JP4362017B2 - グリコペプチド誘導体およびそれを含有する薬学的組成物 - Google Patents

グリコペプチド誘導体およびそれを含有する薬学的組成物 Download PDF

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Description

【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国出願番号60/113,728(1998年12月23日出願);米国出願番号60/129,313(1999年4月14日出願);米国出願番号60/164,024(1999年11月4日出願);および米国出願番号60/169,978(1999年12月10日出願)の利益を主張し、これらの開示はその全体が本明細書中で参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明はグリコペプチド抗生物質に関する。本発明はまた、このようなグリコペプチド誘導体を含有する薬学的組成物、このようなグリコペプチド誘導体を抗菌剤として使用する方法、およびこのようなグリコペプチド誘導体を調製するためのプロセスに関する。
【0003】
(背景)
グリコペプチドは、様々な微生物により産生される周知のクラスの抗生物質である。これらの複雑な多環ペプチド化合物は、大部分のグラム陽性菌に対して有効な抗菌剤である。しかし、グリコペプチドの抗生物質としての使用は、グリコペプチドを用いて観測される高レベルの哺乳動物毒性のため、半合成ペニシリン、セファロスポリンおよびリンコマイシンの影に隠れていた。しかし近年、ペニシリン、セパロスポリンなどに耐性の細菌が現れ、例えば、多耐性およびメチシリン耐性ブドウ球菌(MRS)感染が生じた。バンコマイシンのようなグリコペプチドは、典型的に、このような微生物に対して有効であり、そしてバンコマイシンは、MRSおよび他の感染の最後の手段の薬物となった。グリコペプチドは、他の抗生物質と異なる様式の作用を有するため、このような耐性微生物に対して有効であると考えられている。この点において、グリコペプチドは、細菌細胞壁合成期において、ペニシリン型抗生物質とは異なる段階を選択的に阻害すると考えられる。
【0004】
より詳細には、細菌の細胞壁は、短ペプチドにより架橋された直鎖多糖類からなる。この架橋された多糖類の配列は、細胞壁に対して機械的な支持を提供し、従って、その高い内部浸透圧に起因する細菌の破裂を防止する。細菌の細胞壁の合成期中、脂質結合二糖類−ペンタペプチド構築物がトランスグリコラーゼ酵素によって直鎖多糖類に組み込まれた後、多糖類の架橋が起こる。続く架橋反応は細胞壁の合成期の最終段階であり、ペプチドグリカントランスペプチダーゼとして公知の酵素によって触媒される。
【0005】
抗菌剤がそれらの抗菌活性を発揮する1つの方法は、トランスグリコシラーゼ酵素を阻害し、従って、細菌の細胞壁の合成期の最後から2番目の段階を妨害することによるものである。理論に縛られることを望まないが、バンコマイシンのようなグリコペプチド抗生物質は、高い親和性および選択性で、ペプチドグリカン前駆体(脂質中間体IIとして公知)のN−末端配列(すなわち、バンコマイシン感受性生物におけるL−リシル−D−アラニル−D−アラニン)と結合すると考えられる。これらの前駆体と結合し、これらを封鎖する(sequester)ことによって、バンコマイシンは細胞壁の生合成におけるそれらの利用を防止する。従って、バンコマイシンは、細菌のトランスグリコシラーゼ(これは、脂質中間体IIサブユニットが成長中のペプチドグリカン鎖に付加する原因である)を阻害する。細菌の細胞壁合成のこの段階は、β−ラクタム抗生物質によって阻害されることが公知である架橋ペプチド転移段階の前に起こる(preceed)。バンコマイシンは、D−アラニル−D−アラニン末端を含むペプチド転移を阻害するということも考えられる。しかし、この段階はグリコシド転移の後に起こるため、ペプチド転移の阻害は直接観測されない。
【0006】
バンコマイシンおよび他のグリコペプチドの多数の誘導体が当該分野に公知である。例えば、米国特許第4,639,433号;同第4,643,987号;同第4,497,802号;同第4,698,327号;同第5,591,714号;同第5,840,684号;および同第5,843,889号を参照のこと。他の誘導体は、EP0802199;EP0801075;EP0667353;WO97/28812;WO97/38702;WO98/52589;WO98/52592;ならびにJ.Amer.Chem.Soc.,1996,118,13107〜13108;J.Amer.Chem.Soc.,1997,119,12041〜12047;およびJ.Amer.Chem.Soc.,1994,116,4573〜4590に開示される。この出願の全体にわたって参照されるこれらおよび他の文献の開示は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0007】
しかし、改善された活性、選択性、および減少した哺乳動物毒性を有するグリコペプチド誘導体の必要性がある。さらに、特定の微生物は、バンコマイシンに対する耐性を現し始めている(例えば、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE))。従って、広域スペクトルの細菌(VREのような耐性株を含む)に対して有効である新規なグリコペプチド誘導体を提供することが、非常に望まれる。さらに、改善された抗細菌活性および選択性、ならびに低い哺乳動物毒性を有するグリコペプチド誘導体を提供することは、非常に有利である。
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、不適切なグリコペプチドに比べて改善された特性(増大した活性、選択性および減少した哺乳動物毒性を含む)を有するグリコペプチド抗生物質の新規な誘導体を提供する。例えば、本発明の特定のバンコマイシン誘導体は、バンコマイシン自体と比較して非常に増大した抗細菌活性を示す。このようなバンコマイシン誘導体はまた、減少した哺乳動物毒性を示しつつ、バンコマイシン耐性腸球菌株に対して非常に有効である。
【0009】
従って、この組成物の1つの局面において、本発明は、少なくとも1つの以下の式の置換基を有するグリコペプチド化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
−Ra−Y−Rb−(Z)x
【0010】
ここで、各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され;
各Rbは、共有結合、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され、ただし、Zが水素である場合、Rbは共有結合ではなく;
各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−NRcC(O)−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−OSO2−、−C(O)NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc)O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から独立して選択され;
各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環式から独立して選択され;
各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−C(O)Rdからなる群から独立して選択され;
各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から独立して選択され;
xは、1または2であり;
ただし、
(i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み;
(ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み;
(iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして
(iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む。
【0011】
好ましくは、このグリコペプチド化合物は、式−Ra−Y−Rb−(Z)xを有する1〜3個の置換基で置換される。
【0012】
各Raは、好ましくは、1〜10個の炭素原子、より好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するアルキレンから独立して選択される。好ましい実施態様において、Raは、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)またはブチレン(−CH2CH2CH2CH2−)である。なおより好ましくは、Raは、エチレンまたはプロピレンである。
【0013】
Zが水素である場合、Rbは好ましくは、8〜12個の炭素原子のアルキレンである。従って、この実施態様において、RbおよびZは、好ましくは、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシルまたはn−ドデシル基を形成する。Zが水素以外の場合、Rbは、共有結合、または1〜10個の炭素原子のアルキレンである。この実施態様において、Rbは、好ましくは、共有結合、メチレン、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−または−(CH210−である。
【0014】
各Yは、好ましくは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−NRcC(O)−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)NRc−、−C(O)O−および−SO2NRc−からなる群から独立して選択される。より好ましくは、Yは、酸素、硫黄、−NRc−または−NRcSO2−である。
【0015】
好ましくは、各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよび複素環式から独立して選択される。より好ましくは、Zは、水素またはアリールである。Zがアリールである場合、好ましいZ基には、フェニル、置換フェニル、ビフェニル、置換ビフェニルおよびテルフェニル基が挙げられる。特に好ましいZ基は、フェニル、4−イソブチルフェニル、4’−クロロビフェニル−4−イル、4’−トリフルオロメチルビフェニル−4−イル、4−(ナフト−2−イル)フェニル、4−(2−フェニルエチニル)フェニル、4−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)フェニル、およびp−テルフェニルである。
【0016】
好ましくは、xは1である。
【0017】
本発明の特に好ましい−Ra−Y−Rb−(Z)x基は、以下からなる群から選択される:
【0018】
【化8】
Figure 0004362017
【0019】
他の好ましい−Ra−Y−Rb−(Z)x基を、以下の表I〜IVに示す。
【0020】
その組成物の別の局面において、本発明は、以下の式Iの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、立体異性体およびプロドラッグを提供する:
【0021】
【化9】
Figure 0004362017
【0022】
ここで、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−Ra−Y−Rb−(Z)x;または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群から選択され;
2は、水素、または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基であり;
3は、−ORc、−NRcc、−O−Ra−Y−Rb−(Z)x、−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)x、−NRceまたは−O−Reであり;
4は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、−C(O)Rdおよび必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群から選択され;
5は、水素、ハロ、−CH(Rc)−NRcc、−CH(Rc)−NRce、および−CH(Rc)−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xからなる群から選択され;
6は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、−C(O)Rdおよび必要に応じて−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群から選択されるか、またはR5およびR6は、それれが結合している原子と一緒に連結して、−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xで必要に応じて置換された複素環式環を形成し;
7は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−Ra−Y−Rb−(Z)x、および−C(O)Rdからなる群から選択され;
8は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択され;
9は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択され;
10は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択されるか;またはR8およびR10は結合して、−Ar1−O−Ar2−を形成し、ここで、Ar1およびAr2は、独立してアリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
11は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択されるか、またはR10およびR11は、それらが結合している炭素および窒素原子と一緒に結合して、複素環式環を形成し;
12は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、−C(O)Rd、−C(NH)Rd、−C(O)NRcc、−C(O)ORd、−C(NH)NRccおよび−Ra−Y−Rb(Z)xからなる群から選択されるか、または、R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、複素環式環を形成し;
13は、水素または−OR14からなる群から選択され;
14は、水素、−C(O)Rdおよびサッカリド基から選択され;
各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され;
各Rbは、共有結合、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され、ただし、Zが水素である場合、Rbは共有結合ではなく;
各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−C(O)Rdからなる群から独立して選択され;
各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から独立して選択され;
eは、サッカリド基であり;
1、X2およびX3は、水素またはクロロから独立して選択され;
各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−NRcC(O)−、−OSO2−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc)O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から独立して選択され;
各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環式から独立して選択され;
nは、0、1または2であり;
xは、1または2であり;
ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7またはR12のうち少なくとも1つは、式−Ra−Y−Rb−(Z)xの置換基を有し;
さらに、ただし、
(i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み;
(ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み;
(iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして
(iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む。
【0023】
好ましくは、R1は、−Ra−Y−Rb−(Z)xで必要に応じて置換されたサッカリド基である。より好ましくは、R1は、以下の式のサッカリド基である:
【0024】
【化10】
Figure 0004362017
【0025】
ここで、R15は、−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りであり;そしてR16は、水素またはメチルである。
【0026】
好ましくは、R2は、水素である。
【0027】
3は、好ましくは、−ORcまたは−NRccであり;より好ましくは、R3は、−OHである。特に好ましいR3基は、表I〜IVにR22として示される基である。
【0028】
好ましくは、R4、R6およびR7は各々、水素または−O(O)Rdから独立して選択される。より好ましくは、R4、R6およびR7は、それぞれ水素である。
【0029】
5は、好ましくは、水素、−CH2−NHRc、−CH2−NRceおよび−CH2−NH−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Rc、Re、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。特に好ましいR5基には、水素、−CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン);−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3;−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH211CH3;−CH2−NH−(CH25−COOH;および−CH2−N−(2−アミノ−2−デオキシグルコン酸)が挙げられる。他の好ましいR5基は、表IIIにR2 3として示される基である。
【0030】
好ましくは、R8は、−CH2C(O)NH2、−CH2COOH、ベンジル、4−ヒドロキシフェニルまたは3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルである。より好ましくは、R8は、−CH2C(O)NH2である。
【0031】
9は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R9は水素である。
【0032】
10は、好ましくは、アルキルまたは置換アルキルである。より好ましくは、R10は、天然に存在するアミノ酸の側鎖である。さらにより好ましくは、R10はイソブチルである。
【0033】
11は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R11は、水素またはメチルである。
【0034】
12は、好ましくは、水素、アルキル、置換アルキルまたは−C(O)Rdである。より好ましくは、R12は、水素または−CH2COOHである。他の好ましいR12基は、表IIにR27として示される基である。
【0035】
1およびX2は、好ましくは、クロロである。X3は、好ましくは、水素である。
【0036】
好ましくは、nは、0または1である。より好ましくは、nは、1である。
【0037】
その組成物のさらに別の局面において、本発明は、以下の式IIの化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、立体異性体およびプロドラッグを提供する:
【0038】
【化11】
Figure 0004362017
【0039】
ここで、R21は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−Ra−Y−Rb−(Z)x;または必要に応じて−Ra−Y−Rb−(Z)xで置換されたサッカリド基からなる群から選択され;
22は、−ORc、−NRcc、−O−Ra−Y−Rb−(Z)xまたは−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xであり;
23は、水素、ハロ、−CH(Rc)−NRcc、−CH(Rc)−Reおよび−CH(Rc)−NRc−Ra−Y−Rb−(Z)xからなる群から選択され;
24は、水素および低級アルキルからなる群から選択され;
25は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択され;
26は、水素または低級アルキルからなる群から選択されるか、またはR25およびR26は、それらが結合している炭素および窒素原子と一緒に結合して複素環式環を形成し;
27は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、−C(O)Rd、−C(NH)Rd、−C(O)NRcc、−C(O)ORd、−C(NH)NRccおよび−Ra−Y−Rb(Z)xからなる群から選択されるか、または、R26およびR27は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、複素環式環を形成し;
各Raは、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され;
各Rbは、共有結合、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンおよび置換アルキニレンからなる群から独立して選択され、ただし、Zが水素である場合、Rbは共有結合ではなく;
各Rcは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式および−C(O)Rdからなる群から独立して選択され;
各Rdは、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から独立して選択され;
eは、アミノサッカリド基であり;
各Yは、酸素、硫黄、−S−S−、−NRc−、−S(O)−、−SO2−、−NRcC(O)−、−OSO2−、−OC(O)−、−NRcSO2−、−C(O)NRc−、−C(O)O−、−SO2NRc−、−SO2O−、−P(O)(ORc)O−、−P(O)(ORc)NRc−、−OP(O)(ORc)O−、−OP(O)(ORc)NRc−、−OC(O)O−、−NRcC(O)O−、−NRcC(O)NRc−、−OC(O)NRc−および−NRcSO2NRc−からなる群から独立して選択され;
各Zは、水素、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリールおよび複素環式から独立して選択され;
nは、0、1または2であり;
xは、1または2であり;
ただし、R21、R22、R23またはR27のうち少なくとも1つは、式−Ra−Y−Rb−(Z)xの置換基を有し;
さらに、ただし、
(i)Yが−NRc−であり、Rcが1〜4個の炭素原子のアルキルであり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み;
(ii)Yが−C(O)NRc−であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも5個の炭素原子を含み;
(iii)Yが硫黄であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも7個の炭素原子を含み;そして
(iv)Yが酸素であり、Zが水素であり、そしてRbがアルキレンである場合、Rbは少なくとも11個の炭素原子を含む。
【0040】
好ましくは、R21は、以下の式のサッカリド基である:
【0041】
【化12】
Figure 0004362017
【0042】
ここで、R15が、−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りであり;そしてR16が、水素またはメチルである。
【0043】
22は、好ましくは、−ORcまたは−NRccであり;より好ましくは、R22は、−OHである。特に好ましいR22基は、表I〜IVに示される基である。
【0044】
23は、好ましくは、水素、−CH2−Re、−CH2−NHRcおよび−CH2−NH−Ra−Y−Rb−(Z)xであり、ここで、Ra、Rb、Rc、Re、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。特に好ましいR23基には、水素、−CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン);−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3;−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH211CH3;−CH2−NH−(CH25−COOH;および−CH2−N−(2−アミノ−2−デオキシグルコン酸)が挙げられる。他の好ましいR23基は、表IIIに示される。
【0045】
24は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R24は水素である。
【0046】
25は、好ましくは、アルキルまたは置換アルキルである。より好ましくは、R25は、天然に存在するアミノ酸の側鎖である。さらにより好ましくは、R25はイソブチルである。
【0047】
26は、好ましくは、水素またはアルキルである。より好ましくは、R26は、水素またはメチルである。
【0048】
27は、好ましくは、水素、アルキル、置換アルキルまたは−C(O)Rdである。より好ましくは、R27は、水素または−CH2COOHである。他の好ましいR27基は、表IIに示される基である。
【0049】
その組成物のさらに別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア、および以下の式の少なくとも1つの置換基を有する治療的有効量のグリコペプチド化合物を含む薬学的組成物を提供する:
−Ra−Y−Rb−(Z)x
【0050】
ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。
【0051】
従って、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式IまたはIIの化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0052】
本発明の化合物は、非常に有効な抗菌剤である。従って、方法の1つの局面において、本発明は、細菌性疾患を有する哺乳動物を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、以下の式の少なくとも1つの置換基を有する治療的有効量のグリコペプチド化合物を投与する工程を包含する:
−Ra−Y−Rb−(Z)x
【0053】
ここで、Ra、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中の定義通りである。
【0054】
従って、本発明は、細菌性疾患を有する哺乳動物を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、治療的有効量の式IまたはIIの化合物を投与する工程を包含する。
【0055】
本発明はまた、グリコペプチド誘導体を調製するためのプロセスを提供し、これらのプロセスは、本明細書中以下でさらに記載される。
【0056】
別の局面において、本発明は、医用処置のための処方物または医薬の製造における、式Iまたは式IIのグリコペプチド誘導体の使用に関する。好ましくは、この処方物または医薬は、抗菌剤として使用される。
【0057】
本発明の好ましい化合物は、以下の表に式III、IV、V、VI、VIIおよびVIIIとして記載される化合物、およびその薬学的に受容可能な塩である:
【0058】
【化13】
Figure 0004362017
【0059】
Figure 0004362017
【0060】
Figure 0004362017
【0061】
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【0062】
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【0063】
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【0064】
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【0065】
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【0066】
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【0067】
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【0068】
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【0069】
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【0070】
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【0071】
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【0072】
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【0073】
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【0074】
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【0075】
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【0076】
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【0077】
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【0078】
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【0079】
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【0080】
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【0081】
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【0082】
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【0083】
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【0084】
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【0085】
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【0086】
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【0087】
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【0088】
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【0089】
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【0090】
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【0091】
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【0092】
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【0093】
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【0094】
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【0095】
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【0096】
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【0097】
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【0098】
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【0099】
(発明の詳細な説明)
本発明は、グリコペプチド抗生物質の新規な誘導体、ならびに薬学的組成物およびこのようなグリコペプチド誘導体を使用する方法に関する。本発明の化合物、組成物および方法を記載する際には、以下の用語は、他に指示されない限り、以下の意味を有する。
【0100】
(定義)
用語「アルキル」とは、好ましくは1〜40個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、分枝または非分枝の飽和炭化水素鎖のモノラジカルを表す。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなどの基により例示される。
【0101】
用語「置換アルキル」とは、1〜8個の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義したようなアルキル基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0102】
用語「アルキレン」とは、好ましくは1〜40個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、分枝または非分枝の飽和炭化水素鎖のジラジカルを表す。この用語は、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン異性体(例えば、−CH2CH2CH2−および−CH(CH3)CH2−)などの基により例示される。
【0103】
用語「置換アルキレン」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義されたようなアルキレン基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。さらに、このような置換アルキレン基には、アルキレン基上の2つの置換基が縮合して、このアルキレン基と縮合した1つ以上のシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、アリール基、複素環式基またはヘテロアリール基を形成するものが挙げられる。好ましくは、このような縮合した基は、1〜3個の縮環構造を含む。さらに、置換アルキレンという用語は、1〜5個のアルキレン炭素原子が、酸素、硫黄または−NR−(ここで、Rは水素またはアルキルである)で置き換えられたアルキレン基を含む。置換アルキレンの例は、クロロメチレン(−CH(Cl)−)、アミノエチレン(−CH(NH2)CH2−)、2−カルボキシプロピレン異性体(−CH2(CH(CO2H)CH2−)、エトキシエチル(−CH2CH2O−CH2CH2−)などである。
【0104】
用語「アルカリール」とは、−アルキレン−アリール基および−置換アルキレン−アリール基を表し、ここで、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールは、本明細書中で定義される。このようなアルカリール基は、ベンジル、フェネチルなどにより例示される。
【0105】
用語「アルコキシ」とは、アルキル−O−基、アルケニル−O−基、シクロアルキル−O−基、シクロアルケニル−O−基、およびアルキニル−O−基を表し、ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアルキニルは、本明細書中で定義の通りである。好ましいアルコキシ基は、アルキル−O−であり、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0106】
用語「置換アルコキシ」とは、置換アルキル−O−基、置換アルケニル−O−基、置換シクロアルキル−O−基、置換シクロアルケニル−O−基、および置換アルキニル−O−基を表し、ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義の通りである。
【0107】
用語「アルキルアルコキシ」とは、−アルキレン−O−アルキル基、アルキレン−O−置換アルキル基、置換アルキレン−O−アルキル基および置換アルキレン−O−置換アルキル基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは、本明細書中で定義の通りである。好ましいアルキルアルコキシ基は、アルキレン−O−アルキルであり、例として、メチレンメトキシ(−CH2OCH3)、エチレンメトキシ(−CH2CH2OCH3)、n−プロピレン−iso−プロポキシ(−CH2CH2CH2OCH(CH32)、メチレン−t−ブトキシ(−CH2−O−C(CH33)などが挙げられる。
【0108】
用語「アルキルチオアルコキシ」とは、−アルキレン−S−アルキル基、アルキレン−S−置換アルキル基、置換アルキレン−S−アルキル基および置換アルキレン−S−置換アルキル基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは、本明細書中で定義の通りである。好ましいアルキルチオアルコキシ基は、アルキレン−S−アルキルであり、例として、メチレンチオメトキシ(−CH2SCH3)、エチレンチオメトキシ(−CH2CH2SCH3)、n−プロピレン−iso−チオプロポキシ(−CH2CH2CH2SCH(CH32)、メチレン−t−チオブトキシ(−CH2SC(CH33)などが挙げられる。
【0109】
用語「アルケニル」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、なおより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のビニル不飽和を有する、分枝または非分枝の不飽和炭化水素基のモノラジカルを表す。好ましいアルケニル基には、エテニル(−CH=CH2)、n−プロペニル(−CH2CH=CH2)、iso−プロペニル(−C(CH3)=CH2)などが挙げられる。
【0110】
用語「置換アルケニル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義のようなアルケニル基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0111】
用語「アルケニレン」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のビニル不飽和を有する、分枝または非分枝の不飽和炭化水素基のジラジカルを表す。この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH2CH=CH−および−C(CH3)=CH−)などの基により、例示される。
【0112】
用語「置換アルケニレン」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義されたようなアルケニレン基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。さらに、このような置換アルケニレン基は、アルケニレン基上の2つの置換基が縮合して、このアルケニレン基に縮合した1つ以上のシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、アリール基、複素環式基、またはヘテロアリール基を形成するものを含む。
【0113】
用語「アルキニル」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜20個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のアセチレン(三重結合)不飽和を有する、不飽和炭化水素のモノラジカルを表す。好ましいアルキニル基には、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられる。
【0114】
用語「置換アルキニル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義のようなアルキニル基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0115】
用語「アルキニレン」とは、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1部位、好ましくは1から6部位のアセチレン(三重結合)不飽和を有する、不飽和炭化水素のジラジカルを表す。好ましいアルキニレン基には、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH2C≡C−)などが挙げられる。
【0116】
用語「置換アルキニレン」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、上で定義のようなアルキニレン基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0117】
用語「アシル」とは、HC(O)−基、アルキル−C(O)−基、置換アルキル−C(O)−基、シクロアルキル−C(O)−基、置換シクロアルキル−C(O)−基、シクロアルケニル−C(O)−基、置換シクロアルケニル−C(O)−基、アリール−C(O)−基、ヘテロアリール−C(O)−基および複素環式−C(O)−基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中に定義の通りである。
【0118】
用語「アシルアミノ」または「アミノカルボニル」とは、−C(O)NRR基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式であるか、あるいはここで、両方のR基が結合して、複素環式基(例えば、モルホリノ)を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義の通りである。
【0119】
用語「アミノアシル」とは、−NRC(O)R基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義の通りである。
【0120】
用語「アミノアシルオキシ」または「アルコキシカルボニルアミノ」とは、−NRC(O)OR基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義の通りである。
【0121】
用語「アシルオキシ」とは、アルキル−C(O)O−基、置換アルキル−C(O)O−基、シクロアルキル−C(O)O−基、置換シクロアルキル−C(O)O−基、アリール−C(O)O−基、ヘテロアリール−C(O)O−基、および複素環式−C(O)O−基を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義の通りである。
【0122】
用語「アリール」とは、6〜20個の炭素原子を有し、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合(縮環)した環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する、不飽和芳香族炭素環式基を表す。好ましいアリールには、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。
【0123】
アリール置換基に関する定義によって他に制限されない限り、このようなアリール基は、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によって、必要に応じて置換され得、置換基は、以下からなる群から選択される:アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、スルホンアミド、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリールおよびトリハロメチル。好ましいアリールの置換基にはアルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。
【0124】
用語「アリールオキシ」とは、アリール−O−基を表し、ここで、アリール基は上で定義の通りであり、やはり上で定義のような、必要に応じて置換されたアリール基を含む。
【0125】
用語「アリーレン」とは、上で定義のようなアリール(置換アリールを含む)から誘導されるジラジカルを表し、そして1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレンなどにより例示される。
【0126】
用語「アミノ」とは、−NH2基を表す。
【0127】
用語「置換アミノ」とは、−NRR基を表し、ここで、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から独立して選択され、但し、両方のRが水素にはならない。
【0128】
「アミノ酸」とは、天然に存在する任意のアミノ酸、ならびにその合成されたアナログおよび誘導体を表す。α−アミノ酸は、アミノ基、カルボキシ基、水素原子、および「側鎖」と呼ばれる別個の基に結合する、炭素原子を有する。天然に存在するアミノ酸の側鎖は、当該分野において周知であり、例えば、水素(例えば、グリシンにおいてなど)、アルキル(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンにおいてなど)、置換アルキル(例えば、トレオニン、セリン、メチオニン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、およびリジンにおいてなど)、アルカリール(例えば、フェニルアラニンおよびトリプトファンにおいてなど)、置換アリールアルキル(例えば、チロシンにおいてなど)ならびにヘテロアリールアルキル(例えば、ヒスチジンにおいてなど)が挙げられる。
【0129】
用語「カルボキシアルキル」または「アルコキシカルボニル」とは、基「−C(O)O−アルキル」、「−C(O)O−置換アルキル」、「−C(O)O−シクロアルキル」、「−C(O)O−置換シクロアルキル」、「−C(O)O−アルケニル」、「−C(O)O−置換アルケニル」、「−C(O)O−アルキニル」および「−C(O)O−置換アルキニル」を表し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義の通りである。
【0130】
用語「シクロアルキル」とは、3〜20個の炭素原子を有する環状アルキル基であって、単一の環式環または複数の縮環した環を有するものを表す。このようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどのような単環構造、またはアダマンタニルなどのような多環構造が挙げられる。
【0131】
用語「置換シクロアルキル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、シクロアルキル基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0132】
用語「シクロアルケニル」とは、4〜20個の炭素原子を有し、そして単環式環および少なくとも1箇所の内部不飽和を有する、環状アルケニル基を表す。適切なシクロアルケニル基の例には、例えば、シクロブト−2−エニル、シクロペント−3−エニル、シクロオクト−3−エニルなどが挙げられる。
【0133】
用語「置換シクロアルケニル」とは、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有するシクロアルケニル基を表し、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。
【0134】
用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを表す。
【0135】
「ハロアルキル」とは、本明細書中で定義のような1〜4個のハロ基(同一でも異なってもよい)で置換される、本明細書中で定義のようなアルキルを表す。代表的なハロアルキル基には、例として、トリフルオロメチル、3−フルオロドデシル、12,12,12−トリフルオロドデシル、2−ブロモオクチル、3−ブロモ−6−クロロヘプチルなどが挙げられる。
【0136】
用語「ヘテロアリール」とは、1〜15個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を、(1つより多い環が存在するならば)少なくとも1つの環内に有する、芳香族基を表す。
【0137】
ヘテロアリール置換基に関する定義によって他に制限されない限り、このようなヘテロアリール基は、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によって、必要に応じて置換され得、置換基は、以下からなる群から選択される:アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリールおよびトリハロメチル。好ましいアリールの置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。このようなヘテロアリール基は、単一の環(例えば、ピリジルまたはフリル)あるいは複数の縮環した環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得る。好ましいヘテロアリールには、ピリジル、ピロリルおよびフリルが挙げられる。
【0138】
「ヘテロアリールアルキル」とは、(ヘテロアリール)アルキル−を表し、ここで、ヘテロアリールおよびアルキルは、本明細書中で定義の通りである。代表的な例には、2−ピリジルメチルなどが挙げられる。
【0139】
用語「ヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−O−基を表す。
【0140】
用語「ヘテロアリーレン」とは、上で定義のようなヘテロアリール(置換ヘテロアリールを含む)から誘導されるジラジカル基を表し、そして2,6−ピリジレン基、2,4−ピリジレン基、1,2−キノリニレン基、1,8−キノリニレン基、1,4−ベンゾフラニレン基、2,5−ピリジニレン(pyridnylene)基、2,5−インドレニル基などにより例示される。
【0141】
用語「複素環」または「複素環式」とは、単一の環または複数の縮環した環を有し、その環内に、1〜40個の炭素原子、ならびに窒素、硫黄、リン、および/または酸素から選択される、1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有する、飽和または不飽和基のモノラジカル基を表す。
【0142】
複素環式の置換基に関する定義によって他に制限されない限り、このような複素環式基は、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基によって、必要に応じて置換され得、置換基は、以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール。このような複素環式基は、単一の環または複数の縮合した環を有し得る。好ましい複素環式には、モルホリノ、ピペリジニルなどが挙げられる。
【0143】
窒素複素環およびヘテロアリールの例には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなど、ならびにN−アルコキシ−含窒素複素環が挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
別の種類の複素環式は、「クラウン化合物」として公知であり、これは、式[−(CH2−)aA−](ここで、aは2以上であり、そしてAは、各別個の場合において、O、N、SまたはPであり得る)の繰り返し単位を1つ以上有する、特定の種類の複素環式化合物を表す。クラウン化合物の例には、例のみとして、[−(CH23−NH−]3、[−((CH22−O)4−((CH22−NH)2]などが挙げられる。典型的に、このようなクラウン化合物は、4〜10個のヘテロ原子、および8〜40個の炭素原子を有し得る。
【0145】
用語「ヘテロシクロオキシ」とは、複素環式−O−基を表す。
【0146】
用語「チオヘテロシクロオキシ」とは、複素環式−S−基を表す。
【0147】
用語「ヘテロシクレン」とは、本明細書中で定義のような複素環から形成されるジラジカル基を表し、そして2,6−モルホリノ、2,5−モルホリノなどの基により例示される。
【0148】
用語「オキシアシルアミノ」または「アミノカルボニルオキシ」とは、−OC(O)NRR基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義の通りである。
【0149】
用語「サッカリド基」とは、酸化されたか、還元されたか、もしくは置換されたサッカリドモノラジカルであって、グリコペプチドまたは他の化合物に、このサッカリド部分の任意の原子(好ましくは、アグリコン炭素原子)を介して共有結合したものを表す。代表的なサッカリドには、例示として、以下が挙げられる:ヘキソース(例えば、D−グルコース、D−マンノース、D−キシロース、D−ガラクトース、バンコサミン(vancosamine)、3−デスメチルバンコサミン、3−エピ−バンコサミン、4−エピ−バンコサミン、アコサミン(acosamine)、アクチノサミン(actinosamine)、ダウノサミン(daunosamine)、3−エピ−ダウノサミン、リストサミン(ristosamine)、N−メチル−D−グルカミン、D−グルクロン酸、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、シアル酸(sialyic acid)、イズロン酸、L−フコースなど);ペントース(例えば、D−リボースまたはD−アラビノース);ケトース(例えば、D−リブロースまたはD−フルクトース);二糖類(例えば、2−O−(α−L−バンコサミニル(vancosaminyl))−β−D−グルコピラノース、2−O−(3−デスメチル−α−L−バンコサミニル)−β−D−グルコピラノース、スクロース、ラクトース、またはマルトース);誘導体(例えば、アセタール、アミン、アシル化糖、硫酸化糖、およびリン酸化糖);2〜10のサッカリドユニットを有するオリゴサッカリド。この定義のために、これらのサッカリドは、従来の3文字の命名法を使用して参照され、そしてこれらのサッカリドは、その開環形態か、または好ましくはピラノース形態かの、いずれかであり得る。
【0150】
用語「アミノ含有サッカリド基」とは、アミノ置換基を有するサッカリド基を表す。代表的なアミノ含有サッカリドには、L−バンコサミン、3−デスメチル−バンコサミン、3−エピ−バンコサミン、4−エピ−バンコサミン、アコサミン、アクチノサミン、ダウノサミン、3−エピ−ダウノサミン、リストサミン、N−メチル−D−グルカミンなどが挙げられる。
【0151】
用語「スピロ結合シクロアルキル基」とは、両方の環に共通の1つの炭素原子を介して別の環に結合した、シクロアルキル基を表す。
【0152】
用語「スルホンアミド」とは、式−SO2NRRの基を表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中に定義の通りである。
【0153】
用語「チオール」とは、−SH基を表す。
【0154】
用語「チオアルコキシ」とは、−S−アルキル基を表す。
【0155】
用語「置換チオアルコキシ」とは、−S−置換アルキル基を表す。
【0156】
用語「チオアリールオキシ」とは、アリール−S−基を表し、ここで、このアリール基は、上で定義のようなものであり、必用に応じて置換されるアリール基(これもまた上で定義された)を含む。
【0157】
用語「チオヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−S−基を表し、ここで、このヘテロアリール基は、上で定義のようなものであり、必用に応じて置換されるアリール基(これもまた上で定義された)を含む。
【0158】
1つ以上の置換基を含む上述の基のいずれについても、もちろん、このような基は、立体的に実行不可能および/または合成的に不可能である、置換または置換パターンを含まないことが、理解される。さらに、本発明の化合物は、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学的異性体を含む。
【0159】
「グリコペプチド」とは、サッカリド基で必要に応じて置換される多環ペプチドコアにより特徴付けられる、ヘプタペプチド抗生物質(バンコマイシンなど)を表す。この定義に含まれるグリコペプチドの例は、Raymond C.RaoおよびLouise W.Crandallによる「Glycopeptides Classification,Occurrence,and Discovery」(「Drugs and the Pharmaceutical Sciences」第63巻、Ramakrishnan Nagarajan編、Marcal Dekker,Inc.出版)に見出され得、この文献は、全体が本明細書中に援用される。代表的なグリコペプチドには、A477、A35512、A40926、A41030、A42867、A47934、A80407、A82846、A83850、A84575、AB−65、アクタプラニン、アクチノイジン(Actinoidin)、アルダシン、アボパルシン、アズレオマイシン(Azureomycin)、バルヒマイシン(Balhimycin)、クロロオリエンチエイン(Chloroorientiein)、クロロポリスポリン(Chloropolysporin)、デカプラニン(Decaplanin)、N−デメチルバンコマシイン(demethylvancomycin)、エレモマイシン(Eremomycin)、ガラカルジン(Galacardin)、ヘルベカルジン(Helvecardin)、イズペプチン(Izupeptin)、キブデリン(Kibdelin)、LL−AM374、マンノペプチン(Mannopeptin)、MM45289、MM47756、MM47761、MM49721、MM47766、MM55260、MM55266、MM55270、MM56597、MM56598、OA−7653、オレンチシン(Orenticin)、パルボジシン(Parvodicin)、リストセチン(Ristocetin)、リストマイシン(Ristomycin)、シンモニシン(Synmonicin)、テイコプラニン(Teicoplanin)、UK−68597、UK−69542、UK−72051、バンコマイシンなどとして確認されるものが挙げられる。用語「グリコペプチド」とはまた、本明細書中で使用される場合には、上に開示したペプチドの、糖部分のない一般的な種類(すなわち、グリコペプチドのアグリコン系列)を含むことを意図される。例えば、バンコマイシンのフェノールに付加したジサッカリド部分を、温和な加水分解によって除去することにより、バンコマイシンアグリコンが得られる。バンコマイシンと類似の様式で、さらなるサッカリド残基がさらに付加したグリコペプチド(特に、アミノグリコシド)もまた、本発明の範囲内である。
【0160】
「バンコマイシン」とは、以下の式を有するグリコペプチド抗生物質を表す:
【0161】
【化14】
Figure 0004362017
【0162】
バンコマイシン誘導体を記載する場合には、用語「Nvan−」とは、置換基が、バンコマイシンのバンコサミン部分のアミノ基に共有結合していることを示す。同様に、用語「Nleu−」とは、置換基が、バンコマイシンのロイシン部分のアミノ基に共有結合していることを示す。
【0163】
「任意の」または「必要に応じて」とは、引き続いて記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、ならびにその記載が、その事象または状況が起こった例およびその事象または状況が起こっていない例を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換される」とは、ある基が、記載される置換基で置換されても置換されなくてもよいことを意味する。
【0164】
本明細書中で使用する場合には、「トランスグリコシラーゼ酵素基質」とは、トランスグリコシラーゼ酵素の分子標的を表す。この基質はこの酵素に結合し、そして最終的に、細菌の細胞壁の合成をもたらす。この酵素の作用は、この酵素基質に結合するリガンドドメインによって阻害される。バンコマイシンのようなリガンドは、この基質に結合して、事実上、この基質を「分離」し、この酵素によるこの基質の認識、および細菌細胞壁の構成における引き続く使用を防止する。
【0165】
本明細書中で使用する場合には、「効力」とは、化合物またはリガンドが所望の生物学的または治療的効果を達成し得る最小濃度を表す。化合物またはリガンドの効力は、典型的に、その結合部位との親和力に比例する。効力がその親和力と非線形的に相関し得る場合もある。
【0166】
本明細書中で使用する場合には、用語「不活性有機溶媒」もしくは「不活性溶媒」または「不活性希釈剤」とは、それが溶媒または希釈剤として利用される反応の条件において本質的に不活性である、溶媒または希釈剤を意味する。不活性な溶媒または希釈剤として使用され得る物質の代表的な例には、例示として、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム(「CHCl3」)、塩化メチレン(またはジクロロメタンまたは「CH2Cl2」)、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが挙げられる。逆に言及されない限り、本発明の反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0167】
「薬学的に受容可能な塩」は、生物学的有効性および親化合物の特性を保持する塩を意味し、そしてこれらの塩は、投薬用量として、生物学的にまたはその他の点で有害ではない。本発明の化合物は、それぞれアミノ基およびカルボキシル基の存在のおかげで、酸および塩基の両方の塩を形成可能である。
【0168】
薬学的に受容可能な塩基付加塩が、無機塩基および有機塩基から調製され得る。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級、および第3級アミンの塩、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、および環状アミン(イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、およびN−エチルピペリジンを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。他のカルボン酸誘導体(例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジ(低級アルキル)カルボキサミドなどを含むカルボン酸アミド)が、本発明の実施に有用であることを理解すべきである。
【0169】
薬学的に受容可能な酸付加塩を、無機酸および有機酸から調製し得る。無機酸から誘導される塩には、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが挙げられる。有機酸から誘導される塩には、酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩などが挙げられる。
【0170】
本発明の化合物は、典型的に、1個以上のキラル中心を含む。従って、本発明は、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、1個以上の立体異性体がリッチな混合物を含むことを意図する。記載されそして特許請求される本発明の範囲は、化合物のラセミ形態ならびにそれらの個々のエナンチオマーおよび非ラセミ混合物を包含する。
【0171】
本明細書中で使用される用語「処置」とは、動物、具体的に哺乳動物、より具体的にヒトの状態または疾患の任意の処置を含み、そして、以下を含む:
(i)疾患にかかりやすくあり得る、まだ疾患を有していると診断されていない被験体において、疾患または状態が発生するのを予防する工程;
(ii)疾患または状態を阻害する工程であって、すなわち、その発達を阻止する工程;疾患または状態を軽減する工程、すなわち状態の後退を引き起こす工程;または疾患によって生じる状態、すなわち疾患の症状を軽減する工程。
【0172】
本明細書中で使用される用語「幅広いスペクトルの抗菌物質で処置することによって軽減される疾患状態」とは、一般に、幅広いスペクトルの抗菌物質で有用に処置されるべき、当該分野で一般に公知である全ての疾患状態、ならびに本発明の特定の抗菌物質によって有用に処置されることが見出された疾患状態を網羅することを意図する。このような疾患状態には、病原性バクテリア、特にブドウ球菌(メチシリン感受性およびメチシリン耐性)、連鎖球菌(ペニシリン感受性、およびペニシリン耐性)、腸球菌(バンコマイシン感受性およびバンコマイシン耐性)、およびクロストリジウムディフィシレ(difficile)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
用語「治療有効量」とは、このような処置の必要な哺乳動物に投与される場合、本明細書中に定義されるような処置を行うのに十分な量を意味する。治療有効量は、処置される被験体および疾患状態、苦痛の重篤度、ならびに投与の様式に依存して変化し、当業者により慣用的に決定され得る。
【0174】
用語「保護基」または「ブロック基」は、化合物の1個以上のヒドロキシル、チオール、アミノ、カルボキシル、または他の基に結合する場合、これらの基で所望されない反応が起こるのを妨げる任意の基を意味し、そしてこの保護基は、従来の化学的工程または酵素学的工程により除去され、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシル、または他の基を回収し得る。使用される特定の除去可能なブロック基は、重要ではなく、好ましい除去可能なヒドロキシルブロック基には、従来の置換基(例えば、アリル、ベンジル、アセチル、クロロアセチル、チオベンジル、ベンジリデン(benzylidine)、フェナシル、t−ブチル−ジフェニルシリルおよび任意の他の基)が挙げられ、これらの基は、ヒドロキシル官能基上に化学的に導入され得、そして後に生成物の性質に適合性の温和な条件で、化学的または酵素学的のいずれかの方法により選択的に除去される。保護基は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版、1991、John Wiley and Sons,NYに、より詳細に開示される。
【0175】
好ましい除去可能なアミノブロック基には、従来の置換基(例えば、t−ブトキシカルボニル(t−BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(ALOC)など)が挙げられ、これらは、生成物の性質に適合性の従来の条件により除去可能である。
【0176】
好ましいカルボキシル保護基には、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなどのエステルが挙げられ、これらは、生成物の性質に適合性の温和な条件により除去され得る。
【0177】
本明細書中で使用される「生物学的効果」とは、向上した親和性、向上した選択性、向上した効力、向上した有効性、向上した作用持続期間、低下した毒性などが挙げられる。
【0178】
(一般的合成手順)
本発明のグリコペプチド化合物を、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に利用可能な出発物質から調製し得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられ、他のプロセス条件がまた、他に記載がなければ使用され得ることが明らかである。最適な反応条件が、使用される特定の反応物または溶媒とともに変化し得るが、このような条件は、慣用的な最適化手順によって当業者によって決定され得る。
【0179】
さらに、当業者には、通常の保護基が、特定の官能基が所望しない反応を受けることを防ぐために必要とされ得ることが明らかである。特定の官能基に対する適切な保護基、ならびに保護および脱保護の適切な条件の選択は、当該分野において周知である。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去は、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第2版、Wiley,New York,1991およびそこに引用される参考文献に記載される。
【0180】
以下の反応スキームにおいて、グリコペプチド化合物は、[C]と標識されたカルボキシ末端、[V]と標識されたバンコサミン(vancosamine)アミノ末端、[N]と標識された「非サッカリド」アミノ末端(ロイシンアミン部分)、および必要に応じて、[R]と標識されたレゾルシノール部分を示す、ボックス「G」として単純化された形態で示され以下:
【0181】
【化15】
Figure 0004362017
【0182】
のようである。
【0183】
1つの好ましい実施態様において、本発明のグリコペプチド化合物は、以下の反応:
【0184】
【化16】
Figure 0004362017
【0185】
に示されるようなグリコペプチドの還元的アルキル化によって、調製される。ここで、Aは、Raから炭素原子1個を引いたものを表し、そしてRa、Rb、Y、Zおよびxは、本明細書中で定義される通りである。この反応は、典型的に、最初にグリコペプチド(1当量)(例えば、バンコマイシン)を、所望のアルデヒド(過剰、好ましくは、1.1〜1.3当量)と、三級アミン(過剰、好ましくは、約2.0当量)(例えば、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)など)の存在下で、接触させることで誘導される。この反応は、対応するイミンおよび/またはヘミアミナール(hemiaminal)の形成が、実質的に完了されるまで、典型的に、不活性希釈剤(例えば、DMF)中、約1〜2時間、周囲温度で誘導される。得られたイミンおよび/またはヘミアミナールは、典型的に、単離されないが、金属水素化物の還元剤(例えば、シアノホウ酸水素ナトリウム)を用いてインサイチュで反応され、対応するアミンを与える。この反応は、典型的に、メタノール中でイミンおよび/またはヘミアミナールを、約1〜1.2当量の還元剤と、トリフルオロ酢酸(過剰、好ましくは、約3当量)の存在下周囲温度で接触させることにより誘導される。得られたアルキル化生成物は、従来の手順(例えば、逆相HPLC)により容易に精製される。驚くことに、トリアルキルアミンの存在下でイミンおよび/またはヘミアミナールを形成することで、還元的アルキル化反応ついての選択性が非常に改良され、すなわち、サッカリド(例えば、バンコサミン)のアミノ基での還元的アルキル化が、N末端(例えば、ロイシニル基)での還元的アルキル化に関して好ましい(少なくとも10:1、より好ましくは20:1)。
【0186】
所望であれば、本発明のグリコペプチド化合物はまた、段階的(step−wise)様式で調製され得、ここで、−Ra−Y−Rb−(Z)x基での前駆体が、まず還元的アルキル化によってグリコペプチドに付着され、次に、以下に例示するように−Ra−Y−Rb−(Z)x基を形成するために、従来の試薬および手順を使用して、付着された前駆体を引き続いて磨きをかける。さらに、ケトンはまた、上記の還元的アルキル化反応を使用して、α−置換アミンを与え得る。
【0187】
アミノ基を有する任意のグリコペプチドは、これらの還元的アルキル化反応に使用され得る。このようなグリコペプチドは、当該分野で周知であり、そして市販されるか、または通常の手順を使用して単離され得るかのいずれかである。適切なグリコペプチドは、例示として以下に開示される:米国特許第3,067,099号;3,338,786号;3,803,306号;3,928,571号;3,952,095号;4,029,769号;4,051,237号;4,646号;4,322,343号;4,378,348号;4,497,802号;4,504,467号;4,542,018号;4,547,488号;4,548,925号;4,548,974号;4,552,701号;4,558,008号;4,639,433号;4,643,987号;4,661,470号;4,694,069号;4,698,327号;4,782,042号;4,914,187号;4,935,238号;4,946,941号;4,994,555号;4,996,148号;5,187,082号;5,192,742号;5,321,738号;5,451,570号;5,591,714号;5,712,208号;5,750,509号;5,840,684号;および5,843,889号。これらの開示は、本明細書中でその全体において参考として援用される。好ましくは、上記反応において使用されるグリコペプチドは、バンコマイシンである。
【0188】
還元的(reactive)アルキル化反応において使用されるアルデヒドおよびケトンはまた、当該分野で周知であり、そして市販か、または市販の出発物質および従来の試薬を使用する従来の手順により調製され得るかのいずれかである。典型的に、このような材料は、例えば、アミノ、チオール、ヒドロキシル、ハロまたは他の置換基を有する官能基化アセタールを、相補的な官能基を有する適切な中間体と従来のカップリングにより調製し、スルフィド、エーテル、アミン、スルホンアミドなどを形成する。アセタールの引き続く加水分解により、対応するアルデヒドを得る。このような反応は、当該分野で周知であり、例えば、March,Advanced Organic Chemistry、第4版、John Wiley & Sons、New York(1992)およびそこに引用される参考文献に記載される。アルデヒド化合物の代表的な合成を、スキーム1〜5に例示する。
【0189】
【化17】
Figure 0004362017
【0190】
ここで、Rは、−Rb−(Z)xまたは−(Rbから炭素原子1個を引いたもの)−(Z)xを表し(ここで、Rb、Zおよびxは、本明細書中で定義される通りである)。
【0191】
さらなる例示の方法によって、以下のスキームで、本発明の代表的出発物質および化合物の合成を記載する。例えば、スキームAは、Fmoc−アミノアルデヒド5を対応するアミノアルコール3から調製する方法を例示し、ここで、Aは、本明細書中で定義される通りである。この反応において、アミノアルコールを、従来の技術により保護し、例えば、塩基存在下9−フルオレニルメチルクロロホルメートで処理しFmoc−保護アミノアルコール4を得る。次いで、公知の技術による酸化により、アルデヒド5を得る。
【0192】
【化18】
Figure 0004362017
【0193】
スキームBは、Fmoc−保護アミノアルデヒド5への別の経路を例示する。この経路は、Sasake,Y.,Abe,J.Chem.Pharm.Bull.(1997),45(1),13−17にさらに詳細に記載される。
【0194】
【化19】
Figure 0004362017
【0195】
次いで、式5のFmoc−保護アミノアルデヒドを、スキームCに示されるようにグリコペプチド(例えば、バンコマイシン)と反応させ得る。
【0196】
【化20】
Figure 0004362017
【0197】
ここで、Bは、−(Rbから炭素原子1個を引いたもの)−(Z)xを表し、ここでRb、Zおよびxは、本明細書中で記載される通りである。
【0198】
この反応は、還元的アルキル化条件の下で誘導され、グリコペプチド中間体11を与える。ピペリジンを用いる11の脱保護により、第1級アミノ基を有する対応するグリコペプチド12を得る。標準的な還元的アルキル化条件の下アルデヒド13を用いる12の反応により、グリコペプチド誘導体14および対応するビス付加体15を得、これらは、従来の技術(例えば、HPLC)により分離される。
【0199】
スキームDは、Fmoc保護アミノアルデヒド24を調製するための方法を例示する。スキームにおいて、従来のアミドカップリング条件下、酸塩化物19のアミノエステル20との反応により、アミドエステル21を得る。金属水素化物の還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウム(LAH))を使用するエステルおよびアミド部分の両方の還元により、アミノアルコール22を得る。スキームAでのように、保護および酸化により、式24のアルデヒドを得る。
【0200】
【化21】
Figure 0004362017
【0201】
あるいは、アルデヒド24は、スキームD’に示されるように調製され得る。この反応おいて、従来のアミンアルキル化条件の下、アミノアルコール3の直接的アルキル化によって、アミノアルコール22を得、次いでこれは、上記スキームDで使用され得る。
【0202】
【化22】
Figure 0004362017
【0203】
スキームEは、アルデヒド24を調製するための代替の方法を例示する。この反応において、アミノアセタール6を、還元的にアルキル化し25を得る。次いで、引き続くアミノ基の保護および、従来の条件下でのアセタールの加水分解により、アルデヒド24を得る。
【0204】
【化23】
Figure 0004362017
【0205】
スキームFは、グリコペプチドの還元的アルキル化の別の方法を例示する。このスキームにおいて、上記のように調製されたFmoc−保護アルデヒド24を、還元的アルキル化条件の下、グルコペプチド10(例えば、バンコマイシン)と反応させて、グリコペプチド誘導体27を得る。ピペリジンを用いた引き続く脱保護により、グリコペプチド誘導体14を得る。
【0206】
【化24】
Figure 0004362017
【0207】
スキームGは、グリコペプチド誘導体(例えば、バンコマイシン)のカルボキシル基のアミドへの転換を例示する。この反応において、標準的なペプチドカップリング条件(例えば、PyBOPおよびHOBT(DMF中))下で、アミン28をグリコペプチド誘導体(例えば、27)と反応させて、脱保護の後、アミド29を与える。
【0208】
【化25】
Figure 0004362017
【0209】
スキームHは、Mannich反応による、グリコペプチド(例えば、バンコマイシン)のレゾルシノール部分での、アミノアルキル側鎖の導入を例示する。この反応において、アミン30およびアルデヒド(例えば、ホルマリン(ホルムアルデヒドの源))は、塩基性条件下、グリコペプチドと反応して、グリコペプチド誘導体31を得る。
【0210】
【化26】
Figure 0004362017
【0211】
同様に、スキームIは、Mannich反応を使用するグリコペプチドのレゾルシノール部分での、式−Ra−Y−Rb−(Z)xの置換基の導入を例示する。この反応において、過剰のアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)を反応させて、式VIIaおよび/またはVIIbの環状化合物を得る。
【0212】
【化27】
Figure 0004362017
【0213】
スキームJは、上記のいくつかの反応に使用するグリコペプチド誘導体の合成を例示する。このスキームにおいて、グリコペプチド誘導体27をスキームHに記載されるMannich反応を使用して、レゾルシノール部分で誘導体化し、グリコペプチド誘導体40を得る。スキームGに記載されるように、カルボキシル基での脱保護およびアミドカップリングにより、グリコペプチド誘導体42を得る。
【0214】
【化28】
Figure 0004362017
【0215】
スキームLは、グリコペプチド誘導体27の複数の還元的アルキル化反応を例示し、これによりグリコペプチド誘導体44aを得る。
【0216】
【化29】
Figure 0004362017
【0217】
本発明の化合物を調製するためのさらなる詳細および他の方法を、以下の実施例に記載する。
【0218】
(薬学的組成物)
本発明はまた、本発明の新規なグリコペプチド化合物を包含する薬学的組成物を含む。従って、好ましくは薬学的に受容可能な塩の形態のグリコペプチド化合物は、細菌感染の治療処置および予防処置のための経口または非経口投与用に処方され得る。
【0219】
例示として、グリコペプチド化合物は、従来の薬学的キャリアおよび賦形剤と混合され得、そして錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハなどの形態で使用され得る。このような薬学的組成物は、活性化合物の重量の約0.1〜90%、そしてより一般的に約10%〜約30%を含む。この薬学的組成物は、コーンスターチ、またはゼラチン、ラクトース、ショ糖、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、およびアルギン酸のような通常のキャリアおよび賦形剤を含み得る。本発明の処方物中に通常使用される崩壊薬には、クロスカルメロース(croscarmellose)、微結晶性セルロース、コーンスターチ、ナトリウムスターチグリコレートおよびアルギン酸が挙げられる。
【0220】
液体組成物は、一般的に、懸濁剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、香味剤または着色剤とともに、例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトール、非水溶性溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)、オイル、または水のような適切な液体キャリア(単数または複数)中の化合物または薬学的に受容可能な塩の懸濁液または溶液からなる。あるいは、液体処方物は、再構成可能な粉末から調製され得る。
【0221】
例えば、活性化合物、懸濁剤、ショ糖、および甘味料を含む粉末は、水を用いて再構成され得、懸濁液を形成し;そしてシロップは、活性成分、ショ糖、および甘味料を含む粉末から調製され得る。
【0222】
錠剤の形態の組成物は、固体組成物を調製するために慣習的に使用される、任意の適切な薬学的キャリア(単数または複数)を使用して調製され得る。このよなキャリアの例には、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、乳糖、ショ糖、結晶性セルロースおよびバインダー(例えば、ポリビニルピロリドン)が挙げられる。錠剤はまた、カラーフィルムコーティング、またはキャリア(単数または複数)の一部として含まれるカラーを有して提供され得る。さらに、活性化合物は、親水性マトリクスまたは疎水性マトリクスを含む錠剤として制御された放出投薬形態で処方され得る。
【0223】
カプセル形態の組成物は、慣用的なカプセル化手順を使用して、例えば、活性化合物および賦形剤の硬質ゼラチンカプセルへの取り込みによって調整され得る。あるいは、活性化合物および高い分子量のポリエチレングリコールの半固体マトリクスを調製し、そして硬質ゼラチンカプセルに充填し得;あるいはポリエチレングリコール中の活性化合物の溶液または食用のオイル(例えば、流動パラフィン、分別した(fractionated)ココナッツオイル)中の懸濁液を調製し、そして軟質ゼラチンカプセルに充填し得る。
【0224】
含まれ得る錠剤バインダーは、アラビアゴム、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシセルロース、ポリ−ビニルピロリドン(Povidone)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、デンプン、およびエチルセルロースである。使用され得る潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウムまたは他のステアリン酸金属、ステアリン酸、シリコーン流体、タルク、ワックス、オイルおよびコロイド状シリカが挙げられる。
【0225】
ペパーミント、冬緑樹のオイル、チェリー香味剤などの香味剤がまた、使用され得る。さらに着色剤を加え、外見上より魅力的な投薬形態とするか、または製造物の識別性を助けることが所望され得る。
【0226】
非経口で投与される場合、活性である本発明の化合物およびそれらの薬学的受容可能な塩は、筋肉内、髄腔内、静脈内投与用に処方され得る。
【0227】
筋肉内または髄腔内投与用の典型的な組成物は、オイル(例えば、ラッカセイ油またはゴマ油)中の活性成分の懸濁液または溶液からなる。静脈内または髄腔内投与用の典型的な組成物は、例えば、活性成分、およびデキストロースもしくは塩化ナトリウム、またはデキストロースと塩化ナトリウムとの混合物を含む、滅菌の等張性水溶液からなる。他の例には、乳酸加リンガー液、乳酸加リンガー液+デキストロース注射液、Normosol−Mおよびデキストロース、Isolyte E、アシル化リンガー液などがある。必要に応じて、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)、キレート剤(例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸)、および抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)が、処方物に含まれ得る。あるいは、溶液を凍結乾燥し、次いで投与の直前に適切な溶媒で再構成され得る。
【0228】
直腸投与で活性である本発明の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩が、坐薬として処方され得る。典型的な坐薬処方物は、一般的に、ゼラチンまたはココアバター、あるいは他の低融点の植物性または合成ワックスまたは脂肪のような結合剤および/または潤滑剤を含む活性成分からなる。
【0229】
局所投与で活性である本発明の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩が、経皮組成物または経皮送達デバイス(「パッチ」)として処方され得る。このような組成物には、例えば、裏装、活性化合物のレザバ、制御膜、ライナーおよび接触接着剤が挙げられる。このような経皮パッチを使用して、制御量での本発明の化合物の、連続または不連続注入液を提供し得る。薬学的試薬の送達のための経皮パッチの構成および使用は、当該分野で周知である。例えば、1991年6月11日に発行された米国特許第5,023,252号(本明細書中でその全体が参考として引用される)を参照のこと。このようなパッチは、連続、脈動(pulsatile)、または需要送達(on demand delivery)薬学的試薬で構成され得る。
【0230】
活性化合物は、幅広い投薬量範囲にわたって有効であり、そして一般に薬学的有効量で投与される。しかし、実際に投与される化合物量は、処置される状態、選択した投与経路、投与される実際の化合物およびその相対的活性、年齢、体重、および個々の患者の応答、患者の症状の重篤度などを含む関連する状況に照らし合わせて、医師により決定される。
【0231】
適切な用量は、一般的な範囲として、0.01〜100mg/kg/日、好ましくは、0.1〜50mg/kg/日である。平均70kgのヒトについて、この用量は、1日当たり0.7mg〜7g、または好ましくは、1日当たり7mg〜3.5gの量である。
【0232】
本発明において、使用のための他の適切な処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Company,Philadelphia,PA,第17版(1985)に見出され得る。
【0233】
以下の処方物の例により、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。
【0234】
(処方実施例A)
この実施例は、本発明の化合物の経口投与用の代表的な薬学的組成物の調製を例示する:
【0235】
【表1】
Figure 0004362017
【0236】
上記成分を混合し、硬質殻ゼラチンカプセルに導入する。
【0237】
(処方実施例B)
この実施例は、本発明の化合物の経口投与用の別の代表的な薬学的組成物の調製を例示する:
【0238】
【表2】
Figure 0004362017
【0239】
上記成分を完全に(intimately)混合し、そして一回分にスコアー付けした(single scored)錠剤にプレスした。
【0240】
(処方実施例C)
この実施例は、本発明の化合物の経口投与用の代表的な薬学的組成物の調製を例示する。
【0241】
経口用の懸濁物を、以下の組成を有するように調製した。
【0242】
【表3】
Figure 0004362017
【0243】
(処方実施例D)
この実施例は、本発明の化合物を含む代表的な薬学的組成物の調製を例示する。
【0244】
pH4まで緩衝化した注射可能な調製物を、以下の組成を有するように調製した:
【0245】
【表4】
Figure 0004362017
【0246】
(処方実施例E)
この実施例は、本発明の化合物の注射用の代表的な薬学的組成物の調製を例示する。
【0247】
再構成した溶液を、本発明の化合物1gに滅菌水20mLを添加することによって調製する。次いで使用の前に、この溶液を活性化合物と適合性の静脈用の流体200mLで希釈する。このような流体を5%のデキストロース溶液、0.9%の塩化ナトリウム、または5%のデキストロースと0.9%の塩化ナトリウムの混合物から選択した。他の例には、乳酸加リンガー液、乳酸加リンガー液+5%デキストロース注射液、Normosol−Mおよび5%デキストロース、Isolyte E、アシル化リンガー液などがある。
【0248】
(処方実施例F)
この実施例は、本発明の化合物の局所適用のための代表的な薬学的組成物の調製を例示する。
【0249】
【表5】
Figure 0004362017
【0250】
上記成分の全て(水を除く)を、組み合わせて、攪拌しながら60℃まで加熱する。次いで60℃の十分な量の水を、激しく攪拌しながら添加してこの成分を乳化し、次いで水を100g(適量)添加した。
【0251】
(処方実施例G)
この実施例は、本発明の化合物を含む代表的な薬学的組成物の調製を例示する。 総量で2.5gの坐薬を、以下の組成を有するように調製する:
【0252】
【表6】
Figure 0004362017
【0253】
(有用性)
本発明のグリコペプチド化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩は、医療処置において有用であり、抗菌活性を含む生体活性を示し、このことは、この実施例において記載される試験において実証され得る。これらの試験は、当業者に周知であり、そしてLorianの「Antibiotics in Laboratory Medicine」、第4版、Williams and Wilkins(1991)(本明細書中で参考として援用される)で参照され、記載されている。
【0254】
従って、本発明は、感染性疾患、特に、動物においてグラム陽性微生物によって引き起こされる疾患を処置するための方法を提供する。本発明の化合物は、特に、メチシリン耐性ブドウ球菌によって引き起こされる感染を処置するのに有用である。また、この化合物は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含む、腸球菌による感染を処置するのに有用である。このような疾患の例には、重篤なブドウ球菌性の感染、例えば、ブドウ球菌心内膜炎およびブドウ球菌敗血症がある。この動物は、微生物に感受性であるか、または微生物で感染される得るかのいずれかである。本方法は、この目的のための有効である本発明の化合物の量を、動物に投与する工程を含む。一般に、本発明の化合物の有効量は、約0.5mg/kgと約100mg/kgとの間の用量である。好ましい用量は、約1〜約60mg/kgの活性化合物である。典型的な成人のヒトの1日用量は、約50mg〜約5gである。
【0255】
この方法を実施する際に、抗生物質が単回の1日量、または1日当たりの多回量で投与され得る。この処置レジメンは、幅のある期間、例えば、数日または1週間〜6週間にわたる投与を必要とする。投与用量当たりの量、または投与される総量は、感染の性質および重篤度、患者の年齢および一般的健康状態、抗生物質および微生物または感染における微生物に対する患者の耐性のような因子に依存する。
【0256】
他の特性の中で、本発明の化合物はまた、N−アシルグリコペプチド誘導体と比較してより化学的に安定であることが見出された。より詳細には、バンコマイシンのバンコサミン部分のアミノ基のアシル化により、ジサッカリド部分の加水分解の速度が上がることを観測した。対照的に、本発明の化合物が、−Ra−Y−Rb−(Z)x基によってバンコマイシンのバンコサミン部分のアミノ基で置換された場合、ジサッカリド部分の加水分解の速度の上昇は観測されない。
【0257】
以下の合成および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を限定するものとして、いかなる方法においても解釈されるものではない。
【0258】
(実施例)
以下の実施例において、以下の略語は、以下の意味を有する。定義されていない任意の略語は、一般的に受け入れられた意味を有する。もし他に記載がなければ、全ての温度は、摂氏度である。
BOC、Boc=tert−ブトキシカルボニル
DIBAL−H=ジイソブチルアルミニウムヒドリド
DIPEA =ジイソプロピルエチルアミン
DMF =N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO =ジメチルスルホキシド
eq. =当量
Et =エチル
EtOAc =酢酸エチル
Fmoc =9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBT =1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
Me =メチル
PyBOP =ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホ
スホニウムヘキサフルオロホスフェート
TEMPO =2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ,フリー
ラジカル
TFA =トリフルオロ酢酸
THF =テトラヒドロフラン
TLC、tlc=薄層クロマトグラフィー。
【0259】
以下の実施例において、バンコマイシンヒドロクロリド半水和物は、Alpharma,Inc.Fort Lee,NJ07024(Alpharma AS,Oslo Norway)から購入した。他の試薬および反応物を、Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI 53201から入手可能である。
【0260】
(一般手順A バンコマイシンの還元的アルキル化)
DMF中のバンコマイシン(1当量)と所望のアルデヒド(1.3当量)との混合物に、DIPEA(2当量)を添加した。この反応物を、周囲温度で1〜2時間攪拌し、そして逆相HPLCによってモニタリングした。メタノールおよびNaCNBH3(1当量)を、この溶液に添加し、次いでTFA(3当量)を添加した。攪拌を、周囲温度でさらに1時間続けた。反応が完了した後、メタノールを減圧下で除去した。この残渣をアセトニトリル中で沈殿させた。濾過により粗生成物を得、次いでこの粗生成物を逆相HPLCにより精製した。所望であれば、他のグリコペプチドをこの手順で使用し得る。
【0261】
(一般的手順B)
(アグリコンアルキル化手順I)
DMF中のバンコマイシンアグリコンTFA塩(1.0当量)、Cs2CO3(3.5当量)の白色懸濁液を、室温で30分間攪拌する。ハロゲン化アルキル(1.1当量)を添加する。次いで、この反応混合物を、酢酸を用いるクエンチングの前に5〜24時間攪拌する。生じた茶色がかった溶液を水中に滴下し、白色沈澱を得る。ろ過して、粗モノアルキル化生成物を得、所望ならば、逆相HPLCにより精製することができる。
【0262】
(一般的手順C)
(アグリコンアルキル化手順II)
窒素下で、バンコマイシンアグリコンのトリフルオロ酢酸塩(1当量)を、DMFに溶解し、室温で、炭酸カリウム(8〜10当量)と共に1時間、勢いよく攪拌する。ハロゲン化アルキル(1当量)を添加し、この混合物を一晩中勢いよく攪拌する。ジエチルエーテル中に沈澱させることによって、粗生成物を収集し、アセトニトリルで洗浄し、そして10%酢酸水溶液内に取り上げる。モノアルキル化生成物を、逆相HPLCによって精製して得る。
【0263】
(一般的手順D)
(アミノ置換アルデヒドの調製)
2−アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールのようなアミノアセタール(1当量)、アルデヒド(1.05当量)およびNaCNBH3(1当量)のCH2Cl2溶液を、室温で1〜4時間攪拌する。反応をTLCでモニタする。FmocCl(1当量)およびDIPEA(2当量)を、0℃において、反応混合物に添加する。室温で1〜2時間攪拌する。次いで、反応を0.1N HCl、水およびブラインで洗浄する。溶媒を真空中で除去し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、アミノ置換アセタールを得た。
【0264】
このアミノ置換アセタールのアセトン溶液に6N HCl(1.5当量)を添加する。この反応を、室温で5〜16時間攪拌する。溶媒を真空中で除去し、残渣を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗アミノ置換アルデヒドを得る。
【0265】
(一般的手順E)
(チオ置換アルデヒドの調製)
ジメチル2−ブロモアセトアルデヒドのようなブロモアセタール(1当量)、およびヨウ化ナトリウム(1当量)のDMF溶液を、周囲温度で0.5時間攪拌する。この溶液に、n−デシルチオールのような置換チオール(1当量)、続いて炭酸カリウム(1当量)を添加する。この混合物を25〜80℃で4〜16時間攪拌する。次いで、この反応系を、酢酸エチルで取り上げ、水で2回、そして飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を真空中で除去する。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製し、対応するチオ置換アセタールを得る。
【0266】
このチオ置換アセタールのアセトン溶液に6N HCl(1.5当量)を添加する。この反応系を、室温で5〜16時間攪拌する。溶媒を真空中で除去し、残渣を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗チオ置換アルデヒドを得る。
【0267】
(一般的手順F)
(チオ置換アルデヒドの調製)
チオグリコール酸メチルのようなチオールエステル(1当量)、ヨウ化ナトリウム(1当量)、臭化アルキル(1当量)および炭酸カリウム(1当量)のDMF中の混合物を、室温で4〜16時間攪拌する。この反応系を酢酸エチルで取り上げ、水およびブラインで洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を真空中で除去する。フラッシュクロマトグラフィーで精製し、チオ置換エステルを得る。
【0268】
乾燥エーテル中のチオ置換エステルを、−78℃でDIBAL−H(シクロヘキサン中の1M溶液、1.3当量)で処理する。次いで、この反応系を、−78℃で2〜4時間攪拌する。TLCを使用して、反応の進行をモニタする。完了したら、ギ酸エチル(0.5当量)を添加して、反応系をクエンチする。次いで、この反応系を10%酢酸、水およびブラインで洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗チオ置換アルデヒドを得る。
【0269】
(一般的手順G)
(アルコキシ置換アルデヒドの調製)
THF中のジメチル2−ヒドロキシアセトアルデヒドのようなヒドロキシアセタール(1当量)溶液を0℃において、水素化ナトリウム(1当量)で処理する。水素発生終了後、臭化アルキルを、0℃で添加する。次いで、この反応系を室温で1〜4時間攪拌する。この反応系を酢酸エチルで取り上げ、水およびブラインで洗浄する。溶媒を真空中で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで一般的に精製し、アルコキシ置換アセタールを得る。
【0270】
アセトン中のこのアルコキシ置換アセタールの溶液に6N HCl(1.5当量)を添加する。この反応系を、室温で5〜16時間攪拌する。溶媒を真空中で除去し、残渣を高真空下で乾燥し、さらに精製することなく、典型的に使用される粗アルコキシ置換アルデヒドを得る。
【0271】
(一般的手順H)
(スルホンアミド置換アルデヒドの調製)
THF中のジメチル2−アミノアセトアルデヒドのようなアミノアセタール(1当量)およびジイソプロピルエチルアミン(2当量)の溶液を0℃において、塩化スルホニル(1当量)で処理する。次いで、この反応系を室温で1〜4時間攪拌する。次いで、この反応を酢酸エチルで取り上げ、0.1N HCl、水およびブラインで洗浄する。溶媒を真空中で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、スルホンアミド置換アセタールを得た。
【0272】
アセトン中のこのスルホンアミド置換アセタールの溶液に6N HCl(1.5当量)を添加する。この反応を、室温で5〜16時間攪拌する。次いで、溶媒を真空中で除去し、残渣を高真空下で乾燥し、さらに精製ことなく、典型的に使用される粗スルホンアミド置換アルデヒドを得た。
【0273】
(実施例A)
(Fmoc−アミノアセトアルデヒドの調製)
Fmoc保護されたアミノエタノールを、(例えば、以下の実施例BおよびCに記述されているように)従来の技術によってアミノエタノールから調製した。
【0274】
Fmoc−アミノエタノール(37.64g、133mmol、1.0当量)、TEMPO(CH2Cl2中0.008M、332.5mL、2.66mmol、0.02当量)、KBr(水中0.5M、53.2mL、26.6mmol、0.2当量)および酢酸エチル(1,500mL)の混合物に、0℃で、NaOCl(0.35M、NaHCO3でpH8.6に緩衝化された、760mL、266mmol、2.0当量)を添加した。機械的な攪拌を使用して、有効な攪拌を保証し、反応をTLCでモニタした。20分後、2相に分離した。水相を酢酸エチルで抽出し(2×250mL)、合わされた有機相を飽和Na223、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして約400mLにまで濃縮した。ヘキサン(1,600mL)を添加し、白色沈澱を得た。ろ過後、Fmoc−アミノアセトアルデヒド(25.2g、67%)を、白色粉末として採取した。
【0275】
(実施例B)
(N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)アセトアルデヒドの調製)
氷/アセトン浴中、塩化メチレン(20mL)中のn−デカノイルクロリド(2.7mL、13mmol、1.0当量)の溶液に、塩化メチレン(20mL)中のグリシンメチルエステル塩酸塩(2.0g、16mmol、1.2当量)およびDIPEA(5.1mL、29mmol、2.2当量)の混合物を液滴添加した。この反応系を、完全な添加後、さらに60分攪拌し、次いで、3N塩酸(50mL)で2回、続いて飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を、減圧下で除去した。さらに精製することなく、次の工程で使用するメチル2−デシルアミドアセテート(3.0g、12mmol、95%)を得た。
【0276】
窒素下、メチル2−(n−デシルアミド)アセテート(3.0g、12mmol、1.0当量)を、無水テトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、氷浴で冷却した。リチウムアルミニウムヒドリドの溶液(1N、25mL、25mmol、2.0当量)を、注意深く添加した。得られた溶液を、窒素下、一晩還流し、次いで、氷浴で冷却した。テトラヒドロフラン(50mL)を添加し、続いて硫酸ナトリウム十水和物を発泡が終わるまでゆっくり添加した。この混合物を室温まで温め、ろ過し、次いで、真空下で濃縮した。さらに精製することなく使用する2−(n−デシルアミノ)エタノール(2.3g、11mmol、93%)を得た。
【0277】
2−(n−デシルアミノエタノール)(2.3g、11mmol、1.1当量)およびDIPEA(2.0mL、11mmol、1.1当量)を、塩化メチレン(15mL)に溶解し、氷浴で冷却した。塩化メチレン(15mL)中の9−フルオレニルメチルクロロホルメート(2.6g、10mmol、1.0当量)を添加し、この混合物を30分攪拌し、次いで、3N塩酸(50mL)で2回、そして飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去した。N−Fmoc−2−(デシルアミノ)エタノール(4.6g、11mmol、108%)をさらに精製することなく使用した。
【0278】
N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)エタノール(4.6g、11mmol、1.0当量)およびDIPEA(7.6mL、44mmol、4.0当量)を塩化メチレン(30mL)中に溶解し、そして氷/アセトン浴中で冷却した。ジメチルスルホキシド(30mL)中の三酸化硫黄ピリジン錯体(6.9g、43mmol、4.0当量)の溶液を添加し、そしてこの溶液を、20分間攪拌した。砕氷を添加し、そして混合物を分配した。有機物を3N塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和塩化ナトリウムで洗浄し、塩化マグネシウムで乾燥し、そして真空下で濃縮した。N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)アセトアルデヒド(3.4g、8mmol、74%)をさらに精製することなく使用した(実施例5を参照のこと)。
【0279】
(実施例C)
(2−(デシルアミノ)エタノールの調製)
エタノール中のアミノエタノール(30.5g、500mmol、30.1mL)および1−ブロモデカン(27.65g、125mmol、26mL)の溶液を65℃で4時間攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣をEtOAc(800mL)で希釈し、そして有機溶液を、H2O(2×200mL);飽和NaHCO3水溶液(200mL)および飽和ブライン(200mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた粗生成物、2−(デシルアミノ)エタノールをさらに精製することなく使用した。
【0280】
(実施例D)
(N−Fmoc−2−(trans−デク(Dec)−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドの調製)
trans−4−デセナール(7.2g、46.6mmol)を、400mLのメタノール中の40mL(0.37moL)のアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールと混合し、そして室温で30分間攪拌した。NaCNBH3(2.9g、46.6mmol)を添加し、この反応を氷浴中で冷却し、そして27mL(0.35moL)のTFAを、5分間かけて滴下した。次いで、氷浴を除去し、この反応系を室温で70分間攪拌し、その体積の3分の1になるまで濃縮し、酢酸エチル(250mL)と1N NaOH(200mL)との間で分配した。有機層を水(3×75mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、11.1g(45.6mmol)の2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタールを、次の工程で直接使用する黄色の油状物質として得た。
【0281】
2−(trans−Dec−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール(10.5g、43.2mmol)をジクロロメタン(300mL)と混合し、そして7.5mL(43.2mmol)のジイソプロピルエチルアミンおよび11.2g(43.2mmol)のFMOC−Clを少しずつ添加した。この反応系を室温で3時間攪拌し、次いで、10%KHSO4の溶液(200mL)に注いだ。有機層を水(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた油状物質を10%EtOAc/ヘキサンでシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、16.1g(34.6mmol)のN−Fmoc−2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタールを、次の工程で直接使用する透明の油状物質として得た。
【0282】
N−Fmoc−2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール(5g、10.7mmol)を30mLのTFAと混合し、そして室温で30分間攪拌した。この反応系を水(140mL)に注ぎ、そして遠心分離して、透明な油状物質を得た。上澄みをデカントし、この油状物質を40mLの水と混合し、そして再び遠心分離した。再び上澄みをデカントし、油状物質をジクロロメタン(100mL)に溶解し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、5.2g(12.3mmol)のN−Fmoc−2−(trans−デク−4−エン−1−イルアミノ)アセトアルデヒドを、透明な油状物質として得た。
【0283】
(実施例E)
(式Vの化合物(ここで、R22がOHであり、そしてR23が−CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン)である)の調製)
バンコマイシン(9.0g、5.16mmol)を、窒素下、50%水性アセトニトリル(60mL)中のN−メチル−D−グルカミン(5.03g、25.8mmol)および37%ホルムアルデヒド(0.43mL、5.4mmol)の溶液に添加し、そして室温で攪拌した。4時間後,アセトニトリルを真空下で除去し、水(30mL)を添加し、そしてpHを、10%トリフルオロ酢酸で約4に調節した。この溶液を逆相HPLCによって精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、白色粉末として表題化合物を得た。この中間体を、本明細書中に記載の手順を使用してさらに誘導体化し得る。
【0284】
(実施例F)
(式IVの化合物(ここで、R15およびR16はHであり、R22がOHであり、そしてR27が−CH2CH2−NH−Fmocである)の調製)
塩酸バンコマイシン(4.00g、2.60mmol)を40mLの1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)ピリミジノンに懸濁し、そして15分間70℃に加熱した。N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノアセトアルデヒド(720mg、2.6mmol)を添加し、そしてこの混合物を70℃で1時間加熱した。2mLメタノール中のナトリウムシアノボロヒドリド(160mg、2.5mmol)を添加し、そしてこの混合物を70℃で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。この反応溶液を、20mLのアセトニトリルに滴下し、沈澱を得、この沈殿を遠心分離によって収集した。この沈殿を、Ranin C18 Dynamax column(2.5cm×25cm,8μm粒子サイズ)の逆相HPLC(水中の0.045%TFAを緩衝液Aとして、そしてアセトニトリル中の0.045%のTFAを緩衝液Bとして使用して10mL/分の流速で(90分にわたる10〜70%のBのHPLC勾配))によって精製し、そのトリフルオロ酢酸塩として表題中間体を得た。MS計算値:MS+,1715;実測値,1715。
【0285】
この化合物を、本明細書中に記載されるように、例えば、還元的アルキル化を介して、脱保護そしてさらに誘導体化し得る。
【0286】
(実施例G)
(O−エチルアグリコン誘導体の調製)
塩酸バンコマイシン水和物(10g、6.4mmol)を100mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、そして3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン(3.2mL、26mmol)を添加した。100mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解したPyBOP(3.3g、6.4mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、0.9g、6.4mmol)を室温で滴下した。この反応系を1時間攪拌し、そしてアセトニトリル中に滴下して、白色の沈澱を得た。この沈澱をろ過し、アセトニトリル、エーテルで洗浄し、真空中で乾燥して、シロップ状の粗バンコマイシン3−(ジメチルアミノ)プロピルアミドを得た。
【0287】
このシロップ状物質の1部分を、100mLトリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、323Kで2時間加熱し、室温に冷却し、そしてエーテルに滴下して、緑色の沈澱を得た。この沈殿をろ過によって収集し、真空下で乾燥し、そして逆相HPLC(0.1%TFAを含む水中の2〜50%アセトニトリル)によって精製して、バンコマイシン3−(ジメチルアミノ)プロピルアミドアグリコンを、そのTFA塩として得た。
【0288】
そのトリフルオロ酢酸塩としてのアグリコン(500mg、340umol)を5mL DMFに溶解し、そして炭酸カリウム(500mg、3.6mmol)を添加した。この混合物を、室温で15分間攪拌し、次いで、tert−ブチルN−(2−ブロモエチル)カルバメート(77mg、340umol)を添加した。この混合物を室温で24時間攪拌し、次いで、さらにtert−ブチルN−(2−ブロモエチル)カルバメート(70mg、310umol)を添加した。この混合物を室温で7時間攪拌し、次いでエーテルに滴下して、沈澱を得た。この沈澱を、遠心分離によって収集し、アセトニトリルで洗浄し、5:1:2の水/酢酸/アセトニトリルに溶解した。この溶液を逆相HPLCで精製して、バンコマイシン3−(ジメチルアミノ)プロピルアミドO−2−(N−t−BOC−アミノ)エトキシアグリコンを、トリフルオル酢酸塩として得、室温で30分間、1mLのTFAで処理した。逆相HPLCで精製して、バンコマイシン3−(ジメチルアミノ)プロピルアミドO−(2−アミノエチル)アグリコンを、トリフルオロ酢酸塩として得た。この化合物を、上記に記載されるように、脱保護し、例えば、還元的アルキル化を介して、そしてさらに誘導体化し得る。
【0289】
(実施例1)
(式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R17はHであり、そしてR22はOHである)の合成)
オーブンで乾燥された、マグネチックスターラーバーを備えた1000mLの丸底フラスコに、バンコマイシン(34.1g、23mmol、1当量)、N−Fmoc−アミノアセトアルデヒド(6.5g、23mmol、1当量)、DIPEA(8.5mL、46mmol、2当量)およびDMF(340mL)を添加した。混合物を周囲温度で2時間に渡り攪拌し、そしてHPLCによってモニタした。反応系は均一になり、そしてイミンへの約90%の転化を観測した。メタノール(340mL)およびNaCNBH3(4.3g、69mmol、3当量)をこの溶液に添加し、続いてTFA(5.2mL、69mmol、3当量)を添加した。周囲温度で、さらに1時間攪拌を継続した。反応完了後、メタノールを真空中で除去した。粗生成物およびDMFを含む残渣を5Lフラスコにゆっくり注ぎ、アセトニトリル(3.5L)と共に攪拌した。白色沈澱が形成された。この懸濁液を周囲温度で放置し、そして上澄みをデカントした。白色固体をろ過し、そしてエーテル(2L)で粉砕した。ろ過後、粗生成物を、高真空下で一晩乾燥した。
【0290】
8×26cmのカラムを、オクタデシルが結合したシリカゲルで充填した。このカラムを、800mLの90%の溶媒B[水中のアセトニトリル、0.1%TFA]で洗浄し、そして800mLの10%の溶媒Bで平衡化した。粗生成物(10g)を30%の溶媒B(150mL、2mLの3N HClを含む)に溶解し、そしてカラム上に装填した。次いで、これを、10%のB(800mL×2)、40%のB(800mL×3)および90%のB(800mL)でフラッシュした。画分を分析用HPLCによりチェックした。凍結乾燥後、Nvan−Fmoc−アミノエチルバンコマイシンを、そのTFA塩として得た。
【0291】
van−Fmoc−アミノエチルバンコマイシンを、従来の手順(例えば、実施例2および3に記載されるように)を使用して脱保護し、Nvan−アミノエチルバンコマイシントリTFA塩を得た。
【0292】
メタノール:DMF:THF(2:1:1、1.6mL)中のNvan−アミノエチルバンコマイシントリTFA塩(15.5mg、8.4μmol)の溶液に、デカナール(92μL、59μmol)およびナトリウムシアノボロヒドリド(メタノール中0.1M、45μL、4.5μmol)を添加した。45分後、溶媒を真空下で除去し、そして残渣を分取HPLCによって精製した。適切な画分を合わせ、そして凍結乾燥して、Nvan−2−(n−デシルアミノ)エチルバンコマイシン(2.4mg)を白色粉末として得た。さらに、Nvan,Nvan−ビス−2−(n−デシルアミノ)エチルバンコマイシン(2.9mg)を単離した。
【0293】
(実施例2)
(式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R17はHであり、そしてR22はOHである)の合成)
塩酸バンコマイシン(12g、7.7mmol、1.0当量)、N−Fmoc−2−(n−デシルアミノ)アセトアルデヒド(3.2g、7.6mmol、1.0当量)およびDIPEA(2.6mL、14.9mmol、2.0当量)を、DMF(120mL)中、室温で90分間攪拌した。ナトリウムシアノボロヒドリド(1.4g、22mmol、3.0当量)を添加し、続いて、メタノール(120mL)、次いで、トリフルオロ酢酸(1.8mL、23mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を室温で60分間攪拌し、次いで、メタノールを、減圧下で除去した。得られた溶液を600mLジエチルエーテルに添加して、沈殿を得た。この沈澱をろ過し、エーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥した。粗生成物を、逆相フラッシュカラム(水(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)中の10、20、30%アセトニトリルを用いて溶離する)で精製し、極性不純物(例えば、残留バンコマイシン)を除去し、次いで、生成物を水(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)中の70%アセトニトリルで溶離し、そのトリフルオロ酢酸塩として9gのNvan−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシンを得た(4.3mmol,56%)。
【0294】
van−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(100mg)を1mLのDMF(1mL)に溶解し、ピペリジン(200uL)で、30分間処理した。この混合物をエーテル中に沈澱させ、遠心分離し、そしてアセトニトリルで洗浄した。逆相の分取HPLC(120分にわたり、0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の10〜70%アセトニトリル)により、 Nvan−2−(n−デシルアミノ)エチルバンコマイシンを、そのTFA塩として得た。
【0295】
(実施例3)
(式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R17はHであり、そしてR22は−N−(D−グルコサミン)である)の合成)
van−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(100mg、48umol、1.0当量)を1mLのDMFに溶解し、そして塩酸グルコサミンを添加した(31mg、144umol、3.0当量)。この混合物を30分間激しく攪拌し(この塩酸グルコサミンは完全には溶解しない)、DIPEA(60uL、344umol、7.2当量)を添加し、そしてこの混合物をさらに30分間激しく攪拌した。500uLのDMF中のベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP、50mg、96umol、2.0当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(14mg、104umol、2.2当量)の溶液を調製した。PyBOP溶液を、他の反応成分の激しく攪拌した懸濁液に、5分間隔で60μLづつ5回で添加した。この反応をさらに30分間攪拌し、次いで、アセトニトリル中に沈澱させた。固体を遠心分離で収集し、1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに取り上げ、そして200uLピペリジンで30分間処理した。エーテルへの沈澱に続いて、遠心分離、そして固体をアセトニトリルで洗浄した。逆相の分取HPLC(120分にわたって0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の10〜70%アセトニトリル)により、式IIIの化合物(ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、そしてR22は−N−(D−グルコサミン)である)を、そのトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0296】
(実施例4)
(式IIIの化合物(ここで、ここで、R15は−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、そしてR22は−NH−CH(COOH)CH2COOHである)の合成)
HOBt(1.47g、10.9mmol)、PyBOP(7.57g、14.6mmol)、およびL−アスパラギン酸のビスフルオレニルメチルエステル(TFA、6.26g、10.4mmol)を、DMF(440mL)中のNvan−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(20g、10.4mmol)およびDIPEA(5.44mL、31.2mmol)のよく攪拌した溶液に添加した。1時間後、MSによって反応を完了した。この混合物を、CH3CN(4L)中に沈澱させ、そして遠心分離した。上澄みをデカントし、そしてペレットをDMF(440mL)に再溶解した。ピペリジン(44mL)を添加し、そして反応をMSによってモニタした。1時間後、反応を完了した。Et2O(4L)への滴下による沈澱を一晩攪拌し続けた。固体をろ過により収集し、そして真空中で乾燥した。次いで、得られた固体をCH3CNで粉砕し、そしてろ過により収集し、真空中で乾燥して、オフホワイトの固体として所望の生成物を得、これを逆相HPLCによって精製した。
【0297】
(実施例5)
(式Vの化合物(ここで、R15はHであり、そしてR23は−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3である)の合成)
50%水性アセトニトリル(1.0mL)に、ジアミノエタン(30mg、0.5mmol)、37%ホルマリン(7.6uL、0.20mmol)および塩酸バンコマイシン(140mg、0.10mmol)を添加した。3時間の攪拌後、生成物を、アセトニトリル(12mL)の添加によって沈澱させた。固体を、遠心分離によって分離し、次いで、エーテル(12mL)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥し、そして逆相HPLC(50ml/分の流速での40分間にわたる5〜15%のB)によって精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、式Vの化合物(ここで、R23は、−CH2−NH−CH2CH2NH2である)(85mg)を、白色粉末として得た。MS計算値(MH+),1520;測定値,1520。
【0298】
エタノール(1.0mL)およびDMF(1.0mL)中の上記の工程からの化合物(80mg、0.040mmol)の溶液に、n−デカナール(6.3mg、0.040mmol)を添加し、そしてこの混合物を45分間攪拌した。次いで、ナトリウムシアノボロヒドリド(メタノール中の0.1M、400uL、0.040mmol)を添加し、そしてこの混合物を3時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、そして残渣を分取HPLCで精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、表題化合物を白色粉末として得た。MS計算値(MH+),1661;測定値,1661。
【0299】
(実施例6)
(式Vの化合物(ここで、R15は−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R22は、−N−(D−グルコサミン)であり、そしてR23は−CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン)である)の合成)
50%水性アセトニトリル(10mL)に、N−メチル−D−グルカミン(975mg、5.0mmol)、37%ホルマリン(84uL、1.1mmol)、DIPEA(348uL、2.0mmol)およびNvan−(N−Fmoc−2−n−デシルアミノエチル)バンコマイシン(2.15g、1.030mmol)を連続して添加した。16時間の攪拌後、生成物を、アセトニトリル(80mL)の添加によって沈澱させた。固体を遠心分離によって分離し、次いで、アセトニトリル(80mL)で洗浄した。この固体をDMF(6.0mL)およびピペリジン(2.0mL)中に溶解した。30分後、生成物をアセトニトリル(80mL)の添加によって沈澱させた。固体を遠心分離によって分離し、次いで、エーテル(80mL)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥し、そして逆相HPLC(50ml/分の流速での40分間にわたる10〜35%のB)によって精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、式Vの化合物(ここで、R15は、−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R23は−CH2−N−(N−CH3−D−グルカミン)である)(1.34g)を、白色粉末として得た。MS計算値(MH+),1839;測定値,1839。
【0300】
上記の化合物(テトラTFA塩)(150mg、0.065mmol)をDMFに溶解した。この溶液に、塩酸D−グルコサミン(35mg、0.16mmol)、DIPEA(65uL、0.32mmol)、ならびにDMF中のPyBOPおよびHOBtの溶液(それぞれ、3.85mLの0.02M溶液、それぞれ0.077mmol)を連続して添加した。30分後、生成物をアセトニトリル(40mL)の添加によって沈澱させた。この固体を遠心分離して分離し、次いで、アセトニトリル(40mL)で洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥し、そして逆相HPLC(50ml/分の流速での40分間にわたる10〜35%のB)によって精製した。所望の生成物を含む画分を質量分析法によって同定し、プールし、そして凍結乾燥して、表題化合物を白色粉末として得た。MS計算値(MH+),2000;測定値,2000。
【0301】
(実施例7)
(式IVの化合物(ここで、R15は−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH29CH3であり、R22は、−OHであり、そしてR27は−CH2C(O)OCH2CH3である)の合成)
DMF(35mL)中のバンコマイシンモノ塩酸塩(3.72g、2.5mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.87mL、5.0mmol)、続いてN−Fmoc−n−デシルアミノアセトアルデヒド(1.05g、2.5mmol)で処理した。得られた反応混合物を室温で12時間攪拌した。エチルグリオキシレート(2.5mmol、トルエン中50%溶液)を添加し、そしてこの反応溶液を50℃で6時間攪拌した。この反応混合物を室温に冷却し、そしてNaCNBH3(0.376g、6.0mmol)、続いてMeOH(35mL)中のTFA(0.58mL、7.5mmol)の溶液で処理した。20分後、MeOHを減圧下で除去し、そして粗生成物(crude)をアセトニトリル(400mL)中で沈澱させた。固体をろ過して収集した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、表題化合物を得た。MS(M+H)1939.2(M+,計算値1938.7)。
【0302】
(実施例8)
(式IVの化合物(ここで、R15は−CH2−C(O)OCH3であり、R22は−OHであり、そしてR27は−CH2C(O)OCH3である)の合成)
DMSO(100mL)中の塩酸バンコマイシン(7.43g、5.0mmol)の溶液を、室温で、ジイソプロピルエチルアミン(1.74mL、10.0mmol)、続いてメチルブロモアセテート(0.824g、5.5mmol)で処理した。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。粗生成物をアセトニトリル(1000mL)を使用して沈澱させた。この粗生成物を収集し、そして分取HPLCによって精製し、表題生成物を得た。MS(M+H)1522.0(M+,計算値1519.45)。
【0303】
(実施例9)
(式VIIIの化合物(ここで、R19は−CH2−C(O)OC(CH33である)の合成)
窒素下、バンコマイシンアグリコンのトリフルオロ酢酸塩(385mg、310umol)をN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解した。炭酸カリウム(400mg、2.9mmol)を添加し、この混合物を室温で55分間激しく攪拌した。次いで、tert−ブチルクロロアセテート(44uL、310umol)を添加し、この混合物を激しく一晩攪拌した。粗反応混合物をジエチルエーテル(40mL)中に沈澱させ、固体を遠心分離によって収集し、アセトニトリル(40mL)で洗浄し、そして10%水性酢酸に取り上げた。表題化合物を逆相HPLC精製によって得た(計算質量:1256.4,測定質量(M+H):1257.7)。
【0304】
(実施例10)
(式VIIIの化合物(ここで、R19は−CH2CH2CH2−NH−(CH29CH3である)の合成)
バンコマイシンアグリコンTFA塩(2.0g、1.59mmol、1.0当量)、Cs2CO3(1.81g、5.56mmol、3.5当量)およびDMF(34.0mL)の白色懸濁液を室温で30分間攪拌した。次いで、t−ブチルN−(3−ヨードプロピル)カルバメート(0.54g、1.9mmol、1.2当量)を添加した。この反応混合物を、酢酸でクエンチする前に24時間攪拌した。得られた茶色がかった溶液を水中に滴下し、白色沈澱を得た。真空ろ過により、1.5gの白色結晶固体を得、この固体をさらに精製することなく、次の工程のために使用した。
【0305】
上記の化合物(1.05g、0.75mmol、1.0当量)、DIPEA(0.65mL、3.75mmol、5.0当量)およびDMF(10mL)の混合物に、Fmoc−Cl(0.19g、0.75mmol、1.05当量)を数回に分けて添加した。室温で4時間攪拌した後、TFA(0.6mL)を添加して、反応をクエンチした。次いで、反応混合物を500mLの水に滴下し、白色沈澱を得た。ろ過して1.1gの白色結晶固体を得、この固体をさらに精製することなく、次の工程のために使用した。
【0306】
上記の化合物(1.17g)を5mLのTFAに溶解し、室温で2時間攪拌した。次いで、この反応混合物を200mLの水に滴下し、白色沈澱を得た。ろ過して、0.95gの茶色がかった固体を得、この固体をさらに精製することなく、次の工程のために使用した。
【0307】
DMF(1mL)中の上記の化合物(100mg、0.065mmol、1.0当量)、およびデカナール(26μL、0.13mmol、2.0当量)の混合物に、DIPEA(34μL、0.20mmol、3.0当量)を添加した。この反応系を周囲温度で1時間攪拌した。次いで、メタノール(1mL)およびNaCNBH3(9mg、0.13mmol、2.0当量)を溶液に添加し、続いて、TFA(20μL、0.26mmol、4.0当量)を添加した。室温で1時間攪拌を継続した。反応が完了した後、この反応混合物をアセトニトリル中に沈澱させた。ろ過により、白色結晶固体を得、この固体をさらに精製することなく、次の工程のために使用した。
【0308】
上記の化合物を3mLのDMFに溶解し、0.5mLのピペリジンの添加により、薄く茶色がかった溶液を得た。周囲温度で2時間攪拌した後、反応混合物をアセトニトリル中で粉砕し、白色固体を得、逆相HPLCの精製により、表題化合物を得た。MS(M+H)計算値:1342.3;測定値:1342.8。
【0309】
上記の手順および適切な出発物質を使用して、表I〜VIに示される化合物を調製した。これらの化合物に対する質量スペクトルのデータは以下の通りであった:
【0310】
【表7】
Figure 0004362017
【0311】
Figure 0004362017
【0312】
Figure 0004362017
【0313】
Figure 0004362017
【0314】
Figure 0004362017
【0315】
Figure 0004362017
【0316】
Figure 0004362017
【0317】
Figure 0004362017
【0318】
Figure 0004362017
【0319】
Figure 0004362017
【0320】
Figure 0004362017
【0321】
Figure 0004362017
【0322】
Figure 0004362017
【0323】
Figure 0004362017
【0324】
Figure 0004362017
【0325】
Figure 0004362017
【0326】
Figure 0004362017
【0327】
(実施例11)
(抗菌活性の測定)
(A.抗菌活性のインビトロ測定)
(1.最小発育阻止濃度(MIC)の測定)
細菌株を、American Type Tissue Culture Collection(ATCC)、Stanford University Hospital(SU)、バークレイのKaiser Permanente Regional Laboratory(KPB)、Massachusetts General Hospital(MGH)、the Centers for Disease Control(CDC)、the San Francisco Veteran’s Administration Hospital(SFVA)またはthe University of California San Francisco Hospital(UCSF)のいづれかから得た。バンコマイシン耐性腸球菌を、テイコプラニンに対するそれらの感度に基づいて、Van AまたはVan Bとの表現型とした。Van A、Van B、Van C1またはVan C2との遺伝子型とされた幾つかのバンコマイシン耐性腸球菌をMayo Clinicから得た。
【0328】
最小発育阻止濃度(MIC)を、NCCLSガイドライン下の微量稀釈ブロス手順において測定した。慣用的に、化合物を、96−ウェルマイクロタイタ−プレート中のMueller−Hintonブロス内に連続的に稀釈する。一晩培養された細菌株を600nmの吸光度に基づいて稀釈し、その結果、各ウェルの最終濃度は、5×105cfu/mLであった。プレートを、35℃のインキュベータに戻した。続く日(腸球菌株の場合、24時間)、MICをプレートの視覚検査によって決定した。株を以下を含む最初のスクリーニングにおいて慣用的に試験した:メチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA)、メチシリン耐性Staphylococcus aureus、メチシリン感受性Staphylococcus epidermidis(MSSE)、メチシリン耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)、バンコマイシン感受性Enterococcus faecium(VSE Fm)、バンコマイシン感受性Enterococcus faecalis(VSE Fs)、テイコプラニンにまた耐性であるバンコマイシン耐性Enterococcus faecium(VRE Fm Van A)、テイコプラニンに感受性であるバンコマイシン耐性Enterococcus faecium(VRE Fm Van B)、テイコプラニンにまた耐性であるバンコマイシン耐性Enterococcus faecalis(VRE Fs Van A)、テイコプラニンに感受性であるバンコマイシン耐性Enterococcus faecalis(VRE Fs Van B)、Van A遺伝子型のenterococcus gallinarium(VRE Gm Van A)、Van C−1遺伝子型のenterococcus gallinarium(VRE Gm Van C−1)、Van C−2遺伝子型のenterococcus casseliflavus(VRE Gs Van C−2)、Van C−2遺伝子型のenterococcus flavescens(VRE Fv Van C−2)、ならびにペニシリン感受性肺炎連鎖球菌(PSSP)およびペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(PSRP)。PSSPおよびPSRPが、Mueller−Hintonブロス中で十分に増殖することが不可能であるために、これらの株のMICを、線維素除去された血液を追加したTSAブロスまたは血液寒天プレートのどちらかを使用して決定した。次いで、上記の株に対する有意な活性を有する化合物を、上に列記される種およびメチシリンに感受性および耐性の両方である非種分化凝固酵素陰性Staphylococcus(MS−CNSおよびMR−CNS)を含む臨床分離株のより大きいパネルにおけるMIC値について試験した。さらに、グラム陰性生物(例えば、Escherichia coliおよびPseudomonas aeruginosa)に対するMICについて試験した。
【0329】
(2.死滅時間の決定)
細菌を死滅させるのに要する時間を決定する実験を、Lorianの「Antibiotics in Laboratory Medicine」(第4版Williams and Wilkins(1991))に記載されるように実施し、これの開示は、その全体が参考として、本明細書中で援用される。これらの実験を、普段はブドウ球菌株および腸球菌株の両方を用いて実施した。
【0330】
簡単に、幾つかのコロニーを、寒天プレートから選択し、そして約1.5の濁度および108CFU/mLに達するまで、一定の攪拌下、35℃で増殖させた。次いで、このサンプルを、約6×106CFU/mLに稀釈し、そして継続される一定の攪拌下、35℃でインキュベートした。種々の時間で、アリコートを除去し、そして5回の連続10倍稀釈を実施した。混釈平面法を、コロニー形成単位(CFU)の数を決定するために使用した。
【0331】
本発明の化合物は、上記のインビトロ試験において活性であり、そして広い範囲の活性を示す。
【0332】
(B.抗菌活性のインビボ決定)
(1.マウスにおける急性耐容性研究)
これらの研究において、本発明の化合物を、静脈または皮下的のどちらかで、投与し、そして5〜15分間観察した。悪影響がなかった場合、第2のグループのマウスにおいて、用量を増加した。この用量増加は、死亡するか、または用量が最大になるまで継続される。一般に、投与を20mg/kgで開始し、そして最大許容用量(MTD)が達成されるまで、毎回20mg/kgづつ増加した。
【0333】
(2.マウスにおけるバイオアベイラビリティー研究)
マウスに、治療用量(一般に、約50mg/kg)で、静脈または皮下的のどちらかで、本発明の化合物を投与した。動物の集団を代謝ケージに置き、その結果、尿および糞を分析のために収集し得た。動物の集団(n=3)を、種々の時間(10分、1時間および4時間)に屠殺した。血液を、心臓穿刺によって収集し、そして以下の器官を採取した:肺、肝臓、心臓、脳、腎臓、および脾臓。組織を秤量し、HPLC分析のために調製した。組織ホモジネートおよび流体に対するHPLC分析を、存在する試験化合物またはIiIの濃度を決定するために使用した。試験化合物に対する変化から生じる代謝生成物をまた、同時に測定した。
【0334】
(3.マウス敗血症モデル)
このモデルにおいて、細菌(最も一般に、S.aureus、またはE.FaecalisまたはE.Faecium)の適切に有毒な株をマウス(グループ当たり5〜10匹のマウス)に、腹腔内に投与した。細菌をブタ胃粘素と合わせ、毒力を増強した。細菌の用量(通常105〜107)は、3日間に渡り、全てのマウスの死亡を引き起こすために十分な用量であった。細菌を投与した1時間後、本発明の化合物を、一回用量のIVで、または皮下的に投与した。各用量を、5〜10匹のマウスのグループに、典型的には、最大の約20mg/kgから最小の1mg/kg未満の用量で投与した。ポジティブコントロール(通常、バンコマイシン感受性株を有するバンコマイシン)を、各実験において投与した。動物の約50%が生存する用量を結果から計算した。
【0335】
(4.好中球減少性大腿モデル)
このモデルにおいて、本発明の化合物の抗菌活性を、細菌の適切に有毒な株(最も一般に、バンコマイシンに対して感受性または耐性である、S.aureus、またはE.FaecalisまたはE.Faecium)に対して評価した。マウスを、第0日目および第2日目に200mg/kgでシクロホスファミドを投与することによって、最初に好中球減少的にされた。第4日目に、それらを、バクテリアの1回用量のIM注入によって、左前方大腿に感染させた。次いで、このマウスに、バクテリア感染1時間後、試験化合物を投与し、種々のあとの時間(通常、1、2.5、4および24時間)において、マウスを屠殺し(各時点で、3匹)、そして大腿を切除し、ホモジナイズし、そしてCFU(コロニー形成単位)数を、プレーティングによって決定した。血液をまた、プレーティングして、血液中のCFUを決定した。
【0336】
(5.薬物動態学的研究)
本発明の化合物が血液中から除去される速度が、ラットまたはマウスのいずれかにおいて決定され得る。ラットにおいて、試験動物は、頸静脈にカニューレを挿入された。試験化合物を尾静脈注射を介して投与し、そして種々の時点(通常、5、15、30、60分および2、4、6および24時間)において、血液をカニューレから回収した。マウスにおいて、試験化合物をまた、尾静脈注射を介して、そして種々の時点で投与した。血液を心臓穿刺によって、通常は得た。残留試験化合物の濃度をHPLCによって決定した。
【0337】
本発明の化合物は、上記のインビボ試験において活性であり、そして広いスペクトルの活性を示した。
【0338】
本発明は、特定の実施態様を参照して記載されてきたが、種々の変化が成され得、そして等価物が、発明の真の意図および範囲から逸脱することなく、代用され得ることが当業者に理解されるべきである。さらに、多くの改変が、特定の状況、物質、目的の組成物、プロセス、プロセス工程(単数または複数)を、本発明の目的、意図および範囲に適合させるためになされ得る。そのような全ての改変は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。

Claims (9)

  1. 式IIの化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩または立体異性体:
    Figure 0004362017
    ここで、
    21 は、以下の式:
    Figure 0004362017
    のサッカリド基であり;
    15 は、−R −Y−R −(Z) であり;そして
    16 は、水素またはメチルであり;
    22 は、−OHであり;
    23 は、水素であり;
    24 は、水素であり;
    25 は、イソブチルであり;
    26 は、水素またはメチルであり;
    27 は、水素または−CH COOHであり;
    nは、1であり;
    は、エチレン、プロピレンまたはブチレンであり;
    は、8〜12個の炭素原子を有するアルキレンであり;
    Yは、酸素、硫黄、−NH−または−NHSO −であり;
    Zは、水素であり;
    xは、1である、
    化合物。
  2. 16 は、メチルであり;
    26 は、メチルであり;
    27 は、水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. は、エチレンまたはプロピレンである、請求項1に記載の化合物。
  4. およびZは、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基またはn−ドデシル基を形成する、請求項1に記載の化合物。
  5. およびZは、n−デシル基を形成する、請求項1に記載の化合物。
  6. 16 は、メチルであり;
    26 は、メチルであり;
    27 は、水素であり;
    −R −Y−R −(Z) は、−CH CH −NH−(CH CH である、請求項1に記載の化合物。
  7. 16 は、メチルであり;
    26 は、メチルであり;
    27 は、水素であり;
    −R −Y−R −(Z) は、−CH CH −S−(CH CH である、請求項1に記載の化合物。
  8. 薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
  9. 菌性疾患を有する哺乳動物を処置する方法において使用するための、請求項8に記載の組成物。
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