JP2002356509A - 重合体の脱灰方法 - Google Patents

重合体の脱灰方法

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JP2002356509A JP2001161894A JP2001161894A JP2002356509A JP 2002356509 A JP2002356509 A JP 2002356509A JP 2001161894 A JP2001161894 A JP 2001161894A JP 2001161894 A JP2001161894 A JP 2001161894A JP 2002356509 A JP2002356509 A JP 2002356509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合触媒および水素添加触媒の残渣を含有す
るオレフィン性不飽和基含有重合体の水素添加物の炭化
水素溶液から、長期間安定的に、高効率で触媒金属を除
去する方法を提供する。 【解決手段】 重合触媒および水素添加触媒の残渣を含
有する重合体炭化水素溶液から触媒金属を除去する方法
において、該重合体溶液を無機の強酸と有機カルボン酸
を含む水溶液と接触・混合させ、次に、この混合液をア
ルカリ金属の水酸化物を添加した水溶液と接触・混合さ
せ、接触・混合後の水相のpHを5.5以上に調整した
後、重合体溶液を水相から分離し、重合体溶液を回収す
ることを特徴とする重合体溶液から触媒金属を除去する
方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の金属残渣を
含有するオレフィン性不飽和基含有重合体、又はその水
素添加物の炭化水素溶液から該金属を除去(脱灰)する
方法に関する。より詳しくは、該重合体炭化水素溶液
を、長期間安定的に、高効率で脱灰する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、重合体は、重合触媒や水素添加触
媒等に由来する金属残渣を有する。重合及び水素添加反
応に使用される均一系触媒は、重合体溶液に可溶の金属
化合物から成り、少量でも十分な活性を有する。しか
し、均一系触媒を使用した場合は触媒除去が困難であ
る。重合体に残存している触媒金属は重合体の色調や物
性に悪影響を与えるため、重合体中の触媒金属を除去す
る方法が各種知られている。
【0003】均一系触媒の除去方法としては、一般に凝
集沈殿法、吸着法、および水相抽出法などが挙げられ
る。凝集沈殿法は、重合体溶液に凝集剤を添加して、触
媒金属を凝集させ、濾過などで除去する方法(特開昭6
1−130304号公報など)である。この方法は、凝
集した触媒金属の分離設備が必要であり、粘度の高い重
合体溶液は分離が困難であるという欠点がある。吸着法
は、必要に応じて触媒金属をキレート剤などで処理し、
吸着分離する方法(特開平4−239005号公報な
ど)である。この方法も吸着カラムの再生が困難である
こと、キレート剤などの使用によってコストが高くなる
ことなどの欠点がある。
【0004】それに対し、水相抽出法は、触媒残渣であ
る金属元素を錯体やイオンなどの水に可溶な形態で水相
中に抽出して重合体から分離する方法である。この方法
は、あまり複雑な設備を必要としない点で実用的であ
る。金属元素を水に可溶な形態にするために、通常は酸
を用いる。最も一般的な方法として、触媒残渣を含有す
る重合体溶液を硫酸で処理して、触媒金属を硫酸塩とし
て水相に抽出する方法が挙げられる。この場合、水相が
酸性になるため、脱灰設備を耐酸性のものにする必要が
ある。更に、それ以降の工程の保全のために触媒金属を
抽出した水相のpHが4〜10の間になるように調整す
る必要がある。しかし、触媒の成分として使用される金
属の中には、アルミニウムの様に、硫酸との反応性が低
く、水相に抽出された後、pH調整の過程で水酸化物の
コロイドゲルを形成するものがある。コロイドゲルは、
脱灰設備内に付着・滞留し、脱灰効率の低下、重合体溶
液相と水相の二層分離の悪化などを引き起こす。このた
め、脱灰工程の長期安定運転が困難になる。
【0005】一方、酸として、クエン酸を用いる方法
(米国特許第2,953,554号、特開昭48−37
482公報、特開昭55−17761号公報など)、蟻
酸や酢酸を用いる方法(特開昭61−130304号公
報)、6〜20個の炭素原子を有するモノカルボン酸を
用いる方法(特開平1−149804公報)、有機酸と
有機酸塩の水溶液で重合体溶液を処理する方法(特開平
8−66602号公報)、pKa≦4.5の有機可溶性
酸を予め重合体溶液に添加し、酸含有有機相を形成した
後、鉱酸を含有する水溶液と混合し、金属残留物を含ま
ない重合体溶液を回収する方法(特開平11−1308
14号公報)なども提案されている。しかし、これらの
方法では、有機酸が中和反応によって消費されてしま
い、水酸化物のコロイドゲルを形成するような金属と水
溶性錯体を形成するためには、高濃度の有機酸が必要と
なる。このため、水相の有機汚濁物濃度が高くなり、排
水処理工程の負荷が過大となることから、環境対策上、
その改善が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであって、触媒の金
属残渣を含有する重合体炭化水素溶液から、長期間安定
的に、高効率で、該金属を除去する方法を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、触媒の
金属残渣を含有する重合体炭化水素溶液から該金属を除
去するに際して、該重合体溶液を、無機の強酸によって
特定の酸性度に調整した水中に特定の有機カルボン酸を
添加した水溶液と接触・混合させた後、アルカリ金属の
水酸化物を添加した水溶液と接触・混合させて接触後の
水溶液の酸性度を特定の範囲に調整することによりその
目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明は、触媒の金属残渣を含有す
る重合体炭化水素溶液から該金属残渣を除去する重合体
の脱灰方法において、 (1)該重合体溶液を無機の強酸と有機カルボン酸を含
む水溶液と接触・混合させ、(ステップ1) (2)次に、この混合液をアルカリ金属の水酸化物を添
加した水溶液と接触・混合させ、接触・混合後の水相の
pHを5.5以上に調整した後、重合体溶液を水相から
分離し、重合体溶液を回収する(ステップ2)ことによ
り重合体溶液から金属残渣を除去することを特徴とする
重合体の脱灰方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いう触媒の金属残渣を含有する重合体とは、オレフィン
性不飽和基含有重合体、又はその水素添加物である。オ
レフィン性不飽和基含有重合体とは、共役ジエン重合
体、共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダムある
いはテーパード共重合体、共役ジエンとビニル芳香族化
合物とのブロック共重合体、或いはこれらを任意の割合
で含む混合物であって、共役ジエンが1,4−結合、
1,2結合または3,4−結合により該重合体中に組み
込まれ、共役ジエンから由来するオレフィン性不飽和基
を有するものである。オレフィン性不飽和基含有重合体
中の共役ジエンユニットは、付加形態により1,2−付
加あるいは3,4−付加、1,4−付加が含まれるが、
これらの割合は特に限定されず、すべての場合に本発明
の脱灰方法が適用可能である。また、その水素添加物と
は、該オレフィン性不飽和基含有重合体のオレフィン性
不飽和基のすべて、又は一部を水素添加して、飽和炭化
水素とした重合体であり、更に芳香族核がすべて、又は
部分的に水素添加された重合体も含むものである。
【0010】共役ジエンとしては、炭素数4から20の
炭素原子を有する共役ジエン、具体的には1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−
ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチ
ル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン等が挙げられる。工業的に有利に展開でき、物
性の優れた弾性体を得る上からは、1,3−ブタジエ
ン、イソプレンが好ましい。また、共役ジエンと共重合
可能な他の単量体として代表的なものはビニル芳香族化
合物である。例えばスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェ
ニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルス
チレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン
等があげられ、好ましくはスチレン、α−メチルスチレ
ンである。本発明で使用されるオレフィン性不飽和基含
有重合体が共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合
体の場合、重合体中に含まれる共役ジエンとビニル芳香
族化合物との割合は、一般に重量比で3/97〜97/
3の範囲の中から任意に選択できる。
【0011】テーパード共重合体とは、重合体1分子中
で、組成がテーパー状に連続的に変化する構造を有する
重合体であり、例えば、ビニル芳香族化合物と共役ジエ
ンの組成比が連続的に変化する重合体や1,2−或いは
3,4−付加の割合が連続的に変化する重合体が挙げら
れる。本発明に使用される共役ジエン重合体、共役ジエ
ンとビニル芳香族化合物とのランダムあるいはテーパー
ド共重合体の分子量は、一般に10,000〜3,00
0,000、好ましくは50,000〜1,500,0
00である。
【0012】また、本発明に使用されるブロック共重合
体は、一般式 (A−B)n、 A−(B−A)n、 B−(A−B)
n (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主とする
重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主とする重合
体である。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも
明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上、一般に
1〜5の整数である。) あるいは一般式 [(B−A)n]m+1−X、 [(A−B)n]m+1−
X [(B−A)n−B]m+1−X、 [(A−B)n−A]
m+1−X
【0013】(上式において、A,B,nは前記と同じ
であり、Xは例えば四塩化ケイ素等の多価ハロゲン化有
機ケイ素化合物、四塩化スズ等の多価ハロゲン化有機ス
ズ化合物、エポキシ化大豆油、2〜6官能のエポキシ基
含有化合物、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エス
テル、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物、炭酸ジ
メチル等の炭酸ジアルキル類などのカップリング剤の残
基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示
す。mは1以上、一般に1〜10の整数である。)で表
されるブロック共重合体として得られる。尚、上記にお
いて、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
クとはビニル芳香族炭化水素を50重量%以上、好まし
くは70重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族
炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体
とする重合体ブロックとは共役ジエンを50重量%を超
える量で、好ましくは70重量%以上含有する共役ジエ
ンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック及び/
又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。共重合体ブ
ロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していて
も、又テーパー状に分布していてもよい。又、該共重合
体部分には、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布してい
る部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれ
ぞれ複数個共存していてもよい。本発明で使用するブロ
ック共重合体は、上記一般式で表されるブロック共重合
体の任意の混合物でもよい。本発明においては、ビニル
芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックの分子量
は,5,000〜300,000,好ましくは7,00
0〜200,000、共役ジエンを主体とする重合体ブ
ロックは,5,000〜500,000、好ましくは1
0,000〜300,000が推奨される。ブロック共
重合体全体としての分子量は、20,000〜1,00
0,000、好ましくは30,000〜800,000
のものが好ましい。
【0014】尚、本発明において、分子量はゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を
行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準
ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレ
ンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めたも
のである。これらの重合体あるいは共重合体は、公知の
重合開始剤を用いて、不活性炭化水素溶媒中で重合する
ことができる。ここで不活性炭化水素溶媒とはオレフィ
ン性不飽和基含有重合体の重合や水素添加の際に反応に
悪影響を与えない溶媒である。本発明では、重合段階と
水素添加反応段階で組成の異なる不活性炭化水素溶媒を
用いても良いが、一般的には重合に引き続いて同じ不活
性炭化水素溶媒中で水素添加が行われることが好まし
い。好適な溶媒は、例えばn−ブタン、イソブタン、n
−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘ
プタン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭化水素
類、また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼンの如き芳香族炭化水素である。芳香族炭化水素を溶
媒とする場合は、設定された水素添加条件下で溶媒の芳
香族二重結合が水素添加されない条件で使用することが
好ましい。
【0015】これらの溶媒中に溶解している重合体の濃
度は、5〜40%、好ましくは10〜30%の濃度にす
ることが推奨される。この濃度が5%より低いと、水添
された重合体と溶媒を分離する後工程のエネルギー負荷
が大きくなり好ましくなく、40%を越える濃度である
と粘度がはなはだしく高くなるため好ましくない。重合
開始剤としては、有機アルカリ金属化合物、チーグラー
触媒、又はメタロセン触媒など、公知のものが用いられ
る。特に、有機アルカリ金属化合物を用いた重合方法が
好ましい。有機アルカリ金属化合物は、一般的に共役ジ
エンに対しアニオン重合活性があることが知られている
脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素ア
ルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等が
含まれ、アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、
カリウム等である。好適な有機アルカリ金属化合物とし
ては、炭素数1から20の脂肪族および芳香族炭化水素
リチウム化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含
む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム
化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が
含まれる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチ
ルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチ
ウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリ
チウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリ
チウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec
−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンの反応生
成物等があげられる。さらに、米国特許5,708,0
92号公報に開示されている1−(t−ブトキシ)プロ
ピルリチウムおよびその溶解性改善のために1〜数分子
のイソプレンモノマーを挿入したリチウム化合物、英国
特許2,241,239号公報に開示されている1−
(t−ブチルジメチルシロキシ)ヘキシルリチウム等の
シロキシ基含有アルキルリチウム、米国特許5,52
7,753号公報に開示されているアミノ基含有アルキ
ルリチウム、ジイソプロピルアミドリチウムおよびヘキ
サメチルジシラジドリチウム等のアミノリチウム類も使
用することができる。
【0016】本発明において有機アルカリ金属化合物を
重合開始剤として共役ジエンまたは共役ジエンと他の単
量体を重合する際に、共役ジエンのビニル構造(1,2
または3,4結合)を増やすために第3級アミン化合物
またはエーテル化合物を添加することができる。第3級
アミン化合物としては、一般式R123N(ただし
1、R2、R3は炭素数1から20の炭化水素基または
第3級アミノ基を有する炭化水素基である)の化合物で
ある。たとえば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N
−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−
ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジ
ン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレン
トリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジ
アミン等である。
【0017】またエーテル化合物としては、直鎖上エー
テル化合物および環状エーテル化合物から選ばれ、直鎖
上エーテル化合物としてはジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレン
グリコールのジアルキルエーテル化合物類、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル等のジエチレングリコールのジアルキルエーテル化合
物類が挙げられる。また、環状エーテル化合物としては
テトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5−ジメチルオ
キソラン、2,2,5,5−テトラメチルオキソラン、
2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、フルフリ
ルアルコールのアルキルエーテル等が挙げられる。
【0018】本発明において有機アルカリ金属化合物を
重合開始剤として共役ジエンまたは共役ジエンと他の単
量体を重合する際にバッチ重合であっても連続重合であ
ってもよい。これらの重合体は、リビング成長末端を失
活剤により失活させることが好ましい。また、失活させ
る代わりに分岐状あるいは星状重合体を形成する目的で
一分子中に2個以上の官能基を有する多官能性化合物を
加えても良い。特に、これらの重合体を水素添加する場
合、予め失活させることが好ましい。
【0019】失活剤としては、水酸基、カルボニル基、
エステル基、エポキシ基等の有機金属化合物と反応して
アルコキシ金属類を生成するもの、ハロゲン化合物のよ
うにハロゲン化金属類を生成するものが好ましい。ま
た、場合によりエステル基、ケトン基、アルデヒド基、
イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、酸無水物基を
有する化合物や多価エポキシ化合物、多価ハロゲン化合
物も使用できる。これらは重合体のアルカリ金属末端と
反応させて重合体末端に極性基を付与したり、カップリ
ングさせ分子量を増大させたり、分岐を生成させたりす
る目的で利用することもできる。失活剤の例としては、
(多価)アルコール類、(多価)フェノール類、有機カ
ルボン酸類、有機カルボン酸無水物類、有機カルボン酸
エステル類、ケトン類、エポキシ化合物などの他、水、
水素、炭酸ガスなども用いることができ、これらは単独
で使用しても二種以上混合しても構わない。
【0020】本発明で用いる水素添加触媒として、
(1)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチ
ルアセトン塩などの遷移金属塩とLi、Al、Zn、M
gの有機金属化合物などの還元性金属化合物を用いる、
いわゆるチーグラー型水添触媒、(2)Ti、Ru、R
h、Zr等の有機金属化合物のいわゆる有機金属錯体と
Li、Al、Zn、Mgの有機金属化合物などの還元性
金属化合物からなる均一系水添触媒が挙げられる。具体
的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、
特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号
公報、特公平1−37970号公報、特公平1−538
51号公報、特公平2−9041号公報などに記載され
た水素添加触媒を挙げることができる。本発明の方法が
好適に適用できる水素添加触媒としては、チタノセン化
合物と有機アルミニウム化合物からなる水添触媒が挙げ
られる。
【0021】チタノセン化合物としては、特開平8−3
3846号公報、特開平8−109219号公報、特開
平11−71426号公報に記載された化合物が使用で
きるが、具体例としては、ビス(η5−シクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5−シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジ−m−トリル等の(置
換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるい
はフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以
上もつ化合物があげられる。また、有機アルミニウム化
合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリフェニ
ルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジ
エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エ
チルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イド、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサンな
どが使用できる。
【0022】本発明において水素添加反応は、水素雰囲
気下で行われる。水素は、好ましくはガス状で被水素添
加重合体溶液中に導入される。場合によっては窒素、ア
ルゴン等のような不活性ガスが含まれていても良い。水
素添加触媒の添加量は被水素添加重合体100g当り
0.001から5ミリモルが好ましい。特に好ましい触
媒添加量は、重合体100g当り0.002から1ミリ
モル、さらに好ましくは重合体100g当り0.005
から0.2ミリモルである。また、水素添加反応に使用
される水素の圧力は0.1から15MPa、好ましくは
0.2から10MPa、更に好ましくは0.3から5M
Paが推奨される。水素添加反応は一般的に0〜200
℃の温度範囲で実施される。より望ましい温度範囲は3
0〜150℃、更に好ましくは50〜130℃である。
水素添加反応はバッチ的に行っても、連続的に行っても
良い。
【0023】本発明において被水素添加重合体の水添率
は、目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されな
い。被水素添加重合体に含まれるオレフィン性不飽和基
のほぼ全て(1H−NMRで測定した水添率で95%以
上、好ましくは98%以上)が定量的に水素添加されて
いても良いし、一部のみが水素添加されていても良い。
一部のみを水素添加する場合には、水添率が3%以上、
95%未満、或いは5%以上、90%未満、所望によっ
ては10%〜85%になるように制御しても良い。な
お、水添率の分析は、1H−NMRを利用して容易に測
定できる。また、便宜的にFT−IRを利用して水素添
加前の重合体と比較することで水添率を測定することも
可能である。
【0024】本発明においては、上記のようにして得ら
れた、触媒の金属残渣を含有する重合体炭化水素溶液か
ら、下記の方法で触媒金属を除去する。まず、触媒の金
属残渣を含有する重合体の炭化水素溶液を無機の強酸と
有機カルボン酸を含む水溶液と接触・混合する。(ステ
ップ1)本発明では、ステップ1で重合体溶液と接触・
混合する水溶液に、無機の強酸と有機カルボン酸を併用
することが必要である。無機の強酸のみでは、例えば、
アルミニウムのような成分が、水相に抽出された後のp
H調整の過程で水酸化物のコロイドゲルを形成するた
め、好ましくない。一方、有機カルボン酸のみを使用す
る場合は、水相の有機汚濁物濃度が高くなるため、排水
処理工程の負荷が過大となり、好ましくない。
【0025】また本発明では、ステップ1として、予め
無機の強酸と有機カルボン酸を添加した水溶液を重合体
溶液と接触・混合する方法が最も好ましいが、無機の強
酸を含む水溶液と重合体溶液を接触・混合した後、有機
カルボン酸を添加し、更に接触・混合を継続する方法を
用いても良い。ただし、有機カルボン酸を含む水溶液と
重合体溶液を接触・混合した後、無機の強酸を添加し、
更に接触・混合を継続する方法を用いた場合は、有機カ
ルボン酸が中和反応で消費され、水酸化物のコロイドゲ
ルを形成するような金属との水溶性錯体の形成が阻害さ
れるため、好ましくない。
【0026】無機の強酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、
燐酸が好ましく、特に硫酸が好ましい。有機カルボン酸
としては、蟻酸、酢酸、酪酸などのモノカルボン酸類、
シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸などのジカルボ
ン酸類、クエン酸などのトリカルボン酸類が挙げられ
る。pKa値が4以下のカルボキシル基を有し炭素数1
〜8である有機カルボン酸が好ましく、特にクエン酸が
好ましい。
【0027】本発明におけるステップ1において、重合
体溶液と接触・混合する水溶液中の無機の強酸及び有機
カルボン酸の濃度は、重合体溶液と接触・混合すること
で水溶液中に抽出される金属濃度から、その下限値が決
定される。重合体溶液が含有する触媒残渣として、リチ
ウムとアルミニウムが含まれている場合、水溶液中の無
機の強酸及び有機カルボン酸の規定度は、 (無機の強酸の規定度)≧(水溶液中に抽出されるリチ
ウムのモル濃度) (有機カルボン酸の規定度)≧(水溶液中に抽出される
アルミニウムのモル濃度) を満たすように添加することが、触媒金属、とりわけリ
チウムを高効率で、長期間安定的に除去し続ける上で好
ましい。
【0028】具体的には、無機の強酸として硫酸を、有
機カルボン酸としてクエン酸を使用する場合、重合体溶
液と接触・混合する水溶液中の硫酸の規定度(硫酸
[N])とクエン酸の規定度(クエン酸[N])は、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])≧1 (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])≧1 を満たすことが好ましく、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])≧(1/0.9) (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])≧(1/0.75) を満たすことが、更に好ましい。
【0029】ここで、重合体溶液と接触・混合する水溶
液中の硫酸の規定度(硫酸[N])及びクエン酸の規定
度(クエン酸[N])とは、重合体溶液と接触・混合す
る水溶液中の硫酸及びクエン酸のそれぞれの濃度であ
り、重合体溶液と接触・混合する水溶液として後述する
ステップ2で分離された水溶液の一部を循環して再使用
する場合には、その再使用する水溶液に新たに添加する
酸の水溶液が加わった後の水溶液中の濃度を意味する。
また、(水溶液中に抽出されるLi[mol/l])及び
(水溶液中に抽出されるAl[mol/l])とは、ステッ
プ1或いはステップ1及びステップ2を経た水溶液中の
リチウム金属及びアルミニウム金属の濃度から重合体溶
液と接触・混合する水溶液中のリチウム金属及びアルミ
ニウム金属の濃度のそれぞれの差をいう。
【0030】ステップ1の運転を実施する場合は、水溶
液中の触媒残渣に由来する金属濃度は、イオンクロマト
グラムや高周波プラズマ発光分析などの公知の方法で測
定できる。かかる方法で測定した結果に基づき、上記の
硫酸及びクエン酸の濃度(規定度)が上記の式で求めら
れる下限値を下回らないように、それぞれの酸の添加量
を調整することが好ましい。水溶液中の触媒残渣に由来
する金属濃度は、ステップ1或いはステップ1及びステ
ップ2を経た水溶液を定期的にサンプリングして測定し
たり、運転状況をモニタリングして、重合や水素添加に
使用した触媒量と脱灰工程の運転条件等の運転操作条件
と水溶液中に移行した触媒残渣の金属濃度との関係の実
績と運転状況のモニタリング結果とを比較したりするこ
とで、重合体溶液から水溶液中に抽出される金属の水溶
液中の濃度を推定することもできる。
【0031】この条件でステップ1を実施することで、
水溶液中に抽出されたリチウムは、硫酸で中和され速や
かに塩を形成し、一方、水溶液中に抽出されたアルミニ
ウムは、クエン酸と安定な水溶性の錯体を形成する。水
溶液中のクエン酸の規定度が当該条件を満たさない場
合、クエン酸と錯体を形成していないアルミニウムが、
水酸化アルミニウムのコロイドゲルとなり、水溶液中に
析出するため、好ましくない。
【0032】一方、水溶液中の硫酸の規定度が当該条件
を満たさない場合、リチウムとの中和反応でクエン酸が
消費されるため、その分、アルミニウムと錯体を形成す
るためのクエン酸が不足する。その結果、水酸化アルミ
ニウムのコロイドゲルが生成するため、好ましくない。
本発明では、ステップ1において、重合体溶液と接触・
混合する水溶液に添加する無機の強酸の規定度は0.0
1N未満、好ましくは0.0004〜0.006N、更
に好ましくは0.0005〜0.004N、有機カルボ
ン酸の規定度は0.001N未満、好ましくは0.00
004〜0.0006N、更に好ましくは0.0000
5〜0.0004Nが推奨される。無機の強酸及び有機
カルボン酸の添加量が多い場合は、ステップ2で添加す
るアルカリ金属の水酸化物の量が増すため、用役コスト
の点で好ましくない。また、ステップ1を実施する機器
の材質が限られ、設備が高価になる。ステップ1での水
溶液のpHは1〜4.5の範囲で運転されることが好ま
しく、より好ましくは1.5〜3の範囲、更に好ましく
は2〜2.5の範囲にする。
【0033】本発明におけるステップ1では、酸化剤を
併用しても良い。酸化剤の添加方法については、酸を含
有した水溶液と接触・混合する前に予め重合体溶液に酸
化剤を添加しても、あるいは酸を含有した水溶液に酸化
剤を添加し、これを重合体溶液と接触・混合しても良
い。酸化剤は特に限定されないが、空気、酸素、過酸化
水素、アルキルまたはアリールハイドロパーオキサイド
等が挙げられる。酸化剤は、重合体中の触媒金属1mo
l当たり0.1〜100molの範囲で添加される。
【0034】接触・混合のために使用する水の量は、重
合体溶液に対し重量比で0.6〜10、好ましくは1〜
5、更に好ましくは1.5〜4.5である。水と重合体溶
液の重量比が0.6未満の場合、水と重合体溶液が乳化
しやすく、重合体溶液相と水相の二層分離工程に支障を
きたすため、好ましくない。重量比が10より大きい場
合は、脱灰工程内の滞留時間が短くなるため、脱灰効率
や二層分離の点で好ましくない。
【0035】次に、ステップ1の処理を行った重合体溶
液と水溶液の混合液を、アルカリ金属の水酸化物を添加
した水溶液と接触・混合させ、接触・混合後の水相のp
Hを5.5以上、好ましくはpH6〜9、更に好ましく
はpH7〜8に調整した後、重合体溶液を水相から分離
し、重合体溶液を回収する。(ステップ2)接触・混合
後の水相のpHが5.5未満、または9より大きい場
合、排水処理を行う上で好ましくない。また、重合体溶
液を分離・回収する工程や排水処理工程を構成する機器
の材質が限られ、設備が高価になる。更に、接触・混合
後の水相のpHが2以上5.5未満の場合は、重合体溶
液と水溶液の分離速度が大幅に低下し、重合体溶液の分
離、回収に支障をきたすのみでなく、脱灰効率も低下す
る。
【0036】アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げ
られるが、用役コストの点から、水酸化ナトリウムが好
ましい。本発明において、ステップ1とステップ2を組
み合わせることにより、水酸化アルミニウムのコロイド
ゲルの形成が抑制され、重合体溶液相と水相との二層分
離速度が早く、両相間の界面が明瞭で重合体溶液と水相
との分離が容易になり、脱灰効率も向上する。また、脱
灰装置の器壁や配管等への水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの付着・滞留が無いため、長期間の安定運転が可
能となる。脱灰工程からの排水についても、pH、有機
汚濁物濃度の点で、排水処理工程に過大な負荷をかけず
に運転することが可能である。
【0037】ステップ1及びステップ2における、重合
体溶液と水溶液の接触・混合は、機械的な攪拌、静止型
管内混合器の使用、ノズル等を使用した水溶液中への重
合体溶液の噴出、超音波分散装置の使用などの公知の方
法により実施される。好ましい接触・混合方法は、機械
的エネルギーによってせん断、ズリ力等を与える機械的
攪拌混合方法である。具体的には、攪拌機、ラインミキ
サー、ホモミキサー、コロイドミル、ホモジナイザーが
挙げられる。特に好ましい接触・混合方法は、インライ
ン型湿式高速乳化分散機を用いる方法(日本国特許第
2,032,421号)である。
【0038】また、ステップ1及びステップ2における
重合体溶液と水溶液の接触・混合時に、特に、充分に攪
拌することが困難な場合や高粘度の重合体炭化水素溶液
を処理する場合に、界面活性剤を用いることもできる。
界面活性剤を使用することにより、重合体溶液と水溶液
の接触面積が増加し、脱灰効率が上がる。界面活性剤の
使用量は、水素添加重合体100重量部に対し0.3重
量部以下で、重合体溶液と水溶液が乳化せず、重合体溶
液相と水相の二層分離工程に支障をきたさない量を用い
ることができる。界面活性剤としては、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、
アルキルアミン塩などのカチオン系界面活性剤、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテルなどの非イオン(ノニオ
ン)系界面活性剤が挙げられる。
【0039】ステップ2において、接触・混合された重
合体溶液と水溶液の二層分離は、公知の方法で行われ
る。分離の方法の具体例としては、静置槽内での重力沈
降、濾過、遠心分離、凝集性繊維材料の使用などが挙げ
られる。本発明では、設備が簡略で運転コストも安価で
ある、静置槽内での重力沈降の方法でも、重合体溶液と
水溶液の分離を充分に行うことができる。重合体溶液と
水溶液の分離は、1時間未満、好ましくは30分未満、
更に好ましくは10分未満で行われることが好ましい。
【0040】分離された水相は、新たに所定量の酸を加
える等の調製を行った後、再度ステップ1で重合体溶液
と接触・混合する水溶液として使用することができる。
この様に脱灰で使用した水を循環して再使用する場合、
循環水の一部を所定量の酸を加えたイオン交換水と入れ
替えることで水溶液中の酸の濃度を調整するが、入れ替
える量は、循環水量の5%以上、好ましくは10〜60
%、更に好ましくは15〜40%が推奨される。
【0041】脱灰工程の温度条件は、通常20〜95℃
の範囲で運転される。温度の制御は、混合前の熱水、重
合体溶液のいずれか、もしくは、双方の温度を制御する
ことで行うことができるが、特に限定されない。温度が
低すぎる場合、脱灰効率が悪化する場合がある。温度が
高すぎる場合、運転コストの点から好ましくない。ま
た、脱灰工程の圧力条件は、通常0〜2.0MPaGで
運転される。圧力の制御は、脱灰工程内で重合体溶液中
の炭化水素溶媒が蒸発もしくは共沸をおこすことがない
よう、適宜実施される。
【0042】上記の方法で水相と分離された重合体溶液
から溶媒を除去する方法等で、重合体を得ることが出来
る。例えば、重合体溶液にアセトンまたはアルコール等
の水素添加重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加え
て、重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下
熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を
除去して回収する方法、または重合体溶液を加熱及び/
減圧して直接溶媒を留去する方法等を挙げることができ
る。
【0043】本発明の方法においては、触媒金属の除去
の点でスチームストリッピング法により溶媒を除去する
方法が好ましい。スチームストリッピング法における具
体的な処理方法は、従来知られている方法のいずれか適
当な方法をとれば良く、特に制限はない。スチームスト
リッピング帯に供給する溶液の温度についても特に制限
はなく、重合体を製造する上記の重合温度範囲でよい。
スチームストリッピングの際、クラム化剤を使用しても
よく、その様なクラム化剤としてはアニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系(ノニオン系)
界面活性剤が一般に使用される。これらの界面活性剤を
使用する場合は、ストリッピング帯の水に対して一般に
0.1〜3,000ppm添加される。これらの界面活
性剤に加えて、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、Z
nなどの金属の塩をクラムの分散助剤として用いること
もできる。尚、スラリー中の重合体水素添加物の濃度
は、一般に0.5〜25重量%、好ましくは1〜20重
量%、更に好ましくは3〜15重量%である
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、これらの実施例及び比較例に
おいて、測定及び評価に用いた試験法・評価方法は以下
の通りである。 (1)オレフィン性不飽和基含有重合体の物性測定 1)[水素添加重合体の分子量](以下Mpと記す) 水素添加重合体の分子量は、水素添加重合体をテトラヒ
ドロフラン(以下THFと記す)溶媒で調製した試料を
用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下
GPCと記す)法により、分子量分布のピークの頂点の
位置の分子量を、市販の標準ポリスチレンのピーク分子
量を使用して作成した検量線から、ポリスチレン換算の
値で表示した。測定は、テトラヒドロフランを溶媒に、
カラム温度35℃でのGPC(ウォーターズ社製)で行
った。検出器は示差屈折計を使用した。
【0045】2)[水素添加重合体中のスチレン含量] 紫外線分光光度計(日立製作所製)を用いて、262n
mの吸収光度から算出した。 3)[組成・ミクロ構造・水添率] 水素添加重合体の組成およびミクロ構造は、1H−NM
R(400Hz:ブルッカー社製FT−NMR)により
10w/v%d化クロロホルム溶媒中で64回積算し、
定量化した。
【0046】(2)脱灰工程のモニタリングと運転評価 1)[水中のLi,Al濃度] 水中のLi濃度およびAl濃度は、高周波プラズマ発光
分析法(島津製作所製)を用いて、測定した。 2)[Li脱灰率] 重合体からのLiの除去率(Li脱灰率)は、下式にて
算出した。 (Li脱灰率[%])={1−(ステップ2処理後の重
合体中のLi濃度)/(ステップ1処理前の重合体中の
Li濃度)}×100 なお、重合体中のLi濃度は、重合体を湿式灰化し、高
周波プラズマ発光分析法(島津製作所製)を用いて、測
定した。 3)[95%二層分離時間] ステップ2で、混合液に、アルカリ金属の水酸化物を添
加した水溶液と接触・混合した直後の混合液をサンプリ
ングし、サンプリングしてから1時間以上経過した後
の、重合体溶液相と水相の界面が変化しない状況におけ
る水相の高さを100%とし、その95%まで層分離が
進むまでに要した時間を、95%二層分離時間とした。
評価は、95%二層分離時間が10分未満の場合を ○
、10分以上の場合を × とした。
【0047】(3)水素添加触媒の調製と水添反応 水添反応は、下記の方法で調製した水素添加触媒溶液を
使用して行った。 1)水素添加反応I 窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン
1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十
分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモ
ルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日
間反応させた。上記で得られた水素添加触媒を、オレフ
ィン性不飽和基含有重合体に対してチタン金属量が10
0ppmになる量で添加し、水素圧約1MPa、温度約
80℃で水素添加した。 2)水素添加反応II 窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン
1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十
分に攪拌しながらジエチルアルミニウムクロライド60
0ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、水素添
加触媒を調製した。上記で得られた水素添加触媒を、オ
レフィン性不飽和基含有重合体に対してチタン金属量が
100ppmになる量で添加し、水素圧約3MPa、温
度約80℃で水素添加した。
【0048】(4)オレフィン性不飽和基含有重合体の
調製と該重合体の水素添加 ブロック共重合体A 攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾
燥,窒素置換し,予め精製したスチレン20重量部を含
むシクロヘキサン溶液を投入した。次いでn−ブチルリ
チウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し,70
℃で1時間重合した後,予め精製したブタジエン60重
量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間,さらに
スチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて
1時間重合した。その後、メタノールを添加して反応を
停止した。得られたブロック共重合体は、スチレン含量
が40重量%,ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量
が35重量%、分子量は6万であった。このブロック共
重合体を、上記の水素添加反応Iに記載された方法によ
り水素添加した。得られた水素添加物のブタジエン部分
の水添率は99%であり、スチレンのベンゼン環部分は
ほとんど水素添加されていなかった。溶液中の水素添加
物の濃度は約20重量%であった。
【0049】ブロック共重合体B と同様の方法で重合を行い、スチレン含量が20重量
%,ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が40重量
%、分子量が10万のブロック共重合体を得た。このブ
ロック共重合体を、上記の水素添加反応Iに記載された
方法により水素添加した。得られた水素添加物のブタジ
エン部分の水添率は99%であり、スチレンのベンゼン
環部分はほとんど水素添加されていなかった。溶液中の
水素添加物の濃度は約15重量%であった。
【0050】ブロック共重合体C と同様の方法で重合を行い、スチレン含量が30重量
%,ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が45重量
%、分子量が30万のブロック共重合体を得た。このブ
ロック共重合体を、上記の水素添加反応IIに記載され
た方法により水素添加した。得られた水素添加物のブタ
ジエン部分の水添率は95%であり、スチレンのベンゼ
ン環部分はほとんど水素添加されていなかった。溶液中
の水素添加物の濃度は約10重量%であった。
【0051】ブロック共重合体D n−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンの
添加量を変えた以外は,と同様の方法で重合を行い、
スチレン含量が70重量%,ポリプタジエン部の1,2
ビニル結合量が30重量%、分子量が6万のブロック共
重合体を得た。このブロック共重合体を、上記の水素添
加反応Iに記載された方法により水素添加し、得られた
水素添加物のブタジエン部分の水添率が75%になるよ
うに水素量で調整した。スチレンのベンゼン環部分はほ
とんど水素添加されていなかった。溶液中の水素添加物
の濃度は約20重量%であった。
【0052】ブロック共重合体E テトラメチルエチレンジアミンの添加量を増加し,重合
温度を30℃で行う以外は,と同様の方法で重合を行
い、スチレン含量が20重量%,ポリプタジエン部の
1,2ビニル結合量が75重量%、分子量が20万のブ
ロック共重合体を得た。このブロック共重合体を、上記
の水素添加反応Iに記載された方法により水素添加し
た。得られた水素添加物のブタジエン部分の水添率は9
3%であった。溶液中の水素添加物の濃度は約10重量
%であった。
【0053】重合体F 攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾
燥,窒素置換し,予め精製したブタジエン20重量%を
含むノルマルヘキサン溶液とn−ブチルリチウムのノル
マルヘキサン溶液、テトラメチルエチレンジアミンを含
むノルマルヘキサン溶液をそれぞれ反応器の底部から連
続的に投入し、反応温度100℃、滞留時間約40分で
連続重合し、ポリプタジエン部の1,2ビニル結合量が
45重量%、分子量が30万のポリブタジエン重合体を
得た。得られた重合体溶液にメタノールを添加して反応
を停止した。この重合体を、上記の水素添加反応Iに記
載された方法により水素添加した。得られた水素添加物
のブタジエン部分の水添率は99%であり、溶液中の水
素添加物の濃度は約10重量%であった。
【0054】重合体G 攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾
燥,窒素置換し,予め精製したブタジエンを15重量%
含むシクロヘキサン溶液を投入した。反応器内の温度を
50℃に調整した後、n−ブチルリチウムとテトラメチ
ルエチレンジアミンを添加して約30分重合した。反応
器内の温度上昇がなくなった時点で、四塩化ケイ素を添
加してカップリングさせた。得られた重合体は、ポリプ
タジエン部の1,2ビニル結合量が35重量%、カップ
リングした高分子成分の分子量が約45万でその含有率
が75重量%、カップリングしなかった低分子量成分の
分子量が約12万でその含有率が25重量%のポリブタ
ジエン重合体であった。この重合体を、上記の水素添加
反応IIに記載された方法により水素添加し、得られた
水素添加物のブタジエン部分の水添率が50%になるよ
うに水素量で調整した。溶液中の水素添加物の濃度は約
20重量%であった。
【0055】
【実施例1】以下の条件で、脱灰工程の運転を連続的に
3日間実施した。ステップ1として、7.5T/Hで供
給されるブロック共重合体Aのシクロヘキサン溶液(溶
液中の水素添加物の濃度は約20重量%)と、11.3
T/Hで供給される、硫酸を0.0035mol/l、
クエン酸を0.0003mol/l含むように予め調製
された水溶液(pH2.4)を、接触・混合した。(重
合体溶液に対する水溶液の割合は、重量比で1.5。)
接触・混合には、インライン型高速乳化分散機であるキ
ャビトロン(株式会社ユーロテック、CD1048型)
を使用し、60kWで運転した。なお、接触・混合時の
温度を60℃とし、酸化剤は、使用しなかった。
【0056】続いてステップ2として、ステップ1の処
理が終了した混合液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加
し、接触・混合を行った後、この混合液を静置槽へ導
き、水相を重力沈降で分離し、重合体溶液を回収した。
水酸化ナトリウム水溶液の添加量は、分離された水相の
pHが7となるように調整した。(このとき、水相中の
水酸化ナトリウム濃度は約0.0045mol/lであ
った。)接触・混合には、インライン型高速乳化分散機
であるキャビトロン(株式会社ユーロテック、CD10
48型)を使用し、60kWで運転した。
【0057】脱灰水は循環使用した。ステップ2の静置
槽で分離された水相は、そのうちの30%に当たる量を
新たに酸を添加したイオン交換水と入れ替え、水溶液中
の硫酸濃度を0.0035mol/l、クエン酸濃度を
0.0003mol/lとした後、再度ステップ1で重
合体溶液と接触・混合する水溶液として再利用した。こ
のときの脱灰工程からの排水のCODは180mg−O
/lであり、排水処理上の問題はなかった。
【0058】運転中は、定期的に脱灰水中のLi濃度と
Al濃度を測定し、抽出量を算出した。水中に抽出され
たLi濃度は約0.0026mol/l、Al濃度は約
0.00013mol/lで定常的に運転されており、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>(1/0.9) (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])>(1/0.75) の条件を常に満足していた。
【0059】上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行っ
た結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続
できた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視
したが、無色透明であり、水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの生成は観察されなかった。運転中の95%二層
分離時間は、常に約1分間であった。Li脱灰率は、運
転開始時から3日後の運転終了時まで、約78%であっ
た。結果を第1表に示す。
【0060】
【実施例2〜6】実施例2〜6では、実施例1の方法に
準じて、第1表に記載の方法で脱灰工程の運転を行っ
た。それ以外の第1表に記載されていない部分の工程の
条件は、実施例1と同様の方法で行った。実施例2で
は、ステップ1でブロック共重合体Aの溶液と接触・混
合する水溶液として、硫酸0.0015mol/l、ク
エン酸0.0002mol/lを含むように予め調製さ
れた水溶液を使用した。その結果、水中に抽出されたL
i濃度は約0.0026mol/l、Al濃度は約0.
00013mol/lで定常的に運転されており、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>1 (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])>1 の条件を常に満足していた。
【0061】上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行っ
た結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続
できた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視
したが、無色透明であり、水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの生成は観察されなかった。運転中の95%二層
分離時間は、常に10分未満であった。Li脱灰率は、
運転開始時から3日後の運転終了時まで、約75%であ
った。
【0062】結果を第1表に示す。実施例3では、ステ
ップ1でブロック共重合体Aの溶液と接触・混合する水
溶液として、硫酸0.0015mol/l、酒石酸0.
0002mol/lを含むように予め調製された水溶液
を使用した。その結果、運転中は、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>1 (有機カルボン酸[N])/(水溶液中に抽出されるA
l[mol/l])>1 の条件を常に満足していた。
【0063】上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行っ
た結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続
できた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視
したが、無色透明であり、水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの生成は観察されなかった。運転中の95%二層
分離時間は、常に10分未満であった。Li脱灰率は、
運転開始時から3日後の運転終了時まで、約74%であ
った。
【0064】結果を第1表に示す。実施例4では、ステ
ップ1でブロック共重合体Aの溶液と接触・混合する水
溶液として、硫酸0.0015mol/l、シュウ酸
0.0002mol/lを含むように予め調製された水
溶液を使用した。その結果、運転中は、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>1 (有機カルボン酸[N])/(水溶液中に抽出されるA
l[mol/l])>1 の条件を常に満足していた。
【0065】上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行っ
た結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続
できた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視
したが、無色透明であり、水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの生成は観察されなかった。運転中の95%二層
分離時間は、常に10分未満であった。Li脱灰率は、
運転開始時から3日後の運転終了時まで、約75%であ
った。結果を第1表に示す。
【0066】実施例5では、ステップ1で、7.5T/
Hで供給されるブロック共重合体Aの溶液と、7.5T
/Hで供給される、硫酸を0.005mol/l、クエ
ン酸を0.00045mol/l含むように予め調製さ
れた水溶液を、接触・混合した。(重合体溶液に対する
水溶液の割合は、重量比で1.0。)その結果、運転中
は、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>(1/0.9) (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])>(1/0.75) の条件を常に満足していた。
【0067】上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行っ
た結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続
できた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視
したが、無色透明であり、水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの生成は観察されなかった。運転中の95%二層
分離時間は、常に10分未満であった。Li脱灰率は、
運転開始時から3日後の運転終了時まで、約73%であ
った。結果を第1表に示す。
【0068】実施例6では、ステップ1で、7.5T/
Hで供給されるブロック共重合体Aの溶液と、7.5T
/Hで供給される、硫酸を0.002mol/l、クエ
ン酸を0.00018mol/l含むように予め調製さ
れた水溶液を、接触・混合した。(重合体溶液に対する
水溶液の割合は、重量比で2.5。)その結果、運転中
は、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>(1/0.9) (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])>(1/0.75) の条件を常に満足していた。
【0069】上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行っ
た結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続
できた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視
したが、無色透明であり、水酸化アルミニウムのコロイ
ドゲルの生成は観察されなかった。運転中の95%二層
分離時間は、常に10分未満であった。Li脱灰率は、
運転開始時から3日後の運転終了時まで、約76%であ
った。結果を第1表に示す。
【0070】
【実施例7〜12】実施例7〜12では、実施例1の方
法に準じて、種々の重合体溶液について、脱灰工程の運
転を行った。それ以外の第1表に記載されていない部分
の工程の条件は、実施例1と同様の方法で行った。実施
例7では、ブロック共重合体Bの溶液について、実施例
8では、ブロック共重合体Cの溶液について、実施例9
では、ブロック共重合体Dの溶液について、。実施例1
0では、ブロック共重合体Eの溶液について、実施例1
1では、重合体Fの溶液について、実施例12では、重
合体Gの溶液について、それぞれ脱灰工程の運転を行っ
た。いずれの運転でも、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])>1 (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])>1 の条件を常に満足していた。それぞれの重合体溶液につ
いて、脱灰工程の運転を3日間連続で行った結果、運転
が乱れたりすることもなく、安定的に継続できた。
【0071】
【実施例13】参考例1では、ステップ1でブロック共
重合体Aの溶液と接触・混合する水溶液として、硫酸
0.00125mol/l、クエン酸0.0002mo
l/lを含むように予め調製された水溶液を使用した。
その結果、運転中は、 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
l])=0.90〜0.98 (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
/l])>1 の条件を常に満足していた。それ以外の第1表に記載さ
れていない部分の工程の条件は、実施例1と同様の方法
で行った。上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行った
結果、運転が乱れたりすることもなく、安定的に継続で
きた。運転中に脱灰水を定期的にサンプリングし目視し
たが、白濁しており、水酸化アルミニウムのコロイドゲ
ルの生成がみられた。運転中の95%二層分離時間は、
常に10分未満であった。Li脱灰率は、運転開始時は
約74%であったが、3日後の運転終了時には、約68
%となった。結果を第1表に示す。
【0072】
【比較例1】比較例1では、ステップ2での水酸化ナト
リウム水溶液の添加量は、分離された水相のpHが5と
なるように調整した。それ以外の第1表に記載されてい
ない部分の工程の条件は、実施例1と同様の方法で行っ
た。この条件では、95%二層分離時間は10分以上と
なり、重力沈降による静置槽での水相の分離および重合
体溶液の回収は困難であった。結果を第1表に示す。
【0073】
【比較例2】比較例2では、ステップ1でブロック共重
合体Aの溶液と接触・混合する水溶液として、硫酸のみ
を含む水溶液を使用した。添加量は水溶液中の硫酸が
0.01Nとなる様に調整した。それ以外の第1表に記
載されていない部分の工程の条件は、実施例1と同様の
方法で行った。上記の脱灰工程の運転を3日間連続で行
った結果、脱灰水中に水酸化アルミニウムのコロイドゲ
ルが大量に生成・堆積し、Li脱灰率は、運転開始時は
約73%であったが、3日後の運転終了時には、約61
%となり、脱灰率が12%低下した。結果を第1表に示
す。
【0074】
【比較例3】比較例3では、ステップ1でブロック共重
合体Aの溶液と接触・混合する水溶液として、クエン酸
のみを含む水溶液を使用した。添加量は水溶液中のクエ
ン酸が0.001Nとなる様に調整した。それ以外の第
1表に記載されていない部分の工程の条件は、実施例1
と同様の方法で行った。このときの脱灰工程からの排水
のCODは600mg−O/lであり、排水処理が困難
となった。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明の方法は、触媒金属の残査が少な
く、触媒金属残査に起因する変色や劣化の少ない重合体
が得られる。本発明の方法で得られた水素添加重合体
は、そのままで或いは各種樹脂やゴム状重合体、添加剤
等を配合した組成物として、シート、フィルム、各種形
状の射出成形品、中空成形品、圧空成型品、真空成形
品、押出成形品、不織布や繊維状の成形品等多種多様の
成形品の材料として活用できる。これらの成形品は、食
品包装材料、医療用器具材料、家電製品及びその部品、
自動車部品・工業部品・家庭用品・玩具等の素材、履物
用素材、粘・接着剤用素材、アスファルト改質剤などに
利用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AB02Q AB03Q AB07Q AB13Q AB16Q AS01P AS02P AS03P AS04P BA31Q CA01 CA04 CA31 FA03 FA08 GA18 GC02 GC03 HA03 HB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の金属残渣を含有する重合体炭化水
    素溶液から該金属残渣を除去する重合体の脱灰方法にお
    いて、(1)該重合体溶液を無機の強酸と有機カルボン
    酸を含む水溶液と接触・混合させ、(ステップ1) (2)次に、この混合液をアルカリ金属の水酸化物を添
    加した水溶液と接触・混合させ、接触・混合後の水相の
    pHを5.5以上に調整した後、重合体溶液を水相から
    分離し、重合体溶液を回収する(ステップ2) ことにより、重合体溶液から金属残渣を除去することを
    特徴とする重合体の脱灰方法。
  2. 【請求項2】 ステップ2におけるアルカリ金属の水酸
    化物の添加量が、重合体溶液から分離した水相のpHが
    6〜9となるように調整されることを特徴とする請求項
    1に記載の重合体の脱灰方法。
  3. 【請求項3】 ステップ1の水溶液に含まれる無機の強
    酸が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸から選ばれる少なくと
    も1種類の酸であり、有機カルボン酸が、pKa値が4
    以下のカルボキシル基を有する炭素数1〜8の有機カル
    ボン酸であることを特徴とする請求項1〜2に記載の重
    合体の脱灰方法。
  4. 【請求項4】 ステップ1で、重合体溶液と接触・混合
    する水溶液の無機の強酸の規定度を、0.01N未満と
    する請求項1〜3の重合体の脱灰方法。
  5. 【請求項5】 ステップ1で、重合体溶液と接触・混合
    する水溶液の有機カルボン酸の規定度を、0.001N
    未満とする請求項3〜4の重合体の脱灰方法。
  6. 【請求項6】 触媒残渣として、少なくともリチウムと
    アルミニウムを含む請求項1に記載の重合体の脱灰方
    法。
  7. 【請求項7】 ステップ1を実施するに当たり、水溶液
    の無機の強酸の規定度が、重合体溶液と接触・混合後に
    水溶液中に抽出されるリチウムのモル濃度以上であり、
    かつ有機カルボン酸の規定度が、重合体溶液と接触・混
    合後に水溶液中に抽出されるアルミニウムのモル濃度以
    上となるように調整することを特徴とする請求項6に記
    載の重合体の脱灰方法。
  8. 【請求項8】 ステップ1で使用される無機の強酸が硫
    酸、有機カルボン酸がクエン酸であり、それらの規定度
    が下式を満たすように添加されることを特徴とする請求
    項7に記載の重合体の脱灰方法。 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
    l])≧1 (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
    /l])≧1
  9. 【請求項9】 ステップ1で使用される無機の強酸が硫
    酸、有機カルボン酸がクエン酸であり、それらの規定度
    が下式を満たすように添加されることを特徴とする請求
    項7に記載の重合体の脱灰方法。 (硫酸[N])/(水溶液中に抽出されるLi[mol/
    l])≧(1/0.9) (クエン酸[N])/(水溶液中に抽出されるAl[mol
    /l])≧(1/0.75)
  10. 【請求項10】 重合体溶液が、有機リチウム化合物を
    開始剤として重合したオレフィン性不飽和基含有重合体
    の炭化水素溶液を、有機アルミニウム化合物を一成分と
    する水素添加触媒の存在下で水素と接触させて重合体中
    のオレフィン性不飽和基を水素添加した重合体溶液であ
    ることを特徴とする請求項1〜9に記載の重合体の脱灰
    方法。
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