JP2007500222A - 架橋グリコペプチド−セファロスポリン抗生物質 - Google Patents
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Abstract
Description
(発明の分野)
本発明は、抗生物質として有用な新規架橋バンコマイシン−セファロスポリン化合物に関する。本発明はまた、このような化合物を含有する薬学的組成物;このような化合物を抗細菌剤として使用する方法;ならびにこのような化合物を調製するために有用なプロセスおよび中間体に関する。
種々のクラスの抗生物質化合物は、当該分野において公知であり、これらの化合物としては、例えば、β−ラクタム抗生物質(例えば、セファロスポリン)およびグリコペプチド抗生物質(例えば、バンコマイシン)が挙げられる。架橋抗生物質化合物はまた、当該分野において公知である。例えば、W.L.Truettに対して発行され、そして「Antibiotics and Process for Preparation」と題された米国特許第5,693,791号;1999年12月16日に発行され、そして「Novel Antibacterial Agents」と題されたWO 99/64049 A1を参照のこと。さらに、2003年4月17日に発行され、そして「Cross−Linked Glycopeptide−Cephalosporin Antibiotics」と題されたWO 03/031449 A2は、セファロスポリン基のオキシム部分に共有結合したグリコペプチド基を有する化合物を開示している。
本発明は、抗生物質として有用な架橋グリコペプチド−セファロスポリン化合物を提供する。本発明の化合物は、独自の化学構造を有し、この化学構造において、グリコペプチド基は、セファロスポリン基のピリジニウム部分に共有結合している。特性のなかでもとりわけ、本発明の化合物は、メチシリン耐性Staphylococci aureus(MRSA)を含むグラム陽性細菌に対して、驚くべき予測されなかった能力を有することが見出されている。
X1およびX2の各々は、独立して、水素またはクロロであり;
Wは、NおよびCClからなる群より選択され;
R2は、水素またはC1〜6アルキルであり;
R4およびR5のうちの一方は、ヒドロキシであり、そして他方は、水素であり;
R6およびR7の各々は、独立して、水素またはメチルであり;
R8は、水素または式:
R9は、水素、C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルから選択され、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、−COOHまたは1個〜3個のフッ素原子で置換され得;
各R3は、独立して、C1〜6アルキル、−OR、ハロ、−SR、−S(O)R、−S(O)2Rおよび−S(O)2ORから選択され、ここで、各Rは、独立して、C1〜6アルキルであり、このC1〜6アルキルは、COOHまたは1個〜3個のフッ素原子で置換され得;
nは、0、1、2または3であり;
xは、0、1または2であり;
yは、0、1または2であり;
Raは、−Y−R”−であり、ここで、
R”は、C1〜12アルキレン、C2〜12アルケニレン、C2〜12アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、C6〜10アリーレン、C2〜9ヘテロアリーレン、C3〜6複素環およびその組み合わせから選択され、そして必要に応じて、Zから選択される1個〜2個の基で置換され、ここで、Zは、−OR’、−SR’、−F、−Cl、−N(R’)2、−OC(O)R’、−C(O)OR’、−NHC(O)R’、−C(O)N(R’)2、−CF3および−OCF3、ならびに天然に存在するアミノ酸の側鎖からなり、ここで、各R’は、独立して、水素またはC1〜4アルキルであり;そしてR”は、最も多くて20個の非水素原子を含み;
Yは、メタ位またはパラ位でR”をピリジニウム環に結合し、直接結合、NR’、O(エーテル)、S(スルフィド)、C(O)(カルボニル)、NR’(CO)およびC(O)NR’から選択されて、Yにおけるヘテロ原子とR”におけるヘテロ原子とも間の直接結合を除外し;
各RbおよびRdは、独立して、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルおよびC2〜6アルキニルからなる群より選択され;
各Rcは、独立して、−Y’−R”−Y’−であり、ここで、各Y’は、独立して、直接結合、O(エーテル)およびNR’からなる群よりされ、Y’におけるヘテロ原子とR”におけるヘテロ原子との間の直接結合を除外し;そして
各Reは、独立して、上記R”により規定される基から選択される。
Wは、NおよびCClからなる群より選択され;
R9は、水素、C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルから選択され、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、−COOHまたは1個〜3個のフッ素原子で置換され得;
ピリジニウム環は、メタ置換またはパラ置換を有し
R10は、水素またはC1〜6アルキルであり;そして
R11は、C1〜12アルキレンである。
本発明は、式Iもしくは式IIの新規グリコペプチド−セファロスポリン化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。これらの化合物は、複数のキラル中心を有し、そして、この点において、上記化合物は、示される立体化学を有することが意図される。特に、上記化合物のグリコペプチド部分は、対応する天然に存在するグリコペプチド(すなわち、バンコマイシン、クロロオリエンチシンAなど)の立体化学を有することが意図される。上記分子のセファロスポリン部分は、公知のセファロスポリン化合物の立体化学を有することが意図される。しかし、示されるものとは異なる立体化学を有する少量の異性体が、本発明の組成物中に存在し得、ただし、全体としての上記組成物の有用性は、このような異性体の存在によってそれほど減少されないことを、当業者は理解する。
(定義)
以下の用語は、本明細書中で使用される場合、別に示されなければ、以下の意味を有する:
用語「アルキル」とは、一価飽和炭化水素基をいい、直鎖状でも分枝していてもよい。別に規定されなければ、このようなアルキル基は、代表的に、1個〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキル基としては、例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。
(a)上記疾患または医学的状態の発症を防止する工程(すなわち、患者の予防処置);
(b)上記疾患または医学的状態を改善する工程(すなわち、患者における上記疾患もしくは医学的状態を除去する工程またはその後退を引き起こす工程);
(c)上記疾患または医学的状態を抑制する工程(すなわち、患者における上記疾患もしくは医学的状態の進行を遅延させる工程または妨げる工程);あるいは
(d)患者における上記疾患または医学的状態の症状を軽減する工程
を包含する。
以下の置換基および値は、本発明の種々の局面の代表的な例および実施形態を提供することを意図する。これらの代表的な値は、このような局面および実施形態をさらに規定することを意図し、そして他の実施形態を除外することも本発明の範囲を限定することも意図しない。この点において、特定の値または置換基が好ましいという説明は、特に示されない限り、どのような方法においても、他の値または置換基を本発明から除外することを意図しない。
本発明の架橋グリコペプチド−セファロスポリン化合物は、容易に入手可能な出発物質から、好ましくは、本明細書中に記載される中間体化合物1〜5を介して、調製され得る。代表的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応の温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が与えられるが、特に言及されない限り、当業者に決定されるような他のプロセス条件もまた使用され得ることが理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒によって変化し得るが、このような条件は、慣用的な最適化手順によって、当業者により容易に決定され得る。
本発明の架橋グリコペプチド−セファロスポリン化合物は、代表的に、薬学的組成物の形態で患者に投与される。従って、その組成物局面の1つでは、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と、式Iもしくは式IIの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の治療有効量とを含有する薬学的組成物に関する。
注射可能溶液の調製に適した凍結溶液を以下のとおりに調製する。
活性化合物 10〜1000mg
賦形剤(例えば、デキストロース) 0〜50g
注射用水 10〜1000mL
(代表的手順)
賦形剤(もしあるならば)を、約80%の注射用水に溶解し、活性化合物を添加し、溶解する。pHを1M水酸化ナトリウムで3〜4.5に調整し、次いで容量を、注射用水を用いて最終容量の95%に調節する。pHを確認し、必要な場合調節し、そして容量を、注射用水を用いて最終容量に調節する。次いで、処方物を0.22ミクロンフィルタを通して滅菌濾過し、無菌条件下で、滅菌バイアル中に入れる。このバイアルをキャップし、ラベルし、そして凍結貯蔵する。
注射可能溶液の調製に適切な脂質化粉末を、以下のとおりに調製する。
活性化合物 10〜1000mg
賦形剤(例えば、マンニトールおよび/またはスクロース) 0〜50g
緩衝材(例えば、クエン酸塩) 0〜500mg
注射用水 10〜100mL
(代表的な手順)
賦形剤および/または緩衝剤(もし、あるならば)を、約60%の注射用水に溶解する。活性化合物を添加して溶解し、そのpHを、1M水酸化ナトリウムを用いて3〜4.5に調節して、その容量を注射用水を用いて最終容量の95%に調節する。pHを確認し、必要な場合調節し、そして容量を注射用水を用いて最終容量に調節する。次いで、この処方物を0.22ミクロンのフィルタを通して滅菌濾過し、無菌条件下にて滅菌バイアルに入れる。次いで、この処方物を適切な凍結乾燥サイクルを使用して凍結乾燥する。このバイアルをキャップし(必要に応じて、部分的減圧下、または乾燥窒素下)、ラベルし、そして凍結下で貯蔵する。
患者への静脈内投与のための注射可能溶液を、上記処方実施例Bより、以下のとおりに調製する。
処方実施例Bの凍結乾燥粉末(例えば、10〜1000mgの活性化合物を含有する)を、20mLの滅菌水で再形成し、得られた溶液を、100mL中の注入バッグ内で80mLの滅菌生理食塩水でさらに希釈する。次いで、この希釈した溶液を、30〜120分間に渡って患者に静脈内投与する。
本発明の架橋グリコペプチド−セファロスポリン化合物は、抗生物質として有用である。例えば、本発明の化合物は、細菌感染、および哺乳動物(ヒトおよびペット(すなわち、イヌ、ネコなど)を含む)において本発明の化合物に感受性の微生物により引き起こされる他の細菌関連の医学的状態の処置または予防に有用である。
以下の合成実施例および生物学的実施例は、本発明を例示するため提供されるが、いかなる場合においても本発明の範囲を制限するようには解釈されるべきではない。
CFU = コロニー形成ユニット
DCM = ジクロロメタン
DIPEA = ジイソプロピルエチルアミン
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
EtOAc = 酢酸エチル
HOBT = 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HOAT = 1−ヒドロキシ−7アザベンゾトリアゾール
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
MIC = 最少阻害濃度
MS = 質量分析
PMB = p−メトキシベンジル
PyBOP = ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
TFA = トリフルオロ酢酸
以下の実施例において、記録された全ての温度は、他に指示されない限り、セ氏温度(℃)である。また、他に注記されない限り、試薬、出発物質および溶媒を、市販業者(例えば、Aldrich,Fluka,Sigmaなど)から購入し、さらに精製することなく使用した。バンコマイシン塩化物の半水和物をAlpharma,Inc.,Fort Lee,NJ07024(Alpharma AS、Oslo、Norway)から購入した。
(4a:(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセトアミド]−3−[((4−エチルアミノ)メチル)−1−ピリジノ)メチル]−3−セフェン−4−カルボキシレート ビス−トリフルオロ酢酸塩の調製)(図2および図3を参照のこと)
(A.2−アミノ−5−クロロ−α−(メトキシイミノ)−4−チアゾール酢酸(6)の調製)
500mLの酢酸に、40.0g(0.20mol)の2−アミノ−α−(メトキシイミノ)−4−チアゾール酢酸(Ardrich Chemical Company,Milwaukee,WI)および27.9g(0.21mol)のN−クロロスクシンイミドを添加した。この混合物を、70℃の浴中で加熱した。その固形物を30分以内に溶解し、そして45分後にこの反応をMSにより完了した。この黒色溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、黒色の固形物を得て、この固形物を精製することなく使用した。
700mLのDMF中の47.5g(0.20mol)の(6)に、81.1g(0.20mol)のアミノセファロスポリンエステル(7)(Otsuka,Osaka,JP)および27.0g(0.20mol)のHOATを添加した。この混合物を0℃まで冷却し、そして26.7g(0.22mol)の2,4,6−コリジンを添加した。この溶液に、42.2g(0.22mol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDAC)を添加した。5時間後、この溶液を、1:1のEtOAc/エーテルと水とに分配し、この相を分離した。この水溶液をEtOAcで2回逆抽出した。合わせた有機相を0.5Mのクエン酸、水、50%飽和NaHCO3、水、およびブラインで各々1回洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。この残渣を最少容量の塩化メチレンに溶解し、この生成物を、その溶液をエーテルに注ぐことにより沈澱させた。この固形物を濾過により単離して、48gの化合物(8)を得た。
400mLの1,2−ジクロロエタン中の48.5g(82.7mol)のクロロメチルセファロスポリンエステル8および40mLのアニソールに、300mLのTFAを添加した。40分後、この溶液を減圧下で1/2の容量に濃縮し、生成物を、この濃縮物を1Lのエーテルに注ぐことにより沈澱させた。この固形物を、濾過により単離し、エーテルでリンスし、乾燥して42.5gの粗製遊離酸を得た。この物質(25.0g、53.6mol)を200mLの1:1のアセトニトリルDMFに溶解した。この溶液に、10.1g(83.3mmol)の2,4,6−コリジン、および15.2g(64.5mmol)の4−(N−t−ブトキシカルボニル)−エチルアミノメチルピリジン(9)(従来の手順により、4−エチルアミノメチルピリジンより調製、これは、Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WIより市販されている)を添加した。3.5時間後、生成物を、この溶液を1Lのエーテルに注ぐことにより沈澱させた。この固形物を、濾過により単離し、エーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して26gの粗製物質を得た。この生成物を、分取逆相HPLCにより精製し、化合物10をオフホワイトの粉末として得た。
610mg(0.78mmol)の化合物10および1mLのアニソールに、8mLのトリフルオロ酢酸を添加した。20分後、この反応物を100mLのエーテルに注ぐことにより、その生成物を沈殿させた。この固体を濾過により単離し、エーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥し、淡黄色固体として4aを得た。
(4bの調製:(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセトアミド]−3−[(4−(アミノエチル)−1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレート ビス−トリフルオロ酢酸塩)
(A.2−アミノ−5−クロロ−α−(メトキシイミノ)−4−チアゾール酢酸(6)の調製)
500mLのDMFに、50.0g(250mmol)の2−アミノ−α−(メトキシイミノ)−4−チアゾール酢酸および35g(260mmol)のN−クロロスクシンイミドを添加した。この混合物を室温で一晩攪拌し、その後質量スペクトル分析がもはや出発物質が存在しないことを示した。この淡褐色の溶液を、さらなる操作なしに使用した。
工程(a)からのDMF(101.5g、250mmol)中の酸6の溶液に、アミノセファロスポロン酸エステル7(34g、250mmol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、そして33.5mL(250mmol)の2,4,6−コリジンを添加した。この溶液に、53g(275mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を添加した。2時間後、その溶液を3Lの水に沈殿させ、濾過した。この固体を水(2×1L)、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)および水(4×500mL)で洗浄し、真空下で乾燥した。乾燥した固体を、室温で500mLの塩化メチレンに溶解させ、その溶液をゆっくりと攪拌し、沈殿を形成させた。結晶を濾過により回収し、洗浄液がもはや褐色でなくなるまで塩化メチレンで洗浄し、そして真空下で乾燥し、アミド8(74g)を得た。
アセトン(250mL)を、窒素下、暗所で50g(85mmol)のクロロメチルセファロスポリンエステル8および13g(85mmol)のヨウ化ナトリウムの混合物に添加した。30分間の攪拌後、27g(130mmol)の4−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノメチルピリジンおよび30mLのアセトンを添加した。さらなる2時間の攪拌後、1.4Lの0.1N HClを添加し、粘着性の沈殿を生成した。溶媒部分を傾斜し、そして粘着性の残渣を800mLの水で処理し、固体を得た。その水を傾斜し、そしてその固体を1Lの4:1 酢酸エチル/エタノールに溶解した。その溶液を500mLの飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥状態までエバポレートし、70g(79mmol、93%)の生成物(10に類似、NEtBOCの代わりに−NHBOCを有する)を得、その生成物は、HPLC(254nm)で決定した場合、78%の純度を有した。
(2aの調製:C−アミノエチルアミドバンコマイシン(R2、R5、R6、R8がHであり;R4がOHであり;R7がMeであり;X1、X2がClであり;RdがHであり;Reが−CH2CH2−である構造2))
75mLのDMSO中の塩酸バンコマイシン一水和物(7.3g、4.7mmol)の溶液に、室温で、4.1mL(23.5mmol)のDIPEAを添加し、続いて1.8g(5.6mmol)の9−フルオレニルメチル N−(2−アミノエチル)カルバメート塩酸塩(Fmoc−NH−CH2−CH2−NH3Clを添加した(図3を参照のこと)。75mLのN,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)中のPyBOP(2.7g、5.2mmol)およびHOBT(0.63g、4.7mmol)の溶液を、次いで手早く滴下した。この生成した溶液を、室温で2時間攪拌し、次いで800mLのジエチルエーテルに注ぎ、ゴム状物を得た。このエーテルを傾斜し、このゴム状物をさらなるエーテルで洗浄し、粗[C]−(2−Fmoc−アミノエチル)バンコマイシンを得た。
(化合物Iaの調製)
上の実施例1に記載したように調製したピリジニウムラクタムビストリフルオロアセテート4a(2.4g)を、窒素下でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、40mL)に溶解し、0℃まで冷却した。ドデカン二酸ビス−1−ヒドロキシ−7−アザトリアゾールエステル(7.0g)を添加し(11)、続いて2,4,6−コリジン(1.2mL)を添加し、そしてこの混合物を65分間攪拌し、次いで酢酸エチル(50mL)に添加し、そしてこの混合物をジエチルエーテル(400mL)中に沈殿させた。この活性化エステルラクタム5aを濾過により回収し、そして真空下で乾燥し、そして一部(14mg)をDMF(122μL)中に溶解し、0℃で、DMF(500μL)中の、実施例3に記載するように調製したC−アミノエチルアミドバンコマイシントリフルオロアセテート2a(50mg)および2,4,6−コリジン(5.4μL)の混合物に添加した。この混合物を20分間0℃に保ち、次いでトリフルオロ酢酸(7.3μL)を添加した。この混合物を−20℃に一晩保ち、次いで逆相HPLCにより精製し、生成物Iaを得た。
(化合物Ibの調製)
窒素下、室温で1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(740mg)、1−ヒドロキシ−7−アザトリアゾール(520mg)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニン(660mg)をDMF(10mL)中で7時間攪拌し、次いで0℃まで冷却した。ピリジニウムラクタムビストリフルオロアセテート4a(2g)(実施例1を参照のこと)を添加し、それが完全に溶解するまで攪拌し、次いで2,4,6−コリジン(700μL)を添加し、そしてこの混合物を0℃で100分間攪拌した。トリフルオロ酢酸(700μL)および水(30mL)を添加し、この生成物を逆相HPLCで精製した。凍結乾燥後、この生成物を20mLの50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタンで40分間処理した。このラクタムアミン3a(図4を参照のこと)を、ジエチルエーテル中への沈殿によって、そのビストリフルオロアセテート塩として回収し、真空下で乾燥した。
(化合物Icの調製)
この化合物を、N−BOC−β−アラニンの代わりに6−(N−BOC)アミノヘキサン酸に変えて、実施例5に記載した手順に従って調製した。
(化合物Idの調製)
窒素下、室温で塩酸バンコマイシン一水和物1a(900mg)を、ジメチルスルホキシド(5mL)に溶解し、1−ヒドロキシ−7−アザトリアゾール(80mg)を添加し、続いてDMF(5mL)中のPyBOP(300mg)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(100μL)を添加した。この混合物を20分間攪拌し、トリフルオロ酢酸(45μL)を添加し、そしてこの混合物を0℃に冷却した。ピリジニウムラクタムビストリフルオロアセテート4c(250mg)(ピリジン上でのメタ置換を除いて4bと同一;図5を参照のこと)を添加し、続いて2,4,6−コリジン(270μL)を添加し、そしてこの混合物を0℃で30分間攪拌し、次いでアセトニトリル中に沈殿させた。粗生成物を遠心分離により回収し、逆相HPLCにより精製し、生成物Idを得た。
(化合物Ieの調製)
(A.3bの調製(WがClであり、R9がMeであり、nが0であり、RaがCH2であり、Rbが水素であり、Rcが−CH2CH(COOH)−であり、R2が水素であり、そしてxが1である構造3))
HOAT(56mg、0.2mmol)、PyBOP(208mg、0.2mmol)およびN−BOCアスパラギン酸α−tert−ブチルエステルをDMF(500μL)中に溶解した。DIPEA(70μL、0.2mmol)を次いで添加し、そしてその反応物を室温で20分間攪拌した。この反応物を次いで−10℃まで冷却し、そしてTFA(32μL、0.2mmol)を添加した。C3−ピリジニウムセファロスポリン4b(306mg、0.2mmol)をこの反応物にDMF(500μL)中の溶液として添加した。コリジン(160μL、0.6mmol)を添加し、この反応物を−10℃で1時間攪拌した。この反応混合物を真空中で濃縮し、次いで逆相HPLC(60分間にわたる10〜90%勾配)を用いて精製し、凍結乾燥の後で、保護されたセファロスポリンアスパラギン酸誘導体のTFA塩を、白色の非晶質粉末(193mg)として得た。この生成物(162mg)をTFA(10mL)中に溶解し、室温で60分間攪拌した。この反応物を真空中で濃縮し、そしてこの残渣をCH3CN/H2O(1:1;0.1%TFA)に溶解し、凍結乾燥し、所望の脱保護されたセファロスポリンアスパラギン酸誘導体(3b)のTFA塩を白色固体(92mg)として得た。
塩酸バンコマイシン1a(0.32g、0.21mmol)を3mLのDMSO中に溶解した。PyBOP(0.11g、0.21mmol)およびHOAT(0.03g、0.21mmol)の0.5mL DMF溶液を添加し、続いてDIPEA(0.04mL、0.21mmol)を添加した。この反応物を30分間攪拌し、次いでTFA(0.02mL、0.21mmol)を添加し、そしてこの混合物を0℃まで冷却した。DMF(1mL)中の3b(0.15g、0.17mmol)(図6を参照のこと)の溶液を次いで添加し、続いてコリジン(0.08mL、0.63mmol)を添加した。この反応物を4℃で一晩攪拌し、次いでEtOAcから沈殿させ、遠心分離し、そして生成した固体をMeCNで洗浄した。所望の化合物をHPLC(2〜30% MeCN)により精製し、0.3gのIeを白色固体として得た。
(化合物Ifの調製)
塩酸バンコマイシン1a(134.0mg、0.09mmol)およびHOAT(12.3mg、0.09mmol)を含む0.6mLのDMSOの溶液に、0.6mLのDMF中のPyBOP(46.9mg、0.09mmol)の溶液を添加し、続いてジイソプロピルエチルアミン(31.4μL、0.2mmol)を添加した。周囲温度での20分間の攪拌の後、0℃で冷却しつつ、この反応混合物をTFA(13.9μL、0.2mmol)で処理した。バンコマイシンのこの活性化エステルに、69mg(0.09mmol)のピリジニウムラクタム4aおよびコリジン(51.3μL、0.4mmol)を添加した。この最終混合物を室温で3時間攪拌し、その後TFA(33.4μL、0.40mmol)でクエンチした。この粗生成物を、酢酸エチルを添加することにより、反応混合物から沈殿させた。この固体を遠心沈降させることにより回収し、乾燥し、そして分取HPLCにより精製した。この所望の生成物Ifを、白色の綿毛状固体(89mg)として得た。
(化合物Ikの調製(化合物Ifのdes−クロロアナログ))
ヨウ化ナトリウム(0.271g、1.81mmol)を、光から保護してアセトン25mLに溶解したセファロスポリン−β−ラクタム12(0.999g、1.81mmol)(図7を参照のこと)の溶液に添加し、窒素下で攪拌した。25分後、4−(N−BOC−アミノメチル)ピリジン(0.390g、1.87mmol)を添加し、そしてその反応物を2時間攪拌した。この生成物を大過剰の酢酸エチルで沈殿させ、濾過により回収した。
(化合物Igの調製(化合物Ibのdes−クロロアナログ))
(A.N−エチル−N−(4−ピリジルメチル)−3−(N−BOC)−アミノプロパンアミド(13)の調製)
DCM(50mL)中のN−t−BOC−β−アラニン(4.678g、24.7mmol)の溶液に、ジイソプロピルカルボジイミド(3.87g、24.7mmol)を添加した。この混合物を氷浴で冷却し、そして4−(エチルアミノメチル)ピリジン(3.37g)を添加した。この反応混合物を、次いで3.5時間攪拌した。この固体を濾過により除去し、そして濾液を水で洗浄し、真空下で乾燥し、5.34gの標題中間体を得た。
ヨウ化ナトリウム(0.485g、3.22mmol)を、光から保護しかつ窒素下でアセトン(50mL)に溶解したセファロスポリン−β−ラクタム12(2.031g、3.22mmol)(図8を参照のこと)の溶液に添加した。20分後、上に記載したように調製した、アセトン(10mL)中の13(1.29g、3.40mmol)を添加し、そしてこの反応物を6時間攪拌した。この生成物を大過剰の酢酸エチルを用いて沈殿させ、濾過により回収した。この生成物(1.70g、1.90mmol)をDCM(5mL)に溶解し、そしてアニソール(0.825mL、7.6mmol)およびTFA(5mL、64.9mmol)を添加した。この反応混合物を、次いで窒素下、室温で1時間攪拌した。この生成物をジエチルエーテルを用いて沈殿させ、遠心分離し、そしてこのペレットをジエチルエーテルで2回洗浄して乾燥し、1.7gの3cのTFA塩(WがCHであることを除いて3aと同一である)を得た。
(化合物Ijの調製(化合物Idのdes−クロロアナログ))
ヨウ化ナトリウム(1.4g、9.1mmol)を、35mLのアセトン中の(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−チアゾール−4−イル)−2−(メトキシイミノ)アセトアミド]−3−(クロロメチル)−3−セフェム−4−カルボキシレート(5g、9.1mmol)に添加した。この反応容器を箔中に包み、この反応物を1時間攪拌した。5mLのアセトン中の3−アミノメチルピリジン(2.8g、13.8mmol)の溶液を添加し、この反応物を70分間攪拌し、次いでエーテル中に沈殿させ、5.4gの粗収量の4e(WがCHであることを除いて4cと同一である)を得た。この固体(4.4g)を20mLのDCMに懸濁し、20mLのTFAを添加した。この反応混合物を室温で90分間攪拌し、次いで濃縮した。得られた油状物をエーテルから沈殿させ、分取HPLC(2〜10% MeCN)により精製し、0.6gの4eのTFA塩を白色の綿毛状固体として得た。
J.Antibiotics 53(10):1061(2000)に従って調製した2−アミノ−α−(メトキシイミノ)−4−チアジアゾール酢酸(15)(4.0g、19.8mmol)を、50mL DMF中の、Bull.Chem.Soc.Jpn.43:2925−33(1970)に従って調製したセファロスポリン誘導体14(8.42g、20.79mmol)(図9を参照のこと)およびHOAT(3.33g、21.78mmol)と混合した。その水溶液を窒素でパージし、0℃に冷却して、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(3.99g、20.79mmol)、続いて1,3,5−コリジン(2.75mL、20.79mmol)を添加した。その水溶液を、0℃で2時間攪拌し、次いで、その反応混合物を、300mLの水の中に注いだ。その結果として生じた固体を、濾過し、飽和NaHCO3水溶液で粉砕し、再び濾過し、水で2回洗浄し、そして一晩、空気乾燥し、灰色がかった白色の粉末としてセファロスポリン中間体16を得た。この化合物を、さらに精製することなく使用した。
クロロ化合物16(4.0g、7.23mmol)を、4−t−BOC−アミノメチルピリジン(2.26g、10.85mmol)およびヨウ化ナトリウム(1.08g、7.23mmol)と一緒にフラスコの中に入れ、窒素でパージした。アセトン(60mL)を添加し、その反応混合物を、室温で2時間攪拌し、次いで、300mLの0.2M HClの中に注ぎ、結果としてフラスコの側面に赤いゴムの形成物が生じた。アセトンをデカントし、そのゴムを減圧下で乾燥させた。乾燥させるとすぐに、その残渣を20mLのDCMに溶解して、TFA(20mL)を添加した。その反応液を1時間攪拌し、その後、LC/MS解析によって脱保護が完了したことが示された。この溶液を次いで、200mLのEt2Oに注ぎ、生じた沈殿物を濾過し、Et2Oで洗浄し、そして減圧下で乾燥させた。乾燥させるとすぐに、粗製固体を、100mLの水で3時間、粉砕した。この水溶液を濾過し、そして生成物を凍結乾燥して、bis−TFA塩として粗製化合物4f(WがNであることを除いて4bと同一)を得た。その化合物を、さらに精製することなく使用した。
塩酸バンコマイシン(0.2g、0.135mmol)およびHOAt(20.6mg、0.135mmol)を、2mLのDMSO中に溶解した。この溶液に2mLのDMF中のPyBOP(70.2mg、0.0135mmol)の溶液を添加した。DIPEA(23.5μL、0.135mmol)を添加し、溶液を室温で20分間攪拌した。この時間の後、1mLのDMF中の4fの溶液(49mg、0.0675mmol)を添加し、その溶液を0℃に冷却した。次いで、1,3,5−コリジン(62.5μL、0.473mmol)を添加し、その溶液を0℃で45分間攪拌した。次いで、TFA(150μL)を添加し、その溶液を70mLのEt2Oの中に注いだ。生じた沈殿物を濾過し、Et2Oで洗浄し、そして減圧下で乾燥させた。その生成物を、逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥によって単離して、トリ−TFA塩としてImを得た。
(実施例14:化合物Inの調製)
DMF(100mL)中の2−アミノ−α−(トリチロキシイミノ)−4−チアゾール酢酸(17)(15.60g、36.3mmol)(2−アミノ−α−(ヒドロキシイミノ)−4−チアゾール酢酸エチルのトリチル化、続いて、加水分解によって調製した)の攪拌した溶液に、4.85g(36.3mmol)のN−クロロスクシンイミドを添加した(図10を参照のこと)。その反応混合物を、室温で15時間、攪拌し、次いで、水(500mL)の中に注ぎ、沈殿した固体を濾過して乾燥させ、灰色がかった白色の固体として5−クロロ化合物(15.11g、90%)を得た。
250mLのDMF中のこの化合物(28.0g、60mmol)の攪拌した溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(12.7g、66mmol)、HOBT(9.0g、66mmol)および2,4,6−コリジン(8.8mL、66mmol)を添加した。その反応混合物を0℃に冷却し、5分後、14(実施例13;図9を参照のこと)(24.4g、60mmol)を添加した。3.5時間後、その反応混合物を、酢酸エチル(1200mL)で希釈し、1.0M HCL(250mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(250mL)およびブライン(250mL)で洗浄した。有機層を、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空化で濃縮して、灰色がかった白色の固体としてセファロスポリン中間体18(43.2g、88%)を得、それをさらに精製することなく使用した。
ヨウ化ナトリウム(920mg、61mmol)およびN−t−BOC−4−(アミノメチル)ピリジン(1.8g、86mmol)を、暗所(アルミホイルに包まれたフラスコ)でアセトン(20mL)中の18(5g)の攪拌した溶液に添加した。その反応混合物を、室温で2.5時間、攪拌し、次いで、ジエチルエーテル(200mL)に一部分ずつ添加し、生じた固体を濾過によって回収した。TFA/DCM(40ml、1:1)中の粗製固体(5.9g)の溶液を、室温で1時間攪拌し、次いで、ジエチルエーテル(300mL)に一部分ずつ添加した。生じた個体を、固体残渣を得るために濾過によって回収し、それを、分取用HPLCによって精製し、各々の白い固体として、4g(R9が水素であることを除いて4bと同一)の2個のヒドロキシイミノ立体異性体(それぞれ、240mgおよび120mg)のTFA塩を得た。
4gの主要な立体異性体:1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ3.40(q、2H)、4.45(s、2H)、5.18(d、1H)、5.54(q、2H)、5.87(q、1H)、7.31(bs、2H)、8.18(d、2H)、8.71(bs、3H)、9.09(d、2H)、9.39(d、1H)、11.73(s、1H);MS m/z 実測値.524.2[M+H]+.
4gの少ない立体異性体:1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ3.50(q、2H)、4.45(s、2H)、5.19(d、1H)、5.58(q、2H)、5.83(q、1H)、7.27(bs、2H)、8.20(d、2H)、8.77(bs、3H)、8.81(d、1H)、9.10(d、2H)、12.51(s、1H);MS m/z 実測値.524.2[M+H]+.
DMF(1mL)中のPyBOP(170mg、0.33mmol)およびHOAt(44mg、0.33mmol)の溶液を、DMSO/DMF(6mL、3:1)中の塩酸バンコマイシン(485mg、0.33mmol)の攪拌した溶液に添加した。続いて、DIPEA(0.057mL、0.33mmol)を添加し、その反応混合物を、室温で30分間、攪拌した。TFA(0.026mL、0.33mmol)を、その反応混合物に添加し、次いで、それを0℃に冷却し、次いで、コリジン(0.097mL、0.73mmol)およびDMF(1mL)中の4g(123mg、0.16mmol)の溶液を添加した。その反応混合物を、4時間にわたって、室温で暖め、次いで、酢酸エチル(50mL)に一部分ずつ添加し、生じた固体を、濾過によって回収し、分取用HPLCによって精製し、白い固体として生成物In(174mg、46%)のTFA塩を得た。
(実施例15:水溶性の決定)
本発明の化合物の水溶性を、以下の手順を使用して決定した。pH2.2での5重量%のデキストロース緩衝液を、99mLの5重量%デキストロース水溶液(Baxter)に1mlの1N 塩酸(Aldrich)を添加して調製した。次いで、較正標準物のための1mg/mLのストック溶液を、1mLのDMSO中に1mgの試験化合物を溶解することによって調製した。この溶液を、30秒間、ボルテックスし、次いで、10分間、超音波処理した。次いで、このストック溶液を、以下の濃度:50μg/mL、125μg/mL、250μg/mL、375μg/mLおよび500μg/mLを有する較正標準物を調製するために水で希釈した。
カラム:Luna 150×4.6mm;C18;5μ
移動相:A=5/95、B=95/5、両方=MeCN/H2O;0.1%TFA
方法:10m Libo 100(6分で、0〜100%のB)
注入容量:20μL
波長:214nm
各試験サンプルの溶解性を、較正曲線と試験サンプルのピーク領域とを比較し、そして希釈係数を乗じることによって算出した。
最小発育阻止濃度(MIC)アッセイを、NCCLSガイドラインに記載の微量液体希釈法を用いて行った(broth microdilution method)(NCCLS.2000.Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard−第5編、第20巻、No.2を参照のこと)。細菌株を、American Type Tissue Culture Collection(ATCC)、Stanford University Hospital(SU)、Kaiser Permanente Regional Laboratory in Berkeley(KPB)、Massachusetts General Hospital(MGH)、the Centers for Disease Control(CDC)、the San Francisco Veterans’Administration Hospital(SFVA)またはthe University of California San Francisco Hospital(UCSF)から入手した。バンコマイシン耐性腸球菌は、それらのテイコプラニンに対する感受性に基づいて、Van AまたはVan Bとして表現型決定した。Van A、Van B、Van C1またはVan C2として遺伝子型決定した、いくつかのバンコマイシン耐性腸球菌をまた、Mayo Clinicから入手した。
この時間−殺傷アッセイは、試験化合物の細菌活性の速度を測定するための方法である。これらの手順は、V.Lorian、「Antibiotics in Laboratory Medicine」、第4版、WilliamsおよびWilkins(1996)、104〜105頁に記載されるのと類似の手順である。細菌コロニー形成を迅速に防護し、そして宿主組織損傷を減少させるために、迅速な時間−殺傷が所望される。
動物(雄性CD−1マウス、20−30g)を、Charles Rivers Laboratories(Gilroy、CA)から入手し、そして餌および水を自由に摂取させた。好中球減少症を、細菌接種の4日前および2日前に与えられたシクロホスファミドの腹腔内(IP)注射(200mg/kg)を介して誘導した。
Claims (36)
- 式I:
X1およびX2の各々は、独立して、水素またはクロロであり;
Wは、NおよびCClから選択され;
R2は、水素またはC1〜6アルキルであり;
R4およびR5のうちの一方は、ヒドロキシであり、そして他方は、水素であり;
R6およびR7の各々は、独立して、水素またはメチルであり;
R8は、水素または式:
R9は、水素、C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルから選択され、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、−COOHまたは1個〜3個のフッ素原子で置換され得;
各R3は、独立して、C1〜6アルキル、−OR、ハロ、−SR、−S(O)R、−S(O)2Rおよび−S(O)2ORから選択され、ここで、各Rは、独立して、C1〜6アルキルであり、このC1〜6アルキルは、COOHまたは1個〜3個のフッ素原子で置換され得;
nは、0、1、2または3であり;
xは、0、1または2であり;
yは、0、1または2であり;
Raは、−Y−R”−であり、ここで、
R”は、C1〜12アルキレン、C2〜12アルケニレン、C2〜12アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、C6〜10アリーレン、C2〜9ヘテロアリーレン、C3〜6複素環およびその組み合わせから選択され、そして必要に応じて、Zから選択される1個〜2個の基で置換され、ここで、Zは、−OR’、−SR’、−F、−Cl、−N(R’)2、−OC(O)R’、−C(O)OR’、−NHC(O)R’、−C(O)N(R’)2、−CF3および−OCF3、ならびに天然に存在するアミノ酸の側鎖からなり、ここで、各R’は、独立して、水素またはC1〜4アルキルであり;そしてR”は、最も多くて20個の非水素原子を含み;
Yは、メタ位またはパラ位でR”をピリジニウム環に結合し、直接結合、NR’、O、S、C(O)、NR’C(O)およびC(O)NR’から選択されて、Yにおけるヘテロ原子とR”におけるヘテロ原子との間の直接結合除外し;
各RbおよびRdは、独立して、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルおよびC2〜6アルキニルからなる群より選択され;
各Rcは、独立して、−Y’−R”−Y’−であり、ここで、各Y’は、独立して、直接結合、OおよびNR’から選択され、Y’におけるヘテロ原子とR”におけるヘテロ原子との間の直接結合を除外し;そして
各Reは、独立して、R”から選択される、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。 - 請求項1に記載の化合物であって、ここで、R9は、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
- 請求項2に記載の化合物であって、ここで、R9は、水素またはメチルである、化合物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Wは、CClである、化合物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Wは、Nである、化合物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、各R3は、独立して、非置換C1〜4アルキル、非置換C1〜4アルコキシ、フルオロおよびクロロから選択される、化合物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、nは、0である、化合物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、xは、1であり、そしてyは、0である、化合物。
- 請求項8に記載の化合物であって、ここで、Raは、−Y−R”−であり;Yは、直接結合であり;そしてR”は、C1〜6アルキレンである、化合物。
- 請求項8または9に記載の化合物であって、ここで、Rcは、−Y’−R”−Y’−であり、ここで、各Y’は、直接結合であり;そしてR”は、必要に応じて−COOH基で置換されたC1〜12アルキレンである、化合物。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Rbは、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、xは、1であり、そしてyは、1である化合物。
- 請求項12に記載の化合物であって、ここで、Raは、−Y−R”−であり;Yは、直接結合であり;そしてR”は、C1〜6アルキレンである、化合物。
- 請求項12または13に記載の化合物であって、ここで、Rcは、−Y’−R”−Y’−であり、ここで、各Y’は、直接結合であり;そしてR”は、必要に応じて−COOH基で置換されるC1〜12アルキレンである、化合物。
- 請求項12〜14のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、Reは、C1〜12アルキレンである、化合物。
- 請求項12〜15のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、RbおよびRdは、独立して、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、xは、0であり、そしてyは、0である、化合物。
- 請求項17に記載の化合物であって、ここで、Raは、−Y−R”−であり;Yは、直接結合であり;そしてR”は、C1〜6アルキレンである、化合物。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、R2は、水素である、化合物。
- 請求項20に記載の化合物であって、ここで、Wは、CClである、化合物。
- 請求項20または21に記載の化合物であって、ここで、ここで、R9は、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
- 請求項22に記載の化合物であって、ここで、R9は、水素である、化合物。
- 請求項22に記載の化合物であって、ここで、R9は、メチルである、化合物。
- 請求項20〜24のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、前記ピリジニウム環は、パラ置換されている、化合物。
- 請求項20〜25のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、R10は、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
- 請求項26に記載の化合物であって、ここで、R10は、水素、メチルまたはエチルである、化合物。
- 請求項20〜27のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、R11は、C1〜10アルキレンである、化合物。
- 請求項28に記載の化合物であって、ここで、R11は、−(CH2)2−または−(CH2)5−である、化合物。
- 請求項20に記載の化合物であって、ここで、Wは、CClであり;R9は、メチル
であり;R10は、エチルであり;R11は、−(CH2)2−であり;そして前記ピリジニウム環は、パラ置換されている、化合物。 - 薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
- 細菌の増殖を阻害する方法であって、該方法は、細菌と、増殖阻害量の請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物とを接触させる工程を包含する、方法。
- 哺乳動物における細菌感染を処置する方法であって、該方法は、哺乳動物に、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
- 請求項34または35に記載のプロセスによって調製される生成物。
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