイコ染料が好ましいがこれらに限定されるも
のではない。
【0023】ここで、有機溶剤に溶解した発色剤をポリ
マーよりなる壁物質で覆い、マイクロカプセル化するこ
とにより、発色剤の保存性を向上させることが可能とな
る。壁物質としては、一般に知られている樹脂、例え
ば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、天然樹脂等
が挙げられ、これらを単独、あるいは、混合して使用す
ることが可能である。本発明では、特に、ポリウレタ
ン、およびポリウレアが好ましい。
【0024】この感熱発色層の顕色剤としては、前記発
色剤を熱印加時に発色させるものであれば、公知のもの
を適宜使用することができる。たとえば、フェノール化
合物、トリフェニルメタン系化合物、含硫フェノール性
化合物、スルホン系化合物、カルボン酸系化合物等が挙
げられる。特に、融点が200℃以下のものが好まし
く、これらを単独、あるいは混合して用いることが可能
である。
【0025】結着剤としては、一般に知られている樹
脂、たとえば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポ
リスチレン、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、セルロースエーテル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボ
ネート、天然樹脂等、あるいは、パラフィンワックス、
カルナバワックス、ポリエチレンワックス等が挙げら
れ、これらを単独、あるいは、混合して使用することが
可能である。
【0026】バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ポリビニルピロリドン等の樹脂、あるいは、スチレン−
ブタジエンラテックス、ポリアクリル酸エステル等の合
成樹脂エマルジョン等を単独、あるいは混合して用いる
ことができる。
【0027】また、別の感熱発色層としては、次のもの
が考えられる。すなわち、透明支持体上に、電子供与性
呈色性化合物、電子受容性化合物及びバインダー樹脂を
主成分とする感熱発色層であって、更に該感熱発色層上
に、保護層を設け、該感熱発色層と該保護層の屈折率が
同一とする感熱発色層を形成する。特に、前記透明支持
体の屈折率が、感熱発色層と保護層の屈折率とほぼ同一
とする、前記バインダー樹脂の常温での屈折率、および
前記保護層を構成する樹脂の常温での屈折率が、1.4
5〜1.60とする、前記電子受容性化合物が、有機リ
ン化合物とする感熱発色層とする。前記電子受容性化合
物の平均粒子径が、10μm以下であるとする。前記バ
インダー樹脂が、分子内に水酸基を有する樹脂とする。
前記感熱発色層中および/または保護層中に、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の消光剤、
およびスーパーオキシドアニオンの消光剤から選ばれる
光安定剤の1種または2種以上を含有させる。また、前
記保護層が、紫外線または電子線硬化性樹脂からなり、
かつ該保護層中に滑性添加剤を含有させる。
【0028】すなわち、透明支持体上に、電子供与性呈
色性化合物、電子受容性化合物およびバインダー樹脂か
らなる感熱発色層、さらにその上に保護層を設けて、各
層、或いは各層と該支持体の屈折率を、好ましくは常温
での屈折率を1.45〜1.60とすることにより、前
記目的を達成しうること、さらに、感熱発色層および/
または保護層中に耐光性を増すために各種光安定化剤の
一種または二種以上を含有させてもよく、また、保護層
中に滑性添加剤を含有させたことにより、サーマルヘッ
ドとの接触で生ずるスティッキングなどの問題をなく
し、ヘッドマッチング性に優れた感熱発色層とすること
もよい。
【0029】この感熱発色層に用いられる発色剤は、そ
れ自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定
されず、従来公知のもの、たとえば、トリフェニルメタ
ンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチア
ジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミン
ラクタム系化合物、スピロピラン系化合物、インドリノ
フタリド系化合物等である。
【0030】この感熱発色層に用いられる発色剤を発色
させる顕色剤としては、一般的な溶剤に対して不溶また
は難溶性のフェノール性化合物及び有機リン酸化合物が
好ましく、たとえばフェノール性化合物の具体例として
は、没食子酸化合物、プロトカテキュ酸化合物、ビス
(ヒドロキシフェニル)酢酸等が挙げられ、また有機リ
ン酸化合物の具体例としては、アルキルホスホン酸化合
物、α−ヒドロキシアルキルホスホン酸等が挙げられ
る、これらの内、有機リン酸化合物が地肌かぶり、熱感
度の点で優れている。
【0031】この感熱発色層に用いるバインダー樹脂と
しては、常温での屈折率が1.45〜1.60の範囲が
好ましく、たとえばフェノール樹脂(1.50〜1.6
0)、ユリア樹脂(1.54〜1.56)、エポキシ樹
脂(1.55〜1.61)、ポリエステル樹脂(1.5
2〜1.57)、ポリ塩化ビニル樹脂(1.52〜1.
55)、ポリスチレン(1.59〜1.60)、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体(1.56〜1.5
7)、アクリル樹脂(1.45〜1.60)、ポリカー
ボネート(1.58〜1.59)、ポリアセタール
(1.48〜1.50)、ポリアミド(1.52〜1.
53)、ポリウレタン(1.50〜1.60)、アルキ
ルセルロース(1.46〜1.55)、セルロースアセ
テート(1.46〜1.50)、セルロースアセテート
ブチレート(1.46〜1.49)、セルロースアセテ
ートプロピオネート(1.46〜1.50)、ニトロセ
ルロース(1.49〜1.51)等が挙げられる。さら
に好ましくは分子内に水酸基を含有するものであり、た
とえばポリビニルブチラール(1.48〜1.49)、
ポリビニルアセタール(1.50)、エポキシ樹脂
(1.55〜1.61)、エチルセルロース(1.46
〜1.49)、セルロースアセテート(1.46〜1.
50)、セルロースアセテートブチレート(1.46〜
1.49)、セルロースアセテートプロビオネート
(1.46〜1.49)、ニトロセルロース(1.49
〜1.51)等が挙げられる。
【0032】また透明支持体は、常温での屈折率が1.
45〜1.60の範囲のものが好ましい。たとえば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセ
ルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム
或いは、これらを貼り合わせた透明支持体を使用するの
が一般的である。感熱発色層との間には接着層を設ける
ことが好ましい。接着層の材料としては、アクリル樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、およびこれらを硬化した樹
脂が用いられる。
【0033】また保護層を構成する樹脂としては、感熱
発色層を構成するバインダー樹脂と同一の屈折率を有す
る樹脂を用いる。ここで屈折率が同一であるとは、実質
的に同一であることを意味し、±5%程度相違する場合
も含むものである。その屈折率は常温で1.45〜1.
60の樹脂が好ましい。このような樹脂としては、水溶
性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂および紫外
線硬化性樹脂さらに電子線硬化性樹脂等が包含される。
水溶性樹脂の具体例としては、たとえば、ポリビニルア
ルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導
体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビ
ニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリ
ルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロッ
ク共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。水性エマルジョ
ン用の樹脂または疎水性樹脂としては、たとえば、ポリ
酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重
合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル、
酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは、
単独もしくは混合して使用され、さらに必要に応じては
硬化剤を添加して樹脂を硬化させても良い。
【0034】また、別の感熱発色層としては、次のもの
が考えられる。この感熱発色層は、支持体上に、無色ま
たは淡色の電子供与性染料前駆体と、顕色剤とを含む塗
布液により少なくとも一層形成され、且つ少なくとも一
層の保護層が形成され、該無色または淡色の電子供与性
染料前駆体が、酸性水溶液に可溶性であり、アルカリ性
物質の存在下で不溶化する熱可塑性樹脂を壁材とするマ
イクロカプセルに内包されている。
【0035】また、この感熱発色層に含まれるマイクロ
カプセルの粒径を2μm以下とすることが好ましく、こ
れにより感熱記録材料を、そのヘイズ値が55%以下の
透明性に優れたものとすることができる。この感熱記録
材料においては、前記顕色剤は、固体分散物或いは乳化
分散物として含有され、また、感熱発色層中には3種の
顕色剤が含まれ、それらのうち、少なくとも1種が水溶
性顕色剤であり、別の少なくとも1種がアモルファス性
状を有する顕色剤である。
【0036】この感熱発色層の好ましい態様として、少
なくとも3種類の顕色剤を組み合わせることにより、良
好な透明性が達成できる作用機構は明確ではないが、水
溶性の顕色剤が一部可溶化して不溶性の固体粒子状顕色
剤を被覆することによりバインダーと同様に固体粒子周
囲の空隙をうめる機能を果たし、一方、アモルファス性
状を有する顕色剤が結晶析出を効果的に防止し、これら
の顕色剤の相互作用により、顕色剤の分散工程におい
て、分散装置中で加熱され、ストックタンク中で再度温
度が低下するといったような外的影響によりて発生す
る、結晶化などの塗膜の不均一化を防止し、顕色剤固体
分散液の透明性とその安定化機能を果たすものと考えら
れる。
【0037】さらに、前記壁材を用いたマイクロカプセ
ル化方法では、低沸点の補助溶剤である酢酸エチルなど
の気化し易い溶媒を必ずしも必要としないため、減圧に
より気化した溶剤を吸引する工程が不要となる。また、
溶解性等の観点から、酢酸エチルを少量使用した場合で
もその気化の影響を無視できる程度の使用に止めても、
マイクロカプセル化の工程に問題はなく、得られたマイ
クロカプセルの特性が低下することはない。さらに、こ
の感熱発色層のマイクロカプセル壁材のポリマーは、重
合反応過程における炭酸ガス等の気体の発生がなく、仕
込み時の液量が反応の終了時まで変化することがなく、
従来のポリマーのマイクロカプセル化反応装置に比較し
て小型の反応装置が使用できるという利点を有する。
【0038】まず、顕色剤と接触して着色物を与えるマ
イクロカプセルに内包される無色または淡色の電子供与
性染料前駆体についてのべる。電子供与性染料前駆体と
しては、電子を供与して、または酸等のプロトンを受容
して発色する公知の化合物の中から無色又は単色の物を
適宜選択する。このような化合物は、ラクトン、ラクタ
ム、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有
し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開環もしくは
開裂するものであり、好ましい化合物としては、例えば
トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合
物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピ
ラン系化合物等を挙げることができる。
【0039】マイクロカプセルの壁材としては、酸性水
溶液に可溶であり、アルカリ性物質により水不溶化する
熱可塑性樹脂(以下、適宜、酸可溶性ポリマーと称す
る)を用いるが、この熱可塑性樹脂はpH2〜4の範囲の
酸性水溶液には可溶であり、pH6以上の条件では不溶化
する樹脂材料を指し、具体的には、例えば、カチオン性
単量体の少なくとも1種およびそれと重合可能な単量体
の少なくとも1種との共重合体を挙げることができる。
カチオン性単量体としては、たとえばアクリル酸あるい
はメタクリル酸のモノまたはジメチルアミノエチルエス
テル、モノまたはジエチルアミノエチルエステル、モノ
またはジ−n−プロピルアミノエチルエステル、t−ブ
チルアミノエチルエステル、モノまたはジ−シクロヘキ
シルアミノエチルエステル、ピペリジノエチルエステル
またはこれらの酸塩などが挙げられ、ポリマーの構成単
位としてこれらより選択される少なくとも一種を含む。
また、前記カチオン性単量体と重合可能な単量体として
は、たとえば、アクリル酸又はメタアクリル酸、アクリ
ル酸又はメタアクリル酸のアルキルエステル類、メタア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸スルホプロ
ピルNa塩、ポリプロピレングリコールモノメタクリレ
ート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられ、ポリ
マーの構成単位としてこれらより選択される少なくとも
一種を含む。
【0040】ここで、感熱発色層に含まれる顕色剤は、
感熱発色層には、粒子径が0.3〜0.5μmの固体粒
子状の顕色剤と水溶性高分子とを含有することが好まし
いが、さらに、少なくとも3種類の顕色剤を含有し、こ
の2種類の顕色剤のうち、少なくとも1種が水溶性顕色
剤であり、別の少なくとも1種がアモルファス性状を有
する顕色剤であることが好ましい。これらの他に含まれ
る顕色剤としては、ビスフェノール系顕色剤、モノフェ
ノール系顕色剤等の公知の顕色剤が挙げられる。
【0041】この感熱発色層は適当なバインダーを用い
て塗工することができる。バインダーとしては、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビヤ
ゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ス
チレンブタジエンラテックス、アクリロニトリルーブタ
ジエンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エ
ステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマル
ジョンを用いることができる。使用量は固形分として
0.5〜5g/m2 である。感熱発色層の塗布量は2.
5〜25g/m2が好ましい。
【0042】感熱発色層の上に保護層を設けるが、この
保護層に用いるポリマーの具体例としては、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、澱粉類、ゼラチン、アラビヤゴム、カゼ
イン、スチレン−無水マレイン酸共重合体水分解物、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体ハーフエステル川水分
解物、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニル
ピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、アル
ギン酸ナトリウム等の水溶性高分子及びスチレン−ブタ
ジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラ
テックス、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等の水不溶性ポ
リマー等が挙げられる。
【0043】隠ぺい層16としては、結着剤中にチタン
ホワイトまたはアルミ粉を混ぜたものをコーティングし
てなる。また、隠ぺい層16は1層ではなく、より隠ぺ
い性を増すためにたとえば結着剤中にチタンホワイトを
混ぜたものをまず感熱発色層14の表面に塗布し、その
表面にさらにアルミ粉を結着剤中に混ぜたものをコーテ
ィングした2層構造あるいはそれ以上の層を有するよう
に形成してもよい。
【0044】隠ぺい層16の結着剤としては、つぎのも
のが選択できる。酸化でんぷん、エステル価でんぷん等
のでんぷん類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルエチルセルロール等のセルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリ
ドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレンー
アクリル樹脂およびその誘導体、スチレンブタジエンラ
テックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジ
ョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョ
ン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョンおよび
これらの誘導体。
【0045】また、隠ぺい層16として、たとえばアル
ミ蒸着層をもって構成してもよい。その場合には、隠ぺ
い層16を保護し、スティッキングを防止するために、
結着剤、充填剤および滑剤を混合したオーバーコート剤
をコーティングしてオーバーコート層を形成する方がよ
い。なお、アルミ蒸着層の下層、すなわち、感熱発色層
14の表面にまず下地層を形成した後アルミニウム真空
蒸着を行ってアルミ蒸着層を形成する方がアルミ蒸着を
より適性に行うことができる。下地層としては、前記結
着剤の1種類または2種類以上を選択し、コーティング
して形成すればよい。また、場合によっては下地層を形
成する結着剤に充填剤および架橋剤などの添加剤を併用
してもよいが、これらに限定されるものではない。
【0046】隠ぺい層16部分における反射率は、隠ぺ
い層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい層部分に
おける(白色部の反射率−感熱発色層の発色部の反射
率)/白色部の反射率が0.4以上である。そして、隠
ぺい層16部分における反射率の変化は、隠ぺい層16
を形成する材料の変化、たとえばチタンホワイト、アル
ミペーストによって変化させたり、塗布量の厚みの変
化、たとえば5g/m2 ,3g/m2 ,1g/m2 と変
化させることによって、白地の濃度を変化させて反射率
を変えてもよく、あるいはまた感熱発色層14の材料の
塗布量を変化させることによって反射率を変化させても
よい。そして、基材として各用紙を用いて、感熱発色層
14および隠ぺい層16を形成し、感熱発色層14を感
熱発色させて隠ぺい層16部分における反射率をみると
表1のようになった。
【0047】
【表1】
【0048】保護層22としては、結着剤中にスティッ
キング防止及び捺印適性を持たせる為に、吸油量が10
ml/100g以上、好ましくは30ml/100g以
上の充填剤を10%以上好ましくは30%以上充填し、
スティッキング及び圧力発色防止の為滑剤を添加してな
るオーバーコート剤をコーティングして形成する方法が
ある。オーバーコート剤には、必要に応じて架橋剤、分
散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの種々添加剤を添
加してもよい。塗布量は0.1〜10g/m2 であり、
好ましくは0.5〜6g/m2 を塗布するとよい。
【0049】結着剤としては、たとえば次の一種類又は
二種類以上選択して用いることができるが、これらに限
定されるものでない。ポリビニルアルコール、セルロー
ス、メチルセルロース、デンプン及びその誘導体、カゼ
イン、ポリアクリルエマルジョン、ポリアクリル酸エス
テル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、
スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/アクリ
ル酸共重合体等の水溶性樹脂及び水溶性エマルジョン樹
脂。
【0050】充填剤としては、吸油量10ml/100
g以上、好ましくは30ml/100g以上、次の一種
類又は二種類以上を選択して用いることができるが、こ
れらに限定されるものでない。炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカー
ボン、タルク、クレー、カオリン、アルミナ、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミ、硫酸バ
リウム、酸化チタン、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマ
リン樹脂。
【0051】滑剤としては、次の一種類又は二種類以上
選択して用いることができるが、これらに限定されるも
のでない。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カル
ナバロウ、エステルワックス。
【0052】接着剤層18としては、合成ゴムまたはア
クリル酸エステル共重合体などの合成樹脂を主剤とする
粘着剤を塗布してなる。ただし、粘着剤は適宜なものを
選択すればよく、また、必ずしも粘着剤でなくてもよ
く、透明性を有し且つこの感熱発色ラベル10を他物に
接着することができるものであれば、他の接着剤や両面
接着テープ等のような他に接着することができるものを
選択してもよい。
【0053】剥離シート20としては、紙の表面にシリ
コン等の剥離剤を塗布してなるものを選択すればよい。
【0054】この感熱発色ラベル10においては、隠ぺ
い層16が形成された部位以外において、基材12、感
熱発色層14および接着剤層18のいずれの部分も透明
および/または半透明である。
【0055】感熱発色ラベル10は、実際には、平面方
形のラベル状に形成し、剥離シート20に適宜な間隔を
おいて連続して仮着したものとして用いるが、バーコー
ド、調味料、原材料、製造者、賞味期限等をあらわして
生鮮食料品のパックの包装フィルムの表面に貼り付ける
ときなどには便利である。なお、感熱発色層14を感熱
発色する場合には、保護層22側表面よりサーマルヘッ
ドで感熱発色するような感熱発色記録装置を用いて感熱
発色させればよい。
【0056】そして、サーマルヘッドをもって感熱発色
層14を発色して、たとえばバーコード等のような情報
を感熱発色表示しても、この感熱発色表示された情報は
その裏面に隠ぺい層16が存在するので、目視あるいは
スキャナーで正確にスキャンすることができる。
【0057】〔実施例1〕基材を構成するポリエチレン
フィルムの一部に、次の材料を以下の配合量でディスパ
ー(攪拌羽根)にて混合してなるものを5g/m2 塗布
し乾燥させて隠ぺい層を形成した。 (材 料)(化学名または俗名) (固形分配合比) 結着剤:酢酸ビニルエマルジョン 40 滑 剤:ポリエチレンワックスエマルジョン 15 (商品名:三井化学製 W−300) 隠ぺい剤:水性アルミペースト 45 その後に、基材を構成するポリエチレンフィルムの全面
に下記の感熱記録剤をボールミルで粒子径0.8μmま
で粉砕分散した塗工液を塗布、乾燥して透明な感熱発色
層を形成した。 感熱記録剤: 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 5部 オクタデシルホスホン酸 10部 微粉末シリカ 20部 ステアリン酸亜鉛 1.5部 ポリビニルブチラール 3部 ポリアセタール 7部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 50部 その後、バーコードを感熱発色層に感熱発色させたとこ
ろ、隠ぺい層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい
層部分における(白色部の反射率−感熱発色層の発色部
の反射率)/白色部の反射率が0.4以上であって、表
面からは感熱発色層の情報を目視することもまたスキャ
ナー( SYMBOL TECH.ING.,製 LASERCHEK II)でスキ
ャンすることもできた。
【0058】〔実施例2〕基材を構成するポリエチレン
フィルムの一部に、次の材料を以下の配合量でディスパ
ー(攪拌羽根)にて混合してなるものを6g/m2 塗布
し乾燥させて隠ぺい層を形成した。 (材 料)(化学名または俗名) (固形分配合比) 結着剤:アクリルエマルジョン 45 架橋剤:炭酸ジルコニウムアンモニウム 5 (商品名:第一希元素化学工業製 AC−7) 充填剤:コロイダルシリカ 5 (商品名:日産化学工業製 スノーテックスN) 隠ぺい剤:チタンホワイト 30 (商品名:テイカ製 JR−600A) その後に、基材を構成するポリエチレンフィルムの全面
に下記の感熱記録剤をボールミルで粒子径0.8μmま
で粉砕分散した塗工液を塗布、乾燥して透明な感熱発色
層を形成した。 感熱記録剤: 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 5部 オクタデシルホスホン酸 10部 微粉末シリカ 20部 ステアリン酸亜鉛 1.5部 ポリビニルブチラール 3部 ポリアセタール 7部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 50部 その後、バーコードを感熱発色層に感熱発色させたとこ
ろ、隠ぺい層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい
層部分における(白色部の反射率−感熱発色層の発色部
の反射率)/白色部の反射率が0.4以上であって、表
面からは感熱発色層の情報を目視することもまたスキャ
ナー( SYMBOL TECH.ING.,製 LASERCHEK II)でスキ
ャンすることもできた。
【0059】〔実施例3〕基材を構成するポリエチレン
フィルムの一部に、アルミニウムの真空蒸着を行い、隠
ぺい層を形成した。その後に、基材を構成するポリエチ
レンフィルムの全面に、アクリルエマルジョンを下地層
として3g/m2 塗布し乾燥させて形成した。次に、基
材を構成するポリエチレンフィルムの全面に、下記の感
熱記録剤を塗布、乾燥して透明な感熱発色層を形成し
た。 感熱記録剤:A液とB液を混合、攪拌し感熱塗布液とし
た。 A液:クリスタルバイオレットラクトン 20部、タケ
ネートD−11ON60部を、ジクロロメタン 50
部、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニ
ルメタン 50部に溶解し、10%ポリビニルアルコー
ル水溶液 200部中に超高速ホモジナイザーで100
00rpmで5分間乳化後、水を100部加え、50℃
で4時間反応を行い、発色内包マイクロカプセル液を得
た。この液をA液とする。 B液:ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン 10部、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 1
0部、ポリメタクリル酸メチル10部を、ジクロロメタ
ン 50部に溶解し、5%ポリビニルアルコール水溶液
100部中に超高速ホモジナイザーで9000rpm
で5分間乳化後、40℃で5時間反応を行い、顕色剤と
結着剤の混合液を得た。この液をB液とする。さらに、
次の材料を以下の配合量でディスパー(攪拌羽根)にて
混合してなるオーバーコート剤を3g/m2 塗布し乾燥
させて、トップコート層を形成した。 (材 料)(化学名または俗名) (配合量) 結着剤:アクリルエマルジョン 26.79重量% (商品名:三井化学製ボンロン) 架橋剤:ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂 3.21重量% (商品名:三井化学製ボンロン架橋剤) 充填剤:二酸化ケイ素(吸油量:145ml/100g) 50.00重量% (商品名:水沢化学製ミズカシル) 滑 剤:ポリエチレンワックス 15.00重量% 滑 剤:パラフィンワックス 5.00重量% その後、バーコードを感熱発色層に感熱発色させたとこ
ろ、隠ぺい層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい
層部分における(白色部の反射率−感熱発色層の発色部
の反射率)/白色部の反射率が0.4以上であって、表
面からは感熱発色層の情報を目視することもまたスキャ
ナー( SYMBOL TECH.ING.,製 LASERCHEK II)でスキ
ャンすることもできた。
【0060】〔実施例4〕基材を構成するポリエチレン
フィルムの一部に、アルミニウム真空蒸着を行い、アル
ミ蒸着層を形成した。その後に、基材を構成するポリエ
チレンフィルムの全面に、アクリルエマルジョンを下地
層として3g/m2 塗布し乾燥させて形成した。次に、
基材を構成するポリエチレンフィルムの全面に、下記の
感熱記録剤をボールミルで粒子径0.8μmまで粉砕分
散した塗工液を塗布、乾燥して透明な感熱発色層を形成
した。 感熱記録剤: 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 5部 オクタデシルホスホン酸 10部 ポリビニルブチラール 3部 ポリアセタール 7部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 50部 さらに、次の材料を以下の配合量でディスパー(攪拌羽
根)にて混合してなるオーバーコート剤を3g/m2
布し乾燥させて、トップコート層を形成した。 (材 料)(化学名または俗名) (配合量) 結着剤:アクリルエマルジョン 26.79重量% (商品名:三井化学製ボンロン) 架橋剤:ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂 3.21重量% (商品名:三井化学製ボンロン架橋剤) 充填剤:タルク(吸油量:40ml/100g) 40.00重量% 滑 剤:ポリエチレンワックス 30.00重量% その後、バーコードを感熱発色層に感熱発色させたとこ
ろ、隠ぺい層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい
層部分における(白色部の反射率−感熱発色層の発色部
の反射率)/白色部の反射率が0.4以上であって、表
面からは感熱発色層の情報を目視することもまたスキャ
ナー( SYMBOL TECH.ING.,製 LASERCHEK II)でスキ
ャンすることもできた。
【0061】
【発明の効果】この発明にかかる感熱発色ラベルによれ
ば、少なくともその一部が透明性を有する基材と、基材
の表面の少なくともその一部に形成された透明および/
または半透明な感熱発色層と、基材の表面および/また
は裏面の少なくともその一部に形成された隠ぺい層と、
基材の裏面の少なくともその一部に形成された透明性を
有する接着剤層とを含むため、大型ラベルであっても透
明および/または半透明な部分から下層が見通すことが
でき、且つ、感熱発色層を感熱発色させた後に、その表
面にバーコード等が感熱発色表示させてもスキャンする
ことができるようにした、感熱発色ラベルを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態である感熱発色ラベルの
断面図解図である。
【図2】図1図示の感熱発色ラベルの使用した状態を示
す斜視図解図である。
【符号の説明】
10 感熱発色ラベル 12 基材 14 感熱発色層 16 隠ぺい層 18 接着剤層 20 剥離シート 22 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/18 H 101F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、 前記基材の表面の少なくともその一部に形成された透明
    および/または半透明な感熱発色層と、 前記基材の表面および/または裏面の少なくともその一
    部に形成された隠ぺい層と、 接着剤層とを含み、 隠ぺい層の白色部の反射率が15%以上で、隠ぺい層部
    分における(白色部の反射率−感熱発色層の発色部の反
    射率)/白色部の反射率が0.4以上である、感熱発色
    ラベル。
  2. 【請求項2】 前記基材は、少なくともその一部が透明
    性を有する、請求項1に記載の感熱発色ラベル。
  3. 【請求項3】 前記接着剤層は、前記基材の裏面の少な
    くともその一部に形成され、透明性を有する、請求項1
    または請求項2に記載の感熱発色ラベル。
  4. 【請求項4】 前記基材は、透明なフィルムまたはシー
    トもしくはフィルムまたはシート状物からなる、請求項
    1ないし請求項3のいずれかに記載の感熱発色ラベル。
  5. 【請求項5】 前記隠ぺい層は、アルミ粉が含まれた結
    着材を塗布してなる、請求項1ないし請求項4いずれか
    に記載の感熱発色ラベル。
  6. 【請求項6】 前記隠ぺい層は、チタンホワイトが含ま
    れた結着材を塗布してなる、請求項1ないし請求項4い
    ずれかに記載の感熱発色ラベル。
  7. 【請求項7】 前記隠ぺい層は、蒸着層を含む、請求項
    1ないし請求項5のいずれかに記載の感熱発色ラベル。
  8. 【請求項8】 前記隠ぺい層が形成された部位以外にお
    いて、基材、感熱発色層および接着剤層のいずれの部分
    も透明および/または半透明である、請求項1ないし請
    求項7のいずれかに記載の感熱発色ラベル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009023237A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料およびその製造方法
EP4063137A4 (en) * 2019-11-26 2022-12-07 Osaka Sealing Printing Co., Ltd. THERMOSENSITIVE RECORD BODY

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