JP4878966B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料 Download PDF

Info

Publication number
JP4878966B2
JP4878966B2 JP2006239631A JP2006239631A JP4878966B2 JP 4878966 B2 JP4878966 B2 JP 4878966B2 JP 2006239631 A JP2006239631 A JP 2006239631A JP 2006239631 A JP2006239631 A JP 2006239631A JP 4878966 B2 JP4878966 B2 JP 4878966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sensitive recording
layer
recording material
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006239631A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008062404A (ja
Inventor
毅 梶河
将史 雲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2006239631A priority Critical patent/JP4878966B2/ja
Publication of JP2008062404A publication Critical patent/JP2008062404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4878966B2 publication Critical patent/JP4878966B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

本発明は感熱記録材料に関し、耐水はがれに優れ、且つ高感度で生産性の高い感熱記録材料に関するものである。
近年、情報の多様化やニーズの拡大に伴い、情報記録分野に於いて各種の記録材料が研究・開発され実用化されているが、なかでも感熱記録材料は(1)加熱プロセスのみによる簡易な画像の記録が可能なこと、(2)必要な装置のメカニズムが簡単でコンパクト化が容易になり記録材料が取扱易く安価であることなどの利点を有するので情報処理分野(卓上計算機、コンピュータ等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高速ファクシミリ分野、自動券売機分野、(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、P0Sシステムのラベル分野等多岐にわたり用いられている。
これらの記録材料としては、速やかに高濃度に発色し、発色した画像および地肌の堅牢性の高いものが要望されている。さらに近年ではラベル等記録画像の信頼性の重視される分野で多量に使用されるようになり、厳しい環境下での使用用途が広がってきている。また、基材として、紙だけでなく、熱収縮性支持体(合成紙)も使用することにより、水に接触しても塗布層のハガレが発生しなしこと、包装に使用される有機高分子材料に含まれる可塑剤や油脂類等に対して保存安定性の高いものが要望されている。
特に、合成紙は水に対し耐久性が高いことから耐水ハガレ性に優れ、且つ高濃度に発色する感熱記録紙の要求は高い。
感熱記録材料は、通常、紙又は合成樹脂フィルム等の支持体上に加熱によって発色反応を起こしうる発色成分含有の感熱発色性液を塗布・乾燥することにより製造されており、このようにして得られた感熱記録材料は、熱ペン又はサーマルヘッドで加熱することにより発色画像が記録される。このような感熱記録材料の従来例としては、例えば特許文献1(特開昭43−4160号公報)又は特許文献2(特公昭45−14039号公報)に開示の感熱記録材料が挙げられるが、このような従来の感熱記録材料は、例えば熱応答性が低く、高速記録の際十分な発色濃度が得られなかった。
かかる欠点を改善する方法として、特許文献3(特開2003−80846号公報)では中空率が60%以上98%以下であり、最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が1.5〜3.0である中空樹脂粒子を用いることにより高感度な感熱記録紙が得られることが提案されている。
また、特許文献4(特開2003−283717号公報)ではオーバーコート層の結着樹脂が、反応型カルボニル基を含むポリビニールアルコール、架橋剤としてヒドラジド化合物、フィラーとして塩基性フィラーを含有することにより、耐水性・耐薬品性に優れた感熱記録材料が得られることが提案されている。
上記記載の特許文献3、4に記載の感熱記録層を熱収縮性支持体(合成紙)の上に塗布した場合の品質は紙製品以上に水に対し高い耐久性が要求されること、中空粒子を含有した中間層を塗布する場合、熱収縮性支持体への中間層の染み込みが中性紙・酸性紙等の紙に対し少ないことから、中間層が合成紙と接着し難いことにより中間層の膜強度不足が起こること、またオーバーコート層・感熱層の積層した場合の膜強度不足のために耐水ハガレ性が発生し、収縮性支持体(合成紙)では紙製品に対し耐水ハガレ性が不充分であることが判った。
特開昭43−4160号公報 特公昭45−14039号公報 特開2003−80846号公報 特開2003−283717号公報
本発明は、熱収縮性支持体(合成紙)上に塗布した場合に耐水ハガレ性に優れ、且つ高感度で耐薬品性に優れ、高い生産性を有する感熱記録材料を提供することにある。
本発明は、以下のような手段を採用することにより、前記課題を解決したものである。
熱収縮性支持体の片面上に中間層、感熱記録層、オーバーコート層を積層してなる感熱記録材料において、該中間層が、中空率が60〜98%であり、その最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmである架橋構造を有する重合体からなる中空粒子とスチレン−ブタジエン共重合体と反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールからなり、且つオーバーコート層及び感熱記録層に反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールを含み、該オーバーコート層に架橋剤としてヒドラジド化合物を含む感熱記録材料であることにより、耐水ハガレ性・耐水ハガレが発生しなくなるまでの時間の短縮化及び高感度を両立したものである。
また、中間層の反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールが中空粒子に対し20%〜50%重量部であることにより、耐水ハガレ性が優れ、且つ高感度が両立できる。
特許文献3にも、中間層に反応型カルボニル基を含むポリビニールアルコールの使用及びその添加量が1〜30%であることの記載があり、紙上では耐水ハガレ性に関して充分な品質が得られるが、合成紙上では不充分であり、感熱記録層及びオーバーコート層との樹脂に特定の同一成分のものを用いることによりのみ耐水ハガレ性は特異的に改善されることが明らかとなった。
オーバーコート層のフィラーとして塩基性フィラーを含有すること、塩基性フィラーが水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウムであることにより、塗工液の安定性と耐水ハガレ性・耐水ハガレが発生しなくなるので時間の短縮化とを両立できることが明らかとなった。
感熱記録層に酸性フィラーを含有すること、酸性フィラーがシリカであることにより、水ハガレ性・耐水ハガレが発生しなくなるので時間の短縮化とを両立できることが明らかとなった。
すなわち、上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)「熱収縮性支持体の片面上に中間層、感熱記録層、オーバーコート層を積層してなる感熱記録材料において、該中間層が、中空率が60〜98%であり、その最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmである架橋構造を有する重合体からなる中空粒子とスチレン−ブタジエン共重合体と反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールからなり、且つ前記感熱記録層及びオーバーコート層に反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールを含み、該オーバーコート層に架橋剤としてヒドラジド化合物を含むことを特徴とする感熱記録材料」、
(2)「前記中間層の反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールが、中空粒子に対し20%〜50%重量部であることを特徴とする前記第(1)項に記載の感熱記録材料」、
(3)「前記オーバーコート層が、塩基性フィラーを含有することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の感熱記録材料」、
(4)「前記塩基性フィラーが、水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウムであることを特徴とする前記第(3)項に記載の感熱記録材料」、
(5)「前記感熱記録層が酸性フィラーを含有することを特徴とする前記第(3)項又は第(4)項に記載の感熱記録材料」、
(6)「前記酸性フィラーが、シリカであることを特徴とする前記第(5)項に記載の感熱記録材料」
本発明により、熱収縮性支持体(合成紙)上に塗布した場合に、耐水ハガレ性の強度及び耐水化迄の速度特性に優れ、且つ高感度で、高い生産性(液安定性)を有する感熱記録材料を得ることができる。
本発明において、中空樹脂粒子の最大粒子径5〜10μmであることが好ましいが、10μmよりの大きい場合は、これらを用いた中間層上に感熱記録層を設けると中間層の大きな粒子の部分は感熱記録層が形成されない部分ができ、ベタ画像を印字した場合に白抜けが発生しやすい。一方、5μmより小さい場合は、中空率60%以上を確保することが困難になりその結果感度が低くなる。従って、中空樹脂粒子の最大粒子径は5〜10μmであることが好ましい。
本発明において、中空粒子の50%頻度の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D100/D50は1.5〜3.0が好ましいが、3.0より大きい場合は、粒子径分布がブロード状態にあることを示しており、粒子径1μm以下の微小粒子の割合が多くなり、これらを用いた中間層は層内の中空粒子の分布不均一になり感度が低下する現象を引き起こす。一方、1.5より小さい場合は非常にシャープな粒子径分布を有することになり合成条件の点から実現が難しいのが現状である。従って中空粒子の50%頻度の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D100/D50は1.5〜3.0が好ましい。
本発明において、中空樹脂粒子の2μm以下の割合は5〜10%が好ましいが、10%を越える場合は、粒子径1μm以下の微小粒子の割合が多くなり、これらを用いた中間層は層内の中空粒子の分布不均一になり感度が低下する現象を引き起こす。一方、5%以下の場合は非常にシャープな粒子径分布を有することになり合成条件の点から実現が難しいのが現状である。従って中空粒子の2μm以下の割合は5〜10%が好ましい。
本発明において中空樹脂粒子のTgは95〜150℃が好ましいが、Tgが95℃より低い場合、これらを用いた中間層はサーマルヘッドによる印字時に感熱記録層と融着しその結果スティッキングが発生し良好な印字が困難になる現象が認められる。一方、150℃より高い場合は、サーマルヘッドによる印字時に中間層が剛直な状態にあり柔軟性が不足するためにヘッドとの密着性が低下し感度が低下する現象が認められる、従って、中空樹脂粒子のTgは95〜150℃が好ましい。
このように感熱記録材料の中間層に中空率が60%以上であり、最大粒子径(D100)が10.0μm以下、好ましくは5.0〜10.0μm、更に、50%頻度の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D100/D50は3.0以下、好ましくは2.0〜3.0、更に、2μm以下の割合が10%以下、好ましくは5〜10%、更に、Tgが95℃以上、好ましくは95〜150℃である中空樹脂粒子を用いることにより断熱性、ヘッド密着性が向上し、サーマルヘッドの熱が効率よく感熱記録材料表面へ伝わるため高感度化が達成させると共に、感熱記録材料の表面を均一に保ち、印字白ぬけ、スティックの発生を防止し、印字画像の均一性が向上する。
本発明でいう粒径の値は、全て堀場製作所製、粒径分布測定装置LA−700を用いて測定したものである。メジアン径は50%頻度の粒径でありD50と記し、最大粒子径は分布の最大粒子径でありD100と記す。中空粒子の中空率は中空粒子に占める空隙の体積の百分率(%)で表わされる。中空粒子はほぼ球形とみなせるため、下記式(I)で表わされる。
{[空隙の体積]/[中空粒子の体積]}×100(%)・・・(I)
本発明において、中空粒子は断熱材として作用すると共に弾力性を有することから、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率良く活用し発色感度向上をもたらす。感度の点から中空率は60%以上であり、好ましくは75〜98%の範囲の中空粒子が使用される。中空率は60%未満では上記の効果が少なく、98%を超えた中空率のものでは膜厚が薄くなるため強度が劣る。
中空粒子の製造方法は種々提案されているが、本発明の中空粒子を製造する方法としては、芯物質として揮発性物質を内包し、外殻が熱可塑性ポリマーからなるカプセル状態のポリマー粒子を調製し、該ポリマー粒子を加熱発泡させる方法が通常用いられる。この方法に於いては、加熱発泡時に中空率60%以上を確保するためには、外殻材の透過性が低いことが必要である。外殻のポリマーが塩化ビニリデンを含む材料である場合、透過性が低くなり高中空率を確保するためには有効である。しかし、塩化ビニリデンは塩素原子を含有するために、この中空粒子を用いた場合、消却処理した場合に環境上の問題を発生する懸念がある。
そこで、本発明者らは、外殻材として塩素を含有しない材料で構成することを鋭意研究した結果、塩化ビニリデンの代わりにビニルポリマーからなる架橋構造を有する重合体を用いることにより、塩化ビニリデンを用いた場合と同様に透過性を低くでき、その結果中空率60%以上を確保できることを見出した。
ビニルポリマーだけで外殻を形成した場合は、加熱発泡時に外殻の破裂等が発生し高中空率が困難になるが、ビニルポリマーに架橋構造を加えることにより、加熱発泡時に外殻破壊を起こさずに高中空率を実現することが可能となる。本発明で使用するビニルポリマーとしては、アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルのいずれかを主体とする共重合体を架橋したものが使用される。特に、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルを含有していることが好ましい。
本発明で使用する架橋構造を形成する材料、即ち架橋剤としては、上記ビニルモノマーと共に2官能性以上のモノマーを共重合することで達成される。また、ビニル基を一分子当り2個以上有するビニルモノマー又はジビニルベンゼンが好適である。以下にこの架橋性モノマーの代表例を挙げる。
ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタアクリレート、1,6−ヘキサグリコールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、フタル酸ジアリール、ジビニルベンゼン等一般の架橋性モノマーを用いることができる。また、本発明で使用する架橋剤の使用量はモノマー中に0.1〜10%程度が好ましい。更に、これらの材料は、ハロゲン元素、特に塩素元素を含まないため、焼却処理による環境汚染を招く懸念は全く無い。
また、本発明に於いて最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が1.5〜3.0とするためには、形成された中空粒子の粒径分布がシャープであることが必要である。これについては、前記式(I)で表わされるアクリル酸エステルを構成単位として含有した共重合体が粒子の粒径分布がシャープになる特性を有することを発見した本発明に至った。
支持体上に前記中間層を設けるには、前記の中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーと共に水に分散し、これを支持体上表面に塗布し、乾燥する。この場合、中間層の塗布量は支持体1〜5g/mが好ましい。
本発明で用いられる樹脂成分と中空樹脂粒子からなる中間層の特性として、該中間層が中間層表面をプリズムに1Kg/cmで圧着した場合の表面のくぼみの平均深さが0.1〜5.0μmであることが好ましい。
本発明のプリズムに1Kg/cmで圧着した場合の表面のくぼみの平均深さとは、株式会社東洋精機製作所製マイクロトポグラフ装置で測定されるRp値(Printing Roughness)であり、動的な加圧条件での表面平滑度を表わすものである。この値が5μmより大きいと、加圧時の表面凹凸が大きく印字時のサーマルヘッドとの密着性が悪くなり、その結果感度低下、画像精細性低下を発生する。一方、この値が0.1μm以下の場合は加圧時の表面凹凸が小さすぎるため、印字時のサーマルヘッドとの密着性が強すぎるために印字搬送不良を発生する。
本発明は上記粒子の特性の一つである感度向上に対し、中空粒子を使用すると共にその結着剤として疎水性エマルジョン樹脂を使用し、その含有量を中空粒子に対し疎水性樹脂が100〜300%、好ましくは100〜200%にすることで大幅に感度向上できることが判明した。これは、中間層内で充填された中空樹脂粒子の空隙を埋めることにより中間層表面の平滑性が更に向上した結果と考えられ、疎水性樹脂が100%より少ない場合は中空粒子の空隙が残るために発色濃度の低下を引き起こし、逆に300%を越える場合は、中間層内の中空粒子の割合が低下するため中間層の断熱性が低下して感度低下を引き起こす。
更に、中間層・感熱記録層・オーバーコート層に用いる反応性カルボニル基含むポリビニールアルコールは反応性カルボニル基を含むビニルモノマーと脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得た重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。
反応性カルボニル基を含むビニルモノマーとしてはエステルを含む基、アセトン基を含む基が挙げられるが、ジアセトン基を有するビニルモノマーが好ましく、具体的にはジアセトンアクリルアミドやメタジアセトンアクリルアミドが好ましい。脂肪酸ビニルエステルとしては蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
本発明で使用される反応性カルボニル基含むポリビニールアルコールは共重合可能なビニルモノマーを共重合したものであってもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーとしては例えばアクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等である。本発明で使用される反応性カルボニル基含むポリビニールアルコール中の反応性カルボニル基の含有量はポリマー中に0.5モル%〜20モル%で、耐水化を考えると2モル%〜10モル%範囲が特に好ましい。2モル%より低いと耐水性が実用上不十分であり、10モル%を超えても耐水化の向上が見られなく、経済的に高価となる。本発明で使用される反応性カルボニル基含むポリビニールアルコールの重合度は300〜3000で、500〜2200の範囲が特に好ましい。また鹸化度は80%以上が好ましい。
該反応性カルボニル基含むポリビニールアルコールは10〜60%好ましくは20〜50%添加することより中間層の膜強度が高く、また、感熱記録層・オーバーコート層にも同一反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールから成ることにより、層間の強度も樹脂種類が層ごとに異なる場合に比べ膜強度が上がることから、耐水ハガレ性に優れた感熱記録材料となる。10%以下では膜強度不足よるハガレ現状が発生し、また、60%以上では感度低下の要因となる。
本発明に使用されるヒドラジン架橋剤はヒドラジ基をもつものであれば良く、例えばカルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2、7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等が挙げられるがこれに限定されないし、又2種以上のヒドラジド化合物を併用しても良いし、機能を損なわない範囲で他の公知の架橋剤と組み合わせても良い。但し、ヒドラジド化合物の中では耐水性・安全性の面でアジピン酸ジヒドラジドが望ましい。
架橋剤を各層に添加しても問題ないが、液安定性の観点から、オーバーコート層のみに添加することが好ましい。
架橋剤が添加されていない場合は、耐水化が不充分な為に耐水ハガレ性が不充分となることから架橋剤の添加は本発明においては必須となる。
樹脂に対する本発明の架橋剤の添加量は樹脂の官能基の変性量・種類によって異なるが樹脂に100に対し0.1〜20%特に1%〜10%が望ましい。
中間層に使用される疎水性樹脂としてはスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリルエステル共重合体のラテックスや酢酸ビニール、酢酸ビニール/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリルエステル共重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられるが、その中でもスチレン/ブタジエン共重合体のラテックスが最も好ましい。
本発明においては、感度等の品質を阻害しない範囲で公知の水溶性高分子を組み合わせて使用できる。公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーとしては澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/無水マレイン酸のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン、等が挙げられる。水溶性エマルジョンとしてはスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリルエステル共重合体のラテックスや酢酸ビニール、酢酸ビニール/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリルエステル共重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
本発明においてヘッドマッチング向上のために前記中間層にアルカリ性増粘剤を用いることも可能である。アルカリ性増粘剤は、アルカリ条件下で増粘する結着剤を意味する。このようなアルカリ増粘性結着剤の代表例としてはスチレン−ブタジエン共重合体を主成分としたエマルジョンラテックスが挙げられる。本発明では、アルカリ増粘性結着剤を単独で用いることも可能であるが、結着剤成分を分散粒子として安定に存在させるために、例えば不飽和カルボン酸の共重合体であるカルボキシル化ラテックス等を用いることが望ましい。すなわち、カルボキシル化ラテックスはpHを高くすると粒子表面の高カルボキシル化ポリマーが水中に溶解してゆくために増粘し、このため上記結着剤の増粘性を更に向上することができるからである。本発明に係るアンダーコート層は上記構成としたことから、プラスチック微小中空粒子の分散安定性が増大するので、従来のようにソディウムモンモリロナイトあるいは変性ポリアクリル酸等の通常添加される増粘剤を添加する必要が無い。また、アルカリ増粘性結着剤は増粘作用の他に中空粒子同士を強固に結着させるため、前記増粘剤を用いたときに較べてサーマルヘッドとのマッチング性が著しく改善される。このアルカリ増粘性結着剤は、中空粒子100部に対し1〜80部、好ましくは5〜50部存在させることが望ましい。また、該結着剤はスチレン−ブタジエン共重合体であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、アルカリ条件下で増粘するものであればどのようなものでも良い。また、アンダーコート液をアルカリ下に保つためにpH調整剤が必要となるが、そのようなものとして、例えば、NH水などが用いられるが、著しく発色を阻害するものでなければこれに限定されるものでは無い。なお、アンダーコート層には、プラスチック微小中空粒子及びアルカリ増粘性結着剤に加え、必要に応じて更にこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えばフィラー、熱可溶性物質、界面活性剤等を使用することができる。この場合フィラー及び熱可溶性物質の具体例としては後記に於て感熱記録層成分との関連で示された各種のものが挙げられる。
上記中間層には、上記の中空粒子及びバインダーと共に、必要に応じて更にこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えばフィラー、熱可融性成分、界面活性剤等を使用することができる。また、これら中間層成分を均一に、かつ、さらに高速に塗工するためには中空樹脂粒子の20%水分散液の液温20℃における粘度が200mPa.s以下であることが好ましい。200mPa.sを超える粘度の場合、上記のようにして作成した塗工液は粘度が高くなり、塗工ムラが発生する。また、前記のようにして支持体上に形成された中間層の表面をより平滑にするために中間層形成後、キャレンダー処理することにより平面を平滑にしても良い。
本発明の感熱記録層において用いるロイコ染料は単独で又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱記録材料に使用されているものを任意に使用でき、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。ロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9、3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピベリジノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド−3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタン等が挙げられる。特に発色性等の点で、3−(N,Nジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチルN−イソアミルアミノ)−6−メチル7−アニリノフルオラン、3−[N−エチルN−(P−メチルフェニル)]−6−メチル7−アニリノフルオランが好ましい。
本発明の感熱記録層で用いる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物又は酸化剤等が適用される。このようなものは従来公知であり、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられるが、これらに限られるものではない。
4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリ−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリ−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)等が挙げられる。
感度や保存性の点から特に4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが好ましい。
本発明の感熱記録材料において、顕色剤は発色剤1部に対して1〜20部(重量部、以下同様)、好ましくは2〜10部である。顕色剤は単独で若しくは二種以上混合して適用することができ、発色剤についても同様に単独で若しくは二種以上混合して適用することができる。
本発明の感熱記録材料を製造するために、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々のバインダーを適宜用いることができるが、感熱記録層の樹脂種類を中間層・オーバーコート層と同一にすることにより中間層とオーバーコート層とを結着させ膜強度を上げる効果及びオーバーコート層の架橋剤の浸透により全層の耐水化と高感度の両立が可能となる。
上記、耐水ハガレ性・膜強度を低下させない範囲で以下の樹脂の添加も可能である。
ポリビニールアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
本発明に使用されるオーバーコート層に含有するフィラーは塩基性のものがよく、例を挙げると、水酸化アルミ、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、アルカリ性の珪酸類が挙げられるが、サーマルヘッドとマッチング(カス付着)等から水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムが好ましく、適度な水溶性によるpHコントロールを考えると水酸化アルミニウムが特に好ましい。
本発明に使用される感熱記録層に含有するフィラーは公知のものが使用できる。
例を挙げると、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、アルミナ、クレー等の無機顔料又は公知の有機顔料が挙げられるが特に限定されない。また、耐水はがれを考えると酸性顔料(水溶液中で酸性を示すもの)であるシリカ、カオリン、アルミナが好ましく特に発色濃度を考えるとシリカが好ましい。
樹脂に反応性アセトン基を含有したPVAと耐水化剤としてヒドラジド化合物を含有したオーバーコート層を有する感熱記録材料の欠点であったバック層塗工液の経時安定性を、感熱記録材料の耐水性及び他の感熱記録材料の品質を損なうこと(例えば3級アンモニウム添加等による地肌発色)なく改善できることにある。反応性アセトン基を含有したPVAと耐水化剤としてヒドラジド化合物を含有したオーバーコート層塗工液安定性の悪さ(増粘)は、塗工液中で樹脂と架橋剤が耐水化(架橋反応)を引き起こしてしまうことにある。
液中での架橋反応を妨げる方法としては、液pHをややアルカリ性側に維持することが考えられる。これらの手段としては3級アミン等のアルカリ性物質を添加する等が考えられるが、添加物により感熱記録層が発色したり、オーバーコート層の本来の機能である耐薬品性を阻害したりする問題が発生する。また、アンモニア等の揮発性物質でpHを調整することで液安定性を改善し、乾燥後は添加物が蒸発することでオーバーコート層・バック層に添加物を残さない方法もあるが、完全には無くならない問題、作業上での安全面が低い問題、また、塗工液安定性においても経時で空気中の炭酸ガスと反応したり、アンモニアが揮発したりし、pHが次第に変化し効果がうすれるという問題がある。
オーバーコート層にヘッドマッチングの目的(印字時のサーマルヘッド熱によるオーバーコート層のやぶれを防ぐ、サーマルヘッドに付着したカスをとる、プリンターにおける搬送性をスムーズにする役割がある)で使用するフィラーに塩基性のものを使用することが好ましい。
メカニズムとしては以下の記載が推測される。すなわちオーバーコート層塗工液に利用された塩基性フィラーは全溶解することはないが一部微量に水溶解しpHをアルカリ側にする。完全に溶解するわけではないので、添加量に関わらずpHが行き過ぎることはなく、又空気中の炭酸ガスにより影響を受けてもその分溶解し塗工液のpHを一定にコントロールすることが可能である。しかも他(アンモニア等)の添加物を含まないので添加による他の悪影響が発生しない、すなわちフィラー本来の機能を保持し、かつ塗工液の安定性をはかれる特徴がある。
更に感熱記録層に酸性フィラーを使用することで、該記オーバーコート層を設けたときの耐水性のアップ及び耐水化までに要する期間の短縮が可能である。これは該記オーバーコート層を感熱記録層上に塗工した際、感熱記録層に含有した酸性フィラーの影響を受け耐水化反応が促進される為だと思われる。
また、本発明においては、感度向上剤として種々の熱可融性物質を使用することができ、その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これらに限られるものではない。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)等。
感熱記録層は発色剤、顕色剤、結合剤等とともに水又は有機溶媒中に均一に分散若しくは溶解し、これを支持体上に塗布、乾燥して作製するが、塗工方式は特に限定されない。記録層塗布液の分散粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。記録層の膜厚は記録層の組成や感熱記録材料の用途にもよるが、1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。また、記録層塗布液には必要に応じて塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤を加えることもできる。また、必要に応じてバック層の塗工も可能である。
本発明で使用する熱収縮性の支持体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂単独又は加熱混合した樹脂をフィルム状にダイから押し出し、2軸延伸して得られたフィルムや、これらの樹脂に白色無機顔料を混合し、半透明化又は不透明化したフィルムおよびポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料を加熱混合し、ダイから押し出し、タテ方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料からなるフィルムを1〜2層積層し、横方向に延伸して半透明化あるいは不透明化した合成紙が使用できる。
合成紙は例えばユポ・コーポレーションより販売されているユポのうち、TPG(半透明タイプ)、KPK(半透明タイプ)、WST(半透明タイプ)、SGG(不透明タイプ)、FPG(不透明タイプ)、FPH(不透明タイプ)、GFG(不透明タイプ)、WFP(不透明厚手タイプ)、WSF(不透明タイプ)、WCF(不透明タイプ)等のグレードのものがある。
本発明の感熱記録材料の記録手段としては、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、各種の方法が適用でき、特に限定されない。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。詳細の構成は表1に記載する。
実施例1(コート液の調整)
下記の中間層形成液、感熱記録層形成液、オーバーコート層形成液
(I)中間層形成液の調整
(A液)
中空樹脂粒子(中空率・粒子径表1記載)の水分散液
(固形分濃度30%) 30部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%) 20部
表1記載の樹脂(10%水溶液) 表1記載の添加量
水 50部
上記混合物を攪拌分散して、中間層形成液を調整した。
(II)感熱記録層形成液の調製
(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニールアルコールの10%水溶液 20部
水 60部
(C液)
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン 20部
ポリビニールアルコールの10%水溶液 25部
水 55部
(D液)
表1記載のフィラー 20部
メチルセルロースの5%水溶液 20部
水 60部
上記の混合物のそれぞれを磁性ボールミル中で2日間粉砕して(B液)、(C液)及び(D液)を調整した。
[感熱記録層形成液]
(B液) 15部
(C液) 45部
(D液) 45部
表1記載の樹脂(10%水溶液) 5部
上記混合物を攪拌して、感熱記録層形成液を調整した。
(III)オーバーコート層形成液の調整
(E液)
表1記載のフィラー 20部
表1記載の樹脂(10%水溶液) 20部
表1記載の架橋剤(10%水溶液) 2部
水 60部
上記の混合物を磁性ボールミル中で2日間粉砕して(E液)を調整した。
以上のようにして調製した(A液)を支持体上に付着量が3.0g/mになるように中間層を塗布、乾燥した試料を東洋精機製マイクロトポグラフ装置にて、加圧条件を1.0〜2.2Kg/mの範囲で表面のくぼみの平均深さRp値(Printing Roughness)を連続的に測定し、加圧1.0Kg/mのときの中間層のRp値を測定した。
次に、調製した各層の塗付液を支持体上に付着量が3.0g/mになるように中間層、及びその上に染料付着量が0.45g/mになるように感熱記録層を塗布・乾燥し、更にその上に樹脂(ポリビニールアルコール)付着量が1.6g/mになるようにオーバーコート層を塗布・乾燥し(付着量はいずれも乾燥付着量である)、その後、スーパーキャレンダーにて表面処理し、本発明の感熱記録材料を得た。
Figure 0004878966
評価結果を表2に示す
評価方法は以下のとおりである。
(耐水性)
塗布後、40℃−80%の環境で24h及び48h保管し、サンプルを水に常温1hにて浸水後、取り出し、指にて50回擦り、状態を観察する。擦りを実施し、剥れた回数を評価する。ハガレが発生しない場合はハガレ無しと記載する。
(発色性評価)
感度倍率;キャレンダー済み品を松下電子部品(株)製薄膜ヘッドを用いて改造した(株)リコー社製感熱記録装置(印字実験装置)にて、ヘッド電力0.45W/ドット、1ライン記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mm条件下で、1msec毎にパルス幅0.0〜0.7msecに可変させて印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定し、濃度が1.0となるパルス幅を計算した。感度倍率は比較例1を基準として感度倍率=(測定したサンプルのパルス幅)/(比較例1のパルス幅)として計算した。値が大きいほど感度(熱応答性)が良好である。
白抜け;キャレンダー済み品を、スタンププリントを用い、200℃で3秒間密着加熱し、発色させ、目視にて白抜けを判定した。
○:白抜けなし
×:白抜けあり
(オーバーコート層の塗工液安定性)
塗工液を常温(22℃)にて72H放置し液性を観察する。
○:液の増粘がほとんどない。
△:増粘が起こる
×:流動性がなくなる。
Figure 0004878966

Claims (6)

  1. 熱収縮性支持体の片面上に中間層、感熱記録層、オーバーコート層を積層してなる感熱記録材料において、該中間層が、中空率が60〜98%であり、その最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmである架橋構造を有する重合体からなる中空粒子とスチレン−ブタジエン共重合体と反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールからなり、且つ前記感熱記録層及びオーバーコート層に反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールを含み、該オーバーコート層に架橋剤としてヒドラジド化合物を含むことを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記中間層の反応性カルボニル基を含むポリビニールアルコールが、中空粒子に対し20%〜50%重量部であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記オーバーコート層が、塩基性フィラーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記塩基性フィラーが水酸化アルミニウム又は炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項3に記載の感熱記録材料。
  5. 前記感熱記録が、酸性フィラーを含有することを特徴とする請求項3又は4に記載の感熱記録材料。
  6. 前記酸性フィラーがシリカであることを特徴とする請求項に記載の感熱記録材料。
JP2006239631A 2006-09-04 2006-09-04 感熱記録材料 Expired - Fee Related JP4878966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006239631A JP4878966B2 (ja) 2006-09-04 2006-09-04 感熱記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006239631A JP4878966B2 (ja) 2006-09-04 2006-09-04 感熱記録材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008062404A JP2008062404A (ja) 2008-03-21
JP4878966B2 true JP4878966B2 (ja) 2012-02-15

Family

ID=39285530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006239631A Expired - Fee Related JP4878966B2 (ja) 2006-09-04 2006-09-04 感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4878966B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4108380B2 (ja) * 2001-06-25 2008-06-25 株式会社リコー 感熱記録材料
JP4215236B2 (ja) * 2002-10-31 2009-01-28 株式会社リコー 感熱記録材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008062404A (ja) 2008-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4221163B2 (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP3121399B2 (ja) 感熱記録材料
JP4108380B2 (ja) 感熱記録材料
EP1270257B1 (en) Thermosensitive recording material
JP2003276334A (ja) 感熱記録材料
JP3218539B2 (ja) 感熱記録材料
JP2006168319A (ja) バック層、感熱記録材料及び帳票
JP3891417B2 (ja) 感熱記録材料
JP2003019864A (ja) 感熱記録材料
JP4878966B2 (ja) 感熱記録材料
JP4184017B2 (ja) 感熱記録材料
JP5054624B2 (ja) 感熱記録材料
JP3616841B2 (ja) 感熱記録材料
JP3121359B2 (ja) 感熱記録材料
JPH1035103A (ja) 感熱記録材料
JP2005088457A (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP3314287B2 (ja) 感熱記録材料
JP5022156B2 (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP3129491B2 (ja) 感熱記録体
JP3129492B2 (ja) 感熱記録材料
JP3181982B2 (ja) 感熱記録材料
JP3611401B2 (ja) 感熱記録材料
JP3173737B2 (ja) 感熱記録材料
JP3670474B2 (ja) 感熱記録材料
JP3122505B2 (ja) 感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4878966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees