JP2019521079A - バンコマイシン誘導体、その製造方法、医薬組成物及び用途 - Google Patents

バンコマイシン誘導体、その製造方法、医薬組成物及び用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記一般式Iで表される構造のバンコマイシン誘導体及その薬学的に許容される塩、その製造方法、当該化合物を含む医薬組成物、並びに、これらの化合物の、細菌感染症の治療及び/又は予防、特にグラム陽性菌による感染症の治療のために用いられる医薬の製造への使用に関する。

Description

本発明は、薬物化学及び医薬の分野に属し、一般式(I)で表されるバンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩、前記バンコマイシン誘導体の製造方法、当該バンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、並びに、前記バンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩の、グラム陽性菌の感染に関係する疾患又は病症の治療及び/又は予防のために用いられる薬物の製造への使用に関する。
過去の半世紀の間に、抗生物質は細菌感染症の治療において大きな成功を収めた。しかし、その広範囲の使用によって、薬物耐性の病原性細菌株が臨床感染を引き起こす非常によくある病原菌になってしまう。従来の感染症を未だ完全にはコントロールできていないと同時に、新しい感染症及び病原体が続々と現れ、複数種の微生物の薬物耐性がますます進化し、臨床治療の難題になってしまう。そのため、薬物耐性菌株に対して効力のある新規な抗生物質を開発するのは非常に緊急で重要である。
バンコマイシン(Vancomycin)及びノルバンコマイシン(Norvancomycin)は、放線菌発酵液から抽出された天然型糖ペプチド系抗生物質である。糖ペプチド系抗生物質はヘプタペプチドのコア構造を有する。それらの作用機序は、細菌細胞壁前駆体のD−アラニル−D−アラニン(Acyl−D−Ala−D−Ala)ジペプチド残基と結合してペプチドグリカンの合成を抑制することにより、細菌細胞壁の合成を抑制するというものである。前世紀の60年代から臨床において適用されて以来、過去の50年間にずっとグラム陽性菌に対する最後の手段として細菌感染治療において広く使用されてきた。しかし、1986年に臨床に初めてバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)が発見されて以来、腸球菌のバンコマイシン耐性が一般的になってきて(>20%)かつその他の生体に拡散しはじめた。最近、外国で血液透析患者に対する感染防止治療においてバンコマイシン高度耐性の新しいメシチリンペニシリン耐性の黄色ブドウ球菌(VRSA)が検出されたと報告されている。したがって、薬物耐性の病原性細菌株に効く2代目の糖ペプチド系抗生物質を開発することの重要性及び緊急性は言わずして明らかである。過去の数十年間、構造修飾という策を利用した合成活性バンコマイシン類似体の製造は重大な進歩を得た。今のところ、異なる天然バンコマイシン類似体を化学的に修飾することにより得られた複数の化合物は米国FDAに承認されており、例えばOritavancin、Dalbavancin及びTelavancinは、バンコマイシン感受性細菌及び薬物耐性菌MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)、VRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)及びVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)に対していずれも良好な阻害効果を示している。
本発明の1つの目的は、バンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記バンコマイシン誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記バンコマイシン誘導体及び/又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記バンコマイシン系誘導体及び/又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の、抗菌剤の製造における使用を提供することにある。
本発明は、下記式(I)で表されるバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供する。
式の中、
R1は、H、−CH2−R4、−CO−R4、又は、−(CH2m−A−R4を表し、ここで、
mは1〜4の整数であり、2、3又は4であることが好ましく、
AはNH、O及びSから選ばれ、
R4は、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基、置換されてもよいC3〜C10のシクロアルキル基、置換されてもよいC6〜C20のアリール基、置換されてもよいN、O及びSから選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を含む3〜10員環非芳香族複素環基、置換されてもよいN、O及びSから選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を含む3〜10員環ヘテロアリール基から選ばれものであり、
前記置換する置換基は、ハロゲン;−OH;−NH2;シアノ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が好ましい);C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基;C3〜C10のシクロアルキル基;ハロゲン化C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(トリフルオロメチル基が好ましい);トリメチルシリル基C2〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基(トリメチルシリルエチニル基が好ましい);C2〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基(エチニル基が好ましい);トリフルオロメチル基C6〜C20アリール基(トリフルオロメチルフェニル基が好ましい);ハロゲン、−OH、−NH2、シアノ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基、C2〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基、ピリジル基、フェニル基、シアノフェニル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、又はC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルビフェニルメトキシ基で置換されたC6〜C20のアリール基;ハロゲン、−OH、−NH2、シアノ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ピリジル基、フェニル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、又はクロロフェニル基で置換されたC3〜C10のシクロアルキル基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基;フェニルC1〜C10直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基などから選ばれる1つ又は複数の基であってもよい。
本発明の1つの好ましい実施形態において、R4は下記基から選ばれ:
R2は、OH又は−NH(CH2pR5であり、ここで、
pは0〜6の整数であり、
R5は、独立してグリコシル基又は置換されたアミノ基から選ばれ、前記置換する置換基は、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基から選択される1つ又は2つの置換基であってもよく、
好ましくはR2は下記基から選ばれ、
より好ましくは、R2は下記基から選ばれ、
R3は水素又はメチル基から選ばれ、
nは0〜6の整数であり、0、1、2又は3であることが好ましく、
Xは、存在しないか、又は、−S−、−O−、−NH−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、或いは、−(CH2q−であり、qは0〜2の整数であり、好ましくは、Xは存在しないか、或いは、-NH-、-C(O)NH-、及び-(CH2)2-であり、
Yはグリコシル基であり、
上記グリコシル基は、炭水化物特性を有する単糖及び/又は二糖に由来する構造部分であり、上記単糖及び/又は二糖のグリコシル化反応によって得られた残基であり、上記グリコシル化反応は、環状又は非環状のグリコシル基のO−グリコシル化、N−グリコシル化及びC−グリコシル化反応を含む。本発明の1つの実施形態において、上記グリコシル基は環状単糖、環状二糖、非環状単糖、非環状二糖から得られるグリコシル基から選ばれる。本発明のもう一つの形態において、上記グリコシル基は、デオキシ単糖、カルボキシル基単糖、酸化単糖、還元単糖から得られるグリコシル基から選ばれ、特に、上記グリコシル基は好ましくは、キシロース、マンノース、N−アセチルグルコサミン、ガラクトース、ソルボース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ラムノース、フコース、シアル酸、リボース、デオキシリボース、アロース、上記単糖の開環構造、及び、上記単糖及び/又は単糖の開環構造を組み合わせて形成された二糖から得られるグリコシル基から選択されてもよい。
さらに好ましくは、上記グリコシル基は下記基から選ばれる。
本発明において、技術用語「非環状単糖」とは、ピラノースの1位アルデヒド基が還元的に水素化され、還元的にアミノ化され、またはアミド化された単糖を指し、上記非環状単糖は、1位アルデヒド基が還元的にアミノ化され又はアミド化されたガラクトース、1位アルデヒド基がアミド化されたグルコース、及び1位アルデヒド基がアミド化されたマンノースであることが好ましい。
本発明において、技術用語「非環状二糖」とは、1つ又は2つのピラノースの1位アルデヒド基が還元的に水素化され、還元的にアミノ化され、またはアミド化された二糖を指し、上記非環状二糖は、1位アルデヒド基が還元的にアミノ化され又はアミド化されたラクトース、1位アルデヒド基が還元的にアミノ化され又はアミド化されたマルトース、及び1位アルデヒド基が還元的にアミノ化され又はアミド化されたセロビオースであることが好ましい。
本発明において、技術用語「アリール基」とはヘテロ原子を含まない芳香族環式基を指し、炭素数が6〜18であるアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基から選ばれるものがより好ましい。上記置換されたアリール基の例は、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ペンチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−エチニルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−トリメチルシリルエチニルフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−フェニル基又は4−(4−クロロフェニル)−フェニル基を含むが、これらに限定されない。
本発明において、技術用語「C8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基」とは、主鎖に8〜16個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を指す。C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基とC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の意味は、このように類推して得られる。
本発明において、技術用語「C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基」とは、主鎖に1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を指す。
本発明において、技術用語「C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基」とは、主鎖に1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
本発明において、技術用語「C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基」とは、主鎖に1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基で置換されたカルボニル基を指し、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基とは同じ意味を有する。
本発明において、技術用語「C2〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基」とは、主鎖に2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキニル基を指す。
本発明において、技術用語「薬学的に許容される塩」とは、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸とともに形成された塩、又は、上記酸とともにエステル又はアミドを形成した後に無機塩基とともに形成された塩を指し、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
本発明の1つの好ましい実施形態において、上記一般式Iで表される化合物は下記一般式I−Aで表されるバンコマイシン誘導体である。
式の中、R6は、塩素、及びトリフルオロメチル基から選ばれ、
R2は、OH又は下記基から選ばれ、
Yの定義は、一般式(I)中の定義と同じであり、下記基から選ばれるものが好ましく、
Xとnは、一般式(I)中の定義と同じである。
本発明のもう一つの好ましい実施形態において、上記バンコマイシン誘導体は下記化合物から選ばれるものが好ましい。
上記バンコマイシン誘導体は、さらに下記化合物から選ばれるものが好ましい:
上記一般式(I)で表される本発明のバンコマイシン誘導体は下記方法により製造され、当該方法は下記ステップのうちの1つ又は複数のステップを含む。
(1)バンコマイシンを、塩化アシル又はスルホニルクロリド(R1Cl)と置換反応させるか、又は、アルデヒド(R4CHO)と縮合反応させて、一般式dで表される化合物を得るステップ;
(2)一般式dで表される化合物を、アミノ基化合物(R2NH2)と縮合反応させて、一般式eで表される化合物を得るステップ;
(3)一般式eで表される化合物を、ホルムアルデヒドの存在下で置換アミンとマンニッヒ(Mannich)反応させて、一般式(I)で表される化合物を得るステップ;
ここで、R1、R2、R3、R4、n、X及びYは、R1がHではないことと、R2がOHではないこと以外、一般式(I)中の定義と同じである。
上記ステップ(1)において、必要に応じて塩基の存在下又は存在無しで、溶媒無しの条件下又は溶媒にアルデヒド又は塩化アシル化合物と反応させ、この反応に用いられる溶媒は、溶媒自体が反応において不活性でかつ反応を阻害しないものであれば、任意の溶媒であってもよい。このような溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド及びヘキサメチルホスホルアミド等の非プロトン性溶媒、酢酸エチル及び酢酸メチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、エチルエーテル及び1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ピリジン、メチルピリジン、ルチジン及びクリジジン等の有機塩基溶媒、水及びメタノール等のプロトン性溶媒、又はこれらの溶媒の混合物を使用することができる。
当該ステップに使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0] − 7−ウンデセン及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の有機塩基、又は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の無機塩基が挙げられる。
上記反応は0℃〜120℃の温度範囲で行われることができ、好ましくは0℃〜120℃の温度で行われる。
上記ステップ(2)において、文献(M. R. Leadbetter et al.,The Journal of Antibiotics,2004,57(5),326〜336、及びM. N. Prebrazhenskaya et al.,The Journal of Antibiotics,2007,60(4),235〜244)の方法を参酌して、一般式(d)で表される化合物を縮合剤の存在下で、DMF溶媒にNH2(CH2)mR7と反応させて一般式(e)で表される生成物を得る。上記縮合剤はHATU、HBTU、DMAP、HOBtから選ばれる。
上記ステップ(3)において、文献(P. A. Pavlov et al.,The Journal of Antibiotics,1997,50(6),509〜513、及びM. R. Leadbetter et al,The Journal of Antibiotics,2004,57(5),326〜336)に記載の修飾合成方法を参酌して、一般式(e)で表される化合物と置換アミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下でMannich反応させて、一般式(f)で表される生成物を得る。
上記経路のいずれかにおいて、種々の異なる基および部分を分子内に導入するための合成ステップの精確な順番は変化し得ることが理解されるのであろう。当業者は、上記プロセスの1つの段階に導入された基または部分がその後の変換および反応によって影響されないことを確保することができ、それに応じて合成ステップの順番を選択する。
本発明の1つの好ましい実施形態において、本発明のバンコマイシン誘導体は、細菌細胞壁前体D−アラニル−Dアラニンジペプチド残基と結合して細胞壁の合成を阻害することができるので、細胞壁合成阻害剤のような抗菌剤の調製に用いることができる。
本発明の上記バンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩は、抗菌活性を有し、細菌による感染症を治療及び/又は予防するための医薬の調製に使用することができる。上記細菌による感染症は、特にグラム陽性細菌による感染症である。上記グラム陽性菌の例としては、例えばブドウ球菌、ストレプトコッカス、腸球菌、肺炎双球菌、バチルス、炭疽菌、ジフテリア菌、破傷風菌、クロストリジウム・ディフィシレ、リステリア・モノサイトゲネスが挙げられる。
本発明のもう一つの形態によれば、活性成分として、上記バンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩から選ばれる1種又は複数種を、治療有効量で含有し、かつ、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、添加剤及び/又は希釈剤をさらに含有してもよい医薬組成物を提供する。
本発明の上記バンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩は、単独で投与することができ、または、薬学的に許容されるその他の治療剤と組み合わせて投与することもでき、特に細菌感染症の治療及び/又は予防のためのその他の医薬とを組み合わせることができる。上記薬学的に許容される治療剤としては、限定されるものではないが、バンコマイシンと組み合わせて投与可能なその他の許容される治療剤であり、例えば、ペニシリンG、プロカインペニシリンおよびペニシリンV、マクロライド、エリスロマイシン、メディマイシン、アセチルスピラマイシン、柱状ロイコマイシンおよびクラリスロマイシン、アジスロマイシン、トリメトプリム、ダプソン、スルファメトキサゾール、ガチフロキサシン、リネゾリド、アモキシシリン、ダプトマイシン、メロペネム、イミペネムシラスタチン、ピペラシリンスルバクタム、セフォペラゾンスルバクタムナトリウム、フシジン酸、ビアペネム、エチマシン、オルニダゾール、メトロニダゾール等が挙げられる。組み合わせられる各成分は同時に又は順に投与することができ、単一の製剤の形又は異なる製剤の形で投与することができる。上記組み合わせは本発明の上記バンコマイシン誘導体及び/又はその薬学的に許容される塩と1種のその他の活性剤との組み合わせを含むのみならず、本発明の上記バンコマイシン誘導体及び/又はその薬学的に許容される塩と2種以上のその他の活性剤との組み合わせも含む。
したがって、本発明のもう一つの形態によれば、活性成分として、本発明の上記バンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩から選ばれる1種又は複数種を、治療有効量で含有し、かつ、薬学的に許容されるその他の治療剤を含有し、特に細菌感染症の治療及び/又は予防のための医薬を含有する医薬組成物を提供する。上記医薬組成物は、薬学的に許容される任意の担体、賦形剤、アジュバント、添加剤及び/又は希釈剤などをさらに含有してもよい。
本発明によれば、活性成分として、本発明の上記バンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩から選ばれる1種又は複数種を、治療有効量で含有する医薬組成物は抗菌活性を有し、細菌感染症の治療及び/又は予防のための医薬の調製に使用することができる。
上記「治療有効量」とは、化合物の量が、深刻な副作用を引き起こすことなく病状を有意に改善するのに十分であることを指す。治療有効量は、治療対象の年齢、病状、治療コースなどに応じて決定される。
上記「薬学的に許容される担体」とは、ヒトへの使用に適し、かつ十分な純度を有し毒性が十分に低いものでなければならない、1種以上の相溶性のある固体または液体の充填剤或いはゲル材料を指す。ここの「相溶性」とは、組成物の各成分が、化合物の薬効を有意に低減させることなく、本発明の化合物との間及びその成分同士を互いに混合することができることを意味する。薬学的に許容される担体の例としては、糖(例えばグルコース、スクロース、ラクトースなど)、澱粉(例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプンなど)、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ナトリウムエチルセルロース、酢酸セルロースなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなど)、硫酸カルシウム、植物油(例えば大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブ油など)、ポリオール(例えばプロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤(例えばTween)、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムなど)、着色剤、調味料、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、パイロジェンフリー水などが挙げられる。
本発明で製造される一般式(I)で表される化合物のインビトロ抗菌試験では、当該化合物のバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性はバンコマイシンよりも有意に高く、一部の好ましい化合物の抗菌活性はバンコマイシンの抗菌活性の10〜100倍であり、2009年に市場に出たTelavancinの4〜10倍であることを示している。抗菌試験の結果から、本発明に採用されるバンコマイシンの7位アミノ酸芳香族環に糖含有構造基を導入し、バンコサミニルにビフェニル基を導入する誘導体化戦略は、バンコマイシンの抗菌活性を有意に改善し得、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌においてとりわけ著しいことが分かった。
図1は、化合物Van016、Van032、Van037及びVan038のマウスインビボ細菌感染生存試験の結果を示す。 図2は、化合物Van011及びVan037とバンコマイシン及びTelavancinのHK−2細胞モデルにおける毒性試験結果を示す。 図3は、化合物Van011及びVan037とバンコマイシン及びTelavancinのHL−7702細胞モデルにおける毒性試験結果を示す。
以下、本発明について実施例をもって詳述する。これらの実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
下記実施例について、当業者に知られている標準的な操作および精製方法を使用することができる。特に断らない限り、原料は通常市販品から入手でき、例えばAldrich Chemicals Co.及びAcros Organicsが挙げられる。購入される溶媒及び試薬は、一般にはさらに精製することなく使用し、無水溶媒はすべて標準的な方法で処理し、他の試薬は市販される分析用試薬である。特に断らない限り、すべての温度は℃(セ氏温度)で表され、室温又は環境温度とは20〜25℃を指す。化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(NMR)及び/又は質量分析スペクトル(MS)により特定する。
水素核磁気共鳴スペクトルシフト(δ)は、百万分率(ppm)の単位で示される。水素核磁気共鳴スペクトルはMercury−600MHzとBruker(AV−400)400 MHz型核磁気共鳴装置により測定し、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(MeOD−d4)、重水素水(D2O)を溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質とする。
高分解能質量分析スペクトルは、Agilent 6230系のTOF LC−MSにより測定され、塩素又は臭素を含むイオンの強度を表す場合、予想される強度比(35Cl/37Clを含むイオンが約3:1であり、79Br/81Brを含むイオンが1:1である)を観察し、かつ比較的低い質量のイオンの強度のみを示す。
HPLC:Agilent 1260分析型高速液体クロマトグラフィーシステム(Agilent社)とLC3000製造型高速液体クロマトグラフィーシステム(北京創新通恒科技有限公司)。分析型高速液体クロマトグラフィーの条件:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214と280nmで、溶出条件0〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄する。製造型高速液体クロマトグラフィーの条件:C18カラム(5μm、19x250mm)、紫外線検出用波長帯が214と280nmであり、溶出条件0〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄する。
クロマトグラフィーカラムは一般には担体として200〜300メッシュのシリカゲルを使用する。
以上の検討及び下記実施例において、下記略称は以下の意味を有する。ある略称が定義されていない場合、通常認められる意味を有するものである。
TLC:薄層クロマトグラフィー
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
DCM:ジクロロメタン;
EtOAc:酢酸エチル;
Hexane:ヘキサン;
TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸;
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド;
Fmoc−Cl:塩化メトキシカルボニル;
Pd/C:パラジウム炭素;
HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート;
TFA:トリフルオロ酢酸。
出発原料と中間体の製造
製造1 N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−n−デシルアミノアセトアルデヒド(1)の製造
デカノール1a(9.5mL、50mmol)、ジクロロメタン25mL、メタンスルホニルクロリド(5.4mL、70mmol)のジクロロメタン溶液(25mL)を混合し、0℃で5分間攪拌し、ピリジン(5mL)を加えて室温で24時間攪拌した。残留物を濃縮して溶媒を除去した後、ヘキサン(100mL)に溶解させ、水洗いし(100mL)、有機層を収集して硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、濃縮して無色油状の粗生成物であるメタンスルホン酸デシル1bを得、次の反応に直接進んだ。粗生成物であるメタンスルホン酸デシル1bをエタノール30mLに溶解させ、室温で2−アミノエタノール(6.1g、100mmol)のエタノール溶液(30mL)を15分間内で滴下し、終了後、90℃まで昇温して24時間攪拌した。残留物を濃縮して溶媒を除去した後にジクロロメタン(100mL)及び水(100mL)を添加し、分液して有機層を収集し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、濃縮して無色油状の粗生成物であるデシルアミノエタノール1c(7.5g,収率75%)を得、質量分析スペクト(ESI+):201.8 [M+H]+であった。
粗生成物デシルアミノエタノール1c(4.15g)、DIPEA(3.6mL)、ジクロロメタン30mL、Fmoc−Cl(4.7g)のジクロロメタン溶液(10mL)を混合し、0℃で1h攪拌し、TLCによって反応がほとんど完了したことを確認した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し(500mL)、0.1 N HClで洗浄し(200mL)、有機層を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、有機層を濃縮して無色油状の粗生成物であるN−デシル−N−Fmoc−アミノエタノール1d(8g)を得た。質量分析スペクト(ESI+):424.3 [M+H]+ であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm)= 7.84 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.52-7.36 (m, 4H), 4.61 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 4.31 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 3.80 (s, 1H), 3.45 (s, 2H), 3.13 (s, 3H), 1.63-1.07 (m, 18H), 0.96 (t, J = 6.6 Hz, 3H)。
粗生成物N−デシル−N−Fmoc−アミノエタノール1d(1g)、DIPEA(2mL)、ジクロロメタン20mLを混合し、−5℃で(氷−アセトン浴)15分間攪拌し、三酸化硫黄ピリジン(1.88g)のDMSO溶液(6mL)を滴下し、終了後、−5℃で30分間攪拌し、TLCによって反応がほとんど完了したことを確認した。反応液を、砕いた氷及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)に注ぎ、分液し、有機層を0.1 N HCl(50mL)で洗浄し、有機層を併合した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、有機層を濃縮して黄色油状の粗生成物であるN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−n−デシルアミノアセトアルデヒド1(0.9g)を得た。質量分析スペクト(ESI+): m/z 422.4 [M+H]+ であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ (ppm)= 9.38 (d, J = 117.7 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.52-7.36 (m, 4H), 4.61 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 4.31 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 3.80 (s, 1H), 3.33-3.18 (m, 2H), 3.18-3.04 (m, 1H), 1.52 -1.36 (m, 1H), 1.37-1.14 (m, 14H),1.15-1.03 (m, 1H), 0.97-0.79 (m, 3H)。
製造2 2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド(2)の製造
1,2,3,4,6−O−アセチル−D−マンノピラノシド(2a)
D−マンノース(5g、27.9mmol)をピリジン25mlに溶解させ、0℃で氷水浴し、無水酢酸25mlをゆっくり加えた。室温で16h攪拌し、減圧下で溶媒を蒸発除去し、残留の液体を酢酸エチルに溶解させ、1N塩酸、純水及び飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、残留の酢酸エチルを減圧下で蒸発除去した。透明粘性油状の全アセチル化されたマンノース(2a)(10.6g,27.1mmol,収率97%)を得、生成物には2種類の配置が含まれている(α体/β体=33:67、w/w)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 2種類の配置の混合物): β体NMR信号 δ (ppm) = 1.98 (s, 3H, COCH3), 2.07 (s, 3H, COCH3), 2.08 (s, 3H, COCH3), 2.15 (s, 3H, COCH3), 2.19 (s, 3H, COCH3), 3.99-4.05 (m, 1H, 5−H), 4.07 (dd, J = 2.4, 12.4 Hz, 1H, 6−Ha), 4.26 (dd, J = 4.9, 12.4 Hz, 1H, 6−Hb), 5.23 (dd, J = 2.0, 3.1 Hz, 1H, 3−H), 5.31-5.34 (m, 2H, 3−H, 4−H), 6.06 (d, J = 2.0 Hz, 1H, 1−H); α体NMR信号 δ (ppm) = 1.98 (s, 3H, COCH3), 2.03 (s, 3H, COCH3), 2.07 (s, 3H, COCH3), 2.15 (s, 3H, COCH3), 2.16 (s, 3H, COCH3), 3.79 (ddd, J = 2.4, 5.3, 9.9 Hz, 1H, 5−H), 4.11 (dd, J = 2.4, 12.4 Hz, 1H, 6−Ha), 4.28 (dd, J = 5.3, 12.4 Hz, 1H, 6−Hb), 5.11 (dd, J = 3.3, 10.0 Hz, 1H, 3−H), 5.27 (t, J = 10.0 Hz, 1H, 4−H), 5.46 (dd, J = 1.2, 3.3 Hz, 1H, 2−H), 5.84 (d, J = 1.2 Hz, 1H, 1−H)。
フェニル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−1−チオ−α−D−マンノピラノシド(2b)
全アセチル化されたマンノシド2a(4.5g、12.5mmol)にジクロロメタン10mLを添加し、チオフェノール(1.96mL、19.08mmol)を加えた。室温で20min攪拌し、次に氷水浴の条件下で三フッ化ホウ素エチルエーテル(7.8mL、63.6mmol)を滴下し、氷水浴に15min攪拌し続き、室温にして16h反応させた。反応液にジクロロメタン(50mL)を加えて希釈し、氷水(100mL)を加えて攪拌し、分離して有機層を得た。飽和炭酸水素ナトリウム及び食塩水で有機層を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で残留の溶媒を蒸発除去し、カラムクロマトグラフィーにより分離し(酢酸エチル/ヘキサン 1:5〜1:3,v/v)、白色固形状のフェニル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−1−チオ−α−D−マンノピラノシド2b 4.4gを得、収率は80%である。高分解能質量分析スペクトル(ESI+): [M+Na]+ C20H24O9Snaの理論値が463.1033、実測値が463.1039であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 7.50-5.30 (m, 5 H, ArH), 5.50 (dd, J1,2 = 1.6 Hz, J2,3 = 3.2 Hz, 1 H, H−2), 5.50 (d, 1 H, H−1), 5.33 (dd, J4,5 = 9.8 Hz, J3,4 = 9.9 Hz, 1 H, H−4), 5.32 (dd, 1 H, H−3), 4.55 (ddd, J5,6a = 2.3 Hz, J5,6b = 5.9 Hz, 1 H, H−5), 4.31 (dd, J6a,6b = -12.3Hz, 1 H, H−6b), 4.11 (dd, 1 H, H−6a), 2.16, 2.08, 2.06, 2.02 (s, 12 H,4 × OCCH3)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(2c)
フェニル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−1−チオ−α−D−マンノピラノシド2b(2g、4.5mmol)とN−(ベンジルオキシカルボニル)エタノールアミン(1.1g、5.4mmol)を無水ジクロロメタンに溶解させ、4Åモレキュラーシーブ、アルゴンガスで保護し、0℃にし、N−ヨードスクシンイミド(1.52g、6.75mmol)を加え、0℃で15min反応させ、トリフルオロメタンスルホン酸(80μL、0.9mmol)を加え、室温で一晩反応させた。トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、ジクロロメタンを加えて希釈した後に濾過して有機層を得、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水を用いて有機層を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を蒸発除去し、カラムクロマトグラフィーにより生成物を分離し(酢酸エチル/ヘキサン体積比40:60〜50:50溶出)、無色油状の2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(1.66g、3.17mmol、収率57%)を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C24H31NO12 [M+H]+の理論値が526.1925、実測値が526.1913であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 2.00 (s, 3H, COCH3), 2.04 (s, 3H, COCH3), 2.09 (s, 3H, COCH3), 2.16 (s, 3H, COCH3), 3.36-3.53 (m, 2H, CH2NH), 3.58 (ddd, J = 3.6, 6.8, 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.78 (ddd, J = 3.9, 6.2 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.97 (ddd, J = 2.3, 5.7 9.5 Hz, 1H, 5−H), 4.08 (dd, J = 2.3, 12.2 H 1H, 6−Ha), 4.26 (dd, J = 5.7, 12.2 Hz, 1H, 6−Hb), 4.82 (d, J = 1.7 Hz, 1H, 1−H), 5.12 (s, 2H, CH2Ph), 5.20 (bt, J = 5.8 Hz, 1H, NH), 5.25 (dd, J = 1.7, 3.2 Hz, 1H, 2−H), 5.26 (dd, J = 9.5, 10.1 H), 5.31 (dd, J = 3.2, 10.0 Hz, 1H, 3−H), 7.29-7.39 (m, 5H, C6H5)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−α−D−マンノピラノシド(2d)
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド2c(466mg、0.887mmol)を4Nメタノールナトリウムのメタノール溶液に溶解させ、pH=10に維持し、室温で4h反応させ、強酸性イオン樹脂を添加し、pH=7〜8となるように調整し、濾過し、減圧下で溶媒を蒸発除去し、無色油状の2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−α−D−マンノピラノシド2d(301mg、0.842mmol、収率95%)を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C16H23NO8 [M+Na]+ の理論値が380.1321、実測値が380.1316であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) = 3.27-3.39 (m, 2H, CH2NH), 3.47-3.55 (m, 2H, 5−H, CHaHbCH2NH), 3.60 (t, J = 9.5 Hz, 1H, 4−H), 3.68 (dd, J = 5.8, 11.7 Hz, 1H, 6−Ha), 3.69 (dd, J = 3.4, 9.3 Hz, 1H, 3−H), 3.74 (ddd, J = 4.9, 6.4, 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.80 (dd, J = 1.7, 3.4 Hz, 1H, 2−H), 3.81 (dd, J = 2.3, 11.7 Hz, 1H, 6−Hb), 4.75 (d, J = 1.6 Hz, 1H, 1−H), 5.06 (s, 2H, CH2Ph) , 7.24-7.36 (m, 5H, C6H5)。
2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド(2)
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−α−D−マンノピラノシド2d(285mg、0.798mmol)をメタノールに溶解させ、Pd−C(20%)30mgを加え、反応液にH2(圧力1.5Pa)を通気し、室温で4h攪拌し、ガラスフィルター付き漏斗で濾過し、2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2 301mg(0.842mmol、収率95%)を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C16H23NO8 [M+Na]+の理論値が380.1321、実測値が380.1316であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) = 2.82-2.86 (m, 2H, CH2NH2), 3.48 (ddd, J = 4.7, 5.9, 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH2), 3.56 (ddd, J = 2.1, 5.8, 9.7 Hz, 1H, 5−H), 3.63 (t, J = 9.4 Hz, 1H, 4−H), 3.73 (dd, J = 5.8, 11.8 Hz, 1H, 6−Ha), 3.74 (dd, J = 3.4, 9.1 Hz, 1H, 3−H), 3.79 (ddd, J = 4.7, 5.9, 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH2), 3.86 (dd, J = 1.7, 3.4 Hz, 1H, 2−H), 3.86 (dd, J = 2.1, 11.8 Hz, 1H, 6−Hb), 4.80 (d, J = 1.7 Hz, 1H, 1−H)。
製造3 2−アミノエチル−β−D−グルコピラノシド(3)の製造
製造2のマンノースの代わりにグルコースを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を製造2と同様にして3a−c及び3を得た。
フェニル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−1−チオβ−D−グルコシド(3a)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 7.55-7.49 (m, 2H), 7.34 (dd, J = 5.1, 1.9 Hz, 3H), 5.24 (t, J = 9.4 Hz, 1H), 5.03 (dt, J = 26.5, 9.7 Hz, 2H), 4.73 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 4.27-4.17 (m, 2H), 3.75 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.6 Hz, 1H), 2.10 (d, J = 2.9 Hz, 6H), 2.04 (s, 3H), 2.01 (s, 3H)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−β−D−グルコシド(3b)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+):C24H31NO12 [M+H]+の理論値が526.1925、実測値が526.1899であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 2.00 (s, 6H, 2 COCH3), 2.03 (s, 3H, COCH3), 2.06 (s, 3H, COCH3), 3.37-3.41 (m, 2H, CH2NH), 3.68 (ddd, J = 2.5, 4.8, 9.9 Hz, 1H, 5−H), 3.69-3.74 (m, 1H, OCHaHbCH2), 3.87 (ddd, J = 4.1, 5.5, 10.0 Hz, 1H, OCHaHbCH2), 4.14 (dd, J = 2.4, 12.3 Hz, 6−Ha), 4.14 (dd, J = 4.8, 12.4 Hz, 1H, 6−Hb), 4.48 (d, J = 8.0 Hz, 1H, 1−H), 4.93 (dd, J = 8.0, 9.6 Hz, 1H, 2−H), 5.05 (dd, J = 9.4, 9.7 Hz, 1H, 4−H), 5.09 (s, 2H, CH2Ph), 5.17 (m, 1H, NHCBz), 5.19 (dd, J = 9.4, 9.6 Hz, 3−H), 7.33-7.36 (m, 5H, C6H5)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−β−D−グルコピラノシド(3c)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C16H23NO8 [M+Na]+ の理論値が380.1321、実測値が380.1318であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) = 3.17 (dd, J = 7.9, 9.0 Hz, 1H, 2−H), 3.22-3.29 (m, 3H, 4−H, 5−H, CHaHbNH), 3.32-3.38 (m, 1H, CHaHbNH), 3.34 (t, J = 8.7 Hz, 3−H), 3.58 (ddd, J = 4.2, 6.9, 10.4 Hz,, 1H, CHaHbCH2NH), 3.62 (dd, J = 5.2, 12.0 Hz, 1 H, 6−Hb), 3.81 (dd, J = 2.0, 11.9 Hz, 1H, 6−Hb), 3.86 (ddd, J = 5.6, 7.7, 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 4.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H, 1−H), 5.02 (s, 2H, CH2Ph), 7.23-7.29 (m, 5H, C6H5)。
2−アミノエチル−β−D−グルコピラノシド(3)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C8H17NO6 [M+H]+ の理論値が224.1134、実測値が 224.1135であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) = 2.84-2.86 (m, 2H, CH2NH2), 3.15 (dd, J = 7.8, 9.2 Hz, 1H, 2−H), 3.21-3.24 (m, 2H, 4−H, 5−H), 3.31 (dd, J = 9.0, 9.1 Hz, 1H, 3−H), 3.58-3.63 (m, 2H, 6−Ha, CHaHbCH2NH), 3.81 (dd, J = 1.3, 11.9 Hz, 1H, 6− Hb), 3.88 (ddd, J = 5.0, 7.7, 9.9 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 4.22 (d, J = 7.8 Hz, 1H, 1−H)。
製造4 2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド(4)の製造
製造2のマンノースの代わりにガラクトースを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を製造2と同様にして4a−c及び4を得た。
フェニル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−1−チオβ−D−ガラクトシド(4a)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 7.54 (ddd, J = 7.0, 3.8, 2.1 Hz, 2H), 7.37-7.33 (m, 3H), 5.44 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.27 (t, J = 9.9 Hz, 1H), 5.07 (dd, J = 10.0, 3.4 Hz, 1H), 4.74 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 11.3, 7.0 Hz, 1H), 4.17-4.11 (m, 1H), 3.96 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.07 (s, 4H), 2.00 (s, 3H)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2,3,4,6−テトラス−O−アセチル−β−D−ガラクトシド(4b)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C24H31NO12 [M+Na]+ の理論値が548.1744、実測値が548.1747であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 1.90 (s, 3H, COCH3), 1.93 (s, 3H, COCH3), 1.95 (s, 3H, COCH3), 2.07 (s, 3H, COCH3), 3.32 (m, 2H, CH2NH), 3.62 (ddd, J = 3.6, 7.1, 10.2 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.80-3.82 (m, 2H, 5−H, CHaHbCH2NH), 4.06 (d, J = 6.6 Hz, 2H, 6−H2), 4.38 (d, J = 7.9 Hz, 1H, 1−H), 4.93 (dd, J = 3.4, 10.5 Hz, 1H, 3−H), 5.02 (s, 2H, CH2Ph), 5.10 (dd, J = 8.0, 10.4 Hz, 1H, 2−H), 5.19 (t, J = 5.4 Hz, 1H, NH), 5.31 (dd, J = 0.7, 3.4 H, 1H, 4−H), 7.22-7.30 (m, 5H, C6H5)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−β−D−ガラクトピラノシド(4c)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+):C16H23NO8 [M+Na]+ の理論値が380.1316、実測値が380.1308であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) =3.30 (ddd, J = 4.2, 6.8, 14.2 Hz, 1H, CHaHbNH), 3.40 (ddd, J = 4.1, 6.2, 14.2 Hz, 1H, CHaHbNH), 3.46 (dd, J = 3.2, 9.7 Hz, 1H, 3−H), 3.50 (ddd, J = 1.0, 5.3, 6.8 Hz, 1H, 5−H), 3.52 (dd, J = 7.3, 9.8 Hz, 1H, 2−S10 H), 3.63 (ddd, J = 4.0, 6.8, 10.5 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.70 (dd, J = 5.3, 11.4 Hz, 1H, 6− Ha), 3.75 (dd, J = 6.9, 11.3 Hz, 1H, 6−Hb), 3.82 (dd, J = 1.0, 3.2 Hz, 1H, 4−H), 3.91 (ddd, J = 4.2, 6.2, 10.4 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 4.22 (d, J = 7.3 Hz, 1H, 1−H), 5.06 (s, 2H, CH2Ph), 7.24-7.37 (m, 5H, C6H5)。
2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド(4)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C8H17NO6 [M+H]+の理論値が224.1134、実測値が224.1133であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) = 2.80 (ddd, J = 4.2, 6.3, 13.4 Hz, 1H, CHaHbNH2), 2.84 (ddd, J = 4.4, 5.5, 13.4 Hz, 1H, CHaHbNH2), 3.45 (dd, J = 3.3, 9.7 Hz, 1H, 3−H), 3.49 (ddd, J = 1.0, 5.3, 7.0 Hz, 1H, 5−H), 3.52 (dd, J = 7.5, 9.7 Hz, 1H, 2−H), 3.61 (ddd, J = 4.4, 6.3, 10.5 Hz, 1H, CHaHbCH2NH2), 3.69 (dd, J = 5.3, 11.3 Hz, 1H, 6−Ha), 3.73 (dd, J = 7.0, 11.3 Hz, 1H, 6−Hb), 3.80 (dd, J = 1.0, 3.3 Hz, 1H, 4−H), 3.91 (ddd, J = 4.2, 5.5, 10.3 Hz, 1H, CHaHbCH2NH2), 4.21 (d, J = 7.5 Hz, 1H, 1−H)。
製造5 2−アミノエチル−2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(5)の製造
製造2のマンノースの代わりにアセチルグルコサミンを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を製造2と同様にして5a、5b及び5を得た。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2−アセチルアミノ−3,4,6−トリス−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(5a)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C24H32N2O11 [M+H]+ の理論値が525.2084、実測値が525.2077であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 1.82 (s, 3H, COCH3), 1.96 (s, 6H, 2COCH3), 1.98 (s, 3H, COCH3), 3.21-3.29 (m, 1H, CHaHbNH), 3.33-3.42 (m, 1H, CHaHbNH), 3.61 (m, 2H, 5−H, CHaHbCH2NH), 3.80 (ddd, J = 3.5, 5.9, 9.9 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.84 (dt, J = 8.6, 10.2 Hz, 1H, 2−H), 4.06 (dd, J = 2.0, 12.3 Hz, 1H, 6−Ha), 4.16 (dd, J = 4.8, 12.3 Hz, 1H, 6−Hb), 4.54 (d, J = 8.3 Hz, 1H, 1−H), 4.98 (dd, J = 9.5, 9.8 Hz, 1H, 4−H), 5.02 (s, 2H, CH2Ph), 5.12 (dd, J = 9.8, 10.2 Hz, 1H, 3−H), 5.31 (t, J = 5.2 Hz, 1H, CH2NH), 5.87 (d, J = 8.8 Hz, 1H, 2−NH), 7.23-7.31 (m, 5H, C6H5)。
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノエチル2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(5b)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C18H26N2O8 [M+Na]+ の理論値が421.1587、実測値が 421.1570であった。
1H NMR (400 MHz, MeOD−d4): δ (ppm) = 1.93 (s, 3H, COCH3), 3.23-3.34 (m, 4H, 4−H, 5−H, CH2NH), 3.43 (dd, J = 8.4, 10.3 Hz, 1H, 3−H), 3.58 (ddd, J = 5.4, 5.6, 10.6 Hz, 1H, CHaHbCH2NH), 3.65 (dd, J = 8.4, 10.3 Hz, 1H, 2−H), 3.66 (dd, J = 5.6, 11.9 Hz, 1H, 6−Ha), 3.84 (m, 1H, CHaHbCH2NH), 3.86 (dd, J = 2.2, 12.0 Hz, 1H, 6−Hb), 4.38 (d, J = 8.4 Hz, 1H, 1−H), 5.05 (s, 2H, CH2Ph), 7.35-7.25 (m, 5H, C6H5)。
2−アミノエチル−2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(5)
高分解能質量分析スペクトル(ESI+): C10H20N2O6の理論値が265.1400、実測値が265.1404[M+H]+であった。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ (ppm) = 2.05 (s, 3H, COCH3), 2.69-2.85 (m, 2H, CH2NH2), 3.34-3.52 (m, 2H, 4−H, 5−H), 3.52-3.59 (m, 1H, 3−H), 3.59-3.67 (m, 1H, CHaHbCH2NH2), 3.71-3.80 (m, 2H, 2−H, 6−Ha), 3.87-4.01 (m, 2H, 6−Hb, CHaHbCH2NH2), 4.53 (d, J = 8.4 Hz, 1H, 1−H)。
製造6 グルコノラクトン誘導体(6)の製造
グルコノラクトン(2g、11.36mmol)をメタノール12mLに溶解させ、N−tert−ブトキシカルボニル−1,3−プロピルジアミン(2.37g、13.63mmol)を加えた。還流させて4h反応させ、メタノールを減圧下で蒸発除去し、白色固体を得、酢酸エチル及びジクロロメタンを用いて洗浄し、オイルポンプにより真空で抽出して白色固体6a(3.6g、収率90%)を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C14H28N2O8 [M+Na]+の理論値が375.1743、実測値が375. 1726であった。
6a:1H NMR (400MHz, DMSO−d6) δ 4.48-3.47 (m, 4H), 4.35-3.57 (m, 2H), 3.92-3.07 (m,4H), 1.51-1.49 (m, 2H), 1.37 (s, 9H)。
6aをメタノール5mLに溶解させ、4N塩酸を加え、室温で4h攪拌し、減圧下で溶媒を蒸発除去して白色固体6を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C9H20N2O6の理論値が253.1400、実測値が253.1381[M+H]+であった。
6:1H NMR (400MHz, DMSO−d6) δ 4.23-3.53 (m, 4H), 4.12-3.79 (m, 2H), 2.93-2.87 (t, 4H), 1.92-1.88 (m, 2H)。
製造7 ラクトビオノラクトン誘導体(7)の製造
製造6のグルコノラクトンの代わりにラクトビオノラクトンを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を製造6と同様にして7a及び7を得た。
7a:高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C20H38N2O13 の理論値が515.2452、実測値が515.2489[M+H]+であった。 1H NMR (400MHz, D2O) δ 4.58-4.56 (d, 1H), 4.41-4.41 (d, 1H), 4.20-4.18 (t,1H), 4.01-3.55 (m, 10H), 3.31-3.28 (t, 2H), 3.11-3.10 (t, 2H), 1.75-1.68 (m, 2H), 1.44 (s, 9H)。
7:高分解能質量分析スペクトル(ESI+)C15H30N2O11の理論値が415.1928、実測値が415.1901[M+H]+であった。1H NMR (400MHz, DMSO−d6) δ 4.58-4.54 (d, 1H), 4.41-4.40 (d, 1H), 4.19-4.19 (t, 1H), 4.0-3.55 (m, 10H), 3.36-3.4 (t, 2H), 3.28-3.30 (t, 2H), 1.69-1.73 (m, 2H)。
実施例1
ステップ1:市販品バンコマイシン(950mg)、N−デシル−N−Fmoc−アミノアセトアルデヒド1(550mg)、DIPEA(0.65mL)、DMF 40mLを混合し、室温で1時間攪拌した後に反応液が澄み液になり、引き続き1h攪拌した。室温でNaCNBH3(80mg)、メタノール10mL、TFA 0.25mLを加え、60分間攪拌した。反応液にエチルエーテル(500mL)を加えて沈殿させ、濾過し、濾過ケークをエチルエーテル300mL、水300mLの順で洗浄した後、乾燥させた。白色固体であるN−デシル−N−Fmoc−アミノエチル−バンコマイシン(700mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件0〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄し、保持時間tR=22.5min、純度が95%であった。質量分析スペクト(ESI+):927.7 [M+2H]2+であった。
N−デシル−N−Fmoc−アミノエチル−バンコマイシン(550mg)、20%ピペリジンのDMF溶液10mLを混合し、室温で30分間攪拌した。エチルエーテル200mLを加えて沈殿させ、濾過し、濾過ケークをエチルエーテル300mLで洗浄し濾過した後、乾燥させ、白色固体であるNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−a(450mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214と280nmで、溶出条件0〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄し、保持時間tR=16.3min、純度が96%であった。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C78H100Cl2N10O24の理論値が1630.6289、実測値が816.3212[M+2H]2+であった。
ステップ2:2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2(30mg)を、水100μLとアセトニトリル500μLとの混合物に溶解させ、DIPEA 30μLを加え、固体が完全に溶解するまで(10分間)室温で攪拌した。37wt%ホルムアルデヒド溶液2uLを加え、室温で15分間攪拌した後、温度を−10℃に下げて5分間攪拌し、Nvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−a(25mg)の80%アセトニトリル溶液1.5mLとを迅速に混合し、DIPEA 30μLを加え、−10℃で8時間攪拌し、HPLCにより反応をモニターニングし、HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。粗生成物を逆相C18により製造し、凍結乾燥させて白色固体であるVan001(15mg)を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H117Cl2N11O30の理論値が1865.7345、実測値が622.9193[M+3H] 3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.41 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 8.2, 2.3 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13-7.10 (m, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.71 (s, 1H), 5.66 (s, 1H), 5.28 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.24 (s, 1H), 5.14-5.10 (m, 2H), 5.10-5.07 (m, 1H), 4.81 (s, 1H), 4.65-4.60 (m, 2H), 4.46-4.42 (m, 1H), 4.40 (s, 1H), 4.13-4.06 (m, 3H), 3.84-3.80 (m, 1H), 3.68-3.62 (m, 4H), 3.54 (t, J = 8.5 Hz, 3H), 3.44-3.40 (m, 4H), 3.38 (t, J = 9.4 Hz, 2H), 3.33 (ddd, J = 9.5, 6.2, 2.2 Hz, 2H), 3.25 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 2.85-2.76 (m, 3H), 2.60 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.54 (s, 2H), 2.37 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.11 (dd, J = 16.3, 9.1 Hz, 2H), 1.75 (d, J = 19.3 Hz, 2H), 1.67-1.59 (m, 3H), 1.49 (dt, J = 14.6, 7.7 Hz, 4H), 1.23 (d, J = 9.7 Hz, 16H), 1.06 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.84 (q, J = 6.8 Hz, 6H)。
実施例 2
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりに2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan002を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H117Cl2N11O30の理論値が1865.7345、実測値が622.9193[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.80-7.77 (m, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.41 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 8.1, 3.5 Hz, 2H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13-7.11 (m, 1H), 6.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.52-6.49 (m, 1H), 5.66 (s, 1H), 5.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.24 (s, 1H), 5.11 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 4.83-4.79 (m, 1H), 4.77-4.75 (m, 1H), 4.63 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.40-4.38 (m, 1H), 4.11 (s, 3H), 3.95 (s, 2H), 3.81 (t, J = 15.8 Hz, 3H), 3.65 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.62-3.60 (m, 1H), 3.42-3.40 (m, 2H), 3.37 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 3.33-3.23 (m, 5H), 3.07 (d, J = 21.7 Hz, 3H), 2.85-2.77 (m, 3H), 2.56-2.52 (m, 2H), 2.37 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 2.15-2.07 (m, 2H), 1.80-1.72 (m, 2H), 1.67-1.59 (m, 3H), 1.53-1.43 (m, 4H), 1.23 (d, J = 9.7 Hz, 16H), 1.10-1.03 (m, 3H), 0.90 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.83 (q, J = 6.8 Hz, 6H)。
実施例 3
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりに2−アミノエチル−2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド5を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan003を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C89H120Cl2N12O30の理論値が1906.7610、実測値が636.5398[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.80 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.50-7.44 (m, 3H), 7.29 (dd, J = 13.6, 8.0 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.84 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.64 (d, J = 32.6 Hz, 2H), 5.23 (dd, J = 15.8, 5.7 Hz, 2H), 5.11 (s, 2H), 4.65 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 17.0 Hz, 2H), 4.34 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.11 (q, J = 11.5, 9.6 Hz, 3H), 3.92-3.80 (m, 3H), 3.74-3.69 (m, 2H), 3.65 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 3.43 (td, J = 8.2, 3.2 Hz, 5H), 3.37 (s, 4H), 3.29 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.27-3.24 (m, 2H), 3.23 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.18-3.14 (m, 3H), 3.07-3.04 (m, 2H), 3.02-2.98 (m, 2H), 2.88 (dd, J = 9.4, 6.4 Hz, 2H), 2.73 (q, J = 7.0, 6.3 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 1.78 (s, 3H), 1.71 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.54 (dt, J = 18.6, 6.1 Hz, 4H), 1.23 (d, J = 22.5 Hz, 16H), 1.04 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.83 (t, J = 6.8 Hz, 6H)。
実施例 4
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりに2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan004を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H117Cl2N11O30の理論値が1865.7345、実測値が622.9195[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.80-7.77 (m, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.41 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 8.1, 3.5 Hz, 2H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13-7.11 (m, 1H), 6.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.52-6.49 (m, 1H), 5.66 (s, 1H), 5.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.24 (s, 1H), 5.11 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 4.83-4.79 (m, 1H), 4.77-4.75 (m, 1H), 4.63 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.40-4.38 (m, 1H), 4.11 (s, 3H), 3.95 (s, 2H), 3.81 (t, J = 15.8 Hz, 3H), 3.65 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.62-3.60 (m, 1H), 3.42-3.40 (m, 2H), 3.37 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 3.33-3.23 (m, 5H), 3.07 (d, J = 21.7 Hz, 3H), 2.85-2.77 (m, 3H), 2.56-2.52 (m, 2H), 2.37 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 2.15-2.07 (m, 2H), 1.80-1.72 (m, 2H), 1.67-1.59 (m, 3H), 1.53-1.43 (m, 4H), 1.23 (d, J = 9.7 Hz, 16H), 1.10-1.03 (m, 3H), 0.90 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.83 (q, J = 6.8 Hz, 6H)。
実施例 5
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりにエタノールアミンを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan005を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C81H107Cl2N11O25の理論値が1703.6817、実測値が568.8805 [M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.11-7.09 (m, 1H), 6.84 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.70-5.61 (m, 3H), 5.23 (dd, J = 12.6, 5.9 Hz, 2H), 5.11 (s, 3H), 4.65 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 14.7, 5.6 Hz, 2H), 4.12 (dd, J = 22.2, 13.0 Hz, 4H), 3.65 (q, J = 4.9, 4.1 Hz, 3H), 3.55-3.50 (m, 4H), 3.42 (t, J = 5.8 Hz, 3H), 3.28-3.21 (m, 3H), 3.15 (s, 1H), 2.96 (dd, J = 6.4, 4.6 Hz, 3H), 2.90 (t, J = 7.9 Hz, 3H), 2.14-2.08 (m, 2H), 1.90-1.86 (m, 1H), 1.71 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.56 (dh, J = 12.5, 6.9, 6.5 Hz, 5H), 1.43-1.37 (m, 2H), 1.28-1.18 (m, 16H), 1.04 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85-0.81 (m, 6H)。
実施例 6
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりに2−デオキシ−2−アミノマンノースを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan006を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C85H113Cl2N11O29の理論値が1821.7083、実測値が608.2428[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22-7.20 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.77 (dd, J = 8.6, 2.9 Hz, 1H), 6.54-6.52 (m, 1H), 5.70-5.67 (m, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.48-5.46 (m, 1H), 5.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 4.65 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 4.47-4.44 (m, 1H), 4.41 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.26-4.24 (m, 1H), 4.10 (s, 2H), 3.69 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.67-3.64 (m, 2H), 3.59 (td, J = 8.6, 6.9, 3.5 Hz, 3H), 3.54-3.50 (m, 4H), 3.43-3.40 (m, 3H), 3.28-3.21 (m, 4H), 3.17-3.11 (m, 4H), 2.92-2.88 (m, 3H), 2.60 (s, 1H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.16-2.10 (m, 2H), 1.90-1.87 (m, 1H), 1.72-1.69 (m, 1H), 1.58-1.53 (m, 4H), 1.23 (d, J = 9.0 Hz, 16H), 1.04 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85-0.83 (m, 4H)。
実施例7
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりに2−デオキシ−2−アミノグルコースを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan007を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C85H113Cl2N11O29の理論値が1821.7083、実測値が608.2418[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22-7.20 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.77 (dd, J = 8.6, 2.9 Hz, 1H), 6.54-6.52 (m, 1H), 5.70-5.67 (m, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.48-5.46 (m, 1H), 5.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 4.65 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 4.47-4.44 (m, 1H), 4.41 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.26-4.24 (m, 1H), 4.10 (s, 2H), 3.69 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.67-3.64 (m, 2H), 3.59 (td, J = 8.6, 6.9, 3.5 Hz, 3H), 3.54-3.50 (m, 4H), 3.43-3.40 (m, 3H), 3.28-3.21 (m, 4H), 3.17-3.11 (m, 4H), 2.92-2.88 (m, 3H), 2.60 (s, 1H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.16-2.10 (m, 2H), 1.90-1.87 (m, 1H), 1.72-1.69 (m, 1H), 1.58-1.53 (m, 4H), 1.23 (d, J = 9.0 Hz, 16H), 1.04 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85-0.83 (m, 4H)。
実施例8
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりに2−デオキシ−2−アミノガラクトースを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan008を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C85H113Cl2N11O29の理論値が1821.7083、実測値が911.8666[M+2H]2+608.2418[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22-7.20 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.77 (dd, J = 8.6, 2.9 Hz, 1H), 6.54-6.52 (m, 1H), 5.70-5.67 (m, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.48-5.46 (m, 1H), 5.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 5.5 Hz, 3H), 4.65 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 4.47-4.44 (m, 1H), 4.41 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.26-4.24 (m, 1H), 4.10 (s, 2H), 3.69 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.67-3.64 (m, 2H), 3.59 (td, J = 8.6, 6.9, 3.5 Hz, 3H), 3.54-3.50 (m, 4H), 3.43-3.40 (m, 3H), 3.28-3.21 (m, 4H), 3.17-3.11 (m, 4H), 2.92-2.88 (m, 3H), 2.60 (s, 1H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.16-2.10 (m, 2H), 1.90-1.87 (m, 1H), 1.72-1.69 (m, 1H), 1.58-1.53 (m, 4H), 1.23 (d, J = 9.0 Hz, 16H), 1.04 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85-0.83 (m, 4H)。
実施例 9
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりにグルコノラクトン誘導体6を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan009を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C88H120Cl2N12O30の理論値が1894.7610、実測値が948.3892[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (s, 1H), 7.50-7.47 (m, 1H), 7.45 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.84 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.70 (d, J = 21.8 Hz, 2H), 5.29-5.25 (m, 2H), 5.12 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 5.08 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.65 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.06 (s, 2H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.89 (t, J = 2.9 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 3.56 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.54 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.37 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 3.35 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 3.25 (d, J = 5.3 Hz, 3H), 3.16 (ddt, J = 19.9, 13.0, 6.6 Hz, 5H), 2.92 (t, J = 7.9 Hz, 4H), 2.61-2.59 (m, 1H), 2.56 (s, 2H), 2.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.12-2.05 (m, 2H), 1.95-1.88 (m, 2H), 1.82 (dq, J = 14.5, 7.2 Hz, 3H), 1.67-1.60 (m, 3H), 1.51 (t, J = 7.8 Hz, 3H), 1.34 (s, 2H), 1.24 (d, J = 14.1 Hz, 14H), 1.08 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.86-0.84 (m, 3H), 0.83 (s, 1H)。
実施例 10
実施例1の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりにラクトビオノラクトン誘導体7を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例1と同様にしてVan010を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C94H130Cl2N12O35の理論値が2056.8139、実測値が1029.4148[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.79 (s, 1H), 7.49 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.85-6.83 (m, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.72 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.68 (s, 1H), 5.29 (s, 1H), 5.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 5.08 (s, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 4.45 (s, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.07-4.05 (m, 2H), 4.01-3.99 (m, 2H), 3.90-3.88 (m, 1H), 3.69-3.66 (m, 3H), 3.65 (s, 1H), 3.60-3.59 (m, 1H), 3.58 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 3.52 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 3.50 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 3.49-3.47 (m, 2H), 3.39 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.30 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 3.26 (d, J = 3.3 Hz, 3H), 3.19-3.11 (m, 6H), 3.05-3.01 (m, 2H), 2.92 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.61-2.59 (m, 1H), 2.56 (s, 2H), 2.51 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.04 (s, 1H), 1.93 (s, 2H), 1.85-1.79 (m, 4H), 1.52 (s, 4H), 1.34 (s, 3H), 1.24 (d, J = 15.3 Hz, 16H), 1.09 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.86-0.84 (m, 3H), 0.84 (s, 1H)。
実施例 11
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、4'−クロロビフェニル−4−ホルムアルデヒド(30mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。(芳香族アルデヒドは反応性が低く、反応を促進するために反応時間を長くして温度を上げる必要があり、バンコマイシンのDMFへの溶解性が良くないため、DIPEAを添加すると溶解が促進され、不溶物があると反応速度に影響を及ぼす。)室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18カラムにより分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−b(60mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C79H84Cl3N9O24の理論値が1647.4695、実測値が824.7489[M+2H]2+であった。
ステップ2:2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4(30mg)を、水100μLとアセトニトリル500μLとの混合物に溶解させ、DIPEA 30μLを加え、固体が完全に溶解するまで(10分間)室温で攪拌した。37wt%ホルムアルデヒド溶液2μLを加え、室温で15分間攪拌した後、−10℃まで温度を下げて5分間攪拌し、Nvan−2(4’−クロロビフェニル)−バンコマイシンVan−b 25mg及びDIPEA 30μLの80%アセトニトリル溶液1.5mLと迅速に混合し、−10℃で8時間攪拌し、完全に反応したことをHPLCによりモニターニングした(0.1%v/v TFAを、H2O及びアセトニトリルのそれぞれに加え、2〜90%、30min)。粗生成物を逆相C18により製造し、後処理してVan011を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H117Cl2N11O30の理論値が1882.5751、実測値が628.5331[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.82 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.74-7.70 (m, 4H), 7.69 (s, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.51 (s, 1H), 7.49 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.69 (s, 1H), 5.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.29-5.27 (m, 1H), 5.11 (d, J = 10.2 Hz, 2H), 4.82-4.79 (m, 1H), 4.65 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.46-4.44 (m, 1H), 4.40 (s, 1H), 4.13-4.11 (m, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.81-3.77 (m, 1H), 3.66 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 3.56 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.50 (ddd, J = 12.9, 7.5, 5.1 Hz, 4H), 3.37 (td, J = 5.6, 5.1, 3.5 Hz, 4H), 3.31-3.24 (m, 5H), 2.61-2.58 (m, 1H), 2.56-2.52 (m, 2H), 2.37-2.36 (m, 1H), 2.13-2.08 (m, 3H), 1.81 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 1.68-1.59 (m, 4H), 1.49-1.47 (m, 2H), 1.21 (s, 1H), 1.11 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。
実施例 12
実施例11の2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4の代わりにアミノメチルホスホン酸を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例11と同様にしてVan012を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C81H90Cl3N10O27Pの理論値が1770.4780、実測値が591.1677[M+3H]3+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.86 (s, 1H), 7.73-7.70 (m, 4H), 7.69 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.52 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.79 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.44 (s, 1H), 5.75 (s, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.28 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 5.10 (s, 1H), 4.86 (s, 1H), 4.66 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.43 (s, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.28 (s, 1H), 4.16 (s, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.67 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.56 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 3.28-3.24 (m, 3H), 2.67-2.62 (m, 3H), 2.57-2.54 (m, 2H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.09 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 1.82 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.66-1.61 (m, 3H), 1.48 (s, 2H), 1.11 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.91-0.89 (m, 3H), 0.85 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。
実施例 13
実施例11の2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4の代わりに2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例11と同様にしてVan013を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C88H101Cl3N10O30の理論値が1882.5751、実測値が942.2943[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.83 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.73-7.70 (m, 4H), 7.70 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.52 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.47-7.44 (m, 2H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.87 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.13 (s, 1H), 5.11 (s, 1H), 5.07 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.76 (s, 1H), 4.66 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.46 (s, 1H), 4.41 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.15 (t, J = 13.7 Hz, 3H), 4.10 (s, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.95 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.86-3.83 (m, 1H), 3.67 (dd, J = 3.5, 1.7 Hz, 1H), 3.66-3.64 (m, 1H), 3.63-3.62 (m, 1H), 3.58 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.51 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 3.49 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 3.38 (t, J = 9.4 Hz, 3H), 3.34 (dd, J = 6.3, 2.2 Hz, 2H), 3.26 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 3.11 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.73 (d, J = 15.5 Hz, 2H), 2.10 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 1.92-1.89 (m, 2H), 1.82 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.10 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.91 (t, J = 6.6 Hz, 6H)。
実施例 14
実施例11の2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4の代わりにグルコノラクトン誘導体6を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例11と同様にしてVan014を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C89H104Cl3N11O30の理論値が1911.6016、実測値が956.8070[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.82 (s, 1H), 7.74-7.70 (m, 4H), 7.69 (s, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.52 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.50-7.48 (m, 1H), 7.46 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.85 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.52 (s, 1H), 5.71 (d, J = 9.9 Hz, 2H), 5.34 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.40 (s, 1H), 4.10 (s, 1H), 4.05 (s, 2H), 4.02 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.89 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 3.58-3.53 (m, 3H), 3.37 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.35-3.34 (m, 1H), 3.28-3.24 (m, 3H), 3.18 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.15-3.12 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.55 (s, 2H), 2.10 (d, J = 11.2 Hz, 3H), 1.81 (d, J = 11.5 Hz, 3H), 1.64 (s, 3H), 1.49 (s, 3H), 1.35 (s, 1H), 1.10 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例 15
実施例11の2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4の代わりにラクトビオノラクトン誘導体7を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例11と同様にしてVan015を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C95H114Cl3N11O35の理論値が2073.6544、実測値が1037.9145[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.82 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.73-7.70 (m, 4H), 7.69 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.52 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.85 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.72 (dd, J = 8.5, 4.7 Hz, 2H), 5.34 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 5.29 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 5.13 (s, 2H), 5.09 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.81 (s, 2H), 4.66 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.44 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 4.06 (s, 2H), 4.02 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 4.00 (dd, J = 4.6, 2.4 Hz, 2H), 3.67 (dq, J = 10.3, 6.1 Hz, 4H), 3.59 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 3.56 (t, J = 3.3 Hz, 1H), 3.52 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.39 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.32 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 3.29 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 3.27 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 3.25 (s, 1H), 2.92 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.57 (s, 2H), 2.10 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.04 (s, 2H), 1.82 (dd, J = 12.9, 6.7 Hz, 3H), 1.65 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 1.50 (d, J = 13.1 Hz, 4H), 1.11 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例 16
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、4'−トリフルオロメチルジフェニル−4−ホルムアルデヒド(30mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18カラムにより分離し、凍結乾燥して白色固体Van−c(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C80H84Cl2F3N9O24の理論値が1681.4958、実測値が841.7475[M+2H]2+であった。
ステップ2:グルコノラクトン誘導体6(40mg)、水500μL及びアセトニトリル500μLの混合物にDIPEA 30μLを加え、固体が完全に溶解するまで(10分間)室温で攪拌した。37wt%ホルムアルデヒド溶液2μLを加え、室温で15分間攪拌した後、−10℃まで温度を下げて5分間攪拌し、Nvan−2(4’−トリフルオロメチルジフェニル)−バンコマイシンVan−cが25mgの80%アセトニトリル溶液1.5mLと迅速に混合し、DIPEA 30μLを加え、−10℃で8時間攪拌し、HPLCにより反応をモニターニングし、HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。粗生成物を逆相C18により製造し、凍結乾燥させて白色固体Van016(10mg)を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C90H104Cl2F3N11O30の理論値が1945.6280、実測値が974.8218[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.91 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.2 Hz, 3H), 7.80 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.50-7.45 (m, 3H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.52 (s, 1H), 5.72 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 5.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.29 (s, 1H), 5.12 (s, 1H), 5.10 (s, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.66 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.45 (s, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.11 (s, 2H), 4.07-4.03 (m, 3H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 3.7, 2.2 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.57-3.55 (m, 1H), 3.54-3.53 (m, 1H), 3.51 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 3.47-3.45 (m, 3H), 3.37 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.35 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.26 (s, 2H), 3.25 (s, 1H), 3.13 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.94-2.89 (m, 3H), 2.60 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 2.57-2.54 (m, 2H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.12-2.09 (m, 2H), 1.84-1.80 (m, 3H), 1.66-1.63 (m, 2H), 1.50 (s, 2H), 1.15 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 1.13 (s, 1H), 1.11 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例 17
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、3−クロロ−4−((2−メチル−[1,1'−ビフェニル]−3−イル)メトキシベンズアルデヒド(30mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18カラムにより分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−d(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H92Cl3N9O25の理論値が1767.5270、実測値が884.7633[M+2H]2+であった。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−dを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan017を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C97H112Cl3N11O31の理論値が2031.6591、実測値が1016.8385[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.83-7.81 (m, 1H), 7.58 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 14.4, 6.8 Hz, 6H), 7.43 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.40-7.39 (m, 1H), 7.38-7.35 (m, 3H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.29-7.27 (m, 3H), 7.23-7.19 (m, 3H), 6.86-6.83 (m, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.72 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 5.33 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.12 (s, 2H), 5.09 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.64 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.06 (s, 2H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 3.93 (s, 1H), 3.89-3.88 (m, 1H), 3.66 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.56-3.53 (m, 2H), 3.47-3.46 (m, 2H), 3.36 (dd, J = 10.7, 5.0 Hz, 2H), 3.28-3.24 (m, 2H), 3.21-3.17 (m, 2H), 3.16-3.12 (m, 2H), 2.92 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 2.57 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.12-2.07 (m, 2H), 2.06 (d, J = 7.9 Hz, 3H), 1.84-1.77 (m, 4H), 1.67-1.62 (m, 3H), 1.45 (s, 3H), 1.10 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
実施例 18
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、p−エチルベンズアルデヒド(30mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。(芳香族アルデヒドは反応性が低く、反応を促進するために反応時間を長くして温度を上げる必要があり、バンコマイシンのDMFへの溶解性が良くないため、DIPEAを添加すると溶解が促進され、不溶物があると反応速度に影響を及ぼす。)室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−e(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C75H85Cl2N9O24の理論値が1565.5085、実測値783.7540[M+2H]2+であった。
ステップ2:実施例16の4'−トリフルオロメチルジフェニル−4−ホルムアルデヒドの代わりにp−エチルベンズアルデヒドを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan018を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C85H105Cl2N11O30の理論値が1829.6406、実測値が915.8275[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.82 (s, 1H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.47-7.45 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.84 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.52 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 5.33 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.12 (s, 1H), 5.09 (s, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.63 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 4.45-4.43 (m, 1H), 4.41-4.39 (m, 1H), 4.10 (s, 1H), 4.05 (s, 2H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 3.97-3.92 (m, 4H), 3.90-3.88 (m, 1H), 3.66 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 3.57-3.55 (m, 2H), 3.54 (s, 1H), 3.47-3.46 (m, 2H), 3.45 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 10.6, 4.9 Hz, 3H), 3.25 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 3.07 (q, J = 7.3 Hz, 3H), 2.58 (s, 1H), 2.37 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.11-2.06 (m, 3H), 1.81-1.76 (m, 3H), 1.67-1.62 (m, 3H), 1.46 (s, 2H), 1.17-1.15 (m, 2H), 1.14 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 1.13 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
実施例 19
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、ノナナール(30μL)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−f(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C75H93Cl2N9O24の理論値が1573.5711、実測値が787.7856[M+2H]2+であった。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−fを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan019を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C78H100Cl2N10O25の理論値が1646.6238、実測値が824.3191[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.81 (s, 1H), 7.48 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46-7.44 (m, 1H), 7.41 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10-7.09 (m, 1H), 6.85-6.83 (m, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.70 (s, 1H), 5.30 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.08-5.06 (m, 1H), 4.79 (s, 1H), 4.59 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.43 (s, 1H), 4.40 (s, 1H), 4.10-4.08 (m, 1H), 4.06-4.04 (m, 2H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 3.7, 2.2 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 3.56 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 3.54 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.53-3.48 (m, 3H), 3.47-3.46 (m, 2H), 3.37 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.35 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.20-3.18 (m, 1H), 3.16-3.12 (m, 2H), 2.94-2.91 (m, 2H), 2.76-2.72 (m, 2H), 2.69-2.65 (m, 2H), 2.59 (s, 1H), 2.57-2.53 (m, 3H), 2.37 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.97 (d, J = 14.5 Hz, 2H), 1.84-1.80 (m, 2H), 1.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.66-1.62 (m, 2H), 1.53-1.48 (m, 3H), 1.33 (s, 2H), 1.23 (d, J = 11.9 Hz, 14H), 1.06 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.87-0.84 (m, 3H), 0.83 (d, J = 7.1 Hz, 2H)。
実施例20
Van−b(50mg、30μmol)を、1mLのDMFを加えて溶解させ、HBTU(ベンゾトリアゾール−N,N,N',N'−テトラメチルウレアヘキサヘキサフルオロホスフェート)(21mg,45μmol)、DIPEA(25μL、150μmol)を加え、室温で15分間攪拌し、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン(18ul、120umol)を加え、室温で24h反応させ、HPLCにより反応をモニターニングした。水を加えて反応液を希釈し、粗生成物を逆相C18に製造して分離し、凍結乾燥させて白色固体Van020を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C84H96Cl3N11O23の理論値が1731.5746、実測値が866.7873 [M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.84 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.73-7.69 (m, 4H), 7.56 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.53 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.49-7.46 (m, 1H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.39 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.77-5.74 (m, 1H), 5.36 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.30-5.27 (m, 2H), 4.93 (s, 1H), 4.68 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.26 (s, 1H), 4.04 (q, J = 12.7 Hz, 3H), 3.96 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.35 (dt, J = 12.9, 6.0 Hz, 2H), 3.31-3.24 (m, 3H), 3.11 (dt, J = 20.1, 6.9 Hz, 2H), 3.00-2.96 (m, 2H), 2.75 (d, J = 4.0 Hz, 6H), 2.63 (s, 2H), 2.14 (td, J = 15.4, 14.1, 6.4 Hz, 3H), 1.87-1.77 (m, 4H), 1.71-1.53 (m, 5H), 1.51 (s, 3H), 1.13 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。
実施例21
2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2(30mg)を、水100μLとアセトニトリル500μLとの混合物に溶解させ、DIPEA 30μLを加え、固体が完全に溶解するまで(10分間)室温で攪拌した。37wt%ホルムアルデヒド溶液2μLを加え、室温で15分間攪拌した後、温度を−10℃まで下げて5分間攪拌し、Van020(25mg)の80%アセトニトリル溶液1.5mLと迅速に混合し、DIPEA 30μLを加えて−10℃で8時間攪拌し、HPLCにより反応をモニターニングし、HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。粗生成物を逆相C18により製造し、凍結乾燥させて白色固体Van021を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C93H113Cl3N12O29の理論値が1966.6802、実測値が984.3486[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.83 (s, 1H), 7.74-7.70 (m, 4H), 7.69 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.52 (dd, J = 6.9, 4.9 Hz, 4H), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.84 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.49 (s, 1H), 5.73 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.70 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 5.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 5.11 (s, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.47 (s, 1H), 4.27 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.86-3.82 (m, 2H), 3.67 (dd, J = 3.5, 1.7 Hz, 1H), 3.66-3.64 (m, 1H), 3.63 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.56 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.50 (dd, J = 9.0, 3.4 Hz, 2H), 3.38 (dd, J = 11.9, 6.8 Hz, 3H), 3.33 (ddd, J = 9.2, 6.3, 2.2 Hz, 2H), 3.28-3.24 (m, 2H), 3.11 (s, 3H), 3.01-2.95 (m, 3H), 2.72 (d, J = 1.8 Hz, 6H), 2.57 (s, 2H), 2.10 (d, J = 10.0 Hz, 3H), 1.83 (d, J = 13.6 Hz, 4H), 1.66 (s, 3H), 1.50 (s, 3H), 1.11 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
実施例22
実施例21の2−アミノエチル−α−D−マンノピラノシド2の代わりにグルコノラクトン誘導体6を用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例21と同様にしてVan022を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C94H116Cl3N13O29の理論値が1995.7067、実測値が998.8520[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.82-7.81 (m, 1H), 7.75-7.70 (m, 4H), 7.69 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.52 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.85 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 5.72 (d, J = 12.3 Hz, 2H), 5.35 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 5.13 (s, 1H), 5.11-5.10 (m, 1H), 4.81 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 4.48-4.46 (m, 1H), 4.29 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.17 (s, 1H), 4.06-4.04 (m, 2H), 4.02 (d, J = 11.9 Hz, 2H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.88 (dd, J = 3.7, 2.3 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.56 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 3.54 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 3.52-3.49 (m, 2H), 3.36 (dd, J = 10.5, 4.9 Hz, 2H), 3.26 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 3.11 (ddd, J = 20.1, 13.4, 6.5 Hz, 4H), 2.99-2.94 (m, 3H), 2.93-2.89 (m, 2H), 2.73 (d, J = 4.5 Hz, 6H), 2.61-2.59 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.38-2.36 (m, 1H), 2.10 (d, J = 11.1 Hz, 3H), 1.84-1.76 (m, 6H), 1.66-1.62 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.11 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例 23
Van−b(50mg、30μmol)を、1mLのDMFを加えて溶解させ、HBTU(ベンゾトリアゾール−N,N,N',N'−テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート)(21mg、45μmol)、DIPEA(25μL、150μmol)を加え、室温で15分間攪拌し、グルコノラクトン誘導体6(30mg、80μmol)を加えて室温で24h反応させ、HPLCにより反応をモニターニングした。水を加えて反応液を希釈し、粗生成物を逆相C18により製造して分離し、凍結乾燥させて白色固体Van023を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%v/v TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C88H102Cl3N11O29の理論値が1881.5910、実測値が941.7995[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.84 (s, 1H), 7.75-7.70 (m, 4H), 7.69 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.52-7.51 (m, 1H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.20 (q, J = 8.4 Hz, 3H), 7.04 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 6.75 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.44-6.42 (m, 1H), 6.34 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.29-6.28 (m, 1H), 6.24 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.69 (s, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.28 (s, 3H), 4.65 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 4.44 (s, 2H), 4.36 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 3.87 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.56 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 3.54-3.51 (m, 2H), 3.35-3.32 (m, 2H), 3.27-3.24 (m, 2H), 3.02 (s, 2H), 2.91 (s, 2H), 2.60 (d, J = 3.4 Hz, 2H), 2.58 (s, 1H), 2.37 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 2.12-2.09 (m, 2H), 1.82 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 1.67-1.63 (m, 2H), 1.55 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 1.49 (s, 2H), 1.13-1.09 (m, 3H), 0.90 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.85 (t, J = 5.8 Hz, 3H)。
実施例 24
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、デカナール(30μL)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−g(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C76H95Cl2N9O24の理論値が1587.5867、実測値が794.8006[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.70 (s, 1H), 7.81 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.15 - 7.11 (m, 1H), 6.76 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.38 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.59 (s, 1H), 5.27 (dd, J = 22.9, 6.0 Hz, 2H), 5.14 (dd, J = 14.8, 2.8 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.60 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 11.8, 5.6 Hz, 2H), 4.17 (s, 2H), 3.94 (s, 1H), 3.65 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.54 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.31 - 3.22 (m, 3H), 2.74 (s, 1H), 2.67 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 2.60 (s, 4H), 2.12 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 1.96 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 1.77 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.63 (ddd, J = 26.5, 12.5, 6.7 Hz, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.23 (d, J = 18.1 Hz, 16H), 1.06 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.83 (td, J = 7.1, 6.7, 3.6 Hz, 6H)。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−gを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan024を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C86H115Cl2N11O30の理論値が1851.7188、実測値が926.8674[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.77 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.80 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46 - 7.41 (m, 1H), 7.28 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.73 - 5.68 (m, 2H), 5.30 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.07 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.43 (s, 1H), 4.41 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.10 - 4.04 (m, 3H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 3.89 (dd, J = 3.6, 2.2 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.57 - 3.46 (m, 6H), 3.36 (dd, J = 10.7, 5.0 Hz, 1H), 3.28 - 3.22 (m, 3H), 3.21 - 3.16 (m, 1H), 3.14 (dt, J = 13.0, 6.2 Hz, 1H), 2.92 (s, 2H), 2.71 (d, J = 39.8 Hz, 3H), 2.56 (s, 3H), 2.11 (s, 1H), 1.96 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 1.86 - 1.73 (m, 3H), 1.64 (d, J = 9.9 Hz, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.22 (s, 16H), 1.06 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.87 - 0.81 (m, 6H)。
実施例25
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させ、溶液が澄み液になった後、ウンデカン酸クロライド15μLを氷水浴の条件下で3回に分け添加し、アルゴンガスにより保護して2h攪拌した。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−h(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C77H95Cl2N9O25の理論値が1615.5816、実測値が808.7978[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.63 (s, 1H), 8.46 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8.1, 1.9 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.17 - 7.15 (m, 1H), 7.00 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 8.5, 3.2 Hz, 2H), 6.39 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.48 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 5.26 - 5.17 (m, 4H), 5.13 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 4.77 (dd, J = 9.8, 4.5 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.18 (s, 1H), 3.64 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.56 - 3.48 (m, 3H), 3.25 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 3.13 (s, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.41 - 2.30 (m, 3H), 2.10 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 1.88 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 1.71 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.57 (d, J = 7.7 Hz, 3H), 1.50 - 1.42 (m, 2H), 1.36 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 1.34 - 1.13 (m, 17H), 1.05 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.85 (dd, J = 6.7, 2.4 Hz, 3H), 0.81 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.77 (d, J = 6.6 Hz, 3H)。
ステップ2:実施例16のNvan−2(4’−トリフルオロメチルジフェニル)−バンコマイシンVan−cの代わりにNvan−2(ウンデカノイル)−バンコマイシンVan−hを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan025を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H115Cl2N11O31の理論値が1879.7138、実測値が940.8659[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.67 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.49 - 7.45 (m, 1H), 7.43 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.11 (s, 1H), 7.06 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 6.82 - 6.72 (m, 2H), 6.52 (s, 1H), 5.64 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.22 (dt, J = 11.7, 3.6 Hz, 3H), 5.17 - 5.05 (m, 3H), 4.74 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 16.5, 5.8 Hz, 2H), 4.07 (d, J = 27.1 Hz, 3H), 4.00 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 3.92 - 3.86 (m, 1H), 3.64 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.58 - 3.50 (m, 4H), 3.36 (dd, J = 10.5, 4.5 Hz, 1H), 3.26 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 3.23 - 3.08 (m, 3H), 2.92 (s, 2H), 2.42 - 2.28 (m, 2H), 1.88 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 1.71 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.54 (q, J = 8.0 Hz, 4H), 1.38 (hept, J = 6.7 Hz, 1H), 1.28 (d, J = 8.2 Hz, 5H), 1.21 (dd, J = 14.0, 6.4 Hz, 14H), 1.05 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.82 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.79 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
実施例26
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させ、溶液が澄み液になった後、氷水浴の条件下でデカン酸クロリド計15μLを3回に分けて投入し、アルゴンガスにより保護して2h攪拌した。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−i(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C76H93Cl2N9O25の理論値が1601.5660、実測値が801.7908[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.63 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.49 - 7.38 (m, 2H), 7.34 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.16 (s, 2H), 7.00 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.39 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.48 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.29 - 5.16 (m, 4H), 5.13 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 4.77 (dd, J = 9.5, 4.7 Hz, 1H), 4.66 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.18 (s, 1H), 3.64 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.59 - 3.47 (m, 3H), 3.25 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.13 (s, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.42 - 2.29 (m, 2H), 2.18 (s, 1H), 2.14 - 2.07 (m, 1H), 1.88 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 1.70 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.57 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 1.46 (dt, J = 13.7, 7.6 Hz, 1H), 1.42 - 1.34 (m, 1H), 1.30 (dd, J = 9.8, 5.6 Hz, 2H), 1.26 (s, 3H), 1.21 (td, J = 14.5, 11.7, 5.6 Hz, 10H), 1.05 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.85 (dd, J = 6.7, 2.5 Hz, 3H), 0.84 - 0.79 (m, 3H), 0.77 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
ステップ2:実施例25のVan−hの代わりにVan−iを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例25と同様にしてVan026を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C86H113Cl2N11O31の理論値が1865.6931、実測値が933.8577[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.66 (s, 1H), 7.46 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.45 - 7.39 (m, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.13 - 6.98 (m, 2H), 6.84 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 6.77 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 6.52 (s, 1H), 5.64 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.22 (dt, J = 11.7, 3.8 Hz, 3H), 5.17 - 5.06 (m, 3H), 4.65 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 16.4, 5.7 Hz, 2H), 4.13 - 4.01 (m, 3H), 4.00 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 3.89 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 3.64 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.61 - 3.48 (m, 4H), 3.36 (dd, J = 9.1, 3.5 Hz, 1H), 3.26 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 3.19 (dt, J = 13.4, 6.7 Hz, 1H), 3.14 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.83 (s, 3H), 2.43 - 2.27 (m, 2H), 1.88 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 1.81 (dq, J = 14.2, 7.0 Hz, 2H), 1.71 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.54 (q, J = 8.4, 7.5 Hz, 4H), 1.38 (dt, J = 13.6, 6.6 Hz, 1H), 1.28 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 1.26 - 1.15 (m, 12H), 1.05 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.92 - 0.88 (m, 1H), 0.87 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.82 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.79 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
実施例27
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、2−ナフトアルデヒド(21mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−j(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C77H83Cl2N9O24の理論値が1587.4928、実測値が794.7548[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.71 (s, 1H), 8.54 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.93 (dt, J = 7.4, 3.1 Hz, 1H), 7.92 - 7.87 (m, 1H), 7.83 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.59 - 7.49 (m, 5H), 7.46 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.16 - 7.12 (m, 1H), 6.76 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.38 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.16 (dd, J = 7.9, 2.8 Hz, 2H), 5.10 (s, 1H), 4.90 (s, 1H), 4.67 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.16 (t, J = 10.4 Hz, 4H), 3.95 (s, 1H), 3.67 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.57 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.49 (s, 2H), 3.31 - 3.21 (m, 3H), 2.61 (s, 3H), 2.11 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 1.83 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.64 (ddd, J = 28.9, 13.3, 6.2 Hz, 3H), 1.60 - 1.52 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.12 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−jを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例15と同様にしてVan027を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H103Cl2N11O30の理論値が1851.6249、実測値が926.8124[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.79 (s, 1H), 8.65 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.98 - 7.92 (m, 2H), 7.92 - 7.87 (m, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.59 - 7.54 (m, 3H), 7.50 (s, 1H), 7.49 - 7.43 (m, 1H), 7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.75 - 5.70 (m, 2H), 5.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 5.09 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.67 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.06 (s, 5H), 4.00 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 3.89 (t, J = 2.9 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.60 - 3.49 (m, 4H), 3.38 - 3.33 (m, 1H), 3.31 - 3.22 (m, 2H), 3.16 (dp, J = 26.2, 6.6 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.57 (s, 3H), 2.11 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 1.82 (dq, J = 14.2, 7.0, 6.1 Hz, 3H), 1.69 - 1.60 (m, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.12 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。
実施例28
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、4−トリメチルシリルエチニルベンズアルデヒド(27mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−k(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C78H89Cl2N9O24Siの理論値が1633.5167、実測値が817.7670[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.70 (s, 1H), 7.82 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 19.0, 8.3 Hz, 4H), 7.45 (td, J = 4.8, 2.1 Hz, 3H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.16 - 7.12 (m, 1H), 6.76 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.38 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.61 (s, 1H), 5.32 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.15 (dd, J = 11.8, 2.8 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 4.90 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 15.8, 5.5 Hz, 2H), 3.96 (d, J = 22.9 Hz, 3H), 3.66 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.56 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.30 - 3.21 (m, 3H), 2.61 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 1.80 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.64 (ddt, J = 27.3, 12.8, 6.5 Hz, 3H), 1.54 (dt, J = 13.2, 6.9 Hz, 2H), 1.45 (s, 3H), 1.10 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.21 (s, 9H)。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−kを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan028を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C88H109Cl2N11O30Siの理論値が1897.6488、実測値が949.8331[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.78 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.50 (d, J = 7.9 Hz, 3H), 7.46 - 7.43 (m, 2H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.53 (s, 1H), 5.72 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 5.32 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.08 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.80 (s, 1H), 4.64 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 4.44 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 3.6, 2.3 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.59 - 3.52 (m, 3H), 3.39 - 3.32 (m, 2H), 3.29 - 3.22 (m, 3H), 3.16 (dq, J = 25.9, 6.8 Hz, 3H), 2.92 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 1.82 (td, J = 15.9, 14.8, 8.3 Hz, 4H), 1.64 (q, J = 6.7, 4.2 Hz, 3H), 1.46 (s, 5H), 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.21 (s, 9H)。
実施例29
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、4−エチニルベンズアルデヒド(24mg)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−l(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C75H81Cl2N9O24の理論値が1561.4771、実測値が781.7473[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.57 - 7.51 (m, 3H), 7.48 (dd, J = 9.2, 4.0 Hz, 3H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.78 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.66 - 5.59 (m, 1H), 5.34 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.20 - 5.13 (m, 2H), 5.11 (s, 1H), 4.92 (s, 1H), 4.67 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 15.6, 5.6 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 4.19 (s, 1H), 3.68 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.55 - 3.49 (m, 1H), 3.31 - 3.23 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.19 - 2.05 (m, 2H), 1.82 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 1.72 - 1.60 (m, 2H), 1.57 (dd, J = 12.7, 6.3 Hz, 1H), 1.48 (d, J = 8.6 Hz, 3H), 1.28 - 1.21 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.92 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−lを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan029を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C85H101Cl2N11O30の理論値が1825.6093、実測値が913.8131[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.79 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.52 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.50 - 7.42 (m, 4H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.72 (d, J = 10.5 Hz, 2H), 5.32 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 5.08 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.25 - 4.21 (m, 1H), 4.07 (d, J = 16.7 Hz, 4H), 4.02 - 3.94 (m, 4H), 3.89 (t, J = 2.8 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.58 - 3.51 (m, 3H), 3.36 (dd, J = 10.8, 5.3 Hz, 1H), 3.26 (s, 2H), 3.16 (dq, J = 26.0, 6.8 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.08 (s, 2H), 1.82 (td, J = 14.1, 7.6 Hz, 3H), 1.69 - 1.60 (m, 2H), 1.45 (s, 4H), 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。
実施例30
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、4−ブトキシベンズアルデヒド(24μL)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−m(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C77H88Cl2N9O25の理論値が1609.5347、実測値が805.7758[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.72 (s, 1H), 7.85 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.38 - 7.34 (m, 2H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.78 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.40 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.35 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.18 (dd, J = 7.4, 2.9 Hz, 2H), 5.11 (s, 1H), 4.92 (s, 1H), 4.66 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.19 (s, 1H), 3.97 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.92 (q, J = 12.6 Hz, 3H), 3.68 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 11.0, 4.3 Hz, 1H), 3.32 - 3.23 (m, 3H), 3.09 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.59 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.80 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.71 - 1.62 (m, 4H), 1.54 (s, 2H), 1.47 (s, 2H), 1.45 - 1.38 (m, 3H), 1.17 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.12 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.96 - 0.89 (m, 6H), 0.86 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−mを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan030を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H109Cl2N11O31の理論値が1873.6668、実測値が937.8422[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 7.84 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.52 - 7.49 (m, 1H), 7.48 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.96 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.86 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.72 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 5.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 5.11 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.82 (s, 1H), 4.66 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 28.9 Hz, 3H), 4.02 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 6.5 Hz, 3H), 3.91 (dd, J = 8.5, 6.0 Hz, 3H), 3.68 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.60 - 3.55 (m, 2H), 3.55 - 3.50 (m, 2H), 3.44 (s, 2H), 3.40 - 3.36 (m, 1H), 3.31 - 3.24 (m, 2H), 3.18 (ddq, J = 31.3, 13.3, 6.4 Hz, 3H), 2.92 (s, 2H), 2.56 (s, 2H), 2.16 - 2.07 (m, 2H), 1.83 (tt, J = 13.7, 6.9 Hz, 3H), 1.67 (td, J = 12.1, 10.5, 6.1 Hz, 4H), 1.47 (s, 3H), 1.41 (dt, J = 14.7, 7.5 Hz, 3H), 1.11 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.94 - 0.90 (m, 6H), 0.87 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
実施例31
ステップ1:市販品バンコマイシン(100mg)、DIPEA(30μL)、DMF 3mLを溶解させて溶液が懸濁液になり、加熱して50℃まで昇温して溶液が澄み液になり、4−ペンチルベンズアルデヒド(24μl)を加え、加熱して4時間攪拌した。室温でNaCNBH3(8mg)、メタノール1mL、TFA 30μLを加え、一晩攪拌してHPLCにより反応をモニターニングした。反応液にエチルエーテル(50mL)を加えて沈殿させ、濾過して粗生成物を得、逆相C18により分離し、凍結乾燥させて白色固体Van−n(40mg)を得た。HPLC:C18カラム(5μm、4.6x250mm)、紫外線検出用波長帯が214nmで、溶出条件2〜90%アセトニトリル(0.1%TFA含有)で30分間グラジエント洗浄した。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C78H91Cl2N9O24の理論値が1607.5554、実測値が804.7777[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.56 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.57 - 7.53 (m, 1H), 7.47 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.78 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.40 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.35 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.11 (s, 1H), 4.92 (s, 1H), 4.66 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.20 (s, 2H), 3.96 (s, 4H), 3.68 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.28 (h, J = 7.9, 7.4 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.57 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.11 (d, J = 11.1 Hz, 2H), 1.81 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.71 - 1.60 (m, 3H), 1.55 (h, J = 7.5 Hz, 4H), 1.47 (s, 3H), 1.32 - 1.19 (m, 5H), 1.12 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
ステップ2:実施例16のVan−cの代わりにVan−nを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例16と同様にしてVan031を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C89H111Cl2N11O30の理論値が1871.6875、実測値が936.8522[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.80 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 7.85 - 7.83 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.52 - 7.49 (m, 1H), 7.48 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 7.7 Hz, 3H), 7.12 (s, 1H), 6.86 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.75 - 5.71 (m, 2H), 5.35 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 5.11 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.82 (s, 1H), 4.66 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.07 (s, 4H), 4.02 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.98 - 3.93 (m, 2H), 3.92 - 3.90 (m, 1H), 3.68 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.59 - 3.55 (m, 3H), 3.54 - 3.49 (m, 3H), 3.40 - 3.36 (m, 1H), 3.30 - 3.23 (m, 2H), 3.18 (dq, J = 25.5, 6.9 Hz, 2H), 2.93 (s, 1H), 2.57 (d, J = 7.1 Hz, 5H), 2.12 (d, J = 20.5 Hz, 2H), 1.86 - 1.78 (m, 3H), 1.66 (s, 2H), 1.55 (p, J = 7.5 Hz, 3H), 1.48 (s, 3H), 1.31 - 1.22 (m, 5H), 1.11 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.92 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.85 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
実施例32
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2−(4’−トリフルオロメチルビフェニル)−バンコマイシンVan−cを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan032を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H97Cl2F3N10O29の理論値が1872.5752、実測値が937.2960[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.83 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 3H), 7.84 - 7.79 (m, 2H), 7.62 (t, J = 10.7 Hz, 3H), 7.54 - 7.44 (m, 2H), 7.33 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.4, 3.1 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.90 - 6.85 (m, 1H), 6.79 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 5.53 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 5.19 - 5.07 (m, 3H), 4.83 (s, 1H), 4.68 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.43 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 14.2 Hz, 2H), 4.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.90 - 3.83 (m, 1H), 3.82 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.53 (dt, J = 10.6, 4.4 Hz, 3H), 3.29 (s, 2H), 2.75 (s, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.13 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.84 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.51 (s, 4H), 1.13 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例33
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(4−トリメチルシリルエチニルベンジル)バンコマイシンVan−kを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan033を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C85H102Cl2N10O29Siの理論値が1824.5960、実測値が913.3060[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.80 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.53 - 7.47 (m, 3H), 7.45 (d, J = 7.7 Hz, 3H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.86 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.53 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 5.71 (s, 2H), 5.33 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.28 (s, 1H), 5.16 - 5.06 (m, 3H), 4.80 (s, 1H), 4.65 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.48 (s, 1H), 4.40 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 1H), 4.16 - 3.91 (m, 5H), 3.84 (d, J = 10.9 Hz, 0H), 3.80 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.73 - 3.63 (m, 1H), 3.55 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 3.26 (s, 2H), 2.72 (s, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.17 - 2.03 (m, 2H), 1.80 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.64 (d, J = 9.8 Hz, 2H), 1.46 (s, 3H), 1.21 (s, 1H), 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.21 (s, 9H)。
実施例34
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(デシル)−バンコマイシンVan−gを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan034を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C83H108Cl2N10O29の理論値が1778.6661、実測値が890.3400[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.81 (s, 1H), 8.73 (s, 0H), 7.83 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 5.76 - 5.68 (m, 1H), 5.32 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.17 - 5.05 (m, 2H), 4.82 (s, 1H), 4.61 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.42 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.25 (s, 1H), 4.18 - 3.94 (m, 3H), 3.86 (d, J = 10.3 Hz, 0H), 3.82 (t, J = 6.5 Hz, 0H), 3.67 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.56 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.52 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 3.44 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 3.27 (d, J = 9.8 Hz, 3H), 2.73 (d, J = 38.7 Hz, 2H), 2.58 (s, 2H), 2.14 (s, 1H), 1.98 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 1.79 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.66 (s, 2H), 1.35 (s, 3H), 1.24 (s, 15H), 1.08 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.89 - 0.83 (m, 6H)。
実施例35
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(4−エチニルベンジル)−バンコマイシンVan−lを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan035を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C82H94Cl2N10O29の理論値が1752.5565、実測値が877.2869[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.81 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.50 (t, J = 11.3 Hz, 4H), 7.33 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.6, 3.8 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.79 (dd, J = 10.3, 6.2 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 5.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.19 - 5.06 (m, 3H), 4.83 (s, 1H), 4.67 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.43 (q, J = 6.1 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 3.69 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.55 - 3.49 (m, 2H), 3.47 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 3.32 - 3.22 (m, 3H), 2.59 (s, 3H), 2.20 - 2.05 (m, 2H), 1.82 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.67 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 1.48 (s, 3H), 1.12 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例36
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(4−ペンチルベンジル)−バンコマイシンVan−nを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan036を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+)C85H104Cl2N10O29の理論値が1798.6348、実測値が900.3265[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.80 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.49 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 15.1, 8.1 Hz, 3H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 10.3, 6.2 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 6.45 (s, 0H), 5.72 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 5.51 (d, J = 3.5 Hz, 0H), 5.33 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.28 (s, 1H), 5.16 - 5.07 (m, 3H), 4.80 (s, 1H), 4.64 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.48 (s, 1H), 4.40 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 1H), 4.09 (d, J = 41.4 Hz, 2H), 4.00 (s, 1H), 3.93 (q, J = 12.7 Hz, 2H), 3.84 (d, J = 11.7 Hz, 0H), 3.80 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.72 - 3.64 (m, 1H), 3.55 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.53 - 3.46 (m, 3H), 3.25 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 2.73 (s, 1H), 2.56 (dd, J = 10.3, 4.8 Hz, 4H), 2.09 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 1.79 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.53 (p, J = 7.5 Hz, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.30 - 1.18 (m, 4H), 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.83 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
実施例37
実施例2のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(4’−トリフルオロメチルジフェニル)−バンコマイシンVan−cを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例2と同様にしてVan037を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C89H101Cl2F3N10O30の理論値が1916.6014、実測値が959.3086[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.79 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.7 Hz, 3H), 7.82 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 7.9 Hz, 3H), 7.52 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.86 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.75 (s, 1H), 5.70 (s, 1H), 5.37 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 4.83 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 4.69 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.14 (p, J = 10.0, 7.2 Hz, 4H), 4.06 (s, 3H), 3.95 (s, 2H), 3.69 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 3.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.55 - 3.49 (m, 5H), 3.35 - 3.22 (m, 5H), 2.54 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 2.14 (d, J = 16.3 Hz, 2H), 1.84 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.71 - 1.58 (m, 3H), 1.51 (s, 4H), 1.17 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 1.13 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.92 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。
実施例38
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(4’−クロロビフェニル)−バンコマイシンVan−bを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan038を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C86H97Cl2N10O29の理論値が1838.5489、実測値が920.2862[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.80 (s, 2H), 8.72 (s, 2H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.75 - 7.67 (m, 4H), 7.61 (s, 2H), 7.58 - 7.53 (m, 3H), 7.52 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.4, 3.4 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.77 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 6.53 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 11.0 Hz, 2H), 5.51 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.16 - 5.07 (m, 3H), 4.80 (s, 1H), 4.66 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.48 (s, 1H), 4.40 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 4.23 (s, 1H), 4.05 - 3.97 (m, 3H), 3.86 - 3.81 (m, 1H), 3.79 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.75 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 3.56 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.42 - 3.37 (m, 2H), 3.29 - 3.23 (m, 2H), 3.15 (dd, J = 10.5, 3.5 Hz, 1H), 2.71 (s, 2H), 2.57 (s, 3H), 2.10 (d, J = 12.8 Hz, 3H), 1.82 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.65 (s, 3H), 1.49 (s, 4H), 1.26 - 1.19 (m, 2H), 1.10 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
活性アッセイ:
生体試験例1 インビトロ抗菌活性アッセイ
本発明における38種の化合物に対してインビトロ抗菌活性アッセイを行った。2006年CLSI(臨床・検査標準協会)希釈法に従って抗菌薬の最小阻止濃度(Minimal Inhibitory concentration MIC)アッセイを行った。結果を表1にまとめた。
被験菌株はそれぞれバンコマイシン感受性の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus Newman strain)とバンコマイシン中等度耐性の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus Mu50 strain)である。
バンコマイシンは武漢大華偉業医薬化工有限公司から購入され、ロット番号がDH20160105である。TelavancinはUS20020022590 A1に記載の方法に従って製造される。
試験方法:被験化合物を一定の体積のDMSOに溶解させ、濃度が1.28mg/mLの溶液となるように調製し、次にDMSOで希釈して初期濃度128g/mLにした。その後2倍に希釈し、96ウェル細胞培養用プレートにおいて、列ごとに低濃度0.125g/mLから高濃度128g/mLまで順に薬液を100μLずつ加え、かつブランク対照(薬物及び菌液を添加せず、培養液のみを加え)、成長対照(薬物を添加せず、ウェルブイヨン培養液にDMSOを加え)、陽性対照群(バンコマイシン)も作った。各被験及び成長コントロールウェルにおいて細菌懸濁液5μLで接種した(濃度が105CFU/mLの菌液100μL)。96ウェル細胞培養用プレートにおいて37℃で16h培養した結果を観察し、細菌の成長を完全に阻害する最小阻止濃度をMIC値とした。
上記インビトロ抗菌活性アッセイの結果から明らかなように、実施例で代表される本発明のバンコマイシン類似体は、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌に対する阻害活性がほとんどバンコマイシンよりも高く、一部の好ましい化合物の阻害活性はバンコマイシンの10〜100倍であり、2009年に市場に出た医薬品Telavancinの4〜10倍である。抗菌試験から、本発明に係る新規なバンコマイシン類似体の構造修飾戦略によって抗菌活性を大いに向上させることができることが分かった。
生体試験例2 マウスインビボ抗菌試験
本発明のVan016、Van032、Van037、Van038、バンコマイシン及びTelavancinを、滅菌蒸留水(ddH2O)を加えて溶解させ、溶液となるように調製し、各薬剤の濃度が約2mg/mLであった。
SPFのBALB/c雌マウスはすべて上海実験動物研究センターから購入され、特定の微生物を含まない環境で育成されている。一晩培養した黄色ブドウ球菌USA300 LAC菌株(地域感染型のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を1:100で新鮮なTripticase Soy Broth(TSB)に植菌し、菌株の指数増殖期になるまで引き続き3時間培養し、菌体を収集して無菌PBS緩衝液で2回洗浄して当該緩衝液に懸濁させた。
105匹のBALB/cマウスを、陰性対照群、Van016群、Van032群、Van037群、Van038群、バンコマイシン群及びTelavancin群という7群にランダムに分け、各試験群にマウスが15匹あり、各マウスの体重が約18gであった。
6〜8週齢まで飼育したBALB/c雌マウスをペントバルビタールナトリウム(80mg/kg、腹腔内注射)で麻酔した後、2.35×108CFUのUSA300 LAC 懸濁菌液で眼窩静脈注射によりマウスを感染した。マウスが感染になって1時間後、陰性対照群以外の6群に対してそれぞれ単回投与量7mg/kgで選択された化合物と陽性対照化合物を投与して治療し、治療方法は腹腔内注射であった。同時に、陰性対照群のマウスに対して同じ量の無菌ddH2Oを注射した。マウスの死亡数を10日間連続して記録し、マウスの生存率を算出し、結果を図1にまとめた。
図1から分かるように、10日後に、Van038群の生存率は93.3%、Van037群の生存率は86.6%、Van032群の生存率は73.3%、Van016群の生存率は60.0%であった。陽性対照群のうち、Telavancin群の生存率は93.3%、バンコマイシン群の生存率は6.6%であった。陰性対照群のマウスは6日後にすべて死亡し、生存率が0%であった。
上記インビボでの薬力学的研究から明らかなように、本発明の上記4つのバンコマイシン類似体は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する阻害活性がすべてバンコマイシンよりも高いことから、Van016、Van032、Van037、Van038はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対して顕著な保護作用を有し、バンコマイシンよりも顕著に強い作用を有することが分かった。また、Van038及びVan037はTelavancinと同等の作用を有する。
生体試験例3 マウスインビボ薬物動態試験
本発明で製造された化合物Van016、Van032、Van037、Van038並びに陽性化合物であるバンコマイシン及びTelavancinを用いて、マウスインビボ薬物動態試験を行った。用いられたマウス(CD−1マウス)はすべて上海霊暢生物科技有限公司から購入され、18〜29°C、湿度範囲30〜70%の条件で18〜22gとなるように育成された。
18匹のCD−1正常雄マウスを、Van016群、Van032群、Van037群、Van038群、バンコマイシン群及びTelavancin群という6群にランダムに分け、各群にマウスが3匹あった。各群のマウスに対して単回投与量5mg/kgでそれぞれ生体試験例2で調製した化合物溶液を静脈注射し、注射後にそれぞれ0.05h、0.25h、0.75h、2h、4h、8h、24hの合計7の時点で血液試料を採取した(大腿静脈から採血した)。LC−MS/MSにより異なる時点における6群のマウスの血漿中薬物濃度(ng/mL)を検出し、薬物動態ソフトウェアWinNonlin 6.4により半減期T1/2、薬物濃度−時間曲線下面積AUC、血漿クリアランスCL、平均滞留時間MRT薬物がインビボで安定した時に算出した分布容積Vssを導き出し、結果を下表2にまとめた。
表2の結果から明らかなように、本発明の4つの化合物は半減期T1/2の面からいずれもバンコマイシン及びTelavancinよりも長く、かつ薬物濃度−時間曲線下面積AUCがバンコマイシンよりも10〜20倍大きく、Telavancinと同等のレベルであった。血漿クリアランスCLについて、本発明の4つの化合物はいずれもバンコマイシンのクリアランスよりも遅く、Telavancinと同等のレベルであり、いずれも陽性化合物より優れた薬理学的パラメータを示している。
備考:AUClast:実測時間帯の薬物濃度−時間曲線下面積;AUCINF_obs:理論上の全時間帯の薬物濃度−時間曲線下面積の検出値;CLobs:血漿クリアランスの検出値;MRTINF_obs:理論上の全時間帯の平均滞留時間の検出値;VSS_obs:薬物がインビボで安定した時の分布容積の検出値;下書きのobsはobservedの略であり、つまり観察された実測値である;下書きのINFはinfinityの略であり、無限の時間範囲つまり理論上の全時間帯を指す;下書きのlastは実測時間の開始時点から終了時点までの時間範囲、つまり実測時間帯を指す。
生体試験例4 肝細胞・腎細胞毒性試験
Van011、Van037、バンコマイシン及びTelavancinを用いて肝細胞・腎細胞の毒性試験を行った。肝細胞・腎細胞の活性アッセイは、細胞活性検出キットCCK8(Cell Counting Kit−8)の方法により行われた。
対数増殖期のHK−2細胞(ヒト腎尿細管上皮細胞)とHL−7702細胞(ヒト肝細胞)をそれぞれ適正な密度(約5000個の細胞)、100μL/ウェルで96ウェル培養プレートに植菌した。一晩培養した後、異なる濃度(10μM、50μM、100μM)のバンコマイシン、Telavancin、Van011又はVan037をそれぞれ加えて72h作用させ、各濃度においてウェルを3つずつ設置し、かつ対応する濃度の生理食塩水溶媒コントロール及び無細胞ゼロ点調整ホールを設けた。作用が終了した後、ウェル毎にCCK8検出液を10μLずつ加え、37℃の細胞インキュベーターに約1.5h置いた後、VERSMaxプレートリーダーにより波長450nmにおける光学密度(OD値)を測定した。OD値を下式で細胞活性値に換算した。
細胞活性値=ODC/ODC=0×100
ここで、ODCは被検薬物の異なる濃度における光学密度を示し、Cは薬物の濃度を示し、ODC=0は被検薬物無添加時の光学密度を示す。結果を図2と図3にまとめた。
その結果から、本発明のVan011とVan037は肝細胞における毒性がいずれもバンコマイシン及びTelavancinよりも低くて安全性がより良好であり、腎細胞における毒性がバンコマイシンよりも低くてTelavancinと同等のレベルであることが分かった。
以上は本発明を例示的に説明するものに過ぎない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々の改良はすべて本発明の範囲内に含まれることは、当業者であれば分かる。
本発明のもう一つの目的は、上記バンコマイシン系誘導体及び/又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物の、抗菌剤の製造における使用を提供することにある。
式の中、
R1は、H、−CH2−R4、−CO−R4、又は、−(CH2m−A−R4を表し、ここで、
mは1〜4の整数であり、2、3又は4であることが好ましく、
AはNHO及びSから選ばれ、
R4は、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基、置換されてもよいC3〜C10のシクロアルキル基、置換されてもよいC6〜C20のアリール基、置換されてもよいN、O及びSから選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を含む3〜10員環非芳香族複素環基、置換されてもよいN、O及びSから選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を含む3〜10員環ヘテロアリール基から選ばれものであり、
前記置換する置換基は、ハロゲン;−OH;−NH2;シアノ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が好ましい);C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基;C3〜C10のシクロアルキル基;ハロゲン化C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(トリフルオロメチル基が好ましい);トリメチルシリル基C2〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基(トリメチルシリルエチニル基が好ましい);C2〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基(エチニル基が好ましい);トリフルオロメチル基C6〜C20アリール基(トリフルオロメチルフェニル基が好ましい);ハロゲン、−OH、−NH2、シアノ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基、C2〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基、ピリジル基、フェニル基、シアノフェニル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、又はC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルビフェニルメトキシ基で置換されたC6〜C20のアリール基;ハロゲン、−OH、−NH2、シアノ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ピリジル基、フェニル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、又はクロロフェニル基で置換されたC3〜C10のシクロアルキル基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基;フェニルC1〜C10直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基などから選ばれる1つ又は複数の基であってもよい。
R3は水素であり
nは2又は3であ
Xは、O−、−NH−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、或いは、−(CH2q−であり、qは0〜2の整数であり、好ましくは、Xは−O−、-NH-、-C(O)NH-、又は-(CH2)2-であり、
Yはグリコシル基であり、
上記グリコシル基は、炭水化物特性を有する単糖及び/又は二糖に由来する構造部分であり、上記単糖及び/又は二糖のグリコシル化反応によって得られた残基であり、上記グリコシル化反応は、環状又は非環状のグリコシル基のO−グリコシル化、N−グリコシル化及びC−グリコシル化反応を含む。本発明の1つの実施形態において、上記グリコシル基は環状単糖、環状二糖、非環状単糖、非環状二糖から得られるグリコシル基から選ばれる。本発明のもう一つの形態において、上記グリコシル基は、デオキシ単糖、カルボキシル基単糖、酸化単糖、還元単糖から得られるグリコシル基から選ばれ、特に、上記グリコシル基は好ましくは、キシロース、マンノース、N−アセチルグルコサミン、ガラクトース、ソルボース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ラムノース、フコース、シアル酸、リボース、デオキシリボース、アロース、上記単糖の開環構造、及び、上記単糖及び/又は単糖の開環構造を組み合わせて形成された二糖から得られるグリコシル基から選択されてもよい。
本発明において、技術用語「非環状単糖」とは、ピラノースの1位アルデヒド基が還元的に水素化され、還元的にアミノ化され、またはアミド化された単糖を指し、上記非環状単糖は、1位アルデヒド基が還元的にアミノ化され又はアミド化されたガラクトース、1位アルデヒド基がアミド化されたグルコース、及び1位アルデヒド基がアミド化されたマンノースであることが好ましい。
Xとnは、一般式(I)中の定義と同じである。
上記バンコマイシン誘導体は、さらに下記化合物から選ばれるものが好ましい:
上記一般式(I)で表される本発明のバンコマイシン誘導体は下記方法により製造され、当該方法は下記ステップのうちの1つ又は複数のステップを含む。
ステップ2:2−アミノエチル−β−D−ガラクトピラノシド4(30mg)を、水100μLとアセトニトリル500μLとの混合物に溶解させ、DIPEA 30μLを加え、固体が完全に溶解するまで(10分間)室温で攪拌した。37wt%ホルムアルデヒド溶液2μLを加え、室温で15分間攪拌した後、−10℃まで温度を下げて5分間攪拌し、Nvan−2(4’−クロロビフェニルメチル)−バンコマイシンVan−b 25mg及びDIPEA 30μLの80%アセトニトリル溶液1.5mLと迅速に混合し、−10℃で8時間攪拌し、完全に反応したことをHPLCによりモニターニングした(0.1%v/v TFAを、H2O及びアセトニトリルのそれぞれに加え、2〜90%、30min)。粗生成物を逆相C18により製造し、後処理してVan011を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H117Cl2N11O30の理論値が1882.5751、実測値が628.5331[M+3H]3+であった。
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2−(4’−トリフルオロメチルビフェニルメチル)−バンコマイシンVan−cを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan032を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C87H97Cl2F3N10O29の理論値が1872.5752、実測値が937.2960[M+2H]2+であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6) δ 8.83 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 3H), 7.84 - 7.79 (m, 2H), 7.62 (t, J = 10.7 Hz, 3H), 7.54 - 7.44 (m, 2H), 7.33 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.4, 3.1 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.90 - 6.85 (m, 1H), 6.79 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 5.53 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 5.19 - 5.07 (m, 3H), 4.83 (s, 1H), 4.68 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.43 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 14.2 Hz, 2H), 4.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.90 - 3.83 (m, 1H), 3.82 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.53 (dt, J = 10.6, 4.4 Hz, 3H), 3.29 (s, 2H), 2.75 (s, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.13 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.84 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.51 (s, 4H), 1.13 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.1 Hz, 3H)。
実施例8のNvan−2−(n−デシルアミノ)エチル−バンコマイシンVan−aの代わりにNvan−2(4’−クロロビフェニルメチル)−バンコマイシンVan−bを用い、その他の必要な原料、試薬及び製造方法を実施例8と同様にしてVan038を得た。高分解能質量分析スペクトル(ESI+) C86H97Cl2N10O29の理論値が1838.5489、実測値が920.2862[M+2H]2+であった。

Claims (12)

  1. 下記一般式Iで表される構造を有する、バンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
    (式の中、
    R1は、H、−CH2-R4、-CO-R4、又は、−(CH2m-A−R4を表し、ここで、
    mは1〜4の整数であり、2、3又は4であることが好ましく、
    AはNH、O及びSから選ばれ、
    R4は、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、置換されてもよいC8〜C16の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基、置換されてもよいC3〜C10のシクロアルキル基、置換されてもよいC6〜C20のアリール基、置換されてもよいN、O及びSから選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を含む3〜10員環非芳香族複素環基、置換されてもよいN、O及びSから選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を含む3〜10員環ヘテロアリール基から選ばれるものであり、
    前記置換する置換基は、ハロゲン;−OH;−NH2;シアノ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が好ましい);C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基;C3〜C10のシクロアルキル基;ハロゲン化C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(トリフルオロメチル基が好ましい);トリメチルシリル基C2〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基(トリメチルシリルエチニル基が好ましい);C2〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基(エチニル基が好ましい);トリフルオロメチル基C6〜C20アリール基(トリフルオロメチルフェニル基が好ましい);ハロゲン、−OH、−NH2、シアノ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルアシル基、C2〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基、ピリジル基、フェニル基、シアノフェニル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、又はC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルビフェニルメトキシ基で置換されたC6〜C20のアリール基;ハロゲン、−OH、−NH2、シアノ基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、ピリジル基、フェニル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、又はクロロフェニル基で置換されたC3〜C10のシクロアルキル基;C1〜C10の直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基;フェニルC1〜C10直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニル基などから選ばれる1つ又は複数の基であってもよく、
    R2は、OH又は−NH(CH2pR5であり、ここで、
    pは0〜6の整数であり、
    R5は、個別にグリコシル基又は置換されたアミノ基から選ばれ、前記置換する置換基は、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基から選択される1つ又は2つの置換基であってもよく、
    R3は水素又はメチル基から選ばれ、
    nは0〜6の整数であり、0、1、2又は3であることが好ましく、
    Xは、存在しないか、又は、−S−、−O−、−NH−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、或いは、−(CH2q−であり、qは0〜2の整数であり、
    Yはグリコシル基である)
  2. R4は下記基から選ばれ、
    及び/又は、
    R2は下記基から選ばれ、
    及び/又は、
    Xは、存在しないか、又は-NH-、-C(O)NH-、及び-(CH2)2-から選ばれ、
    及び/又は、
    前記グリコシル基は、環状単糖、環状二糖、非環状単糖、非環状二糖から得られるグリコシル基から選ばれる、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  3. R2は下記基から選ばれ、
    及び/又は、
    Xは存在せず、
    及び/又は、
    前記グリコシル基は、デオキシ単糖、カルボキシル基単糖、酸化単糖、還元単糖から得られるグリコシル基から選ばれる、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  4. 前記グリコシル基は、キシロース、マンノース、N−アセチルグルコサミン、ガラクトース、ソルボース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ラムノース、フコース、シアル酸、リボース、デオキシリボース、アロース、前記単糖の開環構造、及び、前記単糖及び/又は単糖の開環構造を組み合わせて形成された二糖から得られるグリコシル基から選ばれる、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  5. 前記グリコシル基は、下記基から選ばれる、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  6. 前記一般式Iで表される化合物は、下記一般式I−Aで表されるバンコマイシン誘導体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
    (式の中、R6は、塩素、及びトリフルオロメチル基から選ばれ、
    R2は、OHと下記基から選ばれ、
    X、Y及びnは一般式I中の定義と同じである)
  7. Yは下記基から選ばれる、請求項6に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  8. 前記一般式Iで表される化合物は、下記化合物から選ばれる、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のバンコマイシン誘導体を製造する方法であって、
    (1)バンコマイシンを、塩化アシル又はスルホニルクロリドであるR1Clと置換反応させるか、又は、アルデヒドであるR4CHOと縮合反応させて、一般式dで表される化合物を得るステップ、
    (2)一般式dで表される化合物を、アミノ基化合物であるR2NH2と縮合反応させて、一般式eで表される化合物を得るステップ;及び、
    (3)一般式eで表される化合物を、ホルムアルデヒドの存在下で置換アミンとマンニッヒ反応させて、一般式(I)で表される化合物を得るステップ
    のうちの1つ又は複数のステップを含むことを特徴とする、方法。
    (式の中、R1、R2、R3、R4、n、X及びYは、R1がHではないことと、R2がOHではないこと以外、一般式(I)中の定義と同じである)
  10. 活性成分として、請求項1〜8のいずれか一項に記載のバンコマイシン誘導体及びその薬学的に許容される塩から選ばれる1種又は複数種を、治療有効量で含有し、かつ、薬学的に許容される任意の担体、賦形剤、アジュバント、添加剤及び/又は希釈剤を含有し、さらに、その他の薬学的に許容される治療剤を含有してもよい、医薬組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のバンコマイシン誘導体又はその薬学的に許容される塩、及び/又は、請求項10に記載の医薬組成物の、細菌感染症の治療及び/又は予防のために用いられる医薬品の製造への使用。
  12. 前記細菌感染症は、グラム陽性菌感染によって引き起こされる疾患であり、例えば、前記グラム陽性菌は、ブドウ球菌、ストレプトコッカス、腸球菌、肺炎双球菌、バチルス、炭疽菌、ジフテリア菌、破傷風菌、クロストリジウム・ディフィシレ及びリステリア・モノサイトゲネスから選ばれる、請求項11に記載の使用。
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