JP2008531713A - 抗菌活性を有する、半合成デスメチル−バンコマイシンベースのグリコペプチド - Google Patents

抗菌活性を有する、半合成デスメチル−バンコマイシンベースのグリコペプチド Download PDF

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Abstract

抗菌活性を有する半合成グリコペプチドは、デスメチル−バンコマイシン骨格の修飾、特に、この骨格におけるアミノ置換された糖部分のアミノ置換基の、ある種のアシル基によるアシル化;および/またはこの骨格の大環状の環における酸部分の、ある種の置換アミドによる変換に基づく。さらに、本発明の化合物は、デスメチル−バンコマイシン骨格(この骨格上において、大環状の環の酸部分がある種の置換アミドに変換され、アミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基がある種のアルキル基でアルキル化される)を含む。その化合物の合成方法、その化合物を含む医薬組成物、および疾患、特に細菌感染を処置および/または予防するためのその化合物の使用方法もまた、提供される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、「SEMI−SYNTHETIC DESMETHYL−VANCOMYCIN−BASED GLYCOPEPTIDES WITH ANTIBIOTIC ACTIVITY」のタイトルを有する、2005年2月28日に出願された米国仮特許出願第60/657,274号に対する優先権を主張する。その開示は、その全体が全ての目的のために、本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、新規な、抗菌活性を有する半合成グリコペプチド、これらの化合物を含む医薬組成物、および医学的な治療方法に関する。
(2.関連技術分野の説明)
薬剤耐性の細菌株の出現は、改善された活性を有する抗生物質の合成および同定の必要性を強調してきた。細菌感染症に対抗するために使用される天然のグリコペプチド抗生物質は、以下の構造を有する化合物、デスメチル−バンコマイシンが挙げられる:
Figure 2008531713
この化合物は細菌感染症を治療および予防するために使用されるが、他の抗菌剤と同様に、この化合物に対する耐性あるいは不十分な感受性を持つ細菌株が同定され、この化合物はグリコペプチド耐性腸球菌により起きるある種の細菌感染症に対しては限られた効果しか有さないことが判明した。したがって、改善された抗菌活性、耐性出現の少ない可能性、現在利用可能な抗生物質の治療に耐性の細菌感染症に対する改善された有効性、あるいは標的とする微生物に対する予想外の選択性を有する新規な誘導体化合物を同定する必要が絶えずある。
(発明の要旨)
上述のことを達成するために、本発明は、新規な抗菌活性を有する半合成グリコペプチドを提供する。本発明の半合成グリコペプチドは、デスメチル−バンコマイシン骨格の修飾、特に、この骨格におけるアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基の、ある種のアシル基(特に、アミノ酸またはその誘導体)によるアシル化;ならびに/あるいはこの骨格の大環状の環における酸部分の、ある種の置換アミドでの変換に基づく。さらに、本発明の化合物は、デスメチル−バンコマイシン骨格(大環状の環における酸部分はある種の置換アミドに変換されており、そしてアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基はある種のアルキル基でアルキル化されているか、またはある種のアシル基(β−アミノ酸またはその誘導体を含む)でアシル化されている)を含む。また、該化合物の合成法、該化合物を含んでいる医薬組成物、および疾患、特に細菌感染症の治療および/または予防のための該化合物の使用法が提供される。
本発明の特定の実施形態では、デスメチル−バンコマイシン骨格が修飾されて、以下:
Figure 2008531713
および
Figure 2008531713
(式中、Rは、C(=O)CR7aNR8aであり、式中、
およびR7aは、独立して水素、天然もしくは非天然のアミノ酸の側鎖、アルキル、またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(=O)NR8a、−NR8a、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、メルカプト、またはチオアルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルであるか、またはRおよびR7aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含んでいてもよく;
およびR8aは、独立して、水素および非置換または置換された、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR8aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて、置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含み;
1Aは、H、CHR5a、およびC(=O)Rからなる群より選択され、ここでRおよびR5aは、独立して、水素、および非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、該アリール、アリールアルキル、アルキルアリールまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリールまたは縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR5aは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群より選択されるヘテロ原子を必要に応じて含むシクロアルキル環を形成し、そして
は、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ならびに必要に応じて置換されたO、NおよびSからなる群より選択されるヘテロ原子含むヘテロアリールからなる群より選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含み;
は、
(1)OH、
(2)1−アダマンタンアミノ、
(3)2−アダマンタンアミノ、
(4)3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、
(5)1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、
(6)3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、
(7)1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノ、
(8)アミノ、
(9)NR9a(式中、RおよびR9aは、独立して水素、低級アルキルまたは置換低級アルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択されるか、または
およびR9aは、それらが結合している原子と一緒になって3員から10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は、
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)C−C−アルコキシ、
(d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
(e)オキソ、
(f)C−C−アルキル、
(g)ハロ−C−C−アルキル、および
(h)C−C−アルコキシ−C−C−アルキル
からなる群から独立して選択される1以上の置換基で必要に応じて置換されていてもよく;
2Aは、
(1)1−アダマンタンアミノ、
(2)2−アダマンタンアミノ、
(3)3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、
(4)1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、
(5)3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、
(6)1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノ
から成る群から選択され;そして
は、水素およびアミノ低級アルキルからなる群から選択され、該アミノ低級アルキルのアミノ基は、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルコキシ、および置換アリールオキシでさらに置換されている)
からなる群より選択される式を有する化合物;または
その薬学的に許容される塩、エスエル、溶媒和物、立体異性体、互変異性体もしくはプロドラッグが製造される。
本発明はまた、医薬組成物を提供し、該医薬組成物は治療的有効量の上に定義した化合物と薬学的に許容される担体との組み合わせを含む。
本発明はさらに、そのような治療を必要とする宿主哺乳動物の細菌感染症の治療法に関し、上に定義した化合物の治療的有効量をそのような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
本発明のさらなる態様では、上に定義した式Iおよび式IIの半合成グリコペプチドの製造法を提供する。
(発明の具体的な実施形態の説明)
本発明の材料および関連する技術および装置は、いくつかの実施形態に関連して記載されるであろう。記載された実施形態の重要な特性および特徴は、明細書中の構造の中で説明される。本発明はこれらの実施形態と共に記載されるであろうが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。これに反して、本発明は添付された特許請求の範囲によって定義される発明の精神および範囲内に含まれ得る、代替、改変および均等物を保護するように意図される。以下に示す記載では、多数の特定の細部項目が、本発明についての完全な理解を提供するために述べられる。本発明は、これらの特定の細部項目のうちのいくつかあるいは全くなしで実行し得る。他の実例では、周知の方法の操作は、不必要に本発明を不明瞭にしないように詳細には記述されていない。
(導入)
本発明は、抗菌活性を有する新規半合成グリコペプチドを提供する。本発明の半合成グリコペプチドは、デスメチル−バンコマイシン骨格の修飾、特に、この骨格におけるアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基の、ある種のアシル基(特に、アミノ酸またはその誘導体)によるアシル化;ならびに/あるいはこの骨格の大環状の環における酸部分の、ある種の置換アミドでの変換に基づく。さらに、本発明の化合物は、デスメチル−バンコマイシン骨格(大環状の環における酸部分はある種の置換アミドに変換されており、そしてアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基はある種のアルキル基でアルキル化されているか、またはある種のアシル基(β−アミノ酸またはその誘導体を含む)でアシル化されている)を含む。また、該化合物の合成法、該化合物を含む医薬組成物、および疾患、特に細菌感染症の治療および/または予防のための該化合物の使用法が提供される。
(本発明の化合物)
本発明の具体的な実施形態では、デスメチル−バンコマイシンの骨格が修飾されて、式
Figure 2008531713
および
Figure 2008531713
(式中、Rは、C(=O)CR7aNR8aであり、式中、
およびR7aは、独立して水素、天然もしくは非天然のアミノ酸の側鎖、アルキル、またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(=O)NR8a、−NR8a、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、メルカプト、またはチオアルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルであるか、またはRおよびR7aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含んでいてもよく;
およびR8aは、独立して、水素および非置換または置換された、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR8aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて、置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含み;
1Aは、H、CHR5a、およびC(=O)Rからなる群より選択され、ここでRおよびR5aは、独立して、水素、および非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、該アリール、アリールアルキル、アルキルアリールまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリールまたは縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR5aは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群より選択されるヘテロ原子を必要に応じて含むシクロアルキル環を形成し、そして
は、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ならびに必要に応じて置換されたO、NおよびSからなる群より選択されるヘテロ原子含むヘテロアリールからなる群より選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含み;
は、
(1)OH、
(2)1−アダマンタンアミノ、
(3)2−アダマンタンアミノ、
(4)3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、
(5)1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、
(6)3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、
(7)1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノ、
(8)アミノ、
(9)NR9a(式中、RおよびR9aは、独立して水素、低級アルキルまたは置換低級アルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択されるか、または
およびR9aは、それらが結合している原子と一緒になって3員から10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は、
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)C−C−アルコキシ、
(d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
(e)オキソ、
(f)C−C−アルキル、
(g)ハロ−C−C−アルキル、および
(h)C−C−アルコキシ−C−C−アルキル
からなる群から独立して選択される1以上の置換基で必要に応じて置換されていてもよく;
2Aは、
(1)1−アダマンタンアミノ、
(2)2−アダマンタンアミノ、
(3)3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、
(4)1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、
(5)3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、
(6)1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノ
から成る群から選択され;そして
は、水素およびアミノ低級アルキルからなる群から選択され、該アミノ低級アルキルのアミノ基は、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルコキシ、および置換アリールオキシでさらに置換されている)
からなる群より選択される式を有する化合物;
またはその薬学的に許容される塩、エスエル、溶媒和物、立体異性体、互変異性体もしくはプロドラッグが製造される。
本発明の特定の実施形態によれば、様々な置換基としては以下のものであってもよい:
1Aの範囲内:
は水素であり、そしてR5aは非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、このアリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含む。特定の実施形態において、R5aは、非置換または置換ビフェニル(例えば、ビフェニルまたはクロロ−ビフェニル)である。
は、β−アミノ酸アナログであってもよい。そのような基としては、−CHCHNH−部分を含むであろう。例えば、Rは、CHC(R)(R7a)(NR8a)であってもよく、R、R7a、R、およびR8aは、上で定義した通りであり、または−CR7aは、NR8aと一緒になって、ピロリジン環を形成してもよい。
の範囲内で、C(=O)CR7aNR8aはアミノ酸部分であり得、その結果、R、RおよびR8aはそれぞれHであり、R7aは、H、CH、CH(CH、CHCH(CH、CH(CH)CHCH、(CHNH、CHOH,CH(OH)CH、CHCOOH、(CHCOOH,CHC(=O)NH、(CHC(=O)NH、CHSH,(CHSCH,(CHNHC(=NH)NH,CH,CHOH、CH(4−イミダゾリル)またはCH(3−インドリル)の1つであるか、または−CR7aは、NR8aと一緒になって、ピロリジン環を形成し得る。
あるいは、Rが水素であり得、そして
7aが、
(1)水素、
(2)C−C12−アルキル、および
(3)C−C12−アルキルであって、
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)C−C−アルコキシ、
(d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
(e)−CO(式中、Rは水素、低級アルキルまたは置換された低級アルキルである)、
(f)−C(=O)NR9a
(g)アミノ、および
(h)−NR9a、または
およびR9aは、結合している原子と一緒になって3員から10員の、ヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は必要に応じて
(i)ハロゲン、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)C−C−アルコキシ、
(iv)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
(v)オキソ、
(vi)C−C−アルキル、
(vii)ハロ−C−C−アルキル、および
(viii)C−C−アルコキシ−C−C−アルキル
からなる群から独立して選択される1以上の置換基で場合により置換されていてもよく、
(i)アリール、
(j)置換アリール、
(k)ヘテロアリール、
(l)置換ヘテロアリール、
(m)メルカプト、および
(n)C−C−チオアルコキシ
からなる群から選択される1以上の置換基で置換されたC−C12アルキル、
からなる群から選択されてもよい。
さらに、RおよびR8aは、
(1)水素、
(2)C−C12−アルキル、および
(3)C−C12−アルキルであって、
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)C−C−アルコキシ、
(d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
(e)アミノ、および
(f)C−C−アルキルアミノ
からなる群から選択される1以上の置換基で置換されている、C−C12−アルキル
(4)アリールで置換されているC−C12−アルキル、
(5)置換アリールで置換されているC−C12−アルキル、
(6)ヘテロアリールで置換されているC−C12−アルキル、および
(7)置換ヘテロアリールで置換されているC−C12−アルキル
からなる群から独立して選択されてもよいし;または
およびR8aは、それらが結合する原子と一緒になって、C−C−シクロアルキル環を形成し、該環が5員から7員の環であるときは、場合により、−O−、−NH、−N(C−C−アルキル−)−、−N(アリール)−、−N(アリール−C−C−アルキル−)−、−N(置換−アリール−C−C−アルキル−)−、−N(ヘテロアリール)−、−N(ヘテロアリール−C−C−アルキル−)−、−N(置換−ヘテロアリール−C−C−アルキル−)−、および−S−またはS(=O)−(式中、nは1または2である)からなる群から選択されるヘテロ官能基を含んでもよい。
特定の実施形態において、化合物(I)は、デスメチル−バンコマイシン−gly−p−n−オクチルオキシベンジルであり得る。
(定義)
特に断りのない限り、本明細書で使用される用語は、当業者によって理解されるようなその通常の意味が与えられるべきである。本発明について理解しやすいように、多くの定義された用語は、本発明の特別の要素を指定するために本明細書では使用される。そのように使用される場合、次の意味が意図される:
本明細書で使用される用語「アルキル」は、飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味し、この基は1個の水素原子が除去されることによって、1と20との間の炭素原子を含む炭化水素部分に由来する。
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、不飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味し、この基は1個の水素原子が除去されることによって、2と20との間の炭素原子を含む炭化水素部分に由来する。
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、1個の水素原子が除去されることによって、3と20との間の炭素原子を含む単環式または二環式の飽和炭素環化合物に由来する1価の基を意味する。
本明細書で使用される用語「シクロアルケニル」は、1個の水素原子が除去されることによって、3と20との間の炭素原子を含む単環式または二環式の不飽和炭素環化合物に由来する1価の基を意味する。
本明細書で使用される用語「C−C−アルキル」、「C−C−アルキル」、および「C−C12−アルキル」は、飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素基を意味し、この基は1個の水素原子が除去されることによって、1と3との間、1と6との間、および1と12との間の炭素原子をそれぞれ含んでいる炭化水素部分に由来する。C−C−アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルが挙げられる。C−C−アルキル基の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルを含む。C−C12−アルキル基の例としては、これらに制限されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシルおよびn−ドデシル(n−docecyl)が挙げられる。
本明細書で使用される用語「置換低級アルキル」は、ハロゲン、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、ヘテロアリール、アルケンまたはアルキン基からなる1個、2個または3個の基によって置換されたC−C12−アルキルを意味する。
用語「C−C12−シクロアルキル」は、1個の水素原子が除去されることによって、単環式または二環式の飽和炭素環化合物に由来する1価の基を意味する。例示としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、およびビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「C−C−アルコキシ」、「C−C−アルコキシ」は、酸素原子を介して親の分子部分に結合している、上に定義したC−C−アルキル基およびC−C−アルキル基を意味する。C−C−アルコキシ基の例としては、これらに限定されることはないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシルおよびn−ヘキソキシが挙げられる。
用語「オキソ」は、上に定義したアルキル基中の1個の炭素原子上の2個の水素原子が1個の酸素原子(つまりカルボニル基)で置換されている基を意味する。
本明細書で使用される用語「アリール」は、これらに限定はされないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含む1個または2個の芳香族環を有する単環式または二環式の炭素環系を意味し、低級アルキル、置換低級アルキル、ハロアルキル、C−C12−アルコキシ、チオアルコキシ、C−C12−チオアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニルおよびカルボキサミドから独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている(二環式のアリール基を含む)か、または非置換のものである。さらに、置換アリール基としては、テトラフルオロフェニルおよびペンタフルオロフェニルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「アリールアルキル」は、1と12との間の炭素原子のアルキル基を介して親の分子部分に結合する、上に定義したアリール基を意味する。
本明細書で使用される用語「アルキルアリール」は、アリール基を介して親の分子部分に結合する、先に定義したアルキル基を意味する。
本明細書で使用される用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を意味する。
用語「アルキルアミノ」は、構造−NHR’(R’は先に定義したアルキル)を有する基を意味する。アルキルアミノの例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなどが挙げられる。
本明細書で使用される用語「低級アルキルアミノ」は、窒素原子を介して親の分子部分に結合する、上に定義したC−C−アルキル基を意味する。C−C−アルキルアミノの例としては、これらに限定されないが、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、およびプロピルアミノなどが挙げられる。
用語「ジアルキルアミノ」は、構造−NHR’R”(R’およびR”は先に定義したアルキルから独立して選択される)を有する基を意味する。さらに、R’およびR”は、一緒になって必要に応じて−(CH−であってもよく、式中kは2から6の整数である。ジアルキルアミノの例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、ピペリジノなどを含む。
用語「ハロアルキル」は、1個、2個または3個のハロゲン原子がそれに結合している、上に定義したアルキル基を意味し、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチルなどの基が例示される。
用語「アルコキシカルボニル」は、エステル基を表す;すなわちメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどのカルボニル基を介して親の分子部分に結合しているアルコキシ基である。
用語「チオアルコキシ」は、硫黄原子を介して親の分子部分に結合している、先に定義したアルキル基を意味する。
本明細書で使用される用語「カルボキシアルデヒド」は、式−CHOの基を意味する。
本明細書で使用される用語「カルボキシ」は、式−COHの基を意味する。
本明細書で使用される用語「カルボキサミド」は、式−CONHR’R”の基を意味し、式中、R’およびR”は、水素、アルキルから独立して選択され、またはR’およびR”は、一緒になって場合により−(CH−(kは2から6の整数である)であってもよい。
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、5から10個の環原子を有する環状または二環式の芳香族基を意味し、各環において該環または二環式環の少なくとも1個の原子が、場合により置換されていてもよいS、O、およびNから選択される;ゼロ個、1個または2個の環原子は、場合により置換されていてもよいS、O、およびNから独立して選択される付加的なヘテロ原子である;および残りの環原子は炭素であり、該芳香族基は、任意の環原子を介して分子の残余に結合している、例えばピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニルなどである。
本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香族性の、部分的に不飽和されているか、または完全に飽和された3員から10員の環系を意味し、該環は、3から8個の原子の大きさの単環および二環式もしくは三環式の環系を含み、該二環式もしくは三環式の環系は、非芳香族性の環に縮合している、芳香族性の6員のアリール環またはヘテロアリール環である。これらのヘテロシクロアルキル環は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1個から3個のヘテロ原子を有する環であり、該環では窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合により、酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により4級化されていてもよい。代表的なヘテロシクロアルキル環としては、これらに限定されないが、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「ヘテロアリールアルキル」は、1から12個の炭素原子のアルキル基を介して親の分子部分に結合する、上に定義したヘテロアリール基を意味する。
「保護基」は、例えばヒドロキシル、ケトンまたはアミンなどの官能基を合成操作の間、望ましくない反応に対して保護すること、および選択的に除去され得ることが当該分野で知られている、容易に除去可能な基を意味する。保護基の使用は、合成操作の間、望ましくない反応に対する保護基として当該分野でよく知られており、多くのそのような保護基が公知である;参照、例えばT.H.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley& Sons,New York(1991)。水酸基の保護基としては、これらに限定はされないが、メチルチオメチル、tert−ジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、メトキシメチルなどのエーテル、およびアセチル、ベンゾイルなどのエステルが挙げられる。ケトン保護基の例としては、これらに限定はされないが、ケタール類、オキシム類、O−置換オキシム類が挙げられ、O−置換オキシム類としては、例えばO−ベンジルオキシム、O−フェニルチオメチルオキシム、1−イソプロポキシシクロヘキシルオキシムなどが挙げられる。アミノ保護基の例としては、これらに限定はされないが、tert−ブトキシカルボニル(Boc)およびカルボベンジルオキシ(Cbz)が挙げられる。
用語「アミノ酸」は、DまたはLの立体化学を有するアミノ酸を意味し、20の必須アミノ酸に見られる側鎖以外の側鎖を有する合成の非天然アミノ酸をも意味する。非天然アミノ酸は、市販のものを利用することもできるし、あるいは米国特許第5,488,131およびその中の引用文献に従って製造することもできる。アミノ酸は、さらに置換されてアミノ、カルボキシ、または側鎖基に対する修飾を含む。これらの修飾は、ペプチド合成において通常使用される多くの保護基を含む(T.H.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley& Sons,New York,1991)。
本明細書で使用される用語「置換アリール」は、ここで定義したアリール基を意味し、該アリール基上の1個、2個または3個の水素原子は、Cl、Br、F、I、OH、CN、C−C12−アルキル、C−C12−アルコキシ、アリール置換C−C12−アルコキシ、置換アリール置換C−C12−アルコキシ、ハロアルキル、チオアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニルおよびカルボキサミドで独立した置換により置換されている。さらに、任意の置換基は、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキル基であってもよい。
本明細書で使用される用語「置換ヘテロアリール」は、本明細書で定義したヘテロアリール基を意味し、該ヘテロアリール基上の1個、2個または3個の水素原子は、Cl、Br、F、I、OH、CN、C−C12−アルキル、C−C12−アルコキシ、アリール置換C−C12−アルコキシ、ハロアルキル、チオアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニルおよびカルボキサミドで独立した置換により置換されている。さらに、任意の置換基は、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキル基であってもよい。
本明細書で使用される用語「置換ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で定義したヘテロシクロアルキル基を意味し、該ヘテロシクロ環上の1個、2個または3個の水素原子は、Cl、Br、F、I、OH、CN、C−C12−アルキル、C−C12−アルコキシ、アリール置換C−C12−アルコキシ、ハロアルキル、チオアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニルおよびカルボキサミドで独立した置換により置換されている。さらに、任意の置換基は、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキル基であってもよい。
本明細書で使用される用語「アダマンタンアミノ」は、1以上のアミノ置換基を有する、完全に飽和されたトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]10員の炭素環系を意味する。例示としては、1−アダマンタンアミノ、2−アダマンタンアミノ、3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、および1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノが挙げられる。
本明細書で使用される用語「立体異性体」は、同じ分子式および同じ順序で結合している構成原子を有するが、不斉中心に関する空間における異なる配置を有する化合物の2つの型のどちらかを意味する。本発明の化合物には、多くの不斉中心が存在する。特に断りのある場合を除き、本発明は、様々な異性体およびそれらの混合物を企図する。したがって、特に断りのある場合を除き、立体配向の混合物または決定されたまたは未決定の配向を有する個々の異性体が存在してもよいものとする。
本明細書で使用される用語「互変異性体」は、互変異性を示す化合物の2つの型のどちらかを意味し、それは、ある化合物がプロトン移動によって2つの互換性の異性体が平衡にある混合物として存在する能力である。カルボニル化合物のケト/エノール型は、互変異性体の例である。それらは少量の酸および塩基の存在下、共鳴安定化アニオン、すなわちエノラートイオンを経由して互変性である。
用語「薬学的に許容される塩」は、それらの健全な医学的判断の範囲内でヒトおよび下等動物の組織に接触した際に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを与えることなく使用するのに適しており、また、合理的な対危険便益比が釣り合っている塩を意味する。薬学的に許容できる塩は当該分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、66:1−19(1977)で薬学的に許容される塩について詳細に説明しており、これは、本明細書中に参考として援用される。塩類は、本発明の化合物の最終的な分離および精製中に、あるいは別々に適切な有機酸で遊離の塩基の官能基を反応させることにより、インサイチュ(in situ)で製造することができる。薬学的に許容される、無毒性の酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、燐酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸およびマロン酸などの有機酸を用いて形成されるアミノ基の塩であり、あるいはイオン交換など当該分野で使用される他の方法を用いて形成されるアミノ基の塩が挙げられる。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、硼酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマール酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロオキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、燐酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらに、薬学的に許容される塩類は、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などのカウンターイオンを使用して形成される、適切であれば、無毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンを含む。
用語「薬学的に許容されるエステル」は、インビボで加水分解するエステルを意味し、ヒトの体内で容易に分解されて親化合物またはその塩となるエステルを含む。適切なエステル基としては、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸類、特にアルカノール酸、アルケノ−ル酸、シクロアルカノール酸およびアルカンジオール酸に由来するエステルが挙げられ、それらにおいて、各アルキルまたはアルケニル部分は6個以下の炭素原子を有するエステルが有利である。特定のエステルの代表例としては、これらに制限されないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エスエル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびコハク酸エチルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「溶媒和物」は、溶媒和、つまり溶媒分子と本発明の化合物からなる溶質の分子またはイオンの組み合わせによって形成される化合物を意味する。用語「薬学的に許容される溶媒和物」は、それらの健全な医学的判断の範囲内でヒトおよび下等動物の組織に接触した際に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを与えることなく使用するのに適しており、また、合理的な対危険便益比が釣り合っている溶媒和物を意味する。薬学的に許容される溶媒和物は当該分野でよく知られている。
用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、それらの健全な医学的判断の範囲内でヒトおよび下等動物の組織に接触した際に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応を与えることなく使用するのに適しており、また、合理的な対危険便益比が釣り合っており、意図された使用に対して有効である、本発明の化合物のみならず、可能ならば、本発明の双性イオン型のこれらプロドラッグを意味する。用語「プロドラッグ」は、急速に生体内で変換されて上記式の親化合物を、例えば血液中における加水分解により、生成させる化合物を意味する。例えば、徹底的な考察がT.HiguchiとV.Stellaらの,Prro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series,およびEdward B.Roche編集のBioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987に提供されている。これらは両方、本明細書中に参考として援用される。
(合成法)
本発明の化合物の合成は、以下に広範にまとめられ得る。本発明の化合物は、官能化または非官能化グリコペプチドを、適切なアシル、アルキルおよび/またはアミノ基と、アミド形成条件下でカップリングさせることによって製造され得る。特に、本発明の半合成グリコペプチドは、デスメチル−バンコマイシン骨格の修飾、特に、この骨格におけるアミノ置換された糖部分のアミノ置換基の、ある種のアシル基(特に、アミノ酸またはその誘導体)によるアシル化;および/またはこの骨格の大環状の環における酸部分の、ある種の置換アミドへの変換;または、この骨格におけるアミノ置換された糖部分のアミノ置換基のある種のアルキル基によるアルキル化またはこの骨格におけるアミノ置換された糖部分のアミノ置換基のある種のアシル基(β−アミノ酸またはその誘導体を含む)によるアシル化と、この骨格における大環状の環の酸部分のある種の置換アミドへの変換とを組み合わせることによって製造される。
具体的には、本発明の半合成グリコペプチドは、デスメチル−バンコマイシン骨格:
Figure 2008531713
を修飾することによって製造され得る。
デスメチル−バンコマイシン出発物質は、非置換のものであってもよいし、Rにおいて本明細書中で定義されるようなアミノ低級アルキル基で置換されていてもよい。
上記デスメチル−バンコマイシン骨格の修飾は、この骨格におけるアミノ置換糖部分のアミノ置換基の、ある種のアシル基またはアルキル基によるアシル化またはアルキル化;ならびに/あるいはこの骨格の大環状の環における酸部分のある種の置換アミドへの変換による。特定の実施形態において、本発明の化合物は、一般的に、適切に官能化されているかまたは官能化されていない、デスメチル−バンコマイシングリコペプチドの、適切な出発物質との、当業者に公知のアルキル化、アミノ酸カップリング、またはアシル化手順を使用したカップリングによって製造され得る。化合物の合成はまた、収率を最大にするため、所望されない副産物を最小にするため、または精製の容易さを改善するために、保護基の使用も包含し得る。
アルキル基は、上記グリコペプチドと、アルデヒドまたはケトンとを接触させ、その後、生じるイミンを還元的アミノ化することによって、形成され得る。アミド結合によってこのグリコペプチドに連結されたR基は、このグリコペプチドと、カルボン酸または活性化カルボン酸部分を含む適切な出発物質とを、公知のアミド形成条件下で反応させることによって形成され得る。
における置換基は、アミンと上記グリコペプチドとを、公知のアミド形成条件下で反応させることによって導入され得る。
における置換基は、Mannich反応によって導入され得、ここで上記グリコペプチドは、塩基性条件下でアミンおよびホルムアルデヒドで処理される(例えば、The Journal of Antibiotics,Vol.50,No.6,p.509−513に記載されている)。
本発明による化合物のための合成の具体的な例は、以下の実施例に提供される。本発明による他の化合物は、類似の様式において調製され得る。
一般的に、本発明による化合物は、式:
Figure 2008531713
を有する化合物を、
(a)該化合物のアミノ置換糖部分におけるアミノ置換基の、構造−C(=O)CR7aNR8aを有するアシル基によるアシル化、
(b)該化合物の大環状の環における酸部分の、Rによって定義される置換アミドでの変換、
(c)(a)と(b)との組み合わせ、
(d)(b)と、該化合物のアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基の、構造−C(=O)Rを有するアシル基によるアシル化との組み合わせ、および
(e)(b)と、該化合物のアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基の、構造CHR5aを有するアルキル基によるアルキル化との組み合わせ
からなる群から選択される方法によって修飾し、式:
Figure 2008531713
(式中、R、R1A、R、R2A、R、R、R、R5a、R、R、R7a、R、およびR8aは、本明細書中で定義した意味を有する)
からなる群より選択される式を有する化合物を形成させることによって製造され得る。
(医薬組成物および処置)
本発明の医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化された本発明の治療上有効な量の化合物を含む。本明細書で使用される用語「薬学的に許容される担体」は無毒性で不活性な固体、半固体もしくは液体の充填剤、希釈剤、カプセル化剤または任意のタイプの製剤化助剤を意味する。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、蔗糖などの糖類;コーンスターチ、ポテトスターチなどの澱粉;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター、坐薬用ワックスなどの賦形薬;落花生油、綿実油などの油;サフラワー油;胡麻油;オリーブオイル;トウモロコシ油および大豆油;プロピレングリコールなどのグリコール類;オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、同様にラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒相容性の滑沢剤が挙げられ、同様に着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤および酸化防止剤が、さらに製剤を処方する人の判断によって組成物中に含ませることもできる。本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の動物に、経口投与、経腸投与、非経口投与、大槽内投与、経膣投与、腹腔内投与、局所投与(粉末、軟膏、またはドロップ剤として)、舌下投与、または経口もしくは経鼻スプレー投与、または吸入用液体エアロゾルもしくは粉末製剤投与することができる。
経口投与のための液体製剤としては、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液製剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体製剤は、例えば水あるいは他の溶剤などの当該分野で通常使用されている不活性希釈剤、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、地下に実を結ぶ植物の油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含んでもよい。経口組成物は、不活性な希釈剤に加えて、さらに湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、風味剤および芳香剤などの補助剤を含むこともできる。
注射製剤、例えば、無菌の水性または油性の懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の技術によって製剤化され得る。この無菌注射剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶剤中の、例えば1、3−ブタンジオール溶液として、無菌の注射溶液、懸濁液または乳化液であってもよい。使用され得る、許容される溶剤または溶媒としては、水、リンゲル液(米国薬局方)、および生理食塩水が挙げられる。さらに、無菌の固定油が、溶媒または懸濁化媒体として通常使用される。この目的のために、合成モノ−グリセリドまたはジ−グリセリドを始めとする、刺激のない任意の固定油も使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の製造に使用される。
注射製剤は、例えば細菌捕捉フィルタで濾過したり、あるいは使用の直前に無菌水または他の無菌注射用媒体に溶解または分散できるような滅菌剤を無菌固体組成物の形で添加することにより、無菌化することができる。
薬剤の効果を持続するために、しばしば、皮下または筋肉内注射により薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水に対する難溶性の結晶または無定形物質の液体懸濁液を使用することにより達成できる。薬剤の吸収速度は、溶解速度に依存し、溶解速度が今度は結晶のサイズと結晶の形に依存する。また、非経口的に投与した薬剤の吸収の徐放性は、薬剤を油性溶剤に溶解または懸濁することにより達成される。注射可能な蓄積剤は、ポリラクチド−ポリグリコライドのような生分解性ポリマー中で薬剤のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造できる。薬剤とポリマーとの比および採用した特定のポリマーの性質に依存して、薬剤の放出速度が制御できる。他の生分解性ポリマーとしては、ポリ(オルトエステル)、ポリ(酸無水物)が含まれる。蓄積型注射製剤は、体組織と相容性であるリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬剤をトラップすることにより調製することもできる。
直腸投与又は膣投与のための組成物は、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は坐薬用ワックスのような適切な非刺激性の賦形剤又は担体と本発明の化合物とを混合することにより調製される坐薬であることが好ましい。ココアバター等は、室温では固体であるが、体温では液体であり、従って直腸または膣内で溶解し、活性化合物を放出する。
経口投与のための固形製剤の剤型としては、カプセル、錠剤、丸剤、粉剤、および顆粒剤が挙げられる。そのような固形製剤では、活性化合物は、少なくとも1種以上の不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体と混合される。そのような賦形剤または担体としては、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム、および/またはa)充填剤または増量剤、例えば澱粉、乳糖、蔗糖、グルコース、マニトール、およびケイ酸など、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、およびアラビアゴムなど、c)湿潤剤、例えばグリセロールなど、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなど、e)溶出遅延剤、例えばパラフィンなど、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物など、g)湿潤剤、例えばアセチルアルコール、モノステアリン酸グリセロールなど、h)吸着剤、例えばカオリン、ベントナイトクレイなど、およびi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびそれらの混合物が挙げられる。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、それらの投与剤型は、緩衝剤を含むこともある。
同様のタイプの固形組成物は、乳糖またはミルク糖のみならず高分子量ポリエチレングリコールなどを賦形剤として使用するソフト充填およびハード充填ゼラチンカプセルにおいて充填剤として採用されてもよい。
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固形投与剤型は、製剤技術分野で周知の腸溶性コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよびシェルで調製できる。それらは必要に応じて不透明化剤を含んでも良いし、腸管の特定の部位でのみ、またはそこで選択的に活性成分(複数を含む)を放出したり、必要に応じて時限放出性の様式で放出する組成物とすることもできる。使用できる埋め込み型組成物の例には重合性物質及びワックス類を含む。
同様のタイプの固形組成物は、乳糖またはミルク糖のみならず高分子量ポリエチレングリコールなどを賦形剤として使用するソフト充填およびハード充填ゼラチンカプセルにおいて充填剤として採用されてもよい。
活性化合物は、また、前記した1以上の賦形剤を使用してマイクロにカプセルに封入した形態とすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固形製剤は、製剤技術分野で周知の腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを使用して調製できる。そのような固形製剤では、活性化合物は、蔗糖、乳糖または澱粉などの、少なくとも1種の不活性希釈剤で混合されてもよい。そのような投薬製剤は、普通に行われているように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースなどの打錠用滑沢剤および他の打錠用補助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、投薬製剤はまた、緩衝剤を含んでもよい。それらは必要に応じて不透明化剤を含んでもよいし、腸管の特定の部位でのみ、またはそこで選択的に活性成分(複数を含む)を放出したり、必要に応じて時限放出性の様式で放出する組成物とすることもできる。使用できる埋め込み型組成物の例では重合性物質及びワックス類を含む。
本発明の化合物の局所的または経皮的な投与のための製剤は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、パウダー、溶液、スプレー、吸入剤あるいはパッチ剤を含む。活性成分は、薬学的に許容される担体および任意の必要とされる防腐剤または緩衝剤と、滅菌条件下で混合される。眼科用の製剤、点耳薬などもまた、本発明の範囲内のものと考えられる。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性の油脂、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、並びにそれらの混合物などの賦形剤を含んでもよい。
本発明の組成物は、また、液体のエアゾールあるいは吸入可能な乾燥粉末として送達させるために製剤化してもよい。液体のエアゾール製剤は、バクテリアが慢性気管支炎や肺炎のような気管支炎の患者に存在するところで、終末細気管支および呼吸細気管支に送達することができる粒子サイズへ主として噴霧化され得る。病原細菌は、気道を通って下方の気管支、細気管支および肺実質、特に終末細気管支および呼吸細気管支に、通常、存在する。感染悪化の間には、細菌はまた、肺胞中にも存在することができる。液体のエアゾールおよび吸入可能な乾燥粉末製剤は、気管支ツリーを通って終末細気管支および最終的には実質組織に送達されるのが好ましい。
本発明のエアゾール化製剤は、特定のジェット式振動多孔性プレートまたは超音波ネブライザなどのエアゾール形成器を使用して、好ましくは主として1μから5μの質量中位平均径を有するエアゾール粒子の形成を可能にするように選択されて送達される。さらに、この製剤は、釣り合いのとれた浸透圧イオン強度および塩化物濃度を有し、感染部位に本発明の化合物の有効な用量を送達し得る、最小のエアゾール容量を有する。さらに、このエアゾール製剤は、気道の機能を害することはなく、そして所望されない副作用も生じない。
本発明のエアゾール製剤の投与に適したエアゾール噴霧装置は、例えば、ジェット式振動多孔性プレート、超音波ネブライザおよび電気式乾燥粉末吸入器が挙げられ、これらは本発明の製剤を主として1μから5μのサイズ範囲のエアゾール粒子サイズへ霧状にすることができる。この適用手段において、「主として」とは、発生した全てのエアゾール粒子の少なくとも70%が、しかし、好ましくは90%超が、1μから5μ内にあることを意味する。ジェット式ネブライザは、液体溶液をエアゾール液滴に破壊する空気圧力によって作動する。振動式多孔性プレートネブライザは、溶媒液滴を多孔性プレートを通して押し出すための迅速に振動する多孔性プレートによって生じた音波真空を用いることによって作動する。超音波ネブライザは、液体に剪断をかけ小さなエアゾール液滴とする圧電性結晶によって作動する。種々の適切なデバイスが利用可能であるが、例えば、AeroNeb(登録商標)およびAeroDose(登録商標)振動式多孔性プレートネブライザ(AeroGen,Inc.,Sunnyvale,California)、Sidestream(登録商標)ネブライザ(Medic−Aid Ltd.,West Sussex,England)、Pari LC(登録商標)およびPari LC Star(登録商標)ジェットネブライザ(Pari Respiratory Equipment,Inc.,Richmond,Virginia)、およびAerosonicTM(DeVilbiss Medizinische Produkte(Deutschland)GmbH,Heiden,Germany)およびUltraAire(登録商標)(Omron Healthcare,Inc.,Vernon Hills,Illinois)超音波ネブライザが挙げられる。
また、本発明の化合物は、局所用粉末および噴霧剤として用いるために製剤化することもでき、該製剤は本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。噴霧剤は、さらにクロロフルオロハイドロカーボンのような慣用的な推進剤を含有することができる。
経皮パッチは、化合物の身体への制御された送達を供する付加的な利点を有する。そのような投与剤形は、当該化合物を適当な媒体に溶解または分注することによって調製することができる。また、吸収促進剤を用いて、皮膚を通過しての化合物の浸透を増加させることもできる。該速度は、速度制御膜を供することによって、または当該化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させることによって制御することができる。
本発明の治療方法によれば、所望の結果を達成するのに必要な量および時間で、治療的有効量の本発明の化合物を患者に投与することによって、ヒトまたは下等哺乳動物などの患者における細菌感染症を治療するか、または予防する。本発明の化合物の「治療的有効量」とは、任意の医療的治療に適用できる合理的な対危険便益比で、細菌感染症を治療するのに十分な量の化合物を意味する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の1日当たりの合計用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。いずれかの特定の患者のための特定の治療上有効な用量のレベルは、治療すべき疾患および疾患の重症度;使用する具体的化合物の活性;使用する特定の組成物;患者の年齢、体重、一般的健康、性別およびダイエット;投与時間、投与経路、および使用する特定の化合物の排泄速度;治療の継続;使用する特定の化合物と組み合わせる、または同時に用いる薬剤;医療分野でよく知られた同様な因子を含む種々の因子、に依存するであろう。
単一または分割用量で、ヒトまたは他の哺乳動物に投与される本発明の化合物の1日当たりの合計用量は、例えば、0.01から50mg/kg体重、またはより一般的には0.1から25mg/kg体重の量とすることができる。単一用量組成物は、1日当たりの用量を調製するためにそのような量またはその約数を含むことができる。一般に、本発明による治療方法は、単一または複数用量中の1日当たり本発明の化合物の約10mgから約2000mgをそのような治療を必要とする患者に投与することを含む。
以下の実施例は、本発明による半合成グリコペプチドの合成、特性および活性並びに適用に関する細部事項を提供するものである。以下の実施例は代表例のみであり、本発明がこれらの実施例において述べられた細かな事項によっては制限されるものではないことを理解すべきである。
(実施例1:Cbz−デスメチル−バンコマイシンの合成)
本発明による化合物のための保護された中間体である、Cbz−デスメチル−バンコマイシンを、それぞれ以下のスキーム1Aおよび1Bに図示され、それらに関して記載されるように、代替的な方法(方法AおよびB)によって合成した。
Figure 2008531713
デスメチル−バンコマイシン−Bocの合成
塩酸デスメチル−バンコマイシン(0.10mmol)、ジ−t−ブチル−ジカーボネート(0.11mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.20mmol)を、水/1,4−ジオキサンの1:1溶液(5mL)に溶解した。この溶液を室温で6時間攪拌し、次いで75mlのアセトン中に注いだ。沈殿をアセトン(2×10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Bocの合成
デスメチル−バンコマイシン−Boc(0.10mmol)およびNaHCO(0.20mmol)の1,4−ジオキサン/水(1:1、5mL)溶液に、氷で冷やし、攪拌しながら、塩化ベンジルオキシカルボニル(Cbz−Cl)(0.11mmol)を滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで75mLのアセトン中に注いだ。沈殿をアセトン(2×10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。
Cbz−デスメチル−バンコマイシンの合成(方法A)
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Boc(0.10mmol)を、クロロホルム(10mL)中に懸濁した。その混合物に、TFA(2mL)を溶液中にゆるやかに滴下した。その溶液を室温で20分間攪拌し、エーテル(50mL)中に注いだ。沈殿をエーテル(2×10mL)で洗浄した。粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程のために直接的に使用した。
Figure 2008531713
Cbz−デスメチル−バンコマイシンの合成(方法B)
塩酸デスメチル−バンコマイシン(0.10mmol)の1,4−ジオキサン/水溶液(1:1、5mL)に、NaHCO(0.20ml)を加え、次いで塩化ベンジルオキシカルボニル(Cbz−Cl)(0.11ml)を、氷で冷やしながら少量ずつ滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、75mlのアセトン中に注いだ。沈殿をアセトン(2×10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。Cbz−デスメチル−バンコマイシンの収率は、約70%であった。
(実施例2:本発明の化合物A(N−ビフェニル−メチル−デスメチル−バンコマイシン)の合成)
本発明による化合物である化合物Aを、以下のスキーム2に図示され、それに関して記載されるように合成した。
Figure 2008531713
Cbz−デスメチル−バンコマイシン(0.10mmol)および4−ビフェニルカルボキシアルデヒド(0.15mmol)を、DMF/MeOH(1:1、5mL)中に溶解した。反応溶液を65℃で24時間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.2mmol)を加え、65℃でさらに24時間攪拌した。反応溶液を冷却し、75mLのアセトン中に注いだ。沈殿を集め、乾燥させた。次いで、沈殿(0.10mmol)をDMA(7mL)中に溶解した。Pd/C(50mg、5%)を加えた。混合物を3時間水素化(約1atm、室温)した。触媒を濾過によって除き、溶液を80mLのアセトン中に注いだ。沈殿した固体Aを集め、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製した。
(実施例3:本発明の化合物B(N−クロロ−ビフェニル−メチル−デスメチル−バンコマイシン)の合成)
本発明による化合物である化合物Bを、以下のスキーム3に図示され、それに関して記載されるように合成した。
Figure 2008531713
Cbz−デスメチル−バンコマイシン(0.10mmol)、4−クロロ−ビフェニルカルボキシアルデヒド(0.15mmol)を、DMF/MeOH(1:1、5mL)中に溶解した。反応溶液を65℃で24時間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.2mmol)を加え、さらに24時間攪拌した。反応溶液を冷却し、75mLのアセトン中に注いだ。沈殿を集め、乾燥させた。次いで、沈殿(0.10mmol)をDMF(7mL)中に溶解した。Pd/C(5%、50mg)を加えた。混合物を3時間水素化(約1atm、室温)した。触媒を濾過により除き、溶液を80mLのアセトン中に注いだ。沈殿した固体Bを集め、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製した。
(実施例4:Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジルおよび化合物C(デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジル)の合成)
それぞれ本発明による化合物の保護された中間体および本発明による化合物である、Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジルおよびデスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジルを、以下のスキーム4に図示され、それに関して記載されるように合成した。
Figure 2008531713
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−Bocの合成
Cbz−デスメチル−バンコマイシン(0.10mmol)を、DMSO(2mL)中に溶解した。この溶液に、Boc−Gly−Osu(0.15mmol)を加えた。この溶液を室温で7時間攪拌し、40mLのアセトン中に注いだ。沈殿をアセトン(2×5mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させた。
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Glyの合成
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−Boc(0.10mmol)を、クロロホルム(10ml)中に懸濁した。この混合物に、TFA(2mL)を溶液中に緩やかに加えた。この溶液を室温で20分間攪拌し、50mLのエーテル中に注いだ。沈殿をエーテル(10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させ、さらに精製することなく使用した。
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジルの合成
Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly(0.10mmol)、p−(n−オクチルオキシ)ベンズアルデヒド(0.15mmol)を、DMF/MeOH(1:1、5mL)中に溶解した。反応溶液を65℃〜70℃で72時間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.2.mmol)を加え、さらに24時間攪拌した。反応溶液を冷却し、75mLのアセトン中に注いだ。Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジルを集め、乾燥させた。
デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジル(C)の合成
化合物Cbz−デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジル(184mg、0.1mmol)のDMF(7mL)溶液に、Pd/C(5%、50mg)を加えた。混合物を3時間水素化(1atm、室温)した。触媒を濾過により除き、溶液をアセトン(80mL)中に注いだ。沈殿を集め、DIKMA Intersil Prep−ODS(5μ粒子サイズ)C18カラム(10×50mm)を使用した分取HPLCによって精製し、0.1%TFAで緩衝化したアセトニトリル−水勾配で溶出させ、そして254nmにてUVによりモニタリングした。的確な画分をプールし、濃縮して、デスメチル−バンコマイシン−Gly−p−n−オクチルオキシベンジル(68.4mg、40%)を得た。
(表)
以下の表は、本発明による化合物の具体的な種およびそれに関連する抗菌活性に関する情報を同定する。本発明による化合物(N−ビフェニル−メチル−ノルバンコマイシン(A);N−クロロ−ビフェニル−メチル−ノルバンコマイシン(B)およびデスメチル−バンコマイシン−gly−p−n−オクチルオキシベンジル(C))の抗菌活性を試験し、修飾されていないバンコマイシン(Van)およびノルバンコマイシン(Nor)と比較した。MIC(最小発育阻止濃度)を、微量液体希釈法を使用して、NCCLS基準に従って測定した。その化合物の段階希釈を、Mueller−Hinton培地を含む96ウェルマイクロプレートに入れた。600nmの吸光度に基づいて、希釈した、一晩の培養物を、5×10cfu/mLの最終濃度でウェル中に入れた。次いで、このプレートを、35℃の培養ボックス中に入れた。翌日、MICを、そのプレートの視覚検査によって決定した。
上記グリコペプチドを、そのような試験のために当該分野で周知の種々の株に対して試験した。この株としては、メチシリン感受性Staphylococus aureus(MSSA)、メチシリン感受性Staphylococus epidermidis(MSSE)、メチシリン耐性Staphylococus aureus(MRSA)、メチシリン耐性Staphylococus epidermidis(MRSE)、およびグリコペプチド低感受性Staphylococus aureus(GISA)が挙げられる。結果を、μg/mlの単位で、最小発育阻害濃度(MIC)として表1に示す。
Figure 2008531713
(結論)
上記発明は、明瞭に理解されるようにかなり詳細に記載されているけれども、ある種の変更および改変は、添付した特許請求の範囲内で実行され得ることは明白である。従って、本発明の製法および組成物の両方を実施する多くの代替的方法があることに留意すべきである。従って、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないと考えるべきであり、本発明は本明細書中に与えられた詳細なものに限定されるべきではなく、添付した特許請求の範囲および均等物内において、改変されてもよい。

Claims (16)

  1. 以下:
    Figure 2008531713
    からなる群より選択される式を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、エスエル、溶媒和物、立体異性体、互変異性体もしくはプロドラッグであって、
    式中、Rは、C(=O)CR7aNR8aであり、式中、
    およびR7aは、独立して水素、天然もしくは非天然のアミノ酸の側鎖、アルキル、またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(=O)NR8a、−NR8a、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、メルカプト、またはチオアルコキシからなる群から選択される1以上の置換基で置換されたアルキルであるか、またはRおよびR7aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含んでいてもよく;
    およびR8aは、独立して、水素および非置換または置換された、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR8aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて、置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含み;
    1Aは、H、CHR5a、およびC(=O)Rからなる群より選択され、ここでRおよびR5aは、独立して、水素、および非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、該アリール、アリールアルキル、アルキルアリールまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリールまたは縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR5aは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群より選択されるヘテロ原子を必要に応じて含むシクロアルキル環を形成し、そして
    は、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ならびに必要に応じて置換されたO、NおよびSからなる群より選択されるヘテロ原子含むヘテロアリールからなる群より選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、1以上の必要に応じて置換されたアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含み;
    は、
    (1)OH、
    (2)1−アダマンタンアミノ、
    (3)2−アダマンタンアミノ、
    (4)3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、
    (5)1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、
    (6)3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、
    (7)1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノ、
    (8)アミノ、
    (9)NR9a(式中、RおよびR9aは、独立して水素、低級アルキルまたは置換低級アルキルからなる群から選択される)
    からなる群から選択されるか、または
    およびR9aは、それらが結合している原子と一緒になって3員から10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は、
    (a)ハロゲン、
    (b)ヒドロキシ、
    (c)C−C−アルコキシ、
    (d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
    (e)オキソ、
    (f)C−C−アルキル、
    (g)ハロ−C−C−アルキル、および
    (h)C−C−アルコキシ−C−C−アルキル
    からなる群から独立して選択される1以上の置換基で必要に応じて置換されていてもよく;
    2Aは、
    (1)1−アダマンタンアミノ、
    (2)2−アダマンタンアミノ、
    (3)3−アミノ−1−アダマンタンアミノ、
    (4)1−アミノ−3−アダマンタンアミノ、
    (5)3−低級アルキルアミノ−1−アダマンタンアミノ、
    (6)1−低級アルキルアミノ−3−アダマンタンアミノ
    から成る群から選択され;そして
    は、水素およびアミノ低級アルキルからなる群から選択され、該アミノ低級アルキルのアミノ基は、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルコキシ、および置換アリールオキシでさらに置換されている、
    化合物。
  2. が水素であり、かつR5aが、非置換または置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、該アリール、アルキルアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基は、必要に応じて置換された1以上のアリール、ヘテロアリール、または縮合環を必要に応じて含むか、またはRおよびR5aは、それらが結合している原子と一緒になってシクロアルキル環を形成し、該シクロアルキル環は、必要に応じて置換されたO、N、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子を必要に応じて含む、請求項1記載の化合物。
  3. 5aが、非置換のビフェニルである、請求項2記載の化合物。
  4. 5aが、ハロゲンで置換されたビフェニルである、請求項3記載の化合物。
  5. 5aが、クロロ−ビフェニルである、請求項4記載の化合物。
  6. 化合物N’−p−C17OBnHNCHCOデスメチル−バンコマイシン。
  7. 化合物N’−p−C17OBnHNCH(CH)COデスメチル−バンコマイシン。
  8. が、−CHCHNH−部分を含むβ−アミノ酸アナログである、請求項1記載の化合物。
  9. が、CHC(R)(R7a)(NR8a)からなる群から選択され、式中、R、R7a、R、およびR8aは、前記で定義した通りであるか、または−CR7aは、NR8aと一緒になってピロリジン環を形成する、請求項8記載の化合物。
  10. C(=O)CR7aNR8aが、アミノ酸部分からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
  11. 、RおよびR8aがそれぞれHであり、R7aが、H、CH、CH(CH、CHCH(CH、CH(CH)CHCH、(CHNH、CHOH,CH(OH)CH、CHCOOH、(CHCOOH,CHC(=O)NH、(CHC(=O)NH、CHSH、(CHSCH、(CHNHC(=NH)NH、CH,CHOH、CH(4−イミダゾリル)およびCH(3−インドリル)からなる群より選択されるか、または−CR7aがNR8aと一緒になって、ピロリジン環を形成する、請求項10記載の化合物。
  12. がHであり、かつ
    7aが、
    (1)水素、
    (2)C−C12−アルキル、および
    (3)C−C12−アルキルであって、
    (a)ハロゲン、
    (b)ヒドロキシ、
    (c)C−C−アルコキシ、
    (d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
    (e)−CO(式中、Rは水素、低級アルキルまたは置換された低級アルキルである)、
    (f)−C(=O)NR9a
    (g)アミノ、および
    (h)−NR9a、または
    およびR9aは、それらが結合している原子と一緒になって、3員から10員のヘテロシクロアルキル環を形成し、該環は必要に応じて
    (i)ハロゲン、
    (ii)ヒドロキシ、
    (iii)C−C−アルコキシ、
    (iv)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
    (v)オキソ、
    (vi)C−C−アルキル、
    (vii)ハロ−C−C−アルキル、および
    (viii)C−C−アルコキシ−C−C−アルキル
    からなる群から独立して選択される1以上の置換基で場合により置換されており、
    (i)アリール、
    (j)置換アリール、
    (k)ヘテロアリール、
    (l)置換ヘテロアリール、
    (m)メルカプト、および
    (n)C−C−チオアルコキシ
    からなる群から選択される1以上の置換基で置換されたC−C12アルキル、
    からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
  13. およびR8aが、それぞれ独立して、
    (1)水素、
    (2)C−C12−アルキル、および
    (3)C−C12−アルキルであって、
    (a)ハロゲン、
    (b)ヒドロキシ、
    (c)C−C−アルコキシ、
    (d)C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、
    (e)アミノ、および
    (f)C−C−アルキルアミノ
    からなる群から選択される1以上の置換基で置換されている、C−C12−アルキル、
    (4)アリールで置換されているC−C12−アルキル、
    (5)置換アリールで置換されているC−C12−アルキル、
    (6)ヘテロアリールで置換されているC−C12−アルキル、および
    (7)置換ヘテロアリールで置換されているC−C12−アルキル
    からなる群から独立して選択されるか;または
    およびR8aは、それらが結合する原子と一緒になって、C−C−ヘテロシクロアルキル環を形成し、該環が5員から7員の環であるときは、−O−、−NH、−N(C−C−アルキル−)−、−N(アリール)−、−N(アリール−C−C−アルキル−)−、−N(置換−アリール−C−C−アルキル−)−、−N(ヘテロアリール)−、−N(ヘテロアリール−C−C−アルキル−)−、−N(置換−ヘテロアリール−C−C−アルキル−)−、および−S−またはS(=O)−(式中、nは1または2である)からなる群から選択されるヘテロ官能基を必要に応じて含む、請求項1記載の化合物。
  14. 治療的有効量の請求項1記載の化合物を、薬学的に許容される担体と一緒に含む、医薬組成物。
  15. 抗菌学的有効量の請求項1記載の化合物と薬学的に許容される担体とを哺乳動物に投与することを含む、そのような治療を必要とする哺乳動物の治療方法。
  16. デスメチル−バンコマイシン骨格:
    Figure 2008531713
    を、
    (a)該化合物のアミノ置換糖部分におけるアミノ置換基の、構造−C(=O)CR7aNR8aを有するアシル基によるアシル化、
    (b)該化合物の大環状の環における酸部分の、Rによって定義される置換アミドによる変換;
    (c)(a)と(b)との組み合わせ;
    (d)(b)と、該化合物のアミノ置換糖部分におけるアミノ置換基の、構造−C(=O)Rを有するアシル基によるアシル化との組み合わせ、
    (e)(b)と、該化合物のアミノ置換された糖部分におけるアミノ置換基の、構造CHR5aを有するアルキル基によるアルキル化、
    からなる群から選択される技術によって修飾し、式:
    Figure 2008531713
    (式中、R、R、R、R、R、R5a、R、R、R7a、R、およびR8aは、本明細書で定義した意味を有する)
    からなる群より選択される式を有する化合物を形成させることを含む、請求項1記載の化合物の製造方法。
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