JP3457891B2 - 改良された色調を持つ水添重合体の製法 - Google Patents

改良された色調を持つ水添重合体の製法

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JP3457891B2 JP26828798A JP26828798A JP3457891B2 JP 3457891 B2 JP3457891 B2 JP 3457891B2 JP 26828798 A JP26828798 A JP 26828798A JP 26828798 A JP26828798 A JP 26828798A JP 3457891 B2 JP3457891 B2 JP 3457891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良された色調を
持つ、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として重合
した共役ジエン系重合体をメタロセン系触媒で水素添加
(以下水添と略す)した重合体を製造する方法に関す
る。更に詳しくは、重合体をメタロセン系触媒で水添し
た後、メタロセン系触媒を還元できる能力を有する有機
金属を共存、反応させ、しかる後、活性水素を有する化
合物と接触、反応させる事により、改良された色調を持
つ水添重合体を安定に工業的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン系触媒は、近年、共役ジエン
系重合体の水添によく使われるようになってきた。これ
らの触媒は、ニッケル系触媒に比べれば、より少ない触
媒量で同量の水添を成し遂げるという特徴が有り、この
為、水添後の触媒残差を取り除くのもた易く、また、多
くの場合、触媒残差を残したまま水添重合体を製品とし
て得ている。
【0003】一方、水添重合体が広く工業的に使用され
るにつれ、その外観特性の良好なものが望まれるように
なってきた。この為、特開昭64−56712の如く水
添後、水、アルコール等を添加し、更に酸化防止剤を加
えた上で、一定の条件でクラミングをする事により、色
調の改善、透明性、耐失透性を得る方法、更にUSP
5,242,961、USP5,280,058、US
P5,280,059の如く、水添後、無酸素下で、
水、過酸化物又はアルコールで処理し、更にフェノール
系以外の酸化防止剤を加える事により色調(黄色味)を
改善する方法が提案されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機
アルカリ金属化合物を重合開始剤として重合した共役ジ
エン系重合体を工業的に水添し水添重合体を製造する場
合、これらの方法では、いずれの方法も色調の改善とし
ては不十分で、しかも添加する水などに空気(酸素)が
紛れ込むトラブル等により、良好な色調の水添重合体を
工業的に安定に得る事は難しかった。更に、後者の方法
においては、特定の酸化防止剤しか用いる事ができず、
特に当該分野で標準的に用いられるヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を用いる事ができず長期保管後や加工成
形時に色調が悪化するような問題も発生し、一層の改良
が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは従
来技術の上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、
水添後、まずメタロセン系触媒を還元できる能力を有す
る有機金属を共存、反応させ、次いで活性水素を有する
化合物の過剰量と接触、反応させる事により、色調を改
善すると共に、工業的に安定に良好な色調の水添重合体
を得られる事、その後加える酸化防止剤としては特別な
制限はなく一般に用いられる酸化防止剤を用いる事がで
きる事、又更には長期保管後や加工成形時にも色調が安
定している事を見つけ出し、本発明を成すに至った。
【0006】本発明は、有機アルカリ金属化合物を重合
開始剤として重合した共役ジエン系重合体をメタロセン
系触媒で水添した後、メタロセン系触媒を還元できる能
力を有する有機金属を共存、反応させ、しかる後、活性
水素を有する化合物と接触、反応させる事を特徴とす
る、改良された色調を持つ水添重合体の製造方法であ
る。
【0007】更に好ましくは、 1.活性水素を有する化合物の過剰量と接触、反応と同
時に、及び又は、反応させた後、重合体中に含まれるア
ルカリ性金属の20%以上を中和及び又は除去した後、
酸化防止剤を添加すること 2.還元能力を有する有機金属の添加量として、好まし
くはメタロセン系触媒がチタノセン系触媒である場合、
その0.5〜20等量であること 3.活性水素を有する化合物として、水、アルコール
類、無機酸、有機酸を単独に又はこれらの組み合わせを
用い、使用量としては、メタロセン触媒等量を超えた量
を接触させる事を特徴とする改良された色調を持つ水添
重合体の製造方法である。
【0008】水添される重合体としては、有機アルカリ
金属化合物を重合開始剤として重合した共役ジエン系重
合体であればどの様な物でもよく、共役ジエンのホモ重
合物、2種以上の共役ジエンからなる共役ジエンの共重
合物、また共役ジエンと共重合可能な他の単量体との共
重合物であって、該重合体中に共役ジエンから由来する
オレフィン2重結合を有する1,4−重合物、1,2ま
たは3,4−重合物を含むものである。共役ジエンとし
ては、炭素数4から20の炭素原子を有する共役ジエ
ン、具体的には1,3−ブタジエン、イソプレン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジ
エン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘ
キサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエ
ン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられ
る。工業的に有利に展開でき、物性の優れた弾性体を得
る上からは、1,3−ブタジエン、イソプレンが好まし
い。また、共役ジエンと共重合可能な他の単量体として
代表的なものはビニル芳香族化合物である。例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビ
ニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−
ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン等があげられ、好ましく
はスチレン、α−メチルスチレンである。これらの共重
合体はランダム、テーパー、及びブロック、更にこれら
の組み合わせのいずれかの共重合体である。
【0009】これらの重合は、有機アルカリ金属化合物
を重合開始剤として用いる。この有機アルカリ金属化合
物としては、一般的に共役ジエン化合物に対しアニオン
重合活性があることが知られている脂肪族炭化水素アル
カリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、
有機アミノアルカリ金属化合物等が含まれ、アルカリ金
属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等である。
好適な有機アルカリ金属化合物としては、炭素数1から
20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム化合物であ
り、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中
に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウ
ム化合物、テトラリチウム化合物が含まれる。具体的に
はn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペ
ンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチ
ウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロ
ペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成
物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウム
と少量の1,3−ブタジエンの反応生成物等があげられ
る。このような有機アルカリ金属化合物を開始剤として
用いて重合された重合体は、好ましくは、アルコールな
どの失活剤を添加し、重合開始剤の一部または全てを失
活させた後、メタロセン系水添触媒で水添を行い水添重
合体にする。
【0010】本発明で用いられるメタロセン系水添触媒
は、配位子として同一又は異なる2個の(置換)シクロ
ペンタジエニル基を持つチタン、ジルコニウム、ハフニ
ウム等の有機金属化合物であり、特に入手の容易性など
からチタノセン系のものが好ましく、更に好ましくは還
元性の有機金属化合物、例えばアルキルリチウム、アル
キルマグネシウム、アルキルアルミニウム、アルキル亜
鉛等と用いられる。メタロセン系水添触媒及び水添方法
としては、メタロセン系化合物を用いる水添方法であれ
ばどの方法も採用できる。たとえば、特定のチタノセン
化合物とアルキルリチウムを組み合わせて、オレフィン
化合物を水添する方法(特開昭61−33132号、特
開平1−53851号)、メタロセン化合物と有機アル
ミニウム、亜鉛、マグネシウムと組み合わせでオレフィ
ン性不飽和(共)重合物を水添する方法(特開昭61−
28507号、62−209103号)、特定のチタノ
セン化合物とアルキルリチウムとの組合せでオレフィン
性不飽和基含有リビングポリマーを水添させる方法(特
開昭61−47706号、特開昭63−5402号)、
チタノセン化合物とトリメチルアルミニウムのメタラサ
イクル化合物であるTebbe試薬とアルキルアルカリ
金属化合物を組み合わせた反応物によるオレフィン性不
飽和二重結合含有ポリマー中のオレフィン性二重結合を
水添する方法(米国特許5244980号)、チタノセ
ン化合物を、特定された量のリチウムアルコキサイトと
組み合わせオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマー中
のオレフィン性二重結合を水添する方法(特開平1−2
75605)、メタロセン系水添触媒を用い、特定比率
で有機アルミニウム化合物その他を存在させた系で共役
ジエン重合物を水添する方法(特願平9−25218
0)等の方法が知られているが、本発明はこれにとらわ
れない。
【0011】更に、本発明は、この様にして作られた水
添重合体が溶媒中に溶解、及び又は分散した状態で行わ
れる事が好ましく、このような溶媒としては、不活性炭
化水素溶媒が好ましく、更に共役ジエン重合体の溶媒で
あって水添の際に反応に悪影響を与えないものであり、
本発明は、水添に引き続き、同じ溶媒中で、行われる事
が好ましい。好適な溶媒は、例えばn−ブタン、イソブ
タン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、
シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭
化水素類、また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼンの如き芳香族炭化水素も、選択された水添条
件下で芳香族二重結合が水添されない場合は使用するこ
とができる。
【0012】メタロセン系触媒を還元できる能力を有す
る有機金属としては、例えば有機リチウム化合物、有機
アルミニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウ
ム化合物等を単独或いは相互に組み合わせて用いられ
る。メタロセン系触媒を還元できる能力を有する有機金
属は、水添終了後に添加する。重合体の水添中に添加す
ると、活性水添触媒が更に還元され、水添能力が低下
し、はなはだしくは水添重合体の水添率が目標まで上が
らず好ましくない。
【0013】有機金属の添加量としては、0.5〜20
等量が好ましい。特にメタロセン系触媒がチタノセン系
触媒である場合、触媒中のTiに対するモル比として
0.5〜20等量が好ましく、更には0.7〜5等量が
好ましい。これより少ない場合、反応は不完全で色調が
不安定になり好ましくなく、これより多い場合、還元は
充分で有るもののコストアップや有機金属自体の残留に
よる問題が起こり好ましくない。添加後、撹拌機やスタ
ティックミキサー、ピグメントミキサー等の混合機で水
添重合体溶液とよく混合させ反応させる事が好ましい。
反応温度、反応時間は、水添重合体濃度や還元能力を有
する有機金属種などによって最適な条件を選ぶ必要が有
るが、一般に反応温度は−20〜100℃、反応時間は
数十秒〜数十分の条件で有る。
【0014】この様にして、有機金属と反応した後、水
添重合体は活性水素を有する化合物と反応させる。活性
水素を有する化合物として、水、アルコール類、無機
酸、有機酸を用い、添加量としては、好ましくはメタロ
セン系触媒の金属の等量を超えた量を接触させる。理論
的には金属の等量と同じ量の活性水素を有する化合物と
反応させれば良いが、工業的には、金属と等量を超える
量を添加する事で反応を確実にし、不純物などの影響を
少なくする。更に好ましくは、メタロセン系触媒の金属
の等量の10倍以上、より好ましくは100倍以上の活
性水素を有する化合物を用いる。この活性水素を有する
化合物は通常溶液など液状で用いられるが、この液中に
含まれる酸素(空気)含有量は、できるだけ少ないほう
が好ましい。更にメタロセン触媒等量の10倍以上、更
に好ましくは100倍以上と、活性水素を有する化合物
を大量に使う場合は、その化合物中に酸素(空気)を少
量含有していてもかまわない。この為、プラント内で使
われる通常の水、アルコールなどを特別な脱気をしない
で用いる事ができ好ましい。
【0015】添加量の上限は無く、水添重合体中のアル
カリ性金属の中和工程及び又は除去工程などをかねる場
合、活性水素を有する化合物である酸水溶液中に水添重
合体溶液を液滴として分散させるほど多くしても良い。
【0016】この活性水素を有する化合物を添加後、撹
拌機やスタティックミキサー、ピグメントミキサー等の
混合機で水添重合体溶液とよく混合させ反応させる事が
好ましい。反応温度、反応時間は、水添重合体濃度や、
活性水素を有する化合物種などによって最適な条件を選
ぶ必要が有るが、一般に反応温度は−20〜100℃、
反応時間は数秒〜数十分の条件で有る。
【0017】更に、活性水素を有する化合物の過剰量と
接触、反応させると同時に、及び/又は、反応させた
後、重合触媒や水添触媒還元の為添加した有機金属に起
因する、重合体中に含まれるアルカリ性金属の20%以
上、更に好ましくは50%以上を中和及び/又は除去し
た後、酸化防止剤を添加する事が望ましい。
【0018】中和は、炭酸ガス、炭酸、ホウ酸の如き無
機酸、ステアリン酸、安息香酸の如き有機酸を単独又は
組み合わせて用い、添加後、スタティックミキサーやピ
グメントミキサー等の混合機でよく混合することにより
行われる。この中和は上記活性水素を有する化合物と反
応すると同時に行っても良いし、その後再度実施しても
良い。アルカリ性金属を除去する方法としては、大量の
水及び又は無機酸や有機酸の水溶液中に水添重合体溶液
を液滴として分散せしめ、重合体中の20%以上、更に
好ましくは50%以上のアルカリ性金属を抽出除去す
る。この除去法としては特公平7−64889の如き特
定の方法を用いても良い。
【0019】酸化防止剤としては、TNPPの如きフェ
ノール系以外の酸化防止剤、またイルガノックス107
6(チバガイギー製)やイルガノックス1010(チバ
ガイギー製)の如きヒンダードフェノール系の酸化防止
剤を各々単独又は組み合わせて用いる事ができる。特に
本発明においては、当該分野で標準的に用いられるヒン
ダードフェノール系酸化防止剤を用いる事ができ、長期
保存後や加工成形時の色調悪化も防止できる。酸化防止
剤は、添加量が約0.002%〜約2%で用いられる。
酸化防止剤量は、コストミニマム、ポリマー特性の悪化
防止の観点から、酸化防止効果の出る最低量を添加する
事が好ましいが、本発明においては種類、組み合わせに
特に制限が無く、本質的に最適な選択が可能となり、少
量で最大限の効果を得る事ができる。なお、本発明にお
ける水添率は、重合体中に含まれる共役ジエン単位の水
添率を意味する。
【0020】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例に用いた各重合体溶液(A及びB重合体溶液)の合成
及び調製例を以下の参考例に示した。
【0021】製造例1 加圧容器中でn−ブチルリチウムを重合開始剤とし極性
物質としてテトラメチルエチレンジアミンを添加しシク
ロヘキサンを溶剤としてアニオン重合を行い、ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレン(S−B−S−L
i+)ブロックコポリマーを1バッチ得た。得られたリ
ビングポリマー(A重合体)は、結合スチレン含有量3
0%、ブロックスチレン含有量30%、ブタジエン単位
の1,2−ビニル結合含有量37%であり、数平均分子
量が約22万であるスチレン−ブタジエン−スチレン型
リビングブロックポリマーであった。これに、エチルア
ルコールをn−ブチルリチウムの0.85等量モル分加
えて重合触媒を失活させ、更に精製乾燥したシクロヘキ
サンを加えて11%のポリマー濃度のシクロヘキサン溶
液に調整した(A重合体溶液)。
【0022】製造例2 加圧容器中でn−ブチルリチウムを重合開始剤とし極性
物質としてテトラメチルエチレンジアミンを添加しシク
ロヘキサンを溶剤としてアニオン重合を行い、ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレン(S−B−S−L
i+)ブロックコポリマーを1バッチ得た。得られたリ
ビングポリマー(B重合体)は、結合スチレン含有量3
0%、ブロックスチレン含有量30%、ブタジエン単位
の1,2−ビニル結合含有量37%であり、数平均分子
量が約6万であるスチレン−ブタジエン−スチレン型リ
ビングブロックポリマーであった。これに、エチルアル
コールをn−ブチルリチウムの0.9等量モル分加えて
重合触媒を失活させ、更に精製乾燥したシクロヘキサン
を加えて17%のポリマー濃度のシクロヘキサン溶液に
調整した(B重合体溶液)。
【0023】実施例1 特願平9−252180の方法に準拠した方法により水
添触媒を調製し水添を行った。シクロヘキサン中にビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド5重
量%、トリメチルアルミニウム2.5重量%を添加し、
撹拌後、72時間反応させ、水添触媒(TC/TMA
L)溶液として調製した。製造例1で調製したA重合体
溶液を入れた撹拌機付き加圧容器に、水添触媒(TC/
TMAL)をTi重量基準で、重合体重量に対し30p
pm添加し、初期温度80℃、0.7MPaで水添を2
5分間実施し、更に水添触媒(TC/TMAL)を20
PPM追添し10分間水添を継続し、水添を終了した
(NMR法により水添重合体の水添率を測定したところ
99%であった。)。この水添A重合体溶液に、水添重
合体溶液中のTiに対しLi/Tiモル比=2の割合で
n−ブチルリチウムを添加し、良く撹拌した。更に、水
添重合体100重量部に対し約2重量部の割合(Tiに
対し1000倍モルの割合)で、脱気はしていない脱イ
オン水を加え、良く撹拌した。この水添重合体溶液を一
部抜き、ドラムドライヤーで脱溶剤後、26トンプレス
で2mm厚、30mm×40mmのシートに整形し、日
本電色 (株)製色差計ND−1001DPにて色差
(b*値)を測定した所、b*値は0.5と良好であっ
た。更に、加圧容器内の水添重合体溶液に、含まれるL
i1モルに対し炭酸ガス0.35モル、安息香酸0.1
5モルを加えて良く撹拌し中和した後、水添重合体10
0重量部に対しイルガノックス1010を0.3重量部
加え更に撹拌した。得られた水添重合体溶液の一部を抜
き、ドラムドライヤーで脱溶剤後、26トンプレスで2
mm厚、30mm×40mmのシートに整形し色差(b
*値)を測定した所、b*値は0.8と良好であった。
更にこの水添重合体ポリマーをラボプラストミルで18
0℃1時間混練りした後、再度色差を測定したところ、
b*値は1.1とほぼ同じ値を示した。
【0024】比較例1−1 製造例1と同じ水添重合体溶液を用いを実施例1と同様
の方法で水添を行った。(水添後のA重合体の水添率は
99%)この水添重合体溶液に、水添重合体100重量
部あたり約2重量部の割合(Tiに対し1000倍モル
の割合)で、脱気はしていない脱イオン水を加え、良く
撹拌した。この水添重合体溶液を一部抜き、ドラムドラ
イヤーで脱溶剤後、26トンプレスで2mm厚、30m
m×40mmのシートに整形し、色差(b*値)を測定
した所、b*値は12.8の値を示した。更に、加圧容
器内の水添重合体溶液に、含まれるLi1モルに対し炭
酸ガス0.35モル、安息香酸0.15モルを加えて良
く撹拌し中和した後、水添重合体100重量部に対しイ
ルガノックス1010を0.3重量部加え更に撹拌し
た。得られた水添重合体溶液の一部を抜き、ドラムドラ
イヤーで脱溶剤後、実施例1と同様、プレスでシートに
整形し色差(b*値)を測定した。シートの色差(b*
値)は15.1であった。更にこの水添重合体ポリマー
をラボプラストミルで180℃1時間混練りした後、再
度色差を測定したところ、b*値は21.2と更に悪化
した。
【0025】比較例1−2 製造例1と同じA重合体溶液を用い実施例1と同様の方
法で水添を行った。(水添後のA重合体の水添率は99
%)この水添重合体溶液に、水添重合体100重量部あ
たり約2重量部の割合(Tiに対し1000倍モルの割
合)で、脱酸素を行った脱イオン水を加え、良く撹拌し
た。この水添重合体溶液を一部抜き、ドラムドライヤー
で脱溶剤後、得られた水添重合体溶液の一部を抜き、ド
ラムドライヤーで脱溶剤後、実施例1と同様、プレスで
シートに整形し色差(b*値)を測定した。シートの色
差(b*値)は12.5の値を示した。更に、加圧容器
内の水添重合体溶液に、含まれるLi1モルに対し炭酸
ガス0.35モル、安息香酸0.15モルを加えて良く
撹拌し中和した後、水添重合体100重量部に対しトリ
スノニルフェニルフォスファイト(TNPP)を0.3
5重量部加え更に撹拌した。得られた水添重合体溶液の
一部を抜き、ドラムドライヤーで脱溶剤後、実施例1と
同様、プレスでシートに整形し色差(b*値)を測定し
た。シートの色差(b*値)は14.5であった。更に
この水添重合体ポリマーをラボプラストミルで180℃
1時間混練りした後、再度色差を測定したところ、b*
値は23.9と更に悪化した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 製造例2のB重合体溶液を、実施例1と同等の方法で水
添を行った。水添後のB重合体のNMRによる水添率は
100%で有った。この水添重合体溶液に、Li/Ti
モル比=2の割合でn−ブチルリチウムを添加し、良く
撹拌した。この水添重合体液を、約1.5倍量(Tiに
対し47万倍モル)のPH=約3の硫酸水溶液と混合
し、連続的にキャビトロン1010機にフィードし、L
iの脱灰と中和を行った。出口の硫酸水のPHは7〜
8、水添重合体中の残存Liは、9PPMで有った(脱
灰率=95%)。この水添重合体を実施例1と同様、シ
ート状に整形した後、色差(b*値)を測定すると0.
7と良好であった。この水添重合体溶液に、水添重合体
100重量部に対し安定剤としてTNPPを0.25重
量部、イルガノックス1010を0.2重量部加えた
後、クラミング処理し脱溶剤し、更に脱水、乾燥処理を
行った。得られた水添重合体ポリマーを実施例1と同様
シート状に整形し色差(b*値)を測定した。b*値は
0.8と良好であった。このポリマーを、更にラボプラ
ストミルで180℃1時間混練りした後、再度色差を測
定したところ、b*値は1.0で有った。
【0028】比較例2 製造例2のB重合体溶液を用いて実施例2と同様に水添
を行い、水添率100%のB重合体を得た。この水添重
合体溶液を、約1.5倍量(Tiに対し47万倍モル)
のPH=約3の硫酸水溶液と混合し、連続的にキャビト
ロン1010機にフィードし、Liの脱灰と中和を行っ
た。出口の硫酸水のPHは7〜8、水添重合体中の残存
Liは、8PPMで有った(脱灰率=95%)。この水
添重合体を実施例1と同様、シート状に整形した後、色
差(b*値)を測定すると18.5と悪化した。この水
添重合体溶液に、水添重合体100重量部に対し安定剤
としてTNPPを0.5重量部加えた後、実施例1と同
様、脱溶剤、脱水、乾燥処理をし、得られた水添重合体
ポリマーをシート状に整形し色差(b*値)を測定し
た。b*値は19.2であった。このポリマーを、更に
ラボプラストミルで180℃1時間混練りした後、再度
色差を測定したところ、b*値は28.0に悪化した。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明は、メタロセン系触媒を用いて水
添重合体を製造する際、水添重合体の色調の改善を行う
と共に、その良好な色調の水添重合体を工業的に安定に
得ることができる事、又その後加える酸化防止剤として
は特別な制限はなく、最適な選択が可能で有る事、更に
は長期保管後や加工成形時にも色調が安定化できること
で工業的に極めて有利な方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−94462(JP,A) 特開 平7−224108(JP,A) 特開 平9−272724(JP,A) 特開 平7−90017(JP,A) 特開 平4−255733(JP,A) 特開 平6−49111(JP,A) 特開 昭61−34050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08C 19/00 - 19/40 C08F 8/00 - 8/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機アルカリ金属化合物を重合開始剤と
    して重合した共役ジエン系重合体をメタロセン系触媒で
    水添した後、メタロセン系触媒を還元できる能力を有す
    る有機金属を共存、反応させ、しかる後、活性水素を有
    する化合物と接触、反応させる事を特徴とする、改良さ
    れた色調を持つ水添重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 活性水素を有する化合物と接触、反応させると同時に、
    及び/又は、反応させた後、重合物中に含まれるアルカ
    リ性金属の20%以上を中和及び又は除去した後、酸化
    防止剤を添加する事を特徴とする改良された色調を持つ
    水添重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1,2において、 メタロセン系触媒がチタノセン系触媒であり、この触媒
    を還元できる能力を有する有機金属の添加量として、チ
    タノセン系触媒の0.5〜20等量であることを特徴と
    する改良された色調を持つ水添重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3において、 活性水素を有する化合物として、水、アルコール類、無
    機酸、有機酸を単独で又は、これらの組み合わせを用
    い、使用量としては、メタロセン触媒等量を超えた当量
    を接触させる事を特徴とする改良された色調を持つ水添
    重合体の製造方法。
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