JPH0827231A - アルキル基置換共役ジエン重合体の水添法 - Google Patents

アルキル基置換共役ジエン重合体の水添法

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JPH0827231A
JPH0827231A JP16174194A JP16174194A JPH0827231A JP H0827231 A JPH0827231 A JP H0827231A JP 16174194 A JP16174194 A JP 16174194A JP 16174194 A JP16174194 A JP 16174194A JP H0827231 A JPH0827231 A JP H0827231A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、アルキル基置換共役ジエン系重合
体、またはビニル芳香族炭化水素との共重合体のオレフ
ィン性不飽和二重結合を選択的に水添できる水添方法に
関する。 【構成】 本発明は、側鎖に特定割合以上のオレフィン
性不飽和二重結合を有する重合体(C)を共存下で、特
定の構造を有するチタノセン化合物(A)を還元能力を
有する有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機
アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の還元
剤(B)で還元した、組成比(B)成分/(A)成分
(モル比)=0.05〜2の水添触媒組成物でポリイソ
プレンユニット部分の1,4結合の不飽和二重結合を高
位に水添反応を行うことを特徴とするアルキル基置換共
役ジエン系重合体の水添方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子鎖を構成する単
量体ユニットでオレフィン性不飽和二重結合を有する2
個の炭素のうち1個もしくは2個がC1〜C8のアルキル
基で置換された共役ジエン系重合体、または高分子鎖を
構成する単量体ユニットでオレフィン性不飽和二重結合
を有する2個の炭素のうち1個もしくは2個がC1〜C8
のアルキル基で置換された共役ジエンとビニル芳香族炭
化水素との共重合体オレフィン性不飽和二重結合を選択
的に水添することができる水添法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性不飽和二重結合を有する化
合物の水添触媒としては、一般的に不均一系触媒と均一
系触媒が知られている。前者の不均一系触媒は、広く工
業的に用いられているが均一系触媒と比べると一般に活
性が低く、所望の水添反応を行なうためには多量の触媒
を要し、高温高圧下で行われるので不経済となる。一
方、後者の均一系触媒は、通常均一系で水添反応が進行
するので不均一系と比べると活性が高く触媒使用量が少
なくて済み、より低温、低圧で水添できる特徴がある
が、立体障害を有するアルキル置換のオレフィン性不飽
和二重結合を水添する場合において充分な水添活性は得
られていない。従ってこれらに対しても高活性で取扱い
の容易な水添触媒の開発が強く望まれているのが現状で
ある。
【0003】オレフィン性不飽和二重結合を含有する重
合体は、不飽和二重結合が加硫等に有利に利用される反
面、かかる二重結合は耐熱性、耐酸化性等の安定性に劣
る欠点を有している。これらの安定性に劣る欠点は、重
合体を水添して重合体鎖中の不飽和二重結合をなくすこ
とにより著しく改善される。しかし、重合体を水添する
場合には低分子化合物を水添する場合に比べて、反応系
の粘度や重合体鎖の立体障害等の影響をうけて水添しに
くくなる。さらに水添終了後、触媒を物理的に除去する
ことが極めて難しく、事実上完全に分離することができ
ない等の欠点がある。従って経済的に有利に重合体を水
添するためには、脱灰の不要な程度の使用量で活性を示
す高活性水添触媒、あるいは極めて容易に脱灰できる触
媒の開発が強く望まれている。
【0004】本発明者らは既に特定のチタノセン化合物
とアルキルリチウムを組み合わせて、オレフィン化合物
を水添する方法(特開昭61−33132号公報、特開
平1−53851号公報)、メタロセン化合物と有機ア
ルミニウム、有機亜鉛、有機マグネシウムと組み合わせ
でオレフィン性不飽和(共)重合体を水添する方法(特
開昭61−28507号公報、62−209103号公
報)、特定のチタノセン化合物とアルキルリチウムとの
組み合わせでオレフィン性不飽和基含有リビングポリマ
−を水添させる方法(特開昭61−47706号公報、
特開昭63−5402号公報)等をすでに発明してき
た。
【0005】これらの方法は高位に水添することが可能
であるが、水添触媒の取扱い方が難しく、かつ長期貯蔵
安定性にも難があった。そこで、これを解決するために
特定のミクロ構造を有する液状ゴムの存在下で特定のチ
タノセンと還元剤との組合せでオレフィン化合物を水添
させる方法を発明した(特開平4−96905号公
報)。しかし、この方法では、立体障害を有するアルキ
ル基置換のオレフィン性不飽和二重結合を水添するに
は、活性が充分ではなく、またさらに、触媒量を低減化
する方法が望まれていた。
【0006】米国特許発明明細書第5243986号に
は、スチレン−ブタジエン−イソプレンまたは、ブタジ
エン−イソプレン共重合体で、特定のチタノセン化合物
と還元剤の存在下、ポリブタジエン部分のオレフィン性
不飽和二重結合とポリイソプレン部分の側鎖の1,2ま
たは3,4結合のみを選択的に水添することが開示さ
れ、チタノセン化合物ではポリイソプレン部分の1,4
結合が水添されにくいことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は安定で取り扱
い易く、長期貯蔵に耐え、水添反応時には極めて少ない
使用量で再現性よく活性を示し、さらに立体障害を有す
るアルキル置換の不飽和二重結合をも脱灰の不要な程度
の使用量で水添できるチタノセン系高活性水添触媒を使
用することで、耐候性、耐酸化性、耐オゾン性に優れた
重合体の水添物を見出すことが課題である。
【0008】本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構
造を有するチタノセン化合物(A)を還元能力を有する
有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミ
ニウム化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤
(B)で還元するに際して、側鎖に特定割合以上のオレ
フィン性不飽和二重結合を有する重合体(C)を共存さ
せた混合物を水添触媒とし、この触媒の組成比が(B)
成分/(A)成分(モル比)=0.05〜2である時、
水添触媒組成が極めて高い貯蔵安定性を有し、温和な条
件下で、従来の触媒では困難であった立体障害を有する
アルキル置換の、例えばポリイソプレンユニット部分の
1,4結合の不飽和二重結合を脱灰の不要な程度の触媒
の使用量で選択的に水添し、耐候、耐酸化性に優れた重
合体の水添物が得られるという驚くべき事実を見いだ
し、本発明がなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、高
分子鎖を構成する単量体ユニットでオレフィン性不飽和
二重結合を有する2個の炭素のうち1個もしくは2個が
1〜C8のアルキル基で置換された共役ジエン系重合
体、または高分子鎖を構成する単量体ユニットでオレフ
ィン性不飽和二重結合を有する2個の炭素のうち1個も
しくは2個がC1〜C8のアルキル基で置換された共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素との共重合体を不活性有機
溶媒中にて水素と接触させて該重合体または共重合体の
オレフィン性不飽和二重結合を水添する方法において、
(A) 下記(1)式で示されるチタノセン化合物の少
なくとも一種
【0010】
【化2】
【0011】(但し、R1 、R2 は、C1 〜C12の炭化
水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基、
およびカルボニル基から選択された基を表し、R1 、R
2 は同一でも異なっていてもよい。Cpはシクロペンタ
ジエニル基を表す。) (B) 還元能力を有する有機マグネシウム化合物、有
機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少
なくとも一種の還元剤、および (C) 側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体の
オレフィン性不飽和二重結合に対する分率が 0.3〜
1である数平均分子量500以上10000以下である
オレフィン性不飽和二重結合含有重合体 からなる混合物を水添触媒とし、該触媒の組成比が
(B)成分/(A)成分(モル比)=0.05〜2であ
ることを特徴とするアルキル基置換共役ジエン重合体の
水添法であり、また、好ましくは、高分子鎖を構成する
単量体ユニットでオレフィン性不飽和二重結合を有する
2個の炭素のうち1個もしくは2個がC1〜C8のアルキ
ル基で置換された共役ジエン系重合体、または高分子鎖
を構成する単量体ユニットでオレフィン性不飽和二重結
合を有する2個の炭素のうち1個もしくは2個がC1
8のアルキル基で置換された共役ジエンとビニル芳香
族炭化水素との共重合体において、該共役ジエン部分が
イソプレンであり、該イソプレンのミクロ構造のうち、
1,4結合(シス−1,4及びトランス−1,4結合)
の割合が全イソプレン部分に対して91%以上であるア
ルキル基置換共役ジエン重合体の水添法である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
(1)式で示されるチタノセン化合物の少なくとも一種
と、還元力を有する有機化合物との組み合わせにより、
側鎖に特定の割合以上のオレフィン性不飽和二重結合を
水添する方法はすでに特開平4−96905号によって
開示されている。本発明者らは、この先願オレフィン水
添触媒の活性をさらに向上させ、貯蔵安定性に優れかつ
良い再現性で今まで困難であった立体障害を有するアル
キル置換、例えばポリイソプレン部分の1,4結合の不
飽和二重結合を効率的にかつ経済的に水添する方法につ
いて、さらに鋭意検討した結果、特定のチタノセン化合
物(A)を(B)還元力を有する有機マグネシウム化合
物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物から選ば
れる少なくとも一種の還元剤(B)で還元するに際し、
側鎖に特定の割合以上のオレフィン性不飽和二重結合を
有する重合体(C)の共存下、(B)成分/(A)成分
(モル比)=0.05から2である触媒が、従来困難で
あった立体障害を有するアルキル置換の不飽和二重結合
を有するアルキル置換の不飽和二重結合を高位に再現性
良く水添できることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。本発明の水添触媒成分(A)は下記
(1)式で示される。
【0013】
【化3】
【0014】(但し、R1 、R2 は、C1 〜C12の炭化
水素基、アリーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基、
およびカルボニル基から選択された基を表し、R1 、R
2 は同一でも異なっていてもよい。Cpはシクロペンタ
ジエニル基を表す。) R1、R2のC1からC12の炭化水素基として例えば下記
(2)式で表される置換基も含まれる。
【0015】
【化4】
【0016】(但し、R4 からR6 は水素、あるいはC
1 〜C4 のアルキル炭化水素基を示し、R4 からのうち
1つ以上は水素であり、n=0、または1である。) (2)式において、R4からR6がすべてアルキル基の場
合は、おそらく立体障害の為に水添活性が劣り、好まし
くない。また、アルキル炭化水素基が中心金属に対しオ
ルトの位置にある化合物は活性は認められるものの合成
が困難であるので好ましくない。
【0017】かかる触媒(A)の具体例としては、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジエチル、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジーnーブチル、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ−secー
ブチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジヘ
キシル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジオ
クチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメ
トキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
エトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
ジーm−トリル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジーp−トリル、ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジーm,pーキシリル、ビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウムジー4ーエチルフェニル、ビス(シ
クロペンタジエニル)チタニウムジー4ーヘキシルフェ
ニル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェ
ノキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
フルオライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウ
ムジブロマイド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジイオダイド、ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムクロライドメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキシド、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジベンジル等
が挙げられる。これらは単独あるいは相互に組み合わせ
て用いることが出来る。
【0018】これらチタノセン化合物のうち、オレフィ
ン化合物中のオレフィン性不飽和二重結合に対する水添
活性が高く、かつ温和な条件で不飽和二重結合を良好に
選択的に水添する好ましいものとしては、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジ−n−ブチル、ビス(シク
ロペンタジエニル)チタニウムジーp−トリル、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルが
挙げられる。
【0019】さらに安定に取扱えて(B)の還元性金属
化合物と組合せた場合、最も活性の発現しやすいより好
ましいものは、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウ
ムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジーpートリルであり、後者は、溶媒への溶解性に
も優れるので最も好ましい。一方、触媒成分(B)とし
ては、触媒成分(A)のチタノセン化合物を還元する能
力のある有機金属化合物や含金属化合物のうち、有機亜
鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム
化合物等を挙げることができるが、単独あるいは二種以
上(A)と組み合わせて用いることによって重合体を水
添することができる。
【0020】有機亜鉛化合物として、ジエチル亜鉛、ビ
ス(シクロペンタジエニル)亜鉛、ジフェニル亜鉛等が
挙げられる。また、有機マグネシウム化合物として、ジ
メチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチル
マグネシウム、メチルマグネシウムブロマイド、エチル
マグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイ
ド、エチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシ
ウムブロマイド、フェニルマグネシウムクロライド、ジ
ブチルマグネシウム、t−ブチルマグネシウムクロライ
ド等が挙げられる。
【0021】さらに、有機アルミニウム化合物として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリフェニルアルミ
ニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロイド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジ
イソブチルアルミニウムヒドリド、トリフェニルアルミ
ニウム、トリ(2ーエチルヘキシル)アルミニウム、
(2−エチルヘキシル)アルミニウムジクロリド、メチ
ルアルミノキサン、エチルアルミノキサン等が挙げられ
る。
【0022】以上の還元剤である触媒成分(B)は二種
以上を相互に混合して使用してもさしつかえないし、二
種以上相互の錯体(アート錯体)であってもよい。最も
高い水添活性を示し、立体障害を有するアルキル置換の
オレフィン性不飽和二重結合を選択的に水添するには、
エチルブチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、フ
ェニルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウム
ブロマイド等の有機マグネシウム化合物が最も好まし
い。
【0023】触媒成分(C)の、側鎖のオレフィン性不
飽和二重結合全体のオレフィン性不飽和二重結合量に対
する分率が0.3〜1である数平均分子量500以上1
0000以下のオレフィン性不飽和二重結合含有重合体
の製造に用いられるモノマーの例としては、共役ジエン
が挙げられ、一般に4〜約12個の炭化水素を有する共
役ジエンが挙げられる。具体的な例としては、1,3−
ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1、3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン等が挙げられる。これらは、単独または二種以上共
重合させてもいい。工業的に有利に展開でき、取扱いが
比較的楽な1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ま
しく、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−
イソプレン共重合体が好ましい。
【0024】また、ノルボルナジエン、シクロペンタジ
エン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエンおよびこ
れらのアルキル置換体を単独、あるいは共重合したもの
でよい。触媒成分(C)の重合体は数平均分子量が50
0以上10000以下である。数平均分子量が500よ
り小さいと還元された触媒の安定化の効果が少ないの
で、取扱いが容易な数平均分子量500以上の常温で液
状のゴムが望ましい。
【0025】数平均分子量が10000以上になると液
状としての取扱いが困難になり、また被水添のアルキル
基置換の共役ジエン系重合体の物性に悪影響を及ぼす場
合があるので好ましくない。かかる触媒成分(C)の重
合体においてはミクロ構造が重要である。すなわち、
「側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体のオレフィ
ン性不飽和二重結合に対する分率」とは、以下のように
定義される。
【0026】[(C)成分重合体の側鎖にあるオレフィ
ン性不飽和炭素炭素二重結合数]/[(C)成分重合体
の全体のオレフィン性不飽和炭素炭素二重結合全数] この値が0.3〜1にあることが必須であるがこの範囲
であれば末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エ
ポキシ基等の官能基を有していてもよい。具体例を挙げ
るとポリブタジエンであれば全オレフィン性不飽和二重
結合(シス1,4結合、トランス1,4結合、1,2結
合)に対し、側鎖のオレフィン不飽和二重結合(1,2
結合+3,4結合)が0.3〜1の範囲にあることを意
味する。この割合が0.3より小さくなると水添触媒が
不安定となって取扱いが難しく、貯蔵安定性も劣る場合
があるので好ましくない。
【0027】またこの重合体は、共役ジエン/芳香族ビ
ニル化合物との共重合体でもよい。芳香族ビニル化合物
の具体例としてはスチレン、t−ブチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジエチル−
p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレン
が好ましい。具体的な共重合体の例としては、ブタジエ
ン/スチレン共重合体、イソプレン/スチレン共重合体
等が最も好適である。これらの共重合体は、ランダム、
ブロック、星型ブロック、テーパードブロック等いずれ
でもよく、特に限定されない。
【0028】また、結合芳香族ビニル化合物の量として
は70%以下が好ましい。この量が70%を越えると実
質的に共役ジエン部の側鎖のオレフィン性不飽和二重結
合量の全体の共重合体に占める割合が少なくなるため、
触媒の安定化効果が減少する。その結果、比較的多量の
触媒成分(C)が必要となるので、水添される共役ジエ
ン系重合体及び共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との
共重合体の物性が変わる可能性があるので好ましくな
い。
【0029】最も重要なのは共役ジエン部の側鎖のオレ
フィン性不飽和二重結合の全体のオレフィン性二重結合
に対する分率が0.3〜1であることが必要であり、さ
らに好ましくは、0.5〜0.99である。これら触媒
成分(C)は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン
重合、配位アニオン重合等既知の方法いずれを用いて重
合してもよいが、側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の
量を増加させるには、極性溶媒中あるいはその存在下で
有機リチウムや有機ナトリウム化合物を触媒としてリビ
ングアニオン重合して得るか、コバルト系チーグラー型
触媒により配位アニオン重合で得るか、またはエチレン
とジシクロペンタジエン類を共重合させて得ることがで
きる。
【0030】かかる極性溶媒の具体例としては、テトラ
ヒドロフラン、テトラメチルエチレンジアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、エチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジピペリジノエタン等が挙げられる。リチウム系触媒と
してメチルリチウム、エチルリチウム,n−プロピルリ
チウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリウム、s
ec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert
−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシ
ルリチウム、トリメチルシリルリチウム、等が挙げられ
る。
【0031】ナトリウム系触媒としてメチルナトリウ
ム、エチルナトリウム、n−プロピルナトリウム、イソ
プロピルナトリウム、n−ブチルナトリウム、sec−
ブチルナトリウム、イソブチルナトリウム、フェニルナ
トリウム、ナトリウムナフタレン、シクロペンタジエニ
ルナトリウム等が挙げられる。本発明は、高分子鎖を構
成する単量体ユニットでオレフィン性不飽和二重結合を
有する2個の炭素のうち1個もしくは2個がC1〜C8
アルキル基で置換された共役ジエン系重合体、または高
分子鎖を構成する単量体ユニットでオレフィン性不飽和
二重結合を有する2個の炭素のうち1個もしくは2個が
1〜C8のアルキル基で置換された共役ジエンとビニル
芳香族炭化水素との共重合体のオレフィン性不飽和二重
結合の選択的水添に適用されるが、勿論通常の共役ジエ
ン系重合体(例えばポリブタジエン)にも適用可能であ
る。
【0032】本発明の共役ジエンには、高分子鎖を構成
する単量体ユニットでオレフィン性不飽和二重結合を有
する2個の炭素のうち1個もしくは2個がC1〜C8のア
ルキル基で置換された共役ジエン単独重合体、共役ジエ
ン共重合体、非アルキル基置換の共役ジエン(例えば、
1,3−ブタジエン)との共重合体、イソプレンーイソ
ブチレン共重合体が挙げられる。
【0033】かかる高分子鎖を構成する単量体ユニット
でオレフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭素のう
ち1個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置換され
た共役ジエン重合体の製造に用いられるアルキル置換の
共役ジエンとしては、一般的には5〜約12個の炭素原
子を有するアルキル置換の共役ジエンが挙げられ、下記
(3)式、(4)式で示されR7、R8、R9はC1〜C8
の炭化水素基で、R8とR9は同一であっても異なっても
よい。
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】具体的な例としては、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−ペンタジエン、
2−メチル−1、3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−
ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。工業的
に有利に展開でき、物性の優れた弾性体を得る上から
は、イソプレンが好ましい。もちろん、共役ジエンとし
て1,3ブタジエンも共重合させても構わない。この
他、天然ゴム、イソプレン/イソブチレンゴム(II
R)等の重合体の水添にも適用できる。
【0037】ポリブタジエン部分のミクロ構造には、
1,2結合と1,4結合(シス+トランス)があるが、
本発明の触媒はどちらも定量的に水添することが可能で
ある。また、ポリイソプレン部分には、1,2結合、
3,4結合の側鎖と1,4結合の主鎖にオレフィン性不
飽和結合があり、それぞれ下記(5)式(1,2結
合)、(6)式(3,4結合)、(7)式(1,4結
合)の構造をとっている。
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】これらの構造及び水添率は、後述するよう
に、1H−NMRによって測定することが可能である。
本発明の方法を用いるとブタジエン部分の1,2、1,
4結合およびイソプレン部分の1,2構造:(5)式、
3,4結合:(6)式のみならず、1,4結合:(7)
式をも高位に水添させることが可能である。天然ゴムや
チ−グラ−・ナッタ触媒で得られるポリイソプレンのミ
クロ構造は殆ど大部分が1,4結合:(7)式からな
る。一方、非極性溶媒中のアルキルリチウムによるアニ
オン重合では、1,2結合は0%、3,4結合が5〜1
0%、1,4結合が90から95%となることが知られ
ているが、機械強度、低温性能の面から水添されるポリ
イソプレンのミクロ構造は1,4結合が91%以上、よ
り好ましくは93%以上であることが望ましい。
【0042】特に本発明の方法は天然ゴムやチ−グラ−
・ナッタ触媒で得られるポリイソプレン及びリビングア
ニオン重合で得られたイソプレン重合体、及びイソプレ
ン/スチレン共重合体中のポリイソプレン部分のオレフ
ィン性不飽和二重結合を高位に水添させるのに有効であ
る。また、アルキル置換の共役ジエンの少なくとも一種
と共重合可能なオレフィン単量体としては、ビニル置換
芳香族炭化水素が、工業的に有用で価値の高い弾性体や
熱可塑性弾性体に利用できるので特に望ましい。かかる
ビニル置換芳香族炭化水素の具体例としては、スチレ
ン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフ
ェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン等が
挙げられ、特にスチレン及び/またはスチレンが好まし
い。具体的な共重合体の例としては、ブタジエン/イソ
プレン共重合体、イソプレン/スチレン共重合体、ブタ
ジエン/イソプレン/スチレン共重合体等の工業的価値
の高い水添共重合体を与えるので最も好適である。これ
らの共重合体は、ランダム、ブロック、テーパーブロッ
ク共重合体でも構わない。
【0043】本発明の水添反応の好ましい実施態様は、
オレフィン性不飽和二重結合を有する化合物または前記
重合体を不活性有機溶媒に溶解した溶液において行われ
る。ここで言う「不活性有機溶媒」とは、溶媒が水添反
応のいかなる関与体とも反応しないものを意味する。好
適な溶媒は、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘプタンの如き脂
環式炭化水素類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラ
ンの如きエ−テル類の単独もしくは混合物である。ま
た、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの
如き芳香族炭化水素も、選択された水添条件下で芳香族
二重結合が水添されない時に限って使用することができ
る。
【0044】本発明の水添反応は、一般的には上記被水
添物溶液を水素または不活性雰囲気下、所定の温度に保
持し、撹拌下または不撹拌下にて水添触媒を添加し、つ
いで水素ガスを導入して所定圧に加圧することによって
実施される。不活性雰囲気とは、例えばヘリウム、ネオ
ン、アルゴン等の水添反応のいかなる関与体とも反応し
ない雰囲気を意味する。空気や酸素は触媒成分を酸化し
たりして触媒の失活を招くので好ましくない。また窒素
は水添反応時触媒毒として作用し、水添活性を低下させ
る場合があるので好ましくない。特に、水添反応器内は
水素ガス単独の雰囲気であることが最も好適である。
【0045】一方、触媒はあらかじめ触媒成分(A)、
(B)、(C)とを混合したものを用いてもよいし、
(C)の存在下、(A)を(B)で還元したものを用い
ても高活性を有する。還元雰囲気は前記不活性雰囲気の
他に、水素でも構わない。還元温度ならびに貯蔵温度
は、−50℃から50℃であり、−20℃から30℃が
特に好ましい。還元に要する時間は、還元温度によって
も異なるが、25℃では、5分から60日であり、5分
から20日が好ましい。この範囲では、特に活性が高
く、立体障害を有するアルキル置換のオレフィン性不飽
和炭化水素を高水添することができる。
【0046】触媒成分(B)は、不活性雰囲気下で取扱
うことが必要である。触媒成分(A)については空気中
においても安定である場合もあるが、不活性雰囲気下で
取扱うことが好ましい。(A)、(B)、(C)成分は
前記不活性有機溶媒の溶液として使用する方が扱い易く
好適である。溶液として用いる場合に使用する不活性有
機溶媒、水添反応のいかなる関与体とも反応しない前記
各種溶媒を使用することができる。好ましくは水添反応
に用いる溶媒と同一の溶媒である。
【0047】水添反応器に触媒成分を添加する場合は、
水素雰囲気下で行うのが最も好適である。添加する時の
温度は、−30℃から100℃の温度、好ましくは−1
0℃から50℃の温度のて水添反応直前に添加するのが
好ましい。高い水添活性および水添選択性を発現するた
めの各触媒成分の混合比率は、触媒成分(B)の金属モ
ル数と、触媒成分(A)のモル数との比率(以下、Me
tal(B)/Metal(A)モル比)で0.05か
ら2の範囲である。Metal(B)/Metal
(A)モル比2を越えると、アルキル基置換の主鎖のオ
レフィン性不飽和二重結合:(8)式を高水添させるほ
どの活性は得られないため好ましくない。また、この比
が0.05より小さいと還元速度が遅く、活性が発現す
るのに、長時間を要するため好ましくない。この比が
0.05から2の範囲でのみ、従来チタノセン系触媒で
は困難であった立体障害を有するアルキル置換のオレフ
ィン性不飽和二重結合をも高位に水添させる。被水添物
が、リビングアニオン重合で得られたリビング重合体で
ある場合は、このMetal(B)/Metal(A)
モル比を達成するため、種々の活性水素やハロゲンを有
する化合物で失活させるのがよい。
【0048】かかる活性水素を有する化合物として水お
よびメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−
ブタノール、 sec−ブタノール、t−ブタノール、
1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサ
ノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘ
プタノール、4−ヘプタノール、オクタノール、ノナノ
ール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコー
ル、アリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロペ
ンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、フ
ェノール,o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、p−アリルフェノール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール、キシレノール、ジヒドロアントラ
キノン、ジヒドロキシクマリン、1−ヒドロキシアント
ラキノン、m−ヒドロキシベンジルアルコール、レゾル
シノール、ロイコアウリン等のフェノール類、また酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酢酸、ペンタン酸、ヘキ
サン酸、ヘプタン酸、デカリン酸、ミリスチン酸、ステ
アリン酸、ベヘン酸、安息香酸、などの有機カルボン酸
等の酸類を挙げることができる。
【0049】また、ハロゲンを有する化合物として塩化
ベンジル、トリメチルシリルクロライド(ブロマイ
ド)、t−ブチルシリルクロライド(ブロマイド)、メ
チルクロライド(ブロマイド)、エチルクロライド(ブ
ロマイド)、プロピルクロライド(ブロマイド)、n−
ブチルクロライド(ブロマイド)等を挙げることができ
る。これらは単独で使用しても二種以上混合しても構わ
ない。触媒成分(C)の添加量は触媒成分(A)の触媒
に対し、重量比で10から500が好ましい。10より
小さいと貯蔵安定化や触媒量低減化の効果は小さくな
る。この比が500を越えても水添活性は良好である
が、該水添重合体と触媒成分(C)との分離が困難なた
め、場合によっては物性等に影響がでる。
【0050】被水添物がオレフィン性不飽和二重結合含
有重合体であって、側鎖のオレフィン性不飽和二重結合
含有量が全体のオレフィン性不飽和二重結合に対して
0.3から1である場合は、この一部を 触媒成分
(C)としても良いし、別の(C)と混合して用いても
差し支えない。触媒の添加量は被水添物100g当り
0.002から20ミリモルで十分である。この添加量
範囲であれば被水添物のオレフィン性不飽和二重結合を
優先的に水添することが可能で、共重合体中の芳香族二
重結合の水添は実質的に起こらないので極めて高い水添
選択性が実現される。20ミリモルを越える量の添加に
おいても水添反応は可能であるが、必要以上の触媒使用
は不経済となり、水添反応後の触媒脱灰、除去が複雑と
なる等不利となる。また選択された条件下で重合体の共
役ジエン単位の不飽和二重結合を定量的に水添する好ま
しい触媒添加量は、重合体100g当り0.01から5
ミリモルである。
【0051】本発明の水添反応は、分子状水素を用いて
行われ、より好ましくはガス状で被水添物中に導入され
る。水添反応は、撹拌下で行われるのがより好ましく、
導入された水素を十分迅速に被水添物と接触させること
ができる。水添反応は一般的に 0から150℃の温度
範囲で実施される。0℃未満では触媒水添速度が遅くな
り多量の触媒を要するので経済的でなく、また 150
℃を越える温度では副反応や分解、ゲル化を併発し易く
なり、かつ不必要な芳香族部分の水添も起こり得るので
好ましくない。さらに好ましい温度範囲は、20から1
20℃の範囲である。
【0052】水添反応に使用される水素の圧力は1から
100Kg/cm2 が好適である。1Kg/cm2 未満
では水添速度が遅くなって実質的に頭打ちとなるので水
添率を上げるのが難しくなり、100Kg/cm2 を越
える圧力では昇圧と同時に水添反応がほぼ完了し実質的
に意味がなく、不必要な副反応やゲル化を招くので好ま
しくない。より好ましい水添水素圧力は2から30Kg
/cm2 であるが、触媒添加量等との相関で最適水素圧
力は選択され、実質的には前記好適触媒量が少量になる
に従って水素圧力は高圧側を選択して実施するのが好ま
しい。
【0053】本発明の水添反応時間は、所望の水添率に
よっても変わるため限定はされないが、通常数秒ないし
50時間である。本発明の方法により、共役ジエン系共
重合体および共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共
重合体中のオレフィン性不飽和二重結合は50%以上、
好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上水
添される。
【0054】本発明の触媒を用いて水添反応を行った溶
液からは、水添された目的物を沈澱、加熱溶媒除去等の
化学的または物理的手段で分離することができる。例え
ば、水添後の反応液にアセトンまたはアルコール等の水
添重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体
を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下熱湯中に投
入後、溶媒と共に蒸留回収する方法、または直接反応液
を加熱して溶媒を留去する方法で行なうことができる。
また、必要に応じて水添重合体溶液から触媒残査を除去
し、水添重合体を溶液から単離することもできる。
【0055】本発明の水添方法は第一に使用する水添触
媒量がより少量である特徴を有する。従って水添触媒が
そのまま重合体に残存しても得られる水添重合体の物性
に著しい影響を及ぼさず、かつ水添重合体の単離過程に
おいて触媒の大部分が分解、除去され重合体より除かれ
るので、触媒を脱灰したり除去したりするための特別な
操作は必要とせず、極めて簡単なプロセスで実施するこ
とができる。第二に貯蔵安定性が極めて優れることであ
る。したがって触媒の活性が従来品と比べて持続する。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、水添率は水添される重合体の水添前・後の1H−N
MRスペクトルを比較し、フェニル基を基準として、オ
レフィン性不飽和二重結合の減少量の割合より求めた。
【0057】以下に、実施例を行なうにあたり、用いた
試薬及び触媒、重合体の製造例を示す。 <製造例1:ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
ジ−p−トリルの合成>撹拌機、滴下漏斗、および還流
冷却器を備えた1リットル三つ口フラスコに、無水エー
テル200ミリリットルを加えた。装置を乾燥ヘリウム
で乾燥し、リチウムワイヤー小片17.4g(2.5モ
ル)をフラスコ中に切り落とし、エーテル300ミリリ
ットル、p−ブロモトルエン171g(1モル)の溶液
を室温で少量滴下した後、還流下で除々にp−ブロモト
ルエンのエーテル溶液を全量加えた。
【0058】反応終了後反応溶液をヘリウム雰囲気下に
てろ過し、無色透明なp−トリルリチウム溶液を得た。
乾燥ヘリウムで置換した撹拌機、滴下漏斗を備えた2リ
ットル三つ口フラスコ、ジクロロビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウム99.6g(0.4モル)および無
水エーテル500ミリリットルを加えた。先に合成した
p−トリルリチウムのエーテル溶液を室温撹拌下にて約
2時間で滴下した。反応混合物を空気中でろ別し、不溶
部をジクロロメタンで洗浄後、ろ液および洗浄液を合わ
せ減圧下にて溶媒を除去した。残留物を少量のジクロロ
メタンに溶解後、石油エーテルを加えて再結晶を行なっ
た。
【0059】得られた結晶をろ別し、ろ液は再び濃縮さ
せ上記操作を繰り返し、ビス(シクロペンタジエニル)
チタニウムジ−p−トリルを得た。収率は87%であっ
た。得られた結晶は橙黄色針状であり、トルエン、シク
ロヘキサンに対する溶解性は良好であり、融点145
℃、元素分析値:C=80.0、H=6.7、Ti=1
3.3であった。
【0060】つぎに、水添に供される共役ジエン−ビニ
ル芳香族炭化水素共重合体の合成例を示す。 <製造例2:スチレンーイソプレンースチレンブロック
共重合体の合成>5リットルのオートクレーブ中にシク
ロヘキサン1800g、スチレンモノマー30gとn−
ブチルリチウム0.32gを加え、60℃で1時間重合
し、次いでイソプレンモノマーを140g加えて、60
℃で1時間重合した。最後にスチレンモノマー30gを
添加し、60℃で1時間重合した。このリビング重合体
溶液に当量のメタノールを添加し、失活させ、さらに多
量のメタノール中に析出させたのち、60℃にて50時
間真空乾燥した。
【0061】このスチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体の1H−NMRスペクトルを図1(4.5
〜7.5ppm付近の拡大図)に示す。7.4から6.
2ppmにフェニル基の5H分のシグナルが、4.9か
ら5.3ppmに1,4結合の1H分のシグナルが、
4.6から4.9ppmに3,4結合の2H分のシグナ
ルが観測される。フェニル基及びオレフィン性不飽和二
重結合のプロトンのシグナル強度から、結合スチレン量
30%、イソプレン部分のミクロ構造はそれぞれ1,4
結合93%、3,4結合7%、1,2結合0%と計算さ
れた。
【0062】また、分子量はGPC法によりポリスチレ
ン換算で数平均分子量で4.7万と計算された。
【0063】
【実施例1】製造例2に示したポリマ−を精製乾燥した
シクロヘキサンに溶解し、ポリマー濃度15重量%に調
製した。このポリマー溶液40gを、乾燥後窒素にて置
換した250ミリリットルの耐圧金属ボトル容器に仕込
んだ。これを減圧脱気した後、水素にて置換し、撹拌下
30℃に保持した。
【0064】次いで触媒成分(A)として製造例1で合
成したビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ−p
−トリル0.376ミリモルを含むシクロヘキサン溶液
5ミリリットルと触媒成分(B)としてジブチルマグネ
シウム〔Mg(n−C4 92 〕を含むシクロヘキサ
ン溶液と、触媒成分(C)として1,2ポリブタジエン
(日本曹達(株)製、液状1,2ポリブタジエン、商標
名:Nisso B−1000、1,2結合含有量=8
5%)0.5g加え、(B)/(A)モル比=0.06
の割合で触媒溶液を調製した。
【0065】全量を耐圧金属ボトル中に仕込み、10.
0Kg/cm2 の乾燥したガス状水素を供給し、撹拌下
65℃にて3時間水添反応を行った。反応液を常温常圧
に戻して耐圧金属ボトルより抜き出し、多量のメタノー
ルを加えてポリマ−を沈澱させ、濾別乾燥し、白色の水
添重合体を得た。水添率の計算方法は、水添前・後の1
H−NMRスペクトルを比較し、フェニル基を基準とし
共役ジエンの不飽和二重結合の減少量の割合より求め
た。得られた水添重合体の水添率を表1に示した。実施
例1により得られたポリマーの1H−NMRスペクトル
を図2(4.5〜7.5ppm付近の拡大図)に示す。
【0066】
【実施例2】(B)/(A)モル比=0.13と変え、
触媒成分(C)として液状1,2−シンジオタクチック
ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、商標名:RB
−700、1,2ビニル結合量=95%)を用いた以外
は実施例1と同様に行った。実験条件および水添率につ
いては、同様に表1に示す。
【0067】
【実施例3】(B)/(A)モル比=0.25と、
(B)成分にMg(n−C49)0.19ミリモルとト
リエチルアルミニウム〔Al(C253〕0.06ミ
リモルを用いた以外は実施例1と同様に行った。実験条
件および水添率については、同様に表1に示す。
【0068】
【実施例4】(B)/(A)モル比=0.50と変え以
外は実施例1と同様に行った。実験条件および水添率に
ついては、同様に表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【比較例1】(B)/(A)モル比=6と変えた以外は
実施例1と同様に行った。実験条件および水添率につい
ては、同様に表2に示す。
【0071】
【比較例2】(B)/(A)モル比=6、と変え、Mg
(n−C49)1.2ミリモルとAl(C2530.
3ミリモル(B)成分として用いた以外は、実施例3と
同様に行った。実験条件および水添率については、同様
に表2に示す。
【0072】
【比較例3】(B)/(A)モル比=1と変え、(B)
成分にn−ブチルリチウム(n−BuLi)を用いた以
外は、実施例1と同様に行った。実験条件および水添率
については、同様に表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によりアル
キル基置換のオレフィン性不飽和二重結合の水添方法が
効率的に可能となる。特に、オレフィン性不飽和二重結
合に主鎖以外のアルキル置換基を有する共役ジエン系重
合体、またはオレフィン性不飽和二重結合に主鎖以外の
アルキル置換基を有する共役ジエンとビニル芳香族炭化
水素との共重合体の共役ジエン部分がイソプレンである
場合は、イソプレンの1,4結合の不飽和二重結合部分
の立体障害のために、この種の触媒では1,4結合をほ
とんど水添することが出来なかった。
【0075】しかし、本発明の方法でこれらの重合体を
温和な条件で極めて選択的に高位に水添することが可能
となった。さらに、触媒の長期保存安定性が増し、かつ
触媒の調製状態や系中の不純物の影響を受けにくく、水
添直前に触媒を調製する手間もはぶけ、プロセスの合理
化にもなる。また、本発明の方法によって得られる水添
重合体は、耐候性、耐酸化性の優れた弾性体、熱可塑性
弾性体もしく熱可塑性樹脂として使用され、また紫外線
吸収剤、オイル、フィラー等の添加剤を加えたり、他の
弾性体や樹脂とブレンドして使用され、工業上極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水添する前の製造例2のスチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体の 1H−NMRスペクトル
(4.5〜7.5ppm)である。
【図2】実施例1で水添したスチレン−水添イソプレン
−スチレンブロック共重合体の 1H−NMRスペクトル
(4.5〜7.5ppm)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子鎖を構成する単量体ユニットでオ
    レフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭素のうち1
    個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置換された共
    役ジエン系重合体、または高分子鎖を構成する単量体ユ
    ニットでオレフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭
    素のうち1個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置
    換された共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合
    体を不活性有機溶媒中にて水素と接触させて該重合体ま
    たは共重合体のオレフィン性不飽和二重結合を水添する
    方法において、 (A) 下記(1)式で示されるチタノセン化合物の少
    なくとも一種 【化1】 (但し、R1 、R2 は、C1 〜C12の炭化水素基、アリ
    ーロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基、およびカルボ
    ニル基から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも
    異なっていてもよい。Cpはシクロペンタジエニル基を
    表す。) (B) 還元能力を有する有機マグネシウム化合物、有
    機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる少
    なくとも一種の還元剤、および (C) 側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体の
    オレフィン性不飽和二重結合に対する分率が 0.3〜
    1である数平均分子量500以上10000以下である
    オレフィン性不飽和二重結合含有重合体からなる混合物
    を水添触媒とし、該触媒の組成比が(B)成分/(A)
    成分(モル比)=0.05〜2であることを特徴とする
    アルキル基置換共役ジエン重合体の水添法。
  2. 【請求項2】 高分子鎖を構成する単量体ユニットでオ
    レフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭素のうち1
    個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置換された共
    役ジエン系重合体、または高分子鎖を構成する単量体ユ
    ニットでオレフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭
    素のうち1個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置
    換された共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合
    体の共役ジエン部分がイソプレンである重合体の請求項
    1記載のアルキル基置換共役ジエン重合体の水添法。
  3. 【請求項3】 高分子鎖を構成する単量体ユニットでオ
    レフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭素のうち1
    個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置換された共
    役ジエン系重合体、または高分子鎖を構成する単量体ユ
    ニットでオレフィン性不飽和二重結合を有する2個の炭
    素のうち1個もしくは2個がC1〜C8のアルキル基で置
    換された共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合
    体中のイソプレン部分のミクロ構造のうち、1,4結合
    (シス−1,4及びトランス−1,4結合)の割合が全
    イソプレン部分に対して91%以上である請求項2記載
    のアルキル基置換共役ジエン重合体の水添法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113493555A (zh) * 2020-04-01 2021-10-12 李长荣化学工业股份有限公司 苯乙烯-异戊二烯-苯乙烯三嵌段共聚物、其制造方法、及其组成物及黏着剂组合物

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