JP4075647B2 - Fpd用保護膜の製造方法 - Google Patents

Fpd用保護膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PDP(plasma display panel:プラズマディスプレイパネル)、PALC(plasma addressed liquid crystal display)等のFPD(flat panel display)に用いられるFPD用保護膜の製造方法に用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子ビーム蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法などの真空プロセスを用いてFPDの保護膜を形成する方法と比較し、低コストで量産性に優れた保護膜の形成方法として、MgO粉末、Mg(OH) 粉末、MgO粉末およびMg(OH) の混合粉末、あるいは希土類酸化物粉末を含有したペーストまたはコーティング液を用い、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレーコート法などの湿式プロセスにより形成する方法が提案されている(例えば特許文献1〜13など)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−67437号公報
【特許文献2】
特開平7−220640号公報
【特許文献3】
特開平7−147136号公報
【特許文献4】
特開平7−335134号公報
【特許文献5】
特開平8−111177号公報
【特許文献6】
特開平8−111178号公報
【特許文献7】
特開平8−212917号公報
【特許文献8】
特開平6−325696号公報
【特許文献9】
特開平8−167381号公報
【特許文献10】
特開平8−264125号公報
【特許文献11】
特開平9−12940号公報
【特許文献12】
特開平9−12976号公報
【特許文献13】
特開平8−96718号公報
【特許文献14】
特開平10−149767号公報
【特許文献15】
特開2001−35382号公報
【特許文献16】
特開2001−43806号公報
【非特許文献1】
J.A.Rodriguez 「Surface Science477(2001)L279-L288.」
【0004】
一方、PDPの保護膜は直接、放電空間に接しているため、放電特性に最も重要な役割を担うキーマテリアルであり、従来より2次電子放出能が高く、耐スパッタ性,光透過性および絶縁性に優れたMgO膜が使用されている。しかし、このMgO膜は工程途中で大気中に曝されると、容易にCO やHO と反応して変質することから、MgO本来の特性を得るためには、パネル封着後、真空加熱下での長時間の脱ガス排気処理が必要であることが知られている。
【0005】
このようなMgOの変質を防止するため、MgO表面を他の透湿性の少ない材料でコーティングすることが提案されている(特許文献14〜16等)。
上記特許文献14には、保護膜を形成した後に、この保護膜上に透湿性の低い一時保護膜を形成し、その後一時保護膜を除去するPDPの製造方法が提案されている。この方法によりPDPの製造途中では、保護膜の表面が一時保護膜により保護されているので、保護膜の表面に変質層が形成されない。この結果、放電特性の良好な保護膜を得ることができるとともに、保護膜の変質層の熱分解処理が不要になる。
【0006】
また、特許文献15では、保護膜の基板(誘電体層)との密着性及ぴ整合性の低下を防止し、かつ保護膜の電気絶縁性の低下を防止、及ぴ膜本体または膜体中のMgO等が大気中のC0 ガスやH0 ガスと反応することをフッ化物層が阻止することにより、MgO等のFPDに有害なMgC0 やMg(OH) 等への変質を防止する手法が提案されている。
【0007】
特許文献16ではBa0 またはSr0 の少なく とも1つ、またはBa0 またはSr0 の少なくとも1つとCa0 または希土類酸化物の少なくとも1つとの組み合わせを下地金属表面に形成し、これを真空中で加熱し、そののち希ガス中で前記パネル完成後の通常の動作電流よりも犬きい電流で活性化の目的で放電させて形成することを提案している。
また、非特許文献1の中では、Mg0表面とS0 ガスによる反応について調査している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の各公報に記載された保護膜の形成方法では、MgO粉末、Mg(OH) 粉末、あるいはMgO粉末およびMg(OH) の混合粉末を焼成して得られたMgO粉末や希土類酸化物粉末が微粒子であるため、表面積が大きく、この表面は大気中のHO ,CO 等と比較的容易に反応して炭酸塩や水酸化物に変化するおそれがあった。このためFPDの放電中に炭酸ガスや水分が放電空間中に放出され、放電特性が低下する問題点があった。
【0009】
また、上記従来の特許文献14に記載されたPDPの製造方法では、一時保護膜を形成する際に一時保護膜と保護膜とを整合させることが難しく、一時保護膜にクラックが発生したり、あるいは一時保護膜が剥離する場合があり、一時保護膜による保護膜の変質防止効果が不十分であった。
これを改善するために、一時保護膜を保護膜に厚く積層させる方法が考えられるが、この方法では一時保護膜の除去時に多量の不純物(一時保護膜の分解物)が生成される問題点があった。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、FPD製造過程における膜本体または膜体中のMgO等が大気中のHO ,CO 等と反応するのを硫酸化物層およびまたは硫化物層が阻止あるいは抑制することにより、MgO等がFPDに有害なMgCO やMg(OH) 等に変質するのを防止あるいは抑制する、即ち膜本体または膜体の耐環境性を向上できる、という目的を達成しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のFPD用保護膜の製造方法は、基板の表面にMgO、CaO、SrO、BaO、アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物、またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかにより形成された膜本体を真空中で形成する工程と、前記膜本体を大気に暴露した後に前記膜本体を大気中で焼成して前記膜本体を活性化させる工程と、フッ素プラズマにて表面処理することにより前記膜本体の表面にフッ化物層を形成する工程と、を有することにより上記課題を解決した。
さらに、前記フッ素プラズマの圧力が1×10−3〜1×10−1Paの範囲に設定されることが好ましい。
【0012】
本発明のFPD用保護膜の製造方法は、図1および図2に示すように、基板13の表面にMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかにより形成された膜本体14aと、この膜本体14aの表面に形成されたフッ化物層14bとを備えたFPD用保護膜の製造に適用することができる。このFPD用保護膜では、膜本体14aの表面がフッ化物層14bにより被覆されるため、FPD10(図2参照)の製造過程において保護膜14が大気中に長時間曝されても、膜本体14a中のMgO等が大気中のCO ガスやHO ガスと殆ど反応しない。この結果、膜本体14a中のMgO等がFPD10の機能を損なうおそれのあるMgCO やMg(OH) 等に変質することは殆どない。また基板13には保護膜14のうち基板13と熱膨張係数が略同一の膜本体14aが接着されるので、熱サイクルにより保護膜14が基板13から剥離せず、保護膜14の基板13に対する密着性および整合性が極めて良好となる。また基板13面内方向におけるフッ化物層14bの均一性を有し、基板面内方向における特性ムラの発生を防止することができる。
【0013】
さらに、フッ化物層14bの厚さが0.1〜1000nmであることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記基板の表面に前記膜本体を真空中で形成し、この膜本体を大気に暴露した後に大気中で焼成して膜本体を活性化し、その後フッ素プラズマにて表面処理してフッ化物層を形成することで、通常の成膜装置、すなわち、フッ素プラズマ表面処理を有さない成膜装置が使用できる。フッ素プラズマや表面処理槽が成膜装置に連結した装置は、大がかりで装置コストが増加するため、これを防止することができる。
【0017】
さらに、前記フッ素プラズマの圧力が1x10−3〜1x10−1Paの範囲に設定されることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るFPD用保護膜の製造方法を用いたFPDの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
実施形態のFPDとしてはPDP、PALC等が挙げられる。
【0020】
この実施の形態ではPDPについて説明する。図1および図2に示すように、AC型のPDP10は背面ガラス基板11上に所定の間隔をあけて形成された隔壁12を介して前面ガラス基板13を被せることにより構成される。前面ガラス基板13の両面のうち背面ガラス基板11に対向する面には表示電極16および透明誘電体層17を介して膜本体14aが形成され、この膜本体14aの表面にはフッ化物層14bが形成される。
背面ガラス基板11と前面ガラス基板13と隔壁12とにより多数の放電セル18が区画形成され、背面ガラス基板11上には放電セル18内に位置しかつ上記表示電極16に対向するようにアドレス電極19が形成される。また放電セル18内には隔壁12の側面から背面ガラス基板11の上面にかけて蛍光体層21が形成される。更に放電セル18内には放電ガス(図示せず)が注入される。
【0021】
このように構成されたPDPの保護膜の製造方法を説明する。
【0022】
本実施形態のFPD用保護膜の製造方法は、基板の表面にMgO、CaO、SrO、BaO、アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物、またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかにより形成された膜本体を形成する工程と、前記膜本体をフッ素プラズマにて表面処理することにより前記膜本体の表面にフッ化物層を形成する工程と、を有する。
【0023】
[1]蒸着法による膜本体の形成
先ず図1に示すように、前面ガラス基板13の表面に表示電極16となるAgやAu等の電極用ペーストをスクリーン印刷法により所定の間隔をあけて塗布し乾燥・焼成した後に、上記前面ガラス基板13の表面に透明誘電体層17となる透明ガラスペーストをスクリーン印刷法により前面ガラス基板13の表面全体に塗布し乾燥する。上記前面ガラス基板13を大気中で100〜200℃に10〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で500〜600℃に10〜60分間保持して焼成する。
【0024】
次に純度が99.5%以上のMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの焼結体ペレットを電子ビーム蒸着法等の蒸着法により上記ガラス基板13の透明誘電体層17表面を覆うように蒸着して膜本体14を形成する。この膜本体14の成膜条件は、加速電圧が5〜30kV、蒸着圧力が0.1×10−2〜10×10−2Pa、蒸着距離が100〜1000mmの範囲内にあることが好ましい。
【0025】
更に、基板13温度を120〜200℃に設定して、C、C、C、CFのいずれかを導入してフッ素プラズマを発生させ、このプラズマを前面ガラス基板13上の膜本体14aに照射して表面改質をおこないフッ化物層14bを形成する。上記フッ素プラズマ用ガスが、C、C、C、CFのいずれか、特にCF を用いることが好ましく、このフッ素プラズマ用ガスの圧力は好ましくはガス分圧1x10−3〜1x10−1Pa、更に好ましくは5x10−3〜5x10−2Paの範囲内に設定される。
【0026】
ここで、前記基板の表面に前記膜本体を真空中で形成し、この膜本体を大気に暴露させずに真空中でフッ素プラズマにて表面処理してフッ化物層を形成することで、フッ化物層14bを形成する前に、膜本体14aを大気に暴露しないため、膜本体14aの表面にFPDに有害なMgO等の炭酸塩(MgCO 等)や水酸化物(Mg(OH) 等)の生成を防止あるいは抑制することができる。さらに、膜本体14a中のMgO等がFPD10(図2参照)の機能にとって有害なMgCO やMg(OH) 等に殆ど変質しないため、後工程で上記MgCO やMg(OH) 等を除去する脱ガス処理工程時間を短縮または脱ガス処理工程を省くことができ、FPD10の製造コストを低減できる。
【0027】
前記フッ素プラズマがC、C、C、CFのいずれかであることにより、所望の膜特性を有するフッ化物層を所定の厚さで形成することが可能となる。
【0028】
さらに、前記フッ素プラズマの圧力が1x10−3〜1x10−1Paの範囲に設定されることが好ましく、これは反応進行度、即ちフッ化物層14bの厚さの制御を容易にするためである。
【0029】
[2]スパッタリング法による膜本体の形成
先ず上記[1]と同様に電極付ガラス基板を作製した後、純度が99.5%以上の5インチサイズのMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかのターゲットを用いて、スパッタリング法によりガラス基板に透明誘電体層表面を覆うように膜本体を形成する。この膜本体の成膜条件は、高周波出力が1kW、スパッタ圧力が0.50〜3.0Pa、アルゴンガスに対する酸素濃度が5〜50%、基板温度が20〜300℃の範囲内であることが好ましい。次に上記[1]と同様にフッ素プラズマを照射して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層14bを形成する。
【0030】
[3]スクリーン印刷法による膜本体の形成
予め気相法や液中合成法等により平均粒径が5〜200nm(50〜2000Å)のMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末を作製しておく。
先ず前面ガラス基板の表面に表示電極となるAgやAu等の電極用ペーストをスクリーン印刷法により所定の間隔をあけて塗布し乾燥・焼成した後に、上記前面ガラス基板の表面に透明誘電体層となる透明ガラスペーストをスクリーン印刷法により前面ガラス基板の表面全体に塗布し乾燥する。次いで膜本体となるMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末と、バインダと、溶媒とを所定の割合で混合して膜用ペーストを調製し、このペーストをスクリーン印刷法により上記透明誘電体層の表面全体に塗布し乾燥する。
【0031】
上記バインダとしてはアルカリ土類金属や希土類金属のアルコキシド,有機酸化合物,アセチルアセトネート(例えば、有機酸マグネシウム,マグネシウムアルコキシド,マグネシウムアセチルアセトネート)、あるいはエチルセルロースやエチルシリケート等が用いられ、溶媒としてはα−テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テレピン油等が用いられる。また上記MgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末と、バインダと、溶媒との混合割合は0〜10重量%と、10〜100重量%と、0〜30重量%とにそれぞれ設定されることが好ましい。
次に上記前面ガラス基板を大気中で100〜200℃に10〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で500〜600℃に10〜60分間保持して焼成する。更に上記[1]と同様にフッ素プラズマを照射して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層14bを形成する。
【0032】
[4]スピンコート法による膜本体の形成
上記[3]と同様に、前面ガラス基板の表面に電極用ペーストおよび誘電体層用ペーストを塗布し乾燥・焼成した後に、膜本体となるMgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末と、バインダと、溶媒とを所定の割合で混合して膜用分散液を調製し、この分散液をスピンコート法により上記透明誘電体層の表面全体に成膜し乾燥する。上記バインダとしてはアルカリ土類金属や希土類金属のアルコキシド,有機酸化合物,アセチルアセトネート(例えば、マグネシウムアルコキシド,有機酸マグネシウム,マグネシウムアセチルアセトネート)、あるいはエチルシリケート等が用いられ、溶媒としてはアルコール、セロソルブ等が用いられる。また上記MgO,CaO,SrO,BaO,アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物,またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかの粉末と、バインダと、溶媒との混合割合は0〜40重量%と、0.1〜10重量%と、55〜99.9重量%とにそれぞれ設定されることが好ましい。
この前面ガラス基板を大気中で40〜100℃に5〜60分間保持して乾燥した後に、大気中で500〜600℃に10〜60分間保持して焼成し、更に上記[1]と同様にフッ素プラズマを照射して膜本体の表面を改質し、膜本体の表面にフッ化物層14bを形成する。
【0033】
ここで、フッ化物層の膜厚としては10〜200nmに設定することができる。なお、膜厚を厚くしすぎると、成膜コストが上昇したり、基板面内方向における保護膜中のフッ化物密度がばらつくおそれがある。また、膜厚を薄くしすぎると、本体のMgO等が大気中のCOガスやHOガスと反応することを充分防止できず、MgO等がFPDに有害なMgCOやMg(OH)等へ変質する可能性があり好ましくない。
【0034】
このように製造されたPDPの保護膜では、膜本体14aの表面がフッ化物層14bにより被覆されるため、PDP10の製造過程において保護膜14が大気中に長時間曝されても、膜本体14a中のMgO等が大気中のCO ガスやHO ガスと殆ど反応しない。この結果、膜本体14a中のMgO等がPDP10の機能を損なうおそれのあるMgCO やMg(OH) 等に変質することは殆どないので、膜本体14aの耐環境性を向上できる。また、膜本体14a中のMgO等がMgCO やMg(OH) 等に殆ど変質しないため、後工程で上記MgCO やMg(OH) 等を除去する脱ガス処理工程時間を短縮または脱ガス処理工程を省くことができ、PDP10の製造コストを低減できる。更に透明誘電体層17には保護膜14のうち誘電体層17と熱膨張係数が略同一の膜本体14aが接着されるので、熱サイクルにより保護膜14が透明誘電体層17から剥離せず、保護膜14の誘電体層17に対する密着性および整合性が極めて良好となる。
【0035】
本実施形態におけるFPD用保護膜は、膜本体の表面にフッ化物層を有するために、膜本体のMgO等が大気中のCOガスやHOガスと反応することをフッ化物層が阻止することにより、MgO等のFPDに有害なMgCOやMg(OH)等への変質を防止することの可能となる。また基板面内方向におけるフッ化物層の均一性を有し、基板面内方向における特製ムラの発生を防止することができる。また、膜本体から発生するガス量を低減することができ、強度が良好で、かつ結晶性及び基板への密着性の高い保護膜を得ることができる。また保護膜に放射すじや膜割れや干渉むら等の欠陥がなく、保護膜の外観は良好であり、保護膜の透明性も良好である。従って、この保護膜を図1に示すようなAC型のPDPの保護膜として用いると、PDPの特性を向上できる。即ちPDPの放電開始電圧や駆動電圧を低減できる。
また、このようなFPD用保護膜を成膜したガラス基板をパネルに組込んだときに、膜質にばらつきが生じることを防止し、電気的特性、例えば駆動電圧が高くなったり或いは不安定になったりする不具合を防止することができる。
【0036】
本実施形態におけるFPD用保護膜の製造方法及び保護膜は、膜本体14aの表面がフッ化物層14bにより被覆されるため、FPD10の製造過程において保護膜14が大気中に長時間曝されても、膜本体14a中のMgO等が大気中のCO ガスやHO ガスと殆ど反応しない結果、膜本体14a中のMgO等がFPD10の機能を損なうおそれのあるMgCO やMg(OH) 等に変質することは殆どない。また基板13には保護膜14のうち基板13と熱膨張係数が略同一の膜本体14aが接着されるので、熱サイクルにより保護膜14が基板13から剥離せず、保護膜14の基板13に対する密着性および整合性が極めて良好となる。また基板13面内方向におけるフッ化物層14bの均一性を有し、基板面内方向における特性ムラの発生を防止することができる。
【0037】
なお、本実施形態おいては、膜本体を大気に暴露させずに真空中でフッ素プラズマにて表面処理してフッ化物層を形成したが、前記基板の表面に前記膜本体を真空中で形成し、この膜本体を大気に暴露した後に大気中で焼成して膜本体を活性化し、その後フッ素プラズマにて表面処理してフッ化物層を形成することもできる。
【0038】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0039】
以下のように各実施例および比較例となるサンプルを作成した。なお、各実施例で表面改質を行ったとあるのは、フッ化物層を形成したとの意味である。
【0040】
<実施例1>
MgOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧5.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを1分間照射して表面改質を行った。
【0041】
<実施例2>
MgOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧5.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0042】
<実施例3>
MgOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧2.0×10−2PaのCを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0043】
<実施例4>
MgOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧1.0×10−2PaのCを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0044】
<実施例5>
MgOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧1.0×10−2PaのCを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0045】
<実施例6>
CaOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を200℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧5.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0046】
<実施例7>
SrOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を200℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧5.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0047】
<実施例8>
BaOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を250℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧5.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0048】
<実施例9>
50%MgO+50%CaOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を170℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧5.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0049】
<実施例10>
MgO+1%Yの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧2.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0050】
<実施例11>
MgO+1%CeOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。続いて基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧2.0×10−2PaのCFを導入し、2.45GHzのマイクロ波電力(200W)と、ソレノイドコイルによる共鳴磁場との相互作用によりCFのプラズマを発生させ、基板ホルダーには13.56MHzのRFバイアス電圧:−50Vを印加し、基板上のMgO薄膜に上記プラズマを5分間照射して表面改質を行った。
【0051】
<実施例12>
MgO薄膜を真空成膜後、大気中に暴露し、再度真空チャンバー内に設置して350℃で真空過熱を行った以外は、実施例2と同様にした。
【0052】
<実施例13>
MgO成分を含むバインダとして有機酸マグネシウム(日本化学産業株式会社)製、ナフテックスマグネシウム)を79重量%と、MgO成分を含まないバインダーとしてエチルセルロースを2重量%、溶媒としてα−テルピネオールを19重量%を混合してペーストを作製した。これを基板上にスクリーン印刷法により転写し、150℃で15分間乾燥後、450℃で30分間保持し焼成を行った。その後、真空チャンバー内に設置し、プラズマ照射時間を10分にした以外は実施例2と同様に、表面改質を行った。
【0053】
<実施例14>
気相法により得た平均粒径50nmのMgO粉末を5重量%と、MgO成分のバインダとしてマグネシウムジエトキシドを1.25重量%、溶媒としてメチルセロソルブを93.75重量%を混合して均一な分散液を調製した。この分散液をスピンコート法にて基板上に塗布し、60℃で30分間乾燥後、450℃で10分間焼成した。その後、真空チャンバー内に設置し、プラズマ照射時間を10分にした以外は実施例2と同様に、表面改質を行った。
【0054】
<比較例1>
実施例1〜5と同様に、MgOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0055】
<比較例2>
実施例6と同様に、CaOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0056】
<比較例3>
実施例7と同様に、SrOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0057】
<比較例4>
実施例8と同様に、BaOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0058】
<比較例5>
実施例9と同様に、50%MgO+50%CaOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0059】
<比較例6>
実施例10と同様に、MgO+1%Yの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0060】
<比較例7>
実施例11と同様に、MgO+1%CeOの蒸着材を用い、EB蒸着法によりガラス基板(15cm□)上に、厚さ800nmのMgO薄膜を作製した。作製条件は、基板温度200℃、酸素分圧1.0×10−2Pa、成膜速度1.5nm/secで行った。
【0061】
<比較例8>
実施例13と同様に、MgO成分を含むバインダとして有機酸マグネシウムを79重量%と、MgO成分を含まないバインダーとしてエチルセルロースを2重量%、溶媒としてα−テルピネオールを19重量%を混合してペーストを作製した。これを基板上にスクリーン印刷法により転写し、150℃で15分間乾燥後、450℃で30分間保持し焼成を行った。
【0062】
<比較例9>
実施例14と同様に、気相法により得た平均粒径50nmのMgO粉末を5重量%と、MgO成分のバインダとしてマグネシウムジエトキシドを1.25重量%、溶媒としてメチルセロソルブを93.75重量%を混合して均一な分散液を調製した。この分散液をスピンコート法にて基板上に塗布し、60℃で30分間乾燥後、450℃で10分間焼成した。
【0063】
<比較例10>
MgO薄膜作製後、プラズマ照射の代わりにHFガスを薄膜に直接噴射した。具体的には基板温度を150℃に設定し、酸素ガス導入を止め、ガス分圧100Paの無水HFガスを導入し、1分間保持して表面改質を行った。
【0064】
上記のように作成した各サンプルに対して、次のように評価をおこなった。
【0065】
<評価方法>
フッ化物層厚さ・・・XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用い、得られた薄膜をスパッタエッチングしながら深さ方向の組成分析を行い、フッ素が検出できなくなるまでの深さ(nm)で評価した。
【0066】
基板内バラツキ・・・蛍光X線分光法により、15cm□基板内の縦横5cm間隔の9箇所で、フッ素とマグネシウムの元素比(F/Mg×100)(%)を測定し、それらの値の標準偏差と平均値の比(%)を基板内バラツキと定義した。尚、組成分析エリアは30mmφで行った。
【0067】
脱ガス量・・・薄膜を作製した基板を1cm□に切断し、TDS(Temperature Desorption Spectroscopy)装置内にて高真空中で加熱することで、一旦脱ガス/活性化処理を施した。その後、乾燥窒素(露点−80℃)中に10分間暴露した後、再びTDS装置にて脱ガス測定を行い、その脱ガス量[mol]を重量[g]に換算して評価した。
【0068】
これらの結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004075647
【0070】
【表2】
Figure 0004075647
【0071】
これらの結果、表1、表2より、フッ素プラズマで表面改質をすることで脱ガス量の大幅な低減が図れ、実施例では比較例に比べ脱ガス量が少なく、パネル張り合わせ後の真空排気工程が簡略化できることが予想される。また比較例10(特許文献15に対応)では基板内での処理ムラ(基板内バラツキ)が大きかったが、フッ素プラズマ処理では小さい特長があったことが解る。
【0072】
【発明の効果】
本発明のFPD用保護膜の製造方法は、基板の表面にMgO、CaO、SrO、BaO、アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物、またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかにより形成された膜本体を形成し、前記膜本体をフッ素プラズマにて表面処理することにより前記膜本体の表面にフッ化物層を形成するため、このフッ化物層によって、膜本体のMgO等が大気中のCOガスやHOガスと反応することを阻止することができる。これにより、膜本体のMgO等がFPDに有害なMgCOやMg(OH)等へ変質してしまうことを防止でき、その結果、フッ素プラズマで表面改質をすることで脱ガス量の大幅な低減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1実施形態の保護膜が形成された前面基板の断面図。
【図2】 その前面基板が組込まれたPDPの要部断面図。
【符号の説明】
10 PDP(FPD)
13 前面ガラス基板(基板)
14 保護膜
14a 膜本体
14b フッ化物層

Claims (2)

  1. 基板の表面にMgO、CaO、SrO、BaO、アルカリ土類複合酸化物もしくは希土類酸化物、またはアルカリ土類酸化物および希土類酸化物の複合酸化物のいずれかにより形成された膜本体を真空中で形成する工程と、
    前記膜本体を大気に暴露した後に前記膜本体を大気中で焼成して前記膜本体を活性化させる工程と、フッ素プラズマにて表面処理することにより前記膜本体の表面にフッ化物層を形成する工程と、を有することを特徴とするFPD用保護膜の製造方法。
  2. 前記フッ素プラズマの圧力が1×10−3〜1×10−1Paの範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載のFPD用保護膜の製造方法。
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