JP2002533472A - グリコペプチド誘導体およびそれを含有する薬学的組成物 - Google Patents

グリコペプチド誘導体およびそれを含有する薬学的組成物

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JP2002533472A JP2000591067A JP2000591067A JP2002533472A JP 2002533472 A JP2002533472 A JP 2002533472A JP 2000591067 A JP2000591067 A JP 2000591067A JP 2000591067 A JP2000591067 A JP 2000591067A JP 2002533472 A JP2002533472 A JP 2002533472A
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Abstract

(57)【要約】 以下の式の少なくとも1つの置換基を有するグリコペプチド化合物の誘導体、ならびにそのようなグリコペプチド誘導体を含有する薬学的組成物が開示される:−Ra−Y−Rb−(Z)x 。ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは定義されるとおりである。開示されるグリコペプチド誘導体は、抗菌剤として有用である。本発明は、式Iの化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、立体異性体およびプロドラッグを提供する。本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療学的に有効量の上記グリコペプチド化合物を含む組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本出願は、米国出願番号60/113,728(1998年12月23日出願
);米国出願番号60/129,313(1999年4月14日出願);米国出
願番号60/164,024(1999年11月4日出願);および米国出願番
号60/169,978(1999年12月10日出願)の利益を主張し、これ
らの開示はその全体が本明細書中で参考として援用される。
【0002】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明はグリコペプチド抗生物質に関する。本発明はまた、このようなグリコ
ペプチド誘導体を含有する薬学的組成物、このようなグリコペプチド誘導体を抗
菌剤として使用する方法、およびこのようなグリコペプチド誘導体を調製するた
めのプロセスに関する。
【0003】 (背景) グリコペプチドは、様々な微生物により産生される周知のクラスの抗生物質で
ある。これらの複雑な多環ペプチド化合物は、大部分のグラム陽性菌に対して有
効な抗菌剤である。しかし、グリコペプチドの抗生物質としての使用は、グリコ
ペプチドを用いて観測される高レベルの哺乳動物毒性のため、半合成ペニシリン
、セファロスポリンおよびリンコマイシンの影に隠れていた。しかし近年、ペニ
シリン、セパロスポリンなどに耐性の細菌が現れ、例えば、多耐性およびメチシ
リン耐性ブドウ球菌(MRS)感染が生じた。バンコマイシンのようなグリコペ
プチドは、典型的に、このような微生物に対して有効であり、そしてバンコマイ
シンは、MRSおよび他の感染の最後の手段の薬物となった。グリコペプチドは
、他の抗生物質と異なる様式の作用を有するため、このような耐性微生物に対し
て有効であると考えられている。この点において、グリコペプチドは、細菌細胞
壁合成期において、ペニシリン型抗生物質とは異なる段階を選択的に阻害すると
考えられる。
【0004】 より詳細には、細菌の細胞壁は、短ペプチドにより架橋された直鎖多糖類から
なる。この架橋された多糖類の配列は、細胞壁に対して機械的な支持を提供し、
従って、その高い内部浸透圧に起因する細菌の破裂を防止する。細菌の細胞壁の
合成期中、脂質結合二糖類−ペンタペプチド構築物がトランスグリコラーゼ酵素
によって直鎖多糖類に組み込まれた後、多糖類の架橋が起こる。続く架橋反応は
細胞壁の合成期の最終段階であり、ペプチドグリカントランスペプチダーゼとし
て公知の酵素によって触媒される。
【0005】 抗菌剤がそれらの抗菌活性を発揮する1つの方法は、トランスグリコシラーゼ
酵素を阻害し、従って、細菌の細胞壁の合成期の最後から2番目の段階を妨害す
ることによるものである。理論に縛られることを望まないが、バンコマイシンの
ようなグリコペプチド抗生物質は、高い親和性および選択性で、ペプチドグリカ
ン前駆体(脂質中間体IIとして公知)のN−末端配列(すなわち、バンコマイ
シン感受性生物におけるL−リシル−D−アラニル−D−アラニン)と結合する
と考えられる。これらの前駆体と結合し、これらを封鎖する(sequeste
r)ことによって、バンコマイシンは細胞壁の生合成におけるそれらの利用を防
止する。従って、バンコマイシンは、細菌のトランスグリコシラーゼ(これは、
脂質中間体IIサブユニットが成長中のペプチドグリカン鎖に付加する原因であ
る)を阻害する。細菌の細胞壁合成のこの段階は、β−ラクタム抗生物質によっ
て阻害されることが公知である架橋ペプチド転移段階の前に起こる(prece
ed)。バンコマイシンは、D−アラニル−D−アラニン末端を含むペプチド転
移を阻害するということも考えられる。しかし、この段階はグリコシド転移の後
に起こるため、ペプチド転移の阻害は直接観測されない。
【0006】 バンコマイシンおよび他のグリコペプチドの多数の誘導体が当該分野に公知で
ある。例えば、米国特許第4,639,433号;同第4,643,987号;
同第4,497,802号;同第4,698,327号;同第5,591,71
4号;同第5,840,684号;および同第5,843,889号を参照のこ
と。他の誘導体は、EP0802199;EP0801075;EP06673
53;WO97/28812;WO97/38702;WO98/52589;
WO98/52592;ならびにJ.Amer.Chem.Soc.,1996
,118,13107〜13108;J.Amer.Chem.Soc.,19
97,119,12041〜12047;およびJ.Amer.Chem.So
c.,1994,116,4573〜4590に開示される。この出願の全体に
わたって参照されるこれらおよび他の文献の開示は、それらの全体が本明細書中
に参考として援用される。
【0007】 しかし、改善された活性、選択性、および減少した哺乳動物毒性を有するグリ
コペプチド誘導体の必要性がある。さらに、特定の微生物は、バンコマイシンに
対する耐性を現し始めている(例えば、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE))
。従って、広域スペクトルの細菌(VREのような耐性株を含む)に対して有効
である新規なグリコペプチド誘導体を提供することが、非常に望まれる。さらに
、改善された抗細菌活性および選択性、ならびに低い哺乳動物毒性を有するグリ
コペプチド誘導体を提供することは、非常に有利である。
【0008】 (発明の要旨) 本発明は、不適切なグリコペプチドに比べて改善された特性(増大した活性、
選択性および減少した哺乳動物毒性を含む)を有するグリコペプチド抗生物質の
新規な誘導体を提供する。例えば、本発明の特定のバンコマイシン誘導体は、バ
ンコマイシン自体と比較して非常に増大した抗細菌活性を示す。このようなバン
コマイシン誘導体はまた、減少した哺乳動物毒性を示しつつ、バンコマイシン耐
性腸球菌株に対して非常に有効である。
【0009】 従って、この組成物の1つの局面において、本発明は、少なくとも1つの以下
の式の置換基を有するグリコペプチド化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可
能な塩を提供する: −Ra−Y−Rb−(Z)x
【0010】 ここで、各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケ
ニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され
; 各Rbは、共有結合、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アル
ケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択さ
れ、ただし、Zが水素である場合、Rbは共有結合ではなく; 各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−
NRcC(O)−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−OSO2−、−C(O)
NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc
)O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(
O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(
O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から
独立して選択され; 各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリー
ルおよび複素環式から独立して選択され; 各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ア
ルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアル
ケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−
C(O)Rdからなる群から独立して選択され; 各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニ
ル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル
、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群
から独立して選択され; xは、1または2であり; ただし、 (i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Z
が水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素
原子を含み; (ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキ
レンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み; (iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである
場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして (iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場
合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む。
【0011】 好ましくは、このグリコペプチド化合物は、式−Ra−Y−Rb−(Z)xを有
する1〜3個の置換基で置換される。
【0012】 各Raは、好ましくは、1〜10個の炭素原子、より好ましくは、1〜6個の
炭素原子を有するアルキレンから独立して選択される。好ましい実施態様におい
て、Raは、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)
またはブチレン(−CH2CH2CH2CH2−)である。なおより好ましくは、R a は、エチレンまたはプロピレンである。
【0013】 Zが水素である場合、Rbは好ましくは、8〜12個の炭素原子のアルキレン
である。従って、この実施態様において、RbおよびZは、好ましくは、n−オ
クチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシルまたはn−ドデシル基を形成
する。Zが水素以外の場合、Rbは、共有結合、または1〜10個の炭素原子の
アルキレンである。この実施態様において、Rbは、好ましくは、共有結合、メ
チレン、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−ま
たは−(CH210−である。
【0014】 各Yは、好ましくは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、
−SO2−、−NRcC(O)−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)
NRc−、−C(O)O−および−SO2NRc−からなる群から独立して選択さ
れる。より好ましくは、Yは、酸素、硫黄、−NRc−または−NRcSO2−で
ある。
【0015】 好ましくは、各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよ
び複素環式から独立して選択される。より好ましくは、Zは、水素またはアリー
ルである。Zがアリールである場合、好ましいZ基には、フェニル、置換フェニ
ル、ビフェニル、置換ビフェニルおよびテルフェニル基が挙げられる。特に好ま
しいZ基は、フェニル、4−イソブチルフェニル、4’−クロロビフェニル−4
−イル、4’−トリフルオロメチルビフェニル−4−イル、4−(ナフト−2−
イル)フェニル、4−(2−フェニルエチニル)フェニル、4−(3,4−ジク
ロロベンジルオキシ)フェニル、およびp−テルフェニルである。
【0016】 好ましくは、xは1である。
【0017】 本発明の特に好ましい−Ra−Y−Rb−(Z)x基は、以下からなる群から選
択される:
【0018】
【化8】
【0019】 他の好ましい−Ra−Y−Rb−(Z)x基を、以下の表I〜IVに示す。
【0020】 その組成物の別の局面において、本発明は、以下の式Iの化合物ならびにその
薬学的に受容可能な塩、立体異性体およびプロドラッグを提供する:
【0021】
【化9】
【0022】 ここで、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニ
ル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シク
ロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式お
よび−Ra−Y−Rb−(Z)x;または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)x
置換されたサッカリド基からなる群から選択され; R2は、水素、または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッ
カリド基であり; R3は、−ORc、−NRcc、−O−Ra−Y−Rb−(Z)x、−NRc−Ra
−Y−Rb−(Z)x、−NRceまたは−O−Reであり; R4は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、−C(O)Rdおよび必要
に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群から選
択され; R5は、水素、ハロ、−CH(Rc)−NRcc、−CH(Rc)−NRce
および−CH(Rc)−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xからなる群から選択され
; R6は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、−C(O)Rdおよび必要
に応じて−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群
から選択されるか、またはR5およびR6は、それれが結合している原子と一緒に
連結して、−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xで必要に応じて置換された複素環式
環を形成し; R7は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、および−C(O)Rdから
なる群から選択され; R8は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
る群から選択され; R9は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
る群から選択され; R10は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
る群から選択されるか;またはR8およびR10は結合して、−Ar1−O−Ar2
−を形成し、ここで、Ar1およびAr2は、独立してアリーレンまたはヘテロア
リーレンであり; R11は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
る群から選択されるか、またはR10およびR11は、それらが結合している炭素お
よび窒素原子と一緒に結合して、複素環式環を形成し; R12は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、−C(O
)Rd、−C(NH)Rd、−C(O)NRcc、−C(O)ORd、−C(NH
)NRccおよび−Ra−Y−Rb(Z)xからなる群から選択されるか、または
、R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、複素環
式環を形成し; R13は、水素または−OR14からなる群から選択され; R14は、水素、−C(O)Rdおよびサッカリド基から選択され; 各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、
アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され; 各Rbは、共有結合、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アル
ケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択さ
れ、ただし、Zが水素である場合、Rbは共有結合ではなく; 各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ア
ルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアル
ケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−
C(O)Rdからなる群から独立して選択され; 各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニ
ル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル
、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群
から独立して選択され; Reは、サッカリド基であり; X1、X2およびX3は、水素またはクロロから独立して選択され; 各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−
NRcC(O)−、−OSO2−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)
NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc
)O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(
O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(
O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から
独立して選択され; 各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリー
ルおよび複素環式から独立して選択され; nは、0、1または2であり; xは、1または2であり; ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7またはR12のうち少なくとも1
つは、式−Ra−Y−Rb−(Z)xの置換基を有し; さらに、ただし、 (i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Z
が水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素
原子を含み; (ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキ
レンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み; (iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである
場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして (iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場
合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む。
【0023】 好ましくは、R1は、−Ra−Y−Rb−(Z)xで必要に応じて置換されたサッ
カリド基である。より好ましくは、R1は、以下の式のサッカリド基である:
【0024】
【化10】
【0025】 ここで、R15は、−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Y、
Zおよびxは、本明細書中の定義通りであり;そしてR16は、水素またはメチル
である。
【0026】 好ましくは、R2は、水素である。
【0027】 R3は、好ましくは、−ORcまたは−NRccであり;より好ましくは、R3
は、−OHである。特に好ましいR3基は、表I〜IVにR22として示される基
である。
【0028】 好ましくは、R4、R6およびR7は各々、水素または−O(O)Rdから独立し
て選択される。より好ましくは、R4、R6およびR7は、それぞれ水素である。
【0029】 R5は、好ましくは、水素、−CH2−NHRc、−CH2−NRceおよび−C
2−NH−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Rc、Re、Y、
Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。特に好ましいR5基には、水素、
−CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン);−CH2−NH−CH2CH2
NH−(CH29CH3;−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH211CH3 ;−CH2−NH−(CH25−COOH;および−CH2−N−(2−アミノ−
2−デオキシグルコン酸)が挙げられる。他の好ましいR5基は、表IIIにR2 3 として示される基である。
【0030】 好ましくは、R8は、−CH2C(O)NH2、−CH2COOH、ベンジル、4
−ヒドロキシフェニルまたは3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルである。より
好ましくは、R8は、−CH2C(O)NH2である。
【0031】 R9は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R9は水素
である。
【0032】 R10は、好ましくは、アルキルまたは置換アルキルである。より好ましくは、
10は、天然に存在するアミノ酸の側鎖である。さらにより好ましくは、R10
イソブチルである。
【0033】 R11は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R11は、
水素またはメチルである。
【0034】 R12は、好ましくは、水素、アルキル、置換アルキルまたは−C(O)Rd
ある。より好ましくは、R12は、水素または−CH2COOHである。他の好ま
しいR12基は、表IIにR27として示される基である。
【0035】 X1およびX2は、好ましくは、クロロである。X3は、好ましくは、水素であ
る。
【0036】 好ましくは、nは、0または1である。より好ましくは、nは、1である。
【0037】 その組成物のさらに別の局面において、本発明は、以下の式IIの化合物、な
らびにその薬学的に受容可能な塩、立体異性体およびプロドラッグを提供する:
【0038】
【化11】
【0039】 ここで、R21は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニ
ル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シク
ロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式お
よび−Ra−Y−Rb−(Z)x;または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)x
置換されたサッカリド基からなる群から選択され; R22は、−ORc、−NRcc、−O−Ra−Y−Rb−(Z)xまたは−NRc
−Ra−Y−Rb−(Z)xであり; R23は、水素、ハロ、−CH(Rc)−NRcc、−CH(Rc)−Reおよび
−CH(Rc)−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xからなる群から選択され; R24は、水素および低級アルキルからなる群から選択され; R25は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
る群から選択され; R26は、水素または低級アルキルからなる群から選択されるか、またはR25
よびR26は、それらが結合している炭素および窒素原子と一緒に結合して複素環
式環を形成し; R27は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、−C(O
)Rd、−C(NH)Rd、−C(O)NRcc、−C(O)ORd、−C(NH
)NRccおよび−Ra−Y−Rb(Z)xからなる群から選択されるか、または
、R26およびR27は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、複素環
式環を形成し; 各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、
アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され; 各Rbは、共有結合、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アル
ケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択さ
れ、ただし、Zが水素である場合、Rbは共有結合ではなく; 各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ア
ルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアル
ケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−
C(O)Rdからなる群から独立して選択され; 各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニ
ル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル
、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群
から独立して選択され; Reは、アミノサッカリド基であり; 各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−
NRcC(O)−、−OSO2−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)
NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc
)O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(
O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(
O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から
独立して選択され; 各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリー
ルおよび複素環式から独立して選択され; nは、0、1または2であり; xは、1または2であり; ただし、R21、R22、R23またはR27のうち少なくとも1つは、式−Ra−Y
−Rb−(Z)xの置換基を有し; さらに、ただし、 (i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Z
が水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素
原子を含み; (ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキ
レンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み; (iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである
場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして (iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場
合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む。
【0040】 好ましくは、R21は、以下の式のサッカリド基である:
【0041】
【化12】
【0042】 ここで、R15が、−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Y、
Zおよびxは、本明細書中の定義通りであり;そしてR16が、水素またはメチル
である。
【0043】 R22は、好ましくは、−ORcまたは−NRccであり;より好ましくは、R2 2 は、−OHである。特に好ましいR22基は、表I〜IVに示される基である。
【0044】 R23は、好ましくは、水素、−CH2−Re、−CH2−NHRcおよび−CH2
−NH−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Rc、Re、Y、Z
およびxは、本明細書中の定義通りである。特に好ましいR23基には、水素、−
CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン);−CH2−NH−CH2CH2−N
H−(CH29CH3;−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH211CH3
−CH2−NH−(CH25−COOH;および−CH2−N−(2−アミノ−2
−デオキシグルコン酸)が挙げられる。他の好ましいR23基は、表IIIに示さ
れる。
【0045】 R24は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R24は水
素である。
【0046】 R25は、好ましくは、アルキルまたは置換アルキルである。より好ましくは、
25は、天然に存在するアミノ酸の側鎖である。さらにより好ましくは、R25
イソブチルである。
【0047】 R26は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R26は、
水素またはメチルである。
【0048】 R27は、好ましくは、水素、アルキル、置換アルキルまたは−C(O)Rd
ある。より好ましくは、R27は、水素または−CH2COOHである。他の好ま
しいR27基は、表IIに示される基である。
【0049】 その組成物のさらに別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリ
ア、および以下の式の少なくとも1つの置換基を有する治療的有効量のグリコペ
プチド化合物を含む薬学的組成物を提供する: −Ra−Y−Rb−(Z)x
【0050】 ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。
【0051】 従って、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iま
たはIIの化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0052】 本発明の化合物は、非常に有効な抗菌剤である。従って、方法の1つの局面に
おいて、本発明は、細菌性疾患を有する哺乳動物を処置する方法を提供し、この
方法は、哺乳動物に、以下の式の少なくとも1つの置換基を有する治療的有効量
のグリコペプチド化合物を投与する工程を包含する: −Ra−Y−Rb−(Z)x
【0053】 ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。
【0054】 従って、本発明は、細菌性疾患を有する哺乳動物を処置する方法を提供し、こ
の方法は、哺乳動物に、治療的有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程
を包含する。
【0055】 本発明はまた、グリコペプチド誘導体を調製するためのプロセスを提供し、こ
れらのプロセスは、本明細書中以下でさらに記載される。
【0056】 別の局面において、本発明は、医用処置のための処方物または医薬の製造にお
ける、式Iまたは式IIのグリコペプチド誘導体の使用に関する。好ましくは、
この処方物または医薬は、抗菌剤として使用される。
【0057】 本発明の好ましい化合物は、以下の表に式III、IV、V、VI、VIIお
よびVIIIとして記載される化合物、およびその薬学的に受容可能な塩である
【0058】
【化13】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】 (発明の詳細な説明) 本発明は、グリコペプチド抗生物質の新規な誘導体、ならびに薬学的組成物お
よびこのようなグリコペプチド誘導体を使用する方法に関する。本発明の化合物
、組成物および方法を記載する際には、以下の用語は、他に指示されない限り、
以下の意味を有する。
【0100】 (定義) 用語「アルキル」とは、好ましくは1〜40個の炭素原子、より好ましくは1
〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、分枝
または非分枝の飽和炭化水素鎖のモノラジカルを表す。この用語は、メチル、エ
チル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、n−ヘ
キシル、n−デシル、テトラデシルなどの基により例示される。
【0101】 用語「置換アルキル」とは、1〜8個の置換基、好ましくは1〜5個の置換基
、より好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義したようなアルキル基を
表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ
、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケ
ニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシ
ル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒ
ドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリ
ールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、
チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリ
ール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミ
ノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−
SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換
アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0102】 用語「アルキレン」とは、好ましくは1〜40個の炭素原子、好ましくは1〜
10個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、分枝または非
分枝の飽和炭化水素鎖のジラジカルを表す。この用語は、メチレン(−CH2
)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン異性体(例えば、−CH2CH2
2−および−CH(CH3)CH2−)などの基により例示される。
【0103】 用語「置換アルキレン」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換
基を有する、上で定義されたようなアルキレン基を表し、置換基は、以下からな
る群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シク
ロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ
、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オ
キシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、
カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオ
ヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリー
ル、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテ
ロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アル
キル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−
SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2
ヘテロアリール。さらに、このような置換アルキレン基には、アルキレン基上の
2つの置換基が縮合して、このアルキレン基と縮合した1つ以上のシクロアルキ
ル基、置換シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、
アリール基、複素環式基またはヘテロアリール基を形成するものが挙げられる。
好ましくは、このような縮合した基は、1〜3個の縮環構造を含む。さらに、置
換アルキレンという用語は、1〜5個のアルキレン炭素原子が、酸素、硫黄また
は−NR−(ここで、Rは水素またはアルキルである)で置き換えられたアルキ
レン基を含む。置換アルキレンの例は、クロロメチレン(−CH(Cl)−)、
アミノエチレン(−CH(NH2)CH2−)、2−カルボキシプロピレン異性
体(−CH2(CH(CO2H)CH2−)、エトキシエチル(−CH2CH2O−
CH2CH2−)などである。
【0104】 用語「アルカリール」とは、−アルキレン−アリール基および−置換アルキレ
ン−アリール基を表し、ここで、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールは
、本明細書中で定義される。このようなアルカリール基は、ベンジル、フェネチ
ルなどにより例示される。
【0105】 用語「アルコキシ」とは、アルキル−O−基、アルケニル−O−基、シクロア
ルキル−O−基、シクロアルケニル−O−基、およびアルキニル−O−基を表し
、ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、および
アルキニルは、本明細書中で定義の通りである。好ましいアルコキシ基は、アル
キル−O−であり、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−
プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペン
トキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0106】 用語「置換アルコキシ」とは、置換アルキル−O−基、置換アルケニル−O−
基、置換シクロアルキル−O−基、置換シクロアルケニル−O−基、および置換
アルキニル−O−基を表し、ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換シク
ロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義
の通りである。
【0107】 用語「アルキルアルコキシ」とは、−アルキレン−O−アルキル基、アルキレ
ン−O−置換アルキル基、置換アルキレン−O−アルキル基および置換アルキレ
ン−O−置換アルキル基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレン
および置換アルキレンは、本明細書中で定義の通りである。好ましいアルキルア
ルコキシ基は、アルキレン−O−アルキルであり、例として、メチレンメトキシ
(−CH2OCH3)、エチレンメトキシ(−CH2CH2OCH3)、n−プロピ
レン−iso−プロポキシ(−CH2CH2CH2OCH(CH32)、メチレン
−t−ブトキシ(−CH2−O−C(CH33)などが挙げられる。
【0108】 用語「アルキルチオアルコキシ」とは、−アルキレン−S−アルキル基、アル
キレン−S−置換アルキル基、置換アルキレン−S−アルキル基および置換アル
キレン−S−置換アルキル基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキ
レンおよび置換アルキレンは、本明細書中で定義の通りである。好ましいアルキ
ルチオアルコキシ基は、アルキレン−S−アルキルであり、例として、メチレン
チオメトキシ(−CH2SCH3)、エチレンチオメトキシ(−CH2CH2SCH 3 )、n−プロピレン−iso−チオプロポキシ(−CH2CH2CH2SCH(C
32)、メチレン−t−チオブトキシ(−CH2SC(CH33)などが挙げ
られる。
【0109】 用語「アルケニル」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは
2〜10個の炭素原子、なおより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そして
少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のビニル不飽和を有する、分枝または
非分枝の不飽和炭化水素基のモノラジカルを表す。好ましいアルケニル基には、
エテニル(−CH=CH2)、n−プロペニル(−CH2CH=CH2)、iso
−プロペニル(−C(CH3)=CH2)などが挙げられる。
【0110】 用語「置換アルケニル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換
基を有する、上で定義のようなアルケニル基を表し、置換基は、以下からなる群
から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロア
ルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、ア
シルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシ
アミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カ
ルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリール
オキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコ
キシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複
素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロ
アリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールお
よび−SO2−ヘテロアリール。
【0111】 用語「アルケニレン」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましく
は2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そ
して少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のビニル不飽和を有する、分枝ま
たは非分枝の不飽和炭化水素基のジラジカルを表す。この用語は、エテニレン(
−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH2CH=CH−および
−C(CH3)=CH−)などの基により、例示される。
【0112】 用語「置換アルケニレン」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置
換基を有する、上で定義されたようなアルケニレン基を表し、置換基は、以下か
らなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換
シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルア
ミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ
、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシ
ル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、
チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、ア
リール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、
ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−
アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール
、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−S
2−ヘテロアリール。さらに、このような置換アルケニレン基は、アルケニレ
ン基上の2つの置換基が縮合して、このアルケニレン基に縮合した1つ以上のシ
クロアルキル基、置換シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換シクロアル
ケニル基、アリール基、複素環式基、またはヘテロアリール基を形成するものを
含む。
【0113】 用語「アルキニル」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは
2〜20個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そし
て少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のアセチレン(三重結合)不飽和を
有する、不飽和炭化水素のモノラジカルを表す。好ましいアルキニル基には、エ
チニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられる。
【0114】 用語「置換アルキニル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換
基を有する、上で定義のようなアルキニル基を表し、置換基は、以下からなる群
から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロア
ルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、ア
シルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシ
アミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カル
ボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテ
ロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、
アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシ
クロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル
、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテ
ロアリール。
【0115】 用語「アルキニレン」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましく
は2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そ
して少なくとも1部位、好ましくは1から6部位のアセチレン(三重結合)不飽
和を有する、不飽和炭化水素のジラジカルを表す。好ましいアルキニレン基には
、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH2C≡C−)などが挙げ
られる。
【0116】 用語「置換アルキニレン」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置
換基を有する、上で定義のようなアルキニレン基を表し、置換基は、以下からな
る群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シク
ロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ
、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オ
キシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト
、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリ
ールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオア
ルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ
、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニト
ロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘ
テロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリー
ルおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0117】 用語「アシル」とは、HC(O)−基、アルキル−C(O)−基、置換アルキ
ル−C(O)−基、シクロアルキル−C(O)−基、置換シクロアルキル−C(
O)−基、シクロアルケニル−C(O)−基、置換シクロアルケニル−C(O)
−基、アリール−C(O)−基、ヘテロアリール−C(O)−基および複素環式
−C(O)−基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置
換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテ
ロアリールおよび複素環式は、本明細書中に定義の通りである。
【0118】 用語「アシルアミノ」または「アミノカルボニル」とは、−C(O)NRR基
を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、
ヘテロアリール、複素環式であるか、あるいはここで、両方のR基が結合して、
複素環式基(例えば、モルホリノ)を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル
、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義の通りである
【0119】 用語「アミノアシル」とは、−NRC(O)R基を表し、ここで、各Rは独立
して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素
環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよ
び複素環式は、本明細書中で定義の通りである。
【0120】 用語「アミノアシルオキシ」または「アルコキシカルボニルアミノ」とは、−
NRC(O)OR基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換ア
ルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル
、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定
義の通りである。
【0121】 用語「アシルオキシ」とは、アルキル−C(O)O−基、置換アルキル−C(
O)O−基、シクロアルキル−C(O)O−基、置換シクロアルキル−C(O)
O−基、アリール−C(O)O−基、ヘテロアリール−C(O)O−基、および
複素環式−C(O)O−基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロア
ルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、
本明細書中で定義の通りである。
【0122】 用語「アリール」とは、6〜20個の炭素原子を有し、単環(例えば、フェニ
ル)または複数の縮合(縮環)した環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を
有する、不飽和芳香族炭素環式基を表す。好ましいアリールには、フェニル、ナ
フチルなどが挙げられる。
【0123】 アリール置換基に関する定義によって他に制限されない限り、このようなアリ
ール基は、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によって、必要に応
じて置換され得、置換基は、以下からなる群から選択される:アシルオキシ、ヒ
ドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル
、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換ア
ルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミ
ノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリ
ールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニ
トロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ
、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、スルホンアミド、チオアルコキシ
、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−S
O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリ
ール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−S
2−ヘテロアリールおよびトリハロメチル。好ましいアリールの置換基にはア
ルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアル
コキシが挙げられる。
【0124】 用語「アリールオキシ」とは、アリール−O−基を表し、ここで、アリール基
は上で定義の通りであり、やはり上で定義のような、必要に応じて置換されたア
リール基を含む。
【0125】 用語「アリーレン」とは、上で定義のようなアリール(置換アリールを含む)
から誘導されるジラジカルを表し、そして1,2−フェニレン、1,3−フェニ
レン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレンなどにより例示される。
【0126】 用語「アミノ」とは、−NH2基を表す。
【0127】 用語「置換アミノ」とは、−NRR基を表し、ここで、各Rは、水素、アルキ
ル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換ア
ルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキ
ニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から独立して選択さ
れ、但し、両方のRが水素にはならない。
【0128】 「アミノ酸」とは、天然に存在する任意のアミノ酸、ならびにその合成された
アナログおよび誘導体を表す。α−アミノ酸は、アミノ基、カルボキシ基、水素
原子、および「側鎖」と呼ばれる別個の基に結合する、炭素原子を有する。天然
に存在するアミノ酸の側鎖は、当該分野において周知であり、例えば、水素(例
えば、グリシンにおいてなど)、アルキル(例えば、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、プロリンにおいてなど)、置換アルキル(例えば、トレオニ
ン、セリン、メチオニン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタ
ミン酸、グルタミン、アルギニン、およびリジンにおいてなど)、アルカリール
(例えば、フェニルアラニンおよびトリプトファンにおいてなど)、置換アリー
ルアルキル(例えば、チロシンにおいてなど)ならびにヘテロアリールアルキル
(例えば、ヒスチジンにおいてなど)が挙げられる。
【0129】 用語「カルボキシアルキル」または「アルコキシカルボニル」とは、基「−C
(O)O−アルキル」、「−C(O)O−置換アルキル」、「−C(O)O−シ
クロアルキル」、「−C(O)O−置換シクロアルキル」、「−C(O)O−ア
ルケニル」、「−C(O)O−置換アルケニル」、「−C(O)O−アルキニル
」および「−C(O)O−置換アルキニル」を表し、ここで、アルキル、置換ア
ルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、
アルキニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義の通りである。
【0130】 用語「シクロアルキル」とは、3〜20個の炭素原子を有する環状アルキル基
であって、単一の環式環または複数の縮環した環を有するものを表す。このよう
なシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロオクチルなどのような単環構造、またはアダマンタニルなどのよ
うな多環構造が挙げられる。
【0131】 用語「置換シクロアルキル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の
置換基を有する、シクロアルキル基を表し、置換基は、以下からなる群から選択
される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、
シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキ
シ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノア
シル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシ
ル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、
チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、ア
リール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、
ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−
アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール
、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−S
2−ヘテロアリール。
【0132】 用語「シクロアルケニル」とは、4〜20個の炭素原子を有し、そして単環式
環および少なくとも1箇所の内部不飽和を有する、環状アルケニル基を表す。適
切なシクロアルケニル基の例には、例えば、シクロブト−2−エニル、シクロペ
ント−3−エニル、シクロオクト−3−エニルなどが挙げられる。
【0133】 用語「置換シクロアルケニル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個
の置換基を有するシクロアルケニル基を表し、置換基は、以下からなる群から選
択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル
、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオ
キシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノ
アシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキ
シル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ
、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、
アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式
、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO
−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリー
ル、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−
SO2−ヘテロアリール。
【0134】 用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨー
ドを表す。
【0135】 「ハロアルキル」とは、本明細書中で定義のような1〜4個のハロ基(同一で
も異なってもよい)で置換される、本明細書中で定義のようなアルキルを表す。
代表的なハロアルキル基には、例として、トリフルオロメチル、3−フルオロド
デシル、12,12,12−トリフルオロドデシル、2−ブロモオクチル、3−
ブロモ−6−クロロヘプチルなどが挙げられる。
【0136】 用語「ヘテロアリール」とは、1〜15個の炭素原子、ならびに酸素、窒素お
よび硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を、(1つより多い環が存在する
ならば)少なくとも1つの環内に有する、芳香族基を表す。
【0137】 ヘテロアリール置換基に関する定義によって他に制限されない限り、このよう
なヘテロアリール基は、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によっ
て、必要に応じて置換され得、置換基は、以下からなる群から選択される:アシ
ルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル
、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコ
キシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアル
ケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、ア
リール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シア
ノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロ
シクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置
換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−
アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール
、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2
ヘテロアリールおよびトリハロメチル。好ましいアリールの置換基には、アルキ
ル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキ
シが挙げられる。このようなヘテロアリール基は、単一の環(例えば、ピリジル
またはフリル)あるいは複数の縮環した環(例えば、インドリジニルまたはベン
ゾチエニル)を有し得る。好ましいヘテロアリールには、ピリジル、ピロリルお
よびフリルが挙げられる。
【0138】 「ヘテロアリールアルキル」とは、(ヘテロアリール)アルキル−を表し、こ
こで、ヘテロアリールおよびアルキルは、本明細書中で定義の通りである。代表
的な例には、2−ピリジルメチルなどが挙げられる。
【0139】 用語「ヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−O−基を表す。
【0140】 用語「ヘテロアリーレン」とは、上で定義のようなヘテロアリール(置換ヘテ
ロアリールを含む)から誘導されるジラジカル基を表し、そして2,6−ピリジ
レン基、2,4−ピリジレン基、1,2−キノリニレン基、1,8−キノリニレ
ン基、1,4−ベンゾフラニレン基、2,5−ピリジニレン(pyridnyl
ene)基、2,5−インドレニル基などにより例示される。
【0141】 用語「複素環」または「複素環式」とは、単一の環または複数の縮環した環を
有し、その環内に、1〜40個の炭素原子、ならびに窒素、硫黄、リン、および
/または酸素から選択される、1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1〜4個の
ヘテロ原子を有する、飽和または不飽和基のモノラジカル基を表す。
【0142】 複素環式の置換基に関する定義によって他に制限されない限り、このような複
素環式基は、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によって、必要に
応じて置換され得、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置
換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換
シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ
、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、
ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキ
ル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ
、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ
、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒ
ドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換
アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、
−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
このような複素環式基は、単一の環または複数の縮合した環を有し得る。好まし
い複素環式には、モルホリノ、ピペリジニルなどが挙げられる。
【0143】 窒素複素環およびヘテロアリールの例には、ピロール、イミダゾール、ピラゾ
ール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソイン
ドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノ
リン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン
、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フ
ェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジ
ン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン
、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなど、ならび
にN−アルコキシ−含窒素複素環が挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】 別の種類の複素環式は、「クラウン化合物」として公知であり、これは、式[
−(CH2−)aA−](ここで、aは2以上であり、そしてAは、各別個の場合
において、O、N、SまたはPであり得る)の繰り返し単位を1つ以上有する、
特定の種類の複素環式化合物を表す。クラウン化合物の例には、例のみとして、
[−(CH23−NH−]3、[−((CH22−O)4−((CH22−NH) 2 ]などが挙げられる。典型的に、このようなクラウン化合物は、4〜10個の
ヘテロ原子、および8〜40個の炭素原子を有し得る。
【0145】 用語「ヘテロシクロオキシ」とは、複素環式−O−基を表す。
【0146】 用語「チオヘテロシクロオキシ」とは、複素環式−S−基を表す。
【0147】 用語「ヘテロシクレン」とは、本明細書中で定義のような複素環から形成され
るジラジカル基を表し、そして2,6−モルホリノ、2,5−モルホリノなどの
基により例示される。
【0148】 用語「オキシアシルアミノ」または「アミノカルボニルオキシ」とは、−OC
(O)NRR基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキ
ル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置
換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義の
通りである。
【0149】 用語「サッカリド基」とは、酸化されたか、還元されたか、もしくは置換され
たサッカリドモノラジカルであって、グリコペプチドまたは他の化合物に、この
サッカリド部分の任意の原子(好ましくは、アグリコン炭素原子)を介して共有
結合したものを表す。代表的なサッカリドには、例示として、以下が挙げられる
:ヘキソース(例えば、D−グルコース、D−マンノース、D−キシロース、D
−ガラクトース、バンコサミン(vancosamine)、3−デスメチルバ
ンコサミン、3−エピ−バンコサミン、4−エピ−バンコサミン、アコサミン(
acosamine)、アクチノサミン(actinosamine)、ダウノ
サミン(daunosamine)、3−エピ−ダウノサミン、リストサミン(
ristosamine)、N−メチル−D−グルカミン、D−グルクロン酸、
N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、シアル
酸(sialyic acid)、イズロン酸、L−フコースなど);ペントー
ス(例えば、D−リボースまたはD−アラビノース);ケトース(例えば、D−
リブロースまたはD−フルクトース);二糖類(例えば、2−O−(α−L−バ
ンコサミニル(vancosaminyl))−β−D−グルコピラノース、2
−O−(3−デスメチル−α−L−バンコサミニル)−β−D−グルコピラノー
ス、スクロース、ラクトース、またはマルトース);誘導体(例えば、アセター
ル、アミン、アシル化糖、硫酸化糖、およびリン酸化糖);2〜10のサッカリ
ドユニットを有するオリゴサッカリド。この定義のために、これらのサッカリド
は、従来の3文字の命名法を使用して参照され、そしてこれらのサッカリドは、
その開環形態か、または好ましくはピラノース形態かの、いずれかであり得る。
【0150】 用語「アミノ含有サッカリド基」とは、アミノ置換基を有するサッカリド基を
表す。代表的なアミノ含有サッカリドには、L−バンコサミン、3−デスメチル
−バンコサミン、3−エピ−バンコサミン、4−エピ−バンコサミン、アコサミ
ン、アクチノサミン、ダウノサミン、3−エピ−ダウノサミン、リストサミン、
N−メチル−D−グルカミンなどが挙げられる。
【0151】 用語「スピロ結合シクロアルキル基」とは、両方の環に共通の1つの炭素原子
を介して別の環に結合した、シクロアルキル基を表す。
【0152】 用語「スルホンアミド」とは、式−SO2NRRの基を表し、ここで、各Rは
独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または
複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール
および複素環式は、本明細書中に定義の通りである。
【0153】 用語「チオール」とは、−SH基を表す。
【0154】 用語「チオアルコキシ」とは、−S−アルキル基を表す。
【0155】 用語「置換チオアルコキシ」とは、−S−置換アルキル基を表す。
【0156】 用語「チオアリールオキシ」とは、アリール−S−基を表し、ここで、このア
リール基は、上で定義のようなものであり、必用に応じて置換されるアリール基
(これもまた上で定義された)を含む。
【0157】 用語「チオヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−S−基を表し、こ
こで、このヘテロアリール基は、上で定義のようなものであり、必用に応じて置
換されるアリール基(これもまた上で定義された)を含む。
【0158】 1つ以上の置換基を含む上述の基のいずれについても、もちろん、このような
基は、立体的に実行不可能および/または合成的に不可能である、置換または置
換パターンを含まないことが、理解される。さらに、本発明の化合物は、これら
の化合物の置換から生じる全ての立体化学的異性体を含む。
【0159】 「グリコペプチド」とは、サッカリド基で必要に応じて置換される多環ペプチ
ドコアにより特徴付けられる、ヘプタペプチド抗生物質(バンコマイシンなど)
を表す。この定義に含まれるグリコペプチドの例は、Raymond C.Ra
oおよびLouise W.Crandallによる「Glycopeptid
es Classification,Occurrence,and Dis
covery」(「Drugs and the Pharmaceutica
l Sciences」第63巻、Ramakrishnan Nagaraj
an編、Marcal Dekker,Inc.出版)に見出され得、この文献
は、全体が本明細書中に援用される。代表的なグリコペプチドには、A477、
A35512、A40926、A41030、A42867、A47934、A
80407、A82846、A83850、A84575、AB−65、アクタ
プラニン、アクチノイジン(Actinoidin)、アルダシン、アボパルシ
ン、アズレオマイシン(Azureomycin)、バルヒマイシン(Balh
imycin)、クロロオリエンチエイン(Chloroorientiein
)、クロロポリスポリン(Chloropolysporin)、デカプラニン
(Decaplanin)、N−デメチルバンコマシイン(demethylv
ancomycin)、エレモマイシン(Eremomycin)、ガラカルジ
ン(Galacardin)、ヘルベカルジン(Helvecardin)、イ
ズペプチン(Izupeptin)、キブデリン(Kibdelin)、LL−
AM374、マンノペプチン(Mannopeptin)、MM45289、M
M47756、MM47761、MM49721、MM47766、MM552
60、MM55266、MM55270、MM56597、MM56598、O
A−7653、オレンチシン(Orenticin)、パルボジシン(Parv
odicin)、リストセチン(Ristocetin)、リストマイシン(R
istomycin)、シンモニシン(Synmonicin)、テイコプラニ
ン(Teicoplanin)、UK−68597、UK−69542、UK−
72051、バンコマイシンなどとして確認されるものが挙げられる。用語「グ
リコペプチド」とはまた、本明細書中で使用される場合には、上に開示したペプ
チドの、糖部分のない一般的な種類(すなわち、グリコペプチドのアグリコン系
列)を含むことを意図される。例えば、バンコマイシンのフェノールに付加した
ジサッカリド部分を、温和な加水分解によって除去することにより、バンコマイ
シンアグリコンが得られる。バンコマイシンと類似の様式で、さらなるサッカリ
ド残基がさらに付加したグリコペプチド(特に、アミノグリコシド)もまた、本
発明の範囲内である。
【0160】 「バンコマイシン」とは、以下の式を有するグリコペプチド抗生物質を表す:
【0161】
【化14】
【0162】 バンコマイシン誘導体を記載する場合には、用語「Nvan−」とは、置換基が
、バンコマイシンのバンコサミン部分のアミノ基に共有結合していることを示す
。同様に、用語「Nleu−」とは、置換基が、バンコマイシンのロイシン部分の
アミノ基に共有結合していることを示す。
【0163】 「任意の」または「必要に応じて」とは、引き続いて記載される事象または状
況が起こっても起こらなくてもよいこと、ならびにその記載が、その事象または
状況が起こった例およびその事象または状況が起こっていない例を含むことを意
味する。例えば、「必要に応じて置換される」とは、ある基が、記載される置換
基で置換されても置換されなくてもよいことを意味する。
【0164】 本明細書中で使用する場合には、「トランスグリコシラーゼ酵素基質」とは、
トランスグリコシラーゼ酵素の分子標的を表す。この基質はこの酵素に結合し、
そして最終的に、細菌の細胞壁の合成をもたらす。この酵素の作用は、この酵素
基質に結合するリガンドドメインによって阻害される。バンコマイシンのような
リガンドは、この基質に結合して、事実上、この基質を「分離」し、この酵素に
よるこの基質の認識、および細菌細胞壁の構成における引き続く使用を防止する
【0165】 本明細書中で使用する場合には、「効力」とは、化合物またはリガンドが所望
の生物学的または治療的効果を達成し得る最小濃度を表す。化合物またはリガン
ドの効力は、典型的に、その結合部位との親和力に比例する。効力がその親和力
と非線形的に相関し得る場合もある。
【0166】 本明細書中で使用する場合には、用語「不活性有機溶媒」もしくは「不活性溶
媒」または「不活性希釈剤」とは、それが溶媒または希釈剤として利用される反
応の条件において本質的に不活性である、溶媒または希釈剤を意味する。不活性
な溶媒または希釈剤として使用され得る物質の代表的な例には、例示として、ベ
ンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメ
チルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム(「CHCl3」)、塩化メチ
レン(またはジクロロメタンまたは「CH2Cl2」)、ジエチルエーテル、酢酸
エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが挙
げられる。逆に言及されない限り、本発明の反応において使用される溶媒は、不
活性溶媒である。
【0167】 「薬学的に受容可能な塩」は、生物学的有効性および親化合物の特性を保持す
る塩を意味し、そしてこれらの塩は、投薬用量として、生物学的にまたはその他
の点で有害ではない。本発明の化合物は、それぞれアミノ基およびカルボキシル
基の存在のおかげで、酸および塩基の両方の塩を形成可能である。
【0168】 薬学的に受容可能な塩基付加塩が、無機塩基および有機塩基から調製され得る
。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニ
ウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩が挙げられるが、これらに限定され
ない。有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級、および第3級アミンの
塩、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、および環状アミン(イソプロ
ピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン
、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(
hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミ
ン、N−アルキルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジ
ン、およびN−エチルピペリジンを含む)が挙げられるが、これらに限定されな
い。他のカルボン酸誘導体(例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサ
ミド、ジ(低級アルキル)カルボキサミドなどを含むカルボン酸アミド)が、本
発明の実施に有用であることを理解すべきである。
【0169】 薬学的に受容可能な酸付加塩を、無機酸および有機酸から調製し得る。無機酸
から誘導される塩には、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが
挙げられる。有機酸から誘導される塩には、酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコー
ル酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マ
レイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、マン
デル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩、サリチル酸塩などが挙げられる。
【0170】 本発明の化合物は、典型的に、1個以上のキラル中心を含む。従って、本発明
は、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、1個以上の立体異性体
がリッチな混合物を含むことを意図する。記載されそして特許請求される本発明
の範囲は、化合物のラセミ形態ならびにそれらの個々のエナンチオマーおよび非
ラセミ混合物を包含する。
【0171】 本明細書中で使用される用語「処置」とは、動物、具体的に哺乳動物、より具
体的にヒトの状態または疾患の任意の処置を含み、そして、以下を含む: (i)疾患にかかりやすくあり得る、まだ疾患を有していると診断されていな
い被験体において、疾患または状態が発生するのを予防する工程; (ii)疾患または状態を阻害する工程であって、すなわち、その発達を阻止
する工程;疾患または状態を軽減する工程、すなわち状態の後退を引き起こす工
程;または疾患によって生じる状態、すなわち疾患の症状を軽減する工程。
【0172】 本明細書中で使用される用語「幅広いスペクトルの抗菌物質で処置することに
よって軽減される疾患状態」とは、一般に、幅広いスペクトルの抗菌物質で有用
に処置されるべき、当該分野で一般に公知である全ての疾患状態、ならびに本発
明の特定の抗菌物質によって有用に処置されることが見出された疾患状態を網羅
することを意図する。このような疾患状態には、病原性バクテリア、特にブドウ
球菌(メチシリン感受性およびメチシリン耐性)、連鎖球菌(ペニシリン感受性
、およびペニシリン耐性)、腸球菌(バンコマイシン感受性およびバンコマイシ
ン耐性)、およびクロストリジウムディフィシレ(difficile)が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0173】 用語「治療有効量」とは、このような処置の必要な哺乳動物に投与される場合
、本明細書中に定義されるような処置を行うのに十分な量を意味する。治療有効
量は、処置される被験体および疾患状態、苦痛の重篤度、ならびに投与の様式に
依存して変化し、当業者により慣用的に決定され得る。
【0174】 用語「保護基」または「ブロック基」は、化合物の1個以上のヒドロキシル、
チオール、アミノ、カルボキシル、または他の基に結合する場合、これらの基で
所望されない反応が起こるのを妨げる任意の基を意味し、そしてこの保護基は、
従来の化学的工程または酵素学的工程により除去され、ヒドロキシル、チオ、ア
ミノ、カルボキシル、または他の基を回収し得る。使用される特定の除去可能な
ブロック基は、重要ではなく、好ましい除去可能なヒドロキシルブロック基には
、従来の置換基(例えば、アリル、ベンジル、アセチル、クロロアセチル、チオ
ベンジル、ベンジリデン(benzylidine)、フェナシル、t−ブチル
−ジフェニルシリルおよび任意の他の基)が挙げられ、これらの基は、ヒドロキ
シル官能基上に化学的に導入され得、そして後に生成物の性質に適合性の温和な
条件で、化学的または酵素学的のいずれかの方法により選択的に除去される。保
護基は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsの「Protect
ive Groups in Organic Synthesis」第2版、
1991、John Wiley and Sons,NYに、より詳細に開示
される。
【0175】 好ましい除去可能なアミノブロック基には、従来の置換基(例えば、t−ブト
キシカルボニル(t−BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、フルオ
レニルメトキシカルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(ALOC)
など)が挙げられ、これらは、生成物の性質に適合性の従来の条件により除去可
能である。
【0176】 好ましいカルボキシル保護基には、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルな
どのエステルが挙げられ、これらは、生成物の性質に適合性の温和な条件により
除去され得る。
【0177】 本明細書中で使用される「生物学的効果」とは、向上した親和性、向上した選
択性、向上した効力、向上した有効性、向上した作用持続期間、低下した毒性な
どが挙げられる。
【0178】 (一般的合成手順) 本発明のグリコペプチド化合物を、以下の一般的な方法および手順を使用して
、容易に利用可能な出発物質から調製し得る。典型的なまたは好ましいプロセス
条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えら
れ、他のプロセス条件がまた、他に記載がなければ使用され得ることが明らかで
ある。最適な反応条件が、使用される特定の反応物または溶媒とともに変化し得
るが、このような条件は、慣用的な最適化手順によって当業者によって決定され
得る。
【0179】 さらに、当業者には、通常の保護基が、特定の官能基が所望しない反応を受け
ることを防ぐために必要とされ得ることが明らかである。特定の官能基に対する
適切な保護基、ならびに保護および脱保護の適切な条件の選択は、当該分野にお
いて周知である。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去は、
T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protecting Gro
ups in Organic Synthesis、第2版、Wiley,N
ew York,1991およびそこに引用される参考文献に記載される。
【0180】 以下の反応スキームにおいて、グリコペプチド化合物は、[C]と標識された
カルボキシ末端、[V]と標識されたバンコサミン(vancosamine)
アミノ末端、[N]と標識された「非サッカリド」アミノ末端(ロイシンアミン
部分)、および必要に応じて、[R]と標識されたレゾルシノール部分を示す、
ボックス「G」として単純化された形態で示され以下:
【0181】
【化15】
【0182】 のようである。
【0183】 1つの好ましい実施態様において、本発明のグリコペプチド化合物は、以下の
反応:
【0184】
【化16】
【0185】 に示されるようなグリコペプチドの還元的アルキル化によって、調製される。こ
こで、Aは、Raから炭素原子1個を引いたものを表し、そしてRa、Rb、Y、
Zおよびxは、本明細書中で定義される通りである。この反応は、典型的に、最
初にグリコペプチド(1当量)(例えば、バンコマイシン)を、所望のアルデヒ
ド(過剰、好ましくは、1.1〜1.3当量)と、三級アミン(過剰、好ましく
は、約2.0当量)(例えば、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)など
)の存在下で、接触させることで誘導される。この反応は、対応するイミンおよ
び/またはヘミアミナール(hemiaminal)の形成が、実質的に完了さ
れるまで、典型的に、不活性希釈剤(例えば、DMF)中、約1〜2時間、周囲
温度で誘導される。得られたイミンおよび/またはヘミアミナールは、典型的に
、単離されないが、金属水素化物の還元剤(例えば、シアノホウ酸水素ナトリウ
ム)を用いてインサイチュで反応され、対応するアミンを与える。この反応は、
典型的に、メタノール中でイミンおよび/またはヘミアミナールを、約1〜1.
2当量の還元剤と、トリフルオロ酢酸(過剰、好ましくは、約3当量)の存在下
周囲温度で接触させることにより誘導される。得られたアルキル化生成物は、従
来の手順(例えば、逆相HPLC)により容易に精製される。驚くことに、トリ
アルキルアミンの存在下でイミンおよび/またはヘミアミナールを形成すること
で、還元的アルキル化反応ついての選択性が非常に改良され、すなわち、サッカ
リド(例えば、バンコサミン)のアミノ基での還元的アルキル化が、N末端(例
えば、ロイシニル基)での還元的アルキル化に関して好ましい(少なくとも10
:1、より好ましくは20:1)。
【0186】 所望であれば、本発明のグリコペプチド化合物はまた、段階的(step−w
ise)様式で調製され得、ここで、−Ra−Y−Rb−(Z)x基での前駆体が
、まず還元的アルキル化によってグリコペプチドに付着され、次に、以下に例示
するように−Ra−Y−Rb−(Z)x基を形成するために、従来の試薬および手
順を使用して、付着された前駆体を引き続いて磨きをかける。さらに、ケトンは
また、上記の還元的アルキル化反応を使用して、α−置換アミンを与え得る。
【0187】 アミノ基を有する任意のグリコペプチドは、これらの還元的アルキル化反応に
使用され得る。このようなグリコペプチドは、当該分野で周知であり、そして市
販されるか、または通常の手順を使用して単離され得るかのいずれかである。適
切なグリコペプチドは、例示として以下に開示される:米国特許第3,067,
099号;3,338,786号;3,803,306号;3,928,571
号;3,952,095号;4,029,769号;4,051,237号;4
,646号;4,322,343号;4,378,348号;4,497,80
2号;4,504,467号;4,542,018号;4,547,488号;
4,548,925号;4,548,974号;4,552,701号;4,5
58,008号;4,639,433号;4,643,987号;4,661,
470号;4,694,069号;4,698,327号;4,782,042
号;4,914,187号;4,935,238号;4,946,941号;4
,994,555号;4,996,148号;5,187,082号;5,19
2,742号;5,321,738号;5,451,570号;5,591,7
14号;5,712,208号;5,750,509号;5,840,684号
;および5,843,889号。これらの開示は、本明細書中でその全体におい
て参考として援用される。好ましくは、上記反応において使用されるグリコペプ
チドは、バンコマイシンである。
【0188】 還元的(reactive)アルキル化反応において使用されるアルデヒドお
よびケトンはまた、当該分野で周知であり、そして市販か、または市販の出発物
質および従来の試薬を使用する従来の手順により調製され得るかのいずれかであ
る。典型的に、このような材料は、例えば、アミノ、チオール、ヒドロキシル、
ハロまたは他の置換基を有する官能基化アセタールを、相補的な官能基を有する
適切な中間体と従来のカップリングにより調製し、スルフィド、エーテル、アミ
ン、スルホンアミドなどを形成する。アセタールの引き続く加水分解により、対
応するアルデヒドを得る。このような反応は、当該分野で周知であり、例えば、
March,Advanced Organic Chemistry、第4版
、John Wiley & Sons、New York(1992)および
そこに引用される参考文献に記載される。アルデヒド化合物の代表的な合成を、
スキーム1〜5に例示する。
【0189】
【化17】
【0190】 ここで、Rは、−Rb−(Z)xまたは−(Rbから炭素原子1個を引いたもの)
−(Z)xを表し(ここで、Rb、Zおよびxは、本明細書中で定義される通りで
ある)。
【0191】 さらなる例示の方法によって、以下のスキームで、本発明の代表的出発物質お
よび化合物の合成を記載する。例えば、スキームAは、Fmoc−アミノアルデ
ヒド5を対応するアミノアルコール3から調製する方法を例示し、ここで、Aは
、本明細書中で定義される通りである。この反応において、アミノアルコールを
、従来の技術により保護し、例えば、塩基存在下9−フルオレニルメチルクロロ
ホルメートで処理しFmoc−保護アミノアルコール4を得る。次いで、公知の
技術による酸化により、アルデヒド5を得る。
【0192】
【化18】
【0193】 スキームBは、Fmoc−保護アミノアルデヒド5への別の経路を例示する。
この経路は、Sasake,Y.,Abe,J.Chem.Pharm.Bul
l.(1997),45(1),13−17にさらに詳細に記載される。
【0194】
【化19】
【0195】 次いで、式5のFmoc−保護アミノアルデヒドを、スキームCに示されるよ
うにグリコペプチド(例えば、バンコマイシン)と反応させ得る。
【0196】
【化20】
【0197】 ここで、Bは、−(Rbから炭素原子1個を引いたもの)−(Z)xを表し、ここ
でRb、Zおよびxは、本明細書中で記載される通りである。
【0198】 この反応は、還元的アルキル化条件の下で誘導され、グリコペプチド中間体1
1を与える。ピペリジンを用いる11の脱保護により、第1級アミノ基を有する
対応するグリコペプチド12を得る。標準的な還元的アルキル化条件の下アルデ
ヒド13を用いる12の反応により、グリコペプチド誘導体14および対応する
ビス付加体15を得、これらは、従来の技術(例えば、HPLC)により分離さ
れる。
【0199】 スキームDは、Fmoc保護アミノアルデヒド24を調製するための方法を例
示する。スキームにおいて、従来のアミドカップリング条件下、酸塩化物19の
アミノエステル20との反応により、アミドエステル21を得る。金属水素化物
の還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウム(LAH))を使用するエステ
ルおよびアミド部分の両方の還元により、アミノアルコール22を得る。スキー
ムAでのように、保護および酸化により、式24のアルデヒドを得る。
【0200】
【化21】
【0201】 あるいは、アルデヒド24は、スキームD’に示されるように調製され得る。
この反応おいて、従来のアミンアルキル化条件の下、アミノアルコール3の直接
的アルキル化によって、アミノアルコール22を得、次いでこれは、上記スキー
ムDで使用され得る。
【0202】
【化22】
【0203】 スキームEは、アルデヒド24を調製するための代替の方法を例示する。この
反応において、アミノアセタール6を、還元的にアルキル化し25を得る。次い
で、引き続くアミノ基の保護および、従来の条件下でのアセタールの加水分解に
より、アルデヒド24を得る。
【0204】
【化23】
【0205】 スキームFは、グリコペプチドの還元的アルキル化の別の方法を例示する。こ
のスキームにおいて、上記のように調製されたFmoc−保護アルデヒド24を
、還元的アルキル化条件の下、グルコペプチド10(例えば、バンコマイシン)
と反応させて、グリコペプチド誘導体27を得る。ピペリジンを用いた引き続く
脱保護により、グリコペプチド誘導体14を得る。
【0206】
【化24】
【0207】 スキームGは、グリコペプチド誘導体(例えば、バンコマイシン)のカルボキ
シル基のアミドへの転換を例示する。この反応において、標準的なペプチドカッ
プリング条件(例えば、PyBOPおよびHOBT(DMF中))下で、アミン
28をグリコペプチド誘導体(例えば、27)と反応させて、脱保護の後、アミ
ド29を与える。
【0208】
【化25】
【0209】 スキームHは、Mannich反応による、グリコペプチド(例えば、バンコ
マイシン)のレゾルシノール部分での、アミノアルキル側鎖の導入を例示する。
この反応において、アミン30およびアルデヒド(例えば、ホルマリン(ホルム
アルデヒドの源))は、塩基性条件下、グリコペプチドと反応して、グリコペプ
チド誘導体31を得る。
【0210】
【化26】
【0211】 同様に、スキームIは、Mannich反応を使用するグリコペプチドのレゾ
ルシノール部分での、式−Ra−Y−Rb−(Z)xの置換基の導入を例示する。
この反応において、過剰のアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)を反応させ
て、式VIIaおよび/またはVIIbの環状化合物を得る。
【0212】
【化27】
【0213】 スキームJは、上記のいくつかの反応に使用するグリコペプチド誘導体の合成
を例示する。このスキームにおいて、グリコペプチド誘導体27をスキームHに
記載されるMannich反応を使用して、レゾルシノール部分で誘導体化し、
グリコペプチド誘導体40を得る。スキームGに記載されるように、カルボキシ
ル基での脱保護およびアミドカップリングにより、グリコペプチド誘導体42を
得る。
【0214】
【化28】
【0215】 スキームLは、グリコペプチド誘導体27の複数の還元的アルキル化反応を例
示し、これによりグリコペプチド誘導体44aを得る。
【0216】
【化29】
【0217】 本発明の化合物を調製するためのさらなる詳細および他の方法を、以下の実施
例に記載する。
【0218】 (薬学的組成物) 本発明はまた、本発明の新規なグリコペプチド化合物を包含する薬学的組成物
を含む。従って、好ましくは薬学的に受容可能な塩の形態のグリコペプチド化合
物は、細菌感染の治療処置および予防処置のための経口または非経口投与用に処
方され得る。
【0219】 例示として、グリコペプチド化合物は、従来の薬学的キャリアおよび賦形剤と
混合され得、そして錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハな
どの形態で使用され得る。このような薬学的組成物は、活性化合物の重量の約0
.1〜90%、そしてより一般的に約10%〜約30%を含む。この薬学的組成
物は、コーンスターチ、またはゼラチン、ラクトース、ショ糖、微結晶性セルロ
ース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、および
アルギン酸のような通常のキャリアおよび賦形剤を含み得る。本発明の処方物中
に通常使用される崩壊薬には、クロスカルメロース(croscarmello
se)、微結晶性セルロース、コーンスターチ、ナトリウムスターチグリコレー
トおよびアルギン酸が挙げられる。
【0220】 液体組成物は、一般的に、懸濁剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、香味剤また
は着色剤とともに、例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトール、非水溶性
溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)、オイル、または水のような適切な液
体キャリア(単数または複数)中の化合物または薬学的に受容可能な塩の懸濁液
または溶液からなる。あるいは、液体処方物は、再構成可能な粉末から調製され
得る。
【0221】 例えば、活性化合物、懸濁剤、ショ糖、および甘味料を含む粉末は、水を用い
て再構成され得、懸濁液を形成し;そしてシロップは、活性成分、ショ糖、およ
び甘味料を含む粉末から調製され得る。
【0222】 錠剤の形態の組成物は、固体組成物を調製するために慣習的に使用される、任
意の適切な薬学的キャリア(単数または複数)を使用して調製され得る。このよ
なキャリアの例には、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、乳糖、ショ糖、結
晶性セルロースおよびバインダー(例えば、ポリビニルピロリドン)が挙げられ
る。錠剤はまた、カラーフィルムコーティング、またはキャリア(単数または複
数)の一部として含まれるカラーを有して提供され得る。さらに、活性化合物は
、親水性マトリクスまたは疎水性マトリクスを含む錠剤として制御された放出投
薬形態で処方され得る。
【0223】 カプセル形態の組成物は、慣用的なカプセル化手順を使用して、例えば、活性
化合物および賦形剤の硬質ゼラチンカプセルへの取り込みによって調整され得る
。あるいは、活性化合物および高い分子量のポリエチレングリコールの半固体マ
トリクスを調製し、そして硬質ゼラチンカプセルに充填し得;あるいはポリエチ
レングリコール中の活性化合物の溶液または食用のオイル(例えば、流動パラフ
ィン、分別した(fractionated)ココナッツオイル)中の懸濁液を
調製し、そして軟質ゼラチンカプセルに充填し得る。
【0224】 含まれ得る錠剤バインダーは、アラビアゴム、メチルセルロース、ナトリウム
カルボキシセルロース、ポリ−ビニルピロリドン(Povidone)、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ショ糖、デンプン、およびエチルセルロースで
ある。使用され得る潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウムまたは他のステアリ
ン酸金属、ステアリン酸、シリコーン流体、タルク、ワックス、オイルおよびコ
ロイド状シリカが挙げられる。
【0225】 ペパーミント、冬緑樹のオイル、チェリー香味剤などの香味剤がまた、使用さ
れ得る。さらに着色剤を加え、外見上より魅力的な投薬形態とするか、または製
造物の識別性を助けることが所望され得る。
【0226】 非経口で投与される場合、活性である本発明の化合物およびそれらの薬学的受
容可能な塩は、筋肉内、髄腔内、静脈内投与用に処方され得る。
【0227】 筋肉内または髄腔内投与用の典型的な組成物は、オイル(例えば、ラッカセイ
油またはゴマ油)中の活性成分の懸濁液または溶液からなる。静脈内または髄腔
内投与用の典型的な組成物は、例えば、活性成分、およびデキストロースもしく
は塩化ナトリウム、またはデキストロースと塩化ナトリウムとの混合物を含む、
滅菌の等張性水溶液からなる。他の例には、乳酸加リンガー液、乳酸加リンガー
液+デキストロース注射液、Normosol−Mおよびデキストロース、Is
olyte E、アシル化リンガー液などがある。必要に応じて、共溶媒(例え
ば、ポリエチレングリコール)、キレート剤(例えば、エチレンジアミンテトラ
酢酸)、および抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)が、処方物に含ま
れ得る。あるいは、溶液を凍結乾燥し、次いで投与の直前に適切な溶媒で再構成
され得る。
【0228】 直腸投与で活性である本発明の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩が
、坐薬として処方され得る。典型的な坐薬処方物は、一般的に、ゼラチンまたは
ココアバター、あるいは他の低融点の植物性または合成ワックスまたは脂肪のよ
うな結合剤および/または潤滑剤を含む活性成分からなる。
【0229】 局所投与で活性である本発明の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩が
、経皮組成物または経皮送達デバイス(「パッチ」)として処方され得る。この
ような組成物には、例えば、裏装、活性化合物のレザバ、制御膜、ライナーおよ
び接触接着剤が挙げられる。このような経皮パッチを使用して、制御量での本発
明の化合物の、連続または不連続注入液を提供し得る。薬学的試薬の送達のため
の経皮パッチの構成および使用は、当該分野で周知である。例えば、1991年
6月11日に発行された米国特許第5,023,252号(本明細書中でその全
体が参考として引用される)を参照のこと。このようなパッチは、連続、脈動(
pulsatile)、または需要送達(on demand deliver
y)薬学的試薬で構成され得る。
【0230】 活性化合物は、幅広い投薬量範囲にわたって有効であり、そして一般に薬学的
有効量で投与される。しかし、実際に投与される化合物量は、処置される状態、
選択した投与経路、投与される実際の化合物およびその相対的活性、年齢、体重
、および個々の患者の応答、患者の症状の重篤度などを含む関連する状況に照ら
し合わせて、医師により決定される。
【0231】 適切な用量は、一般的な範囲として、0.01〜100mg/kg/日、好ま
しくは、0.1〜50mg/kg/日である。平均70kgのヒトについて、こ
の用量は、1日当たり0.7mg〜7g、または好ましくは、1日当たり7mg
〜3.5gの量である。
【0232】 本発明において、使用のための他の適切な処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publis
hing Company,Philadelphia,PA,第17版(19
85)に見出され得る。
【0233】 以下の処方物の例により、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。
【0234】 (処方実施例A) この実施例は、本発明の化合物の経口投与用の代表的な薬学的組成物の調製を
例示する:
【0235】
【表1】
【0236】 上記成分を混合し、硬質殻ゼラチンカプセルに導入する。
【0237】 (処方実施例B) この実施例は、本発明の化合物の経口投与用の別の代表的な薬学的組成物の調
製を例示する:
【0238】
【表2】
【0239】 上記成分を完全に(intimately)混合し、そして一回分にスコアー
付けした(single scored)錠剤にプレスした。
【0240】 (処方実施例C) この実施例は、本発明の化合物の経口投与用の代表的な薬学的組成物の調製を
例示する。
【0241】 経口用の懸濁物を、以下の組成を有するように調製した。
【0242】
【表3】
【0243】 (処方実施例D) この実施例は、本発明の化合物を含む代表的な薬学的組成物の調製を例示する
【0244】 pH4まで緩衝化した注射可能な調製物を、以下の組成を有するように調製し
た:
【0245】
【表4】
【0246】 (処方実施例E) この実施例は、本発明の化合物の注射用の代表的な薬学的組成物の調製を例示
する。
【0247】 再構成した溶液を、本発明の化合物1gに滅菌水20mLを添加することによ
って調製する。次いで使用の前に、この溶液を活性化合物と適合性の静脈用の流
体200mLで希釈する。このような流体を5%のデキストロース溶液、0.9
%の塩化ナトリウム、または5%のデキストロースと0.9%の塩化ナトリウム
の混合物から選択した。他の例には、乳酸加リンガー液、乳酸加リンガー液+5
%デキストロース注射液、Normosol−Mおよび5%デキストロース、I
solyte E、アシル化リンガー液などがある。
【0248】 (処方実施例F) この実施例は、本発明の化合物の局所適用のための代表的な薬学的組成物の調
製を例示する。
【0249】
【表5】
【0250】 上記成分の全て(水を除く)を、組み合わせて、攪拌しながら60℃まで加熱
する。次いで60℃の十分な量の水を、激しく攪拌しながら添加してこの成分を
乳化し、次いで水を100g(適量)添加した。
【0251】 (処方実施例G) この実施例は、本発明の化合物を含む代表的な薬学的組成物の調製を例示する
。 総量で2.5gの坐薬を、以下の組成を有するように調製する:
【0252】
【表6】
【0253】 (有用性) 本発明のグリコペプチド化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩は、医
療処置において有用であり、抗菌活性を含む生体活性を示し、このことは、この
実施例において記載される試験において実証され得る。これらの試験は、当業者
に周知であり、そしてLorianの「Antibiotics in Lab
oratory Medicine」、第4版、Williams and W
ilkins(1991)(本明細書中で参考として援用される)で参照され、
記載されている。
【0254】 従って、本発明は、感染性疾患、特に、動物においてグラム陽性微生物によっ
て引き起こされる疾患を処置するための方法を提供する。本発明の化合物は、特
に、メチシリン耐性ブドウ球菌によって引き起こされる感染を処置するのに有用
である。また、この化合物は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含む、腸
球菌による感染を処置するのに有用である。このような疾患の例には、重篤なブ
ドウ球菌性の感染、例えば、ブドウ球菌心内膜炎およびブドウ球菌敗血症がある
。この動物は、微生物に感受性であるか、または微生物で感染される得るかのい
ずれかである。本方法は、この目的のための有効である本発明の化合物の量を、
動物に投与する工程を含む。一般に、本発明の化合物の有効量は、約0.5mg
/kgと約100mg/kgとの間の用量である。好ましい用量は、約1〜約6
0mg/kgの活性化合物である。典型的な成人のヒトの1日用量は、約50m
g〜約5gである。
【0255】 この方法を実施する際に、抗生物質が単回の1日量、または1日当たりの多回
量で投与され得る。この処置レジメンは、幅のある期間、例えば、数日または1
週間〜6週間にわたる投与を必要とする。投与用量当たりの量、または投与され
る総量は、感染の性質および重篤度、患者の年齢および一般的健康状態、抗生物
質および微生物または感染における微生物に対する患者の耐性のような因子に依
存する。
【0256】 他の特性の中で、本発明の化合物はまた、N−アシルグリコペプチド誘導体と
比較してより化学的に安定であることが見出された。より詳細には、バンコマイ
シンのバンコサミン部分のアミノ基のアシル化により、ジサッカリド部分の加水
分解の速度が上がることを観測した。対照的に、本発明の化合物が、−Ra−Y
−Rb−(Z)x基によってバンコマイシンのバンコサミン部分のアミノ基で置換
された場合、ジサッカリド部分の加水分解の速度の上昇は観測されない。
【0257】 以下の合成および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供され、本発
明の範囲を限定するものとして、いかなる方法においても解釈されるものではな
い。
【0258】 (実施例) 以下の実施例において、以下の略語は、以下の意味を有する。定義されていな
い任意の略語は、一般的に受け入れられた意味を有する。もし他に記載がなけれ
ば、全ての温度は、摂氏度である。 BOC、Boc=tert−ブトキシカルボニル DIBAL−H=ジイソブチルアルミニウムヒドリド DIPEA =ジイソプロピルエチルアミン DMF =N,N−ジメチルホルムアミド DMSO =ジメチルスルホキシド eq. =当量 Et =エチル EtOAc =酢酸エチル Fmoc =9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBT =1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物 Me =メチル PyBOP =ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホ スホニウムヘキサフルオロホスフェート TEMPO =2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ,フリー ラジカル TFA =トリフルオロ酢酸 THF =テトラヒドロフラン TLC、tlc=薄層クロマトグラフィー。
【0259】 以下の実施例において、バンコマイシンヒドロクロリド半水和物は、Alph
arma,Inc.Fort Lee,NJ07024(Alpharma A
S,Oslo Norway)から購入した。他の試薬および反応物を、Ald
rich Chemical Co.,Milwaukee,WI 53201
から入手可能である。
【0260】 (一般手順A バンコマイシンの還元的アルキル化) DMF中のバンコマイシン(1当量)と所望のアルデヒド(1.3当量)との
混合物に、DIPEA(2当量)を添加した。この反応物を、周囲温度で1〜2
時間攪拌し、そして逆相HPLCによってモニタリングした。メタノールおよび
NaCNBH3(1当量)を、この溶液に添加し、次いでTFA(3当量)を添
加した。攪拌を、周囲温度でさらに1時間続けた。反応が完了した後、メタノー
ルを減圧下で除去した。この残渣をアセトニトリル中で沈殿させた。濾過により
粗生成物を得、次いでこの粗生成物を逆相HPLCにより精製した。所望であれ
ば、他のグリコペプチドをこの手順で使用し得る。
【0261】 (一般的手順B) (アグリコンアルキル化手順I) DMF中のバンコマイシンアグリコンTFA塩(1.0当量)、Cs2CO3
3.5当量)の白色懸濁液を、室温で30分間攪拌する。ハロゲン化アルキル(
1.1当量)を添加する。次いで、この反応混合物を、酢酸を用いるクエンチン
グの前に5〜24時間攪拌する。生じた茶色がかった溶液を水中に滴下し、白色
沈澱を得る。ろ過して、粗モノアルキル化生成物を得、所望ならば、逆相HPL
Cにより精製することができる。
【0262】 (一般的手順C) (アグリコンアルキル化手順II) 窒素下で、バンコマイシンアグリコンのトリフルオロ酢酸塩(1当量)を、D
MFに溶解し、室温で、炭酸カリウム(8〜10当量)と共に1時間、勢いよく
攪拌する。ハロゲン化アルキル(1当量)を添加し、この混合物を一晩中勢いよ
く攪拌する。ジエチルエーテル中に沈澱させることによって、粗生成物を収集し
、アセトニトリルで洗浄し、そして10%酢酸水溶液内に取り上げる。モノアル
キル化生成物を、逆相HPLCによって精製して得る。
【0263】 (一般的手順D) (アミノ置換アルデヒドの調製) 2−アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールのようなアミノアセタール(
1当量)、アルデヒド(1.05当量)およびNaCNBH3(1当量)のCH2 Cl2溶液を、室温で1〜4時間攪拌する。反応をTLCでモニタする。Fmo
cCl(1当量)およびDIPEA(2当量)を、0℃において、反応混合物に
添加する。室温で1〜2時間攪拌する。次いで、反応を0.1N HCl、水お
よびブラインで洗浄する。溶媒を真空中で除去し、そして残渣をフラッシュクロ
マトグラフィーによって精製し、アミノ置換アセタールを得た。
【0264】 このアミノ置換アセタールのアセトン溶液に6N HCl(1.5当量)を添
加する。この反応を、室温で5〜16時間攪拌する。溶媒を真空中で除去し、残
渣を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗アミノ
置換アルデヒドを得る。
【0265】 (一般的手順E) (チオ置換アルデヒドの調製) ジメチル2−ブロモアセトアルデヒドのようなブロモアセタール(1当量)、
およびヨウ化ナトリウム(1当量)のDMF溶液を、周囲温度で0.5時間攪拌
する。この溶液に、n−デシルチオールのような置換チオール(1当量)、続い
て炭酸カリウム(1当量)を添加する。この混合物を25〜80℃で4〜16時
間攪拌する。次いで、この反応系を、酢酸エチルで取り上げ、水で2回、そして
飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を真空中
で除去する。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)
で精製し、対応するチオ置換アセタールを得る。
【0266】 このチオ置換アセタールのアセトン溶液に6N HCl(1.5当量)を添加
する。この反応系を、室温で5〜16時間攪拌する。溶媒を真空中で除去し、残
渣を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗チオ置
換アルデヒドを得る。
【0267】 (一般的手順F) (チオ置換アルデヒドの調製) チオグリコール酸メチルのようなチオールエステル(1当量)、ヨウ化ナトリ
ウム(1当量)、臭化アルキル(1当量)および炭酸カリウム(1当量)のDM
F中の混合物を、室温で4〜16時間攪拌する。この反応系を酢酸エチルで取り
上げ、水およびブラインで洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を真空中で除去する。フラッシュクロマトグラフィーで精製し、チオ置換エステ
ルを得る。
【0268】 乾燥エーテル中のチオ置換エステルを、−78℃でDIBAL−H(シクロヘ
キサン中の1M溶液、1.3当量)で処理する。次いで、この反応系を、−78
℃で2〜4時間攪拌する。TLCを使用して、反応の進行をモニタする。完了し
たら、ギ酸エチル(0.5当量)を添加して、反応系をクエンチする。次いで、
この反応系を10%酢酸、水およびブラインで洗浄する。有機相を硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を除去し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗
チオ置換アルデヒドを得る。
【0269】 (一般的手順G) (アルコキシ置換アルデヒドの調製) THF中のジメチル2−ヒドロキシアセトアルデヒドのようなヒドロキシアセ
タール(1当量)溶液を0℃において、水素化ナトリウム(1当量)で処理する
。水素発生終了後、臭化アルキルを、0℃で添加する。次いで、この反応系を室
温で1〜4時間攪拌する。この反応系を酢酸エチルで取り上げ、水およびブライ
ンで洗浄する。溶媒を真空中で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで
一般的に精製し、アルコキシ置換アセタールを得る。
【0270】 アセトン中のこのアルコキシ置換アセタールの溶液に6N HCl(1.5当
量)を添加する。この反応系を、室温で5〜16時間攪拌する。溶媒を真空中で
除去し、残渣を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく、典型的に使用され
る粗アルコキシ置換アルデヒドを得る。
【0271】 (一般的手順H) (スルホンアミド置換アルデヒドの調製) THF中のジメチル2−アミノアセトアルデヒドのようなアミノアセタール(
1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(2当量)の溶液を0℃において、
塩化スルホニル(1当量)で処理する。次いで、この反応系を室温で1〜4時間
攪拌する。次いで、この反応を酢酸エチルで取り上げ、0.1N HCl、水お
よびブラインで洗浄する。溶媒を真空中で除去し、残渣をフラッシュクロマトグ
ラフィーで精製し、スルホンアミド置換アセタールを得た。
【0272】 アセトン中のこのスルホンアミド置換アセタールの溶液に6N HCl(1.
5当量)を添加する。この反応を、室温で5〜16時間攪拌する。次いで、溶媒
を真空中で除去し、残渣を高真空下で乾燥し、さらに精製ことなく、典型的に使
用される粗スルホンアミド置換アルデヒドを得た。
【0273】 (実施例A) (Fmoc−アミノアセトアルデヒドの調製) Fmoc保護されたアミノエタノールを、(例えば、以下の実施例BおよびC
に記述されているように)従来の技術によってアミノエタノールから調製した。
【0274】 Fmoc−アミノエタノール(37.64g、133mmol、1.0当量)
、TEMPO(CH2Cl2中0.008M、332.5mL、2.66mmol
、0.02当量)、KBr(水中0.5M、53.2mL、26.6mmol、
0.2当量)および酢酸エチル(1,500mL)の混合物に、0℃で、NaO
Cl(0.35M、NaHCO3でpH8.6に緩衝化された、760mL、2
66mmol、2.0当量)を添加した。機械的な攪拌を使用して、有効な攪拌
を保証し、反応をTLCでモニタした。20分後、2相に分離した。水相を酢酸
エチルで抽出し(2×250mL)、合わされた有機相を飽和Na223、水
およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして約400mLに
まで濃縮した。ヘキサン(1,600mL)を添加し、白色沈澱を得た。ろ過後
、Fmoc−アミノアセトアルデヒド(25.2g、67%)を、白色粉末とし
て採取した。
【0275】 (実施例B) (N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)アセトアルデヒドの調製) 氷/アセトン浴中、塩化メチレン(20mL)中のn−デカノイルクロリド(
2.7mL、13mmol、1.0当量)の溶液に、塩化メチレン(20mL)
中のグリシンメチルエステル塩酸塩(2.0g、16mmol、1.2当量)お
よびDIPEA(5.1mL、29mmol、2.2当量)の混合物を液滴添加
した。この反応系を、完全な添加後、さらに60分攪拌し、次いで、3N塩酸(
50mL)で2回、続いて飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で洗浄した。有
機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を、減圧下で除去した。さらに精
製することなく、次の工程で使用するメチル2−デシルアミドアセテート(3.
0g、12mmol、95%)を得た。
【0276】 窒素下、メチル2−(n−デシルアミド)アセテート(3.0g、12mmo
l、1.0当量)を、無水テトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、氷浴で冷
却した。リチウムアルミニウムヒドリドの溶液(1N、25mL、25mmol
、2.0当量)を、注意深く添加した。得られた溶液を、窒素下、一晩還流し、
次いで、氷浴で冷却した。テトラヒドロフラン(50mL)を添加し、続いて硫
酸ナトリウム十水和物を発泡が終わるまでゆっくり添加した。この混合物を室温
まで温め、ろ過し、次いで、真空下で濃縮した。さらに精製することなく使用す
る2−(n−デシルアミノ)エタノール(2.3g、11mmol、93%)を
得た。
【0277】 2−(n−デシルアミノエタノール)(2.3g、11mmol、1.1当量
)およびDIPEA(2.0mL、11mmol、1.1当量)を、塩化メチレ
ン(15mL)に溶解し、氷浴で冷却した。塩化メチレン(15mL)中の9−
フルオレニルメチルクロロホルメート(2.6g、10mmol、1.0当量)
を添加し、この混合物を30分攪拌し、次いで、3N塩酸(50mL)で2回、
そして飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機物を硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去した。N−Fmoc−2−(デシルア
ミノ)エタノール(4.6g、11mmol、108%)をさらに精製すること
なく使用した。
【0278】 N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)エタノール(4.6g、11mmo
l、1.0当量)およびDIPEA(7.6mL、44mmol、4.0当量)
を塩化メチレン(30mL)中に溶解し、そして氷/アセトン浴中で冷却した。
ジメチルスルホキシド(30mL)中の三酸化硫黄ピリジン錯体(6.9g、4
3mmol、4.0当量)の溶液を添加し、そしてこの溶液を、20分間攪拌し
た。砕氷を添加し、そして混合物を分配した。有機物を3N塩酸で2回、飽和炭
酸水素ナトリウムおよび飽和塩化ナトリウムで洗浄し、塩化マグネシウムで乾燥
し、そして真空下で濃縮した。N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)アセト
アルデヒド(3.4g、8mmol、74%)をさらに精製することなく使用し
た(実施例5を参照のこと)。
【0279】 (実施例C) (2−(デシルアミノ)エタノールの調製) エタノール中のアミノエタノール(30.5g、500mmol、30.1m
L)および1−ブロモデカン(27.65g、125mmol、26mL)の溶
液を65℃で4時間攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣をEtOAc(
800mL)で希釈し、そして有機溶液を、H2O(2×200mL);飽和N
aHCO3水溶液(200mL)および飽和ブライン(200mL)で洗浄した
。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた粗生成
物、2−(デシルアミノ)エタノールをさらに精製することなく使用した。
【0280】 (実施例D) (N−Fmoc−2−(trans−デク(Dec)−4−エン−1−イルア
ミノ)アセトアルデヒドの調製) trans−4−デセナール(7.2g、46.6mmol)を、400mL
のメタノール中の40mL(0.37moL)のアミノアセトアルデヒドジメチ
ルアセタールと混合し、そして室温で30分間攪拌した。NaCNBH3(2.
9g、46.6mmol)を添加し、この反応を氷浴中で冷却し、そして27m
L(0.35moL)のTFAを、5分間かけて滴下した。次いで、氷浴を除去
し、この反応系を室温で70分間攪拌し、その体積の3分の1になるまで濃縮し
、酢酸エチル(250mL)と1N NaOH(200mL)との間で分配した
。有機層を水(3×75mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして
減圧下で濃縮して、11.1g(45.6mmol)の2−(trans−デク
−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタールを、次の工
程で直接使用する黄色の油状物質として得た。
【0281】 2−(trans−Dec−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドジ
メチルアセタール(10.5g、43.2mmol)をジクロロメタン(300
mL)と混合し、そして7.5mL(43.2mmol)のジイソプロピルエチ
ルアミンおよび11.2g(43.2mmol)のFMOC−Clを少しずつ添
加した。この反応系を室温で3時間攪拌し、次いで、10%KHSO4の溶液(
200mL)に注いだ。有機層を水(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥
し、そして減圧下で濃縮した。得られた油状物質を10%EtOAc/ヘキサン
でシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、16.1g(34.6mmol)の
N−Fmoc−2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセトア
ルデヒドジメチルアセタールを、次の工程で直接使用する透明の油状物質として
得た。
【0282】 N−Fmoc−2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセト
アルデヒドジメチルアセタール(5g、10.7mmol)を30mLのTFA
と混合し、そして室温で30分間攪拌した。この反応系を水(140mL)に注
ぎ、そして遠心分離して、透明な油状物質を得た。上澄みをデカントし、この油
状物質を40mLの水と混合し、そして再び遠心分離した。再び上澄みをデカン
トし、油状物質をジクロロメタン(100mL)に溶解し、MgSO4で乾燥し
、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、5.2g(12.3mmol)のN−Fm
oc−2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒド
を、透明な油状物質として得た。
【0283】 (実施例E) (式Vの化合物(ここで、R22がOHであり、そしてR23が−CH2−N−(
N−CH3−D−グルカミン)である)の調製) バンコマイシン(9.0g、5.16mmol)を、窒素下、50%水性アセ
トニトリル(60mL)中のN−メチル−D−グルカミン(5.03g、25.
8mmol)および37%ホルムアルデヒド(0.43mL、5.4mmol)
の溶液に添加し、そして室温で攪拌した。4時間後,アセトニトリルを真空下で
除去し、水(30mL)を添加し、そしてpHを、10%トリフルオロ酢酸で約
4に調節した。この溶液を逆相HPLCによって精製した。所望の生成物を含む
画分を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、白色粉末と
して表題化合物を得た。この中間体を、本明細書中に記載の手順を使用してさら
に誘導体化し得る。
【0284】 (実施例F) (式IVの化合物(ここで、R15およびR16はHであり、R22がOHであり、
そしてR27が−CH2CH2−NH−Fmocである)の調製) 塩酸バンコマイシン(4.00g、2.60mmol)を40mLの1,3−
ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)ピリミジノンに懸濁し
、そして15分間70℃に加熱した。N−(9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル)アミノアセトアルデヒド(720mg、2.6mmol)を添加し、そして
この混合物を70℃で1時間加熱した。2mLメタノール中のナトリウムシアノ
ボロヒドリド(160mg、2.5mmol)を添加し、そしてこの混合物を7
0℃で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。この反応溶液を、20mLの
アセトニトリルに滴下し、沈澱を得、この沈殿を遠心分離によって収集した。こ
の沈殿を、Ranin C18 Dynamax column(2.5cm×
25cm,8μm粒子サイズ)の逆相HPLC(水中の0.045%TFAを緩
衝液Aとして、そしてアセトニトリル中の0.045%のTFAを緩衝液Bとし
て使用して10mL/分の流速で(90分にわたる10〜70%のBのHPLC
勾配))によって精製し、そのトリフルオロ酢酸塩として表題中間体を得た。M
S計算値:MS+,1715;実測値,1715。
【0285】 この化合物を、本明細書中に記載されるように、例えば、還元的アルキル化を
介して、脱保護そしてさらに誘導体化し得る。
【0286】 (実施例G) (O−エチルアグリコン誘導体の調製) 塩酸バンコマイシン水和物(10g、6.4mmol)を100mLのジメチ
ルスルホキシド(DMSO)に溶解し、そして3−(ジメチルアミノ)プロピル
アミン(3.2mL、26mmol)を添加した。100mLのN,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)に溶解したPyBOP(3.3g、6.4mmol)
および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、0.9g、6.4mmo
l)を室温で滴下した。この反応系を1時間攪拌し、そしてアセトニトリル中に
滴下して、白色の沈澱を得た。この沈澱をろ過し、アセトニトリル、エーテルで
洗浄し、真空中で乾燥して、シロップ状の粗バンコマイシン3−(ジメチルアミ
ノ)プロピルアミドを得た。
【0287】 このシロップ状物質の1部分を、100mLトリフルオロ酢酸(TFA)に溶
解し、323Kで2時間加熱し、室温に冷却し、そしてエーテルに滴下して、緑
色の沈澱を得た。この沈殿をろ過によって収集し、真空下で乾燥し、そして逆相
HPLC(0.1%TFAを含む水中の2〜50%アセトニトリル)によって精
製して、バンコマイシン3−(ジメチルアミノ)プロピルアミドアグリコンを、
そのTFA塩として得た。
【0288】 そのトリフルオロ酢酸塩としてのアグリコン(500mg、340umol)
を5mL DMFに溶解し、そして炭酸カリウム(500mg、3.6mmol
)を添加した。この混合物を、室温で15分間攪拌し、次いで、tert−ブチ
ルN−(2−ブロモエチル)カルバメート(77mg、340umol)を添加
した。この混合物を室温で24時間攪拌し、次いで、さらにtert−ブチルN
−(2−ブロモエチル)カルバメート(70mg、310umol)を添加した
。この混合物を室温で7時間攪拌し、次いでエーテルに滴下して、沈澱を得た。
この沈澱を、遠心分離によって収集し、アセトニトリルで洗浄し、5:1:2の
水/酢酸/アセトニトリルに溶解した。この溶液を逆相HPLCで精製して、バ
ンコマイシン3−(ジメチルアミノ)プロピルアミドO−2−(N−t−BOC
−アミノ)エトキシアグリコンを、トリフルオル酢酸塩として得、室温で30分
間、1mLのTFAで処理した。逆相HPLCで精製して、バンコマイシン3−
(ジメチルアミノ)プロピルアミドO−(2−アミノエチル)アグリコンを、ト
リフルオロ酢酸塩として得た。この化合物を、上記に記載されるように、脱保護
し、例えば、還元的アルキル化を介して、そしてさらに誘導体化し得る。
【0289】 (実施例1) (式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3
であり、R17はHであり、そしてR22はOHである)の合成) オーブンで乾燥された、マグネチックスターラーバーを備えた1000mLの
丸底フラスコに、バンコマイシン(34.1g、23mmol、1当量)、N−
Fmoc−アミノアセトアルデヒド(6.5g、23mmol、1当量)、DI
PEA(8.5mL、46mmol、2当量)およびDMF(340mL)を添
加した。混合物を周囲温度で2時間に渡り攪拌し、そしてHPLCによってモニ
タした。反応系は均一になり、そしてイミンへの約90%の転化を観測した。メ
タノール(340mL)およびNaCNBH3(4.3g、69mmol、3当
量)をこの溶液に添加し、続いてTFA(5.2mL、69mmol、3当量)
を添加した。周囲温度で、さらに1時間攪拌を継続した。反応完了後、メタノー
ルを真空中で除去した。粗生成物およびDMFを含む残渣を5Lフラスコにゆっ
くり注ぎ、アセトニトリル(3.5L)と共に攪拌した。白色沈澱が形成された
。この懸濁液を周囲温度で放置し、そして上澄みをデカントした。白色固体をろ
過し、そしてエーテル(2L)で粉砕した。ろ過後、粗生成物を、高真空下で一
晩乾燥した。
【0290】 8×26cmのカラムを、オクタデシルが結合したシリカゲルで充填した。こ
のカラムを、800mLの90%の溶媒B[水中のアセトニトリル、0.1%T
FA]で洗浄し、そして800mLの10%の溶媒Bで平衡化した。粗生成物(
10g)を30%の溶媒B(150mL、2mLの3N HClを含む)に溶解
し、そしてカラム上に装填した。次いで、これを、10%のB(800mL×2
)、40%のB(800mL×3)および90%のB(800mL)でフラッシ
ュした。画分を分析用HPLCによりチェックした。凍結乾燥後、Nvan−Fm
oc−アミノエチルバンコマイシンを、そのTFA塩として得た。
【0291】 Nvan−Fmoc−アミノエチルバンコマイシンを、従来の手順(例えば、実
施例2および3に記載されるように)を使用して脱保護し、Nvan−アミノエチ
ルバンコマイシントリTFA塩を得た。
【0292】 メタノール:DMF:THF(2:1:1、1.6mL)中のNvan−アミノ
エチルバンコマイシントリTFA塩(15.5mg、8.4μmol)の溶液に
、デカナール(92μL、59μmol)およびナトリウムシアノボロヒドリド
(メタノール中0.1M、45μL、4.5μmol)を添加した。45分後、
溶媒を真空下で除去し、そして残渣を分取HPLCによって精製した。適切な画
分を合わせ、そして凍結乾燥して、Nvan−2−(n−デシルアミノ)エチルバ
ンコマイシン(2.4mg)を白色粉末として得た。さらに、Nvan,Nvan−ビ
ス−2−(n−デシルアミノ)エチルバンコマイシン(2.9mg)を単離した
【0293】 (実施例2) (式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3
であり、R17はHであり、そしてR22はOHである)の合成) 塩酸バンコマイシン(12g、7.7mmol、1.0当量)、N−Fmoc
−2−(n−デシルアミノ)アセトアルデヒド(3.2g、7.6mmol、1
.0当量)およびDIPEA(2.6mL、14.9mmol、2.0当量)を
、DMF(120mL)中、室温で90分間攪拌した。ナトリウムシアノボロヒ
ドリド(1.4g、22mmol、3.0当量)を添加し、続いて、メタノール
(120mL)、次いで、トリフルオロ酢酸(1.8mL、23mmol、3.
0当量)を添加した。この混合物を室温で60分間攪拌し、次いで、メタノール
を、減圧下で除去した。得られた溶液を600mLジエチルエーテルに添加して
、沈殿を得た。この沈澱をろ過し、エーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥した
。粗生成物を、逆相フラッシュカラム(水(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)
中の10、20、30%アセトニトリルを用いて溶離する)で精製し、極性不純
物(例えば、残留バンコマイシン)を除去し、次いで、生成物を水(0.1%ト
リフルオロ酢酸を含む)中の70%アセトニトリルで溶離し、そのトリフルオロ
酢酸塩として9gのNvan−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バ
ンコマイシンを得た(4.3mmol,56%)。
【0294】 Nvan−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(1
00mg)を1mLのDMF(1mL)に溶解し、ピペリジン(200uL)で
、30分間処理した。この混合物をエーテル中に沈澱させ、遠心分離し、そして
アセトニトリルで洗浄した。逆相の分取HPLC(120分にわたり、0.1%
トリフルオロ酢酸を含む水中の10〜70%アセトニトリル)により、 Nvan
−2−(n−デシルアミノ)エチルバンコマイシンを、そのTFA塩として得た
【0295】 (実施例3) (式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3
であり、R17はHであり、そしてR22は−N−(D−グルコサミン)である)の
合成) Nvan−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(
100mg、48umol、1.0当量)を1mLのDMFに溶解し、そして塩
酸グルコサミンを添加した(31mg、144umol、3.0当量)。この混
合物を30分間激しく攪拌し(この塩酸グルコサミンは完全には溶解しない)、
DIPEA(60uL、344umol、7.2当量)を添加し、そしてこの混
合物をさらに30分間激しく攪拌した。500uLのDMF中のベンゾトリアゾ
ール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホ
スフェート(PyBOP、50mg、96umol、2.0当量)および1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(14mg、104umol、2.2当量)の溶液
を調製した。PyBOP溶液を、他の反応成分の激しく攪拌した懸濁液に、5分
間隔で60μLづつ5回で添加した。この反応をさらに30分間攪拌し、次いで
、アセトニトリル中に沈澱させた。固体を遠心分離で収集し、1mLのN,N−
ジメチルホルムアミドに取り上げ、そして200uLピペリジンで30分間処理
した。エーテルへの沈澱に続いて、遠心分離、そして固体をアセトニトリルで洗
浄した。逆相の分取HPLC(120分にわたって0.1%トリフルオロ酢酸を
含む水中の10〜70%アセトニトリル)により、式IIIの化合物(ここで、
15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、そしてR22は−N−(D
−グルコサミン)である)を、そのトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0296】 (実施例4) (式IIIの化合物(ここで、ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH2
9CH3であり、そしてR22は−NH−CH(COOH)CH2COOHである
)の合成) HOBt(1.47g、10.9mmol)、PyBOP(7.57g、14
.6mmol)、およびL−アスパラギン酸のビスフルオレニルメチルエステル
(TFA、6.26g、10.4mmol)を、DMF(440mL)中のNva n −(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(20g、
10.4mmol)およびDIPEA(5.44mL、31.2mmol)のよ
く攪拌した溶液に添加した。1時間後、MSによって反応を完了した。この混合
物を、CH3CN(4L)中に沈澱させ、そして遠心分離した。上澄みをデカン
トし、そしてペレットをDMF(440mL)に再溶解した。ピペリジン(44
mL)を添加し、そして反応をMSによってモニタした。1時間後、反応を完了
した。Et2O(4L)への滴下による沈澱を一晩攪拌し続けた。固体をろ過に
より収集し、そして真空中で乾燥した。次いで、得られた固体をCH3CNで粉
砕し、そしてろ過により収集し、真空中で乾燥して、オフホワイトの固体として
所望の生成物を得、これを逆相HPLCによって精製した。
【0297】 (実施例5) (式Vの化合物(ここで、R15はHであり、そしてR23は−CH2−NH−C
2CH2−NH−(CH29CH3である)の合成) 50%水性アセトニトリル(1.0mL)に、ジアミノエタン(30mg、0
.5mmol)、37%ホルマリン(7.6uL、0.20mmol)および塩
酸バンコマイシン(140mg、0.10mmol)を添加した。3時間の攪拌
後、生成物を、アセトニトリル(12mL)の添加によって沈澱させた。固体を
、遠心分離によって分離し、次いで、エーテル(12mL)で洗浄した。得られ
た固体を真空中で乾燥し、そして逆相HPLC(50ml/分の流速での40分
間にわたる5〜15%のB)によって精製した。所望の生成物を含む画分を質量
分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、式Vの化合物(ここで
、R23は、−CH2−NH−CH2CH2NH2である)(85mg)を、白色粉末
として得た。MS計算値(MH+),1520;測定値,1520。
【0298】 エタノール(1.0mL)およびDMF(1.0mL)中の上記の工程からの
化合物(80mg、0.040mmol)の溶液に、n−デカナール(6.3m
g、0.040mmol)を添加し、そしてこの混合物を45分間攪拌した。次
いで、ナトリウムシアノボロヒドリド(メタノール中の0.1M、400uL、
0.040mmol)を添加し、そしてこの混合物を3時間攪拌した。溶媒を真
空中で除去し、そして残渣を分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む画分
を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、表題化合物を白
色粉末として得た。MS計算値(MH+),1661;測定値,1661。
【0299】 (実施例6) (式Vの化合物(ここで、R15は−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R22は、−N−(D−グルコサミン)であり、そしてR23は−
CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン)である)の合成) 50%水性アセトニトリル(10mL)に、N−メチル−D−グルカミン(
975mg、5.0mmol)、37%ホルマリン(84uL、1.1mmol
)、DIPEA(348uL、2.0mmol)およびNvan−(N−Fmoc
−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(2.15g、1.030mm
ol)を連続して添加した。16時間の攪拌後、生成物を、アセトニトリル(8
0mL)の添加によって沈澱させた。固体を遠心分離によって分離し、次いで、
アセトニトリル(80mL)で洗浄した。この固体をDMF(6.0mL)およ
びピペリジン(2.0mL)中に溶解した。30分後、生成物をアセトニトリル
(80mL)の添加によって沈澱させた。固体を遠心分離によって分離し、次い
で、エーテル(80mL)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥し、そして
逆相HPLC(50ml/分の流速での40分間にわたる10〜35%のB)に
よって精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し、プール
し、そして凍結乾燥して、式Vの化合物(ここで、R15は、−CH2−NH−C
2CH2−NH−(CH29CH3であり、R23は−CH2−N−(N−CH3
D−グルカミン)である)(1.34g)を、白色粉末として得た。MS計算値
(MH+),1839;測定値,1839。
【0300】 上記の化合物(テトラTFA塩)(150mg、0.065mmol)をDM
Fに溶解した。この溶液に、塩酸D−グルコサミン(35mg、0.16mmo
l)、DIPEA(65uL、0.32mmol)、ならびにDMF中のPyB
OPおよびHOBtの溶液(それぞれ、3.85mLの0.02M溶液、それぞ
れ0.077mmol)を連続して添加した。30分後、生成物をアセトニトリ
ル(40mL)の添加によって沈澱させた。この固体を遠心分離して分離し、次
いで、アセトニトリル(40mL)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥し
、そして逆相HPLC(50ml/分の流速での40分間にわたる10〜35%
のB)によって精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し
、プールし、そして凍結乾燥して、表題化合物を白色粉末として得た。MS計算
値(MH+),2000;測定値,2000。
【0301】 (実施例7) (式IVの化合物(ここで、R15は−CH2−NH−CH2CH2−NH−(C
29CH3であり、R22は、−OHであり、そしてR27は−CH2C(O)OC
2CH3である)の合成) DMF(35mL)中のバンコマイシンモノ塩酸塩(3.72g、2.5mm
ol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.87mL、5.0mmol
)、続いてN−Fmoc−n−デシルアミノアセトアルデヒド(1.05g、2
.5mmol)で処理した。得られた反応混合物を室温で12時間攪拌した。エ
チルグリオキシレート(2.5mmol、トルエン中50%溶液)を添加し、そ
してこの反応溶液を50℃で6時間攪拌した。この反応混合物を室温に冷却し、
そしてNaCNBH3(0.376g、6.0mmol)、続いてMeOH(3
5mL)中のTFA(0.58mL、7.5mmol)の溶液で処理した。20
分後、MeOHを減圧下で除去し、そして粗生成物(crude)をアセトニト
リル(400mL)中で沈澱させた。固体をろ過して収集した。粗生成物を分取
HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS(M+H)1939.2(
M+,計算値1938.7)。
【0302】 (実施例8) (式IVの化合物(ここで、R15は−CH2−C(O)OCH3であり、R22
−OHであり、そしてR27は−CH2C(O)OCH3である)の合成) DMSO(100mL)中の塩酸バンコマイシン(7.43g、5.0mmo
l)の溶液を、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(1.74mL、10.0
mmol)、続いてメチルブロモアセテート(0.824g、5.5mmol)
で処理した。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。粗生成物をアセトニトリル
(1000mL)を使用して沈澱させた。この粗生成物を収集し、そして分取H
PLCによって精製し、表題生成物を得た。MS(M+H)1522.0(M+
,計算値1519.45)。
【0303】 (実施例9) (式VIIIの化合物(ここで、R19は−CH2−C(O)OC(CH33
ある)の合成) 窒素下、バンコマイシンアグリコンのトリフルオロ酢酸塩(385mg、31
0umol)をN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解した。炭酸カリ
ウム(400mg、2.9mmol)を添加し、この混合物を室温で55分間激
しく攪拌した。次いで、tert−ブチルクロロアセテート(44uL、310
umol)を添加し、この混合物を激しく一晩攪拌した。粗反応混合物をジエチ
ルエーテル(40mL)中に沈澱させ、固体を遠心分離によって収集し、アセト
ニトリル(40mL)で洗浄し、そして10%水性酢酸に取り上げた。表題化合
物を逆相HPLC精製によって得た(計算質量:1256.4,測定質量(M+
H):1257.7)。
【0304】 (実施例10) (式VIIIの化合物(ここで、R19は−CH2CH2CH2−NH−(CH2 9 CH3である)の合成) バンコマイシンアグリコンTFA塩(2.0g、1.59mmol、1.0当
量)、Cs2CO3(1.81g、5.56mmol、3.5当量)およびDMF
(34.0mL)の白色懸濁液を室温で30分間攪拌した。次いで、t−ブチル
N−(3−ヨードプロピル)カルバメート(0.54g、1.9mmol、1.
2当量)を添加した。この反応混合物を、酢酸でクエンチする前に24時間攪拌
した。得られた茶色がかった溶液を水中に滴下し、白色沈澱を得た。真空ろ過に
より、1.5gの白色結晶固体を得、この固体をさらに精製することなく、次の
工程のために使用した。
【0305】 上記の化合物(1.05g、0.75mmol、1.0当量)、DIPEA(
0.65mL、3.75mmol、5.0当量)およびDMF(10mL)の混
合物に、Fmoc−Cl(0.19g、0.75mmol、1.05当量)を数
回に分けて添加した。室温で4時間攪拌した後、TFA(0.6mL)を添加し
て、反応をクエンチした。次いで、反応混合物を500mLの水に滴下し、白色
沈澱を得た。ろ過して1.1gの白色結晶固体を得、この固体をさらに精製する
ことなく、次の工程のために使用した。
【0306】 上記の化合物(1.17g)を5mLのTFAに溶解し、室温で2時間攪拌し
た。次いで、この反応混合物を200mLの水に滴下し、白色沈澱を得た。ろ過
して、0.95gの茶色がかった固体を得、この固体をさらに精製することなく
、次の工程のために使用した。
【0307】 DMF(1mL)中の上記の化合物(100mg、0.065mmol、1.
0当量)、およびデカナール(26μL、0.13mmol、2.0当量)の混
合物に、DIPEA(34μL、0.20mmol、3.0当量)を添加した。
この反応系を周囲温度で1時間攪拌した。次いで、メタノール(1mL)および
NaCNBH3(9mg、0.13mmol、2.0当量)を溶液に添加し、続
いて、TFA(20μL、0.26mmol、4.0当量)を添加した。室温で
1時間攪拌を継続した。反応が完了した後、この反応混合物をアセトニトリル中
に沈澱させた。ろ過により、白色結晶固体を得、この固体をさらに精製すること
なく、次の工程のために使用した。
【0308】 上記の化合物を3mLのDMFに溶解し、0.5mLのピペリジンの添加によ
り、薄く茶色がかった溶液を得た。周囲温度で2時間攪拌した後、反応混合物を
アセトニトリル中で粉砕し、白色固体を得、逆相HPLCの精製により、表題化
合物を得た。MS(M+H)計算値:1342.3;測定値:1342.8。
【0309】 上記の手順および適切な出発物質を使用して、表I〜VIに示される化合物を
調製した。これらの化合物に対する質量スペクトルのデータは以下の通りであっ
た:
【0310】
【表7】
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
【0317】
【0318】
【0319】
【0320】
【0321】
【0322】
【0323】
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】 (実施例11) (抗菌活性の測定) (A.抗菌活性のインビトロ測定) (1.最小発育阻止濃度(MIC)の測定) 細菌株を、American Type Tissue Culture C
ollection(ATCC)、Stanford University
Hospital(SU)、バークレイのKaiser Permanente
Regional Laboratory(KPB)、Massachuse
tts General Hospital(MGH)、the Center
s for Disease Control(CDC)、the San F
rancisco Veteran’s Administration Ho
spital(SFVA)またはthe University of Cal
ifornia San Francisco Hospital(UCSF)
のいづれかから得た。バンコマイシン耐性腸球菌を、テイコプラニンに対するそ
れらの感度に基づいて、Van AまたはVan Bとの表現型とした。Van
A、Van B、Van C1またはVan C2との遺伝子型とされた幾つ
かのバンコマイシン耐性腸球菌をMayo Clinicから得た。
【0328】 最小発育阻止濃度(MIC)を、NCCLSガイドライン下の微量稀釈ブロス
手順において測定した。慣用的に、化合物を、96−ウェルマイクロタイタ−プ
レート中のMueller−Hintonブロス内に連続的に稀釈する。一晩培
養された細菌株を600nmの吸光度に基づいて稀釈し、その結果、各ウェルの
最終濃度は、5×105cfu/mLであった。プレートを、35℃のインキュ
ベータに戻した。続く日(腸球菌株の場合、24時間)、MICをプレートの視
覚検査によって決定した。株を以下を含む最初のスクリーニングにおいて慣用的
に試験した:メチシリン感受性Staphylococcus aureus(
MSSA)、メチシリン耐性Staphylococcus aureus、メ
チシリン感受性Staphylococcus epidermidis(MS
SE)、メチシリン耐性Staphylococcus epidermidi
s(MRSE)、バンコマイシン感受性Enterococcus faeci
um(VSE Fm)、バンコマイシン感受性Enterococcus fa
ecalis(VSE Fs)、テイコプラニンにまた耐性であるバンコマイシ
ン耐性Enterococcus faecium(VRE Fm Van A
)、テイコプラニンに感受性であるバンコマイシン耐性Enterococcu
s faecium(VRE Fm Van B)、テイコプラニンにまた耐性
であるバンコマイシン耐性Enterococcus faecalis(VR
E Fs Van A)、テイコプラニンに感受性であるバンコマイシン耐性E
nterococcus faecalis(VRE Fs Van B)、V
an A遺伝子型のenterococcus gallinarium(VR
E Gm Van A)、Van C−1遺伝子型のenterococcus
gallinarium(VRE Gm Van C−1)、Van C−2
遺伝子型のenterococcus casseliflavus(VRE
Gs Van C−2)、Van C−2遺伝子型のenterococcus
flavescens(VRE Fv Van C−2)、ならびにペニシリ
ン感受性肺炎連鎖球菌(PSSP)およびペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(PSR
P)。PSSPおよびPSRPが、Mueller−Hintonブロス中で十
分に増殖することが不可能であるために、これらの株のMICを、線維素除去さ
れた血液を追加したTSAブロスまたは血液寒天プレートのどちらかを使用して
決定した。次いで、上記の株に対する有意な活性を有する化合物を、上に列記さ
れる種およびメチシリンに感受性および耐性の両方である非種分化凝固酵素陰性
Staphylococcus(MS−CNSおよびMR−CNS)を含む臨床
分離株のより大きいパネルにおけるMIC値について試験した。さらに、グラム
陰性生物(例えば、Escherichia coliおよびPseudomo
nas aeruginosa)に対するMICについて試験した。
【0329】 (2.死滅時間の決定) 細菌を死滅させるのに要する時間を決定する実験を、Lorianの「Ant
ibiotics in Laboratory Medicine」(第4版
Williams and Wilkins(1991))に記載されるように
実施し、これの開示は、その全体が参考として、本明細書中で援用される。これ
らの実験を、普段はブドウ球菌株および腸球菌株の両方を用いて実施した。
【0330】 簡単に、幾つかのコロニーを、寒天プレートから選択し、そして約1.5の濁
度および108CFU/mLに達するまで、一定の攪拌下、35℃で増殖させた
。次いで、このサンプルを、約6×106CFU/mLに稀釈し、そして継続さ
れる一定の攪拌下、35℃でインキュベートした。種々の時間で、アリコートを
除去し、そして5回の連続10倍稀釈を実施した。混釈平面法を、コロニー形成
単位(CFU)の数を決定するために使用した。
【0331】 本発明の化合物は、上記のインビトロ試験において活性であり、そして広い範
囲の活性を示す。
【0332】 (B.抗菌活性のインビボ決定) (1.マウスにおける急性耐容性研究) これらの研究において、本発明の化合物を、静脈または皮下的のどちらかで、
投与し、そして5〜15分間観察した。悪影響がなかった場合、第2のグループ
のマウスにおいて、用量を増加した。この用量増加は、死亡するか、または用量
が最大になるまで継続される。一般に、投与を20mg/kgで開始し、そして
最大許容用量(MTD)が達成されるまで、毎回20mg/kgづつ増加した。
【0333】 (2.マウスにおけるバイオアベイラビリティー研究) マウスに、治療用量(一般に、約50mg/kg)で、静脈または皮下的のど
ちらかで、本発明の化合物を投与した。動物の集団を代謝ケージに置き、その結
果、尿および糞を分析のために収集し得た。動物の集団(n=3)を、種々の時
間(10分、1時間および4時間)に屠殺した。血液を、心臓穿刺によって収集
し、そして以下の器官を採取した:肺、肝臓、心臓、脳、腎臓、および脾臓。組
織を秤量し、HPLC分析のために調製した。組織ホモジネートおよび流体に対
するHPLC分析を、存在する試験化合物またはIiIの濃度を決定するために
使用した。試験化合物に対する変化から生じる代謝生成物をまた、同時に測定し
た。
【0334】 (3.マウス敗血症モデル) このモデルにおいて、細菌(最も一般に、S.aureus、またはE.Fa
ecalisまたはE.Faecium)の適切に有毒な株をマウス(グループ
当たり5〜10匹のマウス)に、腹腔内に投与した。細菌をブタ胃粘素と合わせ
、毒力を増強した。細菌の用量(通常105〜107)は、3日間に渡り、全ての
マウスの死亡を引き起こすために十分な用量であった。細菌を投与した1時間後
、本発明の化合物を、一回用量のIVで、または皮下的に投与した。各用量を、
5〜10匹のマウスのグループに、典型的には、最大の約20mg/kgから最
小の1mg/kg未満の用量で投与した。ポジティブコントロール(通常、バン
コマイシン感受性株を有するバンコマイシン)を、各実験において投与した。動
物の約50%が生存する用量を結果から計算した。
【0335】 (4.好中球減少性大腿モデル) このモデルにおいて、本発明の化合物の抗菌活性を、細菌の適切に有毒な株(
最も一般に、バンコマイシンに対して感受性または耐性である、S.aureu
s、またはE.FaecalisまたはE.Faecium)に対して評価した
。マウスを、第0日目および第2日目に200mg/kgでシクロホスファミド
を投与することによって、最初に好中球減少的にされた。第4日目に、それらを
、バクテリアの1回用量のIM注入によって、左前方大腿に感染させた。次いで
、このマウスに、バクテリア感染1時間後、試験化合物を投与し、種々のあとの
時間(通常、1、2.5、4および24時間)において、マウスを屠殺し(各時
点で、3匹)、そして大腿を切除し、ホモジナイズし、そしてCFU(コロニー
形成単位)数を、プレーティングによって決定した。血液をまた、プレーティン
グして、血液中のCFUを決定した。
【0336】 (5.薬物動態学的研究) 本発明の化合物が血液中から除去される速度が、ラットまたはマウスのいずれ
かにおいて決定され得る。ラットにおいて、試験動物は、頸静脈にカニューレを
挿入された。試験化合物を尾静脈注射を介して投与し、そして種々の時点(通常
、5、15、30、60分および2、4、6および24時間)において、血液を
カニューレから回収した。マウスにおいて、試験化合物をまた、尾静脈注射を介
して、そして種々の時点で投与した。血液を心臓穿刺によって、通常は得た。残
留試験化合物の濃度をHPLCによって決定した。
【0337】 本発明の化合物は、上記のインビボ試験において活性であり、そして広いスペ
クトルの活性を示した。
【0338】 本発明は、特定の実施態様を参照して記載されてきたが、種々の変化が成され
得、そして等価物が、発明の真の意図および範囲から逸脱することなく、代用さ
れ得ることが当業者に理解されるべきである。さらに、多くの改変が、特定の状
況、物質、目的の組成物、プロセス、プロセス工程(単数または複数)を、本発
明の目的、意図および範囲に適合させるためになされ得る。そのような全ての改
変は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/164,024 (32)優先日 平成11年11月4日(1999.11.4) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/169,978 (32)優先日 平成11年12月10日(1999.12.10) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラム, バーニス エム. ティー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94118, サン フランシスコ, クレメント ス トリート 1527 (72)発明者 リードベター, マイケル アメリカ合衆国 カリフォルニア 94577 −1925, サン リーンドロ, ビバリー アベニュー 335 (72)発明者 リンセル, マーティン シェリングハム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94402, サン マテオ, ウエスト サード ア ベニュー 146 (72)発明者 ムー, ヨンキ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94022, ロス アルトス, リエット ストリー ト 102 (72)発明者 トラップ, シーン ガリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94110, サン フランシスコ, エルスワース ストリート 47 (72)発明者 ヤン, ガン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォスター シティ, ナンバー104ダ ブリュー, バウンティ ドライブ 707 (72)発明者 チュー, ヤン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォスター シティ, リド レーン 1021 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA07 BA01 BA17 BA25 DA44 NA14 ZB352 4H045 AA10 BA14 DA55 EA29 FA10 FA71 GA25

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iの化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、立体異
    性体およびプロドラッグであって: 【化1】 ここで、 R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−R a −Y−Rb−(Z)x;または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換され
    たサッカリド基からなる群から選択され; R2は、水素、または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッ
    カリド基であり; R3は、−ORcまたは−NRccであり; R4は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、−C(O)Rdおよび必要
    に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群から選
    択され; R5は、水素、ハロ、−CH(Rc)−NRcc、−CH(Rc)−NRce
    および−CH(Rc)−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xからなる群から選択され
    ; R6は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、−C(O)Rdおよび必要
    に応じて−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群
    から選択されるか、またはR5およびR6は、それれが結合している原子と一緒に
    連結して、−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xで必要に応じて置換された複素環式
    環を形成し; R7は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、および−C(O)Rdから
    なる群から選択され; R8は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
    る群から選択され; R9は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
    る群から選択され; R10は、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択され; R11は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
    る群から選択されるか、R10およびR11は、それらが結合している炭素および窒
    素原子と一緒に結合して、複素環式環を形成し; R12は、水素、アルキル、置換アルキルおよび−C(O)ORdからなる群か
    ら選択され; R13は、水素または−OR14からなる群から選択され; R14は、水素、−C(O)Rdおよびサッカリド基から選択され; 各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、
    アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され; 各Rbは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、
    アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され; 各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ア
    ルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアル
    ケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−
    C(O)Rdからなる群から独立して選択され; 各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニ
    ル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル
    、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群
    から独立して選択され; Reは、サッカリド基であり; X1、X2およびX3は、水素またはクロロから独立して選択され; 各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−
    NRcC(O)−、−OSO2−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)
    NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc
    )O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(
    O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(
    O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から
    独立して選択され; 各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリー
    ルおよび複素環式から独立して選択され; nは、0、1または2であり; xは、1または2であり、 ただし、R1、R2、R4、R5、R6またはR7のうち少なくとも1つは、式−Ra
    −Y−Rb−(Z)xの置換基を有し; さらに、ただし、 (i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Z
    が水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素
    原子を含み; (ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキ
    レンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み; (iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである
    場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして (iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場
    合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む、 化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物であって、ここで、R1が以下の式
    のサッカリド基であり: 【化2】 ここで、 R15は、−Ra−Y−Rb−(Z)xであり;そして R16は、水素またはメチルである、化合物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の化合物であって、ここで、R15は、以下: 【化3】 からなる群から選択される−Ra−Y−Rb−(Z)x基である、化合物。
  4. 【請求項4】 式IIの化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、立体
    異性体およびプロドラッグであって: 【化4】 ここで、 R21は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−R a −Y−Rb−(Z)x;または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換され
    たサッカリド基からなる群から選択され; R22は、−ORcまたは−NRccであり; R23は、水素、ハロ、−CH(Rc)−NRcc、−CH(Rc)−Reおよび
    −CH(Rc)−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xからなる群から選択され; R24は、水素および低級アルキルからなる群から選択され; R25は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル
    キニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からな
    る群から選択され; R26は、水素および低級アルキルからなる群から選択されるか、またはR25
    よびR26は、それらが結合している炭素および窒素原子と一緒に結合して複素環
    式環を形成し; R27は、水素、アルキル、置換アルキルおよび−C(O)Rdからなる群から
    選択され; 各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、
    アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され; 各Rbは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、
    アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され; 各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ア
    ルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアル
    ケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−
    C(O)Rdからなる群から独立して選択され; 各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニ
    ル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル
    、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群
    から独立して選択され; Reは、アミノサッカリド基であり; 各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−
    NRcC(O)−、−OSO2−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)
    NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc
    )O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(
    O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(
    O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から
    独立して選択され; 各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリー
    ルおよび複素環式から独立して選択され; nは、0、1または2であり; xは、1または2であり、 ただし、R21またはR23のうち少なくとも1つは、式−Ra−Y−Rb−(Z)x
    の置換基を有し; さらに、ただし、 (i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Z
    が水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素
    原子を含み; (ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキ
    レンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み; (iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである
    場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして (iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場
    合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む、 化合物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の化合物であって、ここで、R21が以下の式
    のサッカリド基であり: 【化5】 ここで、R15は、−Ra−Y−Rb−(Z)xであり;そして R16は、水素またはメチルである、化合物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の化合物であって、ここで、R15が、以下: 【化6】 からなる群から選択される−Ra−Y−Rb−(Z)x基である、化合物。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の化合物であって、ここで、R23が、水素、
    −CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン);−CH2−NH−CH2CH2
    NH−(CH29CH3;−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH211CH3 ;−CH2−NH−(CH25−COOH;または−CH2−N−(2−アミノ−
    2−デオキシグルコン酸)である、化合物。
  8. 【請求項8】 R24が水素であり、そしてR26が水素またはメチルである、
    請求項7に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R25がイソブチルである、請求項8に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 表I、II、III、IV、VまたはVIのいずれかに示
    される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩: 【化7】
  11. 【請求項11】 薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の請求項
    1〜10のいずれか1項に記載のグリコペプチド化合物を含む、薬学的組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の組成物であって、ここで該組成物が細
    菌性疾患を有する哺乳動物を処置する方法に使用するためである、組成物。
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