JP2001035382A - Fpd用保護膜及びその製造方法並びにこれを用いたfpd - Google Patents

Fpd用保護膜及びその製造方法並びにこれを用いたfpd

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JP2001035382A JP18281499A JP18281499A JP2001035382A JP 2001035382 A JP2001035382 A JP 2001035382A JP 18281499 A JP18281499 A JP 18281499A JP 18281499 A JP18281499 A JP 18281499A JP 2001035382 A JP2001035382 A JP 2001035382A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保護膜の基板(誘電体層)との密着性及び整合
性の低下を防止し、かつ保護膜の電気絶縁性の低下を防
止する。また膜本体又は膜体中のMgO等が大気中のC
2ガスやH2Oガスと反応することをフッ化物層が阻止
することにより、MgO等のFPDに有害なMgCO3
やMg(OH)2等への変質を防止する。 【解決手段】基板13の表面に膜本体14aが形成さ
れ、この膜本体14aの表面にフッ化物層14bが形成
される。フッ化物層14bはMOXY(MはMg,C
a,Sr,Ba,アルカリ土類複合金属又は希土類金
属,或いはアルカリ土類金属及び希土類金属の複合金属
であり、0≦X<2,0<Y≦4である。)であり、こ
のフッ化物層14bはガス状フッ素化剤とMgO等との
反応によって得られる。またガス状フッ素化剤としては
フッ素ガス、フッ化水素ガス、BF3、SbF5又はSF
4を用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDP(Plasma D
isplay Panel:プラズマディスプレイパネル)、PAL
C(Plasma Addressed Liquid Crystal display)等の
FPD(Flat Panel Display)用保護膜及びその製造方
法並びにこれを用いたFPDに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子ビーム蒸着法,スパッタ
リング法,イオンプレーティング法などの真空プロセス
を用いてFPDの保護膜を形成する方法と比較し、低コ
ストで量産性に優れた保護膜の形成方法として、MgO
粉末、Mg(OH)2粉末、MgO粉末及びMg(O
H)2の混合粉末、或いは希土類酸化物粉末を含有した
ペースト又はコーティング液を用い、スクリーン印刷
法、スピンコート法、スプレーコート法などの湿式プロ
セスにより形成する方法が提案されている(例えば特開
平3−67437号、特開平7−220640号、特開
平7−147136号、特開平7−335134号、特
開平8−111177号、特開平8−111178号、
特開平8−212917号、特開平6−325696
号、特開平8−167381号、特開平8−26412
5号、特開平9−12940号、特開平9−12976
号、特開平8−96718号など)。
【0003】また、この種の保護膜として、背面ガラス
基板上に放電維持電極対と誘電体層と保護層とが積層さ
れ、前面ガラス基板の裏面に蛍光体層が形成され、両基
板間に放電により紫外線を発生する不活性ガスが封止さ
れ、更に保護層が二次電子放出材料のフッ素化MgOに
より形成されたプラズマディスプレイパネル用の二次電
子放出材料が開示されている(特開平7−201280
号)。この二次電子放出材料では、保護層はMgOを構
成する酸素の一部をフッ素で置換する、即ちMgOイオ
ン結晶を形成する格子の酸素原子位置の一部をフッ素原
子で置換することにより、MgO1-X-YY(但し、0<
X<1、0<Y<1)の一般式で表されるフッ素化Mg
Oにて構成される。このプラズマディスプレイパネル用
の二次電子放出材料では、保護層としてMgO1-X-YY
で表されるフッ素化MgOを用いたので、原子価制御に
より局在準位が作られ、放電開始電圧を下げることがで
きる。この結果、高精細のパネル形成が可能となり、経
時的にも安定な保護膜が得られるようになっている。
【0004】一方、PDPの保護膜は直接、放電空間に
接しているため、放電特性に最も重要な役割を担うキー
マテリアルであり、従来より2次電子放出能が高く、耐
スパッタ性,光透過性及び絶縁性に優れたMgO膜が使
用されている。しかし、このMgO膜は工程途中で大気
中に曝されると、容易にCO2やH2Oと反応して変質す
ることから、MgO本来の特性を得るためには、パネル
封着後、真空加熱下での長時間の脱ガス排気処理が必要
であることが知られている[例えば、佐藤編;最新プラ
ズマディスプレイ製造技術((株)プレスジャーナ
ル):p.118-123及びp.291-295(1997)]。これによれ
ば、H2O,H2,O2,CO,CO2,N2等の不純物ガ
スがPDPの放電特性やパネル内の構成材料に悪影響を
与え、特にCO2による汚染はパネル特性を回復不能な
までに悪化させるとしている。
【0005】このため、MgOの変質を防止するため、
MgO表面を他の透湿性の少ない材料でコーティングす
ることが提案されている(特開平10−149767
号、W.T.Lee et al;"LaF3 coated MgO protecting laye
r in AC-Plasma Display Panels",IDW'99,p.72-75.) 上記特開平10−149767号公報には、保護膜を形
成した後に、この保護膜上に透湿性の低い一時保護膜を
形成し、その後一時保護膜を除去するPDPの製造方法
が提案されている。この方法によりPDPの製造途中で
は、保護膜の表面が一時保護膜により保護されているの
で、保護膜の表面に変質層が形成されない。この結果、
放電特性の良好な保護膜を得ることができるとともに、
保護膜の変質層の熱分解処理が不要になる。またW.T.Le
eらの上記文献では、MgO保護膜上に透湿性の低いL
aF3をコーティングすることで、MgO保護膜の変質
を抑えるとともに、より高い2次電子放出特性及びより
低い放電特性を実現できることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の各
公報に記載された保護膜の形成方法では、MgO粉末、
Mg(OH)2粉末、或いはMgO粉末及びMg(O
H)2の混合粉末を焼成して得られたMgO粉末や希土
類酸化物粉末が微粒子であるため、表面積が大きく、こ
の表面は大気中の炭酸ガスや水分と比較的容易に反応し
て炭酸塩や水酸化物に変化するおそれがあった。このた
めFPDの放電中に炭酸ガスや水分が放電空間中に放出
され、放電特性が低下する問題点があった。また、上記
従来の特開平7−201280号公報に示されたプラズ
マディスプレイパネル用の二次電子放出材料では、保護
層全体がMgO1-X-YYで表されるフッ素化MgOによ
り構成され、この保護層と基板(誘電体層)との熱膨張
係数の差が比較的大きいため、保護層としてMgO膜を
用いた場合より保護層と基板(誘電体層)との密着性及
び整合性が低下し、かつ電気絶縁性が劣る問題点があっ
た。
【0007】また、上記従来の特開平10−14976
7号公報及びW.T.Leeらの文献に記載されたPDPの製
造方法では、一時保護膜を形成する際に一時保護膜と保
護膜とを整合させることが難しく、一時保護膜にクラッ
クが発生したり、或いは一時保護膜が剥離する場合があ
り、一時保護膜による保護膜の変質防止効果が不十分で
あった。これを改善するために、一時保護膜を保護膜に
厚く積層させる方法が考えられるが、この方法では一時
保護膜の除去時に多量の不純物(一時保護膜の分解物)
が生成される問題点があった。更に上記W.T.Leeらの文
献では、MgO上に5〜90nmのLaF3を積層させ
ており、このような2層構造では、上層膜のLaF3
スパッタにより除去されると、放電電圧が急激に変化す
るため、十分な寿命が得られない問題点があった。
【0008】本発明の第1の目的は、基板(誘電体層)
との密着性及び整合性の低下を防止でき、かつ電気絶縁
性の低下を防止できる、FPD用保護膜及びその製造方
法を提供することにある。本発明の第2の目的は、FP
D製造過程における膜本体又は膜体中のMgO等が大気
中のCO2ガスやH2Oガスと反応するのをフッ化物層が
阻止或いは抑制することにより、MgO等がFPDに有
害なMgCO3やMg(OH)2等に変質するのを防止或
いは抑制できる、即ち膜本体又は膜体の耐環境性を向上
できる、FPD用保護膜及びその製造方法を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、膜本体の表面にフッ
化物層を形成する前に、MgO等の炭酸塩(MgCO3
等)や水酸化物(Mg(OH)2等)が生成されるのを
防止或いは抑制することにより、FPD製造の後工程で
ある真空排気加熱工程を短縮又は省略することができ
る、FPD用保護膜及びその製造方法を提供することに
ある。本発明の第4の目的は、膜本体の表面、或いは膜
体を形成するMgO粉末等の表面に、二次電子放出能の
高いフッ化物層を比較的容易に形成できる、FPD用保
護膜及びその製造方法を提供することにある。本発明の
第5の目的は、製造工数を大幅に低減できる、保護膜を
用いたFPDを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図2に示すように、基板13の表面にMgO,
CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若し
くは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類
酸化物の複合酸化物のいずれかにより形成された膜本体
14aと、この膜本体14aの表面に形成されたフッ化
物層14bとを備えたFPD用保護膜である。この請求
項1に記載されたFPD用保護膜では、膜本体14aの
表面がフッ化物層14bにより被覆されるため、FPD
10(図2参照)の製造過程において保護膜14が大気
中に長時間曝されても、膜本体14a中のMgO等が大
気中のCO2ガスやH2Oガスと殆ど反応しない。この結
果、膜本体14a中のMgO等がFPD10の機能を損
なうおそれのあるMgCO3やMg(OH)2等に変質す
ることは殆どない。また基板13には保護膜14のうち
基板13と熱膨張係数が略同一の膜本体14aが接着さ
れるので、熱サイクルにより保護膜14が基板13から
剥離せず、保護膜14の基板13に対する密着性及び整
合性が極めて良好となる。
【0010】請求項2に係る発明は、図3及び図4に示
すように、基板13の表面にMgO,CaO,SrO,
BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化
物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸
化物のいずれかにより形成される膜体34aがフッ化物
層にて被覆されたMgO,CaO,SrO,BaO,ア
ルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアル
カリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれ
かの粉末を用いて形成されたFPD用保護膜である。こ
の請求項2に記載されたFPD用保護膜では、MgO粉
末等の表面がフッ化物層により被覆されるため、FPD
10(図4参照)の製造過程において保護膜34が大気
中に長時間曝されても、膜体34a中のMgO等が大気
中のCO2ガスやH2Oガスと殆ど反応しない。この結
果、膜体34a中のMgO等がFPD10の機能を損な
うおそれのあるMgCO3やMg(OH)2等に変質する
ことは殆どない。またMgO粉末等の表面を被覆するフ
ッ化物層は極めて薄いため、このMgO粉末等の機械的
特性は表面にフッ化物層のないMgO粉末等と略同一で
ある。
【0011】またフッ化物層14bはMOXY(MはM
g,Ca,Sr,Ba,アルカリ土類複合金属,希土類
金属,或いはアルカリ土類金属及び希土類金属の複合金
属であり、0≦X<2,0<Y≦4である。)であるこ
とが好ましい。またフッ化物層14bをガス状フッ素化
剤とMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複
合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化
物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかとの反応に
よって得ることが好ましい。更にガス状フッ素化剤とし
てフッ素ガス、フッ化水素ガス、BF3、SbF5又はS
4のいずれか、特にフッ素ガス又はフッ化水素ガスを
用いることが好ましく、フッ化物層の厚さを0.1〜1
000nmの範囲内に設定することが好ましい。
【0012】請求項7に係る発明は、図1及び図2に示
すように、基板13の表面にMgO,CaO,SrO,
BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化
物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸
化物のいずれかにより形成された膜本体14aを形成す
る工程と、この膜本体14aをガス状フッ素化剤にて表
面処理することにより膜本体14aの表面にフッ化物層
14bを形成する工程とを含むFPDの保護膜の製造方
法である。この請求項7に記載されたFPD用保護膜の
製造方法では、膜本体14a中のMgO等がFPD10
(図2参照)の機能にとって有害なMgCO3やMg
(OH)2等に殆ど変質しないため、後工程で上記Mg
CO3やMg(OH)2等を除去する脱ガス処理工程時間
を短縮又は脱ガス処理工程を省くことができ、FPD1
0の製造コストを低減できる。
【0013】請求項8に係る発明は、請求項7に係る発
明であって、更に図1及び図2に示すように、基板13
の表面に膜本体14aを真空中で形成する工程と、この
膜本体14aを大気に暴露させずに真空中又は不活性ガ
ス雰囲気中でガス状フッ素化剤にて表面処理することに
より膜本体14aの表面にフッ化物層14bを形成する
工程とを含むことを特徴とする。この請求項8に記載さ
れたFPD用保護膜の製造方法では、基板13の表面に
膜本体14aを形成した後であって、膜本体14aの表
面にフッ化物層14bを形成する前に、膜本体14aを
大気に暴露しないため、膜本体14aの表面にFPDに
有害なMgO等の炭酸塩(MgCO3等)や水酸化物
(Mg(OH)2等)の生成を防止或いは抑制すること
ができる。
【0014】請求項9に係る発明は、請求項7に係る発
明であって、更に図1及び図2に示すように、基板13
の表面に膜本体14aを真空中で形成する工程と、この
膜本体14aを大気に暴露した後に膜本体14aを大気
中で焼成して膜本体14aを活性化させる工程と、ガス
状フッ素化剤にて表面処理することにより膜本体14a
の表面にフッ化物層14bを形成する工程とを含むこと
を特徴とする。この請求項9に記載されたFPD用保護
膜の製造方法では、基板13の表面に膜本体14aを形
成した後にこの膜本体14aを大気に暴露して、膜本体
14aの表面にFPDに有害なMgO等の炭酸塩(Mg
CO3等)や水酸化物(Mg(OH)2等)が生成されて
も、膜本体14aを大気中で焼成することにより膜本体
14aが活性化され、膜本体14aの表面のMgO等の
炭酸塩(MgCO3等)や水酸化物(Mg(OH)2等)
がCO2及びH2Oとして除去される。この状態で膜本体
14aの表面にフッ化物層14bを形成することによ
り、膜本体14aの表面がフッ化物層14bにより保護
され、MgO等の炭酸塩(MgCO3等)や水酸化物
(Mg(OH)2等)の生成を防止或いは抑制すること
ができる。
【0015】請求項10に係る発明は、請求項8又は9
に係る発明であって、更に図1及び図2に示すように、
表面に膜本体14a及びフッ化物層14bが形成された
基板13のパネル組立て前,組立て中又は組立て後に大
気中で焼成することにより膜本体14aの活性化を行う
ことを特徴とする。この請求項10に記載されたFPD
用保護膜の製造方法では、膜本体14aの表面にフッ化
物層14bを形成した後に大気中で焼成すると、膜本体
14aが活性されるので、膜本体14aに僅かにMgO
等の水酸化物(Mg(OH)2等)が生成されてもH2
として除去でき、その後の大気中の水分による膜本体1
4aの再汚染速度を低下させることができる。
【0016】請求項11に係る発明は、図3及び図4に
示すように、MgO,CaO,SrO,BaO,アルカ
リ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ
土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの
粉末をガス状フッ素化剤にて表面処理することによりM
gO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化
物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び
希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末をフッ化物
層にて被覆する工程と、このフッ化物層により被覆され
たMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合
酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物
及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末とバイ
ンダと溶媒とを混合して膜用ペースト又は膜用分散液を
調製する工程と、膜用ペースト又は膜用分散液を用いて
基板13の表面に膜体34aを形成する工程とを含むF
PD用保護膜の製造方法である。この請求項11に記載
されたFPD用保護膜の製造方法では、膜体34a中の
MgO等がFPD10(図4参照)の機能にとって有害
なMgCO3やMg(OH)2等に殆ど変質しないため、
後工程で上記MgCO3やMg(OH)2等を除去する脱
ガス処理工程時間を短縮又は脱ガス処理工程を省くこと
ができ、FPD10の製造コストを低減できる。
【0017】また請求項7ないし11いずれかに係る発
明において、圧力が1〜760Torrのガス状フッ素
化剤により、MgO,CaO,SrO,BaO,アルカ
リ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ
土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかに
より形成された膜本体14a、或いはMgO,CaO,
SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土
類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の
複合酸化物のいずれかの粉末を表面処理することが好ま
しい。また請求項7ないし11いずれかに係る発明にお
いて、ガス状フッ素化剤としてフッ素ガス、フッ化水素
ガス、BF3、SbF5又はSF4のいずれか、特にフッ
素ガス又はフッ化水素ガスを用いることが好ましい。
【0018】請求項14に係るMgO,CaO,Sr
O,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸
化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合
酸化物のいずれかの粉末は、請求項2記載のFPD用保
護膜34を形成するためにフッ化物層により被覆されて
作製される。請求項15に係る粉末は、請求項14記載
の粉末を被覆するフッ化物層の厚さが0.1〜1000
nmであることを特徴とする。請求項16に係る膜用ペ
ーストは、請求項14又は15記載のフッ化物層にて被
覆されたMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土
類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類
酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末
とバインダと溶媒とを混合して調製される。請求項17
に係る膜用分散液は、請求項14又は15記載のフッ化
物層にて被覆されたMgO,CaO,SrO,BaO,
アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はア
ルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいず
れかの粉末とバインダと溶媒とを混合して調製される。
上記フッ化物層にて被覆された膜用ペースト又は膜用分
散液を用いることにより、請求項2に記載された膜体を
容易に形成することができる。
【0019】請求項18に係る発明は、請求項1ないし
6いずれか記載の保護膜を用いたことを特徴とするFP
Dである。この請求項18に記載されたFPDでは、F
PDの製造工数を大幅に低減できるので、安価にFPD
を製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。本発明のFPDとしてはPD
P、PALC等が挙げられる。この実施の形態ではPD
Pについて説明する。図1及び図2に示すように、AC
型のPDP10は背面ガラス基板11上に所定の間隔を
あけて形成された隔壁12を介して前面ガラス基板13
を被せることにより構成される。前面ガラス基板13の
両面のうち背面ガラス基板11に対向する面には表示電
極16及び透明誘電体層17を介して膜本体14aが形
成され、この膜本体14aの表面にはフッ化物層14b
が形成される。背面ガラス基板11と前面ガラス基板1
3と隔壁12とにより多数の放電セル18が区画形成さ
れ、背面ガラス基板11上には放電セル18内に位置し
かつ上記表示電極16に対向するようにアドレス電極1
9が形成される。また放電セル18内には隔壁12の側
面から背面ガラス基板11の上面にかけて蛍光体層21
が形成される。更に放電セル18内には放電ガス(図示
せず)が注入される。
【0021】上記フッ化物層14bはMOXY(MはM
g,Ca,Sr,Ba,アルカリ土類複合金属又は希土
類金属,或いはアルカリ土類金属及び希土類金属の複合
金属であり、0≦X<2,0<Y≦4である。)であ
り、例えばMF2層,MO0.5F層,MO0.251.5層,
MF4層,MOF2層,MF3層,MOF層,MF2.66
又はMOF0.66層等である。またフッ化物層14bは膜
本体14aを形成するMgO,CaO,SrO,Ba
O,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又
はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物の
いずれかと、ガス状フッ素化剤との反応によって得るこ
とができ、ガス状フッ素化剤としては反応性の高さや汎
用性の観点からフッ素ガス、フッ化水素ガス、BF3
SbF5又はSF 4のいずれか、特にフッ素ガス又はフッ
化水素ガスを用いることが好ましい。またフッ化物層1
4bの厚さはMgO等のCO2ガスやH2Oガスとの反応
阻止向上と、MgO等とガス状フッ素化剤との反応時間
とのバランスにより決定され、好ましくは0.1〜10
00nmの範囲内、更に好ましくは0.1〜100nm
の範囲内に形成される。フッ化物層14bの厚さを0.
1〜1000nmの範囲内に限定したのは、1000n
mを越えると、MgO等とガス状フッ素化剤との反応時
間が長くなって作業性が悪くなるためである。
【0022】このように構成されたPDPの保護膜の製
造方法を説明する。 [1]蒸着法による膜本体の形成 先ず図1に示すように、前面ガラス基板13の表面に表
示電極16となるAgやAu等の電極用ペーストをスク
リーン印刷法により所定の間隔をあけて塗布し乾燥・焼
成した後に、上記前面ガラス基板13の表面に透明誘電
体層17となる透明ガラスペーストをスクリーン印刷法
により前面ガラス基板13の表面全体に塗布し乾燥す
る。上記前面ガラス基板13を大気中で100〜200
℃に10〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で5
00〜600℃に10〜60分間保持して焼成する。
【0023】次に純度が99.5%以上のMgO,Ca
O,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは
希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化
物の複合酸化物のいずれかの焼結体ペレットを電子ビー
ム蒸着法等の蒸着法により上記ガラス基板13の透明誘
電体層17表面を覆うように蒸着して膜本体14を形成
する。この膜本体14の成膜条件は、加速電圧が5〜3
0kV、蒸着圧力が0.1×10-2〜10×10-2
a、蒸着距離が100〜1000mmの範囲内にあるこ
とが好ましい。更にこの前面ガラス基板13をガス状フ
ッ素化剤雰囲気中(温度10〜100℃)に0.1〜1
20分間保持して膜本体14aの表面を改質し、膜本体
14aの表面にフッ化物層14bを形成する。上記ガス
状フッ素化剤としてはフッ素ガス、フッ化水素ガス、B
3、SbF5又はSF4のいずれか、特にフッ素ガス又
はフッ化水素ガスを用いることが好ましく、このガス状
フッ素化剤の圧力は好ましくは1〜760Torr、更
に好ましくは10〜300Torrの範囲内に設定され
る。ガス状フッ素化剤の圧力を1〜760Torrの範
囲内に限定したのは反応進行度、即ちフッ化物層の厚さ
の制御を容易にするためである。
【0024】[2]スパッタリング法による膜本体の形
成 先ず上記[1]と同様に電極付ガラス基板を作製した
後、純度が99.5%以上の5インチサイズのMgO,
CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若し
くは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類
酸化物の複合酸化物のいずれかのターゲットを用いて、
スパッタリング法によりガラス基板に透明誘電体層表面
を覆うように膜本体を形成する。この膜本体の成膜条件
は、高周波出力が1kW、スパッタ圧力が0.50〜
3.0Pa、アルゴンガスに対する酸素濃度が5〜50
%、基板温度が20〜300℃の範囲内であることが好
ましい。次に上記[1]と同様にガス状フッ素化剤雰囲
気中に保持して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面に
フッ化物層を形成する。
【0025】[3]スクリーン印刷法による膜本体の形
成 予め気相法や液中合成法等により平均粒径が50〜20
00ÅのMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土
類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類
酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末
を作製しておく。先ず前面ガラス基板の表面に表示電極
となるAgやAu等の電極用ペーストをスクリーン印刷
法により所定の間隔をあけて塗布し乾燥・焼成した後
に、上記前面ガラス基板の表面に透明誘電体層となる透
明ガラスペーストをスクリーン印刷法により前面ガラス
基板の表面全体に塗布し乾燥する。次いで膜本体となる
MgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸
化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及
び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末と、バイ
ンダと、溶媒とを所定の割合で混合して膜用ペーストを
調製し、このペーストをスクリーン印刷法により上記透
明誘電体層の表面全体に塗布し乾燥する。
【0026】上記バインダとしてはアルカリ土類金属や
希土類金属のアルコキシド,有機酸化合物,アセチルア
セトネート(例えば、有機酸マグネシウム,マグネシウ
ムアルコキシド,マグネシウムアセチルアセトネー
ト)、或いはエチルセルロースやエチルシリケート等が
用いられ、溶媒としてはα−テルピネオール、ブチルカ
ルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テレピン
油等が用いられる。また上記MgO,CaO,SrO,
BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化
物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸
化物のいずれかの粉末と、バインダと、溶媒との混合割
合は0〜10重量%と、10〜100重量%と、0〜3
0重量%とにそれぞれ設定されることが好ましい。次に
上記前面ガラス基板を大気中で100〜200℃に10
〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で500〜6
00℃に10〜60分間保持して焼成する。更に上記
[1]と同様に前面ガラス基板をガス状フッ素化剤雰囲
気中に保持して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面に
フッ化物層を形成する。
【0027】[4]スピンコート法による膜本体の形成 上記[3]と同様に、前面ガラス基板の表面に電極用ペ
ースト及び誘電体層用ペーストを塗布し乾燥・焼成した
後に、膜本体となるMgO,CaO,SrO,BaO,
アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はア
ルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいず
れかの粉末と、バインダと、溶媒とを所定の割合で混合
して膜用分散液を調製し、この分散液をスピンコート法
により上記透明誘電体層の表面全体に成膜し乾燥する。
上記バインダとしてはアルカリ土類金属や希土類金属の
アルコキシド,有機酸化合物,アセチルアセトネート
(例えば、マグネシウムアルコキシド,有機酸マグネシ
ウム,マグネシウムアセチルアセトネート)、或いはエ
チルシリケート等が用いられ、溶媒としてはアルコー
ル、セロソルブ等が用いられる。また上記MgO,Ca
O,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは
希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化
物の複合酸化物のいずれかの粉末と、バインダと、溶媒
との混合割合は0〜40重量%と、0.1〜10重量%
と、55〜99.9重量%とにそれぞれ設定されること
が好ましい。この前面ガラス基板を大気中で40〜10
0℃に5〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で5
00〜600℃に10〜60分間保持して焼成し、更に
上記[1]と同様にガス状フッ素化剤雰囲気中に保持し
て膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を
形成する。
【0028】このように製造されたPDPの保護膜で
は、膜本体14aの表面がフッ化物層14bにより被覆
されるため、PDP10の製造過程において保護膜14
が大気中に長時間曝されても、膜本体14a中のMgO
等が大気中のCO2ガスやH2Oガスと殆ど反応しない。
この結果、膜本体14a中のMgO等がPDP10の機
能を損なうおそれのあるMgCO3やMg(OH)2等に
変質することは殆どないので、膜本体14aの耐環境性
を向上できる。また、膜本体14a中のMgO等がMg
CO3やMg(OH)2等に殆ど変質しないため、後工程
で上記MgCO3やMg(OH)2等を除去する脱ガス処
理工程時間を短縮又は脱ガス処理工程を省くことがで
き、PDP10の製造コストを低減できる。更に透明誘
電体層17には保護膜14のうち誘電体層17と熱膨張
係数が略同一の膜本体14aが接着されるので、熱サイ
クルにより保護膜14が透明誘電体層17から剥離せ
ず、保護膜14の誘電体層17に対する密着性及び整合
性が極めて良好となる。
【0029】なお、上記[1]及び[2]の保護膜14
の形成過程において、下記の[a]又は[b]のような
処理を施すことが好ましい。 [a]ガラス基板13の表面に膜本体14aを真空中で
形成し、この膜本体14aを大気に暴露させずに真空中
又は不活性ガス雰囲気中でガス状フッ素化剤にて表面処
理することにより膜本体14aの表面にフッ化物層14
bを形成する。上記不活性ガス雰囲気とは、アルゴンガ
ス又はN2ガスの雰囲気であることが好ましく、純度が
4N(99.99%)以上であり、露点がマイナス65
℃以下であり、更にCO2及びCOの濃度が5.0体積
ppm以下であることが好ましい。このような処理を施
すことにより、基板13の表面に膜本体14aを形成し
た後であって、膜本体14aの表面にフッ化物層14b
を形成する前に、膜本体14aを大気に暴露しないた
め、膜本体14aの表面にFPDに有害なMgO等の炭
酸塩(MgCO3等)や水酸化物(Mg(OH)2等)の
生成を防止或いは抑制することができる。
【0030】[b]基板13の表面に膜本体14aを真
空中で形成し、この膜本体14aを大気に暴露した後に
膜本体14aを大気中で焼成して膜本体14aを活性化
させ、更にガス状フッ素化剤にて表面処理することによ
り膜本体14aの表面にフッ化物層14bを形成する。
上記膜本体14aの大気中での焼成温度は250〜55
0℃、好ましくは350〜450℃であり、焼成時間は
0.1〜24時間、好ましくは0.2〜1時間である。
上記範囲の温度及び時間で焼成することにより膜本体1
4aが活性化される。また上記大気とは、大気圧Pt
0.1atm≦Pt≦5.0atm(好ましくは1.0
atm)であり、大気中のN2,O2,H2O及びCOZ
含有割合VN2,VO2,VH2O及びVCOZが以下のものをい
う。 65体積%≦VN2 ≦ 5.0体積%(好ましくは78.1体積%) 10体積%≦VO2 ≦30 体積%(好ましくは21.0体積%) 0体積%≦VH2O≦ 5 体積%(好ましくは 2.5体積%以下) 0体積%≦VCOZ≦ 0.1体積%(好ましくは 0.03体積%以下 ) 但し、zは1又は2である。またこの大気には他の不純
物ガス(Hydrocarbon等)を0.1体積%以下含むこと
もある。
【0031】このような処理を施すことにより、基板1
3の表面に膜本体14aを形成した後にこの膜本体14
aを大気に暴露して、膜本体14aの表面にFPDに有
害なMgO等の炭酸塩(MgCO3等)や水酸化物(M
g(OH)2等)が生成されても、膜本体14aを大気
中で焼成することにより膜本体14aが活性化され、膜
本体14aの表面のMgO等の炭酸塩(MgCO3等)
や水酸化物(Mg(OH)2等)がCO2及びH2Oとし
て除去される。この状態で膜本体14aの表面にフッ化
物層14bを形成することにより、膜本体14aの表面
がフッ化物層14bにより保護され、MgO等の炭酸塩
(MgCO3等)や水酸化物(Mg(OH)2等)の生成
を防止或いは抑制することができる。
【0032】なお、上記[a]及び[b]において、表
面に膜本体14a及びフッ化物層14bが形成された基
板13のパネル組立て前,組立て中又は組立て後に大気
中で焼成することにより膜本体14aの活性化を行うこ
とが好ましい。この大気中における焼成の焼成温度及び
大気は上記[b]の場合と同一である。このような焼成
により、膜本体14aが活性化されるので、膜本体14
aに僅かにMgO等の水酸化物(Mg(OH)2等)が
生成された場合でも、H2Oとして除去でき、その後の
大気中の水分による膜本体14aの再汚染速度を低下さ
せることができる。
【0033】図3及び図4は本発明の第2の実施の形態
を示す。図3及び図4において図1及び図2と同一符号
は同一部品を示す。この実施の形態では、前面ガラス基
板13の表面に表示電極16及び透明誘電体層17を介
して保護膜34である膜体34aが形成され、この膜体
34aがフッ化物層にて被覆されたMgO,CaO,S
rO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類
酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複
合酸化物のいずれかの粉末を用いて形成される。上記フ
ッ化物層は第1の実施の形態のフッ化物層と同様に、M
XY(MはMg,Ca,Sr,Ba,アルカリ土類金
属若しくは希土類金属,又はアルカリ土類金属及び希土
類金属の複合金属であり、0≦X<2,0<Y≦4であ
る。)であり、例えばMF2層,MO0.5F層,MO0.25
1.5層,MF4層,MOF2層,MF3層,MOF層,M
2.66層又はMOF0.66層等である。またフッ化物層は
MgO等とガス状フッ素化剤との反応によって得ること
ができ、ガス状フッ素化剤としては反応性の高さや汎用
性の観点からフッ素ガス、フッ化水素ガス、BF3、S
bF5又はSF4のいずれか、特にフッ素ガス又はフッ化
水素ガスを用いることが好ましい。またフッ化物層の厚
さはMgO等のCO2ガスやH2Oガスとの反応阻止向上
と、MgO等とガス状フッ素化剤との反応時間とのバラ
ンスにより決定され、好ましくは0.1〜1000nm
の範囲内、更に好ましくは0.1〜100nmの範囲内
に形成される。フッ化物層の厚さを0.1〜1000n
mの範囲内に限定したのは、1000nmを越えるとM
gO等とガス状フッ素化剤との反応時間が長くなって作
業性が悪くなるためである。上記以外は第1の実施の形
態と同一に構成される。
【0034】このように構成されたPDPの保護膜の製
造方法を説明する。 [1]スクリーン印刷法による膜体の形成 先ず気相法や液中合成法等により平均粒径が50〜20
00ÅのMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土
類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類
酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末
を作製する。次いでこのMgO粉末等をガス状フッ素化
剤雰囲気中(温度10〜100℃)に0.1〜120分
間保持してMgO粉末等の表面を改質し、MgO粉末等
の表面にフッ化物層を形成する。上記ガス状フッ素化剤
としてはフッ素ガス、フッ化水素ガス、BF3、SbF5
又はSF4のいずれか、特にフッ素ガス又はフッ化水素
ガスを用いることが好ましく、このガス状フッ素化剤の
圧力は好ましくは1〜760Torr、更に好ましくは
10〜300Torrの範囲内に設定される。ガス状フ
ッ素化剤の圧力を1〜760Torrの範囲内に限定し
たのは反応進行度、即ちフッ化物層の厚さの制御を容易
にするためである。
【0035】次に図3に示すように、前面ガラス基板1
3の表面に表示電極16となるAgやAu等の電極用ペ
ーストをスクリーン印刷法により所定の間隔をあけて塗
布し乾燥・焼成した後に、上記前面ガラス基板13の表
面に透明誘電体層17となる透明ガラスペーストをスク
リーン印刷法により前面ガラス基板13の表面全体に塗
布し乾燥する。また膜体34aとなるMgO粉末等(上
記表面がフッ化物層により被覆されたMgO粉末等)、
バインダ及び溶媒を所定の割合で混合して膜用ペースト
を調製し、このペーストをスクリーン印刷法により上記
透明誘電体層17の表面全体に塗布し乾燥する。上記バ
インダとしてはアルカリ土類金属や希土類金属のアルコ
キシド,有機酸化合物,アセチルアセトネート(例え
ば、有機酸マグネシウム,マグネシウムアルコキシド,
マグネシウムアセチルアセトネート)、或いはエチルセ
ルロースやエチルシリケート等が用いられ、溶媒として
はα−テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカ
ルビトールアセテート、テレピン油等が用いられる。ま
た上記MgO粉末等と、バインダと、溶媒との混合割合
は0.1〜10重量%と、10〜99.9重量%と、0
〜30重量%とにそれぞれ設定されることが好ましい。
更に上記前面ガラス基板13を大気中で100〜200
℃に10〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で5
00〜600℃に10〜60分間保持して焼成する。
【0036】[2]スピンコート法による膜体の形成 先ず上記[1]と同様にしてMgO,CaO,SrO,
BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化
物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸
化物のいずれかの粉末の表面をフッ化物層により被覆す
る。次に前面ガラス基板の表面に電極用ペースト及び誘
電体層用ペーストを塗布し乾燥・焼成した後に、膜体と
なるMgO粉末等(上記表面がフッ化物層により被覆さ
れたMgO粉末等)、バインダ及び溶媒を所定の割合で
混合して膜用分散液を調製し、この分散液をスピンコー
ト法により上記透明誘電体層の表面全体に成膜し乾燥す
る。上記バインダとしてはアルカリ土類金属や希土類金
属のアルコキシド,有機酸化合物,アセチルアセトネー
ト(例えば、マグネシウムアルコキシド,有機酸マグネ
シウム,マグネシウムアセチルアセトネート,トリフル
オロ酢酸マグネシウム,マグネシウムトリフルオロアセ
チルアセトネート,マグネシウムヘキサフルオロアセチ
ルアセトネート)、或いはエチルシリケート等が用いら
れ、溶媒としてはアルコール、セロソルブ等が用いられ
る。また上記MgO粉末等と、バインダと、溶媒との混
合割合は1〜40重量%と、0.1〜10重量%と、5
5〜98.9重量%とにそれぞれ設定されることが好ま
しい。更に上記前面ガラス基板を大気中で40〜100
℃に5〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で50
0〜600℃に10〜60分間保持して焼成する。
【0037】このように製造されたPDP用保護膜で
は、膜体34aとなるMgO粉末等の表面がフッ化物層
により被覆されるため、PDP10の製造過程において
膜体34aが大気中に長時間曝されても、膜体34a中
のMgO粉末等が大気中のCO 2ガスやH2Oガスを殆ど
反応しない。この結果、膜体34a中のMgO粉末等が
PDP10の機能を損なうおそれのあるMgCO3やM
g(OH)2等に変質することは殆どないので、膜体3
4aの耐環境性を向上できる。また膜体34a中のMg
O粉末等がPDP10の機能を損なうおそれのあるMg
CO3やMg(OH)2等に殆ど変質しないため、後工程
で上記MgCO3やMg(OH)2等を除去する脱ガス処
理工程時間を短縮又は脱ガス処理工程を省くことがで
き、PDP10の製造コストを低減できる。更に上記M
gO粉末等の表面を被覆するフッ化物層は極めて薄いた
め、このMgO粉末等の機械的特性は表面にフッ化物層
のないMgO粉末等と略同一である。なお、上記第1及
び第2の実施の形態では、FPDとしてPDPを挙げた
が、前面ガラス基板の表面に保護膜として膜本体又は膜
体を形成するものであればPALC等でもよい。
【0038】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>先ず図1に示すように、厚さ3mmの前面
ガラス基板13の表面にAgの表示電極16(膜厚5μ
m)をスクリーン印刷法により形成した後に、ガラスか
らなる透明誘電体層17(膜厚20μm)をスクリーン
印刷法により形成した。次いでこのガラス基板13を大
気中で150℃に30分間保持して乾燥した後に、大気
中で550℃に30分間保持して焼成した。次に純度が
99.8%のMgO焼結体ペレットを電子ビーム蒸着法
により上記ガラス基板13の透明誘電体層17表面を覆
うように蒸着して膜本体14aを形成した。この膜本体
14の成膜条件は、加速電圧が15kV、蒸着圧力が1
×10-2Pa、蒸着距離が600mmであった。更にこ
のガラス基板13を圧力が152TorrのF2ガス雰
囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体14a
の表面を改質し、膜本体14aの表面にフッ化物層14
bを形成した。このガラス基板13を実施例1とした。
【0039】<実施例2>実施例1と同様にガラス基板
の表面に膜本体を電子ビーム蒸着法により形成した後
に、このガラス基板を圧力が72TorrのF2ガス雰
囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表面
を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。この
ガラス基板を実施例2とした。 <実施例3>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜本
体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラス
基板を圧力が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度2
5℃)に1分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本体
の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実施
例3とした。
【0040】<実施例4>実施例1と同様にガラス基板
の表面に膜本体を電子ビーム蒸着法により形成した後
に、このガラス基板を圧力が38TorrのF2ガス雰
囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表面
を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。この
ガラス基板を実施例4とした。 <実施例5>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜本
体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラス
基板を圧力が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度2
5℃)に60分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本
体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実
施例5とした。
【0041】<実施例6>実施例1と同様にガラス基板
の表面に膜本体を電子ビーム蒸着法により形成した後
に、このガラス基板を圧力が7.6TorrのF2ガス
雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表
面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。こ
のガラス基板を実施例6とした。 <実施例7>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜本
体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラス
基板を分圧が7.6TorrのF2ガスと分圧が752
TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度25
℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本体
の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実施
例7とした。
【0042】<実施例8>実施例1と同様にガラス基板
の表面に膜本体を電子ビーム蒸着法により形成した後
に、このガラス基板を圧力が7.6TorrのF2ガス
雰囲気中(温度100℃)に10分間保持して膜本体の
表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。
このガラス基板を実施例8とした。 <実施例9>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜本
体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラス
基板を圧力が38TorrのHFガス雰囲気中(温度2
5℃)に1分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本体
の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実施
例9とした。 <実施例10>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜
本体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラ
ス基板を分圧が7.6TorrのHFガスと分圧が75
2TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度25
℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本体
の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実施
例10とした。
【0043】<実施例11>実施例1と同様にガラス基
板の表面に膜本体を電子ビーム蒸着法により形成した後
に、このガラス基板を圧力が7.6TorrのBF3
ス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の
表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。
このガラス基板を実施例11とした。 <実施例12>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜
本体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラ
ス基板を圧力が7.6TorrのSbF5ガス雰囲気中
(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質
し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス
基板を実施例12とした。 <実施例13>実施例1と同様にガラス基板の表面に膜
本体を電子ビーム蒸着法により形成した後に、このガラ
ス基板を分圧が7.6TorrのSF4ガス雰囲気中
(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質
し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス
基板を実施例13とした。
【0044】<実施例14>先ず実施例1と同様に電極
付ガラス基板を作製した後、純度が99.99%(4
N)の5インチサイズのMgOターゲットを用いてスパ
ッタリング法によりガラス基板に透明誘電体層表面を覆
うように膜本体を形成する。この膜本体の成膜条件は、
高周波出力が1kW、スパッタリング圧力が1.33P
a、アルゴンガスに対する酸素濃度が10%、基板温度
が150℃の範囲内であることが好ましい。次に上記実
施例1と同様にガラス基板をF2ガス雰囲気中保持して
膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形
成した。このガラス基板を実施例14とした。
【0045】<実施例15>実施例14と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスパッタリング法により形成した
後に、このガラス基板を圧力が72TorrのF2ガス
雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表
面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。こ
のガラス基板を実施例15とした。 <実施例16>実施例14と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスパッタリング法により形成した後に、このガ
ラス基板を圧力が38TorrのF2ガス雰囲気中(温
度25℃)に1分間保持して膜本体の表面を改質し、膜
本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を
実施例16とした。
【0046】<実施例17>実施例14と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスパッタリング法により形成した
後に、このガラス基板を圧力が38TorrのF2ガス
雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表
面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。こ
のガラス基板を実施例17とした。 <実施例18>実施例14と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスパッタリング法により形成した後に、このガ
ラス基板を圧力が38TorrのF2ガス雰囲気中(温
度25℃)に60分間保持して膜本体の表面を改質し、
膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板
を実施例18とした。
【0047】<実施例19>実施例14と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスパッタリング法により形成した
後に、このガラス基板を圧力が7.6TorrのF2
ス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の
表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。
このガラス基板を実施例19とした。 <実施例20>実施例14と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスパッタリング法により形成した後に、このガ
ラス基板を分圧が7.6TorrのF2ガスと分圧が7
52TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度2
5℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本
体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実
施例20とした。
【0048】<実施例21>実施例14と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスパッタリング法により形成した
後に、このガラス基板を圧力が7.6TorrのF2
ス雰囲気中(温度100℃)に10分間保持して膜本体
の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成し
た。このガラス基板を実施例21とした。 <実施例22>実施例14と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスパッタリング法により形成した後に、このガ
ラス基板を圧力が38TorrのHFガス雰囲気中(温
度25℃)に1分間保持して膜本体の表面を改質し、膜
本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を
実施例22とした。 <実施例23>実施例14と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスパッタリング法により形成した後に、このガ
ラス基板を分圧が7.6TorrのHFガスと分圧が7
52TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度2
5℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質し、膜本
体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板を実
施例23とした。
【0049】<実施例24>先ず厚さ3mmの前面ガラ
ス基板13の表面にAgの表示電極16(膜厚5μm)
をスクリーン印刷法により形成した後に、ガラスからな
る透明誘電体層(膜厚20μm)をスクリーン印刷法に
より形成した。次いでMgO成分を含むバインダとして
有機酸マグネシウム(日化産製、ナフテックスマグネシ
ウム)を79重量%と、MgO成分を含まないバインダ
としてエチルセルロースを2重量%と、溶媒としてα−
テルピネオールを19重量%を混合して膜用ペーストを
調製し、このペーストを上記ガラス基板上にスクリーン
印刷法により塗布して膜本体を形成した。次に上記ガラ
ス基板を大気中で150℃に30分間保持して乾燥した
後に、大気中で550℃に30分間保持して焼成した。
更にこのガラス基板を圧力が152TorrのF2ガス
雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表
面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。こ
のガラス基板を実施例24とした。
【0050】<実施例25>実施例24と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾
燥・焼成した後に、このガラス基板を圧力が72Tor
rのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持し
て膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を
形成した。このガラス基板を実施例25とした。 <実施例26>実施例24と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾燥・焼成した
後に、このガラス基板を圧力が38TorrのF2ガス
雰囲気中(温度25℃)に1分間保持して膜本体の表面
を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。この
ガラス基板を実施例26とした。
【0051】<実施例27>実施例24と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾
燥・焼成した後に、このガラス基板を圧力が38Tor
rのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持し
て膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を
形成した。このガラス基板を実施例27とした。 <実施例28>実施例24と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾燥・焼成した
後に、このガラス基板を圧力が38TorrのF2ガス
雰囲気中(温度25℃)に60分間保持して膜本体の表
面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。こ
のガラス基板を実施例28とした。
【0052】<実施例29>実施例24と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾
燥・焼成した後に、このガラス基板を圧力が7.6To
rrのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持
して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層
を形成した。このガラス基板を実施例29とした。 <実施例30>実施例24と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾燥・焼成した
後に、このガラス基板を分圧が7.6TorrのF2
スと分圧が752TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲
気中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表面を
改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガ
ラス基板を実施例30とした。
【0053】<実施例31>実施例24と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾
燥・焼成した後に、このガラス基板を圧力が7.6To
rrのF2ガス雰囲気中(温度100℃)に10分間保
持して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物
層を形成した。このガラス基板を実施例31とした。 <実施例32>実施例24と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾燥・焼成した
後に、このガラス基板を圧力が38TorrのHFガス
雰囲気中(温度25℃)に1分間保持して膜本体の表面
を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。この
ガラス基板を実施例32とした。
【0054】<実施例33>実施例24と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾
燥・焼成した後に、このガラス基板を分圧が7.6To
rrのHFガスと分圧が752TorrのN2ガスとの
混合ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜
本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成
した。このガラス基板を実施例33とした。 <実施例34>気相法により作製した平均粒径が100
ÅのMgO粉末(宇部マテリアルズ製)を5重量%と、
MgO成分のバインダとして有機酸マグネシウム(日化
産製、ナフテックスマグネシウム)を75重量%及びエ
チルセルロースを2重量%と、溶媒としてα−テルピネ
オールを18重量%を混合して粉末含有膜用ペーストを
調製した。このMgO粉末含有の膜用ペーストを用いて
実施例24と同様にガラス基板の表面に膜本体を形成
し、更に膜本体の表面を改質して膜本体の表面にフッ化
物層を形成した。このガラス基板を実施例34とした。
【0055】<実施例35>先ず厚さ3mmのガラス基
板の表面にAgの表示電極16(膜厚5μm)をスクリ
ーン印刷法により形成した後に、ガラスからなる透明誘
電体層(膜厚20μm)をスクリーン印刷法により形成
した。次いでMgO成分を含むバインダとしてマグネシ
ウムジエトキシドを1.25重量%と、溶媒としてメチ
ルセロソルブを98.75重量%とを混合して均一な膜
用コーティング液を調製し、このコーティング液を上記
ガラス基板上にスピンコート法により塗布して膜本体を
成膜した。次に上記ガラス基板を大気中で60℃に30
分間保持して乾燥した後に、大気中で580℃に10分
間保持して焼成した。更にこのガラス基板を圧力が15
2TorrのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分
間保持して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ
化物層を形成した。このガラス基板を実施例35とし
た。
【0056】<実施例36>実施例35と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスピンコート法により形成し乾燥
・焼成した後に、このガラス基板を圧力が72Torr
のF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して
膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形
成した。このガラス基板を実施例36とした。 <実施例37>実施例35と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスピンコート法により形成し乾燥・焼成した後
に、このガラス基板を圧力が38TorrのF2ガス雰
囲気中(温度25℃)に1分間保持して膜本体の表面を
改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガ
ラス基板を実施例37とした。
【0057】<実施例38>実施例35と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスピンコート法により形成し乾燥
・焼成した後に、このガラス基板を圧力が38Torr
のF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して
膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形
成した。このガラス基板を実施例38とした。 <実施例39>実施例35と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスピンコート法により形成し乾燥・焼成した後
に、このガラス基板を圧力が38TorrのF2ガス雰
囲気中(温度25℃)に60分間保持して膜本体の表面
を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。この
ガラス基板を実施例39とした。
【0058】<実施例40>実施例35と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスピンコート法により形成し乾燥
・焼成した後に、このガラス基板を圧力が7.6Tor
rのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持し
て膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を
形成した。このガラス基板を実施例40とした。 <実施例41>実施例35と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスピンコート法により形成し乾燥・焼成した後
に、このガラス基板を分圧が7.6TorrのF2ガス
と分圧が752TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲気
中(温度25℃)に10分間保持して膜本体の表面を改
質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラ
ス基板を実施例41とした。
【0059】<実施例42>実施例35と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスピンコート法により形成し乾燥
・焼成した後に、このガラス基板を圧力が7.6Tor
rのF2ガス雰囲気中(温度100℃)に10分間保持
して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層
を形成した。このガラス基板を実施例42とした。 <実施例43>実施例35と同様にガラス基板の表面に
膜本体をスピンコート法により形成し乾燥・焼成した後
に、このガラス基板を圧力が38TorrのHFガス雰
囲気中(温度25℃)に1分間保持して膜本体の表面を
改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガ
ラス基板を実施例43とした。
【0060】<実施例44>実施例35と同様にガラス
基板の表面に膜本体をスピンコート法により形成し乾燥
・焼成した後に、このガラス基板を分圧が7.6Tor
rのHFガスと分圧が752TorrのN2ガスとの混
合ガス雰囲気中(温度25℃)に10分間保持して膜本
体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成し
た。このガラス基板を実施例44とした。 <実施例45>気相法により作製した平均粒径が100
ÅのMgO粉末(宇部マテリアルズ製)を5重量%と、
MgO成分のバインダとしてマグネシウムジエトキシド
を1.25重量%と、溶媒としてメチルセロソルブを9
3.75重量%を混合して均一なMgO粉末含有の膜用
コーティング液を調製した。このコーティング液を用い
て実施例35と同様にガラス基板の表面に膜本体を形成
し、更に膜本体の表面を改質して膜本体の表面にフッ化
物層を形成した。このガラス基板を実施例45とした。
【0061】<実施例46>気相法により作製した平均
粒径が100ÅのMgO粉末(宇部マテリアルズ製)5
gを、圧力が152TorrのF2ガス雰囲気中(温度
25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面を改質し
た、即ちMgO粉末の表面をフッ化物層により被覆し
た。このMgO粉末を実施例46のMgO粉末とした。
一方、図3に示すように、厚さ3mmの前面ガラス基板
13の表面にAgの表示電極16(膜厚5μm)をスク
リーン印刷法により形成した後に、ガラスからなる透明
誘電体層17(膜厚20μm)をスクリーン印刷法によ
り形成した。次に上記表面がフッ化物層により被覆され
たMgO粉末を5重量%と、バインダとして有機酸マグ
ネシウム(日化産製、ナフテックスマグネシウム)を7
5重量%及びエチルセルロースを2重量%と、溶媒とし
てα−テルピネオールを18重量%を混合して膜用ペー
ストを調製し、この膜用ペーストを上記ガラス基板13
上にスクリーン印刷法により塗布して膜体34aを形成
した。更に上記ガラス基板13を大気中で150℃に3
0分間保持して乾燥した後に、大気中で580℃に10
分間保持して焼成した。このガラス基板13を実施例4
6とした。
【0062】<実施例47>実施例46と同一のMgO
粉末を、圧力が72TorrのF2ガス雰囲気中(温度
25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化
物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上
に実施例46と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ
化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実
施例47とした。 <実施例48>実施例46と同一のMgO粉末を、圧力
が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に1
分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、
このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例46と
同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成さ
れたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例48とし
た。
【0063】<実施例49>実施例46と同一のMgO
粉末を、圧力が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度
25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化
物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上
に実施例46と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ
化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実
施例49とした。 <実施例50>実施例46と同一のMgO粉末を、圧力
が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に6
0分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成
し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例4
6と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形
成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例50と
した。
【0064】<実施例51>実施例46と同一のMgO
粉末を、圧力が7.6TorrのF2ガス雰囲気中(温
度25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ
化物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板
上に実施例46と同様に膜体を形成した。上記表面にフ
ッ化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を
実施例51とした。 <実施例52>実施例46と同一のMgO粉末を、分圧
が7.6TorrのF2ガスと分圧が752Torrの
2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度25℃)に10分
間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、こ
のMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例46と同
様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成され
たMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例52とした。
【0065】<実施例53>実施例46と同一のMgO
粉末を、圧力が7.6TorrのF2ガス雰囲気中(温
度100℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフ
ッ化物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基
板上に実施例46と同様に膜体を形成した。上記表面に
フッ化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板
を実施例53とした。 <実施例54>実施例46と同一のMgO粉末を、圧力
が38TorrのHFガス雰囲気中(温度25℃)に1
分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、
このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例46と
同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成さ
れたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例54とし
た。 <実施例55>実施例46と同一のMgO粉末を、分圧
が7.6TorrのHFガスと分圧が752Torrの
2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度25℃)に10分
間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、こ
のMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例46と同
様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成され
たMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例55とした。
【0066】<実施例56>実施例46と同一のMgO
粉末を、圧力が7.6TorrのBF3ガス雰囲気中
(温度25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面に
フッ化物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス
基板上に実施例46と同様に膜体を形成した。上記表面
にフッ化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基
板を実施例56とした。 <実施例57>実施例46と同一のMgO粉末を、圧力
が7.6TorrのSbF5ガス雰囲気中(温度25
℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層
を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実
施例46と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物
層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例
57とした。 <実施例58>実施例46と同一のMgO粉末を、分圧
が7.6TorrのSF4ガス雰囲気中(温度25℃)
に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形
成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例
46と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が
形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例58
とした。
【0067】<実施例59>実施例46と同一の条件で
MgO粉末の表面にフッ化物層を形成した。このMgO
粉末を実施例59のMgO粉末とした。一方、実施例4
6と同様にして前面ガラス基板の表面に表示電極及び透
明誘電体層を形成した。次に上記表面がフッ化物層によ
り被覆されたMgO粉末を5重量%と、バインダとして
マグネシウムジエトキシドを1.25重量%と、溶媒と
してエチルセロソルブを93.75重量%を混合して膜
用分散液を調製し、この膜用分散液を上記ガラス基板1
3上にスピンコート法により塗布して膜体を成膜した。
更に上記ガラス基板を大気中で60℃に30分間保持し
て乾燥した後に、大気中で580℃に10分間保持して
焼成した。このガラス基板を実施例59のガラス基板と
した。
【0068】<実施例60>実施例59と同一のMgO
粉末を、圧力が72TorrのF2ガス雰囲気中(温度
25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化
物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上
に実施例59と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ
化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実
施例60とした。 <実施例61>実施例59と同一のMgO粉末を、圧力
が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に1
分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、
このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例59と
同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成さ
れたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例61とし
た。
【0069】<実施例62>実施例59と同一のMgO
粉末を、圧力が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度
25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化
物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上
に実施例59と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ
化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実
施例62とした。 <実施例63>実施例59と同一のMgO粉末を、圧力
が38TorrのF2ガス雰囲気中(温度25℃)に6
0分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成
し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例5
9と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形
成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例63と
した。
【0070】<実施例64>実施例59と同一のMgO
粉末を、圧力が7.6TorrのF2ガス雰囲気中(温
度25℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ
化物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板
上に実施例59と同様に膜体を形成した。上記表面にフ
ッ化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を
実施例64とした。 <実施例65>実施例59と同一のMgO粉末を、分圧
が7.6TorrのF2ガスと分圧が752Torrの
2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度25℃)に10分
間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、こ
のMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例59と同
様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成され
たMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例65とした。
【0071】<実施例66>実施例59と同一のMgO
粉末を、圧力が7.6TorrのF2ガス雰囲気中(温
度100℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフ
ッ化物層を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基
板上に実施例59と同様に膜体を形成した。上記表面に
フッ化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板
を実施例66とした。 <実施例67>実施例59と同一のMgO粉末を、圧力
が38TorrのHFガス雰囲気中(温度25℃)に1
分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層を形成し、
このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実施例59と
同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物層が形成さ
れたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例67とし
た。
【0072】<実施例68>実施例59と同一のMgO
粉末を、分圧が7.6TorrのHFガスと分圧が75
2TorrのN2ガスとの混合ガス雰囲気中(温度25
℃)に10分間保持してMgO粉末の表面にフッ化物層
を形成し、このMgO粉末を用いて、ガラス基板上に実
施例59と同様に膜体を形成した。上記表面にフッ化物
層が形成されたMgO粉末及び上記ガラス基板を実施例
68とした。 <実施例69>バインダとしてトリフルオロ酢酸マグネ
シウムを用い、焼成温度を500℃としたことを除い
て、実施例59と同様にしてガラス基板上に膜体を形成
した。この表面にフッ化物層が形成されたMgO粉末及
び上記ガラス基板を実施例69とした。
【0073】<実施例70>バインダとしてマグネシウ
ムトリフルオロアセチルアセトネートを用いたことを除
いて、実施例69と同様にしてガラス基板上に膜体を形
成した。この表面にフッ化物層が形成されたMgO粉末
及び上記ガラス基板を実施例70とした。 <実施例71>バインダとしてマグネシウムヘキサフル
オロアセチルアセトネートを用いたことを除いて、実施
例69と同様にしてガラス基板上に膜体を形成した。こ
の表面にフッ化物層が形成されたMgO粉末及び上記ガ
ラス基板を実施例71とした。
【0074】<比較例1>実施例1と同様にガラス基板
の表面に膜本体を電子ビーム蒸着法により形成したが、
この膜本体の表面は改質しなかった。このガラス基板を
比較例1とした。 <比較例2>実施例14と同様にガラス基板の表面に膜
本体をスパッタリング法により形成したが、この膜本体
の表面は改質しなかった。このガラス基板を比較例2と
した。 <比較例3>実施例24と同様にガラス基板の表面に膜
本体をスクリーン印刷法により形成し乾燥・焼成した
が、この膜本体の表面は改質しなかった。このガラス基
板を比較例3とした。
【0075】<比較例4>実施例34と同様にガラス基
板の表面に膜本体をスクリーン印刷法により形成し乾燥
・焼成したが、この膜本体の表面は改質しなかった。こ
のガラス基板を比較例4とした。 <比較例5>実施例35と同様にガラス基板の表面に膜
本体をスピンコート法により形成し乾燥・焼成したが、
この膜本体の表面を改質しなかった。このガラス基板を
比較例5とした。 <比較例6>実施例45と同様にガラス基板の表面に膜
本体をスピンコート法により形成し乾燥・焼成したが、
この膜本体の表面を改質しなかった。このガラス基板を
比較例6とした。
【0076】<比較例7>表面を改質していないMgO
粉末を用いて、ガラス基板の表面に実施例46と同様に
スクリーン印刷法により膜体を形成した。上記MgO粉
末及び上記ガラス基板を比較例7とした。 <比較例8>表面を改質していないMgO粉末を用い
て、ガラス基板の表面に実施例59と同様にスピンコー
ト法により膜体を形成した。上記MgO粉末及び上記ガ
ラス基板を比較例8とした。
【0077】<比較試験1及び評価>実施例1〜45及
び比較例1〜6のガラス基板上の膜本体表面に形成され
たフッ化物層の厚さをX線光電子分光法により深さ方向
の元素分析を行って測定した。また膜本体の耐環境性は
MgOが炭酸塩(MgCO3)に変化する困難性で評価
した。具体的には、炭酸塩層は温度が40℃で湿度が9
0%の大気中に2週間放置した後に、X線光電子分光法
によりMgO膜の深さ方向の元素分析を行い、炭酸マグ
ネシウム(MgCO3)に由来するカーボンの確認され
る深さで評価した。この深さが浅い、即ち炭酸塩層の厚
さが薄いほど、保護膜が耐環境性に優れていることにな
る。更に膜本体の放電開始電圧(Vf)は実施例1〜4
5及び比較例1〜6のガラス基板をチャンバ内に設置
し、このチャンバ内を排気後、400TorrのHe−
2%Xe混合ガスで満たし、10kHzの電圧を印加し
て測定した。これらの測定結果を表1〜表4に示した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】表1〜表4から明らかなように、比較例1
〜3及び5では炭酸塩(MgCO3)が17nm,10
nm,22nm及び30nmとかなり厚く膜本体表面に
形成され、MgO粉末を含んだ比較例4及び6では炭酸
塩(MgCO3)がほぼ膜本体全体に形成されたのに対
し、実施例1〜45ではそれぞれ対応する比較例よりも
小さい値を示し、1〜20nmと薄くなった。また膜本
体の表面に形成されたフッ化物層の厚さが厚いほど炭酸
塩の厚さが薄くなることが判った。また放電開始電圧は
比較例1及び2では172及び165Vであったのに対
し、比較例1及び2に対応する実施例1〜23では15
5〜169Vと若干低くなり、比較例3〜6では195
〜201Vであったのに対し、比較例3〜6に対応する
実施例24〜45では179〜191Vと低くなった。
これにより二次電子放出能が大きくなり、PDPの性能
が向上したことが判った。
【0083】<比較試験2及び評価>実施例46〜7
1、比較例7及び比較例8のMgO粉末の表面に形成さ
れたフッ化物層の厚さを測定することは、MgO粉末が
微細であるため困難であった。そこで参考として同様の
条件で処理したMgOスパッタ膜表面のフッ化物層の厚
さを、X線光電子分光法により深さ方向の元素分析を行
って測定した。またMgO粉末の耐環境性は上記比較試
験1と同様にMgOの炭酸塩(MgCO3)に変化する
困難性で評価した。具体的には、MgO粉末表面の炭酸
塩層は、温度が40℃で湿度が90%の大気中に2週間
放置した後、赤外分光法(FT−IR)の拡散反射法に
より炭酸塩に由来する1450cm-1付近のピークの吸
光度を相対値(a.u.:任意単位)で表して評価し
た。上記吸光度の相対値が小さい、即ち炭酸塩層の厚さ
が薄いほど、MgO粉末が耐環境性に優れていることに
なる。更にMgO膜の放電開始電圧(Vf)は上記比較
試験1と同様にして測定した。これらの測定結果を表5
及び表6に示した。
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】表5及び表6から明らかなように、炭酸塩
(MgCO3)が比較例7及び8では78とかなり多く
MgO粉末表面に形成されたのに対し、実施例46〜7
1では、3〜65とかなり少なくなった。またMgO粉
末(MgOスパッタ膜)の表面に形成されたフッ化物層
の厚さが厚いほど炭酸塩が少なくなることが判った。ま
た放電開始電圧は比較例7及び8では195V及び19
6Vであったのに対し、実施例46〜71では170〜
188Vと低くなった。これにより二次電子放出能が大
きくなり、PDPの性能が向上したことが判った。
【0087】<実施例101〜128>MgO粉末をC
aO粉末に替えたことを除いて、実施例1〜14,1
6,18,21,23,24,26,28,31,3
3,34,37,39,42及び44と同様に、ガラス
基板の表面に膜本体をそれぞれ形成し、膜本体の表面に
フッ化物層をそれぞれ形成した。これらのガラス基板を
実施例101〜128とした。<実施例129〜153
>気相法により作製したMgO粉末(平均粒径:100
Å)を水中合成法により作製したCaO粉末(平均粒
径:500Å)に替えたことを除いて、実施例46〜6
3及び65〜71と同様に、フッ化物層によりCaO粉
末を被覆し、このCaO粉末を用いてガラス基板の表面
に膜体を形成した。上記フッ化物層にて被覆されたCa
O粉末及びガラス基板をそれぞれ実施例129〜153
とした。
【0088】<比較例101〜104>MgO粉末をC
aO粉末に替えたことを除いて、比較例1〜3及び5と
同様に、ガラス基板の表面に膜本体をそれぞれ形成し、
膜本体の表面を改質しなかった。これらのガラス基板を
比較例101〜104とした。 <比較例105及び106>気相法により作製したMg
O粉末(平均粒径:100Å)を水中合成法により作製
したCaO粉末(平均粒径:500Å)に替えたことを
除いて、比較例7及び8と同様に、表面を改質していな
いCaO粉末を用いてガラス基板の表面に膜体を形成し
た。これらのCaO粉末及びガラス基板をそれぞれ比較
例105及び106とした。
【0089】<比較試験3及び評価>実施例101〜1
28及び比較例101〜104のガラス基板上の膜本体
表面に形成されたフッ化物層の厚さをX線光電子分光法
により深さ方向の元素分析を行って測定した。また膜本
体の耐環境性は、CaOが炭酸塩(CaCO3)に変化
する困難性で評価した。具体的には、炭酸塩層は、温度
40℃で、湿度が90%の大気中(CO2濃度:約30
0ppm)に2週間放置した後に、X線光電子分光法に
より膜本体の深さ方向の元素分析を行い、炭酸カルシウ
ム(CaCO3)に由来するカ−ボンの確認される深さ
で評価した。この深さが浅い、即ち炭酸塩層の厚さが薄
いほど、保護膜が耐環境性に優れていることになる。更
に膜本体の放電開始電圧(Vf)は、実施例101〜1
28及び比較例101〜104のガラス基板をチャンバ
内に設置し、このチャンバ内を排気後、400Torr
のHe−2%Xe混合ガスで満たし、10kHzの電圧
を印加して測定した。これらの測定結果を表7及び表8
に示した。
【0090】
【表7】
【0091】
【表8】
【0092】表7および表8から明らかなように、比較
例101〜104では、炭酸塩(CaCO3)が20n
m及び25nmとかなり厚く膜本体表面に形成されたの
に対し、実施例101〜128では、1〜12nmと薄
くなった。また膜本体の表面に形成されたフッ化物の厚
さが厚いほど炭酸塩の厚さが薄くなった。更に放電開始
電圧は比較例101では、180Vであったのに対し
て、比較例101に対応する実施例101〜113で
は、158〜174Vと若干低くなり、比較例102〜
104では、200〜206Vであったのに対し、比較
例102〜104に対応する実施例114〜128で
は、158〜194Vと低くなった。これにより二次電
子放出能が大きくなり、PDPの性能が向上したことが
判った。
【0093】<比較試験4及び評価>実施例129〜1
53、比較例105及び106のCaO粉末の表面に形
成されたフッ化物層の厚さを測定することは、CaO粉
末が微細であるため困難であった。そこで参考として同
様の条件で処理したCaOスパッタ膜表面のフッ化物層
の厚さを、X線光電子分光法により深さ方向の元素分析
を行って測定した。またCaO粉末の耐環境性は、上記
比較試験3と同様にCaOの炭酸塩(CaCO3)に変
化する困難性で評価した。具体的には、CaO粉末表面
の炭酸塩層は、温度が40℃で、湿度が90%の大気中
(CO2濃度:約300ppm)に2週間放置した後、
赤外分光法(FT−IR)の拡散反射法により炭酸塩に
由来する1450cm-1付近のピ−クの吸光度を相対値
(a.u.:任意単位)で表して評価した。上記吸光度
の相対値が小さい、即ち炭酸塩層の厚さが薄いほど、C
aO粉末が耐環境性に優れていることになる。更に、膜
体の放電開始電圧(Vf)は、上記比較試験3と同様に
して測定した。これらの測定結果を表9及び表10示し
た。
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】表9及び表10から明らかなように、炭酸
塩が比較例105及び106では、92とかなり多くC
aO粉末表面に形成されたのに対し、実施例129〜1
53では、8〜52とかなり少なくなった。またCaO
粉末(CaOスパッタ膜)の表面の形成されたフッ化物
層の厚さが厚いほど炭酸塩が少なくなった。更に放電開
始電圧は、比較例105及び106では、206及び1
99Vであったのに対し、実施例129〜153では、
176〜196Vと低くなった。これにより二次電子放
出能が大きくなり、PDPの性能が向上したことが判っ
た。
【0097】<実施例201〜227>先ず図1に示す
ように、厚さ3mmの前面ガラス基板13の表面にAg
の表示電極16(膜厚5μm)をスクリ−ン印刷法によ
り形成した後に、ガラスからなる透明誘電体層17(膜
厚20μm)をスクリ−ン印刷法により形成した。次に
このガラス基板13を大気中で150℃に30分間保持
して乾燥した後に、大気中で550℃に30分間保持し
て焼成した。実施例101と同様の操作で、ガラス基板
の表面に表11に示す各種蒸着材を用いて膜本体(蒸着
膜)を電子ビ−ム蒸着法により形成した後に、このガラ
ス基板を表11に示すそれぞれの条件で膜本体の表面を
改質し、膜本体の表面にフッ化物層を形成した。これら
ガラス基板をそれぞれ実施例201〜227とした。な
お、実施例224〜227では、MgOにLaB6,L
23,Sc23及びY23をそれぞれ2mol%添加
した蒸着材を用いて成膜し、フッ素改質を行った。
【0098】<実施例228〜250>水中合成法によ
り作製した酸化物粉末(平均粒径:約500Å、)5g
を、表12に示す条件下でフッ素化処理し、酸化物粉末
の表面を改質した。即ち酸化物粉末の表面をフッ化物層
により被覆した。これらの酸化物粉末を実施例228〜
250の酸化物粉末とした。一方、図3に示すように、
厚さ3mmの前面ガラス基板13の表面にAgの表示電
極16(厚さ5μm)をスクリ−ン印刷法により形成し
た後に、ガラスからなる透明誘電体層17(膜厚20μ
m)をスクリ−ン印刷法により形成した。次いで上記表
面がフッ化物層により被覆された酸化物粉末を5重量%
と、バインダとして有機酸化合物1.25重量%(焼成
後、表12のバインダの欄に示す酸化物となる。)と、
溶媒としてエチルセロソルブを93.75重量%とを混
合して膜用分散液を調製した。次にこの分散液を上記ガ
ラス基板13にスピンコ−ト法により塗布して膜体(ス
ピンコ−ト膜)を成膜した。更に上記ガラス基板を大気
中で60℃に30分間保持して乾燥した後に、大気中で
580℃に10分間保持して焼成した。これらのガラス
基板を実施例228〜250のガラス基板とした。
【0099】<比較例201〜227>実施例201〜
227と同様にガラス基板に、それぞれ膜本体(蒸着
膜)を電子ビ−ム蒸着法により形成したが、膜本体の表
面は改質しなかった。これらのガラス基板を比較例20
1〜B227とした。<比較例228〜250>表面を
改質していない酸化物粉末を用いて、ガラス基板の表面
に実施例228〜250と同様に、スピンコ−ト法によ
り膜体(酸化物膜)を形成した。上記酸化物粉末及び上
記ガラス基板を比較例228〜250とした。
【0100】<比較試験5及び評価>実施例201〜2
27及び比較例201〜227のガラス基板上の膜本体
(酸化物の蒸着膜)表面に形成されたフッ化物層の厚さ
をX線光電子分光法により深さ方向の元素分析を行って
測定した。また膜本体の耐環境性は、膜本体が炭酸塩に
変化する困難性で評価した。具体的には、炭酸塩層は、
温度40℃で、湿度が90%の大気中(CO2濃度:約
300ppm)に2週間放置した後に、X線光電子分光
法により膜本体の深さ方向の元素分析を行い、炭酸塩に
由来するカ−ボンの確認される深さで評価した。この深
さが浅い、即ち炭酸塩層の厚さが薄いほど、保護膜が耐
環境性に優れていることになる。更に膜の放電開始電圧
(Vf)は、実施例201〜227及び比較例201〜
227のガラス基板をチャンバ内に設置し、このチャン
バ内を排気後、400TorrのHe−2%Xe混合ガ
スで満たし、10kHzの電圧を印加して測定した。こ
れらの測定結果を表11及び表12に示した。
【0101】
【表11】
【0102】
【表12】
【0103】表11及び表12から明らかなように、比
較例201〜227では炭酸塩が14nm〜28nmと
かなり厚く膜本体表面に形成されたのに対し、実施例2
01〜227では1〜5nmと薄くなった。また実施例
201〜227では膜本体の表面に形成されたフッ化物
の厚さが厚いほど炭酸塩の厚さが薄くなった。更に放電
開始電圧は、比較例201〜227では176〜213
Vであったのに対して、比較例201〜227に対応す
る実施例201〜227では155〜192Vと若干低
くなった。これにより二次電子放出能が大きくなり、P
DPの性能が向上したことが判った。
【0104】<比較試験6及び評価>実施例228〜2
50、比較例228及び250の酸化物粉末の表面に形
成されたフッ化物層の厚さを測定することは、酸化物粉
末が微細であるため困難であった。そこで参考として同
様の条件で処理したスパッタ膜表面のフッ化物層の厚さ
を、X線光電子分光法により深さ方向の元素分析を行っ
て測定した。また酸化物粉末の耐環境性は、上記比較試
験5と同様に炭酸塩に変化する困難性で評価した。具体
的には、酸化物粉末表面の炭酸塩層は、温度が40℃
で、湿度が90%の大気中(CO2濃度:約300pp
m)に2週間放置した後、赤外分光法(FT−IR)の
拡散反射法により炭酸塩に由来する1450cm-1付近
のピ−クの吸光度を相対値(a.u.:任意単位)で表
して評価した。上記吸光度の相対値が小さい、即ち炭酸
塩層の厚さが薄いほど、酸化物粉末が耐環境性に優れて
いることになる。更に、膜体の放電開始電圧(Vf)
は、上記比較試験5と同様にして測定した。これらの測
定結果を表13及び表14に示した。
【0105】
【表13】
【0106】
【表14】
【0107】表13及び表14から明らかなように、比
較例228〜250では、炭酸塩が80〜140とかな
り多く酸化物粉末表面に形成されたのに対し、実施例2
28〜250では、14〜32とかなり少なくなった。
また放電開始電圧は、比較例228〜250では190
〜240Vであったのに対し、比較例228〜250に
対応する実施例228〜250では180〜221Vと
低くなった。これにより二次電子放出能が大きくなり、
PDPの性能が向上したことが判った。
【0108】<実施例301>先ず図1に示すように、
厚さ3mmの前面ガラス基板13の表面にAgの表示電
極16(膜厚5μm)をスクリーン印刷法により形成し
た後に、ガラスからなる透明誘電体層17(膜厚20μ
m)をスクリーン印刷法により形成した。次いでこのガ
ラス基板13を大気中で150℃に30分間保持して乾
燥した後に、大気中で550℃に30分間保持して焼成
した。次に純度が99.8%のMgO焼結体ペレットを
真空中で電子ビーム蒸着法により上記ガラス基板13の
透明誘電体層17表面を覆うように蒸着して膜本体14
aを形成した。この膜本体14の成膜条件は、加速電圧
が15kV、蒸着圧力が1×10-2Pa、蒸着距離が6
00mmであった。このガラス基板13を大気に暴露し
た後に、膜本体14aをガラス基板13とともに大気中
で350℃の温度で1時間焼成して、膜本体14aを活
性化させた。このガラス基板13を実施例301とし
た。
【0109】<実施例302>膜本体の焼成温度を40
0℃としたことを除いて、実施例301と同様にしてガ
ラス基板を作製した。このガラス基板を実施例302と
した。 <実施例303>膜本体の焼成温度を450℃にしたこ
とを除いて、実施例301と同様にしてガラス基板を作
製した。このガラス基板を実施例303とした。 <実施例304>膜本体の焼成温度を400℃とし、焼
成時間を10分間としたことを除いて、実施例301と
同様にしてガラス基板を作製した。このガラス基板を実
施例304とした。
【0110】<実施例305>膜本体の焼成温度を40
0℃とし、焼成時間を5時間としたことを除いて、実施
例301と同様にしてガラス基板を作製した。このガラ
ス基板を実施例305とした。 <実施例306>実施例304と同様にして得られたガ
ラス基板を圧力が38TorrのHFガス雰囲気中(温
度25℃)に10分間保持して膜本体の表面を改質し、
膜本体の表面にフッ化物層を形成した。このガラス基板
を実施例306とした。 <実施例307>蒸着後、大気に暴露させず、かつ加熱
による活性化を行わなかったこと以外は実施例306と
同様にしてガラス基板を作製した。このガラス基板を実
施例307とした。 <比較例301>膜本体を焼成しなかった(未加熱)こ
とを除いて、実施例301と同様にしてガラス基板を作
製した。このガラス基板を比較例301とした。
【0111】<比較試験7及び評価>実施例301〜3
07及び比較例1のガラス基板を大気中に放置して所定
時間毎に膜本体の汚染量(汚染とは主に大気中のH2
及びCO2による汚染をいう。)をそれぞれ測定した。
汚染量は上記各ガラス基板を真空チャンバ内で室温から
1000℃まで加熱し、このときのチャンバ内の圧力変
化をモニタし、室温から1000℃までの概算の総脱ガ
ス量として求めた。その結果を図5〜図7に示す。
【0112】図5から明らかなように、比較例301で
は大気中に放置すると急激に汚染量が増大するのに対
し、実施例301〜303では汚染量の増大する割合が
小さかった。また焼成温度を高くした実施例303の方
が焼成温度が低い実施例301より汚染量の増大する割
合が小さくなることが判った。図6から明らかなよう
に、焼成時間の長い実施例306の方が焼成時間の短い
実施例304より汚染量の増大する割合が小さくなるこ
とが判った。図7から明らかなように、フッ素化処理を
行うと、極端に汚染量の増大する割合が小さくなり、ま
た大気に暴露させずにフッ素化処理を行った方がその効
果は更に大きいことが判った。
【0113】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、基
板の表面に膜本体を形成し、この膜本体の表面にフッ化
物層を形成したので、FPDの製造過程において保護膜
が大気中に長時間曝されても、膜本体中のMgO等が大
気中のCO2ガスやH2Oガスと殆ど反応しない。この結
果、膜本体中のMgO等がFPDの機能を損なうおそれ
のあるMgCO3やMg(OH)2等に変質することは殆
どないので、膜本体の耐環境性を向上できる。また保護
膜のうち基板と熱膨張係数が略同一の膜本体が接着され
るので、熱サイクルにより保護膜が基板から剥離せず、
保護膜の基板に対する密着性及び整合性が極めて良好と
なる。
【0114】また基板の表面に形成される膜体を、フッ
化物層にて被覆されたMgO粉末等を用いて形成すれ
ば、上記と同様にFPDの製造過程において保護膜が大
気中に長時間曝されても、膜体中のMgO等が大気中の
CO2ガスやH2Oガスと殆ど反応しない。この結果、膜
体中のMgO等がFPDの機能を損なうおそれのあるM
gCO3やMg(OH)2等に変質することは殆どなく、
膜体の耐環境性を向上できる。またMgO粉末等の表面
を被覆するフッ化物層は極めて薄いため、このMgO粉
末等の機械的特性は表面にフッ化物層のないMgO粉末
等と略同一である。またフッ化物層がMOXY(MはM
g等であり、0≦X<2,0<Y≦4である。)であっ
たり、フッ化物層をガス状フッ素化剤とMgO等との反
応にて得たり、ガス状フッ素化剤としてフッ素ガス、フ
ッ化水素ガス、BF3、SbF5又はSF4等を用いた
り、或いはフッ化物層の厚さを0.1〜1000nmの
範囲内に形成したりすれば、上記効果を更に顕著に奏す
ることができる。
【0115】また基板の表面に膜本体を形成し、この膜
本体をガス状フッ素化剤にて表面処理することにより膜
本体の表面にフッ化物層を形成すれば、膜本体中のMg
O等がFPDの機能にとって有害なMgCO3やMg
(OH)2等に殆ど変質しないため、後工程で上記Mg
CO3やMg(OH)2等を除去する脱ガス処理工程時間
を短縮又は脱ガス処理工程を省くことができ、FPDの
製造コストを低減できる。また基板の表面に膜本体を真
空中で形成し、この膜本体を大気に暴露させずに真空中
又は不活性ガス雰囲気中でガス状フッ素化剤にて表面処
理することにより膜本体の表面にフッ化物層を形成すれ
ば、膜本体の表面にFPDに有害なMgO等の炭酸塩
(MgCO3等)や水酸化物(Mg(OH)2等)の生成
を防止或いは抑制することができる。
【0116】また基板の表面に膜本体を真空中で形成
し、この膜本体を大気に暴露した後に膜本体を大気中で
焼成して膜本体を活性化させ、更にガス状フッ素化剤に
て表面処理することにより膜本体の表面にフッ化物層を
形成すれば、膜本体の表面にFPDに有害なMgO等の
炭酸塩(MgCO3等)や水酸化物(Mg(OH)2等)
が生成されても、膜本体の焼成により膜本体が活性化さ
れ、膜本体の表面のMgO等の炭酸塩(MgCO3等)
や水酸化物(Mg(OH)2等)がCO2及びH2Oとし
て除去される。この状態で膜本体の表面にフッ化物層を
形成することにより、膜本体の表面がフッ化物層により
保護され、MgO等の炭酸塩(MgCO3等)や水酸化
物(Mg(OH)2等)の生成を防止或いは抑制するこ
とができる。なお、MgO等の上記炭酸塩や水酸化物の
生成は、MgO等を真空中で成膜した後に、大気に暴露
させずにフッ化処理を行った方が、より顕著に防止或い
は抑制することができる。また表面に膜本体及びフッ化
物層が形成された基板の組立て前,組立て中又は組立て
後に大気中で焼成することにより膜本体の活性化を行え
ば、膜本体に僅かにMgO等の水酸化物(Mg(OH)
2等)が生成されたときにはH2Oとして除去でき、その
後の大気中の水分による膜本体の再汚染速度を低下させ
ることができる。
【0117】またMgO粉末等をガス状フッ素化剤にて
表面処理することによりMgO粉末等をフッ化物層にて
被覆し、このフッ化物層により被覆されたMgO粉末等
とバインダと溶媒とを混合して調製された膜用ペースト
又は膜用分散液を用いて基板の表面に膜体を形成すれ
ば、上記と同様に膜体中のMgO粉末等がFPDの機能
にとって有害なMgCO3やMg(OH)2等に殆ど変質
しないため、後工程で上記MgCO3やMg(OH)2
を除去する脱ガス処理工程時間を短縮又は脱ガス処理工
程を省くことができ、FPDの製造コストを低減でき
る。また圧力が1〜760Torrのガス状フッ素化剤
により膜本体又はMgO粉末等を表面処理したり、ガス
状フッ素化剤としてフッ素ガス、フッ化水素ガス、BF
3、SbF5又はSF4を用いたりすれば、膜本体又はM
gO粉末等の表面に二次電子放出能の高いフッ化物層を
比較的容易に形成することができる。更に上記保護膜を
用いてFPDを製造すれば、FPDの製造工数を大幅に
低減できるので、安価にFPDを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の保護膜が形成された前面
基板の断面図。
【図2】その前面基板が組込まれたPDPの要部断面
図。
【図3】本発明第2実施形態の保護膜が形成された前面
基板の断面図。
【図4】その前面基板が組込まれたPDPの要部断面
図。
【図5】実施例301〜303及び比較例301の熱処
理温度を変えたときの、膜本体の汚染量の時間に対する
変化を示す図。
【図6】実施例302,304及び305の熱処理時間
を変えたときの、膜本体の汚染量の時間に対する変化を
示す図。
【図7】フッ素化処理を行った実施例306及び307
の膜本体の汚染量の時間に対する変化を示す図。
【符号の説明】
10 PDP(FPD) 13 前面ガラス基板(基板) 14,34 保護膜 14a 膜本体 14b フッ化物層 34a 膜体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C027 AA07 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GE02 GE07 GE08 GE09 JA02 JA03 JA07 JA12 JA21 JA22 KA03 KA04 KB19 MA10 MA26

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(13)の表面にMgO,CaO,Sr
    O,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸
    化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合
    酸化物のいずれかにより形成された膜本体(14a)と、前
    記膜本体(14a)の表面に形成されたフッ化物層(14b)とを
    備えたFPD用保護膜。
  2. 【請求項2】 基板(13)の表面にMgO,CaO,Sr
    O,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸
    化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合
    酸化物のいずれかにより形成される膜体(34a)がフッ化
    物層にて被覆されたMgO,CaO,SrO,BaO,
    アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はア
    ルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいず
    れかの粉末を用いて形成されたFPD用保護膜。
  3. 【請求項3】 フッ化物層(14b)がMOXY(MはM
    g,Ca,Sr,Ba,アルカリ土類複合金属又は希土
    類金属,或いはアルカリ土類金属及び希土類金属の複合
    金属であり、0≦X<2,0<Y≦4である。)である
    請求項1又は2記載のFPD用保護膜。
  4. 【請求項4】 フッ化物層(14b)がガス状フッ素化剤と
    MgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸
    化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及
    び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかとの反応によっ
    て得られた請求項1又は2記載のFPD用保護膜。
  5. 【請求項5】 ガス状フッ素化剤がフッ素ガス、フッ化
    水素ガス、BF3、SbF5又はSF4のいずれかである
    請求項4記載のFPD用保護膜。
  6. 【請求項6】 フッ化物層(14b)の厚さが0.1〜10
    00nmである請求項1ないし5いずれか記載のFPD
    用保護膜。
  7. 【請求項7】 基板(13)の表面にMgO,CaO,Sr
    O,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸
    化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合
    酸化物のいずれかにより形成された膜本体(14a)を形成
    する工程と、 前記膜本体(14a)をガス状フッ素化剤にて表面処理する
    ことにより前記膜本体(14a)の表面にフッ化物層(14b)を
    形成する工程とを含むFPD用保護膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板(13)の表面に膜本体(14a)を真空中
    で形成する工程と、 前記膜本体(14a)を大気に暴露させずに真空中又は不活
    性ガス雰囲気中でガス状フッ素化剤にて表面処理するこ
    とにより前記膜本体(14a)の表面にフッ化物層(14b)を形
    成する工程とを含む請求項7記載のFPD用保護膜の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 基板(13)の表面に膜本体(14a)を真空中
    で形成する工程と、 前記膜本体(14a)を大気に暴露した後に前記膜本体(14a)
    を大気中で焼成して前記膜本体(14a)を活性化させる工
    程と、 ガス状フッ素化剤にて表面処理することにより前記膜本
    体(14a)の表面にフッ化物層(14b)を形成する工程とを含
    む請求項7記載のFPD用保護膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 表面に膜本体(14a)及びフッ化物層(14
    b)が形成された基板(13)のパネル組立て前,組立て中又
    は組立て後に大気中で焼成することにより前記膜本体(1
    4a)の活性化を行う請求項8又は9記載のFPD用保護
    膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 MgO,CaO,SrO,BaO,ア
    ルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアル
    カリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれ
    かの粉末をガス状フッ素化剤にて表面処理することによ
    り前記MgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類
    複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカリ土類酸
    化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末を
    フッ化物層にて被覆する工程と、 前記フッ化物層により被覆されたMgO,CaO,Sr
    O,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸
    化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合
    酸化物のいずれかの粉末とバインダと溶媒とを混合して
    膜用ペースト又は膜用分散液を調製する工程と、 前記膜用ペースト又は前記膜用分散液を用いて基板(13)
    の表面に膜体(34a)を形成する工程とを含むFPD用保
    護膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 圧力が1〜760Torrのガス状フ
    ッ素化剤により、MgO,CaO,SrO,BaO,ア
    ルカリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアル
    カリ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれ
    かにより形成された膜本体,或いはMgO,CaO,S
    rO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは希土類
    酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化物の複
    合酸化物のいずれかの粉末を表面処理した請求項7ない
    し11いずれか記載のFPDの保護膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 ガス状フッ素化剤がフッ素ガス、フッ
    化水素ガス、BF3、SbF5又はSF4のいずれかであ
    る請求項7ないし12いずれか記載のFPD用保護膜の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項2記載のFPD用保護膜(34)を
    形成するためにフッ化物層にて被覆されたMgO,Ca
    O,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物若しくは
    希土類酸化物,又はアルカリ土類酸化物及び希土類酸化
    物の複合酸化物のいずれかの粉末。
  15. 【請求項15】 フッ化物層の厚さが0.1〜1000
    nmである請求項14記載の粉末。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15記載のフッ化物層
    にて被覆されたMgO,CaO,SrO,BaO,アル
    カリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカ
    リ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれか
    の粉末とバインダと溶媒とを混合して調製された膜用ペ
    ースト。
  17. 【請求項17】 請求項14又は15記載のフッ化物層
    にて被覆されたMgO,CaO,SrO,BaO,アル
    カリ土類複合酸化物若しくは希土類酸化物,又はアルカ
    リ土類酸化物及び希土類酸化物の複合酸化物のいずれか
    の粉末とバインダと溶媒とを混合して調製された膜用分
    散液。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし6いずれか記載の保護
    膜を用いたことを特徴とするFPD。
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