JP4347799B2 - 架橋グリコペプチド−セファロスポリン抗生物質 - Google Patents

架橋グリコペプチド−セファロスポリン抗生物質 Download PDF

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Description

(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、抗生物質として有用である新規の架橋グリコペプチド−セファロスポリン化合物に関する。本発明はまた、このような化合物を含有する薬学的組成物;このような化合物を抗菌剤として使用する方法;ならびに、このような化合物を調製するためのプロセスおよび中間体に関する。
(技術水準)
種々のクラスの抗生物質化合物が、当該分野で公知であり、これらの化合物としては、例えば、β−ラクタム抗生物質(例えば、セファロスポリン)、およびグリコペプチド抗生物質(例えば、バンコマイシン)が挙げられる。架橋抗生物質化合物もまた、当該分野で公知である。例えば、W.L.Truettに対して発行された、米国特許第5,693,791号(表題「Antibiotics and Process for Preparation」)およびWO 99/64049 A1(1999年12月16日公開)(表題「Novel Antibacterial Agents」)を参照のこと。
このような化合物にかかわらず、改良された特性(例として、グラム陽性細菌に対する増強された効力が挙げられる)を有する新規抗生物質に対する必要性が、存在している。特に、抗生物質耐性の細菌株(例えば、メチシリン耐性Staphylococci aureus(MRSA))に対して非常に有効な新規抗生物質に対する必要性が、存在している。
(発明の要旨)
本発明は、抗生物質として有用な新規の架橋グリコペプチド−セファロスポリン化合物を提供する。数ある特性の中で、本発明の化合物は、グラム陽性細菌(メチシリン耐性Staphylococci aureus(MRSA)およびメチシリン感受性Staphylococci aureus(MSSA)を含む)に対して、驚くべきかつ予測不可能な効力を有することが見出されている。
従って、この組成物の局面の1つにおいて、本発明は、以下の式Iの化合物:
Figure 0004347799
またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
は、−Y−(W)−Y−であり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式およびRからなる群より独立して選択されるか;または、2個の隣接するR基が結合して、C3−6アルキレンもしくは−O−(C1−6アルキレン)−O−を形成し;、各アルキル基、アルキレン基、アルケニル基およびアルキニル基は、RおよびRからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;そして、各アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基および複素環式基は、Rからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;
は、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;
は、−Y−(W)−Y−であり;
は、水素またはC1−6アルキルであり;
は、共有結合または−Y−(W)−Y−であり;
およびR10のうちの一方は、ヒドロキシであり、そして他方は、水素であり;
11およびR12は、独立して、水素またはメチルであり;
13は、水素または以下の式(i)
Figure 0004347799
の基であり:
各Wは、−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、C3−6シクロアルキレン、C6−10アリーレンおよびC2−9ヘテロアリーレンからなる群より独立して選択され;、各アリーレン基、シクロアルキレン基およびへテロアリーレン基は、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;
およびXは、独立して、水素またはクロロであり;
各YおよびYは、独立して、C1−5アルキレンであるか、またはWがシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンである場合、YおよびYは、共有結合およびC1−5アルキレンからなる群より独立して選択され;、各アルキレン基は、−OR、−NR、−CO、−C(O)NRおよび−S(O)NRから独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;
各YおよびYは、独立して、C1−5アルキレン、C3−6シクロアルキレン、C6−10アリーレンおよびC2−9ヘテロアリーレンであるか、またはWがシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンである場合、各YおよびYは、共有結合およびC1−5アルキレンからなる群より独立して選択され;、各アルキレン基は、−OR、−NR、−CO、−C(O)NRおよび−S(O)NRから独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており、各アリーレン基、シクロアルキレン基およびヘテロアリーレン基は、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;
各Rは、−OR、ハロ、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)OR、−S(O)NR、−NR、−CO、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CFおよび−OCFからなる群より選択され;
各Rは、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニルおよびRからなる群より独立して選択され;
各Rは、C3〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、C2〜9ヘテロアリールおよびC3〜4複素環式からなる群より独立して選択され;、各シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基および複素環式基は、C1〜6アルキルおよびRからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;
各RおよびRは、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、C2〜9ヘテロアリールおよびC3〜6複素環式からなる群より独立して選択されるか;あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって結合して、酸素、窒素または硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜6複素環式環を形成し;、各アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、RおよびRからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;そして、各アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基および複素環式基は、C1〜6アルキルおよびRからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されており;
各Rは、−OH、−OC1〜6アルキル、−SC1〜6アルキル、−F、−Cl、−NH、−NH(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−OC(O)C1〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−NHC(O)C1〜6アルキル、−C(O)OH、−C(O)NH、−C(O)NHC1〜6アルキル、−C(O)N(C1〜6アルキル)、−CFおよび−OCFからなる群より独立して選択され;
mは、0、1、2または3であり;そして、
各nは、独立して、0または1である。
本発明はまた、式Iの化合物、およびその塩を調製するために有用な中間体に関する。従って、この組成物の別の局面において、本発明は、以下の式IIの化合物:
Figure 0004347799
またはその塩を提供し;ここで、
およびRは、本明細書中で定義されるとおりであり;
およびPは、独立して、水素またはアミノ保護基であり;
は、水素またはカルボキシ保護基であり;
Qは、脱離基または以下の式の基:
Figure 0004347799
であり、
ここで、Rおよびmは、本明細書中で定義されるとおりであり;そしてXは、必要に応じて存在するアニオンであり;この化合物は、式Iの化合物を調製するための中間体および/または抗生物質として有用である。
別個の組成物および異なる組成物の局面において、本発明はまた、本明細書中に定義されるような、式1および式2の化合物、またはその塩もしくはその保護された誘導体を提供し;この化合物は、式Iの化合物を調製するための中間体および/または抗生物質として有用である。
この組成物の別の局面において、本発明は、薬学的組成物を提供し、この薬学的組成物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する。
理論によって制限されることを意図しないが、式Iの化合物は、細菌の細胞壁生合成を阻害し、それによって細菌の増殖を阻害するかまたは細菌の溶解を引き起こすと考えられる。従って、数ある特性の中で、式Iの化合物は、抗生物質として有用である。
従って、この方法の1つの局面において、本発明は、哺乳動物における細菌感染を処置する方法を提供する。この方法は、薬学的に受容可能なキャリアおよび式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物の治療有効量を、哺乳動物に投与する工程を包含する。
さらに、この方法の別の局面において、本発明は、細菌の増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、増殖阻害量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、細菌とを接触させる工程を包含する。
この方法のなお別の局面において、本発明は、細菌の細胞壁生合成を阻害する方法を提供する。この方法は、細胞壁生合成阻害量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、細菌とを接触させる工程を包含する。
本発明はまた、式Iの化合物またはその塩を調製するためのプロセスに関する。従って、この方法の別の局面において、本発明は、式Iの化合物またはその塩もしくは保護された誘導体を調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を包含する:
(a)本明細書中で定義される式3のジカルボン酸を、カップリング試薬と反応させて、活性化ジカルボン酸中間体を形成させる工程;
(b)この活性化ジカルボン酸中間体を、本明細書中で定義される式1の化合物および本明細書中で定義される式2の化合物と反応させて;式Iの化合物またはその塩もしくはその保護された誘導体を提供する工程。
1つの好ましい実施形態において、上記プロセスは、式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩を形成する工程をさらに包含する。本発明はまた、本明細書中で記載されるいずれかのプロセスによって調製される生成物に関する。
本発明はまた、治療において使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩に関する。さらに、本発明は、哺乳動物における細菌感染の処置のための薬物製造のための、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩の使用に関する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、式Iの新規のグリコペプチド−セファロスポリン化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。これらの化合物は、複数のキラル中心を有し、この点に関して、これらの化合物は、示される立体化学を有することが意図される。特に、この化合物のグリコペプチド部分は、対応する天然に存在するグリコペプチド(すなわち、バンコマイシン、クロロオリエントマイシンA(chloroorienticin A)など)の立体化学を有することが意図される。この分子のセファロスポリン部分は、既知のセファロスポリン化合物の立体化学を有することが意図される。しかし、示された立体化学とは異なる立体化学を有する微小量の異性体が、本発明の組成物中に存在し得、但し、全体として、この組成物の有用性は、このような異性体の存在によって有意に減退しないことが、当業者によって理解される。
さらに、本発明の化合物の連結部分は、1つ以上のキラル中心を含み得る。代表的には、その分子のこの部分は、ラセミ混合物として調製される。しかし、所望ならば、純粋な異性体(すなわち、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマー)が使用され得るか、または立体異性体富化混合物が、用いられ得る。全てのこのような立体異性体および富化混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
さらに、本発明の化合物は、数種の酸性基(すなわち、カルボン酸基)および数種の塩基性基(すなわち、第一級アミン基または第二級アミン基)を含み、それゆえ、式Iの化合物は、種々の塩形態で存在し得る。全てのこのような塩形態は、本発明の範囲内に含まれる。また、式Iの化合物はピリジニウム環を含むので、このピリジニウム基に対するアニオン性対イオンが、必要に応じて存在し得る。これらとしては、ハライド(例えば、クロリド);カルボキシレート(例えば、アセテート)などが挙げられるがこれらに限定されない。
さらに、それらの不安定性に起因していかなる有用性をも損失した、不安定な化合物または化学的に不安定な化合物は、本発明の範囲内に含まれないことが、当業者によって理解される。例えば、式Iの化合物が、結合部分において、酸素原子(−O−)、窒素原子(−N<)または硫黄原子(−S−)のいずれかの間に、少なくとも2個の炭素原子を含むことが、好ましい。なぜなら、これらの原子が1個の炭素原子によって隔てられる場合、得られる化合物(すなわち、アセタール基、ヘミアセタール基、ケタール基、ヘミケタール基、アミナール(aminal)基、ヘミアミナール(hemiamial)基またはチオケタール基などを含む)は、酸性条件下において、加水分解的に不安定であり得るからである。
(好ましい実施形態)
式Iの化合物において、以下の置換基および値(value)が好ましい。
好ましい実施形態において、Rは、−Y−(W)−Y−であり、nが0の場合すなわち、Rは、−Y−Y−である。この実施形態において、YおよびYは、独立して、C1〜5アルキレン基であり、ここで、各アルキレン基は、本明細書中で定義されるとおりの、−OR、−NR、−CO、−C(O)NRおよび−S(O)NRから独立して選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されている。好ましくは、YおよびYは、C1〜3アルキレン;およびより好ましくは、C1〜2アルキレンから独立して選択される。より好ましくは、YおよびYは、一緒に結合して(すなわち、R)、−(CH2〜8−基を形成する。なおより好ましくは、YおよびYは、一緒に結合して、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基または−(CH−基を形成する。特に好ましい実施形態において、YおよびYは、一緒に結合して、−(CH−基を形成する。
別の好ましい実施形態において、Rは、−Y−W−Y−(すなわち、nが1の場合)である。この実施形態において、YおよびYは、独立して、C1〜5アルキレンであるか、またはWがシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンである場合、YおよびYは、共有結合およびC1〜5アルキレンからなる群より独立して選択される。この実施形態において、各アルキレン基は、本明細書中で定義されるとおりの−OR、−NR、−CO、−C(O)NRおよび−S(O)NRから選択される1〜3個の置換基で、必要に応じて置換されている。YまたはYがアルキレン基である場合、このアルキレン基は、好ましくは、C1−3アルキレン基;より好ましくは、C1−2アルキレン基;なおより好ましくは、−(CH1−2−基である。特に好ましい実施形態において、YおよびYの両方が、−CH−であり、そしてWは、本明細書中で定義されるとおりのRから独立して選択される1〜3個の置換基で必要に応じて置換されたC6−10アリーレンであり;より好ましくは、Wは、フェニレンである。別の好ましい実施形態において、YおよびYの両方が、−CHCH−であり、Wは、−O−である。
好ましくは、Rは、水素またはC1−3アルキルである。より好ましくは、Rは、水素である。
存在する場合、各Rは、好ましくは、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、−OR、−SR、−Fまたは−Clから独立して選択されるか;あるいは2個の隣接するR基が結合して、C3−6アルキレンを形成する。
好ましくは、Rは、水素またはC1−3アルキルである。より好ましくは、Rは、水素である。
は、好ましくは、水素またはC1−3アルキルである。より好ましくは、Rは、水素である。
好ましい実施形態において、Rは、−Y−(W)−Y−であり(ここで、nは0である)(すなわち、Rは、−Y−Y−である)、YおよびYは本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、YおよびYはC1−3アルキレン;より好ましくは、C1−2アルキレンから独立して選択される。より好ましくは、YおよびYは、一緒に結合して(すなわち、R)、−(CH2−8−基を形成する。なおより好ましくは、YおよびYは、一緒に結合して、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基または−(CH−基を形成する。特に好ましい実施形態では、RのYおよびYは、一緒に結合して、−(CH−基を形成する。
別の好ましい実施形態では、Rは、−Y−W−Y−(すなわち、nが1の場合)であり、YおよびYは本明細書中で定義されるとおりである。この実施形態においてYまたはYがアルキレン基である場合、アルキレン基は、好ましくは、C1−3アルキレン基;より好ましくは、C1−2アルキレン基;なおより好ましくは、−(CH1−2−基である。特に好ましい実施形態において、YおよびYは両方とも−CHCH−であり、Wは−O−である。
好ましくは、Rは、水素またはC1−3アルキルである。より好ましくは、Rは、水素である。
好ましい実施形態では、Rは、−Y−(W)−Y−(ここで、nは0である)(すなわち、Rは、−Y−Y−である)であり、本明細書中で定義されるとおりである。この実施形態において、YおよびYは、好ましくは、C1−3アルキレン;より好ましくは、C1−2アルキレンから独立して選択される。さらに好ましくは、YおよびYは一緒に結合して(すなわち、R)、−(CH2−10−基を形成する。なおさらに好ましくは、YおよびYは一緒に結合して、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基または−(CH−基を形成する。特に好ましい実施形態では、YおよびYは、一緒に結合して、−(CH−基を形成する。
別の好ましい実施形態では、Rは、−Y−W−Y−(すなわち、nが1の場合)であり、YおよびYは本明細書中で定義されるとおりである。この実施形態においてYまたはYがアルキレン基である場合、各アルキレン基は、好ましくは、C1−3アルキレン基であり、より好ましくは−CH−基であり、さらにより好ましくは、−(CH1−2−基である。特に好ましい実施形態では、YおよびYの両方が、−CH−であり、そしてWは、本明細書中で定義されるとおりのRから独立して選択される1〜3個の置換基で必要に応じて置換されたC6−10アリーレンであり;より好ましくは、Wは、フェニレンである。
別の好ましい実施形態において、YおよびYの両方が、−(CH1−2−基であり;好ましくは、−CH−基であり;およびWは、−O−である。
なお別の好ましい実施形態において、YおよびYの両方は、本明細書中で定義されるとおりの、Rから独立して選択される1〜3個の置換基で必要に応じて置換されたC6−10アリーレンであり;Wは、−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;さらに好ましくは、YおよびYの両方がフェニレンであり、Wが−S(O)−である。
さらに別の好ましい実施形態において、YおよびYの両方が、共有結合であり、Wは、本明細書中で定義されるとおりのRから独立して選択される1〜3個の置換基で必要に応じて置換されたC6−10アリーレンであり;さらに好ましくは、Wは、フェニレンである。
好ましい実施形態において、Rは、ヒドロキシであり、R10は、水素である。別の好ましい実施形態において、Rは、水素であり、R10は、ヒドロキシである。
好ましくは、R11は、水素であり、R12は、メチルである。
好ましくは、R13は、水素である。他の別個の実施形態において、R13は、式i(a)の基であるか;またはR13は、式i(b)の基である:
Figure 0004347799
好ましくは、XおよびXのうちの一方は、クロロであり、他方は、水素であるか;または両方がクロロである。より好ましくは、XおよびXは、両方ともクロロである。
好ましい実施形態において、Rは、ヒドロキシであり;R10は、水素であり;R11は、水素であり;R12は、メチルであり;R13は、水素であり;そしてXおよびXは、両方ともクロロである(すなわち、グリコペプチド部分がバンコマイシンである)。
別の好ましい実施形態において、Rは、水素であり;R10は、ヒドロキシであり;R11は、水素であり;R12は、メチルであり;R13は、式(i)の基であり;そしてXおよびXは、ともにクロロである(すなわち、グリコペプチド部分がクロロオリエントマイシンまたはA82846Bである)。
Wが存在するときは、Wは、好ましくは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレンもしくは1,4−フェニレン、−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−である。
好ましい実施形態において、mは、0である。別の好ましい実施形態において、mは、1または2であり;より好ましくは、1である。なお別の好ましい実施形態において、mは、2であり、そして2つのR基は、結合されて、C3−5アルキレン基を形成し;より好ましくは、C3−4アルキレン基を形成する。
式Iの化合物の好ましい群は、R、R、RおよびRが、水素であり;Rは、ヒドロキシであり;R10は、水素であり;R11は、水素であり;R12は、メチルであり;R13は、水素であり;XおよびXは、両方ともクロロであり;Rは、−Y−(W)−Y−であり、ここで、nは、0であり、そしてYおよびYは、一緒に結合されて、−(CH2−8−基を形成し;Rは、−Y−(W)−Y−であり、ここで、nは、0であり、そしてYおよびYは、一緒に結合されて、−(CH2−8−基を形成し;Rは、−Y−(W)−Y−であり、ここで、nは、0であり、そしてYおよびYは、一緒に結合されて、−(CH2−10−基を形成し;およびRおよびmは、本明細書中に規定されるとおりである式Iの化合物;またはその薬学的に受容可能な塩である。この実施形態において、R(すなわち、YおよびYは、一緒になる)は、好ましくは、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、または−(CH−基であり;より好ましくは、−(CH−である;R(すなわち、YおよびYは、一緒になる)は、好ましくは、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、または−(CH−基であり;より好ましくは、−(CH−であり;R(すなわち、YおよびYは、一緒になる)は、好ましくは、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、−(CH−基、または−(CH−基であり;より好ましくは、−(CH−であり;好ましくは、mは0である。
式Iの化合物の別の好ましい群は、R、R、RおよびRが、水素であり;Rは、ヒドロキシであり;R10は、水素であり;R11は、水素であり;R12は、メチルであり;R13は、水素であり;XおよびXは、両方ともクロロであり;およびR、R、R、Rおよびmが、表Iに規定されるとおりである式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
Figure 0004347799
Figure 0004347799
Ph=フェニル
1,2−(−Ph−)=1,2−フェニレン
1,3−(−Ph−)=1,3−フェニレン
1,4−(−Ph−)=1,4−フェニレン。
式IIの中間体において:
Qは、好ましくは、ハロまたは規定されたピリジニウム基である。
は、好ましくは、水素またはtert−ブトキシカルボニルである。
は、好ましくは、水素またはトリフェニルメチルである。
は、好ましくは、水素またはp−メトキシベンジルである。
、R、Rおよびmは、好ましくは、本明細書中に規定される通りであり、任意の好ましい実施形態、置換基または値を含む。
式IIIの中間体において、
は、好ましくは、水素またはtert−ブトキシカルボニルである。
は、好ましくは、水素、ホルミルまたはトリフェニルメチルである。
は、好ましくは、水素、C1−4アルキルまたはp−メトキシベンジルである。
およびRは、好ましくは、本明細書中に規定される通りであり、任意の好ましい実施形態、置換基または値を含む。
(定義)
本発明の化合物、組成物、方法およびプロセスを説明する場合、以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有する。
用語「アルキル」とは、直鎖または分枝であり得る一価の飽和炭化水素基をいう。他に規定しない限り、このようなアルキル基は、代表的に、1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。
用語「アルキレン」とは、直鎖または分枝であり得る二価の飽和炭化水素基をいう。他に規定しない限り、このようなアルキレン基は、代表的に、1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキレン基としては、例として、メチレン、エタン−1,2−ジイル(「エチレン」)、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルなどが挙げられる。
用語「アルケニル」とは、直鎖または分枝であり得、そして少なくとも1個、代表的には、1、2、または3個の炭素−炭素二重結合を有する、一価の不飽和炭化水素基をいう。他に規定しない限り、このようなアルケニル基は、代表的に、2〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルケニル基としては、例として、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブト−2−エニル、n−ヘキサ−3−エニルなどが挙げられる。
用語「アルキニル」とは、直鎖または分枝であり得、そして少なくとも1個、代表的には、1、2、または3個の炭素−炭素三重結合を有する、一価の不飽和炭化水素基をいう。他に規定しない限り、このようなアルキニル基は、代表的に、2〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基としては、例として、エチニル、n−プロピニル、n−ブト−2−イニル、n−ヘキサ−3−イニルなどが挙げられる。
用語「アリール」とは、1個の環(すなわち、フェニル)または縮合環(すなわち、ナフタレン)を有する一価の芳香族炭化水素をいう。他に規定しない限り、このようなアリール基は、代表的に、6〜10個の環炭素原子を含む。代表的なアリール基としては、例として、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イルなどが挙げられる。
用語「アリーレン」とは、1個の環(すなわち、フェニレン)または縮合環(すなわち、ナフタレンジイル)を有する二価の芳香族炭化水素をいう。他に規定しない限り、このようなアリーレン基は、代表的に、6〜10個の環炭素原子を含む。代表的なアリーレン基としては、例として、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルなどが挙げられる。
用語「シクロアルキル」とは、一価飽和炭素環式炭化水素基をいう。他に規定しない限り、このようなシクロアルキル基は、代表的に、3〜10個の炭素原子を含む。代表的なシクロアルキル基としては、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
用語「シクロアルキレン」とは、二価飽和炭素環式炭化水素基をいう。他に規定しない限り、このようなシクロアルキレン基は、代表的に、3〜10個の炭素原子を含む。代表的なシクロアルキレン基としては、例として、シクロプロパン−1,2−ジイル、シクロブチル−1,2−ジイル、シクロブチル−1,3−ジイル、シクロペンチル−1,2−ジイル、シクロペンチル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,2−ジイル、シクロヘキシル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,4−ジイルなどが挙げられる。
用語「ハロ」とは、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。
用語「ヘテロアリール」とは、1個の環または2個の縮合環を有し、そして窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(代表的には、1〜3個のヘテロ原子)を環中に含む一価芳香族基をいう。他に規定されない場合、このようなヘテロアリール基は、代表的に、合計5〜10個の環原子を含む。代表的なヘテロアリール基としては、例として、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどの一価種が挙げられ、ここで、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素の環原子においてである。
用語「ヘテロアリーレン」とは、1個の環または2個の縮合環を有し、そしてその環中に窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(代表的には、1〜3個のヘテロ原子)を含む二価芳香族基をいう。他に規定されない場合、このようなヘテロアリーレン基は、代表的に、合計5〜10個の環原子を含む。代表的なヘテロアリーレン基としては、例として、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどの二価種が挙げられ、ここで、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素の環原子においてである。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」とは、1個の環または複数の縮合環を有し、そして窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(代表的には、1〜3個のヘテロ原子)を環中に含む一価の飽和または不飽和(非芳香族)基をいう。他に規定されない場合、このような複素環式基は、代表的に、合計2〜9個の環原子を含む。代表的な複素環式基としては、例として、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、3−ピロリンなどの一価種が挙げられ、ここで、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素の環原子においてである。
用語「セファロスポリン」は、以下の一般式および番号付けシステムを有するβ−ラクタム環系をいうための当該分野で認められた様式で本明細書中において使用される:
Figure 0004347799
用語「グリコペプチド抗生物質」または「グリコペプチド」は、グリコペプチドまたはダルバペプチド(dalbahpeptide)として公知の抗生物質のクラスをいうために、当該分野において認識された様式で、本明細書中において使用される。例えば、R.Nagarajan,「Glycopeptide Anitibiotics」、Marcel Dekker,Inc.(1994)およびそこに引用される参考文献を参照のこと。代表的なグリコペプチドとしては、バンコマイシン、A82846A(エレモマイシン(eremomycin))、A82846B(クロロオリエンチシンA)、A82846C、PA−42867−A(オリエンチシンA)、PA−42867−C、PA−42867−Dなどが挙げられる。
用語「バンコマイシン」は、バンコマイシンとして公知のグリコペプチド抗生物質をいうために、当該分野で認識される様式で本明細書中において使用される。本発明の化合物において、バンコマイシンを使用するとき、連結部分の結合点は、C−29位のアミノ酸7(AA−7)である。この位置、時には、バンコマイシンの「7d」位または「レゾルシノール」位ともいわれる。
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、患者(例えば、哺乳動物)への投与に受容可能な塩(例えば、所定の投薬レジメンについて、受容可能な哺乳動物安全性を有する塩)をいう。このような塩は、薬学的に受容可能な無機塩基または有機塩基由来、および薬学的に受容可能な無機酸または有機酸由来であり得る。薬学的に受容可能な無機塩基由来の塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウムの塩が特に好ましい。薬学的に受容可能な有機塩基由来の塩としては、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミンの塩が挙げられ、これらとしては、置換アミン、環式アミン、天然に存在するアミンなどが挙げられ、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどである。薬学的に受容可能な酸由来の塩としては、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucoronic)、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸(lactobionic)、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸(pamoic)、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸が特に好ましい。
用語「その塩」とは、酸の水素が、カチオン(例えば、金属カチオンまたは有機カチオンなど)によって置換された場合に形成される化合物をいう。好ましくは、この塩は、患者への投与を意図されない中間体化合物の塩については必要ではないが、薬学的に受容可能な塩である。
用語「治療有効量」とは、処置の必要な患者に投与された場合に処置をもたらすのに十分な量をいう。
用語「処置する」または「処置」とは、本明細書中で使用される場合、患者(例えば、哺乳動物(特に、ヒトまたはコンパニオン動物))における疾患または医学的状態(例えば、細菌感染)を処置することまたは処置をいい、これは、以下を包含する:
(a)疾患または医学的状態が生じることを妨げること(すなわち、患者の予防的処置);
(b)疾患または医学的状態を改善すること(すなわち、患者における疾患または医学的状態を除去するかまたはこれらの後退を引き起こすこと);
(c)疾患または医学的状態を抑制すること(すなわち、患者における疾患または医学的状態の進展を遅延または阻害すること);あるいは
(d)患者における疾患または医学的状態の症状を改善すること。
用語「増殖阻害量」とは、微生物の増殖もしくは繁殖を阻害するのに十分な量、または微生物(グラム陽性細菌を含む)の死もしくは溶解を引き起こすのに十分な量をいう。
用語「細胞壁生合成阻害量」とは、微生物(グラム陽性細菌を含む)の細胞壁生合成を阻害するのに十分な量をいう。
用語「脱離基」とは、置換反応(例えば、求核置換反応)において、別の官能基または原子によって置換され得る官能基または原子をいう。例として、代表的な脱離基としては、クロロ基、ブロモ基、およびヨード基;スルホンエステル基(例えば、メシレート、トシレート、ブロシレート(brosylate)、ノシレート(nosylate)など);活性化エステル基(例えば、7−アザベンゾトリアゾール−1−オキシなど);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、トリフルオロアセトキシなど)が挙げられる。
用語「その保護された誘導体」とは、その化合物の1つ以上の官能基が、保護基またはブロッキング基を用いて、所望でない反応から保護されている、特定の化合物の誘導体をいう。保護され得る官能基としては、例として、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル基などが挙げられる。カルボン酸の代表的な保護基としては、エステル(例えば、p−メトキシベンジルエステル)、アミドおよびヒドラジドが挙げられ;アミノ基については、カルバメート(例えば、tert−ブトキシカルボニル)およびアミドが挙げられ;ヒドロキシル基については、エーテルおよびエステルが挙げられ;チオール基については、チオエーテルおよびチオエステルが挙げられ;カルボニル基については、アセタールおよびケタールが挙げられる。このような保護基は、当業者に周知であり、例えば、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,第3版,Wiley,New York,1999、およびそこに引用される参考文献に記載される。
用語「アミノ保護基」とは、アミノ基における所望でない反応を妨げるために適切な保護基をいう。代表的なアミノ保護基としては、限定しないが、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、トリチル(Tr)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ホルミル、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)などが挙げられる。
用語「カルボキシ保護基」とは、カルボキシ基における所望でない反応を妨げるために適切な保護基をいう。代表的なカルボキシ保護基としては、限定しないが、エステル(例えば、メチル、エチル、tert−ブチル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが挙げられる。
(一般的な合成手順)
本発明の架橋糖グリコペプチド−セファロスポリン化合物は、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に入手可能な出発物質から調製され得る。代表的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他に記載されない限り、他のプロセス条件もまた、使用され得ることが理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒にともなって変化し得るが、このような条件は、慣用的な最適化手順によって、当業者によって容易に決定され得る。
さらに、当業者に明らかであるように、従来の保護基は、特定の官能基が、所望でない反応の進行を妨げるために必要であり得るかまたは所望され得る。特定の官能基についての適切な保護基、ならびにこのような官能基の保護および脱保護に適切な条件の選択は、当該分野において周知である。本明細書中に記載される手順に示される保護基以外の保護基は、所望される場合、使用され得る。例えば、多くの保護基、ならびにそれらの導入および除去は、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,第3版,Wiley,New York,1999、およびそこに引用される参考文献に記載される。
合成の好ましい方法において、式Iの化合物は、式1の化合物:
Figure 0004347799
またはその塩もしくは保護された誘導体(ここで、R、R、Rおよびmは、本明細書中で規定された通りである)と、式2の化合物:
Figure 0004347799
またはその塩もしくは保護された誘導体(ここで、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、XおよびXは、本明細書中で規定された通りである)および;式3のジカルボン酸:
Figure 0004347799
(ここで、Rは、本明細書中で規定された通りであり、従来のカルボン酸−アミン(ペプチド)と、カップリング試薬(例えば、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)により活性化される)とを反応させて、式Iの化合物、またはその塩もしくは保護された誘導体を提供することによって調製する。
代表的には、この反応は、不活性希釈剤(例えば、DMF)中で、約0.9〜約1.1当量の式1の化合物またはその塩もしくはその保護された誘導体および約0.9〜約1.1当量の式2の化合物またはその塩もしくはその保護された誘導体を、約0.9〜約1.1当量の活性化ジカルボン酸3と、約−25℃〜約20℃の範囲の温度、好ましくは約0℃で、約0.5〜約6時間にわたって、または、反応が実質的に完了するまで、接触させることにより実施する。この反応を、代表的に、アミン(例えば、2,4,6−コリジン)の過剰量、好ましくは、1.1〜2.0当量の存在下で実施する。
このカップリング反応が完了した後、次いで、生成物中に存在する任意の保護基を、従来の手順および試薬を使用して除去する。この反応が完了すると、この反応生成物(すなわち、式Iの化合物)を、従来の手順(例えば、カラムクロマトグラフィー、HPLC、再結晶など)を使用して、単離および精製する。
あるいは、上記の反応を、段階を踏む様式で実施し得る。つまり、まず式1の化合物を活性化形態のジカルボン酸3と反応させて中間体を提供し、得られた中間体を、続いて式2の化合物と反応させて式Iの化合物を得る。この反応はまた、式2の化合物と活性化形態のジカルボン酸3とを最初に反応させ、その後生じた中間体と式1の化合物とを反応させて式Iの化合物を得ることにより実施し得る。これらの反応を、上記に記載したものと本質的に同じ反応条件下で実施する。
上記の手順で使用されるセファロスポリン中間体1を、従来の手順を使用して、市販の出発物質および試薬から簡単に調製する。例として、中間体1を、スキームAで示されるようにして調製し得る。
Figure 0004347799
スキームAで例示されるように、チアゾール中間体4(ここで、R14は、アミノ保護基(例えば、トリチル基)であり、R15は、カルボキシ保護基(例えば、エチル基)である)を、最初に、式5のω−官能化アミン(ここで、RおよびRは、本明細書中で規定される通りであり、R16は、アミノ保護基(例えば、tert−ブトキシカルボニル(BOC)基であり、Zは、脱離基(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード、メシレート、トシレートなど)である)と反応させて、カルボキシ保護基(すなわち、R15)を除去した後に、式6aの中間体を得る。
この反応を、代表的には、最初に、不活性希釈剤(例えば、DMF)中で、約0℃〜約50℃の範囲の温度で、好ましくは周囲温度で、約0.5〜約6時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで、4を、約1.0〜約1.1当量、好ましくは約1.02〜約1.06当量の式5の化合物と接触させることによって、実施する。この反応を、代表的に、過剰の(好ましくは、約1.1〜約5当量の)塩基(例えば、炭酸セシウム)の存在下で実施する。さらに、Zが、クロロまたはブロモである場合、触媒量(好ましくは、約0.2〜約0.5当量)のトリアルキルアンモニウムヨージド(例えば、テトラブチルアンモニウムヨージド)を必要に応じて添加し、インサイチュで5のヨード誘導体を生成することにより、この反応を促進する。
次いで、カルボキシ保護基(すなわち、R15)を除去して、中間体6aを得る。例えば、このカルボキシ保護基がアルキルエステル(例えば、エチル基)である場合、このエステルと、過剰の(好ましくは、約1.1〜約2.5当量の)アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)とを接触させることによって、このエステルは、容易に加水分解されてカルボン酸になる。この反応を、代表的には、不活性希釈剤(例えば、エタノール)中、約0℃〜約100℃の範囲の温度で、約0.5〜約6時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで実施して、中間体6aを得る。
式4のチアゾール化合物は、例えば、Aldrich,P.O.Box2060,Milwaukee,WI53201から市販されているか、または従来の手順を使用して、市販の出発物質および試薬から調製され得る。
同様に、式5のω−官能化アミンは、従来の手順を使用して、市販の出発物質および試薬から容易に調製される。式5の好ましい化合物としては、例示として、N−BOC−3−ブロモプロピルアミン;N−BOC−6−ヨードヘキシルアミン;N−BOC−2−(2−ヨードエトキシ)−エチルアミン;N−BOC−4−(ヨードメチル)ベンジルアミンなどが挙げられる。これらの化合物は、周知の試薬および反応条件を使用して、市販の出発物質から容易に調製される。
次いで、中間体6aを、塩素化して中間体6bを得る。この反応は、代表的には、不活性希釈剤(例えば、クロロホルムまたはDMF)中、周囲温度で、約6〜約24時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで、6aと、約1.0〜約1.2当量の塩素化試薬(例えば、N−クロロスクシンイミド)とを接触させることによって、実施される。
次いで、5−クロロ−1,3−チアゾール中間体6bを、中間体7(ここで、R17は、水素または適切なカルボキシル保護基(例えば、p−メトキシベンジル基)である)とカップリングして、中間体8を得る。R17が、p−メトキシベンジルである場合、中間体7は、Otshuka、Japanから市販されている。代表的には、この反応は、従来のカップリング反応条件下で、カップリング試薬の存在下で、6bと約0.8〜約1当量の7とを接触させることによって実施される。この反応に好ましいカップリング試薬は、オキシ塩化リン(代表的には、約1.1〜約1.2当量)および過剰量のアミン(例えば、2,4,6−コリジンまたはジイソプロピルエチルアミン)である。このカップリング反応を、代表的には、不活性希釈剤(例えば、THF)中で、約−50℃〜約25℃の範囲の温度で、約0.5〜約6時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで実施して、中間体8を得る。異性化を避けるために、この反応は、好ましくは、2,4,6−コリジンを塩基として使用して、−35℃で実施される。
次いで、中間体8を、ピリジンまたは置換ピリジンと反応させて、中間体9(ここで、Rおよびmは、本明細書中で規定される通りである)を得る。この反応を、代表的には、最初に、アセトン(Finkelstein反応)またはDMF中で、周囲温度で、約0.25〜約2時間にわたって、8と約1当量のヨウ化ナトリウムとを接触させることにより、8中のクロロ基をヨード基で置換することによって実施する。生じたヨード中間体は、代表的には、単離しないが、インサイチュで、約1.1〜約1.6当量のピリジンまたは置換ピリジンと反応させて、9を得る。代表的には、この反応を、周囲温度で、約1〜約12時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで、実施する。この反応で使用されるピリジンまたは置換ピリジンは、市販されているか、または従来の手順を使用して、市販の出発物質もしくは試薬から調製され得る。この反応で使用するための代表的なピリジン誘導体としては、以下が挙げられる:ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2−メトキシピリジン、3−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−チオメトキシピリジン、3−チオメトキシピリジン、4−チオメトキシピリジン、4−カルボキシチオメトキシピリジン、2−フルオロピリジン、3−フルオロピリジン、4−フルオロピリジン、2−クロロピリジン、3−クロロピリジン、4−クロロピリジン、2−フェニルピリジン、3−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、4−シクロプロピルピリジン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2,3−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、3,4−ジメトキシピリジン、4−メトキシ−3−メチルピリジン、4−フルオロ−3−メトキシピリジン、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキセノピリジンなど。
あるいは、中間体6bを、以下の式10の化合物とカップリングして、中間体9を得ることができる:
Figure 0004347799
ここで、R、R17およびmは、本明細書に規定される通りである。この反応は、代表的には、不活性希釈剤(例えば、DMF)中、カップリング試薬(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC);PyBOPおよびHOATまたはHOBT、HATU、BOP−Cl、DPPA、DPCPおよびHOATなど)の存在下で、6bと、約0.9〜約1.1当量の中間体10またはその塩とを接触させることによって、実施される。一般的に、このカップリング反応は、約−40℃〜約25℃の範囲の温度で、約1〜約12時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで、実施される。式10の化合物は、7と、ピリジンまたは置換ピリジンとを、上記の反応条件と類似の反応条件下で反応させることによって、中間体7から容易に調製される。
次いで、従来の手順および試薬を使用して、中間体9から保護基を除去して、セファロスポリン中間体1を得る。例えば、R14がトリチルであり、R16がtert−ブトキシカルボニルであり、そしてR17がパラ−メトキシベンジルである場合、この保護基は、不活性希釈剤(例えば、ジクロロメタンまたはヘプタン)中、周囲温度で、約1〜約12時間にわたって、またはこの反応が完了するまで、9を過剰のトリフルオロ酢酸および過剰のアニソールまたはトリエチルシランで処理することによって、便利に除去される。生じた脱保護セファロスポリン1を、代表的に、従来の手順(例えば、沈殿、凍結乾燥および逆相HPLC)を使用して、単離および精製する。
上記の反応で使用される式2の化合物は、市販の出発物質および試薬を使用して、バンコマイシン(11)または他のグリコペプチド化合物から簡単に調製され得る。説明として、式2の化合物は、バンコマイシン(11)またはその塩と、式12のジアミンとを式R−CHOのアルデヒドの存在下で反応させることによって、調製され得る:
Figure 0004347799
ここで、R、R、およびRは、本明細書中で規定される通りであり;Rは、本明細書中で定義される通りである(好ましくは、アルデヒドはホルムアルデヒドまたはその等価物である)。この反応は、代表的に、例えば、約1〜約1.5当量、好ましくは、1.3等量のアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)の存在下で、バンコイシン塩化水素塩と過剰、好ましくは、約1.1〜約1.3当量のジアミン12とを接触させることによって実施される。好ましくは、この反応は、不活性希釈剤(例えば、水、アセトニトリル/水など)中、約0℃〜約50℃の範囲の温度、好ましくは、4℃で、約2〜約24時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで、実施される。生じる中間体2は、代表的に、従来の手順(例えば、沈殿および逆相HPLC)を使用して、単離および精製される。
この反応の使用に適切なジアミンの代表的な例としては、エリレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンなどが挙げられるが、それらに制限されない。そのようなジアミンは、Aldrichまたは他の商業的化合物供給業者から市販されている。あるいは、そのようなジアミンは、周知の手順ならびに市販の出発物質および試薬を使用することにより、調製され得る。望むならば、この反応の立体化学を制御するために、非対称のジアミン(つまり、ここで、RおよびRが異なる)を、適切なアミン保護基(例えば、tert−ブトキシカルボニル(BOC)基)で1個保護し得る。
この反応での使用に適した代表的なアルデヒドとしては、例として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどが挙げられる。ホルムアルデヒドを、この反応で使用する場合、ホルムアルデヒドは、代表的に、水溶液中に添加される(例えば、必要に応じて約5〜約15重量%のメタノール(すなわち、ホルマリン)を含む、37重量%の水溶液)。
同様に、本発明の化合物の調製に使用される式3のジカルボン酸は、市販であるか、または従来の手順を使用して、市販の出発物質および試薬から調製され得る。例えば、適切なジカルボン酸としては、例として、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸(dodocanedioicacid)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,4−フェニレンジ酢酸、2,5−チオフェンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、ジグリコール酸、(4−カルボキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。そのようなジカルボン酸は、市販されている(例えば、Aldrichまたは、他の化合物供給業者から)。
ジカルボン酸3を、任意の適切なカルボン酸−アミン(ペプチド)カップリング試薬を使用して活性化し得る。この反応で使用される好ましいカップリング試薬は、約0.9〜約1.1当量のベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、および約0.9〜約1.1当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAT)または1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOBT)を含む。他の適切なカップリング試薬としては、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU);ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl);ジフェニルホスホリルアジド(DPPA);ジフェニルホスフィン酸クロリド;ジフェニルクロロホスフェート(DPCP)およびHOAT;ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネートなどが挙げられる。
ジカルボン酸3の活性化は、代表的に、不活性希釈剤(例えば、DMF)中、約−10℃〜約35℃の範囲の温度、好ましくは25℃で、約2〜10時間にわたって、またはこの反応が実質的に完了するまで、3を、約0.9〜約1.1当量のベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(DEC)、および約0.9〜約1.1当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAT)または1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOBT)と接触させることにより実施される。生じる活性化されたジカルボン酸は、代表的に、単離されず、上記のようにインサイチュで化合物1および2と反応させ、式Iの化合物を得る。
本発明の代表的な化合物またはそれに対する中間体を調製するための特定の反応条件および手順に関するさらなる詳細を、以下の実施例で記載する。
(薬学的処方物)
本発明の架橋されたグリコペプチドセファロスポリン化合物は、代表的には、薬学的組成物の形態にて患者に投与される。従って、その組成物の局面の1つにおいて、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤および治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物に関する。
任意の従来のキャリアまたは賦形剤が、本発明の薬学的組成物において使用され得る。特定のキャリアもしくは賦形剤の選択、またはキャリアもしくは賦形剤の組み合わせは、特定の患者を処置するために使用される投与様式または細菌感染の型に依存する。この点において、特定の投与様式(例えば、経口投与、局所的投与、吸入、または非経口投与)に適した薬学的組成物の調製は、十分に製薬分野の当業者の技術範囲内である。従って、このような組成物の成分は、例えば、Sigma,P.O.Box 14508,St.Louis,MO 63178から市販されている。さらなる例示として、従来の処方技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,PA 第17版(1985)および「Modern Pharmaceutics」、Marcel Dekker,Inc.第3版(G.S.BankerおよびC.T.Rhodes編)に記載される。
本発明の薬学的組成物は、代表的には、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する。代表的には、このような薬学的組成物は、約0.1重量%〜約90重量%の活性薬剤、およびより一般的には、約10重量%〜約30重量%の活性薬剤を含有する。
本発明の好ましい薬学的組成物は、非経口投与、特に、静脈内投与に適切なものである。そのような薬学的組成物は、代表的には、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に受容可能なその塩を含有する、無菌の生理学的に受容可能な水溶液を含む。
活性薬剤の静脈内投与に適した生理学的に受容可能なキャリア水溶液は、当該分野で周知である。そのような水溶液としては、例示として、5%デキストロース、リンゲル溶液(乳酸添加(lactated)リンゲル注射液、乳酸添加リンゲル溶液+5%デキストロース注射液、アシル化リンゲル注射液)、Normosol−M、Isolyte Eなどが挙げられる。
必要に応じて、そのような水溶液は、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸);可溶化剤(例えば、シクロデキストリン);抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム);などを含有し得る。
望むのであれば、本発明の水性薬学的組成物は、凍結乾燥され得、続いて、投与前に適切なキャリアで再構成され得る。好ましい実施形態において、その薬学的組成物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する凍結乾燥組成物である。好ましくは、この組成物中のキャリアは、スクロース、マンニトール、デキストロース、デキストラン、ラクトース、またはこれらの組み合わせを含む。より好ましくは、このキャリアは、スクロース、マンニトール、またはこれらの組み合わせを含む。
1つの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、シクロデキストリンを含む。本発明の薬学的組成物において使用される場合、そのシクロデキストリンは、好ましくは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンである。このような処方物において、シクロデキストリンは、処方物の約1〜25重量%、好ましくは、約2〜10重量%を構成する。さらに、シクロデキストリン 対 活性薬剤の重量比は、代表的には、約1:1〜約10:1の範囲である。
本発明の薬学的組成物は、好ましくは、単位投薬形態にてパッケージされる。用語「単位投薬形態」とは、患者に投薬するために適した物理的に別個の単位(つまり、各単位が、単独で、または1つ以上のさらなる単位と組み合わせてのいずれかで、所望の治療的効果を生成するように計算された所定の量の活性薬剤を含む)をいう。例えば、このような単位投薬形態は、無菌の、気密シールされたアンプルなどにパッケージされ得る。
以下の処方物は、本発明の代表的な薬学的組成物を説明する:
(処方物例A)
注射用溶液を調製するのに適した凍結溶液は、以下のように調製される:
Figure 0004347799
代表的な手順:賦形剤(もしある場合)を、約80%の注射用水に溶解し、活性化合物を添加し、溶解する。そのpHを、1M水酸化ナトリウムで、3〜4.5に調節し、次いで、容量を、注射用水で最終容量の95%に調整する。そのpHをチェックし、必要であれば調節する。その容量を、注射用水で最終容量まで調整する。次いで、この処方物を、0.22ミクロンフィルターを通して濾過無菌し、特定の条件下で、無菌バイアル中に入れられる。このバイアルにキャップをし、ラベルをはり、そして凍結保存する。
(処方物例B)
注射用溶液を調製するのに適した凍結乾燥粉末を、以下のように調製する:
Figure 0004347799
代表的な手順:賦形剤および/または緩衝化剤(もしある場合)を、約60%の注射用水に溶解する。活性化合物を添加および溶解し、そのpHを、1M水酸化ナトリウムで3〜4.5に調整し、容量を、注射用水で最終容量の95%に調整する。そのpHをチェックし、必要であれば調整し、その容量を、注射用水で最終容量に調整する。次いで、この処方物を、0.22ミクロンフィルターを通して濾過無菌し、無菌条件下で無菌バイアルに入れる。次いで、この処方物を、適切な凍結乾燥サイクルを使用して凍結乾燥する。そのバイアルにキャップをし(必要に応じて、部分的真空または乾燥窒素下で)、ラベルを貼り、冷蔵下で保存する。
(処方物例C)
患者に静脈内投与するための注射用溶液を、以下のように、上記の処方物Bから調製する:
代表的手順:処方物例Bの凍結乾燥粉末(例えば、10〜1000mgの活性化合物を含有する)を、20mLの無菌水で再構成し、生じる溶液を、100mLの注入バッグ中で、80mLの無菌生理食塩水でさらに希釈する。希釈した溶液を、次いで、30〜120分にわたって、患者に静脈内投与する。
(有用性)
本発明の架橋されたグリコペプチドセファロスポリン化合物は、抗生物質として有用である。例えば、本発明の化合物は、ヒトおよびヒトのコンパニオン(companion)動物(すなわち、イヌ、ネコなど)を含む哺乳動物において、本発明の化合物に感受性の微生物により引き起こされる細菌感染および他の細菌関連の医学的状態を処置または予防するために有用である。
従って、その方法の局面の1つにおいて、本発明は、哺乳動物における細菌感染を処置する方法を提供し、この方法は、処置の必要な哺乳動物に、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物を投与する工程を包含する。
説明として、本発明の化合物は、グラム陽性細菌および関連微生物により引き起こされる感染を処置または予防するために特に有用である。例えば、本発明の化合物は、特定のEnterococcus spp.;Staphylococcus spp.(コアグラーゼ陰性staphylococci(CNS)を含む);Streptococcus spp.;Listeria spp.;Clostridium ssp.;Bacillus spp.;などにより引き起こされる感染を処置または予防するために有効である。本発明の化合物を用いて有効に処置される細菌種の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA);メチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA);グリコペプチド中間体感受性Staphylococcus aureus(GISA);メチシリン耐性Staphylococcus epidermitis(MRSE);メチシリン感受性Staphylococcus epidermitis(MSSE);バンコマイシン感受性Enterococcus faecalis(EFSVS);バンコマイシン感受性Enterococcus faecium(EFMVS);ペニシリン耐性Streptococcus pneumoniae(PRSP);Streptococcus pyogenesなど。本発明の化合物は、バンコマイシンおよびセファロスポリンの両方に耐性の細菌株により引き起こされる感染を処置または予防するためにはあまり有効でないか、または有効でない。
本発明の化合物で処置または予防され得る感染または細菌関連の医学的状態の代表的な型としては、皮膚および皮膚構造体の感染、尿路感染、肺炎、心内膜炎、カテーテル関連血流感染、骨髄炎などが挙げられるが、これらに限定されない。そのような状態を処置する際に、患者は、処置される微生物に既に感染していてもよく、あるいは、感染に単に感受性であってもよい(この場合、活性薬剤は予防的に投与される)。
本発明の化合物は、代表的には、任意の受容可能な投与経路によって、治療有効量で投与される。好ましくは、これらの化合物は、非経口投与される。それらの化合物は、単一の1日用量または1日あたり複数の用量にて投与され得る。処置レジメン(regimen)は、長期(例えば、数日間または1〜6週間以上)にわたる投与を必要とし得る。1用量あたりに投与される活性薬剤の量または投与される総量は、代表的には、患者の主治医により決定され、感染の性質および重篤度、患者の年齢および全身の健康状態、患者の活性薬剤に対する耐性、感染を引き起こす微生物、投与経路などのような要因に依存する。
一般に、適切な用量は、約0.25〜約10.0mg/kg/日の活性薬剤の範囲であり、好ましくは、約0.5〜約2mg/kg/日の範囲である。平均70kgのヒトについては、これは、約15〜約700mg/日、好ましくは、約35〜約150mg/日の活性薬剤に相当する。
さらに、本発明の化合物は、細菌の増殖を阻害するために有用である。この実施形態において、細菌は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩の増殖阻害量と、インビトロまたはインビボのいずれかで接触される。代表的には、増殖阻害量は、約0.008μg/mL〜約50μg/mL;好ましくは、約0.008μg/mL〜約25μg/mL;およびより好ましくは、約0.008μg/mL〜約10μg/mLの範囲である。細菌増殖の阻害は、代表的には、処置されていない細菌と比較して、細菌の繁殖の低下または欠如によって、および/または細菌の溶解によって(すなわち、所定の期間(すなわち、1時間あたり)にわたる所定の容量(すなわち、1mLあたり)中のコロニー形成単位の減少によって)実証される。
本発明の化合物はまた、細菌における細胞壁生合成を阻害するために有用である。この実施形態において、細菌は、細胞壁生合成阻害量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、インビトロまたはインビボのいずれかで接触される。代表的には、細胞壁生合成阻害量は、約0.04μg/mL〜約50μg/mL;好ましくは、約0.04μg/mL〜約25μg/mL;およびより好ましくは、約0.04μg/mL〜約10μg/mLの範囲である。細菌における細胞壁生合成の阻害は、代表的には、細菌の溶解を含む、細菌の増殖の阻害または欠如により実証される。
驚くべきであり、予測外の抗細菌特性に加えて、本発明の化合物はまた、受容可能な哺乳動物安全性および受容可能な水溶性を有することが見いだされた。さらに、本発明の化合物は、特定の細菌(メチシリン耐性Staphylococci aureus(MRSA)およびメチシリン感受性Staphylococci aureus(MSSA)を含む)に対する驚くべきであり、予測外に迅速な死滅性を有することが見いだされた。これらの特性、ならびに本発明の化合物の抗生物質的有用性は、当業者に周知の種々のインビトロまたはインビボでのアッセイを使用して実証され得る。例えば、代表的なアッセイは、以下の実施例にさらに詳細に記載される。
以下の合成実施例および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供されるのであって、本発明の範囲を限定するものとしては如何様にも解釈されるべきではない。以下の実施例において、以下の略語は、別段示されない限り、以下の意味を有する。以下に規定されていない略語は、それらの一般に受け入れられている意味を有する:
BOC=tert−ブトキシカルボニル
CFU=コロニー形成単位
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDC=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
EtOAc=酢酸エチル
HOAT=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
MIC=最小阻害濃度
MS=質量分析法
PMB=p−メトキシベンジル
PyBOP=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
TFA=トリフルオロ酢酸。
以下の実施例において報告される全ての温度は、他に示されない限り、摂氏(℃)である。また、他に示されない限り、試薬、出発物質および溶媒は、化学薬品供給業者(例えば、Aldrich、Fluka、Sigmaなど)から購入し、さらに精製することなく使用した。塩酸バンコマイシン半水和物(semi−hydrate)を、Alpharma,Inc.,Fort Lee,NJ 07024(Alpharma AS,Oslo,Norway)から購入した。
逆相HPLCを、代表的には、別段示されない限り、C18カラムおよび(A)98% 水、2% アセトニトリル、0.1% TFA(B)10% 水、90% アセトニトリル、0.1% TFAの上昇勾配(例えば、0〜約70%)で用いて、行った。
(実施例A)
((7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−アミノプロポキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩の合成)
以下の合成を、上記のスキームAにおいて一部例示する。
(工程1− N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ブロモプロピルアミン(すなわち、Rが−(CH−であり、Rが水素であり、R16がBOCであり、Zがブロモである化合物5)の調製)
3−ブロモプロピルアミンヒドロブロミド(100g、457mmol)を、1.6Lの無水THF中に懸濁した。この混合物を、氷/水浴中で0℃に冷却し、190mLのトリエチルアミンを添加しながら激しく攪拌した。この混合物に、200mLTHF中のtert−ブトキシカルボニル無水物(112.6g、516mmol)を滴下した。この氷浴 を、周囲温度まで温め、その混合物を、一晩攪拌し、その時点で、TLCにより反応が完全に完了したことが示された。次いで、その混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。残渣の油を、1500mLヘキサンで希釈し、−20℃にて3日間保存した。次いで、この混合物をデカントし、残渣の固体を、減圧下で乾燥させて、101g(94%収率)の標題中間体を結晶性白色固体として得た。
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ1.35−1.39(s,9H),1.91−1.95(m,2H),2.99−3.04(t,2H),3.43−3.52(t,2H),6.95−6.99(t,1H)。
(工程2−エチル(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノチアゾール−4−イル)−2−(3−N−BOC−アミノプロポキシイミノ)アセテート(すなわち、Rが−(CH−であり、Rが水素であり、R14がトリフェニルメチルであり、R16がBOCであり、Aが水素である化合物6aのエチルエステル)の調製)
エチル(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノ)チアゾール−4−イル)−2−(ヒドロキシイミノ)アセテートヒドロクロリド(100g、202.4mmol)を、700mLの無水DMF中に溶解した。この攪拌混合物に、炭酸セシウム(230.8g,708.5mmol)、続いてヨウ化テトラブチルアンモニウム(18.7g、50.6mmol)を添加した。次いで、DMF(100mL)中のN−BOC−3−ブロモプロピルアミン(50.6g、212.5mmol)を、30分にわたって滴下した。この混合物を2時間攪拌し、その時点で、HPLCにより、反応が完了したことが示された。次いで、この混合物を濾過し、その濾過ケーキを、200mLのDMFで洗浄した。その濾液を、2Lの酢酸エチルに溶解し、700mLの1N HCl、続いて700mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、最後に500mLのブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のオイルを、250mLの沸騰エタノールに溶解し、ビーカーに注いだ。一旦物質が完全に冷却された後に、残渣の粘土状固体を、ブフナー漏斗に入れ、予め−20℃に冷却しておいた50mLのエタノールで洗浄した(注:この生成物は、エタノール中に中程度に可溶性であり、より多量の使用は、最終生成物の収量全体を減少させる)。風乾した後、残渣の固体を、乳鉢および乳棒で微細な粉末にすりつぶし、減圧下で乾燥して、117g(94%収率)の表題中間体を微細な乳白色の粉末として得た。
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ1.01−1.1(t,3H),1.31(s,9H),1.60−1.70(t,2H),2.94−2.99(m,2H),3.95−4.04(m,4H),6.77−6.81(t,1H),6.95(s,1H),7.16−7.38(m,15H),8.80(s,1H)。
MS m/z:615.4[M+H]
(工程3−(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノチアゾール−4−イル)−2−(3−N−BOC−アミノプロポキシイミノ)アセテート(すなわち、Rが−(CH−であり、Rが水素であり、R14がトリフェニルメチルであり、R16がBOCであり、Aは水素である化合物6a)の調製)
上記の工程2からのエチルエステル(84.2g、137mmol)を、400mLの無水エタノール中に懸濁し、攪拌しながら、油浴中で80℃に加熱した。全ての物質が溶解した後に、150mLのエタノール中の水酸化カリウム(23.1g,411mmol)を、20分にわたりその溶液に滴下した。沈殿物が、塩基の添加が完了した10分後に形成し始め、さらに10分以内に混合物は、固体であった。混合物を油浴から取り出し、氷浴中で冷却した。酢酸エチルおよび水を、冷却した混合物に添加し、次いで、これを、分液漏斗に注いだ。混合物を1Nリン酸で洗浄し、これにより、白色固体の形成が生じた(注:生成物を、1N HClのような強酸で洗浄すると、生成物の分解が生じる)。分液漏斗に水を添加して、この固体を溶解し、次いで、この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。この有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、暗褐色固体として表題中間体を得た(80g、99%収率)。
(工程4−(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−N−BOC−アミノプロポキシイミノ)アセテート)(すなわち、Rが−(CH−であり、Rが水素であり、R14がトリフェニルメチルであり、R16がBOCであり、そしてAがクロロである化合物6b)の調製)
上記の工程3からの中間体(10g、17.04mmol)を、70mLのクロロホルムに溶解し、そして固体N−クロロスクシンイミド(2.28g、17.04mmol)を添加しながら、撹拌した(注意:実験は、過剰のNCSが所望でない副生成物を生成し得ると示唆する)。この混合物を、一晩(最低15時間)撹拌し、この時点でHPLCは、反応が完了したことを示した。次いで、この混合物を、真空下で濃縮し、そしてこの残渣を最少量のDMFに溶解した。この混合物を、激しく撹拌した水に添加し、沈殿物を形成し、この沈殿物を次いで濾過によって回収した。この固体を、空気乾燥し、9.5g(90%収率)の黄褐色の固体として表題の中間体を得た。HNMRは、最少量のスクシンイミドのみが残存していることを示した(注:塩素化生成物の単離は、次の工程における首尾よいカップリングのためには必要していないが、実験は、残渣のスクシンイミドが引き続くピリジン置換を妨害し得ることを示唆する)。あるいは、塩素化反応が完了した後、反応混合物を、水(3×)、ブラインで洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、この溶液を濾過し、そして真空下で濃縮し、黄褐色の固体として表題中間体(90%)を得た。
Figure 0004347799
(工程5−(7R)−7−[(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−N−BOC−アミノプロポキシイミノ)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボキシレートp−メトキシベンジルエステル(すなわち、Rが、−(CH−であり、Rが水素であり、R14がトリフェニルメチルであり、R16がBOCであり、そしてR17がp−メトキシベンジルである化合物8)の調製)
工程4からの中間体(0.62g、1mmol)を、6mLの無水THFに溶解し、そしてこの混合物に、4mLの無水THF中の0.34g(0.83mmol)の7−アミノ−3−クロロメチルセファロスポラン酸p−メトキシベンジルエステルヒドロクロリド(すなわちR12はPMBである化合物6;Otsuka,Japanから入手した)を添加した。得られた混合物を窒素下で撹拌し、−35℃まで冷却した。この冷却した混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(0.52mL、3mmol)、次いでオキシ塩化リン(0.11mL、1.2mmol)を添加した。この混合物を−20℃で30分間撹拌し、次いで湿潤THFでクエンチし、そして酢酸エチルで希釈した。この混合物を、水、1N HCl、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮し、赤茶色の固体として0.88g(100%収率)の表題の中間体を得た。HNMRは、所望でない異性化および残りのスクシンイミドを示さなかった。
Figure 0004347799
(注:実験は、上記の反応がより大きなスケールで行なわれる場合、DIPEAが異性化を引き起こすことを示唆する。塩基として2,4,6−コリジン(collidine)を使用し、そして反応全体の過程(約10分)の間温度を−35℃に維持する変更した手順は、この問題を回避する。)
(工程6−(7R)−7−[(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−N−BOC−アミノプロポキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートp−メトキシベンジルエステル(すなわち、Rが−(CH−であり、Rが水素であり、R14がトリフェニルメチルであり、R16がBOCであり、R17がp−メトキシベンジルであり、そしてmが0である化合物9)の調製)
工程5からの中間体(500mg、0.514mmol)を2mLの無水アセトンに溶解し、そしてホイルを使用して光から保護した。この溶液を窒素雰囲気下で撹拌し、そして77mg(0.514mmol)のヨウ化ナトリウムを添加し、そしてこの得られた混合物を1時間撹拌した。ピリジン(63μL、0.772mmol)を添加し、そして90分後、この混合物を25mLのエチルエーテルに添加した。この混合物を遠心分離し、そして得られたペレットをエチルエーテルで洗浄し、そして再び遠心分離した。このエーテルをデカントし、そしてペレットを減圧下で乾燥し、黄褐色の固体として定量的な収率で表題中間体を得、これをさらに精製することなく使用した。
Figure 0004347799
(工程7−(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−アミノプロポキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩(すなわち、Rが−(CH−であり、Rが水素であり、そしてmが0である化合物1)の調製)
工程6からの中間体(14.4g)を、トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンの1:1の混合物(120mL)に溶解した。この撹拌している混合物中に、6.2mLのアニソールを添加し、そしてこの得られた混合物を室温にて3時間撹拌した。次いで、この混合物を濃縮し、そして残渣を酢酸エチルに溶解し、そして水で抽出した。この水層を凍結乾燥し、そして得られた粉末を水に溶解し、そして逆相分取用(prep)HPLCを使用して精製した。次いで、この得られた精製水溶液を凍結乾燥し、3.3g(30%収率)の表題の中間体を得た。
Figure 0004347799
(注:上記の反応をまた、アニソールの代わりにトリエチルシランを使用して行い得る。さらに、生成物を、エチルエーテル粉砕を使用して単離し得る。)
(実施例B)
((7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−アミノプロポキシイミノ)アセトアミド]−3−[(2,3−シクロペンテノ−1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩の合成)
実施例Aに記載の手順を使用し、そして工程6のピリジンを2,3−シクロペンテノピリジン(Koei,Japanから入手した)に置換して、表題中間体を得た。
Figure 0004347799
(実施例C)
((7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(6−アミノへキソキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩の合成)
実施例Aに記載の手順を使用し、そして工程2のN−BOC−3−ブロモプロピルアミンをN−BOC−6−ヨードヘキシルアミンに置換して(そしてヨウ化テトラブチルアンモニウムを除去して)、表題中間体を得た。
Figure 0004347799
(実施例D)
((7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩の合成)
以下の手順で工程2を置換したことを除いて、実施例Aの手順を使用した:
(工程2−エチル(Z)−2−(2−トリフェニルメチルアミノチアゾール−4−イル)−2−[2−(2−N−BOC−アミノエチル)エトキシイミノ]アセテート(すなわち、Rが−(CH−O−(CH−であり、Rが水素であり、R14がトリフェニルメチルであり、R16がBOCであり、そしてAが水素である化合物6aのエチルエステル)の調製)
実施例Aの工程1からの中間体(42.5g、86mmol)を、N−BOC−2−(2−ヨードエトキシ)−エチルアミン(28.5g、90mmol)(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタノールから3工程で調製した、すなわち(i)BOCO、KOH、(ii)MsCl、EtNおよび(iii)NaI)およびDMF(300mL)中の炭酸セシウム(84.1g、258mmol)の撹拌した懸濁液に添加した。この懸濁液を16時間、室温にて撹拌し、この時点でHPLCは、反応が完了したことを示した。次いで、この反応混合物を濾過し、そしてこのフィルターケーク(filter cake)をDMF(100mL)で洗浄した。この濾液を酢酸エチル(1L)で希釈し、そして水(300mL)、1N HCl(200mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。この有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。この残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン、1:1)で精製し、オフホワイトの固体として49.7g(90%収率)の表題中間体を得た。
Figure 0004347799
(実施例E)
((7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(4−アミノメチルベンジルオキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩の合成)
実施例Aおよび実施例Dの工程2に記載の手順を使用し、そして工程2のN−BOC−2−(2−ヨードエトキシ)−エチルアミン3−ブロモプロピルアミン臭化水素をN−BOC−4−(ヨードメチル)ベンジルアミン(4−(アミノメチル)安息香酸から4工程で調製した、すなわち、(i)BOCO、KOH、(ii)LiAlH、(iii)MsCl、EtNおよび(iv)NaI)に置換して、表題中間体を得た。
Figure 0004347799
(実施例F)
(29−N−(2−アミノエチル)アミノメチルバンコマイシンテトラトリフルオロ酢酸塩(すなわち、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロ;そしてRが−CHCH−である化合物2)の合成)
窒素下、水(100ml)にバンコマイシン塩酸塩(20g,13mmol)を溶かし、得られた溶液を氷浴で冷やした。エチレンジアミン(7ml,100mmol)を加え、続いて1N水酸化ナトリウム(50mL,50mmol)を加えた。次いで、ホルムアルデヒド(37重量%水溶液の1.3ml、17mmol)を加え、この反応を4℃で一晩、暗所で維持した。反応混合物のHPLC分析から、主に、78%が所望の生成物であり、その残りは主に未反応バンコマイシンまたはビスマンニッヒ付加生成物であると示された。次いで、この反応混合物を氷浴で冷やし、TFAで酸性にし、所望の生成物を沈殿させ、これをろ過で集めた。次いでこの沈殿物をHPLCで精製して、表題の中間体約10gを得た。
HPLC(2〜30%勾配):3.0分。
MS m/z:1522.6[M+H]
(実施例G)
(29−N−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]アミノメチルバンコマイシン(すなわち、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロ;およびRが−CHCH−O−CHCH−である化合物2)の合成)
水(100mL)に、バンコマイシン(16.0g,11.2mmol,1.0eq)を溶かし、水(30mL)中の5−アミノ−3−オキソ−ペンチルアミンジヒドロクロライド塩(10.0g,56mmol,5eq)水溶液で処理し、この反応混合物を室温で攪拌した。トリエチルアミン(22mL,160mmol)を加え、次いでホルムアルデヒド(37%,1.05mL,11.2mmol)の水溶液を加え、この反応混合物を室温で1時間攪拌した。この反応混合物を水/アセトニトリル(1:1;200mL)で希釈し、凍結乾燥した。得られた混合物を、水(50mL)に溶かし、大規模HPLC(40分にわたる0〜12%勾配)を使用して精製し、凍結乾燥後、白色非晶質粉末(7.2g)として表題化合物を得た。
HPLC(2〜30%勾配):2.4分。
MS m/z:1566.9[M+H]
(実施例H)
(アジピン酸ビス−HOATエステルの合成)
アジピン酸(6.63g,45.4mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(15.28g,99.81mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(19.13g,99.81mmol)を、窒素気流下、乾燥フラスコ中で混合した。DMF(80mL)を加え、反応混合物を、室温で一晩攪拌した。ジクロロメタン(500mL)を加え、この溶液を200mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、および200mLの飽和食塩水で2回洗浄した。この有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して、白色固体として表題中間体を得た。この生成物を、さらなる精製をせずに使用した。
(実施例I)
(Rが−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−であり;Rが−(CH−およびmが0である式Iの化合物(表Iの化合物1)の合成)
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾール−4−イル)−2−(3−アミノプロポキシイミノ)アセトアミド]−3−[(1−ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボキシレートビス−トリフルオロ酢酸塩(42.3mg,0.0541mmol)(上記実施例Aより)および29−N−(2−アミノエチル)アミノメチルバンコマイシンテトラトリフルオロ酢酸塩(107mg,0.5041mmol)(実施例Fより)を、DMF(2.0mL)に溶かし、0℃に冷やした。この溶液に、前もって0℃に冷やしたDMF(1mL)中アジピン酸ビスHOATエステル(20.7mg,0.0541mmol)(実施例Hより)およびコリジン(42.9μl,0.325mmol)の溶液を加えた。この混合物を0℃で4時間攪拌し、次いで25μlのトリフルオロ酢酸でクエンチした。15mLのジエチルエーテルに、この混合物を加え、遠心分離し、得られたペレットをエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。得られた固体を、10mlの水で溶かし、分取用HPLCで精製した。所望のフラクションを凍結乾燥して、白色固体として表題化合物35mgを得た。
HPLC(2〜40%勾配):3.09分。
MS m/z:計算値2184.5381;実測値2184.6[M」;1053.0[[M+H]−ピリジン]/2;1092.6[M+H]/2。
さらに、表1に示す化合物2〜28を、実施例Aおよび実施例Iの手順を用いて、実施例Aの工程6のピリジンの代りに、以下の代用ピリジンを用いて調製する(調製した):
実施例2− 2−ピコリン
実施例3− 3−ピコリン
実施例4− 4−ピコリン
実施例5− 2−メトキシピリジン
実施例6− 3−メトキシピリジン
実施例7− 4−メトキシピリジン
実施例8− 2−チオメトキシピリジン
実施例9− 3−チオメトキシピリジン
実施例10− 4−チオメトキシピリジン
実施例11− 2−フルオロピリジン
実施例12− 3−フルオロピリジン
実施例13− 4−フルオロピリジン
実施例14− 2−クロロピリジン
実施例15− 3−クロロピリジン
実施例16− 4−クロロピリジン
実施例17− 2−フェニルピリジン
実施例18− 3−フェニルピリジン
実施例19− 4−フェニルピリジン
実施例20− 4−クロロプロピルピリジン
実施例21− 2,3−ルチジン
実施例22− 3,4−ルチジン
実施例23− 3,5−ルチジン
実施例24− 3,4−ジメトキシピリジン
実施例25− 4−メトキシ−3−メチルピリジン
実施例26− 4−フルオロ−3−メトキシピリジン
実施例27− 2,3−シクロヘキセノピリジン
実施例28− 2,3−シクロペンテノピリジン。
上記代用ピリジンは、市販されているか、または文献の手順によって調製され得るかのいずれかである。
(実施例29)
(Rが−(CH−O−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−であり;Rが−(CH−およびmが0である式Iの化合物(表Iの化合物29)の合成)
実施例Iの手順を使用し、実施例Aの中間体の代わりに実施例Dの中間体を代用して、表題化合物を調製した。
HPLC(2〜40%勾配):3.5分。
MS m/z:1068.0[M+H]/2。
(実施例30)
(Rが−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−であり;Rが−CH−1,2−(−Ph−)−CH−であり;mが0である式Iの化合物(表Iの化合物30)の合成)
実施例Iの手順を使用し、アジピン酸の代りに1,2−フェニレンジ酢酸を代用して、表題化合物を調整した。
HPLC(2〜40%勾配):3.4分。
MS m/z:1116.7[M+H]/2。
(実施例31)
(Rが−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−であり;Rが1,3−(−Ph−)であり;そしてmが0である式Iの化合物(表Iの化合物31)の合成)
実施例Iの手順を使用し、アジピン酸の代りにイソフタル酸を代用して、表題化合物を調整した。
HPLC(2〜40%勾配):3.3分。
MS m/z:1102.4[M+H]/2。
(実施例32)
(Rが−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−であり;Rが1,4−(−Ph−)−SO−1,4−(−Ph−)であり;、そしてmが0である式Iの化合物(表Iの化合物32)の合成)
実施例Iの手順を使用し、アジピン酸の代りに(4−カルボキシフェニル)スルホンを代用して、表題化合物を調整した。
HPLC(2〜40%勾配):3.8分。
MS m/z:1172.2[M+H]/2。
(実施例33)
(Rが−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−O−CHCH−であり;Rが1,4−(−Ph−)であり;そしてmが0である式Iの化合物(表Iの化合物33)の合成)
実施例Iの手順を使用し、アジピン酸の代わりにテレフタル酸を代用して;実施例Fの中間体の代りに実施例Gの中間体を代用して、表題化合物を調製した。
HPLC(2〜40%勾配):3.3分。
MS m/z:1125.1[M+H]/2。
(実施例34)
(Rが−(CH−であり;R、R、R、R、R10、R11およびR13が水素であり;Rがヒドロキシであり;R12がメチルであり;XおよびXがクロロであり;Rが−CHCH−O−CHCH−であり;Rが−CHOCH−であり;そしてmが0である式Iの化合物(表Iの化合物34)の合成)
実施例Iの手順を使用し、アジピン酸の代わりにジグリコール酸を代用して;実施例Fの中間体の代りに実施例Gの中間体を代用して、表題化合物を調製した。
HPLC(2〜40%勾配):3.1分。
MS m/z:1107.7[M+H]/2。
(実施例35)
最小阻害濃度(MIC)の決定
最小阻害濃度(MIC)アッセイは、NCCLSガイドラインに記載のブロス微量希釈法を用いて行われた(NCCLS.2000.Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard−第5版,Vol.20,No.2参照)。細菌株を、American Type Tissue Culture Collection(ATCC)、Stanford University Hospital(SU)、Kaiser Permanente Regional Laboratory in Berkeley(KPB)、Massachusetts General Hospital(MGH)、the Centers for Disease Control(CDC)、the San Francisco Veterans’Administration Hospital(SFVA)またはthe University of California San Francisco Hospital(UCSF)から入手した。バンコマイシン耐性腸球菌を、それらのテイコプラニン(teicoplanin)に対する感受性に基づいて、Van AまたはVan Bとして表現型分類した。Van A、Van B、Van C1またはVan C2として遺伝子型分類された、いくつかのバンコマイシン耐性腸球菌をまた、Mayo Clinicから入手した。
このアッセイにおいて、低温保存した参照の細菌培養物および臨床株を、適切な寒天培地(すなわち、トリプチカーゼ大豆寒天、脱繊維素ヒツジ赤血球(erthrocyte)含有トリプティケースソイ寒天、ブレインハートインフュージョン寒天、チョコレート寒天)に単離のために画線した。コロニー形成を可能にするためのインキュベーション後、これらのプレートをパラフィルムで密閉し、そして2週間まで冷蔵保存した。アッセイの接種材料を調製し、低い可変性を確実にするために、寒天プレートに培養した細菌単離物からのいくつかのコロニーを、接種ループを用いてつつき、そして無菌的にMueller−Hinton Broth(製造業者の認証に基づいて、必要とされるレベルの二価のカチオンを補充した)に移した。ブロス培養物を、35℃で一晩増殖させ、新鮮な、予め温めたブロスに希釈し、そして対数期まで増殖させた;これは、0.5 MacFarland標準または1mlあたり1×10コロニー形成単位(CFU/mL)に等しい。濁度がMacFarland標準に等しい場合、種可変性に起因して、全ての細胞懸濁物で1×10 CFU/mLを含むとは限らない。従って、受容可能な調節(NCCLSガイドラインに基づく)を、異なる細菌株の希釈物において行った。96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、2倍連続希釈した抗生物質濃度シリーズ(やはり、対応する培地(100μL)中)に重層した場合に、Mueller−Hinton Broth、補充したMueller−Hinton Broth、またはHaemophilus試験培地中で培養物(100μL)が最初の細菌濃度(5×10CFU/mL)を得るように、接種材料を希釈した。次いで、プレートを、35℃で18〜24時間インキュベートした。MICを、細菌の増殖を伴わない最低濃度のウェルとして目視で読み取った。細菌の増殖を、3つより多くのピンポイントコロニー、直径が2mmより大きな沈殿した細胞のボタン(button)、または明確な濁度として規定する。
最初のスクリーニングにおいて慣用的に試験した株は、以下を含んだ:メチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA)、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、ペニシリナーゼを生成するStaphylococcus aureus、メチシリン感受性Staphylococcus epidermidis(MSSE)、メチシリン耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)、バンコマイシン感受性Enterococcus faecium(EFMVS)、バンコマイシン感受性Enterococcus faecalis(EFSVS)、テイコプラニンにも耐性のバンコマイシン耐性Enterococcus faecium(EFMVR Van A)、テイコプラニンに感受性のバンコマイシン耐性Enterococcus faecium(EFMVR Van B)、テイコプラニンにも耐性のバンコマイシン耐性Enterococcus faecalis(EFSVR Van A)、テイコプラニンに感受性のバンコマイシン耐性Enterococcus faecalis(EFSVR Van B)、ペニシリン感受性Streptococcus pneumoniae(PSSP)およびペニシリン耐性Streptococcus pneumoniae(PSRP)。PSSPおよびPSRPが、Mueller−Hintonブロス中で十分には増殖できないことに起因して、これらの株についてのMICを、脱線維素血液を補充したTSブロスまたはHaemophilus試験培地のいずれかを用いて決定した。
次いで、上記の株に対して十分な活性を有する試験化合物を、臨床単離物(上に列挙した種、ならびに種を特定していない(non−speciated)コアグラーゼ陰性の、メチシリンに対して感受性Staphylococcus(MS−CNS)およびメチシリン耐性Staphylococcus(MR−CNS)の両方を含む)のより大きなパネルにおいてMIC値について試験した。さらに、これらの試験化合物をまた、グラム陰性微生物(例えば、Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、Klebsiella pneumoniae、Enterobacter cloacae、Acinetobacter baumannii、Haemophilius influenzaeおよびMoraxella catarrhalis)に対してMICについてアッセイした。
表IIは、既知の抗生物質であるバンコマイシンと比較して、メチシリン耐性S.aureus(MRSA)およびメチシリン感受性S.aureus(MSSA)に対する本発明の化合物についてMIC90データを示す。
Figure 0004347799
表IIのデータは、本発明の化合物が、メチシリン耐性S.aureusおよびメチシリン感受性S.aureus株に対して、公知のグリコペプチド抗生物質であるバンコマイシンの最小阻害濃度(MIC)より10分の1未満のMICを有することを実証する。
(実施例36)
(時間−殺傷アッセイ(time−kill assay))
この時間−殺傷アッセイは、試験化合物の細菌活性の速度を測定するための方法である。これらの手順は、V.Lorian、「Antibiotics in Laboratory Medicine」、第4版、WilliamsおよびWilkins(1996)、104〜105頁に記載されるのと類似の手順である。迅速な時間−殺傷は、細菌コロニー形成を迅速に防護し、そして宿主組織損傷を減少させるために所望される。
細菌接種材料を、MICの決定について実施例32に記載されるように調製した。細菌を、振盪フラスコ中の予め温めた培地に希釈し、そして振盪しながらインキュベート(200rpm、35℃)した。0時間、1時間、4時間、および24時間で、サンプルをフラスコから取り出し、細菌を、プレート計数によって数えた。最初のサンプリングに続いて、アッセイされるべき化合物を振盪フラスコ培養物に添加した。化合物の添加の前および添加後、これらの間隔でのプレート計数を、時間−殺傷曲線に図式的に表した。細菌活性は、24時間での、細菌細胞数における3対数以上の減少(99.9%以上の減少)として規定される。
このアッセイにおいて、式Iの化合物(すなわち、化合物1)は、4時間において1μg/mL以下の濃度で、MSSA 13709およびMRSA 33591に対して殺細菌性であった。比較として、バンコマイシンは、24時間において4μg/mLの濃度で、MSSA 13709およびMRSA 33591に対して殺細菌性であった。
(実施例37)
(好中球減少マウスにおけるインビボでの有効性の研究)
動物(雄性CD−1マウス、20〜30g)を、Charles Rivers Laboratories(Gilroy、CA)から入手し、そして餌および水を自由に摂取させた。好中球減少症を、細菌接種の4日前および2日前に与えたシクロホスファミドの腹腔内(IP)注射(200mg/kg)によって誘導した。
使用した生物は、診療的に関連のあるグラム陽性病原体の感受性株または耐性株(例えば、メチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA 13709)およびメチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA 33591))のいずれかであった。細菌接種材料の濃度は約10CFU/mLであった。動物を、イソフルランで軽く麻酔し、そして50mLの細菌接種材料を前太腿に注射した。接種の1時間後、動物に、ビヒクルまたは試験化合物の適切な用量を静脈内投与した。処置の0時間後および24時間後に、これらの動物を安楽死させ(CO窒息)、そして前太腿および後太腿を無菌的に収集した。この太腿を、10mLの無菌生理食塩水に入れ、ホモジナイズした。ホモジネートの希釈物を、トリプティク大豆(triptic soy)寒天プレート上にプレートし、これを一晩インキュベートした。所定のプレート上の細菌コロニーの数に、希釈係数を乗じ、太腿重量(グラム)で除算し、対数CFU/gとして表した。ED50(太腿力価において最大減少の50%を生成するために必要とされた用量)を、各試験化合物について評価した。
MRSA 33591を使用したこのアッセイにおいて、式Iの化合物(すなわち、化合物1)は、バンコマイシンについてivで9mg/kgのED50と比べて、ivで0.5mg/kg未満のED50を有した。
(実施例38)
(水溶性の決定)
本発明の化合物の水溶性を、以下の手順を用いて決定した。pH2.2での5重量%デキストロース緩衝溶液を、5重量%デキストロース水溶液(Baxter)(99mL)に1N塩酸(Aldrich)(1mL)を添加することによって調製した。
次いで、較正標準のための1mg/mlストック溶液を、DMSO(1mL)に試験化合物(1mg)を溶解することによって調製した。この溶液を30秒間、ボルテックスにかけ、次いで10分間超音波処理した。次いで、このストック溶液を水で希釈して以下の濃度を有する較正標準を調製した:50μg/mL、125μg/mL、250μg/mL、375μg/mLおよび500μg/mL。
各試験化合物(30mg)を、Millipore非滅菌,Ultrafree−MC 0.1μmフィルターユニット(Millipore UFC30VVOO)に秤量して入れ、電磁攪拌子を各ユニットに加えた。次いで、5重量%のデキストロース緩衝溶液(750μL)を各ユニットに加え、そしてこれらの混合物を5分間ボルテックスにかけた。次いでフィルターユニットをエッペンドルフチューブラックに入れ、そしてチューブラックを電磁攪拌機の上に置いた。次いで各ユニットを、1N NaOH(VWR)を用いてpH3に滴定し、得られた溶液を5分間、7000rpmで遠心分離した。次いで、各ユニットを5%デキストロース緩衝溶液で200倍に希釈し、希釈したサンプルを分析のための自動サンプラーバイアルに移した。
較正標準および試験サンプルを、以下の条件を用いる逆相HPLCによって分析した:
カラム: Luna 150×4.6mm;C18;5μ
移動相: A=5/95、B=95/5、両方=MeCN/HO;0.1%TFA
方法: 10m Lido 100(6分で、0〜100% B)
注入容量:20μL
波長: 214nm。
各試験サンプルの溶解性を、較正曲線に対する試験サンプルのピーク面積を比較し、そして希釈係数を乗じることによって算出した。二連のサンプル調製物で上記の手順を用いることによって、化合物1は7mg/mLの溶解度を有することが分かった。
本発明は、その特定の実施形態を参照して記載されているものの、種々の変更がなされ得、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなしに等価物で置換され得ることは、当業者によって理解されるべきである。さらに、多くの改変は、特定の状況、物質、組成物、プロセス、プロセスの工程を、本発明の目的、精神および範囲に適応させるためになされ得る。全てのこのような改変は、本明細書に添付される特許請求の範囲内であることが意図される。さらに、本明細書中で引用された全ての刊行物、特許および特許書類は、それらが参考として個々に援用されるかのような程度で、本明細書中にその全体が参考として援用される。

Claims (12)

  1. 式I:
    Figure 0004347799
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで、
    、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 13 は、水素であり;
    は、ヒドロキシル基であり;
    12 は、メチル基であり;
    およびX は、ともにクロロ基であり;
    、R 、R 、R およびmは、以下の組合せ:
    Figure 0004347799
    Figure 0004347799
    から選択され、ここでPhは、フェニル基であり;1,2−(−Ph−)は、1,2−フェニレン基であり;1,3−(−Ph−)は、1,3−フェニレン基であり;1,4−(−Ph−)は、1,4−フェニレン基である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  2. 請求項1の化合物であって、ここでR 、R 、R 、R およびmは、以下の組合せ:
    Figure 0004347799
    から選択され、ここでPhは、フェニルであり;1,2−(−Ph−)は、1,2−フェニレン基であり;1,3−(−Ph−)は、1,3−フェニレン基であり;1,4−(−Ph−)は、1,4−フェニレン基である、化合物。
  3. 請求項1または2の化合物であって、ここでR 、R 、R 、R およびmは、以下:
    Figure 0004347799
    である、化合物。
  4. 薬学的に受容可能なキャリア及び請求項1〜のいずれかに記載の化合物の治療有効量を含む、薬学的組成物。
  5. 哺乳動物の細菌感染を処置するための組成物であって、治療有効量の請求項1〜のいずれかに記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、組成物。
  6. 細菌の増殖を阻害するための組成物であって、請求項1〜のいずれかに記載の化合物の増殖阻害量を含む、組成物。
  7. 前記細菌がメチシリン感受性 Staphylococci aureus(MSSA)である,
    請求項6に記載の組成物。
  8. 請求項1から3のいずれかに記載の化合物を含む、抗生物質耐性細菌の増殖を阻害するための組成物
  9. 前記細菌がグラム陰性細菌である、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記グラム陰性細菌がメチシリン耐性Staphylococci aureus(MRSA)である、請求項9に記載の組成物。
  11. 治療に使するための請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  12. 哺乳動物における細菌感染の処置のための薬物製造のための請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
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